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一丁目一番地の管理人(その29)
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1 スレッドオーナー
鶴岡次郎
2012/06/16 (土) 14:20
No.2250
朝森の所へ戻ってきた敦子はむしろ積極的に、朝森にとって空白の半年あまりのことを語りつく
しました。露天商の仲間に竹内ともども拾われて、彼らと家族同様の、いやそれを越えた関係を
築き、敦子は明らかな変貌を遂げていました。敦子自身その変化を自覚していて、新しい彼女自
身に誇りさえ持ち始めていたのです。

省略・・ここ
2 一丁目一番地の管理人(422)
鶴岡次郎
2012/06/17 (日) 16:20
No.2251

二人の女

ここは警察庁の奥まった所にある伍台参事官の部屋です。よく手入れされた黒皮製のソファーに
深々と腰を下ろし、伍台は来客と話し合っています。あまりご機嫌はよくない様子です。伍台の
省略・・ここ
3 一丁目一番地の管理人(423)
鶴岡次郎
2012/06/18 (月) 12:45
No.2252
2251(1)

それにしても、警察が介入してくるのを何よりも恐れているはずのウラ金が何故、世間を騒がす
ような荒仕事をしたのか、竹内を夜襲したウラ金の思惑が何処にあったのか、今となってはそれ
は不明ですが、おそらく夜襲の件は、それほど大騒ぎにならないと犯人達は甘く考えていたとの
省略・・ここ
4 一丁目一番地の管理人(424)
鶴岡次郎
2012/06/19 (火) 14:45
No.2253
「そうなると、これから先も敦子から眼が離せませんね・・、
対象が警視庁管内にいますから、彼女は私達に任せてください・・」

「いや・・、
敦子を追い続けるかどうか、正直言って、決めあぐねています。
省略・・ここ
5 一丁目一番地の管理人(425)
鶴岡次郎
2012/06/22 (金) 14:49
No.2254

「先ほどの話では、柏木管理官は朝森さんと同窓でしょう・・・。
勿論、学部は違うはずですが・・・」

「ハイ・・、彼が二年先輩です。
省略・・ここ
6 一丁目一番地の管理人(426)
鶴岡次郎
2012/06/23 (土) 13:57
No.2255

「君の意見を聞いていて、私は一年前の私自身の姿を見るような思いに捕らわれていました・・。

その頃の私であれば、中年男と一緒に夜逃げした敦子の気持ちなど、理解しようともしなかった
でしょう。半年も一緒に暮らしていた男と別れ、元の夫のところへ戻ってきた敦子も敦子だが、
省略・・ここ
7 一丁目一番地の管理人(427)
鶴岡次郎
2012/06/24 (日) 16:11
No.2256
2255(1)

柏木が部屋を出て行ってから、伍台は今日の予定を秘書に確かめました。珍しく今日は会議の予
定はありませんでした。それでも机の上には決済を待つ書類が山のように積まれています。その
書類にチラッと眼を走らせましたが、それに手を出す様子ではありません。
省略・・ここ
8 一丁目一番地の管理人(428)
鶴岡次郎
2012/06/25 (月) 11:53
No.2257

夫、鶴岡の学友である伍台とは、鶴岡と婚約した頃からの付き合いで、男の女の関係というより
は、仲のいい友達のような付き合いを続けていました。親しくなった男とは、早い機会に情を通
じてきた由美子にしては珍しいことです。

省略・・ここ
9 一丁目一番地の管理人(429)
鶴岡次郎
2012/06/26 (火) 11:51
No.2258

由美子の優しさに溺れ、彼女の豊潤な体に包まれて、社会的な地位や、男の意地を捨て、女に逃
げられた男の弱さを曝して、伍台は取り留めなく話しました。それまで誰にも言えず、澱のよう
に心の底に溜まっていた恨み、悔しさ、未練、怒り、そして後悔などなど、伍台は堰を切ったよ
うにそうした感情の澱を吐き出したのです。
省略・・ここ
10 一丁目一番地の管理人(430)
鶴岡次郎
2012/06/29 (金) 14:55
No.2259

