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一丁目一番地の管理人(その30)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2012/08/10 (金) 17:59 ID:CXwBGk8c No.2280
由美子が介入した効果もあって、警察庁参事官、伍台と元妻喜美枝の仲はどうやらもとの鞘に納
まる雰囲気です。この事件に関連した真黒興産の関係者、そして、竹内寅之助、敦子の動向を
追ってみます。最期までご支援ください。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その
11)』の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきま
す。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字
余脱字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるよう
にします。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した記事を読み直していただけると幸
いです。

  ・ 文末に修正記号がなければ、無修正です。
  ・ 文末に(2)とあれば、その記事に二回手を加えたことを示します。
  ・ 1779(1)、文頭にこの記号があれば、記事番号1779に一回修正を加えたことを示します。
                                      
                                      ジロー


[2] 一丁目一番地の管理人(446)  鶴岡次郎 :2012/08/10 (金) 18:35 ID:CXwBGk8c No.2281

二人の女(2)

土手の森組員殺人事件の犯人が逮捕されたニュースは、その一時間後には、真黒興産の井上社長
に届いていました。直ぐに、緊急秘密会議が招集されました。出席者は井上社長、秘書室長、横
山和夫 そして謎の男、秘書室勤務の木島信夫です。この秘密会議の正式メンバーであるレスト
ラン「蘭」の雇われマダムである工藤桜子の姿が見えません。

「意外な犯人だったネ・・・、
てっきり竹内の犯行と思っていたが・・・」

井上が切り出しました。

「ハイ・・、
桜子マダムと圧村が竹内を脅し、金を受け取っていたことに気がつきませんでした。
もっと早く私がこのことに気付いていれば、こんな大騒ぎにならなかったのです。
申し訳なく思っています・・・」

横山秘書室長が井上に深々と頭を下げています。井上はただ頷いています。

「竹内と敦子は一緒に逃げているのだね・・、
こちらの準備が完了するまで、彼らを匿(かくま)うと言っていたが、
その作戦は上手く行っているのか・・」

井上が木島に向かって質問しています。

「ご存知のように、偶然敦子が死体の第一発見者となって、警察が彼女に接触してきました。捜
査本部は彼女に何の疑いもかけませんでしたが、伍台参事官が乗り出してきて、彼女と竹内が愛
人関係にあることを知り、彼女が組織の一員である可能性を感じ取った様子でした。このあたり
はさすがに伍台だと思いました」

木島が低い声で、誰の顔も見ないで話しています。彼を使いこなしている井上でさえ、木島が何
を考えているか判らないことが多いのです。

「社長からご指示を受けて、竹内の会社を倒産させ、夜逃げに追い込みました。
敦子には50万円を与えて、無条件で組織から抜けることを条件にして口封じしました。
私の計画ではこの時点で敦子は竹内と切れると読んでいたのですが、案外根性の座った女で、亭
主を捨てて、落ち目の竹内についてゆく決心をしたのです」

木島は淡々と話しています。

「竹内と敦子は逃亡生活を経験して、闇の組織の恐さが身に染みて判ったはずです。これから先、
更に手を打って口止めしなくても、彼らが積極的に警察に協力することはないと確信しています。

不安の種を完全に消す手も考えられるのですが、彼らには伍台の目が張り付いていると思います。
ここはむしろ危険を犯すより、このまま泳がせておき、彼らが何もしゃべらなかったら、私達が
何もしないことを、彼らに思い込ませる作戦に切り替えるのが得策だと思っています・・・」

「・・・・・・・・」

木島が説明し、井上がただ、木島を睨んでいます。木島の方針を了解しているわけではないので
すが、かといって、井上にも良いアイデアが無いのです。

「他の女や、彼女達のお客に関してですが、あの事件発生直後、一週間ほどかけて、私と桜子さ
んが手分けして、女達とお客に直に会い、こちらに協力せざるを得ないように、脅しをかけ、縛
り付けました。

この時点で、たとえ、竹内と敦子が何かを洩らしても、他の女達の筋からは、何も情報が流れな
い手は打てたと確信しました。その後、警察関係の筋をつついて情報を集めて確認したところ、
女達の存在は一切当局には知られていません。勿論、伍台も何も掴んでいない様子です」

木島の説明は続きます。抱えている売春婦と、そのお客はそれぞれ、30名近くいるのです。彼
らから、組織の秘密が洩れる心配もあったわけですが、これについては、完璧な対策を完了した
と木島が報告し、井上が大きく頷いています。

「それと、更に念のため・・、
女を使った情報収集活動は、一年ほど止めるつもりです・・。
情報の収集は別の方法で何とかカバーするつもりです・・・」

息のかかった売春婦を企業の重役に派遣し、産業スパイをする活動をしばらく自粛すると木島は
言っているのです。その言葉に井上はようやく満足した様子で、コックリ頷いています。

「判った・・、竹内と敦子のことは忘れよう・・・
たとえ、竹内と敦子から何かが漏れ出しても、
何も心配ないのだね・・、よくやってくれた・・。

ところで、桜子はどうすることにしたのだ・・・」

「香港へ送り出しました・・。
二年ほど、あちらの店を任せることで話は付いています。
もちろん、『蘭』は閉じました・・・」

井上が頷いています。

「今回も、何とか、伍台の手をかいくぐることが出来た・・。
しかし、奴のことだ、絶対あきらめていないはずだ・・」

井上は宙に挑戦的な視線を向けていました。その視線の先に、端正な伍台の引きしまった顔が井
上には見えていたのです。


[3] 一丁目一番地の管理人(447)  鶴岡次郎 :2012/08/11 (土) 15:48 ID:VfNB8sK2 No.2282
ここは九州の大都市にある浦野君江のアパートです。君江は二十代の時、市内全域に縄張りを持
つ的屋組合『木の葉会』の先代組長に拾われ、最初は一般組員同様屋台の商売に出ていたのです
が、彼女の才能を認めた先代組長の意向で、組の経理、購買を一手に任されるようになりました。
現組長の河野喜十郎の代になっても、君江は大切にされ、組の経理・購買を担当を続け、組長の
右腕として、隠然とした力を持つようになり、組にはなくてはならない存在になっているのです。

彼女の部屋は繁華街に近い所に立っている8階建の古いビルの4階にある2DKの住まいです。
この住まいは組員の夫が残した唯一の財産で、夫の死後、君江はここで20年ほど女一人で暮ら
してきたのです。

12畳ほどの居間に置かれた布張りのソファーに腰を下ろし、中年の男がコーヒーを飲みながら
新聞を読んでいます。君江は居間続きのキッチンで朝食の準備をしています。何処から見ても、
中年夫妻ののんびりとした朝の光景です。

病室で敦子と別れた竹内は、退院後誘われるまま、君江のアパートに潜り込み、そのまま同居を
続けて、もう半年近く経っているのです。


敦子と別れたその直後から君江と暮らすようになったわけですから、一般社会の常識では、この
関係はとうてい受け入れられないのですが、的屋仲間内では男女が本能的に結びつくことに理解
があり、更に組内で力を持っている君江が決めたことですから、誰も竹内と君江の関係を表立って
非難しませんでした。

現組長の河野喜十郎は70歳を越えていて、かねてから後継者に跡目を譲りたいと予ねて考えて
るのですが、なかなかこれと思う人物がいなくて困り果てているのです。『君江が男なら、文句
ないのだが・・・』、彼の意中の人は君江なのですが、彼が言うとおり、女組長実現には越える
べきハードルが多くて、河野としても次の足を踏み出せないでいるのです。


君江と一緒に暮らすようになった竹内は、彼女の手助けを積極的にやるようになりました。元々、
大手商事会社の部長を勤め、事情があって退社して、自ら貿易会社を興し、それなりの成果を上
げる会社にまで成長させた実績を持つ竹内ですから、300名を越える組員を持つ、木の葉会の
経営を理解するのは簡単でしたし、経営の問題点を数日の内に探し出していました。

的屋の商売は紛れもなく小売業で、商品や材料の仕入れのタイミングとその仕入れ量が商売の儲
けに大きく影響するのです。君江と組長は商品や材料が不足して、組員の商売を止めることを何
よりも恐れていて、大枚を払って倉庫を借り、常時、商品や材料をストックする経営方針を長年
採用していたのです。勿論、倉庫内の品は全部現金決済で代価を支払済みなのです。

竹内は先ず倉庫の賃貸契約を破棄することから始めました。ストックしてあった商品、材料はそ
のほとんどを棄てました。当然、君江は反対しましたが意外なことに組長が竹内の説明を聞き、
竹内の思うとおり組の経営改革を進めることを認めたのです。組長の決断を聞き、君江は納得し
ました。そして、積極的に竹内をサポートするようになったのです。


