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フォレストサイドハウスの住人達(その19)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2017/07/20 (木) 15:34 ID:3qqEWlwU No.3027
人妻、坂上咲江と、飲み屋街の不動産業者、50男、村上総一郎の不倫の仲はここ一年以上続いてい
ます。千春の努力で咲江の夫、坂上夏樹の男性力は驚異的に成長しました。これで咲江の浮気は自然
消滅すると・・・、千春も彼女を支えてきた由美子も、愛も、確信したのです。しかし、ことは
そう・・、簡単には行きませんでした。「ここで・・・、村上を捨てることは出来ない‥」と咲江が
言い出したのです。舞台は最終幕に入ります。相変わらずこれと言って特徴のない市民たちが織り成
す風景を描きます。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。
卑猥な言葉を文脈上やむを得ず使用することになりますが、伏字等で不快な思いをさせないよう注意
しますが、気を悪くされることもあると存じます。そうした時は読み流してご容赦ください。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにしま
す。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。

・〈(1)2014.5.8〉 文末にこの記事があれば、この日、この記事に1回目の手を加えたことを示
します。
・〈記事番号1779に修正を加えました。(2)2014.5.8〉 文頭にこの記事があれば、記事番号1779
 に二回目の修正を加えたことを示し、日付は最後の修正日付です。ご面倒でも当該記事を読み直し
ていただければ幸いです。


[13] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(618)   鶴岡次郎 :2017/08/29 (火) 14:29 ID:PDD3cNAg No.3039

「村上総一郎さんと言ったわね・・・、
あなたからの誘いであれば…、
喜んで、どこへでも飛んでいきますから…・
いつでもいいわよ・・・、
組に連絡していただければ・・
直ぐに、私につながるから…・」

「ありがとうございます…、
その日を楽しみにしております…・」

また、男がゆっくりと頭を下げています。

「ネエ・・、ところで・・・、
あなた・・、時間はあるのでしょう…?
少し・・・、
ここで、リハーサルしていかない…?」

「・・・・・・」

「私は…、先ほどから・・、
もやもやしているのよ・・、
ほら・・、見て・・・・・」

「・・・・・・・・」

普段は自分から仕掛けることは少ないのですが、ショーの興奮が収まらないのでしょう、男の強い精
気を浴びて、火に油をかけられた状態になっている由美子です。歯止めが完全に外れています。滴る
ような笑みを浮かべて、ガウンの前を開き、両脚を開き、陰唇を指で開いています。吐き出された愛
液で大腿部がべっとりと濡れているのを・・、サーモンピンクの輝きさえ、男の視線は捕らえていま
す。男は困惑の表情を浮かべ、それでも、じっと、女の体を見ています。

・・と、女が動きました。そっと体を寄せ、両手を男の首にかけ、唇を突き出しています。甘い香り
が男の鼻腔を刺激しています。キッスを求めているのです。男は直立不動の姿勢を崩しません。それ
でも、男の股間が限界まで膨張しているのを、女の肌は感じ取っていました。男は動こうとしませ
ん。女は男の頬にキッスを残して男から離れました。

「今の私では・・、
とても姐さんのお相手は出来ません…、
ご厚意はありがたいのですが・・・、
今回は・・、平に、おゆるしください・・・」

「・・・・・・・」

硬い表情を浮かべ男がゆっくりと頭を下げています。黙って、由美子が頷いています。男は、もう一
度、深々と頭を下げて、そして、潔く背を向けて、ゆったりとした歩調でその場を去りました。後に
は強い男の精気がいつまでも残っていました。由美子は大きく深呼吸して、男の精気を胸一杯に収
め、不可解な、笑みを浮かべて、ゆっくりとドアーを閉めました。


それっきりの縁ですが、村上のすさまじい精気を由美子はしっかり覚えていたのです。そして、村上
も今はっきりと彼女を思い出している様子なのです。もちろん、男も女もそんなことは口にしません。


[14] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(619)   鶴岡次郎 :2017/09/01 (金) 15:32 ID:/4JzoNQw No.3040

さて・・、村上と由美子の過去の経緯を少し長く語りすぎました。話を本筋に戻します。スタンド
バーの出物を探しているとの触れ込みで、由美子が村上の経営する店を訪ね、出物の物件を三件ほど
実地に見学したのです。今日見学した物件にさほど惹かれていない由美子を見て、村上は少し焦りま
した。

