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フォレストサイドハウスの住人達(その19)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2017/07/20 (木) 15:34 ID:3qqEWlwU No.3027
人妻、坂上咲江と、飲み屋街の不動産業者、50男、村上総一郎の不倫の仲はここ一年以上続いてい
ます。千春の努力で咲江の夫、坂上夏樹の男性力は驚異的に成長しました。これで咲江の浮気は自然
消滅すると・・・、千春も彼女を支えてきた由美子も、愛も、確信したのです。しかし、ことは
そう・・、簡単には行きませんでした。「ここで・・・、村上を捨てることは出来ない‥」と咲江が
言い出したのです。舞台は最終幕に入ります。相変わらずこれと言って特徴のない市民たちが織り成
す風景を描きます。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。
卑猥な言葉を文脈上やむを得ず使用することになりますが、伏字等で不快な思いをさせないよう注意
しますが、気を悪くされることもあると存じます。そうした時は読み流してご容赦ください。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにしま
す。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。

・〈(1)2014.5.8〉 文末にこの記事があれば、この日、この記事に1回目の手を加えたことを示
します。
・〈記事番号1779に修正を加えました。(2)2014.5.8〉 文頭にこの記事があれば、記事番号1779
 に二回目の修正を加えたことを示し、日付は最後の修正日付です。ご面倒でも当該記事を読み直し
ていただければ幸いです。


[2] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(607)   鶴岡次郎 :2017/07/20 (木) 15:55 ID:3qqEWlwU No.3028
別れ・・

愛の売店内です。千春、愛、そして由美子が、先ほどから黙って座っています。女三人が黙り込んで
座っているのです。女たちはしょんぼりと首を垂れています。これまで、こんなことはなかったので
す、三人が先を争うようにしておしゃべり権を奪い取り、時が過ぎるのを忘れて語り合うのが常
だったのです。それが今日は違うのです。千春が一通り咲江の様子を報告した結果です。

事の起こりは、親友咲江の浮気を何とか封じ込めたいと千春が由美子と愛に相談したことです。千
春、由美子、そして愛の三人は色々と作戦を相談し、第一段階としてソープに勤める千春が咲江の
夫、坂上春樹にセックスを教え込むことにしたのです。もともとその方面にも、大変な才能を持って
いた坂上春樹は、わずか三ケ月ほどの修行でプロの女性たちでさえ、モンスターと呼ぶほどの男に生
まれ変わりました。

結婚以来、十分なセックスを与えられていなかった咲江は、変貌した夫のセックスに驚愕し、その素
晴らしさに身も心も奪われました。これで、咲江の浮気は自然消滅すると・・・、三人の女は思った
のです。しかし、男と女の仲は予測不能とよく言われますが、意外な展開を、咲江とその愛人、村上
総一郎の間でも見せることになるのです。

村上の事業がうまく行かなくなり、男女の仲も以前のように燃え上がらないと咲江は千春に告げたの
です。それなら、いい機会だから、村上と切れなさいと、千春は忠告しました。

「そんな…、
苦しんでいるあの人を捨てられない…」

咲江はそう千春に応えたのです。落ち目になった今こそ、自分が男を助ける時だと咲江は言い張るの
です。

「女の浮気はこうなるから危険なのね・・・、
なんだか身につまされて、悲しくなる…」

由美子がポツリ呟いています。愛も、千春も頷いています。

咲江が村上と初めて出会った頃、咲江と夫、坂上夏樹との性生活はほとんど破綻していたのです。い
や、破たんというより結婚当初より、二人には夫婦らしい性生活は存在していなかったのです。そこ
へ、経験豊富な、女の気持ちを逸らさない遊び人、村上が現れたのです。咲江は彼の優しさと、特に
そのセックス力に引き付けられました。それから一年以上、ずるずると関係を続けてきたのです。

ところが・・、村上が事業に失敗し、頼みの男性力も、二度に一度は立たなくなったのです。一方で
は、咲江の旦那はスーパーマンに変身し、咲江の性生活は充実し、今や幸せの絶頂に到達して
いるのです、こんな状況ですから、旦那を捨てて村上の下へ走る、かっての気力も、愛情も今の咲江
には残っていないと三人の女は判断しているのです。
それでも、咲江は村上を捨てようとしないのです。落ち目になった男を捨てることは出来ない・・、
彼を救うのは咲江だけだ…と、咲江は彼女自身の気持ちを無理やり奮い立たせている様子なのです。

千春の報告を聞きながら、由美子は考えました・・・。こうなると、男と女の関係と言うより、咲江
という女性の生き方、彼女の人生観そのものに関与する問題と言えるのです。おそらく、咲江から別
れ話を切り出すことはないのです。一方、村上にしても、これから先、咲江ほどの上玉を手にするこ
とはできないと判っているはずで、彼から別れ話を切り出す可能性はゼロなのです。ここまで考え
て、由美子は厄介なことになったと思っています。

この時点で、由美子は知りませんが、咲江と村上には更なる真相がかくされているのです・・・。
咲江が千春に言ったように、二回に一回勃起しないのではなく、事態はさらに悪化していて、村上は
一時的に性的不能に陥り、女を抱けない男など価値はないと・・、人生そのものをあきらめ始めてい
たのです。そんな彼を、支え、救ったのが咲江なのです。

献身的な愛情で彼を支え、見事、村上は男を取り戻し、二人は・・、「生涯最高のセックス」をする
までに回復しているのです。このことを由美子が知れば、村上から咲江を離すのは不可能だと思う
かもしれません。幸か不幸か、由美子はこの事実を知らないのです。それで、咲江を村上から引き離
す策が、未だ、あるはずだと・・、由美子はあきらめていないです。


[3] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(608)   鶴岡次郎 :2017/07/26 (水) 11:30 ID:TBvxRA1. No.3029
千春の報告を聞いて、愛は絶望的な気持ちになっていました。女だから判るのです。かっては、夫を
捨てその男の下に身を寄せたいと熱望するほど、愛した男が落ち目になり、男への愛情も、浮気への
情熱も消えそうになっているのに、女の意地で男を捨てきれない、そんな状態に咲江は陥っているの
です。このジレンマに陥った女を男から切り離すのは至難のことだと、愛は絶望的な気分で咲江の立
場を分析していました。

こうなれば、あとは由美子の判断と彼女の果敢な行動しか、頼るものはないのです。愛は、期待を込
めた表情で由美子をじっと見つめています。千春も同じ気持ちなのでしょう・・、由美子の口が開
くのをただじっと待っているのです。

愛と、千春の期待を込めた熱い視線を受けながら、由美子はじっと考えています。

由美子は考えました。女の感情の動きに敏感な村上です、咲江の気持ちは手に取るように理解できて
いるはずです。全身に襲う自身の老いにも気が付いているはずです。

事業に失敗し、勃起も思うままにならない男に落ちたのです。今まで付き合ってきた女なら、とっく
に逃げ出しているはずなのです。ところが、咲江は逃げ出すどころか、村上に深い愛情を注ぎこむの
です。村上が、かって経験したことがない、無償の愛情を、惜しみなく注いでくるのです。

「この女に賭けてみよう…」村上はそう思うに違いないのです。普通なら若い愛人には、絶対見せた
くない・・、隠すべき老いた姿を・・、二度に一度しか立たない哀れな姿を…、あえて、咲江に曝し
ているのです。あるいは意識して、自身の老いを強調する演技さえしている可能性があると由美子は
睨んでいるのです。

落ち目になった男を捨てきれない女、逆境にあって、そんな女の中に、「誠の愛」を感じ取った男、
このような関係に堕ちている咲江と村上です。仮に、由美子が咲江を何とか説得して手切れ話を進め
る手順になっても、咲江が居なくなったら死ぬと騒ぎ立てる演技さえ、村上はやりかねないのです。
そうなれば、やさしい咲江です、泣く泣く、夫から離れて村上の下に身を寄せることでさえも起こり
得るのです。

そんな事態になっては大変です。無理やり別れ話を進めることは非常に危険です。ここは慎重に事を
運び、無理なく、咲江を村上から引き離す工夫が必要になってくるのです。

「やはり・・・、
当初計画通りの展開になったね…」

「ハイ・・、いよいよ由美子さんの出番です・・」

愛と千春が笑みを浮かべて由美子の表情を見ています。由美子がゆっくりと頷いています。


[4] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(609)   鶴岡次郎 :2017/07/27 (木) 14:02 ID:VnGW/.Kk No.3030
それから・・、数日後の夕暮れ時・・、あでやかな女性の姿が村上装備の事務所に在りました。どこ
から見ても玄人筋、下町の酒場のマダムを連想させる濃くて、派手な化粧です。大きく胸の開いた鮮
やかな黒白ストライプのブラウス、黒のロングスカートに黒のヒールです。真昼の太陽の下ではかな
り奇抜な衣装に見えますが、日が落ち、街の灯が目立ち始めるこの時間には、それなりにきれいで、
魅力的に見えます。

