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一丁目一番地の管理人(その30)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2012/08/10 (金) 17:59 ID:CXwBGk8c No.2280
由美子が介入した効果もあって、警察庁参事官、伍台と元妻喜美枝の仲はどうやらもとの鞘に納
まる雰囲気です。この事件に関連した真黒興産の関係者、そして、竹内寅之助、敦子の動向を
追ってみます。最期までご支援ください。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その
11)』の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきま
す。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字
余脱字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるよう
にします。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した記事を読み直していただけると幸
いです。

  ・ 文末に修正記号がなければ、無修正です。
  ・ 文末に(2)とあれば、その記事に二回手を加えたことを示します。
  ・ 1779(1)、文頭にこの記号があれば、記事番号1779に一回修正を加えたことを示します。
                                      
                                      ジロー


[15] 一丁目一番地の管理人(459)  鶴岡次郎 :2012/08/28 (火) 11:13 ID:st15p27c No.2297
「それにしても、奇妙な縁ですね・・・、
由美子さんと敦子の間にそんな繋がりがあったとは・・・・
宇田川親分はこのことをご存知なのですか・・・」

竹内と敦子の逃避行をUの組織が影で支援したことは竹内に伝える必用がないと、Uから口止め
されているのです。敦子の名前を出してしまったことは反省しながらも、まだUがこの件に関与
していたことはしゃべっていないと、由美子は救われた気持ちになっているところだったのです。
そこへ、突然、由美子の心を覗いていたかのように、竹内がUの名前を出したのです。

「エッ・・、Uさん?
Uさんは何も知りません・・・・」

咄嗟にそう言ったのですが、内心の動揺がとんでもない所に現れてしまいました。由美子の陰唇
が激しく締まったのです。勿論、由美子はそのことに気がついていません。

〈う・・・ん・・・、締まる・・・。
Uさんの名前に由美子さんのアソコが強く反応した・・・、
判り易い人だ!・・由美子さんは・・、
何か隠しているのだ・・・。
どうやら、宇田川親分は全てご存知の様子だ・・・〉

由美子の締まりを男根で感じ取った竹内は由美子が口止めされていることを察知していました。
そして、そこまで判ると、全体の筋を読み取るのは竹内ほどの男にとってはさほど難しくなかった
のです。

〈そうか!・・、そうだったのか・・・、
由美子さんが宇田川親分を動かしたのだ・・、
宇田川親分が全国の仲間に連絡をしてくれたのだ・・〉

由美子に泣き付かれたUが地方の親分衆に連絡をして、竹内と敦子の保護を求め、そしてたまた
ま、木の葉会が竹内と敦子に遭遇し、木の葉会の親分、河野は詳しい事情は伏せて、君江に竹内
と敦子の面倒を見るように指示した。

由美子の様子からこれだけのことを竹内は察知していました。この筋書きを知ると、街で君江に
偶然出会った時から、彼女がことのほか親切で、優し過ぎると思っていた理由が竹内には良く判
るのです。

〈宇田川親分、河野親分、この二人が居なかったら、
私はこの世から消えていただろう・・・
いくら感謝しても、感謝し足りない方々だ・・・、

それにしても・・、どうだろう・・・、二人の大きな器量は、
宇田川親分も、河野親分も、これだけのことをしていながら、
私には何も告げないつもりのようだ・・。

由美子さんから聞かなかったら、何も知らないで見過ごす所だった・・・
凄い方々だ・・、
私は、何時になったら、彼らのように大きな男に成れるだろうか・・・〉

ゆっくり腰を使いながら竹内はUと河野の大きな器量に感嘆していました。そして、それに比較
して、彼自身の小ささを改めて認識していたのです。

〈ヤミ金とはいえ、それを承知で借りたわけだし、罪は全て私にある。
借りた金を返せないなら、それなりの罰を受けるべきだった。
それがこともあろうに、夜逃げしてしまった。
そして一人で逃げるならまだしも・・、
何の罪もない敦子を道連れにしてしまった。
私は最低の男だ。

とても宇田川親分や、河野親分と比較できる身ではないが、
何時の日か、彼等のようになりたい・・・〉

由美子の膣に肉棒を入れ、あたかも由美子の膣に誓いを立てるかのように敬虔な気持を肉棒にこ
めて、腰を突き出し、竹内は密かに決意を固めていたのです。

この時の竹内のように、男は時として、女性の中にカラダを入れた時、突然新たな発想に捕らわ
れ、男の人生を決定付けるような決心を固める時があるのです。これから先、竹内は由美子の膣
に誓った人生をしっかり生きていくことでしょう。