[4] 一丁目一番地の管理人(448)  鶴岡次郎 :2012/08/12 (日) 16:41 ID:jZ4Z4/j2 No.2283

組長の信頼を得た竹内は直ぐに経営改革に手を染めました。その頃には君江は竹内を全面的に信
用するようになっていて、彼の有力な手足となって働きました。
商品と材料を指定した時間、指定した量を、指定した場所へ届けるよう竹内は問屋筋に伝えまし
た。この購買方針に難色を示す問屋もいましたが、竹内は持ち前の交渉力で大部分の問屋を説得
しました。しかし、最期まで抗った問屋とはあっさり取引を打ち切り、別の問屋に切り替えまし
た。結果として木の葉会創立以来取引していた問屋が数軒切られることになりました。

竹内の経営改革が始まると、問屋筋ばかりでなく、屋台の現場でも混乱が発生しました。商品や
材料が切れたとの苦情が上がり、血相変えた組員が竹内のところへ乗り込んできました。

「竹内さんョ・・・、どうしてくれんだ・・・
せっかく、売れ始めたら、ブツが無いんだよ・・、
こんなこと、いままで一度だって無かったんだ・・・

こんなことをしていたら、稼ぎが無くなり、
お飯(まんま)の食い上げになるョ・・・
どうしてくれんだ・・・」

彼らが竹内に事前申請した仕入見込みがずさんだったため、商品不足が発生したのですが、その
ことは棚に上げ、売り子達は竹内の責任を追及して彼に激しく迫りました。売り上げ高に比例し
て、組員の日当が配分される仕組みになっているので、商品不足で売り上げが落ちると稼ぎが落
ちますから、組員達は必死なのです。

竹内は笑みさえ浮かべて、頭を下げ、一切の言い訳を言わず、一日の稼ぎに相当する額の金を包
み、これを彼らに差し出し、商品が無いなら商売を中断するように伝えました。
竹内が平謝りし、一日の稼ぎに相当する金を差し出すので、組員達は上げた手の下し場所がなく
なり、すごすごと引き下がりました。

こうしたことが数日続きました。それでも、竹内は詳しい説明も言い訳もしませんでした。ただ、
ひたすら金包みを差し出すことに徹したのです。この間、組長は何も口を挟まないで、ただみん
なの動きを見ていました。さすがに、組員達は気がつき始めました。

前日に確りした仕込み量を竹内に伝えておけば、その量は確実に届けられることにようやく組員
たちは気づいたのです。結果として、組員たちから上がってくる売り上げ予算の精度が一週間の
内に、格段に進歩しました。長い売り子経験を持つ人達ですから、天気予報の情報さえ掴めば、
祭礼当日の売り上げを予測をすることはさほど難しいことではなかったのです。

組員がはじき出した正確な売り上げ予算を元に、竹内は商品、材料の買い付けを始めました。購
入量と購入日時が確定していますから、複数の問屋に引き合いを出し、競争入札させる商品が半
数以上を占めるようになりました。勿論購入価格は平均して30%ダウンしました。

こうした経営感覚は商社経営で磨いた竹内ならではのことでした。そして同時に、彼は売り上げ
予算データから売れ筋商品も掴んでいました。売れ筋商品の屋台に最上の場所を与えることにし
たのです。それまではベテラン組員が良い場所をとっていたのです。

この処置で良い意味で、仲間内に競争意識が芽生えました。良い場所を獲得するため、ギリギリ
上限まで売り上げ予算を設定し、その予算達成のため、組員が必死で働くことになったのです。

それまで赤字の脅威にいつも曝されてきた組の台所は一気に潤い始めました。組員への給料も上
昇しました。半年も経つと組長は勿論、仲間内の皆が竹内の実力を認めるようになり、彼の号令
は組の隅々まで行き渡り、即日実践に移されるようになっていたのです。また、日常生活での揉
め事、金銭的なことか、男女関係の縺れがその揉め事の主な原因だったのですが、そうした組員
の揉め事に竹内は積極的に口を出し、的確な判断を下しました。

老齢の組長に代って、他の組織との交渉にも竹内は顔を出すようになりました。この世界での経
験は少ないのですが、商社業務で鍛えた交渉力と頭脳、そして持ち前の度胸の良さで、そうした
交渉ごとも上手くこなすようになり、短い期間に竹内の名前は的屋組長の間に広がりました。

ただ、この世界で経験が浅いことは動かしようの無い事実で、彼の実力を皆が認めながらも、所
詮、竹内は外部の人だとの見方を、仲間達は変えなかったのです。


[5] 一丁目一番地の管理人(449)  鶴岡次郎 :2012/08/14 (火) 12:09 ID:pLjCV7T6 No.2287
ある日の昼下がり、木の葉会の事務所へ地元の繁華街を縄張りにする朝霧組の幹部が訪ねてきま
した。朝霧組といえば、竹内を襲撃し、警察に自首してきた犯人が所属していたこの地域最大の
組織です。

その日、竹内以下の組員たちは全員商売に出かけて、実質上組長業務を竹内に委託している木の
葉会の組長、河野喜十郎はのんびり一人で午睡を楽しんでいたのです。河野組長は何事かと不安
な気持ちを抱えながら、朝霧組組長代理だと名乗る40過ぎの男と向かい合いました。

「上杉と申します。本来ですと、組長の中野与三郎が来るべきところなのですが、
本日は私一存でここへ参りました・・・」

丁寧な前口上を述べて、上杉が切り出した用件とは、朝霧組の組長中野と竹内の間で、和解の手
打ちをしたいとの申し入れでした。

「もう判決が下った事件ですから、事件の隠された背景を河野組長だけには正直に申し上げます。
ただ、今から申し上げることは、私がこの部屋を出たら一切忘れてください。

よろしいでしょうか・・」

凄味を利かせた表情で上杉が言いました。河野が無言で頷きました。

「あの事件は竹内さんと私どもの配下のものが居酒屋で些細なことから諍(いさか)いを起こし
て、その恨みで私どもの若い者が竹内さんを襲ったことで処理がついていますが、実のところは、
上の組織からの命令で、我々には何の恨みも無い竹内さんを襲い、瀕死の重症を与えたのが真相
です・・・」

既に竹内からそのことを知らされている河野組長はさほど驚きません。ただ、今になって、何故、
朝霧組がこの事件を蒸し返すのか、その理由を河野は探りかねていたのです。

「何故襲われ、その背後にいるのが誰か、竹内さんにはっきり判っていたはずです。それにもか
かわらず、竹内さんは個人的な諍(いさか)いが原因で起こした単純な傷害事件だと言い張り、
朝霧組の組織ぐるみの関与を警察の前で完全否定してくれました。

そのおかげで、朝霧組は当局の追及から逃れることが出来ました。もし、竹内さんの証言がな
かったら、我々は当局から鋭い追求を受け、最悪の場合は解散に追い込まれるところでした。

朝霧組が今日存続できているのは竹内さんのおかげだと、常々、組長の中野が我々に申しており
ます・・・」

上杉と名乗った組長代理はそこで言葉を止め、河野の顔を睨みつけるように見ました。上杉の眼
力を跳ね返すようにして、河野は相手の顔を睨みつけていました。睨み会いが数秒続いたところ
で上杉は表情を緩めました。河野が真剣に話を聞いていると上杉は察知したのです。

「中野は竹内さんと義兄弟の杯を交わしたいと思っているようです。しかし、ヤクザとそうした関
係になれば返って、竹内さんのご迷惑になりますので、義兄弟の関係は気持ちの上だけに止めて、
これをご縁に親しくお付き合いしていただければと中野は申しており、私にはお二人のための宴
を準備するよう指示しております。

私には親分のひた向きな気持が判るだけに、何とか親分の希望を実現させたいと思っています。
いろいろご都合もあると思いますが、私どもの気持ちをご理解いただき、ぜひとも、義兄弟の杯
を受けていただきたいのです・・・。

これは私一存で決めたことで、親分からの指令ではありません、
お断りになっても、私としてはこれ以上の強制はしません・・・」

話の途中から、河野はくすぐったい気分になっていました。それでも、申し入れの趣旨を竹内に
伝えて、彼の希望を聞いた上で返事すると回答したのです。上杉は何度も頭を下げて、いい返事
を聞かせて欲しいと、くどくどと念を推して帰りました。


[6] 一丁目一番地の管理人(450)  鶴岡次郎 :2012/08/15 (水) 12:20 ID:phT3W/aA No.2288

「組長・・、以前お話したように、悪いのは私なのです。人様から褒めていただくことは何もし
ていません。ご存知のように、私が証言しなかったのは、朝霧組を思ってのことではありません。
一億近い借金を棒引きにしてくれるというので、それならと、話に乗っただけのことです。

