フォレストサイドハウスの住人達(その10)
33 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(297)
鶴岡次郎
2015/04/02 (木) 15:04
No.2670

「ところで突然家出をした理由だが・ ・・、
もしかして・・・、
僕のパソコンを覗いて、僕の汚い性癖を知ったということかな・・・」

「ハイ・・」

「う・・・ん・・・、
やはりそうだったか・・・、
お前の家出を知った時、あの動画が原因だと先ず疑ったのだが・・、
お前がパソコンを使えないと知っていたから・・・、
先ず秘密がバレる心配はないと思っていた…」

「あなたがパソコンを使っているのを日頃から見ていて、私もやりたいと思って、
市が主催したパソコン教室へ内緒で通っていました。
それで、あなたのパソコンを時々覗くようになっていました・・」

「パソコンを勉強していたとはね・・、
一緒に住んでいても案外判らないものだね…、
動画を見た時はびっくりしただろう・・・」

「はい・・・・、
最初はびっくりして・・・、
正直言って・・、
とてもあなたに付いて行けないと思いました・・・
私自身の身の振り方を何とかしなくてはいけないと焦りました・・・・」

「そうだろうな・・、
どんな女でもあの動画を見れば一緒に居たくないと思うはずだ・・・。
何しろ、亭主が女装して、全裸に近い女の手で縛り上げられ・・、
その女からむち打ちを受けて、嬉しそうに悶えているのだからね…」

「・・・・・・」

「私の奇妙な性癖を幸恵に知られるにしても、
あのビデオを見られたのは最悪だった…、
私の不注意から、幸恵に辛い思いをさせてしまった・・・、
言い訳はしない・・・、この通りだ・・・」

「・・・・・・・・」

深々と佐原が頭を下げています。慈愛に満ちた表情で幸恵が佐原を見つめています。

「あの動画を見つけた後、
私一人ではどうすることも出来ないし・・・、
事が事だけに相談する人もいなくて、ただ悩んでいました。

お隣の千春さんご存知でしょう…、
千春さんは若いけれど、男と女の問題については、
私など足元に寄れないほど経験豊富なんです・・・。
彼女なら、いい知恵を出してくれるかも知れないと思いつきました・・。
それで思い切って彼女に相談したのです・・・」

「エッ・・・、
他人にあのことを話したのか・・」

「ハイ・・・、動画も見せました…」

「・・・・・・」

驚きで佐原は次の言葉が出せなくなっていました。