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フォレストサイドハウスの住人達(その10)
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1 スレッドオーナー
鶴岡次郎
2015/01/13 (火) 15:46
No.2636
浦上千春の隣人、佐原幸恵と言う名を聞いて、記憶力にいい読者であれば、この物語の冒頭で紹介した
佐原靖男のことを思い出されると思います。泉の森公園のベンチに肩を落として座る50男を見て、そ
のイケメンぶりと男のすっかり憔悴したに様子に女ごころを揺り動かされ、すっかり彼に同情した由美
子が彼に声を掛け、おせっかいついでとばかりに彼のマンションまで付いて行き、そこで彼の妻幸恵の
失踪を知らされるのです。
省略・・ここ
31 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(295)
鶴岡次郎
2015/03/31 (火) 15:42
No.2668
その日、佐原は珍しく休暇を取っていました、どうやら午後から私用の予定が入っている様子です。朝
からそわそわして、ゆっくりと進む大時計の針を恨めし気な表情を浮かべて見つめているのです。

トーストと目玉焼きの遅い朝食を済ませた佐原は食器を流しに置いて、居間に戻りました。新聞を取り
上げても活字が頭に入りません。テレビをつけてもこの時間の番組は佐原には馴染みがなく、直ぐ飽き
省略・・ここ
32 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(296)
鶴岡次郎
2015/04/01 (水) 17:14
No.2669

既に女は部屋で待っていました。男が部屋に入ると、はっとした表情で男を見つめていましたが、直ぐ
に気を取り直したようで営業用の笑みを浮かべ恭しく一礼しました。

驚いたのは男の方です。店のショウウインドウで見た幸恵の顔を頭に描いていたのですが、白髪交じり
省略・・ここ
33 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(297)
鶴岡次郎
2015/04/02 (木) 15:04
No.2670

「ところで突然家出をした理由だが・ ・・、
もしかして・・・、
僕のパソコンを覗いて、僕の汚い性癖を知ったということかな・・・」

省略・・ここ
34 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(298)
鶴岡次郎
2015/04/03 (金) 16:50
No.2671

いくら親しい仲でも他人にあの動画を見せることなど佐原の常識ではありえないことなのです。佐原の
中に妻への怒りがこみ上げていました。

〈なんてことをするのだ…、
省略・・ここ
35 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(299)
鶴岡次郎
2015/04/06 (月) 11:31
No.2672
なぜソープに身を沈めたのか、それが佐原の中で一番肝心な、そして一番大きな疑問でした。佐原への
あてつけ行為だとしても、いきなりソープ勤めを選び、その計画を実行するのは、幸恵一人の知恵では
無理だろうと思っていたのです。千春の登場で佐原は幸恵失踪の影に千春が居ると察知しました。そこ
で、思い切って質問することにしたのです。

省略・・ここ
36 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(300)
鶴岡次郎
2015/04/08 (水) 14:39
No.2673
深々と頭を下げて心から謝った、ここで佐原は止めておくべきでした。しかし、黙って家出をして、あ
ろうことかソープに身を沈めた幸恵に対して、抑えきれない不満、怒りが、心の隅のどこかに存在して
いたのでしょう、抑えに抑えていたにもかかわらず、最後になって図らずもそれが吹き出てしまうので
す。多分、準備していた佐原のシナリオにはないセリフを吐き出すことになったのだと思います。

省略・・ここ
37 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(301)
鶴岡次郎
2015/04/09 (木) 15:46
No.2674

佐原をじっと見つめて幸恵がゆっくり口を開きました。

「でも・・、あの時は・・・
それ以外の選択肢が私には考えられなかったのです・・・、
省略・・ここ
38 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(302)
鶴岡次郎
2015/04/10 (金) 12:03
No.2675
2015、4、10、 記事番号2674に一部修正を加えました。再読いただければ幸いです。


女を抱きしめていた手を緩め佐原が女の顔を真正面から見ています。ほとんど唇が接触するほど二人は
接近しているのです。笑みを浮かべて男が囁きました。
省略・・ここ
39 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(303)
鶴岡次郎
2015/04/11 (土) 16:19
No.2677

傍から見ていると二人の会話は全くかみ合っていないのですが、そのことに二人は全く気が付かないの
です。幸恵と同様、佐原も幸恵の言葉を理解できないほど混乱していたのです。幸恵のつぶやきに耳を
傾ける余裕が無かったのです。男と女も相手を思う気持ちが強すぎて、肝心の相手の言葉を少しも聞い
ていなかったのです。
省略・・ここ
40 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(304)
鶴岡次郎
2015/04/14 (火) 12:36
No.2678
体から立ち上がる娼婦の匂いを夫に悟られたと妻は不安と絶望感を抱き、一方夫は、隠れて変態的な買
春をしたことへの仕返しのため妻が売春婦に身を落したと受け止めていたのです。互いに相手の気持ち
を誤解していたことを知り、幸恵はすこし落ち着きを取り戻しています。そして、愚かな誤解をしてい
た夫に女の本当の気持ちを語り聞かせるべくゆっくりと話し始めました。

省略・・ここ
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