朝霧組の組長と義兄弟の杯など、恐れ多いことです。断ってください・・」

夜遅く祭礼の仕事を終えて帰ってきた竹内に、朝霧組の用件を河野は伝えました。竹内の返事は
河野の予想したものでした。

「竹内さん・・、あなたの言うのはもっともなことです。
多分、私があなたの立場に立ってもそう言うと思います。
ただ・・・、朝霧組の組長と兄弟の杯を交わすなど、たとえ望んでもなかなかそうした機会が来
ないのも確かなことです。

ここで少し、ことの成り行きと、相手の立場の変化も理解した上で、朝霧組の親分と義兄弟に成
る損得をゆっくり考えてはどうでしょう・・・。参考までに私の意見を言います・・・・・」

河野が姿勢を改めて竹内に向かいました。この話を軽く聞き流す気持だった竹内がびっくりした
表情で河野を見ています。


「朝霧組の中野親分をよく知っていますが、一口に言って、昔ながらのヤクザ気質を忠実に守る
ことを信念にしている、いまどき珍しいご人です。一人の人間として、私は彼を信頼できる男だ
と思っています。

あなたが戻ってくるまで数時間、あらゆる可能性を私は考えました・・
そして、私なりに結論を出し、あなたへアドバイスすることにしたのです」

朝霧組から申し出を受けて数時間経過しているのです。その間、河野は彼なりにいろいろな面か
らこの申し出を検討し、彼なりにある結論を得ているようです。

「竹内さんには運命を変えるほどの災難でしたが、正直言って、あの傷害事件は彼らにとって、
それほどたいした出来事ではなかったと思います。多分、中野親分はほとんど事情を知らないま
ま、組の幹部がしきってことを進めたと思うのです。いつものならそれで万事上手く行くはず
だったのです」

河野がゆっくりと語り、竹内はただ黙って、ビールのコップを傾けていました。

「警察が動き出して、朝霧組は慌てたと思います。勿論中野親分も直ぐに乗り出してきたはずで
す。

彼等の狙いは借金の回収ですから、竹内さんを脅かして、隠し金を引き出すことが出来ればよ
かったのです。もし、隠し金が消えていれば、借金を返済させるため二人を人質にとって、次の
手を考えることにすればいいのです。

だから竹内さんに瀕死の重傷を負わせることなど、朝霧組にとっては何の利益もないです。それ
が、この仕事を手下に任せ切りにしたため、彼らが少々やりすぎて、竹内さんに瀕死の重傷を負
わせることになったのです。これが、彼等が犯した第一の失敗です・・」

ここまでは竹内も同じ考えのようで、黙って頷いています。〈1〉


[7] 一丁目一番地の管理人(451)  鶴岡次郎 :2012/08/16 (木) 15:42 ID:gJteBK1I No.2289
2288(1)

「朝霧組にとって竹内さん襲撃は手馴れた仕事の一つだと先ほど申し上げましたね、だから、竹
内さんの襲撃を計画した時点で、全てのシナリオが完全に出来上がっていたと思います。彼ら
にとって最悪のケース、竹内さんが警察に逃げ込んだ場合もちゃんと対策を考えていたはずです。
すなわち、当局筋へもそれなりの手配りを済ませ、警察の追及が始まる前に、朝霧組の手下が竹
内さん襲撃の全ての責任を負い警察へ出頭して、ヤミ金筋も、朝霧組も、いつものように無事逃
げ延びる筋書きが出来ていたと思います。

何事もなければ、今頃竹内さんは工事現場に貼り付けられ、敦子さんと言う女性は売春組織で働
いていると思います。勿論警察はこの事件に一切介入しなかったと思います。

彼らにとって誤算だったのはこの事件に警視庁が出張ってきたことです。これによって、事件の
展開は大きく変わりました。地元警察は組織と癒着している事実を隠蔽するため、竹内さん傷害
事件の捜査を積極的に展開し始めました。もちろん、このままもみ消すには竹内さんの被害が大
き過ぎたことも警察が動き出した要因の一つでした。

こうした背景で、警察に、竹内さんが真相を吐けば、地元警察は警視庁への手前、事件を闇から
闇に葬ることができなくなり、朝霧組を追求することになります。そうなると、世論が後押しし
て、組は解散手続きを採らないと治まらないところへ追い込まれることになります。こうなると、
朝霧組の上位組織も、ヤミ金筋も、そして日頃から何かと金銭を送り届け手縄づけている当局の
筋だって、手が出せなくなります。

このように竹内さんが考えている以上に朝霧組は追い込まれていたのです。中野親分には組の崩壊
が見えていたと思います。だから、朝霧組の組長、中野さんが言う『竹内さんに救われた・・』
は、案外彼の本音だと思います。そして、弁護士との口約束を守り続ける竹内さんの男気に、中野
親分は言葉どおり、惚れたのだと思います。

あなたは、ご自身の利益を考えて口をつぐんでいるだけで、決して朝霧組のことを考えたわけでな
いと言いました。多分、それは事実だと思います。しかし世の中には、そんな人ばかり居るわけで
はありません、口をつぐむと約束していながら、相手が警察に追われ力を失ったと見ると、追い討
ちをかけるように、あることないこと告げ口をしたり、積極的に足を引っ張る人が多いのです。そ
んな人たちをたくさん見てきた中野さんには、約束を守り切る竹内さんが新鮮に見えるのだと思い
ます」

河野の説明は見事に事件の真相を突いていました。


「私が保障しますから、彼との手打ちの宴に出席してください。

あなたが正式の義兄弟の関係を断っても、彼はこれから先、一方的に竹内さんを義兄弟として遇
してくれる筈です。あなたにとって迷惑なことが起こる可能性もありますが、今の商売をやって
いく上では、彼と義兄弟になることは、たぶんプラスな面が多いと思います・・」


河野の勧めで、それから一週間後、市内の料亭の一室で竹内と中野は古式に則って、義兄弟の杯
を交わしました。それ以来、朝霧組の組員達は竹内のことを「叔父貴」と呼び、街で出会った時
など最大限の礼を尽くすようになったのです。

このことで一番びっくりしたのが、木の葉会のメンバーです。竹内が会社社長をしていて、経営
能力があり、瀕死の重症を追いながら敦子を守りきり、肝心のことには口を閉ざした度胸の良さ
も知っているのですが、地元で最大の組織から「叔父貴」と呼ばれる竹内を見て、彼の底知れな
い可能性に気がついて、彼を無条件に尊敬するようになりました。これを契機にして、竹内の的
屋経験が浅いことを問題にする者は誰もいなくなりました。

それから半年後、竹内襲撃事件からちょうど一年経った時、竹内は木の葉会の第六代の組長を襲名
することになったのです。そして、同時に君江を入籍したのです。(1)


[8] 一丁目一番地の管理人(452)  鶴岡次郎 :2012/08/17 (金) 12:38 ID:o4UhCac2 No.2290
2289(1)
竹内の組長襲名式には全国から組長が参加しました。勿論、全国組織をまとめる天狗組、組長宇
田川も出席しました。夫人同伴で式典に出席するのが習慣ですから、由美子も宇田川組長夫人と
して最上席に座りました。

Uも由美子も竹内とは面識が有りませんが、竹内のことは勿論良く知っています。泉の森荘の住
人朝森敦子が竹内と愛人関係になり夜逃げすると決まった時、アパートの管理人夫人、美津崎愛
に頼まれて、敦子と竹内を保護するため全国の的屋組織に回状を回したことがあったのです。

竹内が襲われ瀕死の重傷を負い、結果として晴れて竹内は追われる身から開放され、敦子とも潔
く別れ、竹内は木の葉会に残り、的屋の仕事を続けることになったとの連絡をUは受けていたの
です。それが、木の葉会に残った竹内が、見る見る内に頭角を現し、一年後には組長に推され
るまでになったのです。Uは正直びっくりしました。そして、Uなりに彼を調査したのです。

調べてみて、竹内が短期間に木の葉会の財務内容を大幅に改善したことが判明しました。そして、
組員の面倒も良く見て、組内外の評判もすばらしいのです。朝霧組の中野と義兄弟の杯を交わし
たことも、的屋に専念すると決めた竹内にはプラス材料でした。

知れば知るほど、竹内は組長としてすばらしい能力を秘めた人物であることが判りました。竹内
がその気になれば全国組織の長であるUの地位さえ無理とは思えないほどの器量と能力を持った
人物だとUは判断したのです。Uは竹内と会うのを楽しみにやってきたのです。

そして、由美子を同伴すると決めた時点で、恒例どおりの淫らな行事が待ち受けていることを承
知していました。由美子もまたその淫らな行事にことの他期待を寄せていたのです。
写真で見る限り、50男で禿で、どうひいき目に見てもいい男といえない竹内が、女盛りの敦子
を惹きつけて、苦しい逃避行にひきづり込むほど女を惑わせたのです。由美子は竹内の男に、並
々でない期待と憧憬を持ち、九州に行くと告げられた時から身体を熱くしていたのです。