前の店が倒産して、新規巻き返しで売り店舗の斡旋に絞って、新たに商売を始めた最初のお客が由美
子で、彼女を逃がすわけにはいかないと、村上は奥の手を使う腹を固めました。前の店では、店舗の
改装、備品の販売など、飲み屋のマダムを相手にすることが多く、店では数人のイケメンを従業員に
雇い入れ、彼らの色気を活用して、いい商売をやって来たのです。もちろん、社長である村上自身も
率先して、色気作戦で商売を展開して来たのです。

由美子を食事に誘うと、意外に簡単に受け入れたのです。村上は腹の内で、商談成立の勝利宣言をし
ていました。今まで酒場のマダムを食事に誘い、商談で失敗したことは一度もないのです。食事の
間、甘い言葉で女を操り、ホテルに連れ込めば、村上の勝ちパターンなのです。後は、長年磨いてき
た竿氏の技が女を狂わせるのです。こうして、まんまと、由美子は村上の罠に堕ちたように見えます…。


「今日見せていただいた店のお客は、やはり通勤客が多いのですか・・」

サラリーマンを相手にする店が多いと踏んだ由美子が質問しています。

「はい・・、お客様のおっしょる通りです…、
このあたりは、住人が少ないのです・・、
それでいて、有名デパート、有名老舗店舗や、観光名所も少ないですから、
観光客は期待できません・・・、
自然と通勤客相手の経営が主体になります…」

「そうですか、地域の住人が少ないのですか・・、
そうすると・・、村上さんも離れた所にお住まいですか…」

「いえ・・、私は近くのぼろアパートに住んでいます。
マンションや、アパートが他の地区に比べて少ない中での希少な物件です・・」

「事務所の近くに住んでいらっしゃるのですか・・、
それはいいですね…」

「そうでもありません・・、この周りには・・、
気の利いたスーパーはおろか、小売店も少ないので、
ここにいる住人は買い物難民ですよ・・・、ハハ・・・」

「じゃ・・奥様はお困りですね…」

「独り身ですから・・、その点気楽です…」

「それは・・、それは…」

近くに住んでいて、独身であることを問わず語りに明かしている村上の魂胆は見え見えです。独身で
あると聞かされて、由美子は驚きながらも、そんな時、女が見せる複雑な反応を意識的に見せていま
す。勿論、由美子は村上が独身でこの事務所の近くにある2DKのアパートの住人であることも千春
から聞いて良く知っています。まさに男と女の勝負が始まっているのです。

食後、ストレートに村上は自宅へ由美子を誘いました。咲江以外の女を自宅には招かない村上にして
は珍しく、由美子をアパートに誘ったのです。村上としても、由美子攻略に相当気を入れていて、あ
えて禁じ手の自宅への招待カードを切ったのだと思います。

ホテルへ誘うようなら軽く拒否して、自宅へ招くよう仕向けるつもりの由美子だったのですが、
あっさり自宅へ招待されることになり、あまりに好都合な展開に、由美子は内心で驚いていました。

「二時間ほどなら・・」

妖艶な笑みを浮かべている由美子です。

「失礼して・・、ちょっとあの人に連絡を入れます…、
若過ぎるイロを持っていると、何かと気を使うことが多いのよ…、フフ…」

若い愛人に遅くなる旨連絡を入れると言う、きわどい言い訳を言って、由美子はテーブルから立ち上
がり、トイレに向かいました。村上は勝利をこの時点で確信していました。


[15] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(620)   鶴岡次郎 :2017/09/07 (木) 10:43 ID:NVaaPKh. No.3041
ゆったりと食事をとり二人はレストランを出ました。肩を並べて、手を組み、何事か楽しそうに会話
しながら歩いています。暗がりの角を曲がると、男がすかさず唇を吸いに来て、女がそれに積極的に
応えています。かなり長い間二人は舌を使いました。堪えかねて、腰が砕けて、由美子が体の力をぬ
き、男に支えられ、両腕をだらりと垂れています。演技でなく村上の技に由美子は軽くいってし
まったのです。