10から20席ほどのスタンドバーの出物を探しているという触れ込みで女はこの事務所を訪ねてい
るのです。どうやら、それなりの紹介者を立てているようで、村上総一郎は下にも置かない丁寧な応
対をしています。

事務机が5客ほどある事務所内には村上一人です。詳しい事情をその女性客は知らない様子ですが、
事業に失敗して、村上装備は事業内容を絞り、数人いた従業員も全員が辞め、今は社長である村上総
一郎が一人、不動産のあっせん業を続けているのです。おそらく、この女性客は再出発した会社の初
めてのお客と思われます。一目でその女性客を上客だと村上は判断した様子です。

「お客様のご希望に沿うような店は案外需要が多いのです・・・、
先日も、この先の裏手にある店が売りに出たのですが、すぐに借り手が出ました・・、
ご存知のように出すものを出せば、どんな店でもその日のうちに手に入れることができますが・・、
今、三軒の出物を預かっています・・・。
それをまずお目に掛けます…」

如才なく村上は女の懐具合を探っているのです。条件が良くて、店主が手放すつもりがない店でも、
金さえ積めば、無理が叶うと言っているのです。

一時間ほどかけて、三軒の店を下見しました。いずれも事務所から徒歩圏内の距離にありました。い
ずれの店も営業中でしたが、店主は快く見学させてくれました。

「村上さん・・・、
今日見せていただいたものも悪くはないのですが・・・、
ピーンと来るものが少ないのです・・」

「そうでしょうね・・・、
お客様が商売をやられるなら、もう少し静かなところがいいですね・・」

人通りの多い表通りに近い物件より、裏通りの、少しやばい雰囲気のところの方が女の雰囲気に
合っていると暗に言っているのです。女の様子から、お色気を売り物にした裏商売ができる場所がい
いと村上は思っているのです。女はただ笑っています。

気が付くと夜の9時過ぎになっていました。村上の誘いに乗って女は夕食を一緒にとることになった
ようです。村上の狙い通りです。

村上装備のお客は80%以上が女性店主です。そこを踏まえて、村上を含め従業員は魅力的な男性を
そろえていました。色と商談、この二つは切っても切れない関係があると、長い経験から村上は確信
しているのです。

目の前に座っている女性客は、買い気そのものは旺盛なのですが、物件内容にまだ不満がありそうな
のです。それでも村上の食事の誘いに乗ったということは、村上との関係を切る気がない・・、すな
わち商談成立の可能性は残されている・・、この後の仕上げはベッドの上で・・と、久しぶりに村上
は竿氏の血を騒がせているのです。

数日前の村上であれば、色で女客を落とすことなど到底、無理だったのですが、咲江の献身的な奉仕
のおかげで、その気になれば無理なく女を抱ける体に戻っているのです。まして、目の前にいる女客
は村上好みの細身で、どことなく男ぽくて、それでいて、言葉の端々、ちょっとした動きから、男根
を直撃するようなお色気がにじみ出ているのです。その上、これが大切なことなのですが、かなり有
望な商談が目の前にぶら下がっているのです。総力を挙げて・・、そういえば大袈裟ですが、村上は
全力で女を落とすと、決心しているのです。


[5] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(610)   鶴岡次郎 :2017/07/30 (日) 12:01 ID:FUs93Ymo No.3031
賢明な読者はとっくにお気づきだと思うので、今更種明かしをするのも興ざめなことですが、いつま
でも伏せておく理由がありませんので、明かします。女は由美子です。村上攻略目的で、酒場のママ
に成りすまして近づいているのです。

「姐さん・・・、
間違っていたら許してほしいのですが・・・・、
どこかでお会いしたことありませんか・・?」

「・・・・・・」

レストランで、ナイフの手を止めて村上が問いかけてきました。最初に会った時から気になっていた
様子で、我慢できなくなって、質問を発した様子です。突然の質問ですが、由美子はそれほど驚いて
いません。どうやら、由美子自身も同じ疑問を持っているようです、しかしそこはベテランです、内
心の動揺を隠して、何食わぬ表情で首を振っています。

「かなり前の話です・・、
多分・・、5年か・・、
あるいは8年ほど前のことだと思いますが・・」

村上が首をひねりながら、聞いています。

「さあ…、
私はずっとこの商売をやっていて・・、
千葉、神奈川、東京・・と、流れています・・、
5年前と言えば・・・、
たしか・・、神奈川にいた頃です…、
お店でお会いしたかもしれませんね・・
商売柄・・、一度お会いした方は忘れることはないのですが…・
申し訳ないですね…・」

由美子は笑ってあいまいに否定しています。実は村上に会った時、どこかで会ったことがあると彼女
も感じているのです。そして今、彼の表情の動きを見て、由美子ははっきりと思い出しているので
す。

〈先ほどから、並みでない精気を感じ取っていたが・・・、
そうだったのか…・、
ことが始まる前に気が付いてよかった…
そうでなかったら・・、油断して、返り討ちに会っていた…、
作戦を練り直さないと…・・〉

離れたところから男性の精気を感じ取る秘力で、村上が並みの男でないと感じ取っていた由美子です
が、5年前の出会いを思い出し、村上の素性をはっきりと知った由美子は、それまで描いていた村上
攻略作戦の練り直しを、急いでいました。どうやら、それほど大幅な作戦変更は必要がない様子で
す。すぐに平静な状態に戻っています。村上は、その由美子のわずかな表情の変化、動揺を見逃して
いませんでした。

〈やっぱり・・・、この女は…・、
5年前・・、俺と会っている…・
その時のことを思い出した様子だ・・・、
この女は俺の過去を知っているのに‥‥、
俺はこの女のことが思い出せない・・、
さ・・・、どこで・・・、
この女に出会ったのか…〉

無言で村上は由美子を見つめています。相手が村上の素性を掴んだのに、彼はまだ女の素性を知らな
いのです。少し焦っています。由美子から情報が引き出したいのでしょう、愛想笑いを浮かべなが
ら、由美子に語り掛けています。

「いや・・、酒場ではないですよ・・・、
ママのお店で出会ったことはないと思います…」

かなり真剣な表情で村上は考えています。

「どこだったかな…、
あそこでもないし・・、
いや・・、待てよ…、あそこだったかな…、
いや、いや・・・、やはり思い出せない・・」

村上は真剣に考えこんでいます。やがて・・、その表情が微妙に変化しました。口では思い出せない
と言っているのですが・・、どうやら村上も由美子のことを思い出した様子です。しかし、その場所
を口にするのが憚れる様子なのです。


[6] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(611)   鶴岡次郎 :2017/07/31 (月) 11:48 ID:v6jFK42E No.3032
「いや・・、いや・・、失礼…、、
最近こんなことが多くて・・、
歳ですかね…
それにしても…、
こんなにきれいなご婦人との出会いを忘れるとは・・、ハハ・・・・・」

すっかり由美子のことを思い出した様子で、その時の由美子と目の前の女とを比較しているので
しょう、女の足の先から頭まで、舐めるように見て、しきりに頷きながら、ごまかし笑いをしている
のです。もちろん、由美子も・・、村上が由美子の過去に気が付いたと、察知していました。それで
も由美子は慌てていません、5年前の由美子を村上が思い出したとしても、今日の作戦を実行するう
えでそれほど大きな障害にはならないと由美子は思っているのです。

由美子も・・、そして、村上も・・、5年前の出会いを完全に思い出した様子です。そして、二人と
も、今のところは・・、そのことを相手に伝えるつもりはないのです。互いの過去を知っているメギ
ツネと古タヌキの再会・・。

村上を攻略して、咲江から彼を円満に引き離す作戦を由美子は展開する計画です、一方、村上は勿
論、由美子の狙いを、今のところは知りません、しかし、彼にも、由美子が気が付いていない別の目
的があります。男の技と力を結集して、何としても由美子を陥落させ、商談を成立させたいと考えて
いるのです。互いに秘めた狙いを持つ二人、どのように戦うのでしょうか・・、面白い展開になりま
した。


今から5年前・・・、由美子の愛人であり、的屋の大親分であるUが主催した的屋(露天商)組合の
大切な寄り合いが開かれました。その寄り合いの余興として、セックス・ショウの催しが計画された
のです。この催しはその日の呼び物の一つで、この催しを楽しみに寄り合いに出席している人も多い
のです。ところが、開場30分前になって連絡が入り、出演を予定した女優の乗ったタクシーが交通
事故に遭遇して開演時間には到底間に合わないとの連絡が入ったのです。