それからさらに一時間、竹内は由美子への感謝の気持ちを込めて攻め続けました。風呂場で由美
子を抱いてからほぼ3時間は経過しているのです。この間、竹内の男根は由美子の膣にずっと入
り込んだままなのです。これだけ長時間頑張るのは竹内にとっても久しぶりのことです。

何度も由美子が逝って、最期に竹内が一声唸って、たっぷりと放出して長い二人のセックスが終
わりました。由美子は久しぶりに失神していました。

太くて長い男根による激しい攻撃には慣れているのですが、竹内のようにゆったりと、気が遠く
なるほど長々と攻め続けられると、さすがの由美子も攻め時を見失って、防戦一方になり、遂に
は撃沈してしまったのです。

夜明け前に自室へ戻るつもりでいたのですが、失神したまま竹内の腕の中で眠ってしまって、由
美子は竹内の部屋で朝を迎えたのです。(1)


[16] 一丁目一番地の管理人(460)  鶴岡次郎 :2012/08/30 (木) 14:22 ID:oZHE8BjQ No.2298
2297(1)

ここはUの部屋です。Uに翻弄され、最期には気を失ってしまった君江が甘えた声を出してい
ます。

「噂どおりだった・・、
いえ・・、噂以上だった・・・、
太くて、長くて、それに固い・・・、

私・・、こんなに深く逝ったのは生まれて初めて・・、
何も覚えていないけれど、失礼なことしませんでした・・・」

天井を見上げていたUが君江に視線を移し、微笑みながら、首を振っています。

「この香り、私・・・、大好き・・・」

野性的なUの横顔を見ながら、彼の肉棒をいとおしげに触り、時々男根を鼻先へ持ってきて、そ
の香を深々と吸い込んだり、その先端にこびり付いた男の液を舌で掬い取ったり、指に絡みつい
た精液を舐めたりしているのです。

「Uさん・・、私のココを見て!・・・
ビラビラがひきづり出されて、元へ戻らないの・・・、
Uさんのモノが規格外れだからだよ・・・

これでは、下着を穿いても、直ぐ汚れてしまう・・・、
でもうれしい・・・、こんなになったの初めて・・・・」

艶やかな表情を浮かべ、女が男の胸に顔を寄せ、男の乳首をかなり強く噛みながら、両脚を一杯
開いて、そこを男に見せています。

業物でかき回され、内壁が引きずり出され、喜美枝の陰部はいつもの淑やかな外観が一変して、
褐色の土手の隙間から、サーモンピンクの内壁が3センチ以上はみ出し、愛液に濡れたそれがテ
ラテラと光っているんです。

女はそのビラビラを指で抓んで、男に見せているのです。Uはチラッとそれに視線を走らせまし
たが、無感動な表情を保っています。

「向こうの部屋では上手く行っているかしら・・・
由美子さんのことだから間違いないと思うけれど・・・、
家の人、あれで案外人見知りするから・・・、
由美子さんの前でひるんでいたら、申し訳ないと思う・・」

竹内が由美子を上手く抱けたか、君江は本気で心配しているのです。

「それにしても、由美子姐さん、想像していたより数段可愛い・・・。
噂では、どんな男性でも、短時間に極楽へ送り込むことが出来る凄腕の女性だと、聞いていて、
凄い姐さんを想像していたけれど、聞くと見るとでは大違い・・。

外見は肩書きどおり上流婦人然として、セレブな雰囲気で一杯だけれど、話してみると、話題が
楽しくて、優しくて、それでいて少女のようなあどけなさを残している。あれで、ベッドではど
んな男でも30分は持たないと噂されているテクとカラダを持っているのだからね・・。

男達の噂ではアレの中が凄いんだってネ・・、
ミミズ千匹なんて生易しいもんじゃないと聞いた・・。
男はたまらないわね・・・。

Uさんほどの男がほれ込むのも無理ないわネ・・・」

喜美枝が肉棒を強く握り締めて、男の反応を見ています。Uは相変わらず無感動な表情を保って
います。

「姐さん、一流企業の重役夫人なのでしょう・・、姐さんがUさんに惚れて、・・と言うより、
二人は最初の出会いで互いに一目ぼれをした。

Uさんが姐さんと彼女の旦那様が通うゴルフ場へ毎週のように出かけた。
当然、姐さんもUさんを意識する。二人は互いに赤い糸で結ばれていたのネ・・・。

Uさんが『・・奥さんを下さい・・』と、ご主人に直談判した。その結果、姐さんを二人で共有
することが決まった・・。それ以来、姐さんは重役夫人と的屋親分の女房という全く相容れない
二役をこなしている」