先ほどレストランを出てから、二人の後を密かに尾行する二つ影があるのですが、さすがの村上も気
が付いていない様子です。二つの影は、絡み合う由美子と村上の姿を暗がりの中からじっと見つめて
います。

自宅へ着くと村上は竿師の本領を発揮してきました。玄関で、由美子の衣服を丁寧に脱ぎ取り始めま
した。衣服から、下着まで、点々と廊下にばらまかれ、居間のソファーにたどり着くころには全裸に
剥かれていました。

居間の隣が寝室になっています。裸に剥いた女を抱き上げ、男は比較的大きなダブルベッドに女を優
しく横たえました。女を優しく見つめながら、男は衣服をはぎ取り全裸になりました。鍛え上げた肉
体は60歳近くになっているのを感じさせないほど見事さを保っています。普通サイズの男根はもう
臨戦態勢です。

女の傍にゆっくりと体を横たえ、何事か優しい声をかけながら、全身をくまなく嘗め回し始めまし
た。女は呻きながら、男に全身を預けています。

「きれいだ・・」「素晴らしい・・」と、うわ言を言うように女体を褒めるのです。指の動きも、舌
の動きも絶妙でした。数え切れないほどの女たち・・、酒場のマダムや、その道でその人ありと知ら
れた玄人女たちがあっさり落とされる村上の技です。並みの女であればここで簡単に落とされるで
しょう。

村上のやり方は、舌と指で女体を十分もてあそび、女が挿入を懇願するまで根気強くその攻撃を続け
るのです。そして、女が狂いだし、「欲しい・・、入れて・・」と叫ぶようになってもさらに焦らす
のです。女が数回行くのを見届けて、おもむろに男根を挿入してとどめを刺します。どんな粗チンで
も、ここまで高められると、女は一気に昇天するのです。これが村上流の攻撃パターンです。

一時間はおろか、二時間でも前儀を続けるのです。この攻撃方法をとると、並みの寸法である村上の
男根でも、巨根並みの、いや、巨根をはるかにしのぐ決定的な打撃を女に与えることができるので
す。

抱き合った瞬間から、由美子は村上の攻撃パターンを読み取っていました。彼の術中に嵌ればいかに
由美子でも、女の弱さをさらけ出すことになり、到底村上にはかないません。もろくも撃沈し、男の
体の下で気絶することになるのです。

由美子が反撃に出ました。村上と同じように指と舌で男の体を攻めるのです。相手から指と舌の攻撃
を受けながら、それに対抗してやはり舌と指で攻撃するのです。普通に考えれば性感の勝る女体の方
が男性より早く落ちるのが当然です。それを避けるため、アナルと男根への攻撃を由美子は優先させ
ました。

由美子の作戦は女体が攻略される前に、男根を膣に挿入させることです。膣に男根を咥え込めば、彼
女の思うままなのです。この方法で勝負の主導権を由美子は握ろうと考えているのです。過去に何度
もこの作戦で男を攻略してきたのです。

男と女、死力を尽くして相手の体をなぶりました。本番前の前儀で勝った方が勝利に一歩近づくので
す。そのことを女も男もよく知っていました。ただ、女は絶対勝たなくてはいけない背景があり、男
にはそれほど強い勝利への執着がないのです。この意識の差が結果に表れました。


[16] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(621)   鶴岡次郎 :2017/09/08 (金) 15:24 ID:24GB8EsY No.3042
しばらく攻防が続いた後、男が我慢できなくなったのでしょう、唸り声をあげ、立ち上がり、両手で
女の足首を握り、両脚をいっぱいに開きました。女が悲鳴をあげています。多分、歓喜の声だと思い
ます。

股間から透明な液が吹き上がりベッドシーツを濡らしています。おもむろに男が体を寄せ、大きく開
かれた脚の間に腰を入れました。そして一気に男根を挿入したのです、かなり荒っぽい挿入です、受
け入れ態勢が出来上がっている女は難なく男根を飲み込んでいます。女が野獣のような悲鳴を上げ
て、首をそらせ、腰を突き上げ、ブリッジを作っています。この様子を見る限り、女が負けたと誰で
も思います。

