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フォレストサイドハウスの住人たち(その9)
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1 スレッドオーナー
鶴岡次郎
2014/08/29 (金) 13:51
No.2575

子育てに一区切りつけた千春に、それまで抑えられていた情欲の波が堰を切ったような勢いで押し
寄せてきました。彼女自身でもどうすることも出来ない圧倒的な情欲に千春は苦悩するのです。長
期出張から帰ってきた浦上は千春の体が変わったことに気が付きます。そして、しばらく忘れてい
た8年前の佐王子の忠告を思い出していました。
省略・・ここ
2 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(212)
鶴岡次郎
2014/08/29 (金) 14:11
No.2576

淫乱貞女

それまで正座していた千春がゆっくりと立ち上がりました。そして、男に近づき、彼のシャツのボ
タンに手をかけたのです。男が少し慌てています。
省略・・ここ
3 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(213)
鶴岡次郎
2014/09/03 (水) 17:10
No.2577

それからしばらくして、男の腕の中で女が覚醒しました。男の顔を見て、恥ずかしそうに微笑んで
います。そして急いで体を男に密着させて、四肢を男に絡めて、顔を男の胸に埋めています。激し
く悶え、失神したことを本気で恥ずかしがっているのです。

省略・・ここ
4 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(214)
鶴岡次郎
2014/09/05 (金) 14:00
No.2580

彼の中では別格の女である由美子を思い出し、彼女と千春を比較しているのです。それほど千春の
成長は佐王子を驚かしていたのです。

〈以前は入口の締め付けだけが強かったが、
省略・・ここ
5 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(215)
鶴岡次郎
2014/09/09 (火) 16:23
No.2581

微笑みを浮かべて千春の顎に手を当て、佐王子は女の瞳を覗き込み、そしてゆっくりと口を開きました。

「抱かれる男にその都度本気で惚れる…、
それは・・、千春が素晴らしい女である証拠だと思う。
省略・・ここ
6 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(216)
鶴岡次郎
2014/09/11 (木) 11:33
No.2583

ここで千春から質問が出るのを待った佐王子ですが、女が口を開かないのを知り、また話し始めました。

「全てが終わって、衣服を着けてお話しする段になると、その時は礼儀正しい令夫人の居ずまいに戻って
いて、わずか30分前、私の腕の中で娼婦の様に悶えた夫人の姿はどこにもなかった。
省略・・ここ
7 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(217)
鶴岡次郎
2014/09/12 (金) 16:11
No.2584

二人は黙りこくったまま、互いの思いにふけっていました。全裸の男と女が神妙な姿勢を見せて、深夜
、無言で向き合って、ソファーに腰を下ろしているのです。奇妙な、どちらかと言えば怪奇的な光景で
すが、二人の間にはさわやかな雰囲気が流れていました。

省略・・ここ
8 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(218)
鶴岡次郎
2014/09/17 (水) 17:40
No.2585
佐王子と千春を居間に残して寝室へ消えた千春の夫、浦上は、千春がこの家で佐王子に抱かれるのを多
分予想していたと思うのですが、その夜、一度も姿を見せることはありませんでした。

他の男に妻が抱かれることになるわけですから、二人のことは気になるに違いないと思いますが、それ
以上に千春を佐王子に託すことを決め、その安堵感が浦上に久しぶりの安眠を与えていたのだと思いま
省略・・ここ
9 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(219)
鶴岡次郎
2014/09/22 (月) 17:25
No.2586

浦上家の隣、1613号室には中年過ぎの佐原康夫と、幸恵夫妻が住んでいます。通常、セキュリィテ
イのいい高級マンションでは住人同士のお付き合いは少ないのですが、両家は入口ドアーが5メートル
と離れていないので、時々廊下で顔を合わせることが多いのです。そして、佐原夫妻には子供がなく、
幼い子供を連れた浦上家に佐原夫妻は興味を持ち、特に佐原夫人は浦上の長男を孫のように可愛がった
省略・・ここ
10 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(220)
鶴岡次郎
2014/09/23 (火) 17:25
No.2587