催しを取り仕切っているUの部下である組員たちは困り果てました。プロの女性演技者は少ないので
代わりの演技者を調達することは時間的に不可能でした。そこで考えたのが素人の女を出演させるこ
とです。男性演技者はプロですので、相方の女は素人でも何とか様になると考えたのです。

会場に詰めて居るUの配下である組員の連れ合い達を含めて、会場には数人の女が居て、いずれの女
も出演の打診を受けると、引き受けると健気に言いました。的屋の組員たちは旅先の旅館では雑魚寝
していて、夫婦者たちはその中で絡み合うことが多かったのです。そのせいで、人前でセックスする
ことにそれほど抵抗を感じない女性が多かったのです。有力候補として28歳の顔、スタイルもいい
一人の娘が浮上しました。打診を受けた本人もやる気満々になっていたのです。

「ダメ、ダメ…、
素人には無理だよ・・
以前同じ状況になって、組の女を代役に立てたのだが・・、
大失敗だった…・」

年かさの組員が割って入りました。

「男性経験の豊富な女だったから大丈夫だと思ったのだが・・、
緊張からか・・、濡れなくてね・・・、
結局挿入がかなわなかった…、
ショーは散々な結果になったのだが……、
それだけではなかった…、
悪いことに、その女はセックス恐怖症になった・・
二年近く、まったく男を受け入れることが出来なくなった…・。
素人が簡単にできることではないよ…・」

確かに彼の言う通りだと全員が納得した表情を浮かべていました。

「確かに、俺達がショウに出演したことを考えると…、
とてもじゃないが、大勢の見物客の前でモノを立てることだってできないかも、
立てることができても、見物に堪えるセックスはできないだろうな・・、
だいたい・・、セックスはやるもので、見せるものじゃないからな・・、
俺たち素人のセックスはただ汚いだけだろう…」

こうなると、残された道は、頭を下げてショーの取りやめをお客に伝える以外、方策が見当たらない
のです。


[7] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(612)   鶴岡次郎 :2017/08/03 (木) 16:53 ID:J.z1LpKo No.3033
「女優の代役が居ないとなると、ショーは取りやめだね・・・、
他に・・、変わる出し物はないしね・・・
間が持たないよ・・・」

宴会が終わるとセックスショーをやるのがいつもの習慣で、それ以外の催しを考えたこともなかった
のです。ショーがないとなると、食事が終わった後、お客たちをそれぞれ自室へ戻すことになりま
す。それではせっかくのおもてなしが、尻すぼみで終わることになります。

「このショーと、その後の交流が楽しみで、
寄合に出席されている親分衆が多いからな、
ショーがないと判ると、相当お叱りを受けそうだな・・」

どうやら、セックスショウの後の楽しみもありそうなのです。ショーがないとなると、その後の楽し
みも自然消滅する様子です。

その時でした…。

「私では・・、どう・・・」

「姐さん…・」

組員達の窮状を見かねた由美子が自ら名乗り出たのです。大親分の連れ合い、大姐御の由美子から声
がかかったのです。意外な展開に組員たちは緊張しています。

「通りすがりで、聞こえてきたのだけれど・・、
困っているようね・・・、
私で良かったら、力になるわよ・・・、
こう見えてもショーに出演した経験は数度あるのよ・・
自分で言うのもなんだけれど・・・、
以前、出演したショウではアンコールの拍手が止まなかったのよ‥」

「それは・・・、
姐さんなら・・、文句ありません…・」

色の道での由美子の武勇伝は組員達の間でもよく知られていて、セックスショウに出演し、大好評を
得た噂話なども全員が良く知っているのです。

「姐さんが出演していただけるなら、
これに勝る方策はありませんが・・、
親分が…・」

「Uさんなら・・、
私が説得する・・、
じゃ・・、それで決まりね・・」

由美子の体を人目に曝すのを嫌うUへの気配りで、口にこそ出しませんが、本音を言えばセックスを
見せることを由美子は嫌っていないのです、どちらかといえば見せたい方なのです。過去に何度か
ショウに出演したのも、義理に縛られ、やむを得ず出演したふりを見せていましたが、本音を言え
ば、ウキウキしながらショーに出ていたのです。今回も、組員たちの会話を聞いていて、誰か由美子
の出演の提案をしないか、焦れながら待っていたのです。いつまで待ってもその提案が出ないので、
結局、自ら名乗り出たのです。

ところが・・、簡単にUを説得できると思ったのですが、由美子の説明を聞いてもUはなかなか納得
しませんでした。最近、Uは由美子への嫉妬心が強くなり、その気持ちを隠そうとしなくなっている
のです。嫉妬してくれること自体は歓迎なのですが、親分としての大局観を捨ててまで、焼きもちを
焼くことには、少し閉口している由美子です。

「Uさん・・、歳を取ったね・・・、
昔は、もっと理解があったのに…」

「旦那様に約束しているのです…、
どんな時でも・・、奥さんを守ると・・
だから・・、
たかだか・・、寄合の催しに穴が開くのを防ぐ目的で・・、
セックスショーに奥さんを出演させることなど出来ません・・・
セックスショーは中止しても構いません・・、
その程度のことで、天狗組の信用が落ちることはありませんから…
ご心配なく・・・・」

もう・・、十年を超える愛人関係を続けているのですが、Uは由美子のことを奥さんと呼び、鶴岡を
旦那様と呼び続けているのです。Uは余裕です。ショーの中止をそれほど気にかけている様子はあり
ません。このままではショーは中止に追い込まれます。ここで引っ込んでは、せっかくの楽しみがフ
イになるのです、由美子は必死です。

「組の信用を守るのが一番の目的ではない…、今日まで、組の皆が今日の総会と催しを成功させるた
め、寝食の時間を惜しんで頑張ってきたのを、私はよく知っている‥。そんなみんなの努力を、なん
とか生かしたいと私は考えたの・・。
私だって…、観衆の前で恥ずかしい姿を見せるのは死ぬほどつらい・・・」

ここで言葉を切り、由美子はUの表情を盗見しています。もう・・、一押しだと由美子は、その表情
から読み取っています。

「でも・・、考えたの…、
組長夫人として、ここは堪えるべきだと思った…、
私一人が恥ずかしいのを我慢すれば…、
皆の苦労が報われ・・、
同時に、組の名誉も、Uさんの名声にも、傷つけることが避けられる・・、
ここは一番・・・、少しの時間、我慢しようと思った…
だから・・、Uさんも、少しの間・・、目と耳を塞いでいてほしい…」

組の名誉を守り、組員たちの窮状を救うためだと、由美子が説明すると、Uもそれ以上抵抗できませ
んでした。Uは渋い表情で頷きました。


[8] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(613)   鶴岡次郎 :2017/08/11 (金) 14:16 ID:YEOb.ruU No.3034
由美子の出演は観客に伝えていなかったのですが、由美子の顔は仲間内では売れていますから、ス
ポットライトに浮かび上がった女優を見て、かなりの観客が組長夫人の出演に気づき、口笛を鳴らし
たり、大きな拍手を送ったりして歓迎してくれました。総会主催元の組長や、その夫人がセックス
ショウに出演することは、この業界ではそれほど珍しいことではないので、違和感を持つ人はいませ
んでした。

久しぶりのセックスショウ出演で興奮したのでしょうか、相方の男性のリードが巧みだったせいなの
でしょうか、由美子の反応は際立って妖艶、秀逸でした。

体をエビのように反らせて、由美子は何度も本音で頂点に達し、クライマックスでは、男根を深々と
膣に飲み込んだまま、得意の潮吹きまで披露したのです。由美子が本気で逝くとその締め付け力は、
男根が損傷するほど強烈です。ベテランの男優もたまらず体を引きつらせて、深々と精を吐き出しま
した。大量の潮が由美子の陰部から、破裂音を響かせながら噴出し、その飛沫がスポットライトに照
らされて、二人の周りに虹色の霧が立ち込めるほどでした。観客は拍手することも忘れて、口をあん
ぐり開けて見惚れていました。

ぐったりとなった由美子と男優の周りに観衆が集まってきました。脳天がしびれるような、強い、し
かし心地よい性臭が立ち込める中で、観客全員が興奮しています。

手を伸ばせば由美子の体に触れるほどの距離に観客が集まっています・・、中には数人の女性客も混
じっています、ショウの間、彼女たちは傍にいる男たちに体を自由に触られたのでしょう・・、着て
いる浴衣がはだけ、下着をつけていないので、全員がほとんど全裸に近い状態です。中には、股間に
男の指を咥え込んだまま、喜悦に堪える切ない表情を見せている女もいます。みんなが興奮で口もき
けない様子で由美子と男の体が絡まり合った接点を見ているのです。