伍台のセックス観が大きく変わった頃、土手の森殺人事件が起きたのです。そして、この頃から
由美子を抱きながら語る伍台の繰言が少し変わっていました。由美子はこの時を待っていたので
す。

省略・・ここ
11 一丁目一番地の管理人(431)
鶴岡次郎
2012/07/02 (月) 11:45
No.2260

「伍台さん・・、
私のことをインランだと思うでしょう・・・
男を漁りを続ける私を、スケベーだと思うでしょう・・。

省略・・ここ
12 一丁目一番地の管理人(432)
鶴岡次郎
2012/07/04 (水) 14:19
No.2261

自室の椅子に深々と身体を沈めて、一週間前、都内のホテルで過ごした由美子との会話を昨日の
出来事のように伍台は思い出し、身体の一部を勃起させていました。この現象は由美子を思って
のことに違いないですが、一方では由美子の奔放に乱れる姿に、喜美枝を重ねていることも確か
なのです。
省略・・ここ
13 一丁目一番地の管理人(433)
鶴岡次郎
2012/07/05 (木) 14:42
No.2262
一週間前の熱い思い出の中に埋没していた伍台がゆっくり立ち上がり、薄暗い執務室の天井を見
上げ、しばらく考える様子を見せ、そして、何事かを決めたようで、背広の内ポケットから私用
の携帯電話を取り出しました。公用の携帯電話は庁内にいる限りは秘書の机上に置かれているの
です。

省略・・ここ
14 一丁目一番地の管理人(434)
鶴岡次郎
2012/07/06 (金) 14:04
No.2263

「その若い妻は中年過ぎの男、禿で背の低い会社社長と浮気を続けていた。ところが不況の波を
もろに受けて、その中年過ぎの男が経営していた会社が倒産し、彼は債権者の追及を交わすため
に、夜逃げすることになった。その中年男は若い情婦に夫の下へ帰るように告げた。しかし、そ
の若い情婦は、何故か、若くて将来性豊かで、イケ面の夫を捨て、禿で背の低いその男を選び、
省略・・ここ
15 一丁目一番地の管理人(435)
鶴岡次郎
2012/07/08 (日) 15:36
No.2264
2263(1)

伍台と食事の約束を済ませた喜美枝は自宅の部屋で泣き崩れていました。喜美枝の両親は、今は
隠退して悠々自適の生活をしているのですが、娘が伍台から食事に誘われた話を聞き、同じ様に
涙を流していました。
省略・・ここ
16 一丁目一番地の管理人(434)
鶴岡次郎
2012/07/09 (月) 16:52
No.2265

一年がかりで伍台を教育して、ようやく女性の性を教え込み、イタリア男とのセックスに溺れた
喜美枝の中にある女の性、女の業を理解させたのです。喜美枝と伍台が元の鞘に納まるためには、
喜美枝の教育が必要だと思っていて、その機会を狙っていたのです。伍台の話を聞いて、その機
会が突然訪れたことを喜びながら、あまりにも急な話で由美子は少し慌てていました。
省略・・ここ
17 一丁目一番地の管理人(435)
鶴岡次郎
2012/07/12 (木) 14:25
No.2266
伍台との電話を終え、由美子はその場で喜美枝に電話を入れました。彼女の頭の中には喜美枝攻
略の完全なシナリオが出来上がっているのです。久しぶりの挨拶を交わして、由美子はゆっくり
本題に入りました。

「主人と伍台さんは、以前どおり、親しく付き合っていて、何でも話し合う仲のようです。先ほ
省略・・ここ
18 一丁目一番地の管理人(436)
鶴岡次郎
2012/07/14 (土) 16:13
No.2267

「結婚して三ヶ月目だった、長期海外出張で主人が居ない時、街で出会った40男とフラフラと
関係を持ったことがあった。初めての浮気だった。その頃、セックスの良さがようやく判り始め
ていて、身体の疼きを抑え切れなくて、男なら誰にでも抱かれる気分になっていたのだと思う。

