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一丁目一番地の管理人(その30)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2012/08/10 (金) 17:59 ID:CXwBGk8c No.2280
由美子が介入した効果もあって、警察庁参事官、伍台と元妻喜美枝の仲はどうやらもとの鞘に納
まる雰囲気です。この事件に関連した真黒興産の関係者、そして、竹内寅之助、敦子の動向を
追ってみます。最期までご支援ください。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その
11)』の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきま
す。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字
余脱字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるよう
にします。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した記事を読み直していただけると幸
いです。

  ・ 文末に修正記号がなければ、無修正です。
  ・ 文末に(2)とあれば、その記事に二回手を加えたことを示します。
  ・ 1779(1)、文頭にこの記号があれば、記事番号1779に一回修正を加えたことを示します。
                                      
                                      ジロー


[5] 一丁目一番地の管理人(449)  鶴岡次郎 :2012/08/14 (火) 12:09 ID:pLjCV7T6 No.2287
ある日の昼下がり、木の葉会の事務所へ地元の繁華街を縄張りにする朝霧組の幹部が訪ねてきま
した。朝霧組といえば、竹内を襲撃し、警察に自首してきた犯人が所属していたこの地域最大の
組織です。

その日、竹内以下の組員たちは全員商売に出かけて、実質上組長業務を竹内に委託している木の
葉会の組長、河野喜十郎はのんびり一人で午睡を楽しんでいたのです。河野組長は何事かと不安
な気持ちを抱えながら、朝霧組組長代理だと名乗る40過ぎの男と向かい合いました。

「上杉と申します。本来ですと、組長の中野与三郎が来るべきところなのですが、
本日は私一存でここへ参りました・・・」

丁寧な前口上を述べて、上杉が切り出した用件とは、朝霧組の組長中野と竹内の間で、和解の手
打ちをしたいとの申し入れでした。

「もう判決が下った事件ですから、事件の隠された背景を河野組長だけには正直に申し上げます。
ただ、今から申し上げることは、私がこの部屋を出たら一切忘れてください。

よろしいでしょうか・・」

凄味を利かせた表情で上杉が言いました。河野が無言で頷きました。

「あの事件は竹内さんと私どもの配下のものが居酒屋で些細なことから諍(いさか)いを起こし
て、その恨みで私どもの若い者が竹内さんを襲ったことで処理がついていますが、実のところは、
上の組織からの命令で、我々には何の恨みも無い竹内さんを襲い、瀕死の重症を与えたのが真相
です・・・」

既に竹内からそのことを知らされている河野組長はさほど驚きません。ただ、今になって、何故、
朝霧組がこの事件を蒸し返すのか、その理由を河野は探りかねていたのです。

「何故襲われ、その背後にいるのが誰か、竹内さんにはっきり判っていたはずです。それにもか
かわらず、竹内さんは個人的な諍(いさか)いが原因で起こした単純な傷害事件だと言い張り、
朝霧組の組織ぐるみの関与を警察の前で完全否定してくれました。

そのおかげで、朝霧組は当局の追及から逃れることが出来ました。もし、竹内さんの証言がな
かったら、我々は当局から鋭い追求を受け、最悪の場合は解散に追い込まれるところでした。

朝霧組が今日存続できているのは竹内さんのおかげだと、常々、組長の中野が我々に申しており
ます・・・」

上杉と名乗った組長代理はそこで言葉を止め、河野の顔を睨みつけるように見ました。上杉の眼
力を跳ね返すようにして、河野は相手の顔を睨みつけていました。睨み会いが数秒続いたところ
で上杉は表情を緩めました。河野が真剣に話を聞いていると上杉は察知したのです。

「中野は竹内さんと義兄弟の杯を交わしたいと思っているようです。しかし、ヤクザとそうした関
係になれば返って、竹内さんのご迷惑になりますので、義兄弟の関係は気持ちの上だけに止めて、
これをご縁に親しくお付き合いしていただければと中野は申しており、私にはお二人のための宴
を準備するよう指示しております。

私には親分のひた向きな気持が判るだけに、何とか親分の希望を実現させたいと思っています。
いろいろご都合もあると思いますが、私どもの気持ちをご理解いただき、ぜひとも、義兄弟の杯
を受けていただきたいのです・・・。

これは私一存で決めたことで、親分からの指令ではありません、
お断りになっても、私としてはこれ以上の強制はしません・・・」

話の途中から、河野はくすぐったい気分になっていました。それでも、申し入れの趣旨を竹内に
伝えて、彼の希望を聞いた上で返事すると回答したのです。上杉は何度も頭を下げて、いい返事
を聞かせて欲しいと、くどくどと念を推して帰りました。


[6] 一丁目一番地の管理人(450)  鶴岡次郎 :2012/08/15 (水) 12:20 ID:phT3W/aA No.2288

「組長・・、以前お話したように、悪いのは私なのです。人様から褒めていただくことは何もし
ていません。ご存知のように、私が証言しなかったのは、朝霧組を思ってのことではありません。
一億近い借金を棒引きにしてくれるというので、それならと、話に乗っただけのことです。

朝霧組の組長と義兄弟の杯など、恐れ多いことです。断ってください・・」

夜遅く祭礼の仕事を終えて帰ってきた竹内に、朝霧組の用件を河野は伝えました。竹内の返事は
河野の予想したものでした。

「竹内さん・・、あなたの言うのはもっともなことです。
多分、私があなたの立場に立ってもそう言うと思います。
ただ・・・、朝霧組の組長と兄弟の杯を交わすなど、たとえ望んでもなかなかそうした機会が来
ないのも確かなことです。