男優がゆっくりと腰を動かし、男根を抜き始めました。湿った音が響いて、大物がゆっくりと抜き出
されています。

「すごいね・・・、
男も女も・・・、
あれほど激しく、逝ったのに…・・、
まだまだ・・・、元気だよ・・・」

少し硬さを失っていますが、素晴らしいサイズの男根が由美子の秘部から、ゆっくりと引き出されて
います。由美子の秘部はそこだけ別の生き物のように、逃げ出そうとする男根に絡みつき、ぴくぴく
と蠢いています。観衆の目がその一点に集まっています。

「お・・っ・・・」

低い感動の声が響きました。大マラを吐き出した由美子の亀裂から、驚くほど多量の白濁液が流れ出
したのです。粘度が低いところを見ると、由美子の体液もかなり含まれているようです。

男優が由美子を抱き上げ、彼女の両脚を両手で持って、観客に向かっていっぱいに広げました。数人
の頭で由美子の股間が占拠されています。中の一人が指でその部分を触ろうとして、周りの男たちが
慌てて止めています。

「いいのよ・・・、
触っても…、
思い切り・・、触って…・
私の・・、オマ〇コに触って・・・・」

豊かな笑みを浮かべた由美子が優しい声を出しています。許しを得て、数本の手が伸びています、直
接陰部に挿入されている指もあります。由美子はというと、さらに両脚を開いて、男たちの指を受け
入れているのです。その様子を見ている女たちは、うらやましそうに体をくねらせています。

「ご希望の方は・・・、遠慮なく・・、
舞台にお上がりください。
ただいま熱演した女優と男優がそれぞれにお相手いたします・・・」

ストリップショウでもよく演じられる催しです。由美子と男優が相手をするから、舞台に上がるよう
誘っているのです。

「いい機会ですから、ぜひ挑戦してみてください…・
ご覧いただいたように、男優、女優ともに、この道を究めた名人です。
こんな機会はめったにありません・・、
参加された方の絡みは、ビデオにばっちり撮りまして、
後ほど、差し上げることになります…・」

係りの者がアナウンスしています。


[9] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(614)   鶴岡次郎 :2017/08/16 (水) 14:48 ID:jWYltG5w No.3035
その誘いを待っていたかのように、三人の男と、二人の女が、手を挙げて壇上に上がってきました。
さすがにこの集団の人たちは思い切りが良いようです。

男女ともに、壇上に上がると、その場で浴衣を脱ぎ捨て、全裸になっています。男たちはいずれも道
具に自信を持っているようで、男優にも負けない素晴らしい一物をぶら下げています。二人の女性は
若くて、共に見事なプロポーションです。先ほど来のショーを見ていて、全員が興奮の頂点に達して
いる様子で、男も女も、完全に出来上がっていて、すぐにも絡みを始めたい様子です。

係員の合図で、三人の男性客が、あっという間に由美子を襲いました。そして、前儀もなく、後、
前、そして口に男根を挿入しています。

由美子の体は宙に持ち上げられて、前後から激しく突かれています。由美子の悲鳴が・・、高い声で
すが、どこか余裕のある、艶っぽい悲鳴が・・、広い宴会場にこだましています。由美子の体からほ
とばしり出る愛液が霧になり、強いスポットライトを浴びて、きらきら光っています。

女二人は男優に抱かれ、一人は男根に貫かれ、一人は股間を男優の口に預け、いずれも狂ったように
体を震わせ、絶叫を続けています。

会場には30人近い男客、ほぼ同数の女性客と、主催者が手配した20人近いホステスとホストがい
ます。会場のあちこちで絡みが始まりました。それと同時に舞台を照らす照明を残して会場の灯りが
落とされました。暗闇は人々を大胆にします、男と女の激しい営みがあちこちで始まりました。低い
男のうめき声、高い女の絶叫、訳の分からないことを大声で口走っている女、掛け声をかけて女の体
に男根を打ち込んでいる男、もう・・、完全に狂っています。

総会に出席する組長たちは全員が連れあい同伴です、しかし、暗黙の了解で、今宵は、男も女も、連
れ合いのことは忘れて乱交することになるのです。全国から集まってきた組長とその連れ合いは、主
催者が準備したホスト、ホステスを含めていろんな相手を、自由に食べることが出来るのです。

仲間の組長との話し合いも大切ですが、この乱交を密かに期待して出席している親分衆が多いので
す。取り分けて、親分の連れ合いであるご婦人方はこの日は、誰に遠慮なく選り取り見取りで、好き
な男を選べるのです、ご婦人方の張り切りようは大変なものです。会場内をさ迷い歩いて、狂ったよ
うに男を食べているのです。

一方、由美子は、舞台上で7人の男性客を相手にしました。彼らの舌と指でいじられ、男根を膣と、
口、そして後ろで受け入れ、息も絶え絶えの様子です。それでも、男を受け入れている局部は活発に
蠢いているのです。

壇上での戦いにも終わりが訪れました。由美子の上で果てた男たちは、這うようにして由美子の体か
ら離れ、そのまま眠りに落ちています。最後の男が由美子の体の上にいます。先ほどから、二人の体
は、むしろ静かに絡み合っているのですが、挿入された男根とそれを受け入れた膣はすさまじい戦い
を続けているのです。最後の男にも、遂に限界が来ました。低くうめいて、由美子の膣の中に大量の
精液を吐き出しました。由美子も低い悲鳴を上げて、潮を噴き上げています。

精液を吐き出した後、その男はほとんど気を失っている様子で、目を閉じて、由美子の体の上に、
長々とその体を投げだしています。優しく男の体を下ろし、由美子は、ゆっくりとその場に立ち上が
りました。


[10] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(615)   鶴岡次郎 :2017/08/21 (月) 15:26 ID:fmZFVgZI No.3036

舞台の上、由美子の相手をして、精根尽きて、その場で眠り込んでしまった男の体が数体横たわって
います。元気を失った股間を曝して、男たちは幸せそうな表情を浮かべて眠り込んでいます。嫣然と
微笑みを浮かべて、それぞれの男に優しい視線を送っています。精魂尽くして戦い、すべてを捧げつ
くした戦士に、女神が優しい祝福を与えているかのような景色です。

と・・、腰を下ろし、由美子は一人の男の股間に顔を寄せています、最後まで戦い抜いたあの男で
す。項垂れていますが、その威容はいささかも衰えていません、戦い抜いた男根は白い体液で覆わ
れ、芳香をあたりに発しています。少しの間、その香りを楽しんだ由美子は、そっと、唇を寄せ、
お礼と、お別れのキッスをしました。男は穏やかな表情を浮かべ、深い眠りに落ちています。

ゆっくりと立ち上がりました。その瞬間、由美子の体が大きく傾きました。さすがに腰が安定しない
のです。寝ている男の上に倒れ込みそうになるのを、とっさのひねりでかわし、由美子は態勢を整え
ています。今の動きで股間から液体が激しく流れ出し、由美子の脚を伝わり、畳を濡らしています。
脱ぎ捨てられている浴衣で畳をぬぐい、その浴衣を体に巻き付けています。誰が着ていたのかも判ら
ない、愛液で濡れた浴衣の、匂いも、汚れも気にならない様子です。

まだこわばりの残る股間の筋肉を引き締めて由美子は歩き始めました。ふらつきながら、濡れた裸体
のまま、由美子は歩いています。自室へ戻るのです。

気が付けば・・、由美子の視線の先、一人、二人、廊下を歩く人影があります、中には肩を組み
合っている二人連れもあります、会場にいたカップルたちが、それぞれの部屋に引き上げ始めている
様子です。足元をふらつかせ、肌は勿論、陰部も露出させて歩いています。濡れた浴衣を肩に掛けた
だけの由美子も同様です。歩くたびに股間から、コクコクと愛液と精液の入り混じった液体が流れ出
しています。誰も他人を気にする様子はありません。激しい乱交の後では、人々の羞恥心、好奇心は
一時的に消え去るでしょう。


自室でシャワーを浴び、全裸で椅子に座り、由美子は冷たい水で喉を潤しています。セックスショー
の興奮がまだ癒えないのです。体の芯で、未だ男を求めているのです。Uに抱かれるつもりで部屋に
戻ってきたのですが、彼はセックスショーにも顔を見せないで、数人の親分衆と組の運営のことで、
会議室で激論を交わしているのです。Uにとっては、総会はセックスを楽しむ場でなく、日ごろの懸
案事項を仲間の親分衆と話し合う、仕事の場なのです。

その時、ドアーをノックする者がいました。この時間、部屋へ訪ねてくる者が居るとすれば、仲間の
者か、ホテルのスタッフだと由美子は考えました。いずれにしても、うずめ火のように体の中で静か
に燃える情欲と戦っている由美子は応対する気になれず、返事をしないつもりで無視し続けていたの
です。しかし根気強く、静かに、ノックは続いています。