男根を両手で弄びながら君江が話し、Uは眼を閉じて無感動な表情を保っています、・・が、由
美子と出会って以来の様々な光景がUの脳裏に浮かび上がっているはずです。


[17] 一丁目一番地の管理人(461)  鶴岡次郎 :2012/09/01 (土) 16:12 ID:shdCzF1c No.2299
「重役夫人のままであれば、そんなことは絶対なかったはずだけれど、私達の世界に入ったこと
で、姐さんは好むと好まざるに関わらず、人前でセックスをすることが普通になり、そればかり
か、他の男と寝ることが珍しいことではなくなり、今日会ったばかりの男と寝ることさえ、場合
によっては拒否できない生活を送るようになった。

この世界にどっぷり浸かっている私が言うのも変だけれど、そんなセックス環境に置かれると大
方の女は生活も化粧も、そして着る物の趣味も明らかに変化するものだけれど、姐さんはその影
響をほとんど受けていない。上流階級の奥様然とした雰囲気を変えていない。よほどしっかり
した考えが、私達にはとうてい理解できない思想が、あの人の中にあるのだと思う」

ひとしきり由美子の論評をして、君江はそこで何かを思いついたようで、Uの男根を弄っていた
手を止めて考え込んでいます。口に出して質問するかどうか、かなり迷った様子ですが、最期に
は思い切った様子で口を開いたのです。

「先代から竹内と敦子さんの面倒を見るように指示され、彼らをずっと匿(かくま)ってきまし
たが、先代は竹内さんを知っている様子ではなかった。誰かの依頼を受けて、先代が私に指示を
出した・・、私はそう推察していました。

竹内とUさんはお知り合いなのですか・・・?」

君江の顔を見ないで、Uがゆっくり首を振っています。

「そうですか・・・、Uさんでないとすると・・・、
由美子姐さんが竹内と・・・、
そうではないわネ・・・、

そうか・・・、敦子さんと由美子姐さんが知り合いなのネ・・・、
それで、姐さんが二人の保護をUさんに頼み込んだ・・・、
そうでしょう・・?」

黙ってUは天井を見上げています。否定をしないところを見ると、君江の推察は当っているよう
ですが、Uはこの話題を続けたくない意思表示をしているのです。

「判りました・・。
この話は今日限り一切忘れます・・、
主人にもこの話題は出しません。

ネッ・・、だから・・、もう一回・・・
いいでしょう・・・」

男根を握る指に力を込めています。それは半立ちのままですが、それでも並みの男が完全勃起し
た以上の威容を見せているのです。女がゆっくり上体を起こし、男の股間に頭を寄せ、男根を咥
え込んでいます。埋め込んだ真珠の玉が女の唇を歪め、男根にへばりついた粘液が君江の唇を濡
らしていました。まだまだ夜は長いのです。

男根が次第に力を取り戻した頃を狙って、君江がUの身体に跨りました。右手を器用に使って、
男根を女陰に誘導しています。

「ああ・・・、いい・・・

どうしょう・・、
Uさんの身体を独り占めしたくなっちゃた・・・
でも・・、姐さんには勝てそうもないし・・。

突いて・・、突いて・・、もっと・・・ゥ・・・」

Uが突き上げ、君江が身体を揺すり、肉体がぶつかり合う淫靡な音が部屋中に響いていました。


木の葉組の組長になった竹内は革新的な組の経営を展開し、地元は勿論、全国の仲間が注目する
ほどの成果を短期間に上げました。木の葉会の評判が広がるにつれ、その経営手法を組に取り入
れたいと願い出る組長が何人も現われました。この動きを見て、全国の組長を統括する宇田川は
竹内の協力を得て彼の経営手法を全国に展開することを考えました。

Uは頻繁に竹内を訪問し、木の葉会の経営手法をどのようにして全国展開するか話し合いました。
全国に散らばるそれぞれの組の経営内容を診断し、問題点を取り出し、その対策を考えることが
必用なのです。全国の組長を一堂に集め机上教育する程度のことではほとんど効果が出ないので
す。