ここで少し、ことの成り行きと、相手の立場の変化も理解した上で、朝霧組の親分と義兄弟に成
る損得をゆっくり考えてはどうでしょう・・・。参考までに私の意見を言います・・・・・」

河野が姿勢を改めて竹内に向かいました。この話を軽く聞き流す気持だった竹内がびっくりした
表情で河野を見ています。


「朝霧組の中野親分をよく知っていますが、一口に言って、昔ながらのヤクザ気質を忠実に守る
ことを信念にしている、いまどき珍しいご人です。一人の人間として、私は彼を信頼できる男だ
と思っています。

あなたが戻ってくるまで数時間、あらゆる可能性を私は考えました・・
そして、私なりに結論を出し、あなたへアドバイスすることにしたのです」

朝霧組から申し出を受けて数時間経過しているのです。その間、河野は彼なりにいろいろな面か
らこの申し出を検討し、彼なりにある結論を得ているようです。

「竹内さんには運命を変えるほどの災難でしたが、正直言って、あの傷害事件は彼らにとって、
それほどたいした出来事ではなかったと思います。多分、中野親分はほとんど事情を知らないま
ま、組の幹部がしきってことを進めたと思うのです。いつものならそれで万事上手く行くはず
だったのです」

河野がゆっくりと語り、竹内はただ黙って、ビールのコップを傾けていました。

「警察が動き出して、朝霧組は慌てたと思います。勿論中野親分も直ぐに乗り出してきたはずで
す。

彼等の狙いは借金の回収ですから、竹内さんを脅かして、隠し金を引き出すことが出来ればよ
かったのです。もし、隠し金が消えていれば、借金を返済させるため二人を人質にとって、次の
手を考えることにすればいいのです。

だから竹内さんに瀕死の重傷を負わせることなど、朝霧組にとっては何の利益もないです。それ
が、この仕事を手下に任せ切りにしたため、彼らが少々やりすぎて、竹内さんに瀕死の重傷を負
わせることになったのです。これが、彼等が犯した第一の失敗です・・」

ここまでは竹内も同じ考えのようで、黙って頷いています。〈1〉


[7] 一丁目一番地の管理人(451)  鶴岡次郎 :2012/08/16 (木) 15:42 ID:gJteBK1I No.2289
2288(1)

「朝霧組にとって竹内さん襲撃は手馴れた仕事の一つだと先ほど申し上げましたね、だから、竹
内さんの襲撃を計画した時点で、全てのシナリオが完全に出来上がっていたと思います。彼ら
にとって最悪のケース、竹内さんが警察に逃げ込んだ場合もちゃんと対策を考えていたはずです。
すなわち、当局筋へもそれなりの手配りを済ませ、警察の追及が始まる前に、朝霧組の手下が竹
内さん襲撃の全ての責任を負い警察へ出頭して、ヤミ金筋も、朝霧組も、いつものように無事逃
げ延びる筋書きが出来ていたと思います。

何事もなければ、今頃竹内さんは工事現場に貼り付けられ、敦子さんと言う女性は売春組織で働
いていると思います。勿論警察はこの事件に一切介入しなかったと思います。

彼らにとって誤算だったのはこの事件に警視庁が出張ってきたことです。これによって、事件の
展開は大きく変わりました。地元警察は組織と癒着している事実を隠蔽するため、竹内さん傷害
事件の捜査を積極的に展開し始めました。もちろん、このままもみ消すには竹内さんの被害が大
き過ぎたことも警察が動き出した要因の一つでした。

こうした背景で、警察に、竹内さんが真相を吐けば、地元警察は警視庁への手前、事件を闇から
闇に葬ることができなくなり、朝霧組を追求することになります。そうなると、世論が後押しし
て、組は解散手続きを採らないと治まらないところへ追い込まれることになります。こうなると、
朝霧組の上位組織も、ヤミ金筋も、そして日頃から何かと金銭を送り届け手縄づけている当局の
筋だって、手が出せなくなります。

このように竹内さんが考えている以上に朝霧組は追い込まれていたのです。中野親分には組の崩壊
が見えていたと思います。だから、朝霧組の組長、中野さんが言う『竹内さんに救われた・・』
は、案外彼の本音だと思います。そして、弁護士との口約束を守り続ける竹内さんの男気に、中野
親分は言葉どおり、惚れたのだと思います。

あなたは、ご自身の利益を考えて口をつぐんでいるだけで、決して朝霧組のことを考えたわけでな
いと言いました。多分、それは事実だと思います。しかし世の中には、そんな人ばかり居るわけで
はありません、口をつぐむと約束していながら、相手が警察に追われ力を失ったと見ると、追い討
ちをかけるように、あることないこと告げ口をしたり、積極的に足を引っ張る人が多いのです。そ
んな人たちをたくさん見てきた中野さんには、約束を守り切る竹内さんが新鮮に見えるのだと思い
ます」

河野の説明は見事に事件の真相を突いていました。


「私が保障しますから、彼との手打ちの宴に出席してください。

あなたが正式の義兄弟の関係を断っても、彼はこれから先、一方的に竹内さんを義兄弟として遇
してくれる筈です。あなたにとって迷惑なことが起こる可能性もありますが、今の商売をやって
いく上では、彼と義兄弟になることは、たぶんプラスな面が多いと思います・・」


河野の勧めで、それから一週間後、市内の料亭の一室で竹内と中野は古式に則って、義兄弟の杯
を交わしました。それ以来、朝霧組の組員達は竹内のことを「叔父貴」と呼び、街で出会った時
など最大限の礼を尽くすようになったのです。