根負けしたのは由美子でした、けだるそうに椅子から立ち上がり、ゆっくりした動作で素肌にガウン
をつけて、覗き穴から来客の顔を確かめることもしないで、無防備にも、ドアーを大きく開けました。

中肉、中背で、取り立てて目立つところがない、ネクタイこそしていませんが、淡いスーツを意気に
着こなした40歳過ぎの、精悍な表情の男が立っていました。由美子の姿を見て、ちょっとびっくり
した後、微笑みを浮かべて、ゆっくり頭を下げました。由美子の知らない顔です。

この時初めて、由美子はあまりにも無防備な自分のふるまいに気づき、慌てて、乱れたガウンの前を
合わせていました。しかし、時はすでに遅かったのです。乳房も、もしかしたら黒い陰影もばっちり
とその男に見られたはずです。その男は、素肌にガウンとはっきりわかる由美子の妖艶な姿を見て
も、平然とその場にたたずみ、黙って頭を下げているのです。


[11] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(616)   鶴岡次郎 :2017/08/24 (木) 16:28 ID:UX0gdEo. No.3037

「おくつろぎのところ申し訳ありません…、
姐さんには、初めてお目にかかります…、
丸川組に草鞋を脱いでおります、村上総一郎と申します…
先ほど、姐さんのショーを見させていただき・・、
酷く感激いたしました…。
それで・・、ご迷惑を顧みず、
一言・・、お礼と、ご挨拶を申し上げたくて参上しました…」

〈この男は何もの…、
凄い精気が迫ってくる…・〉

離れたところにいても男の精気を的確にかぎ分ける能力を持つ由美子は、村上総一郎と名乗る男の体
から発散されるその凄い精気に圧倒されています。

うずめ火のようにひそかに燃えていた由美子の情欲が一気に燃え上がりました。密かな破裂音を発し
ながら、ドクドクと愛液があふれ出て、大腿部からふくろ脛あたりまで流れ落ちているのです。由美
子の全身が甘くなっています。

もう・・、由美子は自身の情欲を隠そうとしていません。一方、男も・・・、おそらく・・、い
や・・、間違いなく・・、女が萌始めたことに、気が付いているはずです。

自然と体が動き、女の両脚が開いています。先ほど掻き合わせたガウンの前が開き、乳房と陰部が
はっきりと見えています。陰部からあふれ出た愛液の痕跡さえ、男の視線は捕らえているでしょ
う‥。そのことに気がつかないふりをして、由美子は微笑みながら言葉を発しました。

「そう・・、ショーを見ていただいたの…、
久しぶりだったから・・、
上手く出来たかどうか、自信がなかった‥。
褒めていただいてうれしい…。
今・・、親分はいないけれど…、
良かったら、中で・・、お茶でもいかがですか…」

「アッ・・、親分はいらっしゃらないのですか・・・、
それでは・・、ここで構いません・・・」

廊下に立ったまま、部屋には入ろうとしないです。

素肌にガウンをまとっただけで、乳房も秘部も、その気になればチラ見できる状態です、そして女の
体から発せられる妖艶な香りが村上に届いているはずです。女が求めているのを、男はとっくに感づ
いているはずです。現に、男の股間がこれ以上は無理と思えるほど勃起しているのを、由美子の才能
は感じ取っているのです。

彼が襲い掛かって来たら・・・、Uは朝まで戻って来ないはずだから・・・、適当に抵抗しながら、
部屋の中へ誘い込んで、そのまま抱かれてもいい・・、抱いてほしいと・・、由美子は、考えている
のです。

「私じゃなくて・・、
親分に話があるの・・」

「いえ・・、
姐さんにお礼とご挨拶が出来ればいいのです‥」

「だったら…、
部屋に入りなさいよ・・」

「はい・・・」

留守中部屋に入るのを男はかなり警戒している様子です。


[12] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(617)   鶴岡次郎 :2017/08/28 (月) 11:16 ID:4msPikrE No.3038

「親分はね・・・、
私のことなどより、仕事が大切なの…、
私を一人置いて…、
今頃は、仲間の親分衆と議論しているはずよ…、
朝まで、戻って来ないと思う…・」

朝まで戻って来ないと告げて、由美子は男を安心させるつもりなのです。

「さすがですね・・、親分は…・。
こんな時でも、組のことを考えておられるのですね…・」

由美子の誘いの言葉は聞こえなかったふりをしています。男は律儀な姿勢を崩さないのです。男の様
子から察知して、由美子はそれ以上は無理には誘いませんでした。そっと、前を合わせて肌を隠して
います。

「竿氏仲間から姐さんのすごい力を、常々聞かされていて、
ずっと・・、由美子姐さんにあこがれていました…。
今回、姐さんの演技を目の当たりにして・・、
本当に感動しました…・・」

男は竿氏だと名乗っているのです。どおりで強い精気を発しているはずだと、男の言葉を聞いて由美
子は納得していました。

「ふふ・・・、嫌ね‥‥、
どんな噂話か知らないけれど‥、
どうせ、ろくでもない作り話でしょう…
どんな話を聞いているの…・」

竿氏仲間の噂話ですから、由美子の体のことや、閨の技に関する話題だと判っていながら、由美子は
話題をそちらに落とし込みたいようです。慎重な態度を見せる男をその気にさせるつもりなので
しょう。

「女を困らせるヤクザのデチ棒を数本へし折った話とか…、
選び抜かれた性豪15人を手玉に取った話とか…、
ああ…、それと・・・、
ハワイ諸島での女神伝説など…、
一杯・・、聞かされています…・」

「嫌ね・・、
変な話ばかり伝わっちゃって…
体とアソコばかり立派な、スケベーな変態女だと思ったでしょう…・、
・・・で、実物を見て、どうだったの…・、
がっかりしたでしょう…・」

由美子にあこがれているという男の話を聞いて、満更でない様子で由美子は笑みを浮かべて、話題を
さらに進めるつもりのようです。

「みんなの話を聞いて、良家の奥様風だったら良いなと・・、
勝手に、想像しておりました…。
想像していた通り…、
いえ・・、期待していた以上に素晴らしい方でした…」

「あら・・、あら…、
大変な褒めようね‥‥、
うれしいわ…」

上機嫌になっている由美子です。

「私は・・・、まだまだ、半人前ですが・・
経験を積んで、早く一人前になって・・・、
由美子姐さんのお相手が出来るようになりたいと・・、
今日、姐さんを見て・・、改めて、強く思いました・・・」

直立不動に近い姿勢で、男はまじめな表情で答えています。由美子は今にも吹き出しそうな表情で
す。由美子を抱くことを目標に修行を続けると、男が公言しているのです。嫌な気分になるはずがあ
りません。

「判ったわ…、ありがとう…、
そこまで思っていただいて・・・、
私・・・、うれしい…・」

「・・・・・・」

由美子の言葉に男はまた頭を下げています。


[13] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(618)   鶴岡次郎 :2017/08/29 (火) 14:29 ID:PDD3cNAg No.3039

「村上総一郎さんと言ったわね・・・、
あなたからの誘いであれば…、
喜んで、どこへでも飛んでいきますから…・
いつでもいいわよ・・・、
組に連絡していただければ・・
直ぐに、私につながるから…・」

「ありがとうございます…、
その日を楽しみにしております…・」

また、男がゆっくりと頭を下げています。

「ネエ・・、ところで・・・、
あなた・・、時間はあるのでしょう…?
少し・・・、
ここで、リハーサルしていかない…?」

「・・・・・・」

「私は…、先ほどから・・、
もやもやしているのよ・・、
ほら・・、見て・・・・・」

「・・・・・・・・」

普段は自分から仕掛けることは少ないのですが、ショーの興奮が収まらないのでしょう、男の強い精
気を浴びて、火に油をかけられた状態になっている由美子です。歯止めが完全に外れています。滴る
ような笑みを浮かべて、ガウンの前を開き、両脚を開き、陰唇を指で開いています。吐き出された愛
液で大腿部がべっとりと濡れているのを・・、サーモンピンクの輝きさえ、男の視線は捕らえていま
す。男は困惑の表情を浮かべ、それでも、じっと、女の体を見ています。

・・と、女が動きました。そっと体を寄せ、両手を男の首にかけ、唇を突き出しています。甘い香り
が男の鼻腔を刺激しています。キッスを求めているのです。男は直立不動の姿勢を崩しません。それ
でも、男の股間が限界まで膨張しているのを、女の肌は感じ取っていました。男は動こうとしませ
ん。女は男の頬にキッスを残して男から離れました。