幸恵がとんでもない誤解をしているのを知り、千春は慌てています。そして、佐王子の名誉のためにも
幸恵の誤解だけは解いておきたいと思ったのです。

「幸恵さん・・、そうではないのです…、
省略・・ここ
11 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(221)
鶴岡次郎
2014/09/24 (水) 14:46
No.2588
「いいお話ね・・・・」

幸恵がゆっくりと口を開きました。千春の話を誤解して、千春がみだらな乱交プレイを楽しんでいると
勘違いして、千春に苦言を出した時はかなりきつい表情を浮かべていたのですが、今は穏やかな表情に
戻っています。。
省略・・ここ
12 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(222)
鶴岡次郎
2014/09/25 (木) 17:30
No.2589

そして三年経ちました。その間お高は長男、長女を産みました。不得意だった家事全般にも慣れ、今で
は近所でも評判の料理上手という噂が立っています。相変わらず人付き合いが上手い女性ですから、お
高のことを悪く言う人は居ません。また、男性たちを惹きつける色香は子供産んでますます磨きがかか
り、妖しいばかりの輝きを見せるようになっているのです。
省略・・ここ
13 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(223)
鶴岡次郎
2014/09/26 (金) 14:30
No.2590
昨夜、次郎太が部屋の外に立ち、内部の様子をすべて覗きこんでいたことを高は悟りました。驚きと絶
望感で何も考えることが出来なくなった高は廊下に座り込んでしまいました。廊下に座り込んだまま、
しばらく茫然としていましたが、廊下の冷気を感じ取り、次第に落ち着いてきました。何故、夫が部屋
に乱入しなかったのか、その理由を高は考え始めていたのです・・・。

省略・・ここ
14 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(224)
鶴岡次郎
2014/09/27 (土) 12:13
No.2591

部屋に踏み込まなかった次郎太の苦悩とその場を去ると決心した苦渋の選択の意味を高は正確に理解し
ていました。そして、事を荒立てるのを避けた夫の意志を尊重して、自身の身の振り方も次郎太の決断
にすべて任せ彼女自身はただ大人しく夫の沙汰を待つことにしたのです。結果として命を奪われること
になっても、熟慮の上、夫が選択した道であれば、黙って進むと高は短い時間に腹を固めたのです。
省略・・ここ
15 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(225)
鶴岡次郎
2014/09/29 (月) 16:26
No.2592
高の様子を見て、次郎太は手にした盃をお膳に戻し、少し居ずまいを正し、高の顔を見つめました。高
が何を話し出すか次郎太には十分想像できていたのですが、そんなそぶりを見せないで穏やかな表情を
浮かべて妻の顔を見ています。

「旦那様にお話があります・・・」
省略・・ここ
16 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(226)
鶴岡次郎
2014/10/01 (水) 15:56
No.2593

既に覚悟を決めているせいでしょうか、高は淡々と告白しています。次郎太の反応を確かめる余裕さえ
見せているのです。

「私から逃げようとされていたお父様のモノが・・、
省略・・ここ
17 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(227)
鶴岡次郎
2014/10/02 (木) 13:58
No.2594
優しい瞳で次郎太が高を見ています。高はやや緊張した面持ちで夫の表情が意味するところを読み取ろ
うとしていました。しかし、次郎太が何を考え、何を言おうとしているのか、高には読み切れませんで
した。ただ、次郎太が正確に高の話を理解し、ごく冷静に裁決を出そうとしていることは高にも理解で
きたのです。

省略・・ここ
18 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(228)
鶴岡次郎
2014/10/08 (水) 14:42
No.2595

もとはといえば今回の事件は、抑えきれない情欲に狂ってしまった高が義父の居室を襲ったことが始ま
りなのです。三度目にこの浮気が夫にバレてしまって、死さえ覚悟したのですが、何故か夫は高を無罪
放免したのです。

省略・・ここ
19 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(229)
鶴岡次郎
2014/10/10 (金) 16:16
No.2596
高の命を救うため、何とか高を納得させることばかり考えている次郎太には、高の気持ちを読み取る余
裕がありません。浮かない表情で話を聞いている妻を見て、妻が酷く当惑していると理解しました。突
然他の男に抱かれろと夫が言い出したのですから、高が当惑するのは当然だと次郎太は思いました。ま
さか、高が興奮して濡らし始めていることなど想像することさえできないのです。