Uと竹内が話し合った結果、ようやく方針が決まりました。すなわち、組長の後継者と目される
将来を託せる若手組員が決まっている場合は、その人物を木の葉会に招き、一年ほどみっちり実
地教育する。また、有望な後継者を決められない組には竹内がその組に頻繁に出かけて、組長と
組員の実地指導をすることになったのです。

組の経営診断と指導には、どうしても経理処理の専門家が必用で、君江と由美子がその候補に上
がりました。そして、竹内とUが話し合った結果、最終的に由美子に決まりました。君江でなく
由美子が選ばれたのは竹内が出張中、君江が木の葉会の組長代理を勤めるためです。

こうして、由美子と竹内は全国を旅することになるのです。いずれ二人の旅の様子は、詳細に
報告することになると思いますが、既にカラダの関係ができている二人が、性豪揃いの組長を歴
訪するのですから、鶴岡、Uそして君江にとって、気がもめる二人の同行旅となるはずです。(1)


[18] 一丁目一番地の管理人(462)  鶴岡次郎 :2012/09/03 (月) 14:30 ID:r4mPfkBI No.2300
2299(1)

土手の森公園、早朝6時、散歩道を外れた薄暗い森の中、一人の女が大木の根元でうずくまって
います。女は両手を合わせ、祈りの姿勢をとっています。女の前には自然石を刻んだ小さな石碑
が立っていて、女がお供えしたのでしょう、白い花束が置かれていました。

そう・・、ここは一年前、圧村和夫が殺害された現場なのです。女はこの森の近くに住む金倉ゆ
り子です。ゆり子は週に一度はここへ顔を出します。いつもは、家事が片付いた10時過ぎにこ
こへやってくるのですが、今日は恋人圧村和夫の一周忌ということで、彼女が圧村の死体を発見
した時間に合わせてここへやってきたのです。

死体の発見を警察に通報しなかったこと、犯人の手がかりになるハンカチを隠匿したことで、警
察からお咎めは受けましたが、金倉夫妻はそれ以上の追及を受けませんでした。たぶん、一ヶ月
遅れながら、ゆり子が出頭して事実を告白したことが犯人逮捕に繋がったことが評価されて、ゆ
り子と彼女の夫金倉武雄は罪に問われなかったのだと思われます。


ゆり子の側には少し大きくなった柴犬の健太が神妙な表情で控えています。ゆり子は長い間両手
を合わせて祈っていました。圧村とすごした数ヶ月の思い出が、まるで昨日の事のようにゆり子
のカラダに蘇っているのです。

深夜、人影が絶えた森の中で、全裸になった二人は、愛液を迸らせながら、狂ったようにこの森
で抱きあったのです。むせ返るような男の香りに包まれ、男の厚い胸に抱かれ、剛棒を深々と股
間に受け入れた感触が、その快感が、昨日のことのようにゆり子の脳裏に蘇っているのです。

「ああ・・・・、
和夫さん・・・・」

祈りの姿勢を保ったまま、ゆり子ははっきりと肉棒の圧力を肉襞に感じとっていました。そこは
溢れるほど濡れているのです。ゆっくりと右手を伸ばし、指を下着の脇から差し込み、濡れた狭
間に二本の指を挿入しました。祈りの後、石碑の前で女陰を慰めるのがゆり子の習慣になってい
るのです。


主人であるゆり子が低いうめき声を上げ、身体を揺らしているのを見守るのが、健太の役目です。
その時・・、健太が突然顔を上げました。そして唸り声で異変をゆり子に告げたのです。

慌てて股間から右手を抜き取り、ゆり子はスカートの裾を整えながら立ち上がりました。ゆり子
にもはっきりと足音が聞こえてくるのです。

あの日と同じように、土手の方向から足音は軽やかに近づいてきました。白いTシャツに、肌に
張り付いたデニムの白いパンツ姿の女性が、朝日を背後から受けながら、近づいてきます。