「今の私では・・、
とても姐さんのお相手は出来ません…、
ご厚意はありがたいのですが・・・、
今回は・・、平に、おゆるしください・・・」

「・・・・・・・」

硬い表情を浮かべ男がゆっくりと頭を下げています。黙って、由美子が頷いています。男は、もう一
度、深々と頭を下げて、そして、潔く背を向けて、ゆったりとした歩調でその場を去りました。後に
は強い男の精気がいつまでも残っていました。由美子は大きく深呼吸して、男の精気を胸一杯に収
め、不可解な、笑みを浮かべて、ゆっくりとドアーを閉めました。


それっきりの縁ですが、村上のすさまじい精気を由美子はしっかり覚えていたのです。そして、村上
も今はっきりと彼女を思い出している様子なのです。もちろん、男も女もそんなことは口にしません。


[14] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(619)   鶴岡次郎 :2017/09/01 (金) 15:32 ID:/4JzoNQw No.3040

さて・・、村上と由美子の過去の経緯を少し長く語りすぎました。話を本筋に戻します。スタンド
バーの出物を探しているとの触れ込みで、由美子が村上の経営する店を訪ね、出物の物件を三件ほど
実地に見学したのです。今日見学した物件にさほど惹かれていない由美子を見て、村上は少し焦りま
した。

前の店が倒産して、新規巻き返しで売り店舗の斡旋に絞って、新たに商売を始めた最初のお客が由美
子で、彼女を逃がすわけにはいかないと、村上は奥の手を使う腹を固めました。前の店では、店舗の
改装、備品の販売など、飲み屋のマダムを相手にすることが多く、店では数人のイケメンを従業員に
雇い入れ、彼らの色気を活用して、いい商売をやって来たのです。もちろん、社長である村上自身も
率先して、色気作戦で商売を展開して来たのです。

由美子を食事に誘うと、意外に簡単に受け入れたのです。村上は腹の内で、商談成立の勝利宣言をし
ていました。今まで酒場のマダムを食事に誘い、商談で失敗したことは一度もないのです。食事の
間、甘い言葉で女を操り、ホテルに連れ込めば、村上の勝ちパターンなのです。後は、長年磨いてき
た竿氏の技が女を狂わせるのです。こうして、まんまと、由美子は村上の罠に堕ちたように見えます…。


「今日見せていただいた店のお客は、やはり通勤客が多いのですか・・」

サラリーマンを相手にする店が多いと踏んだ由美子が質問しています。

「はい・・、お客様のおっしょる通りです…、
このあたりは、住人が少ないのです・・、
それでいて、有名デパート、有名老舗店舗や、観光名所も少ないですから、
観光客は期待できません・・・、
自然と通勤客相手の経営が主体になります…」

「そうですか、地域の住人が少ないのですか・・、
そうすると・・、村上さんも離れた所にお住まいですか…」

「いえ・・、私は近くのぼろアパートに住んでいます。
マンションや、アパートが他の地区に比べて少ない中での希少な物件です・・」

「事務所の近くに住んでいらっしゃるのですか・・、
それはいいですね…」

「そうでもありません・・、この周りには・・、
気の利いたスーパーはおろか、小売店も少ないので、
ここにいる住人は買い物難民ですよ・・・、ハハ・・・」

「じゃ・・奥様はお困りですね…」

「独り身ですから・・、その点気楽です…」

「それは・・、それは…」

近くに住んでいて、独身であることを問わず語りに明かしている村上の魂胆は見え見えです。独身で
あると聞かされて、由美子は驚きながらも、そんな時、女が見せる複雑な反応を意識的に見せていま
す。勿論、由美子は村上が独身でこの事務所の近くにある2DKのアパートの住人であることも千春
から聞いて良く知っています。まさに男と女の勝負が始まっているのです。

食後、ストレートに村上は自宅へ由美子を誘いました。咲江以外の女を自宅には招かない村上にして
は珍しく、由美子をアパートに誘ったのです。村上としても、由美子攻略に相当気を入れていて、あ
えて禁じ手の自宅への招待カードを切ったのだと思います。

ホテルへ誘うようなら軽く拒否して、自宅へ招くよう仕向けるつもりの由美子だったのですが、
あっさり自宅へ招待されることになり、あまりに好都合な展開に、由美子は内心で驚いていました。

「二時間ほどなら・・」

妖艶な笑みを浮かべている由美子です。

「失礼して・・、ちょっとあの人に連絡を入れます…、
若過ぎるイロを持っていると、何かと気を使うことが多いのよ…、フフ…」

若い愛人に遅くなる旨連絡を入れると言う、きわどい言い訳を言って、由美子はテーブルから立ち上
がり、トイレに向かいました。村上は勝利をこの時点で確信していました。


[15] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(620)   鶴岡次郎 :2017/09/07 (木) 10:43 ID:NVaaPKh. No.3041
ゆったりと食事をとり二人はレストランを出ました。肩を並べて、手を組み、何事か楽しそうに会話
しながら歩いています。暗がりの角を曲がると、男がすかさず唇を吸いに来て、女がそれに積極的に
応えています。かなり長い間二人は舌を使いました。堪えかねて、腰が砕けて、由美子が体の力をぬ
き、男に支えられ、両腕をだらりと垂れています。演技でなく村上の技に由美子は軽くいってし
まったのです。

先ほどレストランを出てから、二人の後を密かに尾行する二つ影があるのですが、さすがの村上も気
が付いていない様子です。二つの影は、絡み合う由美子と村上の姿を暗がりの中からじっと見つめて
います。

自宅へ着くと村上は竿師の本領を発揮してきました。玄関で、由美子の衣服を丁寧に脱ぎ取り始めま
した。衣服から、下着まで、点々と廊下にばらまかれ、居間のソファーにたどり着くころには全裸に
剥かれていました。

居間の隣が寝室になっています。裸に剥いた女を抱き上げ、男は比較的大きなダブルベッドに女を優
しく横たえました。女を優しく見つめながら、男は衣服をはぎ取り全裸になりました。鍛え上げた肉
体は60歳近くになっているのを感じさせないほど見事さを保っています。普通サイズの男根はもう
臨戦態勢です。

女の傍にゆっくりと体を横たえ、何事か優しい声をかけながら、全身をくまなく嘗め回し始めまし
た。女は呻きながら、男に全身を預けています。

「きれいだ・・」「素晴らしい・・」と、うわ言を言うように女体を褒めるのです。指の動きも、舌
の動きも絶妙でした。数え切れないほどの女たち・・、酒場のマダムや、その道でその人ありと知ら
れた玄人女たちがあっさり落とされる村上の技です。並みの女であればここで簡単に落とされるで
しょう。

村上のやり方は、舌と指で女体を十分もてあそび、女が挿入を懇願するまで根気強くその攻撃を続け
るのです。そして、女が狂いだし、「欲しい・・、入れて・・」と叫ぶようになってもさらに焦らす
のです。女が数回行くのを見届けて、おもむろに男根を挿入してとどめを刺します。どんな粗チンで
も、ここまで高められると、女は一気に昇天するのです。これが村上流の攻撃パターンです。

一時間はおろか、二時間でも前儀を続けるのです。この攻撃方法をとると、並みの寸法である村上の
男根でも、巨根並みの、いや、巨根をはるかにしのぐ決定的な打撃を女に与えることができるので
す。

抱き合った瞬間から、由美子は村上の攻撃パターンを読み取っていました。彼の術中に嵌ればいかに
由美子でも、女の弱さをさらけ出すことになり、到底村上にはかないません。もろくも撃沈し、男の
体の下で気絶することになるのです。

由美子が反撃に出ました。村上と同じように指と舌で男の体を攻めるのです。相手から指と舌の攻撃
を受けながら、それに対抗してやはり舌と指で攻撃するのです。普通に考えれば性感の勝る女体の方
が男性より早く落ちるのが当然です。それを避けるため、アナルと男根への攻撃を由美子は優先させ
ました。

由美子の作戦は女体が攻略される前に、男根を膣に挿入させることです。膣に男根を咥え込めば、彼
女の思うままなのです。この方法で勝負の主導権を由美子は握ろうと考えているのです。過去に何度
もこの作戦で男を攻略してきたのです。

男と女、死力を尽くして相手の体をなぶりました。本番前の前儀で勝った方が勝利に一歩近づくので
す。そのことを女も男もよく知っていました。ただ、女は絶対勝たなくてはいけない背景があり、男
にはそれほど強い勝利への執着がないのです。この意識の差が結果に表れました。


[16] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(621)   鶴岡次郎 :2017/09/08 (金) 15:24 ID:24GB8EsY No.3042
しばらく攻防が続いた後、男が我慢できなくなったのでしょう、唸り声をあげ、立ち上がり、両手で
女の足首を握り、両脚をいっぱいに開きました。女が悲鳴をあげています。多分、歓喜の声だと思い
ます。