Uや、全国の組長の見守る中で、竹内の襲名式典は古式に則り粛々と行われました。式が終了し
たその夜、ここは市内のあるホテルです。Uと由美子のために最高のスイートルームが準備され、
その部屋に竹内と妻君江がやってきました。紋付はかまに留袖の和装礼服を着けたままです。U
夫妻はくつろいだガウン姿です。

「本日はお忙しいところ、遠路にもかかわらず、良くおいでいただきました。
田舎都市のことですから、これと言って特別のおもてなしはできませんが、
ゆっくりおくつろぎください・・」

直立不動で型どおりの挨拶を済ませた竹内が深々と頭を下げています。

「ご存知のように、年は食っていますが、この世界のことは何も心得ない駆け出しの身ですので、
いろいろ失礼なことを申し上げたり、考えの足りない行動をすることがあるかと思いますが、で
きますればその都度ご指導いただければ、この上の喜びはありません・・」

さすがに世慣れた竹内もUと由美子の前では緊張している様子です。Uの身体から発散される得
体の知れない覇気に圧されているのかもしれません。

「つきましては、一夜の慰めに私の妻、君江をこの部屋に残してまいります。
君江も親分のお相手ができることを楽しみにして喜んでおります。
明朝まで存分にお楽しみいただければ幸いです・・」

緊張して妙な言葉使いになっていますが、要するに慣例に従い、妻を夜伽に差し出すと竹内は
言っているのです。先代組長の河野からそうするよう指示されていたのです。

竹内は酷く緊張して直立不動で話していますが、他の三人はリラックスして楽しそうに笑みさえ
浮かべています。君江などすかさずUの側に歩み寄って彼の腕に手を絡めているのです。

由美子は由美子で、淫らな笑みを浮かべて、竹内の全身を嘗め回すように見ています。多分、由
美子には竹内の男根の状態まで読み取れているはずです。男達はともかく、女二人は今夜抱かれ
る男の身体を値踏みし、男達の体臭を嗅ぎ取り、もう・・、しっとりと濡らしているのです。


[9] 一丁目一番地の管理人(453)  鶴岡次郎 :2012/08/19 (日) 13:56 ID:b0F37BjU No.2291
「何から何まで、ご配慮の行き届いたことで恐縮いたします。
せっかくのお気持ですので、奥様の件は有難く承ります。

実のところ、奥様には本日会場で初めてお会いしたのですが、
あまりの妖艶さに、不覚にも我を忘れて、呆然と見つめていました。
ここにいる由美子を不機嫌にさせるほど、見惚れていたようです。
この時が来るのを楽しみにしておりました・・」

これまた恒例どおり、Uは快く竹内の申し出を受け入れました。そして約束通り夫人を誉めそや
し、彼女を抱くのを楽しみにしていたことを伝えています。その言葉に調子を合わせて由美子が
Uを突付いています。
このやり取りは彼等の世界では約束事なのですが、シャープな美人である君江が相手だと、Uの
言葉が本音に聞こえます。

夜伽に妻を差し出す、そんな女性蔑視の習慣を二人の男が話し合っているのですが、二人の女は
艶やかな笑みを浮かべ、男達のやり取りを面白そうに見ています。女の事前了解なしで妻を差し
出す男はいなくて、事前に相手の男を十分に見せ 女の同意を得ているのです。したがって、女
達がこの場にいると言うことは、相手の男に抱かれてもいいという彼女達の暗黙の了解が既に成
立していることを意味しているのです。多分、女達は女達で、目の前に居る男をあれこれと値踏
みしているのかもしれません。

「その返礼になるかどうか疑わしいと思いますが、
ここにおります妻、由美子を一夜のお供にしていただければ幸いです・・・
いかがでしょうか・・・」

返礼として、Uが由美子を竹内に差し出す申し入れをしました。この時を待っていた由美子が、
艶然と微笑み、竹内に歩み寄ろうと一歩踏み出しました。竹内は大げさに首を振っています、そ
して一歩退き、両手を前に突き出し、拒否の姿勢をあらわにして、口を開きました。

「大親分の奥様を抱くなど、私には早すぎます・・。
いえ・・・、決して奥様に不満があるわけではありません。
それどころか、一目奥様を拝見した時から、
出来ることならいただきたい思っておりました。

しかし、今回は辞退すると決めています。
私に奥様を抱く資格ができた時、有難くいただきます。
では・・、これで、私は自分の部屋へ戻ります・・・」 

そう言い切って、竹内は君江を残して部屋を後ろも見ないで出て行ったのです。部屋には君江
とU、そして由美子が残されていました。

「なんだろう・・、あの人・・・、
お客様に女を楽しんでくださいと言ったって・・、
女一人、ご夫妻の部屋に残されても・・、
どうしょうもありませんよネ・・・。

スミマセンネ・・、あの人、この稼業の経験が浅いもんだから・・」

豪華な留袖姿の君江が恐縮して、苦笑交じりでUと由美子に頭を下げています。

「そうネ・・・、
このままではどうしょうもないわネ・・・」

由美子も君江と同感らしく苦笑の表情を浮かべています。スワッピングをする以上、片方だけが
その気になってもことが進まないです。今夜のスワッピングはこれで終わりになったと二人の女
は感じ取っていたのです。多少、ガッカリしている二人です。

「それとも、Uさん、私達二人をまとめて、ここで抱く・・・?
フフ・・・、そんなに驚かなくてもいいのよ・・、
でも、まんざらでもない顔をしているわよ・・・、スケベ・・・」

由美子が冗談を言って、君江が笑っています。Uは生真面目な表情を維持しています。こうした
戯言に下手に付き合うと後で酷い目に会うことをUは経験上よく知っているのです。


由美子の冗談で白けかけた雰囲気が和んでいます。すかさず、君江が二人をソファーに案内し、
そこでウイスキーの水割りを二人にすすめました。

「由美子さん・・、お気を悪くしないで・・・、
彼も言っていたように、由美子さんが嫌で交換を嫌ったのではありません。
それどころか・・、竹内は由美子さんの評判を先代から聞いて、
今日、由美子さんを抱けるのをとっても楽しみにしていたのよ・・」

君江がその場をとりなし、由美子が笑みを浮かべて頷いています。女同士だからこそ、こんな時、
一番傷付くのが女であることが良く判っているのです。

「先代と私とは勿論、深い仲で、ほとんど彼の情婦と言ってもいい関係でした、
勿論このことは組の者は全部知っていました。竹内は全部承知の上で、私を入籍したのです。

その先代が私に言っていました。由美子さんは生涯で出会った最高の女の一人だって、これから
先あれほどの女に会えないとも言っていました。
私を抱いた後、裸の私が腕の中にいるのに、そんなことを言うのよ・・・・、
ひどいでしょう・・・、うふふ・・・・・。

初めて由美子さんを抱いたのが8年前で、それ以来欠かさず年二回由美子さんを抱いていると
言っていました。最近では私を抱くことも少なくなり、年二回由美子さんを抱くのが生甲斐に
なっていたようです。
組長を引退するのは寂しいが、由美子さんを抱けなくなるのはもっと寂しいとも言っていまし
た・・。

ですから・・、竹内も由美子姐さんには強い関心を寄せていました。
それだのに、何故今日断ったのか・・、私には男の気持が良く判りません・・」

Uの表情を見ながら君江が話しています。Uは無表情を維持しています。〈1〉


[10] 一丁目一番地の管理人(454)  鶴岡次郎 :2012/08/20 (月) 14:20 ID:Yd.J5sZk No.2292
2291(1)

君江が解説したように、地方の組長たちはUとの情報交換が目的で定期的に上京してくるのです
が、その時、組長達は必ず由美子を抱きたいとUに頼み込むのです。

「・・由美子が了承するのなら・・」と、Uは答えるのですが、由美子はほとんどその申し入れ
を断らないのです。全国30ほどある地方組織の組長たちは上京するたびこうして由美子を抱く
のです。勿論、この効果は抜群で、全国組長のUへの忠誠心の数パーセントは由美子効果と呼べ
る部分が存在すると思います。


二人の女それからしばらくあちらこちら話題を飛ばしながら話しあっていました。さすがに女性
は座持ちの天才です、竹内が部屋を出て行って白けかけた雰囲気が女二人のおかげでスッカリ吹
き飛ばされています。