健太に引っ張られるようにしてゆり子は散歩道に上ってゆきました。ジョギングをしてきた女性
が突然路上に現れたゆり子を見て、びっくりして立ち止まっています。

二人は5メートルほど離れて、睨みあう形で立っていました。最初に声を出したのはゆり子でし
た。

「もしかすると・・・、
一年前、ここで死体を発見された方ではありませんか・・・」

「・・・・・」

ジョギングして来た女性がびっくりして、ゆり子を見つめています。そして、彼女はゆり子の側
に居る柴犬の健太に気がつきました。

「ああ・・・、
あの時のワンちゃんですね・・・」

一年前、森の中から出てきて、目の前を駆け抜けた柴犬をその女性、敦子は覚えていたのです。
柴犬が現われた森の中に、死体が横たわっていたのです。

「やっぱり、あの時の方・・・
私・・、この犬の飼い主です・・・。
あの時、森の中にいて、貴方を見ていたのです・・」

「エッ・・・、あの時、森の中に居たのですか・・・
では・・、あの死体を私より先に見つけていたのですか・・、
スミマセン、スミマセン・・、そんなことはありませんよネ・・・」

あの死体が竹内を恐喝した組員で、犯人は竹内が圧村に手渡した100万円を強奪した地元の大
工であることを知っている敦子は、目の前に居る上品な夫人が死体とも、犯人とも、無縁の人物
であることに気が付いて、自身の勘違いを慌てて修正しているのです。


[19] 一丁目一番地の管理人(463)  鶴岡次郎 :2012/09/06 (木) 14:49 ID:HJY5IIu6 No.2301

二人は肩を並べて河原の土手に向かって歩み始めました。ゆり子が誘ったのです。

「私、この森の近くに住んでいるのですが、
あの日、事情があって、あの時間、この森に入っていました。
そして、あなたより先に、あの死体を発見していたのです・・」

「そうでしたか・・・、
やはり、私より先に死体を発見していたのですね・・。

でも・・、どうして・・・・・」

敦子が不審そうな表情でゆり子を見つめています。ゆり子を疑っている様子ではありません。

二人は散歩道の側にあった木製のベンチに腰を下ろしました。健太はゆり子の足元に身体を伸ば
して両脚の間に頭を埋めて、眼を閉じています。

「圧村和夫さん・・、あの方の名前です。
和夫さんは私の恋人・・、不倫相手だったのです・・」

敦子を一目見て、この人なら圧村のことを話してもいいと、ゆり子は思ったようです。敦子は驚
く様子もなく、黙って耳を傾けていました。一緒にここまで歩きながら、もしかすると、森の死
体とゆり子の間に何らかの関係があるかもしれないと敦子は思い始めていたのです。そして、圧
村が暴力組織の人間であることを知っている敦子は、ゆり子と圧村の関係は秘められた関係だと
推測していたのです。それ故にこそ、死体の第一発見者でありながら、ゆり子は何も行動しな
かったのだと思っていたのです。


「彼はご存知のように普通の人でなく、組の構成員でした。
でも・・、私には優しい、頼りがいのあるすばらしい人でした・・」

「愛していらしたのですね・・・」

「ええ・・、
最初は彼の体に惹かれましたが、
半年もお付き合いを重ねていると、身も心も彼の虜になりました。

今でも、彼との思い出の中で私は生きているのです・・」

ここではじめて、ゆり子は涙を見せました。


「あの日の前夜、あの森の中でデートする約束だったのに、
彼はいくら待っても来なかった・・
私が車の中で待っている頃、彼は襲われて命を絶たれていた・・」

ゆり子はここで言葉を切り、こみ上げてくるものをじっと抑える様子を見せているのです。敦子
は黙って耳を傾けていました。

「それでも気になって、翌朝、森に入った。
そこで、彼の死体を見つけることになった・・。

彼を愛していると言いながら、不倫がバレるのが恐ろしくて、警察へ通報することが出来な
かった。そして、一ヶ月後、全てを主人に話して、警察へ出頭したのです・・・。

私はダメな女です・・・・・・」

そこに圧村が居るようにゆり子は頭を下げているのです。


「後で判ったことですが、圧村さんはあの日、街の居酒屋で取引相手に出会い、100万円を受
け取っていたのです。その光景を犯人である地元の大工をしている男に目撃されていた。そんな
ことに気がつかなかった彼は私との約束を果たすため森に入り、その油断を突かれ、後から襲わ
れ、命を落した・・・」

ゆり子の話を聞きながら、敦子は必死で平静を装っていました。

〈圧村さんと会っていた取引相手は、竹内寅之助と言って、私の情夫なの・・、
私が売春婦である秘密を竹内が握り、
夫を脅して無理やり私を手に入れ、おもちゃにしていた。