股間から透明な液が吹き上がりベッドシーツを濡らしています。おもむろに男が体を寄せ、大きく開
かれた脚の間に腰を入れました。そして一気に男根を挿入したのです、かなり荒っぽい挿入です、受
け入れ態勢が出来上がっている女は難なく男根を飲み込んでいます。女が野獣のような悲鳴を上げ
て、首をそらせ、腰を突き上げ、ブリッジを作っています。この様子を見る限り、女が負けたと誰で
も思います。

膣に男根を迎え入れ、肉棒をしっかり内壁で捕まえた瞬間、由美子は勝利を確信しました。そして、
膣内の筋肉に総動員の指令を発したのです。その気になれば、完全勃起した男根をその強い締め付け
で固定して、腰をひねって男根をへし折ることが出来るほどの威力を持つ由美子の膣力です。これま
でも何度か説明してきましたので今更由美子の膣力を解説する必要はないと思いますが、話の流れで
すので、少し触れさせてください。

由美子の膣内筋肉は、彼女が自由にコントロールできる部分と、彼女の性感に直結した部分があり、
この部分は由美子自身も制御不能なのです。通常の性交では主として前者の筋肉を使い、後者の出番
を抑え込んでいます。すなわち、由美子は男性と接触する時、夢中になるのをできる限り避けるので
す。努めて、膣筋肉を彼女のコントロール下に置くよう気を配るのです。

由美子が彼女自身を完全に開放すると、強い締め付けによる酷い痛みと、その後にこの世のものと思
えない快感が男性を襲います。酷い痛みとこの世のものと思えない快感、これが交互に男性を襲うの
です。男は叫び声をあげ悶絶することになります。

もし、事前に村上を竿氏だと判っていなかったら、油断を突かれて、村上の術中に嵌り、由美子は
早々に失神していたでしょう。腕利きの竿氏と戦うと覚悟を固めて、警戒していたことで、多少の余
裕が持てたのです。それでも由美子は追い込まれていたのです。今にも落ちそうになる由美子を最後
に支えたのが、使命感でした。絶対村上を攻略せねばならないのです。由美子の力を村上に・・、
そして、どこかに潜んでいるに違いないもう一人にも…、見せつける必要があるのです。

由美子は完全に自分を解放しました。活動を抑えられていた膣内のすべての筋肉が活発にうごめき始
めました。村上は二分と耐え切れませんでした。由美子の上に体を投げ出し、四肢をけいれんさせな
がら、低いうなり声をあげて、体中の水分を全て吐き出すような勢いで精を由美子の中に放出したの
です。女も、失神寸前でかろうじて踏みとどまっている様子です。傍目には互角の勝負・・、少なく
ともそのように見えました。勝ち負けなし、そう見えるのです。

男の頭は完全に真っ白になっていました。全身から力が抜け、女体の上に投げ出した体から力が抜け
だし、全身がなえているのを心地よく感じ取っていました。女性と接して、こんなに我を忘れて昇天
した記憶は男にはありませんでした。

精を吐き出したイチモツを女は咥えて離さないのです。女の息遣いを・・、たぶん心拍に同期した膣
内の血流のうごめきとその息遣いは同期しているはずですが、その動きを男根で男ははっきりと感じ
取っていました。

「参った…、参りました・・・・」

男は晴れ晴れした気持ちでそう呟いていました。その声が暗闇に吸い込まれています。


[17] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(622)   鶴岡次郎 :2017/09/11 (月) 12:31 ID:X/VMQ0Qg No.3043
以前にも紹介しましたので覚えている読者の方もいるかと思いますが、ここで村上のアパートの間取
りを説明しておきます。いわゆる二DKです。入り口の鉄扉を開けるとDKでその奥が10畳ほどの
洋間でソファーを置いて、居間として使用しています。居間の奥が8畳敷きの和室でしたが、絨毯を
敷き詰めてダブルベッドを置き寝室として使用しています。居間と寝室はがっちりした板戸で仕
切ってあり、板戸を一杯にあけると、居間から寝室は丸見えになります。村上は一人暮らしですの
で、いつも板戸を一杯に開けています。

照明は天井灯が完備されているのですが、あまり明るい部屋が好きでない村上は投光器型、手元用な
ど数種のスタンド式照明器を使用しています。寝室には投光器型フロアースタンドと寝室用スタンド
が置かれていて、投光器型にスイッチが入れられていて、比較的強い灯りが灯されています。これ
で、ベッド上で絡み合う男と女の姿を余すところなく照らし出しています。女の体を楽しみたい男が
明るい灯りを点けたのですが、女も嫌がっていない様子です。

居間には三基のフロアースタンドが置かれているのですが、点灯しているのは投光器スタイルの一基
だけで、寝室に近い居間の床に光の輪を暗闇に浮き上がらせています。このフロアースタンド以外の
照明はすべて消されていますから、居間のソファーに座って寝室方向を見ると、ベッドが劇場の舞台
になったように、その上で行われていることをすべて見ることが出来るのです。それでいて、ベッド
の上にいる演技者からは居間の中は真っ暗闇で何も見えないのです。

そう・・、ソファーに座って寝室を覗き見ると、ダブルベッド上で絡み合う二人は、まるでセックス
ショウの舞台にいるように見えるのです。勿論、ベッドの上に居る二人から見ると居間は真っ暗闇の
中です。


うめき声をあげ、全身をけいれんさせながら、村上が由美子の上で深く逝きました。悲鳴を上げ、体
液の噴出を膣で感じ取りながら、由美子もまた深々と逝きました。男は荒い呼吸をしながら、長々と
体を伸ばし、由美子の上で瞼を閉じています。

その時、突然・・・・、暗闇の中でぱちぱちと軽い拍手の音が響きました。


[18] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(623)   鶴岡次郎 :2017/09/12 (火) 14:38 ID:BqbFNe1s No.3044
たくさんの修羅場を潜り抜けてきた男の行動はさすがに素早いものでした。誰かが暗闇に潜んでい
る‥と、察知したのでしょう、由美子の体から滑り降り、膝をつき、上体を起こし、隙のない、鋭い
表情を声が聞こえて来た方向に向けています。手を広げ、由美子をかばう姿勢さえ見せているので
す。それまでセックスに溺れていた男とはとても思えません。暗闇の中に少しでも異常を見つけれ
ば、ちゅうちょしないで裸のまま、とびかかっていく姿勢です。

しかし、村上には何も見えないのです。それでも誰かが潜んでいる気配は感じ取っている様子です。
一方・・由美子は‥、この異常事態を予想していたかのように、素早く起き上がり、タオルケットを
抱き寄せ、拍手の聞こえて来た方向に背を向けて座っています。

「お見事でした…、
お二人とも、さすがですね・・・」

女の声が暗闇から響きました。村上の表情が曇っています。その声の主に心当たりがあるのです。同
時に、それまで全身から発散されていた戦闘色が消えています。敵でないと察知したのでしょう。

「いずれのお姐さんか存じ上げませんが・・・、
さどや・・、その道では名のある方だと思います…。
総一郎さんを相手に・・、ここまで戦えるとは…、
立派でした…、驚きです…・・」

軽く拍手をしながら女が一人、居間から寝室方向へゆっくり歩いてきました。投光器の作り出すもう
一つの光の輪の中に女が入ってきました。

「奥さん…」

村上が呻き声をあげています。

ワンピース姿の咲江が手をたたきながら、光の輪の中に立ち止まりました。もちろん笑みはありませ
ん、緊張した面持ちで二人を見つめているのです。

「女は・・、お前一人だけだと・・、
あなたはいつも言ってくれた・・
でも・・・、そんな甘い言葉なんか信用していませんでした…、
あなたには何人も・・、
他に女が居るはずと覚悟していました・・・」

ベッドに座っている村上を見ながら咲江は静かに語っています。すでに何事か覚悟を固めた女の決意
が見える話しぷりです。

「それでも・・、抱かれている時は幸せでした・・、
あなたに抱かれて・・、
初めて…・、
私は女の喜びを知りました・・。
咲江が一番だと言う・・、
あなたの言葉を信じてもいいと思ったこともあります・・・」

咲江の瞳から涙があふれています。

「でも・・、その女と絡み合う姿を見て・・、
全てが嘘だったと分かりました…
いえ・・、いいの…、あなたの言い分は判ります…。
今日は・・、最後まで聞いてちょうだい…・・」

村上が何かを言おうとして、咲江の手がその言葉を遮っています。男は頷きながら、口を閉じること
にしたようです。

「私との絡みなど・・、
あなたにとっては子供の遊びにもなっていなかったと悟りました・・・。
あなたはいつも・・、
私では満足していなかったのだと・・、思い知らされました・・・」