このことで一番びっくりしたのが、木の葉会のメンバーです。竹内が会社社長をしていて、経営
能力があり、瀕死の重症を追いながら敦子を守りきり、肝心のことには口を閉ざした度胸の良さ
も知っているのですが、地元で最大の組織から「叔父貴」と呼ばれる竹内を見て、彼の底知れな
い可能性に気がついて、彼を無条件に尊敬するようになりました。これを契機にして、竹内の的
屋経験が浅いことを問題にする者は誰もいなくなりました。

それから半年後、竹内襲撃事件からちょうど一年経った時、竹内は木の葉会の第六代の組長を襲名
することになったのです。そして、同時に君江を入籍したのです。(1)


[8] 一丁目一番地の管理人(452)  鶴岡次郎 :2012/08/17 (金) 12:38 ID:o4UhCac2 No.2290
2289(1)
竹内の組長襲名式には全国から組長が参加しました。勿論、全国組織をまとめる天狗組、組長宇
田川も出席しました。夫人同伴で式典に出席するのが習慣ですから、由美子も宇田川組長夫人と
して最上席に座りました。

Uも由美子も竹内とは面識が有りませんが、竹内のことは勿論良く知っています。泉の森荘の住
人朝森敦子が竹内と愛人関係になり夜逃げすると決まった時、アパートの管理人夫人、美津崎愛
に頼まれて、敦子と竹内を保護するため全国の的屋組織に回状を回したことがあったのです。

竹内が襲われ瀕死の重傷を負い、結果として晴れて竹内は追われる身から開放され、敦子とも潔
く別れ、竹内は木の葉会に残り、的屋の仕事を続けることになったとの連絡をUは受けていたの
です。それが、木の葉会に残った竹内が、見る見る内に頭角を現し、一年後には組長に推され
るまでになったのです。Uは正直びっくりしました。そして、Uなりに彼を調査したのです。

調べてみて、竹内が短期間に木の葉会の財務内容を大幅に改善したことが判明しました。そして、
組員の面倒も良く見て、組内外の評判もすばらしいのです。朝霧組の中野と義兄弟の杯を交わし
たことも、的屋に専念すると決めた竹内にはプラス材料でした。

知れば知るほど、竹内は組長としてすばらしい能力を秘めた人物であることが判りました。竹内
がその気になれば全国組織の長であるUの地位さえ無理とは思えないほどの器量と能力を持った
人物だとUは判断したのです。Uは竹内と会うのを楽しみにやってきたのです。

そして、由美子を同伴すると決めた時点で、恒例どおりの淫らな行事が待ち受けていることを承
知していました。由美子もまたその淫らな行事にことの他期待を寄せていたのです。
写真で見る限り、50男で禿で、どうひいき目に見てもいい男といえない竹内が、女盛りの敦子
を惹きつけて、苦しい逃避行にひきづり込むほど女を惑わせたのです。由美子は竹内の男に、並
々でない期待と憧憬を持ち、九州に行くと告げられた時から身体を熱くしていたのです。


Uや、全国の組長の見守る中で、竹内の襲名式典は古式に則り粛々と行われました。式が終了し
たその夜、ここは市内のあるホテルです。Uと由美子のために最高のスイートルームが準備され、
その部屋に竹内と妻君江がやってきました。紋付はかまに留袖の和装礼服を着けたままです。U
夫妻はくつろいだガウン姿です。

「本日はお忙しいところ、遠路にもかかわらず、良くおいでいただきました。
田舎都市のことですから、これと言って特別のおもてなしはできませんが、
ゆっくりおくつろぎください・・」

直立不動で型どおりの挨拶を済ませた竹内が深々と頭を下げています。

「ご存知のように、年は食っていますが、この世界のことは何も心得ない駆け出しの身ですので、
いろいろ失礼なことを申し上げたり、考えの足りない行動をすることがあるかと思いますが、で
きますればその都度ご指導いただければ、この上の喜びはありません・・」

さすがに世慣れた竹内もUと由美子の前では緊張している様子です。Uの身体から発散される得
体の知れない覇気に圧されているのかもしれません。

「つきましては、一夜の慰めに私の妻、君江をこの部屋に残してまいります。
君江も親分のお相手ができることを楽しみにして喜んでおります。
明朝まで存分にお楽しみいただければ幸いです・・」

緊張して妙な言葉使いになっていますが、要するに慣例に従い、妻を夜伽に差し出すと竹内は
言っているのです。先代組長の河野からそうするよう指示されていたのです。

竹内は酷く緊張して直立不動で話していますが、他の三人はリラックスして楽しそうに笑みさえ
浮かべています。君江などすかさずUの側に歩み寄って彼の腕に手を絡めているのです。

由美子は由美子で、淫らな笑みを浮かべて、竹内の全身を嘗め回すように見ています。多分、由
美子には竹内の男根の状態まで読み取れているはずです。男達はともかく、女二人は今夜抱かれ
る男の身体を値踏みし、男達の体臭を嗅ぎ取り、もう・・、しっとりと濡らしているのです。


[9] 一丁目一番地の管理人(453)  鶴岡次郎 :2012/08/19 (日) 13:56 ID:b0F37BjU No.2291
「何から何まで、ご配慮の行き届いたことで恐縮いたします。
せっかくのお気持ですので、奥様の件は有難く承ります。

実のところ、奥様には本日会場で初めてお会いしたのですが、
あまりの妖艶さに、不覚にも我を忘れて、呆然と見つめていました。
ここにいる由美子を不機嫌にさせるほど、見惚れていたようです。
この時が来るのを楽しみにしておりました・・」