「ご主人の気持は私にはよく判ります・・」

それまで黙って二人の女の会話を聞いていたUがポツリと呟きました。二人の女がビックリして
Uを見つめています。

「竹内さんは・・・、
私と妻に最大限の礼を捧げてくれたのです・・」

二人の女が不審そうな表情でUを見つめています。由美子を抱くことを拒否した竹内の気持がU
は判ると言っているのです。

「奥様が言われるように、竹内さんは由美子に関心を寄せていると思います。
しかし、今日、由美子を抱くほど、竹内さんは組長として実績を積んでいないと自己評価してい
るのです。晴れておお威張りで由美子を抱けるまで、我慢しようと思ったのです。それが男の見
栄なのです・・。
多分、私が竹内さんの立場に立っても同じことをすると思います・・・」

「判るけど・・、取り残された女の気持ちも考えて欲しい・・
男って、厄介な動物ネ・・・そうでしょう、姐さん・・・」

君江がそう言い、由美子が笑っています。勿論、由美子は竹内の気持ちは最初から良く判ってい
るのです。由美子の隠された才能、勃起した男根の状態を離れたところからでも感じ取れる由美
子の才能が竹内の心を読み取っていたのです。

部屋で由美子を抱くのを拒否した時、明らかに竹内の男根は最大限に勃起して、オスの香りを由
美子の鼻腔に届けていたのです。理由は判らないけれど、決して由美子を嫌っているわけでない
のに、由美子を抱きたい、その強い欲望を押さえ込んで、部屋から出て行った竹内を由美子は可
愛いとさえ思っていたのです。

Uから竹内の気持ちを聞かされて、由美子は突然立ち上がり、君江に右手を差し出しました。

「君江さん、お部屋のカギをちょうだい・・・、
私が竹内さんの部屋へ押しかけます・・・」

由美子の言葉に反射的に君江が部屋のカギを差し出しています。

「それでは、一晩、ご主人をお借りします・・。
Uさんをよろしくお願いします・・・。

Uさん・・、あまり羽目を外さないようにネ・・、
・・と言っても無理か・・、
君江さんが相手では羽目を外すなという方が無理ね・・・、
とにかく、私を抱く力も残しておくのよ、フフ・・・・・」

二人の返事を確かめないで、ガウン姿の由美子は器用に身をひねって、部屋を出て行きました。
真っ白な脛が、ガウンの裾から見えていました。Uは由美子が残した濃厚な女の香を嗅ぎつけて
いました。この香りの強さではそこは十分に濡れていてて、即戦闘に入れる状態だと判断してい
ました。

〈竹内さん大丈夫かな・・・、
緊張の一日で相当疲れているだろうに・・・、
そこへ由美子が行けば、無理やり立たされ、最期の一滴まで搾り取られるはず・・・、
マア・・、健闘を祈るしかないか・・・、
こちらも、他人のことを考えるほど、余裕がないことだし・・・〉

最強の女が襲ってくることに気付かないで、のんびり一人で部屋に居る竹内のことを思い、Uは
なんとなく竹内に同情していました。そして、部屋の隅で帯を解いている君江を見て、U自身も
のんびりしてはいられないことに気が付いたのです。

Uの視線を十分意識しながら、薄紫の長襦袢姿になり君江は着物を衣紋掛けに掛け終わり、ち
らっとUを見て、ゆっくりと腰紐を緩めました。腰紐が取れて、長襦袢の前がゆるみ、緋色の
腰巻が顔を出しています。君江はためらうことなく、腰巻の紐を緩めました。淡い衣擦れの音が
して、秘色の腰巻が女の足元に、するすると落ちました。

長襦袢の前がゆるみ、比較的大きな乳房が顔を出し、白い両脚の間に、暗い茂みが見え隠れして
います。男の視線がその光景を楽しむ時間を十分与えて、女はゆっくり腰を折り、床から腰紐を
拾い上げ、長襦袢の腰をゆったりと締めました。
これで、君江は戦闘体制を完全に調え終わりました。そして、Uを真っ直ぐに見て、ニッコリと
微笑んでいるのです。(1)


[11] 一丁目一番地の管理人(455)  鶴岡次郎 :2012/08/20 (月) 15:39 ID:Yd.J5sZk No.2293
2291(1)
2292(1)

素足でガウン姿のまま、由美子はホテルの廊下を駆け抜けました。大腿部まで脚をあらわに出し
て、由美子は駈けています。幸い竹内の部屋は同じフロアーにありました。ノックをしないで、
合鍵を使って部屋に入り込みました。居間と寝室、二間続きの部屋の中に人の気配はありません。
かすかな湯の音が聞こえます。竹内は入浴中でした。にんまりと微笑んだ由美子はその場でガウン
を脱ぎ捨てました、下は全裸でした。

浴室の前に立つと、洗い場に動く人の影がありました。のんびり鼻歌を歌っています。由美子は
ソーッとドアをあけ、そのまま浴室へ入りました。

「失礼します・・・・ウ・・・」

洗い場でタオルを使っていた竹内は、気配を感じて振向き、そこに立つ裸の女を見て、椅子から
転げ落ちました。

「ゴメンナサイ・・・、びっくりさせたようですね・・・、
お背中を流させてください・・・」

竹内の慌てようを見て、全裸の由美子が口を押さえて、笑を堪えています。

タイルの床に尻餅をつき、あんぐりと口をあけて、竹内は由美子を見つめていました。事の成り
行きが竹内にはまだ理解できないようです。由美子は両脚を少し開いて、その部分を男が見やす
いようにしています。混乱した頭で、それでも、男はしっかり女の秘部を見ていました。

少な目の陰毛、三センチ以上は盛り上った存在感ある褐色の土手、その割れ目から、親指大のク
リが既に顔を出し、その周りはそれとわかるほど濡れているのです。少しゆるんだ割れ目からじ
わじわと透明な液が滲み出て、周りに強力な香りを発散していました。もう・・、由美子は十分
欲情しているのです。

竹内の本能は由美子の香りを感じ取っていました。由美子が発情した時には発する男の官能に直
接アクセスするがあの香りが竹内を直撃しているのです。女の裸体を見て、女の強い香りに包ま
れ、竹内の本能は急激に立ち直っていました。見る見る内に股間が盛り上っているのです。

竹内の体に抱きつくようにして由美子は竹内からタオルを奪い取り、彼の背中をこすり始めまし
た。観念した竹内はおとなしく背中を見せています。股間の高ぶりを由美子から隠すように両手
でそこを覆っているのです。

「凄い傷・・・、
痛かったでしょう・・・」

一年前の襲撃で受けたナイフの傷跡が三ヶ所、生々しく背中に残っていました。致命傷にはなら
なかったのですが、派手に出血した痕です。

「よく我慢したわネ・・・」

そう言いながら、由美子はその傷跡に直接唇を付け、舌で優しく舐めています。背中から、お腹
へ、傷は全身に5ヶ所ほど散らばっていました。雄々しく傷跡が盛り上った竹内の身体は、Uの
背中に彫られた竜にも匹敵するほどの迫力を見せています。

「こんなところも刺されたの・・・・、
痛かったでしょう・・・
かわいそう・・、うう・・・・」

わき腹の下方、脚の付け根の部分にも大きな傷跡がありました。直ぐ側に勃起した男根が居座って
います。由美子は傷を舐めながら、右指を竹内の男根に絡めています。そして、次の瞬間、それを
パックリとくわえ込みました。

全裸の女が両脚を一杯開いて男根を咥えているのです。竹内の視線の先に由美子の女陰がはっきり
見えました。そこは少し開き、サーモンピンクの内襞を見せているのです。

「姐さん・・・」

「ウウ・・・、由美子と呼んで・・・」

「由美子さん・・・」

竹内が由美子を膝の上に抱き上げました。そして、二人の唇が重なり合いました。激しい吸引音
が室内に響いています。やがて、男根が女陰を求めて突き進み、そのまま、一気に濡れそぼった
女陰の中へ埋没しました。女の悲鳴がバスルームにこだましていました。


[12] 一丁目一番地の管理人(456)  鶴岡次郎 :2012/08/24 (金) 10:53 ID:u5OgEoo. No.2294
バスルームで戯れあった二人は、しばらくしてベッドへ戻りました。性豪を自認する二人は浴室
での一回戦を終えて、ある程度まで相手の力量を掴んでいました。

竹内は先代組長、河野喜十郎からU夫妻、特に由美子の魅力についてかなり詳しく教えられてい
たのです。いま、由美子を抱いて河野から教えられた由美子の力が決して誇張でなかったことを
はっきりと認識していました。もし、河野から予備知識を得ていなければ、欲室の戦いで討ち死
にしていたと竹内は首をすくめる思いになっていたのです。

「竹内さん・・、ご存知かと思うのですが、我々の陰のしきたりを少し話しておきます。
組長が他の組を訪問すると、お客を受けた組長は最大限の歓迎をします。
最上級の女を供与するのもその内の一つです・・。