咲江の頬に涙が流れ、それが顎から床にしたたり落ちているのです。女子力の差をまざまざと見せつ
けられ、嫉妬心さえ忘れている様子です。


[19] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(624)   鶴岡次郎 :2017/09/17 (日) 11:57 ID:EUt8pr.M No.3046

「奥さん・・、
いや・・、咲江…、
誤解だ・…!」

村上が絶叫しました。涙を一杯貯めた瞳で咲江は男を見つめています。

「この人とは今日が初めてだ…
私には咲江が一番だ…」

「いいんです・・、
あなたを責めるつもりはありません…
私だって、主人を裏切り、あなたに溺れていた・・・
いずれ・・、こんな日が来る運命だったのよ…・」

もう・・、笑みさえ浮かべ、割り切った表情です。

「あなたへの未練は残りますが・・、
今日を限りにして、主人のところへ戻ります…、
主人の愛撫があなたを忘れさせてくれるはずです・・・・」

咲江に背を向けて話を聞いている由美子の表情が少し緩んでいます。もちろん、由美子の表情は咲江
には見えないはずです。この咲江の言葉を引き出すために、これまで芝居を演じてきた由美子です、
真剣にやり合っている咲江と村上には申し訳ないと思う気持ちを残しながら、由美子は内心で達成感
を噛み締めていました。

「主人とやり直すつもりです・・・・。
あなたにはまだ・・、申し上げていませんが…、
主人は以前と変わって、すっかりたくましくなりました・・。
今の主人がいてくれれば・・、
あなたを忘れることが出来そうです…。
悲しいことですが・・、
もう・・、あなたに会うことはないと思います…
いえ・・、会ってはいけないと思っています…・」

「・・・・・・・・」

「いろいろお世話になりました…、
いい思い出を与えてくださったことに感謝します…」

「・・・・・・・」

淡々と別れの挨拶を述べる咲江を見て、さすが女たらしの村上です、勝負あったとあきらめたので
しょう、それ以上の言い訳さえ言わないのです。黙って女を見つめているのです。

ここで由美子がゆっくりと振り向き、真正面から咲江と顔を合わせました。裸体を器用にタオル
ケットで覆っています。初めて咲江と由美子は顔を合わせるのです。二人の女は無表情です。そし
て、どちらかともなく、黙って頭を下げています。

フロアースタンドの光の加減で、由美子からは、はっきりと咲江の表情が見て取れるのですが、咲江
からは由美子の顔は良く見えないはずです。意識して光の輪から顔を隠している由美子です。それで
も由美子の雰囲気は判るはずで、由美子の姿や表情を確かめて、やや思惑の外れた面持ちで咲江が由
美子を見つめています。咲江なりに、村上を寝取った由美子という女のイメージを描いていたので
す、そのイメージと現物の違いが大きくて、咲江は戸惑いを見せているのです。


[20] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(625)   鶴岡次郎 :2017/09/20 (水) 13:55 ID:E8ObKyLE No.3047

戸惑いの表情を隠さず、咲江は由美子をじっと見つめています。咲江の視線の中に、怒り、蔑みの影
はなく、ただ、驚いている様子であることを由美子は見抜いていたのです。ただその驚きの原因が由
美子には読み取れていないのです。それでも、由美子の表情に焦りや、うろたえ、羞恥心の影は存在
しません。ゆったりと構えているのです。ここは咲江の出方に身を任せ、ゆったりと対応しようと由
美子は決めているのです。

二人の女はじっと見つめ合っています。村上はハラハラしていますが、二人の間には緊張感、激しい
敵対心などは、何も感じられません。静かに時間が過ぎてゆきます。由美子の実像を目の前にして、
大きな当惑の中にいた咲江がようやく立ち直ったようすです。肩で、大きく息をついて、咲江が口を
開きました。

「お楽しみのところへ黙って入り込んできて、
先ほどは・・、汚い言葉でののしりました・・・、
申し訳ないことをいたしました。お許しください…」

「・・・・・・」

ゆっくりと咲江が頭を下げています。由美子が黙って頭を下げています。豹変した咲江の態度に、
ぽっかりと口を開け村上が驚きの表情を浮かべています。どうやら由美子を見て、その上品な女性像
に触れて、咲江の怒りや、嫌悪感はかなりそのトーンを下げている様子です。それと同時に、先ほど
怒りに任せて、曝してしまった自身の行為を咲江は恥じているのです。

「申し遅れましたが、私は咲江と申します。
こうした場ですので、フルネームは言うことはお許しください・・・。
もう・・、お分かりだと思いますが、
私と彼の仲は・・・、単純な主婦の火遊びの関係です、
先ほどは気が動転して、酷い言葉を吐き出しましたが・・・、
あなたには何の恨みも、憤りもありません…」

「・・・・・・・・」

淡々と咲江が語っています。由美子は口を閉ざしたままです。咲江は由美子の反応を注意深く見つめ
ています。二人きりの部屋に忍び込んできて、恥ずかしい姿を覗き見て、二人の関係に文句をつけた
のです。いかなる理由があるにせよ、咲江の行動は行き過ぎです。由美子から汚い言葉で辱められて
も、じっと我慢すると・・、咲江の覚悟はできているのです。

由美子の表情は柔らかく、咲江に反感を持っている様子は見せません、それどころか微笑みさえたた
えて、咲江の言葉一つ、一つを、まじめに受け入れているのです。咲江は、女の勘で由美子の人柄と
彼女の誠意を十分に感じ取っていました。

〈この女は・・・、
いえ・・、この方は・・、なかなか出来た方だ…。
上品で・・、きれいな方・・・、
総一郎さんが夢中になるのも無理ないわね…・・〉

やり手の酒場のママをイメージしていたのです・・、ところが、咲江と同じ普通の主婦の雰囲気を発
しているのです。咲江の中から由美子への嫌悪感が完全に消え、奇妙な親近感さえ芽生え始めている
のです。咲江の言葉に優しさがこもり始めています。


[21] フォレストサイドハウスの住人達(その19)(626)   鶴岡次郎 :2017/09/22 (金) 11:41 ID:xCq.qF0g No.3048
「今・・、冷静になって考えると・・・、
間違っていたのは・・、私だった…、
そう思い始めています・・・
お二人に、謝るべきは・・、
私かも知れないと思い始めています…・・」

村上は勿論、由美子でさえ・・、女同士、咲江の気持ちは十分理解できると自負している由美子でさ
え・・・、咲江の言葉に当惑しているのです。この場で、咲江が謝罪の言葉を発するとは…、想像す
ることさえ、できていなかったのです。

〈私に・・、謝りたいって‥…!
この方・・、何を考えているのかしら…、
それとも…、何かの罠…?
いえ、いえ・・、そんな姑息な策を使う方ではないはず…、
判らない・・〉

微笑みを絶やさない由美子ですが、心中では咲江が発した謝意の真意が分からなくて、当惑している
のです。

「私があなたの彼を・・、
盗み取ったのかもしれません…」

「・・・・・・・・」

咲江の言葉に由美子が少し首を傾けて、微笑んでいます。さりげなく、咲江の言葉を否定しているの
です。

「そうだとすると、責められるべきは私です…・。
お約束いたします。もう彼には絶対会いません…。
心ならずも・・、あなたの彼に手を付けたことをお許しください…」

由美子の愛人を寝取っていたのは咲江だと言い張っています。そして・・・、深々と頭を下げていま
す。そんな咲江を由美子は、優しい表情で黙って見つめています。ここで反論することの無意味さを
由美子はよく理解しているのです。この場を丸く収めたいと願う咲江の狙いを由美子は黙って受け入
れることにしたのです。村上も口をはさみません。ここは女二人のやり取りを最後まで見極めるつも
りのようです。村上もなかなかの人物です。

「それにしても、圧倒的なあなたの力がちょっとうらやましい・・、
私では・・・、どんなに頑張っても…、
総一郎さんをあのように追い詰めることができません・・。
あなたと私を比較して・・・、
どこが違うのでしょうね・・・、
私だって、それなりにいい女だと思うのですが…、
今となっては・・、それが一番悔しい…・」

本当に悔しそうな表情を作り、そしてその後、声なく笑っているのです。由美子も笑みを浮かべてい
ます。

「お邪魔しました…。
ああ・・、総一郎さん・・、
いえ・・、村上さん・・、
合いカギはテーブルの上に置いて行きます・・・」

入ってきた時と同じように、咲江は煙のように二人の前から消えたのです。


[22] 新しい章を立てます   鶴岡次郎 :2017/09/25 (月) 14:50 ID:/K5M318Y No.3049
咲江と千春、そして由美子の物語が少し長くなりそうなので、ここらで新たにスレを立てます。
                                      ジロー



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