省略・・ここ
20 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(230)
鶴岡次郎
2014/10/13 (月) 17:00
No.2597

高は姿勢を改め、その場に手を着いて頭を下げました。頭を床に付けながら、高は夫に心から謝ってい
ました。

〈旦那様・・・、
省略・・ここ
21 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(231)
鶴岡次郎
2014/10/14 (火) 12:18
No.2599

妻の心中で淫らな期待が膨らんでいることなど全く気付かない次郎太は、当然拒否を貫くと思った高が
その気になったこの機を逃さないで、畳みかけて、考えている計画をすべて高に話すつもりになってい
ます。

省略・・ここ
22 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(232)
鶴岡次郎
2014/10/15 (水) 10:59
No.2600
もう・・、心配ないと思ったのでしょう、大きな仕事をやり遂げた後のような爽快感を次郎太は噛みし
めていました。そして、改めて目の前の妻に視線を走らせているのです。

風呂上がりの肌から甘酸っぱい香りが立ち上がり、次郎太の敏感な鼻孔を刺激するのです。いつものこ
とで、風呂上がりでは、下着は腰巻だけを着けているのです。ゆったりと着けている着物の合わせ目か
省略・・ここ
23 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(233)
鶴岡次郎
2014/10/17 (金) 10:41
No.2601

この問題でまさか妻から提案があるとは思ってもいなかったのです、次郎太はびっくりしています。

「エッ・・、
お前に男の心当たりがあるのか…、
省略・・ここ
24 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(234)
鶴岡次郎
2014/10/20 (月) 11:59
No.2602

夫の気が付かないところで、妻が男たちの悪戯の対象になっていることを知り、何故か次郎太は体を熱
くしていました。

「後ろから羽交い絞めにされたのか…、
省略・・ここ
25 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(235)
鶴岡次郎
2014/10/21 (火) 14:32
No.2603

妻の話を聞いて不愉快になっている様子ではありません、それどころか次郎太は少し笑を浮かべている
のです。

〈なんてことだ・・、
省略・・ここ
26 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(236)
鶴岡次郎
2014/10/23 (木) 13:06
No.2604

ここで言葉を切り、話す内容を整理しているのでしょうか、少しの間沈黙が続きました。期待と不安で
妻の言葉を待っているのですが、次郎太は表面上、努めて柔和な表情を作っています。

「名前を言えば、旦那様もご存知の方です。
省略・・ここ
27 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(237)
鶴岡次郎
2014/10/27 (月) 15:12
No.2605

満開の花の園で、屈強な男に後ろから抱きしめられ、前を開かれ、片方の乳房を全部曝し、男の手で開
かれた大腿部はほとんど陰毛が見えるほどに露出しています。目を閉じ、うっとりして男の手を、そし
て指を、女の大切な部分に迎え入れている妻の艶姿を、はっきりと次郎太は思い描き出していました。
不思議と怒りの感情は湧き上がっていませんでした。
省略・・ここ
28 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(238)
鶴岡次郎
2014/10/29 (水) 15:16
No.2606

まばゆいばかりの日差しが降り注ぐサツキ園の中で、背後から男に抱きしめられ、着物の前をいっぱい
に開かれ、乳房もそして、股間の茂みさえもあらわに出して、男の指と唇で全身の性感ポイントを縦横
に弄ばれ、愛液をいっぱいしたたらせて、高は体をくねらせているのです。

省略・・ここ
29 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(239)
鶴岡次郎
2014/10/30 (木) 14:37
No.2607

男が最後まで行かないことを高が不満に思っていることは確かなのです。その不満には気が付かないふ
りをして、彼女の表情を覗き込むようにして次郎太が口を開きました。

「高の話を聞いていて、少なからず妬けるが・・、
省略・・ここ
30 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(240)
鶴岡次郎
2014/10/31 (金) 12:12
No.2608
最初の男はよく出来た男で自制して挿入まで行かなかったにしても、10人を超える男を相手にしてい
れば、中には不心得な男もいるはずです。それに、男と女が全裸になり、局部まで舐めあう仲になって、
それでいて挿入がないとは考えにくいのです。次郎太は嫉妬よりも、ある期待で胸を膨らませて、高の
返事をじっと待ちました。