これまた恒例どおり、Uは快く竹内の申し出を受け入れました。そして約束通り夫人を誉めそや
し、彼女を抱くのを楽しみにしていたことを伝えています。その言葉に調子を合わせて由美子が
Uを突付いています。
このやり取りは彼等の世界では約束事なのですが、シャープな美人である君江が相手だと、Uの
言葉が本音に聞こえます。

夜伽に妻を差し出す、そんな女性蔑視の習慣を二人の男が話し合っているのですが、二人の女は
艶やかな笑みを浮かべ、男達のやり取りを面白そうに見ています。女の事前了解なしで妻を差し
出す男はいなくて、事前に相手の男を十分に見せ 女の同意を得ているのです。したがって、女
達がこの場にいると言うことは、相手の男に抱かれてもいいという彼女達の暗黙の了解が既に成
立していることを意味しているのです。多分、女達は女達で、目の前に居る男をあれこれと値踏
みしているのかもしれません。

「その返礼になるかどうか疑わしいと思いますが、
ここにおります妻、由美子を一夜のお供にしていただければ幸いです・・・
いかがでしょうか・・・」

返礼として、Uが由美子を竹内に差し出す申し入れをしました。この時を待っていた由美子が、
艶然と微笑み、竹内に歩み寄ろうと一歩踏み出しました。竹内は大げさに首を振っています、そ
して一歩退き、両手を前に突き出し、拒否の姿勢をあらわにして、口を開きました。

「大親分の奥様を抱くなど、私には早すぎます・・。
いえ・・・、決して奥様に不満があるわけではありません。
それどころか、一目奥様を拝見した時から、
出来ることならいただきたい思っておりました。

しかし、今回は辞退すると決めています。
私に奥様を抱く資格ができた時、有難くいただきます。
では・・、これで、私は自分の部屋へ戻ります・・・」 

そう言い切って、竹内は君江を残して部屋を後ろも見ないで出て行ったのです。部屋には君江
とU、そして由美子が残されていました。

「なんだろう・・、あの人・・・、
お客様に女を楽しんでくださいと言ったって・・、
女一人、ご夫妻の部屋に残されても・・、
どうしょうもありませんよネ・・・。

スミマセンネ・・、あの人、この稼業の経験が浅いもんだから・・」

豪華な留袖姿の君江が恐縮して、苦笑交じりでUと由美子に頭を下げています。

「そうネ・・・、
このままではどうしょうもないわネ・・・」

由美子も君江と同感らしく苦笑の表情を浮かべています。スワッピングをする以上、片方だけが
その気になってもことが進まないです。今夜のスワッピングはこれで終わりになったと二人の女
は感じ取っていたのです。多少、ガッカリしている二人です。

「それとも、Uさん、私達二人をまとめて、ここで抱く・・・?
フフ・・・、そんなに驚かなくてもいいのよ・・、
でも、まんざらでもない顔をしているわよ・・・、スケベ・・・」

由美子が冗談を言って、君江が笑っています。Uは生真面目な表情を維持しています。こうした
戯言に下手に付き合うと後で酷い目に会うことをUは経験上よく知っているのです。


由美子の冗談で白けかけた雰囲気が和んでいます。すかさず、君江が二人をソファーに案内し、
そこでウイスキーの水割りを二人にすすめました。

「由美子さん・・、お気を悪くしないで・・・、
彼も言っていたように、由美子さんが嫌で交換を嫌ったのではありません。
それどころか・・、竹内は由美子さんの評判を先代から聞いて、
今日、由美子さんを抱けるのをとっても楽しみにしていたのよ・・」

君江がその場をとりなし、由美子が笑みを浮かべて頷いています。女同士だからこそ、こんな時、
一番傷付くのが女であることが良く判っているのです。

「先代と私とは勿論、深い仲で、ほとんど彼の情婦と言ってもいい関係でした、
勿論このことは組の者は全部知っていました。竹内は全部承知の上で、私を入籍したのです。

その先代が私に言っていました。由美子さんは生涯で出会った最高の女の一人だって、これから
先あれほどの女に会えないとも言っていました。
私を抱いた後、裸の私が腕の中にいるのに、そんなことを言うのよ・・・・、
ひどいでしょう・・・、うふふ・・・・・。

初めて由美子さんを抱いたのが8年前で、それ以来欠かさず年二回由美子さんを抱いていると
言っていました。最近では私を抱くことも少なくなり、年二回由美子さんを抱くのが生甲斐に
なっていたようです。
組長を引退するのは寂しいが、由美子さんを抱けなくなるのはもっと寂しいとも言っていまし
た・・。

ですから・・、竹内も由美子姐さんには強い関心を寄せていました。
それだのに、何故今日断ったのか・・、私には男の気持が良く判りません・・」

Uの表情を見ながら君江が話しています。Uは無表情を維持しています。〈1〉


[10] 一丁目一番地の管理人(454)  鶴岡次郎 :2012/08/20 (月) 14:20 ID:Yd.J5sZk No.2292
2291(1)

君江が解説したように、地方の組長たちはUとの情報交換が目的で定期的に上京してくるのです
が、その時、組長達は必ず由美子を抱きたいとUに頼み込むのです。

「・・由美子が了承するのなら・・」と、Uは答えるのですが、由美子はほとんどその申し入れ
を断らないのです。全国30ほどある地方組織の組長たちは上京するたびこうして由美子を抱く
のです。勿論、この効果は抜群で、全国組長のUへの忠誠心の数パーセントは由美子効果と呼べ
る部分が存在すると思います。