膣に男根を迎え入れ、肉棒をしっかり内壁で捕まえた瞬間、由美子は勝利を確信しました。そして、
膣内の筋肉に総動員の指令を発したのです。その気になれば、完全勃起した男根をその強い締め付け
で固定して、腰をひねって男根をへし折ることが出来るほどの威力を持つ由美子の膣力です。これま
でも何度か説明してきましたので今更由美子の膣力を解説する必要はないと思いますが、話の流れで
すので、少し触れさせてください。

由美子の膣内筋肉は、彼女が自由にコントロールできる部分と、彼女の性感に直結した部分があり、
この部分は由美子自身も制御不能なのです。通常の性交では主として前者の筋肉を使い、後者の出番
を抑え込んでいます。すなわち、由美子は男性と接触する時、夢中になるのをできる限り避けるので
す。努めて、膣筋肉を彼女のコントロール下に置くよう気を配るのです。

由美子が彼女自身を完全に開放すると、強い締め付けによる酷い痛みと、その後にこの世のものと思
えない快感が男性を襲います。酷い痛みとこの世のものと思えない快感、これが交互に男性を襲うの
です。男は叫び声をあげ悶絶することになります。

もし、事前に村上を竿氏だと判っていなかったら、油断を突かれて、村上の術中に嵌り、由美子は
早々に失神していたでしょう。腕利きの竿氏と戦うと覚悟を固めて、警戒していたことで、多少の余
裕が持てたのです。それでも由美子は追い込まれていたのです。今にも落ちそうになる由美子を最後
に支えたのが、使命感でした。絶対村上を攻略せねばならないのです。由美子の力を村上に・・、
そして、どこかに潜んでいるに違いないもう一人にも…、見せつける必要があるのです。

由美子は完全に自分を解放しました。活動を抑えられていた膣内のすべての筋肉が活発にうごめき始
めました。村上は二分と耐え切れませんでした。由美子の上に体を投げ出し、四肢をけいれんさせな
がら、低いうなり声をあげて、体中の水分を全て吐き出すような勢いで精を由美子の中に放出したの
です。女も、失神寸前でかろうじて踏みとどまっている様子です。傍目には互角の勝負・・、少なく
ともそのように見えました。勝ち負けなし、そう見えるのです。

男の頭は完全に真っ白になっていました。全身から力が抜け、女体の上に投げ出した体から力が抜け
だし、全身がなえているのを心地よく感じ取っていました。女性と接して、こんなに我を忘れて昇天
した記憶は男にはありませんでした。

精を吐き出したイチモツを女は咥えて離さないのです。女の息遣いを・・、たぶん心拍に同期した膣
内の血流のうごめきとその息遣いは同期しているはずですが、その動きを男根で男ははっきりと感じ
取っていました。

「参った…、参りました・・・・」

男は晴れ晴れした気持ちでそう呟いていました。その声が暗闇に吸い込まれています。


[17] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(622)   鶴岡次郎 :2017/09/11 (月) 12:31 ID:X/VMQ0Qg No.3043
以前にも紹介しましたので覚えている読者の方もいるかと思いますが、ここで村上のアパートの間取
りを説明しておきます。いわゆる二DKです。入り口の鉄扉を開けるとDKでその奥が10畳ほどの
洋間でソファーを置いて、居間として使用しています。居間の奥が8畳敷きの和室でしたが、絨毯を
敷き詰めてダブルベッドを置き寝室として使用しています。居間と寝室はがっちりした板戸で仕
切ってあり、板戸を一杯にあけると、居間から寝室は丸見えになります。村上は一人暮らしですの
で、いつも板戸を一杯に開けています。

照明は天井灯が完備されているのですが、あまり明るい部屋が好きでない村上は投光器型、手元用な
ど数種のスタンド式照明器を使用しています。寝室には投光器型フロアースタンドと寝室用スタンド
が置かれていて、投光器型にスイッチが入れられていて、比較的強い灯りが灯されています。これ
で、ベッド上で絡み合う男と女の姿を余すところなく照らし出しています。女の体を楽しみたい男が
明るい灯りを点けたのですが、女も嫌がっていない様子です。

居間には三基のフロアースタンドが置かれているのですが、点灯しているのは投光器スタイルの一基
だけで、寝室に近い居間の床に光の輪を暗闇に浮き上がらせています。このフロアースタンド以外の
照明はすべて消されていますから、居間のソファーに座って寝室方向を見ると、ベッドが劇場の舞台
になったように、その上で行われていることをすべて見ることが出来るのです。それでいて、ベッド
の上にいる演技者からは居間の中は真っ暗闇で何も見えないのです。