組長たちは商売女には日頃から慣れていますから、通常は素人女を準備するのですが、場合に
よっては妻を供与することも珍しくありません。それが一番喜ばれ、簡単ですからネ・・・。
勿論、妻が事前了解することが条件ですが、彼女達もその習慣は十分心得ていて、めったなこと
では断りません。それで、組長たちはいい女を妻や、時には愛人にして備えているのです。

今回襲名行事では総組長も出席される予定ですから、君江を宇田川組長に差し出すつもりでいて
ください。多分、君江はUさんとは初めてだと思いますが、拒否はしないと思います。

返礼の意味を込めて、Uさんも由美子姐さんを竹内さんに差し出すと思います。勿論、竹内さん
は姐さんと初めて会うことになりますが、一度は抱いておく価値がある女性です。全組長の憧れ
のマドンナです・・・。

そんなわけですから、こころよくUさんの申し出を受け入れてください・・」

「由美子姐さんはそんなにすばらしい女性ですか・・・」

「・・それはいい女だよ・・・、由美子姐さんは女神だよ・・・。

俺は年二回、盆と暮れに宇田川総親分にご挨拶のため上京するが、その目的の大部分は由美子姐
さんに会うためだった・・・。正直言って、竹内さんに組を譲って、寂しいことは寂しいが、そ
れ以上に、姐さんに会えなくなるのが一番辛い・・」

遠くを見るような瞳で、由美子を誉めそやし、河野は大きくと息を吐き出しました。竹内には河
野が急に年をとったように見えました。

「俺のように70を過ぎて、ことの役に立たないフニャチンを優しく口に含んでくれるんだよ。
長旅で、疲れて、シャワーも使えないでいる俺の臭いチンポを嬉々として咥えてくれるんだ・・。

また、あの香りがいいんだ・・。
側によると、頭の芯がジーンと痺れるようなメスの香りがするんだ。
それだけで、やる気になるから不思議だ・・。

中に入れると、まさにこれが名器だと教えられる。土手が異常に高いだろう、それだからフニャチ
ンでも難なく、深々とくわえ込めるんだ、一旦咥えられると、三段締めどころか、アレはまさに蛸
壺だよ、壷の中に居る大きな蛸がチ○ポに絡みついている感じなんだ・・。

先端を優しく舐められ、軸を強く締め付けられ、愛液が滝のように噴出して、チ○ポを包んでく
れるんだ。そのうえ、軟らかい腕で俺を抱きしめ、顔中をぺろぺろ舐めてくれて、俺の舌を吸い
込んでくれるのだ。

どんな男でも由美子姐さんの手に掛かると3分持たないといわれているが、あれは本当だね・・、
ジーンと痺れて、腰が抜けたようになって、一気に吐き出してしまうのだよ・・。気が遠くなる
ことだってある、俺はあの人に会って、初めてセックスで失神する気分を味わうことが出来た」

その時を思い出しているのでしょう、恍惚とした表情で河野は語っています。

「姐さんのアソコも身体も超一級品だが、彼女の一番いいところは、やはり彼女の心だと思う。

何時会っても、10年来の恋人に接するようにしてくれるのだ。俺のような男でも、ひょっとし
て彼女に好かれているのだと勘違いしてしまうほど、彼女は男への気持を素直に表に出してくれ
るのだ。それが決して無理に作り出した演技でないのが男にはうれしいのだよ、どんな男でも本
気で好きになれるのは由美子姐さんの天性だね、あれは普通の女には決して真似の出来ないこと
だよ。

床入りすると姐さん男好きが本領を発揮するんだ、男が好きで好きでたまらない様子でチ○ポを
しゃぶってくれるし、どんな粗チンでも姐さんの名器は一人前に扱ってくれるのだよ、そうなる
と、『俺のチ○ポはこんなに強かったのか・・』と、当の本人が感嘆するほど、過去に一度も経
験したことがないほど、チ○ポは最大限に勃起するんだ。こうなるとどんな男だって、たまらな
いよ、突いて突いて突きまくることになる、息の続く限り腰を使うことになるのだ。

当然、由美子姐さんは悶えはじめ、狂いだす。これがまた凄いの一言だよ。全身が脂汗でテラテ
ラと光り、白い眼を剥いて、獣のような唸り声を上げて、身体を弓のように反らせるのだ、男の
体に掛けられた手足が興奮で激しく痙攣を起こすのだよ。あんなに悶える女体を見たのは由美子
姐さんが最初で最期だった。姐さんの悶える姿を見て、その狂乱の叫びを聞いて、男は征服感で
一杯になり、一気に頂点まで駆け上がることになる・・。

とにかく・・・、由美子姐さんは男にとって最高の女だよ・・」

木の葉会の先代組長、河野喜十郎がこのように竹内に伝えていたのです。(1)


[13] 一丁目一番地の管理人(457)  鶴岡次郎 :2012/08/25 (土) 12:03 ID:0Cob1Lmc No.2295
2294(1)

女盛りの敦子を虜にした竹内のテクと男根に由美子は密かに期待をしていました。浴室に立ちこ
める男の強い匂いを嗅ぎ、男の手で優しく触れられ、唇を吸われると、いつものように由美子は
悶え始め、女の部分はうごめき始め、愛液をふんだんに吐き出していたのです。

竹内が入って来た時、由美子は一瞬物足りなさを感じていました。竹内の男根はたくましさ、サ
イズ、全ての点でUの敵ではないのです。それどころか普通の男と比べてもどちらかというと、
コンパクトタイプなのです。

その弱弱しい感触から、由美子は竹内の年齢を悟っていました。生きていれば由美子の父親に近
い年齢なのです。母性本能に近い感情で竹内を優しく抱きしめ、大きく両脚を開き、手を添えて
男根を受け入れました。男根が膣に納まれば、もうどんな男根でも由美子の思いのままです。い
つものように由美子はゆっくりと膣筋を働かせ始めました。

由美子のセックスフレンドには若い男もいますが、定期的に接する地方の組長たちは概ね50歳
代以上、中には80歳代の男さえいるのです。彼らは概ね口ほどでなく、30分も由美子と接す
るとギブアップしてしまうのです。

竹内もそうした高齢の組長と同じだろうと由美子は考えました。優しい気持ちになってゆっくり
彼の男根を膣筋で揉み解し始めました。それは次第に固さを増し、一分後には最大限に勃起して
いたのです。普通、こうなると老齢の男は3分そこそこで爆発するのです。竹内もそうなると由
美子は考えていました。しかし、そこから竹内は堪えに堪え、何と20分以上腰を使い続けたの
です。

挿入から10分過ぎた時点で、由美子は尋常でない竹内の持続力に気づいていました。竹内と同
じ様に20分以上持続できる男を由美子は知っていますが、そんな男達は爆発を恐れて自分では
動かなくなるのです。じっと堪えて由美子の膣攻撃を受けて立っているのです。

竹内は違いました。堪えていながら、竹内は自ら動き出して由美子を攻めているのです。由美子
は慌てました。耐え難い快感がそこから湧きあがってきたのです。絶叫して逝ったのは由美子の
方が先でした。

どうやら女盛りの敦子と暮らした一年近い中で、竹内は年齢なりの攻め方を工夫して、それを完
全にマスターしたようです。
50代の竹内が30代の男に体力と男根のサイズで勝負しても勝ち目がないことは明らかなので
す。竹内は80%の勃起を維持して、二時間以上攻め続ける技を工夫して、それを完全に彼のも
のにしていたのです。これは当りました。その気になればいくらでも若い男を得ることが出来る
的屋の世界で、敦子は本気で竹内を愛し、彼の身体に溺れたのです。


ベッドに戻ってから二時間近く、竹内の男根は勃起を維持しているのです。最初の内こそ余裕の
あった由美子も徐々に持ち上げられ、二時間も貫かれた状態を続けられると、何度も、何度も頂
点に持ち上がられ、身体中の水分を全部吐き出し、声が枯れ、悲鳴さえ上げられなくなって、快
感に酔い痴れ、空ろになった頭脳では正常な判断ができなくなっていました。

「ああ・・・、イイ・・・・・、
蕩けてしまう・・・ウ・・・

敦子さんが夢中になるはずネ・・・」

普段の由美子なら情事の最中にこんな無粋な話題は決して出さないのですが、二時間以上竹内の
男根に攻め続けられて、由美子は常軌から完全に離脱しているのです。うっかり敦子の名前を出
してしまったのです。(1)


[14] 一丁目一番地の管理人(458)  鶴岡次郎 :2012/08/27 (月) 13:19 ID:44Ry/how No.2296
2295(1)