二人の女それからしばらくあちらこちら話題を飛ばしながら話しあっていました。さすがに女性
は座持ちの天才です、竹内が部屋を出て行って白けかけた雰囲気が女二人のおかげでスッカリ吹
き飛ばされています。

「ご主人の気持は私にはよく判ります・・」

それまで黙って二人の女の会話を聞いていたUがポツリと呟きました。二人の女がビックリして
Uを見つめています。

「竹内さんは・・・、
私と妻に最大限の礼を捧げてくれたのです・・」

二人の女が不審そうな表情でUを見つめています。由美子を抱くことを拒否した竹内の気持がU
は判ると言っているのです。

「奥様が言われるように、竹内さんは由美子に関心を寄せていると思います。
しかし、今日、由美子を抱くほど、竹内さんは組長として実績を積んでいないと自己評価してい
るのです。晴れておお威張りで由美子を抱けるまで、我慢しようと思ったのです。それが男の見
栄なのです・・。
多分、私が竹内さんの立場に立っても同じことをすると思います・・・」

「判るけど・・、取り残された女の気持ちも考えて欲しい・・
男って、厄介な動物ネ・・・そうでしょう、姐さん・・・」

君江がそう言い、由美子が笑っています。勿論、由美子は竹内の気持ちは最初から良く判ってい
るのです。由美子の隠された才能、勃起した男根の状態を離れたところからでも感じ取れる由美
子の才能が竹内の心を読み取っていたのです。

部屋で由美子を抱くのを拒否した時、明らかに竹内の男根は最大限に勃起して、オスの香りを由
美子の鼻腔に届けていたのです。理由は判らないけれど、決して由美子を嫌っているわけでない
のに、由美子を抱きたい、その強い欲望を押さえ込んで、部屋から出て行った竹内を由美子は可
愛いとさえ思っていたのです。

Uから竹内の気持ちを聞かされて、由美子は突然立ち上がり、君江に右手を差し出しました。

「君江さん、お部屋のカギをちょうだい・・・、
私が竹内さんの部屋へ押しかけます・・・」

由美子の言葉に反射的に君江が部屋のカギを差し出しています。

「それでは、一晩、ご主人をお借りします・・。
Uさんをよろしくお願いします・・・。

Uさん・・、あまり羽目を外さないようにネ・・、
・・と言っても無理か・・、
君江さんが相手では羽目を外すなという方が無理ね・・・、
とにかく、私を抱く力も残しておくのよ、フフ・・・・・」

二人の返事を確かめないで、ガウン姿の由美子は器用に身をひねって、部屋を出て行きました。
真っ白な脛が、ガウンの裾から見えていました。Uは由美子が残した濃厚な女の香を嗅ぎつけて
いました。この香りの強さではそこは十分に濡れていてて、即戦闘に入れる状態だと判断してい
ました。

〈竹内さん大丈夫かな・・・、
緊張の一日で相当疲れているだろうに・・・、
そこへ由美子が行けば、無理やり立たされ、最期の一滴まで搾り取られるはず・・・、
マア・・、健闘を祈るしかないか・・・、
こちらも、他人のことを考えるほど、余裕がないことだし・・・〉

最強の女が襲ってくることに気付かないで、のんびり一人で部屋に居る竹内のことを思い、Uは
なんとなく竹内に同情していました。そして、部屋の隅で帯を解いている君江を見て、U自身も
のんびりしてはいられないことに気が付いたのです。

Uの視線を十分意識しながら、薄紫の長襦袢姿になり君江は着物を衣紋掛けに掛け終わり、ち
らっとUを見て、ゆっくりと腰紐を緩めました。腰紐が取れて、長襦袢の前がゆるみ、緋色の
腰巻が顔を出しています。君江はためらうことなく、腰巻の紐を緩めました。淡い衣擦れの音が
して、秘色の腰巻が女の足元に、するすると落ちました。

長襦袢の前がゆるみ、比較的大きな乳房が顔を出し、白い両脚の間に、暗い茂みが見え隠れして
います。男の視線がその光景を楽しむ時間を十分与えて、女はゆっくり腰を折り、床から腰紐を
拾い上げ、長襦袢の腰をゆったりと締めました。
これで、君江は戦闘体制を完全に調え終わりました。そして、Uを真っ直ぐに見て、ニッコリと
微笑んでいるのです。(1)


[11] 一丁目一番地の管理人(455)  鶴岡次郎 :2012/08/20 (月) 15:39 ID:Yd.J5sZk No.2293
2291(1)
2292(1)

素足でガウン姿のまま、由美子はホテルの廊下を駆け抜けました。大腿部まで脚をあらわに出し
て、由美子は駈けています。幸い竹内の部屋は同じフロアーにありました。ノックをしないで、
合鍵を使って部屋に入り込みました。居間と寝室、二間続きの部屋の中に人の気配はありません。
かすかな湯の音が聞こえます。竹内は入浴中でした。にんまりと微笑んだ由美子はその場でガウン
を脱ぎ捨てました、下は全裸でした。

浴室の前に立つと、洗い場に動く人の影がありました。のんびり鼻歌を歌っています。由美子は
ソーッとドアをあけ、そのまま浴室へ入りました。

「失礼します・・・・ウ・・・」

洗い場でタオルを使っていた竹内は、気配を感じて振向き、そこに立つ裸の女を見て、椅子から
転げ落ちました。

「ゴメンナサイ・・・、びっくりさせたようですね・・・、
お背中を流させてください・・・」

竹内の慌てようを見て、全裸の由美子が口を押さえて、笑を堪えています。

タイルの床に尻餅をつき、あんぐりと口をあけて、竹内は由美子を見つめていました。事の成り
行きが竹内にはまだ理解できないようです。由美子は両脚を少し開いて、その部分を男が見やす
いようにしています。混乱した頭で、それでも、男はしっかり女の秘部を見ていました。