そう・・、ソファーに座って寝室を覗き見ると、ダブルベッド上で絡み合う二人は、まるでセックス
ショウの舞台にいるように見えるのです。勿論、ベッドの上に居る二人から見ると居間は真っ暗闇の
中です。


うめき声をあげ、全身をけいれんさせながら、村上が由美子の上で深く逝きました。悲鳴を上げ、体
液の噴出を膣で感じ取りながら、由美子もまた深々と逝きました。男は荒い呼吸をしながら、長々と
体を伸ばし、由美子の上で瞼を閉じています。

その時、突然・・・・、暗闇の中でぱちぱちと軽い拍手の音が響きました。


[18] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(623)   鶴岡次郎 :2017/09/12 (火) 14:38 ID:BqbFNe1s No.3044
たくさんの修羅場を潜り抜けてきた男の行動はさすがに素早いものでした。誰かが暗闇に潜んでい
る‥と、察知したのでしょう、由美子の体から滑り降り、膝をつき、上体を起こし、隙のない、鋭い
表情を声が聞こえて来た方向に向けています。手を広げ、由美子をかばう姿勢さえ見せているので
す。それまでセックスに溺れていた男とはとても思えません。暗闇の中に少しでも異常を見つけれ
ば、ちゅうちょしないで裸のまま、とびかかっていく姿勢です。

しかし、村上には何も見えないのです。それでも誰かが潜んでいる気配は感じ取っている様子です。
一方・・由美子は‥、この異常事態を予想していたかのように、素早く起き上がり、タオルケットを
抱き寄せ、拍手の聞こえて来た方向に背を向けて座っています。

「お見事でした…、
お二人とも、さすがですね・・・」

女の声が暗闇から響きました。村上の表情が曇っています。その声の主に心当たりがあるのです。同
時に、それまで全身から発散されていた戦闘色が消えています。敵でないと察知したのでしょう。

「いずれのお姐さんか存じ上げませんが・・・、
さどや・・、その道では名のある方だと思います…。
総一郎さんを相手に・・、ここまで戦えるとは…、
立派でした…、驚きです…・・」

軽く拍手をしながら女が一人、居間から寝室方向へゆっくり歩いてきました。投光器の作り出すもう
一つの光の輪の中に女が入ってきました。

「奥さん…」

村上が呻き声をあげています。

ワンピース姿の咲江が手をたたきながら、光の輪の中に立ち止まりました。もちろん笑みはありませ
ん、緊張した面持ちで二人を見つめているのです。

「女は・・、お前一人だけだと・・、
あなたはいつも言ってくれた・・
でも・・・、そんな甘い言葉なんか信用していませんでした…、
あなたには何人も・・、
他に女が居るはずと覚悟していました・・・」

ベッドに座っている村上を見ながら咲江は静かに語っています。すでに何事か覚悟を固めた女の決意
が見える話しぷりです。

「それでも・・、抱かれている時は幸せでした・・、
あなたに抱かれて・・、
初めて…・、
私は女の喜びを知りました・・。
咲江が一番だと言う・・、
あなたの言葉を信じてもいいと思ったこともあります・・・」

咲江の瞳から涙があふれています。

「でも・・、その女と絡み合う姿を見て・・、
全てが嘘だったと分かりました…
いえ・・、いいの…、あなたの言い分は判ります…。
今日は・・、最後まで聞いてちょうだい…・・」

村上が何かを言おうとして、咲江の手がその言葉を遮っています。男は頷きながら、口を閉じること
にしたようです。

「私との絡みなど・・、
あなたにとっては子供の遊びにもなっていなかったと悟りました・・・。
あなたはいつも・・、
私では満足していなかったのだと・・、思い知らされました・・・」

咲江の頬に涙が流れ、それが顎から床にしたたり落ちているのです。女子力の差をまざまざと見せつ
けられ、嫉妬心さえ忘れている様子です。


[19] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(624)   鶴岡次郎 :2017/09/17 (日) 11:57 ID:EUt8pr.M No.3046