省略・・ここ
19 一丁目一番地の管理人(437)
鶴岡次郎
2012/07/15 (日) 15:58
No.2268

「翌朝・・・、主人が優しく私を抱き締め、
『・・・乱れる由美子が好き・・』だと、言ってくれた。
『こんなに由美子をインランに育ててくれた人にお礼を言いたい・・・』
冗談だと思うけれど、真顔でそんなことまで言ってくれたの・・。
省略・・ここ
20 一丁目一番地の管理人(438)
鶴岡次郎
2012/07/16 (月) 13:16
No.2269
お腹が目立たない内に全てを処理しなければいけないのです。喜美枝に許された時間は僅かしか
有りませんでした。伍台には、浮気が本気になったことを告げ、離婚話を切り出したのです。勿
論、伍台も喜美枝の両親も反対を通り越して、ただ当惑するだけでした。それでも、喜美枝は頑
なに離婚を望みました。

省略・・ここ
21 一丁目一番地の管理人(439)
鶴岡次郎
2012/07/17 (火) 12:51
No.2270
2269(1)

由美子の浮気話を聴いて喜美枝は癒されていました。実は、由美子の話を聞くまでは、伍台に会
えば、どんなに燃えても、何とか繕って、イタリア男の手で開発された喜美枝の素顔は絶対表に
出さないと決心していたんです。それでも、本当にそれでいいのか、女の感性を殺して伍台との
省略・・ここ
22 一丁目一番地の管理人(440)
鶴岡次郎
2012/07/18 (水) 12:06
No.2271

「恥ずかしいけれど全部告白します・・。
それが出来ないようでは、由美子さんの足元にも近づけませんから・・、
思い切って、淫らな私の全てを話します。
でも・・・、聞けば、きっと、私を軽蔑すると思います・・」
省略・・ここ
23 一丁目一番地の管理人(441)
鶴岡次郎
2012/07/21 (土) 16:10
No.2272

それから、ひとしきり話が弾み、女同士の気安さからか、由美子は過去に経験した男の話をかな
り露骨に披露しました。それが由美子が仕掛けた呼び水だと判っていながら、喜美枝も負けずに
恥ずかしい話を告白し始めました。こうして、二人の女は競い合って淫らな体験を話すことに
成ったのです。
省略・・ここ
24 一丁目一番地の管理人(442)
鶴岡次郎
2012/07/25 (水) 13:34
No.2273

「フフ・・・、
男は皆おんなじネ・・・、
どういうわけか、女房の乱れた姿を他人に見せたがるのよ・・、

省略・・ここ
25 一丁目一番地の管理人(443)
鶴岡次郎
2012/07/31 (火) 11:37
No.2275

暇を持て余した有閑マダムと独身のオーナーシェフ、このシツエイションで想像されるのは男と
女のただれた愛欲情景で、いずれ女の体に飽きが来たイタリア男が女を捨てることになると誰し
もが想像するのです。ところが、喜美枝の話を聞く限りではアダモは真剣に喜美枝を愛し、早い
時期に将来を共にする覚悟を決めていたとようだと由美子は理解したのです。それほど、アダモ
省略・・ここ
26 一丁目一番地の管理人(444)
鶴岡次郎
2012/08/03 (金) 11:40
No.2276

「由美子さん・・、
酷い女だと思っているでしょう・・、
私は女の風上に置けない、ダメな女なのです・・」

省略・・ここ
27 一丁目一番地の管理人(45)
鶴岡次郎
2012/08/06 (月) 14:02
No.2277

一方、由美子への電話依頼を終えた伍台の気分は高揚していました。これで喜美枝とのデートの
準備は全て完了したのです。

僅か一時間前、柏木管理官に会うまでは、生涯の敵、真黒興産を追い詰めながら、今一歩で取り
省略・・ここ
28 新しいスレを立てます
鶴岡次郎
2012/08/06 (月) 14:24
No.2279
新しい章へ移ります。   ジロー
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