少な目の陰毛、三センチ以上は盛り上った存在感ある褐色の土手、その割れ目から、親指大のク
リが既に顔を出し、その周りはそれとわかるほど濡れているのです。少しゆるんだ割れ目からじ
わじわと透明な液が滲み出て、周りに強力な香りを発散していました。もう・・、由美子は十分
欲情しているのです。

竹内の本能は由美子の香りを感じ取っていました。由美子が発情した時には発する男の官能に直
接アクセスするがあの香りが竹内を直撃しているのです。女の裸体を見て、女の強い香りに包ま
れ、竹内の本能は急激に立ち直っていました。見る見る内に股間が盛り上っているのです。

竹内の体に抱きつくようにして由美子は竹内からタオルを奪い取り、彼の背中をこすり始めまし
た。観念した竹内はおとなしく背中を見せています。股間の高ぶりを由美子から隠すように両手
でそこを覆っているのです。

「凄い傷・・・、
痛かったでしょう・・・」

一年前の襲撃で受けたナイフの傷跡が三ヶ所、生々しく背中に残っていました。致命傷にはなら
なかったのですが、派手に出血した痕です。

「よく我慢したわネ・・・」

そう言いながら、由美子はその傷跡に直接唇を付け、舌で優しく舐めています。背中から、お腹
へ、傷は全身に5ヶ所ほど散らばっていました。雄々しく傷跡が盛り上った竹内の身体は、Uの
背中に彫られた竜にも匹敵するほどの迫力を見せています。

「こんなところも刺されたの・・・・、
痛かったでしょう・・・
かわいそう・・、うう・・・・」

わき腹の下方、脚の付け根の部分にも大きな傷跡がありました。直ぐ側に勃起した男根が居座って
います。由美子は傷を舐めながら、右指を竹内の男根に絡めています。そして、次の瞬間、それを
パックリとくわえ込みました。

全裸の女が両脚を一杯開いて男根を咥えているのです。竹内の視線の先に由美子の女陰がはっきり
見えました。そこは少し開き、サーモンピンクの内襞を見せているのです。

「姐さん・・・」

「ウウ・・・、由美子と呼んで・・・」

「由美子さん・・・」

竹内が由美子を膝の上に抱き上げました。そして、二人の唇が重なり合いました。激しい吸引音
が室内に響いています。やがて、男根が女陰を求めて突き進み、そのまま、一気に濡れそぼった
女陰の中へ埋没しました。女の悲鳴がバスルームにこだましていました。


[12] 一丁目一番地の管理人(456)  鶴岡次郎 :2012/08/24 (金) 10:53 ID:u5OgEoo. No.2294
バスルームで戯れあった二人は、しばらくしてベッドへ戻りました。性豪を自認する二人は浴室
での一回戦を終えて、ある程度まで相手の力量を掴んでいました。

竹内は先代組長、河野喜十郎からU夫妻、特に由美子の魅力についてかなり詳しく教えられてい
たのです。いま、由美子を抱いて河野から教えられた由美子の力が決して誇張でなかったことを
はっきりと認識していました。もし、河野から予備知識を得ていなければ、欲室の戦いで討ち死
にしていたと竹内は首をすくめる思いになっていたのです。

「竹内さん・・、ご存知かと思うのですが、我々の陰のしきたりを少し話しておきます。
組長が他の組を訪問すると、お客を受けた組長は最大限の歓迎をします。
最上級の女を供与するのもその内の一つです・・。

組長たちは商売女には日頃から慣れていますから、通常は素人女を準備するのですが、場合に
よっては妻を供与することも珍しくありません。それが一番喜ばれ、簡単ですからネ・・・。
勿論、妻が事前了解することが条件ですが、彼女達もその習慣は十分心得ていて、めったなこと
では断りません。それで、組長たちはいい女を妻や、時には愛人にして備えているのです。

今回襲名行事では総組長も出席される予定ですから、君江を宇田川組長に差し出すつもりでいて
ください。多分、君江はUさんとは初めてだと思いますが、拒否はしないと思います。

返礼の意味を込めて、Uさんも由美子姐さんを竹内さんに差し出すと思います。勿論、竹内さん
は姐さんと初めて会うことになりますが、一度は抱いておく価値がある女性です。全組長の憧れ
のマドンナです・・・。

そんなわけですから、こころよくUさんの申し出を受け入れてください・・」

「由美子姐さんはそんなにすばらしい女性ですか・・・」

「・・それはいい女だよ・・・、由美子姐さんは女神だよ・・・。

俺は年二回、盆と暮れに宇田川総親分にご挨拶のため上京するが、その目的の大部分は由美子姐
さんに会うためだった・・・。正直言って、竹内さんに組を譲って、寂しいことは寂しいが、そ
れ以上に、姐さんに会えなくなるのが一番辛い・・」

遠くを見るような瞳で、由美子を誉めそやし、河野は大きくと息を吐き出しました。竹内には河
野が急に年をとったように見えました。

「俺のように70を過ぎて、ことの役に立たないフニャチンを優しく口に含んでくれるんだよ。
長旅で、疲れて、シャワーも使えないでいる俺の臭いチンポを嬉々として咥えてくれるんだ・・。