「敦子・・・?
由美子さん、敦子を知っているのですか・・?」

「・・・・・・・」

腰を止め、竹内が問い質しています。男根を膣に受け入れたまま、由美子は下から竹内をそっと
見ました。優しい笑みを浮かべて竹内が由美子を見下ろしているのです。

朦朧とした頭で由美子はまずいことを言ってしまったと後悔していました。竹内と敦子を助ける
ためにUが動いたことは知らせる必要がないと口止めされていたことをここに来て改めて思い出
しているのです。

「由美子さん・・、
何かご存知なら教えてください・・・」

そう言いながら、竹内は腰を使い始めました。由美子の身体が再び悶え始めています。

「由美子さん・・、
誰にもあなたから聞いたと言いませんから・・、
ここだけの話として、教えください・・・」

通常なら聞き流してもいい内容なのですが、どうやら、引っかかることがあるようで、竹内はこ
の質問にこだわっています。由美子が口を割らないと見るや、竹内の腰の動きが更に激しくなり
ました。もう・・、由美子には竹内の声は聞こえていない様子です。

突然、腰の動きを止め、竹内が肉棒を引き抜きました。ビンの栓が抜ける音がして、由美子の股
間からおびただしい愛液が流れ出しています。

「嫌・・、イヤ・・・、抜かないで・・・ェ・・・
入れて・・、もっと・・・」

頂点に駆け上がる寸前で梯子を外され、由美子が絶叫しています。

「ですから・・、由美子さん・・・、
教えてください・・・」

竹内が由美子に囁いています。竹内の肉棒を握り締め、強引に股間に導こうとしている由美子が
恨めしそうな表情で竹内を見つめています。

「卑怯なんだから・・、
こんなことすれば、女は誰だって落ちるわよ・・
いいわ、言うから・・、入れて・・・ェ・・・」

竹内が頷き、男根をゆっくり挿入しています。顔を歪めて由美子が喜悦の悲鳴をあげています。

「ああ・・・、いい・・・
もっと、モット・・、強く・・・・ゥ・・・

私の友人が朝森敦子さんの親しい知り合いなのです・・・、ああ・・
その友人が敦子さんをわが子のように可愛がっているのです。
竹内さんと敦子さんの関係をとっても彼女は心配しています・・。

ああ・・、良い・・、痺れる・・・・ウ・・・・・、
それで・・、敦子さんとはもう・・、しないと・・・
ああ・・そうではないね・・、ゴメンナサイ・・・・」

由美子はしどろもどろなっています。

「由美子さん・・・、それ以上言わなくてもいいですよ、
由美子さんの言いたいことは良く判りました・・・。
敦子にもう手を出すなと、言うことでしょう・・・」

微笑を浮かべた竹内が冷静に答えながら、ここで強く腰を突き出しました。男根が深々と女陰に
もぐりこんでいます。

「ギャ・・・、ダメ・・・・・・。
なんて人なの・・・、未だそんなに出来るの・・・・?
ああ・・・・、死ぬ、死ぬ・・、シヌ・・・ウ・・・・・」

激しいラッパ音が響き、由美子が身体を仰け反らせて、悲鳴を上げています。

「そう、そう・・、
それが言いたかったことなの・・・、
敦子さんにはもう・・、手を出さないで欲しいの・・・
ああ・・・・、もう・・・、ダメ・・・・・」

「ご安心ください・・。
敦子とは完全に手を切りました。
これから先、敦子には絶対手を出しません。
町で偶然出会っても知らないふりをします。
勿論、万が一敦子から声を掛けてきても無視します。
私の男に掛けて、これは約束します・・・・」

ここが大事なフレーズだと思ったのでしょう、腰を止め、男根を女陰に埋めたまま、竹内は由美
子を見下ろしながら、ゆっくりと語りかけました。

朦朧とした視線を竹内に送っていた由美子が頷きながら微笑んでいます。竹内の男根に攻められ、
うっかり敦子の名前を出す失敗を犯したのですが、結果として、一番気にしていたことが確かめ
られて、由美子はほっとしてしていました。Uとの約束である肝心のことは言っていないと、由
美子はそのことでもほっとしていたのです。


[15] 一丁目一番地の管理人(459)  鶴岡次郎 :2012/08/28 (火) 11:13 ID:st15p27c No.2297
「それにしても、奇妙な縁ですね・・・、
由美子さんと敦子の間にそんな繋がりがあったとは・・・・
宇田川親分はこのことをご存知なのですか・・・」

竹内と敦子の逃避行をUの組織が影で支援したことは竹内に伝える必用がないと、Uから口止め
されているのです。敦子の名前を出してしまったことは反省しながらも、まだUがこの件に関与
していたことはしゃべっていないと、由美子は救われた気持ちになっているところだったのです。
そこへ、突然、由美子の心を覗いていたかのように、竹内がUの名前を出したのです。

「エッ・・、Uさん?
Uさんは何も知りません・・・・」

咄嗟にそう言ったのですが、内心の動揺がとんでもない所に現れてしまいました。由美子の陰唇
が激しく締まったのです。勿論、由美子はそのことに気がついていません。

〈う・・・ん・・・、締まる・・・。
Uさんの名前に由美子さんのアソコが強く反応した・・・、
判り易い人だ!・・由美子さんは・・、
何か隠しているのだ・・・。
どうやら、宇田川親分は全てご存知の様子だ・・・〉

由美子の締まりを男根で感じ取った竹内は由美子が口止めされていることを察知していました。
そして、そこまで判ると、全体の筋を読み取るのは竹内ほどの男にとってはさほど難しくなかった
のです。

〈そうか!・・、そうだったのか・・・、
由美子さんが宇田川親分を動かしたのだ・・、
宇田川親分が全国の仲間に連絡をしてくれたのだ・・〉

由美子に泣き付かれたUが地方の親分衆に連絡をして、竹内と敦子の保護を求め、そしてたまた
ま、木の葉会が竹内と敦子に遭遇し、木の葉会の親分、河野は詳しい事情は伏せて、君江に竹内
と敦子の面倒を見るように指示した。

由美子の様子からこれだけのことを竹内は察知していました。この筋書きを知ると、街で君江に
偶然出会った時から、彼女がことのほか親切で、優し過ぎると思っていた理由が竹内には良く判
るのです。

〈宇田川親分、河野親分、この二人が居なかったら、
私はこの世から消えていただろう・・・
いくら感謝しても、感謝し足りない方々だ・・・、

それにしても・・、どうだろう・・・、二人の大きな器量は、
宇田川親分も、河野親分も、これだけのことをしていながら、
私には何も告げないつもりのようだ・・。

由美子さんから聞かなかったら、何も知らないで見過ごす所だった・・・
凄い方々だ・・、
私は、何時になったら、彼らのように大きな男に成れるだろうか・・・〉

ゆっくり腰を使いながら竹内はUと河野の大きな器量に感嘆していました。そして、それに比較
して、彼自身の小ささを改めて認識していたのです。

〈ヤミ金とはいえ、それを承知で借りたわけだし、罪は全て私にある。
借りた金を返せないなら、それなりの罰を受けるべきだった。
それがこともあろうに、夜逃げしてしまった。
そして一人で逃げるならまだしも・・、
何の罪もない敦子を道連れにしてしまった。
私は最低の男だ。

とても宇田川親分や、河野親分と比較できる身ではないが、
何時の日か、彼等のようになりたい・・・〉

由美子の膣に肉棒を入れ、あたかも由美子の膣に誓いを立てるかのように敬虔な気持を肉棒にこ
めて、腰を突き出し、竹内は密かに決意を固めていたのです。

この時の竹内のように、男は時として、女性の中にカラダを入れた時、突然新たな発想に捕らわ
れ、男の人生を決定付けるような決心を固める時があるのです。これから先、竹内は由美子の膣
に誓った人生をしっかり生きていくことでしょう。


それからさらに一時間、竹内は由美子への感謝の気持ちを込めて攻め続けました。風呂場で由美
子を抱いてからほぼ3時間は経過しているのです。この間、竹内の男根は由美子の膣にずっと入
り込んだままなのです。これだけ長時間頑張るのは竹内にとっても久しぶりのことです。

何度も由美子が逝って、最期に竹内が一声唸って、たっぷりと放出して長い二人のセックスが終
わりました。由美子は久しぶりに失神していました。

太くて長い男根による激しい攻撃には慣れているのですが、竹内のようにゆったりと、気が遠く
なるほど長々と攻め続けられると、さすがの由美子も攻め時を見失って、防戦一方になり、遂に
は撃沈してしまったのです。

夜明け前に自室へ戻るつもりでいたのですが、失神したまま竹内の腕の中で眠ってしまって、由
美子は竹内の部屋で朝を迎えたのです。(1)


[16] 一丁目一番地の管理人(460)  鶴岡次郎 :2012/08/30 (木) 14:22 ID:oZHE8BjQ No.2298
2297(1)