省略・・ここ
31 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(241)
鶴岡次郎
2014/11/01 (土) 11:43
No.2609
2014_11_1、記事番号2608に一部修正を加えました。

夫に言ったように、高は寺男の覗きを全く警戒していませんでした。ところがある日、詩吟の会が終
わった後、男と示し合わせて、別々にお寺の後ろにある小屋に行った時たまたまそのことに気が付いた
のです。この頃には、女はその部屋で男と遊ぶことに慣れていて、それまでは気が付かなったわずかな
省略・・ここ
32 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(242)
鶴岡次郎
2014/11/06 (木) 11:45
No.2610

身分違いの寺男、与一のことは、たとえそれが遊び心から出たことでもあっても、次郎太には一切知ら
してはいけないと高は自覚していました。それで夫が寺男の話題にこだわらないよう、サムライ達との
情事をことさら細かく説明して、夫の関心を男達に向ける作戦を取ることにしました。

省略・・ここ
33 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(243)
鶴岡次郎
2014/11/07 (金) 16:16
No.2611

次郎太は挿入に関する妻の言葉を内心で反復しながらのその真偽を確かめようとしていました。そして、
次の瞬間、ある考えが脳裏にひらめきました…。

「そうだ・・、その手があったか…、
省略・・ここ
34 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(244)
鶴岡次郎
2014/11/10 (月) 16:00
No.2612

思いつめた様子を見せて高が口を開きました。妻の様子を見て次郎太が緊張しています。

「先ほど寺男の話が出ましたが…、
そのことで、旦那様に隠していることがあります・・」
省略・・ここ
35 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(245)
鶴岡次郎
2014/11/14 (金) 13:40
No.2613

少しからかうような表情で高を見つめる夫の視線を避けるように、高は視線を床に落としています。与
一のことも含めて、ここまで何一つ嘘は言っていないのです。しかし、この先を話すことは迷っている
のです。できれば、与一のことには触れてほしくない気持ちが強いのです。そんな妻の様子を次郎太は
見抜いているのでしょうか、与一の話題を変えようとはしないのです。
省略・・ここ
36 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(246)
鶴岡次郎
2014/11/17 (月) 13:56
No.2614

高は覚悟を決めた様子を見せて話しています、夫がこの話を嫌がらずに聞いているのが不思議で仕方が
ないのですが、ともかくも、夫が望んでいるのであれば最後まで話すつもりになっているのです。

「この頃は、詩吟の会が開かれる日は必ずと言っていいほど、与一さんの小屋で男の方と会う約束を取
省略・・ここ
37 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(247)
鶴岡次郎
2014/11/19 (水) 13:58
No.2615
夫の反応を見て、高の話に並々ならぬ興味を持っているのを察知していました。しかし、夫がなぜ妻の
浮気話にそんなに興味を持つのか完全に理解できていない様子です。

「いいのですか…、
私のふしだらで、淫らな行状をお聞きになって、気分が悪くなりませんか・・、
省略・・ここ
38 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(248)
鶴岡次郎
2014/11/25 (火) 11:35
No.2616

けだるそうなふりを見せながら、女は脱ぎ捨ててあった着物に手を伸ばそうとして、思いとどまり、手
拭いらしい白い布を拾い上げました。着物を着ける前に股間の汚れを拭い取るつもりなのです。そこを
覗き込んで、驚いた表情を浮かべ大きな声で与一に声を掛けています。

省略・・ここ
39 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(249)
鶴岡次郎
2014/11/26 (水) 16:53
No.2617
与一の居間に通じる板戸が開き、与一が入ってきました。高はそれでも指を動かし続けています。そし
て、空いている左手で乳房をつかみ揉み始めているのです。下半身はほとんど剥きだしで、濡れたそこ
から高い水音が出ているのです。上半身も前が乱れて、豊かな乳房の全景が見えます。女は目を閉じて、
一心に体を慰めています。

省略・・ここ
40 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(250)
鶴岡次郎
2014/11/27 (木) 15:12
No.2618

その日は高の夫、次郎太が定例の郡回りで留守でした。夕ご飯は下ごしらえをして、いつもの様に、後
は舅に任せてきたのです。高は何の心配もなく自由に遊べるのです。二人は暗くなるまで悶え狂いまし
た。ことが終わり、帰路を辿る高は明らかに異常でした。