「奥さん・・、
いや・・、咲江…、
誤解だ・…!」

村上が絶叫しました。涙を一杯貯めた瞳で咲江は男を見つめています。

「この人とは今日が初めてだ…
私には咲江が一番だ…」

「いいんです・・、
あなたを責めるつもりはありません…
私だって、主人を裏切り、あなたに溺れていた・・・
いずれ・・、こんな日が来る運命だったのよ…・」

もう・・、笑みさえ浮かべ、割り切った表情です。

「あなたへの未練は残りますが・・、
今日を限りにして、主人のところへ戻ります…、
主人の愛撫があなたを忘れさせてくれるはずです・・・・」

咲江に背を向けて話を聞いている由美子の表情が少し緩んでいます。もちろん、由美子の表情は咲江
には見えないはずです。この咲江の言葉を引き出すために、これまで芝居を演じてきた由美子です、
真剣にやり合っている咲江と村上には申し訳ないと思う気持ちを残しながら、由美子は内心で達成感
を噛み締めていました。

「主人とやり直すつもりです・・・・。
あなたにはまだ・・、申し上げていませんが…、
主人は以前と変わって、すっかりたくましくなりました・・。
今の主人がいてくれれば・・、
あなたを忘れることが出来そうです…。
悲しいことですが・・、
もう・・、あなたに会うことはないと思います…
いえ・・、会ってはいけないと思っています…・」

「・・・・・・・・」

「いろいろお世話になりました…、
いい思い出を与えてくださったことに感謝します…」

「・・・・・・・」

淡々と別れの挨拶を述べる咲江を見て、さすが女たらしの村上です、勝負あったとあきらめたので
しょう、それ以上の言い訳さえ言わないのです。黙って女を見つめているのです。

ここで由美子がゆっくりと振り向き、真正面から咲江と顔を合わせました。裸体を器用にタオル
ケットで覆っています。初めて咲江と由美子は顔を合わせるのです。二人の女は無表情です。そし
て、どちらかともなく、黙って頭を下げています。

フロアースタンドの光の加減で、由美子からは、はっきりと咲江の表情が見て取れるのですが、咲江
からは由美子の顔は良く見えないはずです。意識して光の輪から顔を隠している由美子です。それで
も由美子の雰囲気は判るはずで、由美子の姿や表情を確かめて、やや思惑の外れた面持ちで咲江が由
美子を見つめています。咲江なりに、村上を寝取った由美子という女のイメージを描いていたので
す、そのイメージと現物の違いが大きくて、咲江は戸惑いを見せているのです。


[20] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(625)   鶴岡次郎 :2017/09/20 (水) 13:55 ID:E8ObKyLE No.3047

戸惑いの表情を隠さず、咲江は由美子をじっと見つめています。咲江の視線の中に、怒り、蔑みの影
はなく、ただ、驚いている様子であることを由美子は見抜いていたのです。ただその驚きの原因が由
美子には読み取れていないのです。それでも、由美子の表情に焦りや、うろたえ、羞恥心の影は存在
しません。ゆったりと構えているのです。ここは咲江の出方に身を任せ、ゆったりと対応しようと由
美子は決めているのです。

二人の女はじっと見つめ合っています。村上はハラハラしていますが、二人の間には緊張感、激しい
敵対心などは、何も感じられません。静かに時間が過ぎてゆきます。由美子の実像を目の前にして、
大きな当惑の中にいた咲江がようやく立ち直ったようすです。肩で、大きく息をついて、咲江が口を
開きました。

「お楽しみのところへ黙って入り込んできて、
先ほどは・・、汚い言葉でののしりました・・・、
申し訳ないことをいたしました。お許しください…」

「・・・・・・」

ゆっくりと咲江が頭を下げています。由美子が黙って頭を下げています。豹変した咲江の態度に、
ぽっかりと口を開け村上が驚きの表情を浮かべています。どうやら由美子を見て、その上品な女性像
に触れて、咲江の怒りや、嫌悪感はかなりそのトーンを下げている様子です。それと同時に、先ほど
怒りに任せて、曝してしまった自身の行為を咲江は恥じているのです。