また、あの香りがいいんだ・・。
側によると、頭の芯がジーンと痺れるようなメスの香りがするんだ。
それだけで、やる気になるから不思議だ・・。

中に入れると、まさにこれが名器だと教えられる。土手が異常に高いだろう、それだからフニャチ
ンでも難なく、深々とくわえ込めるんだ、一旦咥えられると、三段締めどころか、アレはまさに蛸
壺だよ、壷の中に居る大きな蛸がチ○ポに絡みついている感じなんだ・・。

先端を優しく舐められ、軸を強く締め付けられ、愛液が滝のように噴出して、チ○ポを包んでく
れるんだ。そのうえ、軟らかい腕で俺を抱きしめ、顔中をぺろぺろ舐めてくれて、俺の舌を吸い
込んでくれるのだ。

どんな男でも由美子姐さんの手に掛かると3分持たないといわれているが、あれは本当だね・・、
ジーンと痺れて、腰が抜けたようになって、一気に吐き出してしまうのだよ・・。気が遠くなる
ことだってある、俺はあの人に会って、初めてセックスで失神する気分を味わうことが出来た」

その時を思い出しているのでしょう、恍惚とした表情で河野は語っています。

「姐さんのアソコも身体も超一級品だが、彼女の一番いいところは、やはり彼女の心だと思う。

何時会っても、10年来の恋人に接するようにしてくれるのだ。俺のような男でも、ひょっとし
て彼女に好かれているのだと勘違いしてしまうほど、彼女は男への気持を素直に表に出してくれ
るのだ。それが決して無理に作り出した演技でないのが男にはうれしいのだよ、どんな男でも本
気で好きになれるのは由美子姐さんの天性だね、あれは普通の女には決して真似の出来ないこと
だよ。

床入りすると姐さん男好きが本領を発揮するんだ、男が好きで好きでたまらない様子でチ○ポを
しゃぶってくれるし、どんな粗チンでも姐さんの名器は一人前に扱ってくれるのだよ、そうなる
と、『俺のチ○ポはこんなに強かったのか・・』と、当の本人が感嘆するほど、過去に一度も経
験したことがないほど、チ○ポは最大限に勃起するんだ。こうなるとどんな男だって、たまらな
いよ、突いて突いて突きまくることになる、息の続く限り腰を使うことになるのだ。

当然、由美子姐さんは悶えはじめ、狂いだす。これがまた凄いの一言だよ。全身が脂汗でテラテ
ラと光り、白い眼を剥いて、獣のような唸り声を上げて、身体を弓のように反らせるのだ、男の
体に掛けられた手足が興奮で激しく痙攣を起こすのだよ。あんなに悶える女体を見たのは由美子
姐さんが最初で最期だった。姐さんの悶える姿を見て、その狂乱の叫びを聞いて、男は征服感で
一杯になり、一気に頂点まで駆け上がることになる・・。

とにかく・・・、由美子姐さんは男にとって最高の女だよ・・」

木の葉会の先代組長、河野喜十郎がこのように竹内に伝えていたのです。(1)


[13] 一丁目一番地の管理人(457)  鶴岡次郎 :2012/08/25 (土) 12:03 ID:0Cob1Lmc No.2295
2294(1)

女盛りの敦子を虜にした竹内のテクと男根に由美子は密かに期待をしていました。浴室に立ちこ
める男の強い匂いを嗅ぎ、男の手で優しく触れられ、唇を吸われると、いつものように由美子は
悶え始め、女の部分はうごめき始め、愛液をふんだんに吐き出していたのです。

竹内が入って来た時、由美子は一瞬物足りなさを感じていました。竹内の男根はたくましさ、サ
イズ、全ての点でUの敵ではないのです。それどころか普通の男と比べてもどちらかというと、
コンパクトタイプなのです。

その弱弱しい感触から、由美子は竹内の年齢を悟っていました。生きていれば由美子の父親に近
い年齢なのです。母性本能に近い感情で竹内を優しく抱きしめ、大きく両脚を開き、手を添えて
男根を受け入れました。男根が膣に納まれば、もうどんな男根でも由美子の思いのままです。い
つものように由美子はゆっくりと膣筋を働かせ始めました。

由美子のセックスフレンドには若い男もいますが、定期的に接する地方の組長たちは概ね50歳
代以上、中には80歳代の男さえいるのです。彼らは概ね口ほどでなく、30分も由美子と接す
るとギブアップしてしまうのです。

竹内もそうした高齢の組長と同じだろうと由美子は考えました。優しい気持ちになってゆっくり
彼の男根を膣筋で揉み解し始めました。それは次第に固さを増し、一分後には最大限に勃起して
いたのです。普通、こうなると老齢の男は3分そこそこで爆発するのです。竹内もそうなると由
美子は考えていました。しかし、そこから竹内は堪えに堪え、何と20分以上腰を使い続けたの
です。

挿入から10分過ぎた時点で、由美子は尋常でない竹内の持続力に気づいていました。竹内と同
じ様に20分以上持続できる男を由美子は知っていますが、そんな男達は爆発を恐れて自分では
動かなくなるのです。じっと堪えて由美子の膣攻撃を受けて立っているのです。

竹内は違いました。堪えていながら、竹内は自ら動き出して由美子を攻めているのです。由美子
は慌てました。耐え難い快感がそこから湧きあがってきたのです。絶叫して逝ったのは由美子の
方が先でした。