省略・・ここ
41 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(251)
鶴岡次郎
2014/11/28 (金) 15:33
No.2619

高の告白を聞きながら、次郎太は何から手を付けるべきか考えていました。最初に、手を打つべきこと
は高の行状を表ざたにしないことです。関係を持った男達の口を封じることが必要なのです。

関係した男は20人足らずで、与一を除けば、全員が詩吟の会に参加している藩の侍です。彼らとて高
省略・・ここ
42 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(252)
鶴岡次郎
2014/11/29 (土) 14:45
No.2620

頭を床に付け肩を震わせている妻を次郎太は慈愛に満ちた表情で見ています。

「人並み外れた情欲を持って生まれたことで、
お高は自分ではどうすることも出来ない悩みと苦悩を抱えることになった。
省略・・ここ
43 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(253)
鶴岡次郎
2014/12/04 (木) 14:40
No.2621

ここまで高はただ黙って笑みを浮かべて夫の説明を聞いていましたが、ここで初めて口を開きました。

「今までは、私自身が・・、
挿入することには及び腰でしたから、
省略・・ここ
44 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(254)
鶴岡次郎
2014/12/05 (金) 14:47
No.2622

高の肩に手をかけて、ポンポンと妻の肩を叩きながら、次郎太が笑みを浮かべて口を開きました。

「そうはいっても、お前が他所の男に抱かれるのは辛い・・、
そのことを考えると、気が狂うほど妬ける・・。
省略・・ここ
45 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(255)
鶴岡次郎
2014/12/10 (水) 16:36
No.2623

北国の雄藩の下級藩士である佐伯次郎太は新婚妻を病で失い失意の底にいました。周囲の者は見かねて
彼に江戸詰めを薦めたのです。周囲の善意で江戸詰めを始めて三年経ちました。その頃には佐伯次郎太
は江戸の街にも慣れ、それなりの遊びも覚え、ここでの生活を大いに楽しむまでに回復していました。
もう彼の中では郷里で失った新婚妻の影はかなり遠い存在になっていたのです。
省略・・ここ
46 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(256)
鶴岡次郎
2014/12/11 (木) 12:10
No.2624

この日を迎えるまで次郎太は一年以上、なけなしの財布をはたいて大和太夫の元に通いづめ、彼女と身
請け話をする仲にまでなっていたのです。そして今日、廓の主人を訪ね、正式に身請け話を切り出した
のです。二つ返事で正衛門が承諾してくれると次郎太は考えていたのですが、意外にも彼は次郎太一人
の考えでは信用できないと彼の申し出を事実上跳ね返したのです。
省略・・ここ
47 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(257)
鶴岡次郎
2014/12/12 (金) 14:48
No.2625

廓の亭主によると、高は古今の書を読破していてその知識は良家の武家娘でも遠く及ばないほどなので
す。また、和歌の道、茶道の道を究め、その道でも 生活できるほどの腕前になっていたのです。女郎
をしながらそうした道を究めるには血のにじむような努力と強い意志力が必要なのです。

省略・・ここ
48 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(258)
鶴岡次郎
2014/12/14 (日) 17:14
No.2626

思っている言葉をすべて吐き出した高はじっと須藤を見つめています。須藤を見つめる高の濡れた瞳が
幾分強い光を放っています。

〈どうやら・・・、
省略・・ここ
49 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(259)
鶴岡次郎
2014/12/15 (月) 11:35
No.2627

須藤は上機嫌で若い二人を交互に見ています。見れば見るほど似合いの二人なのです。それでも須藤は
手放しでは喜べない複雑な思いを噛み締めていました。

女郎と主持ちの侍、普通でない婚姻を決断した二人には、この先、たくさんの苦難が待ち受けているは
省略・・ここ
50 フォレストサイドハウスの住人たち(その9)(260)
鶴岡次郎
2014/12/16 (火) 15:00
No.2628
次郎太の顔をじっと見つめて、おもむろに亭主は口を開きました。

「ここでは男に抱かれることが女たちの生活の全てです。
男達によって刻み込まれた記憶が・・、
彼女たちの心と体にずっしりと残るのです。
省略・・ここ
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