「申し遅れましたが、私は咲江と申します。
こうした場ですので、フルネームは言うことはお許しください・・・。
もう・・、お分かりだと思いますが、
私と彼の仲は・・・、単純な主婦の火遊びの関係です、
先ほどは気が動転して、酷い言葉を吐き出しましたが・・・、
あなたには何の恨みも、憤りもありません…」

「・・・・・・・・」

淡々と咲江が語っています。由美子は口を閉ざしたままです。咲江は由美子の反応を注意深く見つめ
ています。二人きりの部屋に忍び込んできて、恥ずかしい姿を覗き見て、二人の関係に文句をつけた
のです。いかなる理由があるにせよ、咲江の行動は行き過ぎです。由美子から汚い言葉で辱められて
も、じっと我慢すると・・、咲江の覚悟はできているのです。

由美子の表情は柔らかく、咲江に反感を持っている様子は見せません、それどころか微笑みさえたた
えて、咲江の言葉一つ、一つを、まじめに受け入れているのです。咲江は、女の勘で由美子の人柄と
彼女の誠意を十分に感じ取っていました。

〈この女は・・・、
いえ・・、この方は・・、なかなか出来た方だ…。
上品で・・、きれいな方・・・、
総一郎さんが夢中になるのも無理ないわね…・・〉

やり手の酒場のママをイメージしていたのです・・、ところが、咲江と同じ普通の主婦の雰囲気を発
しているのです。咲江の中から由美子への嫌悪感が完全に消え、奇妙な親近感さえ芽生え始めている
のです。咲江の言葉に優しさがこもり始めています。


[21] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(626)   鶴岡次郎 :2017/09/22 (金) 11:41 ID:xCq.qF0g No.3048
「今・・、冷静になって考えると・・・、
間違っていたのは・・、私だった…、
そう思い始めています・・・
お二人に、謝るべきは・・、
私かも知れないと思い始めています…・・」

村上は勿論、由美子でさえ・・、女同士、咲江の気持ちは十分理解できると自負している由美子でさ
え・・・、咲江の言葉に当惑しているのです。この場で、咲江が謝罪の言葉を発するとは…、想像す
ることさえ、できていなかったのです。

〈私に・・、謝りたいって‥…!
この方・・、何を考えているのかしら…、
それとも…、何かの罠…?
いえ、いえ・・、そんな姑息な策を使う方ではないはず…、
判らない・・〉

微笑みを絶やさない由美子ですが、心中では咲江が発した謝意の真意が分からなくて、当惑している
のです。

「私があなたの彼を・・、
盗み取ったのかもしれません…」

「・・・・・・・・」

咲江の言葉に由美子が少し首を傾けて、微笑んでいます。さりげなく、咲江の言葉を否定しているの
です。

「そうだとすると、責められるべきは私です…・。
お約束いたします。もう彼には絶対会いません…。
心ならずも・・、あなたの彼に手を付けたことをお許しください…」

由美子の愛人を寝取っていたのは咲江だと言い張っています。そして・・・、深々と頭を下げていま
す。そんな咲江を由美子は、優しい表情で黙って見つめています。ここで反論することの無意味さを
由美子はよく理解しているのです。この場を丸く収めたいと願う咲江の狙いを由美子は黙って受け入
れることにしたのです。村上も口をはさみません。ここは女二人のやり取りを最後まで見極めるつも
りのようです。村上もなかなかの人物です。

「それにしても、圧倒的なあなたの力がちょっとうらやましい・・、
私では・・・、どんなに頑張っても…、
総一郎さんをあのように追い詰めることができません・・。
あなたと私を比較して・・・、
どこが違うのでしょうね・・・、
私だって、それなりにいい女だと思うのですが…、
今となっては・・、それが一番悔しい…・」

本当に悔しそうな表情を作り、そしてその後、声なく笑っているのです。由美子も笑みを浮かべてい
ます。

「お邪魔しました…。
ああ・・、総一郎さん・・、
いえ・・、村上さん・・、
合いカギはテーブルの上に置いて行きます・・・」

入ってきた時と同じように、咲江は煙のように二人の前から消えたのです。


[22] 新しい章を立てます   鶴岡次郎 :2017/09/25 (月) 14:50 ID:/K5M318Y No.3049
咲江と千春、そして由美子の物語が少し長くなりそうなので、ここらで新たにスレを立てます。
                                      ジロー



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