私が組織に事情を話し、竹内に秘密を握られたことを知った組織が動き、
圧村が派遣され、竹内はその脅かしに屈して100万円を支払ったのよ・・・。
そして、その100万円が原因で、圧村さんは死ぬことになった・・。

売春で散々汚れているのに、竹内に弄ばれることに耐え切れなくて、
組織に訴えた、そんなことをしなければ、圧村さんは死ぬことはなかった・・、
あなたの恋人を殺したのは、ある意味で私のせい・・・〉

敦子は心中でゆり子に真実を伝え、頭を下げていたのです。売春稼業に関係していたことは生涯
口を閉ざす覚悟を固めている敦子です。ここでもゆり子にそのことを話すつもりはないのです。
必死で平常心を保ち、ゆり子を見つめていました。


[20] 一丁目一番地の管理人(464)  鶴岡次郎 :2012/09/07 (金) 14:57 ID:BkWGozz6 No.2302
「あの人を殺したのは私だと思っています。

私と付き合うことがなかったら、この町へ来ることはなかった。
あの日、この森で私を抱く約束をしていなければ、
彼はこの森へ来る必要がなかった・・。

あの人をここへ引寄せたのは私なんです・・・。
うう・・・・・・・」

遂にゆり子はヒザの上に頭を伏せて、泣き出してしまいました。今まで、誰にも言うことが出来
なかった、心の内を、敦子に話して、ゆり子の中に封じ込められていた悲しみが迸(ほとばし)
っているのです。

「ゆり子さん・・・、
それは違う・・!
絶対、ゆり子さんのせいではない・・・」

ゆり子がびっくりして敦子を見るほど、強い口調でした。

「もし・・、無理に彼を死に誘導した真犯人を探すのなら・・・、
それは・・、その取引相手が圧村さんに差し出したお金に罪があると思います。
お金に絡んだ、人々の卑しい欲望のせいだと私は思います。
決して、ゆり子さんがデートを約束したためではない・・。

ゆり子さんと圧村さんの間で育まれた清らかな愛情は・・、
この森で展開されたお二人の愛の姿は・・、
この殺人事件とは無関係なものです・・・。

これからは、決して圧村さんを殺したなど思わないで下さい。
亡くなられた圧村さんだって、二人の愛が死の原因だとは思っていないはずです。
ゆり子さんが何時までもそんな気持でいるのを望んでいないと思います。
圧村さんと過ごした楽しい時間だけを思い出してあげてください・・」

「敦子さん・・・、
ありがとう・・、あなたに会えてよかった・・・」

敦子に心の内を告白し、圧村の死を呼び込んだのは、ゆり子のせいではないと説得され、ゆり子
は久しぶりに心の重荷を下ろした気分になっていました。

「主人が待っていますので・・、
これで・・・」

敦子はゆっくりと立ち上がりました。未だ話し足りなさそうな表情をゆり子は隠していません。

「また会えますか・・・
私はこの森の外れにある、農家に住んでいます・・」

「エエ・・、縁があればきっと、また会えますよ・・」

竹内のマンションを引き継ぎ、敦子は夫、朝森と暮らしているのです。ゆり子の自宅とは徒歩で
行き来出来る近さです。しかし、そのことをゆり子に告げるつもりはないようです。もう・・、
会うことはない・・、会うべきでないと・・、敦子は考えているのです。


[21] 一丁目一番地の管理人(465)  鶴岡次郎 :2012/09/10 (月) 15:53 ID:JZvAvPsg No.2303

敦子の態度から、これが最後の別れになるとゆり子は悟ったようで、悲しげな、縋るような視線を
敦子に投げかけているのです。

「困ったわね・・・、
そんな悲しい顔を見ると、
ゆり子さんを残して、ここを去ることが出来ない・・」

踏み出した歩を止め、ゆり子を見て、敦子をニッコリ微笑みました。そして、ゆり子の側に腰を
下したのです。今にも敦子に抱きつきかねない素振りを見せてゆり子が喜んでいます。