どうやら女盛りの敦子と暮らした一年近い中で、竹内は年齢なりの攻め方を工夫して、それを完
全にマスターしたようです。
50代の竹内が30代の男に体力と男根のサイズで勝負しても勝ち目がないことは明らかなので
す。竹内は80%の勃起を維持して、二時間以上攻め続ける技を工夫して、それを完全に彼のも
のにしていたのです。これは当りました。その気になればいくらでも若い男を得ることが出来る
的屋の世界で、敦子は本気で竹内を愛し、彼の身体に溺れたのです。


ベッドに戻ってから二時間近く、竹内の男根は勃起を維持しているのです。最初の内こそ余裕の
あった由美子も徐々に持ち上げられ、二時間も貫かれた状態を続けられると、何度も、何度も頂
点に持ち上がられ、身体中の水分を全部吐き出し、声が枯れ、悲鳴さえ上げられなくなって、快
感に酔い痴れ、空ろになった頭脳では正常な判断ができなくなっていました。

「ああ・・・、イイ・・・・・、
蕩けてしまう・・・ウ・・・

敦子さんが夢中になるはずネ・・・」

普段の由美子なら情事の最中にこんな無粋な話題は決して出さないのですが、二時間以上竹内の
男根に攻め続けられて、由美子は常軌から完全に離脱しているのです。うっかり敦子の名前を出
してしまったのです。(1)


[14] 一丁目一番地の管理人(458)  鶴岡次郎 :2012/08/27 (月) 13:19 ID:44Ry/how No.2296
2295(1)

「敦子・・・?
由美子さん、敦子を知っているのですか・・?」

「・・・・・・・」

腰を止め、竹内が問い質しています。男根を膣に受け入れたまま、由美子は下から竹内をそっと
見ました。優しい笑みを浮かべて竹内が由美子を見下ろしているのです。

朦朧とした頭で由美子はまずいことを言ってしまったと後悔していました。竹内と敦子を助ける
ためにUが動いたことは知らせる必要がないと口止めされていたことをここに来て改めて思い出
しているのです。

「由美子さん・・、
何かご存知なら教えてください・・・」

そう言いながら、竹内は腰を使い始めました。由美子の身体が再び悶え始めています。

「由美子さん・・、
誰にもあなたから聞いたと言いませんから・・、
ここだけの話として、教えください・・・」

通常なら聞き流してもいい内容なのですが、どうやら、引っかかることがあるようで、竹内はこ
の質問にこだわっています。由美子が口を割らないと見るや、竹内の腰の動きが更に激しくなり
ました。もう・・、由美子には竹内の声は聞こえていない様子です。

突然、腰の動きを止め、竹内が肉棒を引き抜きました。ビンの栓が抜ける音がして、由美子の股
間からおびただしい愛液が流れ出しています。

「嫌・・、イヤ・・・、抜かないで・・・ェ・・・
入れて・・、もっと・・・」

頂点に駆け上がる寸前で梯子を外され、由美子が絶叫しています。

「ですから・・、由美子さん・・・、
教えてください・・・」

竹内が由美子に囁いています。竹内の肉棒を握り締め、強引に股間に導こうとしている由美子が
恨めしそうな表情で竹内を見つめています。

「卑怯なんだから・・、
こんなことすれば、女は誰だって落ちるわよ・・
いいわ、言うから・・、入れて・・・ェ・・・」

竹内が頷き、男根をゆっくり挿入しています。顔を歪めて由美子が喜悦の悲鳴をあげています。

「ああ・・・、いい・・・
もっと、モット・・、強く・・・・ゥ・・・

私の友人が朝森敦子さんの親しい知り合いなのです・・・、ああ・・
その友人が敦子さんをわが子のように可愛がっているのです。
竹内さんと敦子さんの関係をとっても彼女は心配しています・・。

ああ・・、良い・・、痺れる・・・・ウ・・・・・、
それで・・、敦子さんとはもう・・、しないと・・・
ああ・・そうではないね・・、ゴメンナサイ・・・・」

由美子はしどろもどろなっています。

「由美子さん・・・、それ以上言わなくてもいいですよ、
由美子さんの言いたいことは良く判りました・・・。
敦子にもう手を出すなと、言うことでしょう・・・」

微笑を浮かべた竹内が冷静に答えながら、ここで強く腰を突き出しました。男根が深々と女陰に
もぐりこんでいます。

「ギャ・・・、ダメ・・・・・・。
なんて人なの・・・、未だそんなに出来るの・・・・?
ああ・・・・、死ぬ、死ぬ・・、シヌ・・・ウ・・・・・」

激しいラッパ音が響き、由美子が身体を仰け反らせて、悲鳴を上げています。

「そう、そう・・、
それが言いたかったことなの・・・、
敦子さんにはもう・・、手を出さないで欲しいの・・・
ああ・・・・、もう・・・、ダメ・・・・・」

「ご安心ください・・。
敦子とは完全に手を切りました。
これから先、敦子には絶対手を出しません。
町で偶然出会っても知らないふりをします。
勿論、万が一敦子から声を掛けてきても無視します。
私の男に掛けて、これは約束します・・・・」

ここが大事なフレーズだと思ったのでしょう、腰を止め、男根を女陰に埋めたまま、竹内は由美
子を見下ろしながら、ゆっくりと語りかけました。

朦朧とした視線を竹内に送っていた由美子が頷きながら微笑んでいます。竹内の男根に攻められ、
うっかり敦子の名前を出す失敗を犯したのですが、結果として、一番気にしていたことが確かめ
られて、由美子はほっとしてしていました。Uとの約束である肝心のことは言っていないと、由
美子はそのことでもほっとしていたのです。



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