「主人は勿論、私も働いていますので、そんなに時間は取れないの、
10分間・・、10分だけ・・、お話しましょう・・・
それでいいですね・・・」

ゆり子がコックリ頷いています。ゆり子の方が年上なはずですが、敦子が年長者のように振舞って
います。

「ゆり子さん・・・、
私は何度か浮気をしました・・。
多分、ゆり子さんより男性経験は豊富だと思います。

私の経験から申し上げると、女は浮気と本気の区別が出来ないのです。
身体が溺れると、心までその男に捧げてしまうのです。

でも、どんなに燃えても、所詮、浮気は浮気で、結局、棄てられたり、
逆に、ひと時の熱気から冷めた女が、男の素顔に気がついて、逃げ出したりするのです」

敦子の言葉の一言も聞き逃さない気持ちを込めて、ゆり子は敦子をじっと見つめています。


「お恥ずかしい話ですが、つい先日、浮気相手と別れて、
半年振りに主人のところへ戻ってきました・・・」

ゆり子が驚いています。

「私は夫を裏切り、ある中年男と深い関係になり、その男の体に溺れ、それほど愛情を感じてい
ないその中年男と夜逃げ同然のようにして、駆け落ちしました。

不景気な今の世です、手に何の職も持たない中年男とそう若くない女の落ち着く先は限られてい
ます。この半年、私は一般社会とはかなり違う環境に身を置いてきました。

そこでは女も男も本能のまま生き、決まった相手がいても、よりいい相手をいつも求める生活を
しているのです。
女は男を側に繋ぎとめるため、考える限りの工夫をし、メスの魅力を磨くのです。男は男で、い
い女を自分のものにするため、無理を重ねるのです。

私と一緒に来た冴えない中年男でさえ、私は他の女に取られる心配をしなければいけませんでし
た。彼は彼で、私が他の男に靡かないように、毎夜、激しく愛してくれました。彼が勃起促進薬
を常用しているのを私は知っていました。

世間では一旦夫婦になれば、そこで恋愛は終わりますが、そこでは世間で言う夫婦約束は通用し
ないのです。ただ、強いメスとオスだけが生き残れる世界なのです・・・」

あまり詳しく的屋仲間のことを話すと、圧村と竹内の関係を悟られる心配もあるため、敦子は当
たり障りのない話をしたのです。


[22] 一丁目一番地の管理人(466)  鶴岡次郎 :2012/09/13 (木) 14:21 ID:39A0eYL6 No.2304

案の定、敦子の説明だけでは良く判らないようで、ゆり子はぼんやりとした表情をしていました。
もっと直接的な説明がいいと判断した敦子は話題を変えました。

「ラビアピアスってご存知ですか・・・」

「・・・・・・・」

「ご存知のようですね・・・。
女が思っている以上に男達はラビアピアスを見て喜びます。
それで、私もそれを着けることにして、
少しづつ増やして行き、いまでは6個も身に付けています。

どう・・、これだけ言えば、
私がどんな生活してきたか容易に想像していただけますね・・」


さすがに今度は良く判った様子で、ゆり子は目の前に立っている敦子の全身を舐めるように見て
います。

「嫌だ・・、ゆりこさん・・・、
そんな目つきで私を見ないで・・、
私、インラン女に見えます・・?」

「いえ・・、そうじゃないの・・、
敦子さんに最初会った時から・・、何か違うな・・と思っていた。
綺麗な人ではあるけれど、それだけではない魅力があると思っていた。
それが、何だか、いま判ったの・・・」

「・・・・・・」

今度は敦子が口を閉じる番のようで、ゆり子の次の言葉をじっと待っています。

「感じたとおり言います。
失礼なことを言うかもしれません。
その時は許してください・・。

敦子さんの魅力は女が一人で作り出したものではないと思う。
おそらくたくさんの男達が敦子さんの女を磨いたのだと思う。
元々の素地がいいところへ、たくさんの男達が彼等の精をたっぷり注ぎ込んだ、
男達の精を吸って敦子さんの女は輝きを増し、捉えどころのない魅力を発揮している・・」

ゆり子の論評に敦子は反論しません。

「女の私にさえ判る敦子さんの魅力が、男達に判らないはずがない、
ご主人は、そんな敦子さんに無条件陥落したのよ・・」

眩しそうに敦子を見つめながら、ゆり子が呟いています。

「判りません・・・、主人の本当の気持は判りません。
散々にいけないことをして、数え切れないほどの男と交わってきた私を、
主人は黙って受け入れてくれたのです。
もし、逆の立場だったら、私は決して主人を許せないと思います・・」

敦子がしんみりと話しています。

「主人が本気で私を受け入れてくれたのか、
それとも、何処へ行くことも出来ないな私を哀れんでくれたのか・・、
最初、私は自問して、その答が掴めないまま、悩みました・・。

それで、私・・・、決心したのです・・・。
こんな私でも黙って受け入れてくれる主人の気持をあれこれ詮索しないで、
彼の大きな気持に、ただ甘えることにしようと思ったのです

私の素顔のままを、主人に曝して、彼に尽くすことにしたのです。
そう決心すると、随分と、気が楽になりました・・・」

敦子の言葉にゆり子が何度も頷き、そして、遠くを見る様子を見せ、うな垂れているのです。敦
子の言葉に刺激されて、ゆり子は彼女自身の問題を考えている様子です。


[23] 一丁目一番地の管理人(467)  鶴岡次郎 :2012/09/14 (金) 16:12 ID:1.DCJ6Vc No.2305

「失礼を承知で申し上げますが・・。
ゆり子さんは圧村さんと過ごした時間が忘れられないのでしょう・・、
もっと言えば、彼のカラダが忘れられないのでしょう・・、
彼と過ごした、夢のような一時が今も、ゆり子さんのカラダを燃やすのでしょう」

ゆり子がコックリと頷き、もう・・、涙ぐんでいるのです。

「この半年、女としてこれ以上は経験できないほど、たくさんの男と接し、
私は男の素晴らしさ、セックスの素晴らしさを堪能してきました・・。

そんなだらしがない経験を積んできた私ですが、
一言、ゆり子さんに申し上げたいことがあります・・・」

ゆり子がコックリと頷いています。

「本気で溺れた男の身体を、その感触を、女は何時までも覚えているものです。
こうしていても、男たちが与えてくれた喜びが、カラダの底から湧き上がってきます。
しかし、どんなに恋焦がれても、再び、手に入れることができない男のことは出来るだけ忘れる
ことだと、私は割り切ることにしています。

圧村さんのことは忘れるのです。
貴方の体に染みこんだ彼のカラダの思い出を早く消してください。
そのためには、別の男に溺れることです。

女の体に染みた男の思い出は、男の身体でしか消せません・・
圧村さんのことは忘れて、ご主人を大切にしてあげてください。
ゆり子さんがその気になれば、ご主人が圧村さんの記憶を消してくれるはずです」

不安そうな表情でゆり子が敦子を見ています。敦子がニッコリ微笑み、次の言葉を続けました。

「彼はその道のプロだから、きっと素晴らしいセックスだったと思います。
それに比べて、ご主人とのセックスはなんとなく物足りない・・。
とても、ご主人のモノでは圧村さんの穴埋めは出来ない・・。

これがゆり子さんの本音でしょう・・・?」

敦子を見て、ゆり子が何度も、何度も頷いています。

「これから先、ゆり子さんが先生になって、圧村さんのセックスをご主人に教え込むのです。
決して、ためらってはいけません、奔放に、誰憚ることなく、思い切って淫らになって、ご主人
と絡み合うのです。

多分、最初はご主人は途惑われると思いますが、直ぐにゆり子さんの新しい魅力に降参するはず
です。

実は、私もこのやり方で、主人を降伏させたのです。
今では、主人は新しいピアスを買ってきて、
綺麗に剃り上げたアソコに、主人が着けてくれるのです。

ああ・・、大変・・、スッカリ話し込んでしまった・・。

お互い、これから永い女の一生です・・、
頑張りましょう・・・・」

最後の言葉を背中で言って、敦子は勢い良く駆け出して行きました。その背中に、ゆり子が深々
と頭を下げていました。

後日談になりますが、それ以降、ゆり子が圧村の墓を訪れる回数は激減しました。そして、圧村
の墓標の前で行っていた自慰行為は完全に影を潜めました。

気候のよい夜半過ぎ、時々、ゆり子と中年過ぎの男が、人気(ひとけ)の絶えた土手の森の公園
で全裸で絡み合うのを見ることが出来ます。勿論、ゆり子と彼女の夫です。


[24] 新スレへ移ります  鶴岡次郎 :2012/09/17 (月) 12:05 ID:5DxLFZFU No.2306
朝森敦子はおとなしく普通の主婦に戻りそうもない雰囲気ですが、彼女のエピソードはここで一
旦終わりにします。また、目覚しい展開があれば報告したいと思います。

「一丁目一番地の管理人」のエピソードを続けるか、新たな仕立てを紹介するか考え中で、勝手
ながら少し時間を下さい。                         ジロー



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