ここはUの部屋です。Uに翻弄され、最期には気を失ってしまった君江が甘えた声を出してい
ます。

「噂どおりだった・・、
いえ・・、噂以上だった・・・、
太くて、長くて、それに固い・・・、

私・・、こんなに深く逝ったのは生まれて初めて・・、
何も覚えていないけれど、失礼なことしませんでした・・・」

天井を見上げていたUが君江に視線を移し、微笑みながら、首を振っています。

「この香り、私・・・、大好き・・・」

野性的なUの横顔を見ながら、彼の肉棒をいとおしげに触り、時々男根を鼻先へ持ってきて、そ
の香を深々と吸い込んだり、その先端にこびり付いた男の液を舌で掬い取ったり、指に絡みつい
た精液を舐めたりしているのです。

「Uさん・・、私のココを見て!・・・
ビラビラがひきづり出されて、元へ戻らないの・・・、
Uさんのモノが規格外れだからだよ・・・

これでは、下着を穿いても、直ぐ汚れてしまう・・・、
でもうれしい・・・、こんなになったの初めて・・・・」

艶やかな表情を浮かべ、女が男の胸に顔を寄せ、男の乳首をかなり強く噛みながら、両脚を一杯
開いて、そこを男に見せています。

業物でかき回され、内壁が引きずり出され、喜美枝の陰部はいつもの淑やかな外観が一変して、
褐色の土手の隙間から、サーモンピンクの内壁が3センチ以上はみ出し、愛液に濡れたそれがテ
ラテラと光っているんです。

女はそのビラビラを指で抓んで、男に見せているのです。Uはチラッとそれに視線を走らせまし
たが、無感動な表情を保っています。

「向こうの部屋では上手く行っているかしら・・・
由美子さんのことだから間違いないと思うけれど・・・、
家の人、あれで案外人見知りするから・・・、
由美子さんの前でひるんでいたら、申し訳ないと思う・・」

竹内が由美子を上手く抱けたか、君江は本気で心配しているのです。

「それにしても、由美子姐さん、想像していたより数段可愛い・・・。
噂では、どんな男性でも、短時間に極楽へ送り込むことが出来る凄腕の女性だと、聞いていて、
凄い姐さんを想像していたけれど、聞くと見るとでは大違い・・。

外見は肩書きどおり上流婦人然として、セレブな雰囲気で一杯だけれど、話してみると、話題が
楽しくて、優しくて、それでいて少女のようなあどけなさを残している。あれで、ベッドではど
んな男でも30分は持たないと噂されているテクとカラダを持っているのだからね・・。

男達の噂ではアレの中が凄いんだってネ・・、
ミミズ千匹なんて生易しいもんじゃないと聞いた・・。
男はたまらないわね・・・。

Uさんほどの男がほれ込むのも無理ないわネ・・・」

喜美枝が肉棒を強く握り締めて、男の反応を見ています。Uは相変わらず無感動な表情を保って
います。

「姐さん、一流企業の重役夫人なのでしょう・・、姐さんがUさんに惚れて、・・と言うより、
二人は最初の出会いで互いに一目ぼれをした。

Uさんが姐さんと彼女の旦那様が通うゴルフ場へ毎週のように出かけた。
当然、姐さんもUさんを意識する。二人は互いに赤い糸で結ばれていたのネ・・・。

Uさんが『・・奥さんを下さい・・』と、ご主人に直談判した。その結果、姐さんを二人で共有
することが決まった・・。それ以来、姐さんは重役夫人と的屋親分の女房という全く相容れない
二役をこなしている」

男根を両手で弄びながら君江が話し、Uは眼を閉じて無感動な表情を保っています、・・が、由
美子と出会って以来の様々な光景がUの脳裏に浮かび上がっているはずです。


[17] 一丁目一番地の管理人(461)  鶴岡次郎 :2012/09/01 (土) 16:12 ID:shdCzF1c No.2299
「重役夫人のままであれば、そんなことは絶対なかったはずだけれど、私達の世界に入ったこと
で、姐さんは好むと好まざるに関わらず、人前でセックスをすることが普通になり、そればかり
か、他の男と寝ることが珍しいことではなくなり、今日会ったばかりの男と寝ることさえ、場合
によっては拒否できない生活を送るようになった。

この世界にどっぷり浸かっている私が言うのも変だけれど、そんなセックス環境に置かれると大
方の女は生活も化粧も、そして着る物の趣味も明らかに変化するものだけれど、姐さんはその影
響をほとんど受けていない。上流階級の奥様然とした雰囲気を変えていない。よほどしっかり
した考えが、私達にはとうてい理解できない思想が、あの人の中にあるのだと思う」

ひとしきり由美子の論評をして、君江はそこで何かを思いついたようで、Uの男根を弄っていた
手を止めて考え込んでいます。口に出して質問するかどうか、かなり迷った様子ですが、最期に
は思い切った様子で口を開いたのです。

「先代から竹内と敦子さんの面倒を見るように指示され、彼らをずっと匿(かくま)ってきまし
たが、先代は竹内さんを知っている様子ではなかった。誰かの依頼を受けて、先代が私に指示を
出した・・、私はそう推察していました。

竹内とUさんはお知り合いなのですか・・・?」

君江の顔を見ないで、Uがゆっくり首を振っています。

「そうですか・・・、Uさんでないとすると・・・、
由美子姐さんが竹内と・・・、
そうではないわネ・・・、

そうか・・・、敦子さんと由美子姐さんが知り合いなのネ・・・、
それで、姐さんが二人の保護をUさんに頼み込んだ・・・、
そうでしょう・・?」

黙ってUは天井を見上げています。否定をしないところを見ると、君江の推察は当っているよう
ですが、Uはこの話題を続けたくない意思表示をしているのです。

「判りました・・。
この話は今日限り一切忘れます・・、
主人にもこの話題は出しません。

ネッ・・、だから・・、もう一回・・・
いいでしょう・・・」

男根を握る指に力を込めています。それは半立ちのままですが、それでも並みの男が完全勃起し
た以上の威容を見せているのです。女がゆっくり上体を起こし、男の股間に頭を寄せ、男根を咥
え込んでいます。埋め込んだ真珠の玉が女の唇を歪め、男根にへばりついた粘液が君江の唇を濡
らしていました。まだまだ夜は長いのです。

男根が次第に力を取り戻した頃を狙って、君江がUの身体に跨りました。右手を器用に使って、
男根を女陰に誘導しています。

「ああ・・・、いい・・・

どうしょう・・、
Uさんの身体を独り占めしたくなっちゃた・・・
でも・・、姐さんには勝てそうもないし・・。

突いて・・、突いて・・、もっと・・・ゥ・・・」

Uが突き上げ、君江が身体を揺すり、肉体がぶつかり合う淫靡な音が部屋中に響いていました。


木の葉組の組長になった竹内は革新的な組の経営を展開し、地元は勿論、全国の仲間が注目する
ほどの成果を短期間に上げました。木の葉会の評判が広がるにつれ、その経営手法を組に取り入
れたいと願い出る組長が何人も現われました。この動きを見て、全国の組長を統括する宇田川は
竹内の協力を得て彼の経営手法を全国に展開することを考えました。

Uは頻繁に竹内を訪問し、木の葉会の経営手法をどのようにして全国展開するか話し合いました。
全国に散らばるそれぞれの組の経営内容を診断し、問題点を取り出し、その対策を考えることが
必用なのです。全国の組長を一堂に集め机上教育する程度のことではほとんど効果が出ないので
す。

Uと竹内が話し合った結果、ようやく方針が決まりました。すなわち、組長の後継者と目される
将来を託せる若手組員が決まっている場合は、その人物を木の葉会に招き、一年ほどみっちり実
地教育する。また、有望な後継者を決められない組には竹内がその組に頻繁に出かけて、組長と
組員の実地指導をすることになったのです。

組の経営診断と指導には、どうしても経理処理の専門家が必用で、君江と由美子がその候補に上
がりました。そして、竹内とUが話し合った結果、最終的に由美子に決まりました。君江でなく
由美子が選ばれたのは竹内が出張中、君江が木の葉会の組長代理を勤めるためです。

こうして、由美子と竹内は全国を旅することになるのです。いずれ二人の旅の様子は、詳細に
報告することになると思いますが、既にカラダの関係ができている二人が、性豪揃いの組長を歴
訪するのですから、鶴岡、Uそして君江にとって、気がもめる二人の同行旅となるはずです。(1)


[18] 一丁目一番地の管理人(462)  鶴岡次郎 :2012/09/03 (月) 14:30 ID:r4mPfkBI No.2300
2299(1)

土手の森公園、早朝6時、散歩道を外れた薄暗い森の中、一人の女が大木の根元でうずくまって
います。女は両手を合わせ、祈りの姿勢をとっています。女の前には自然石を刻んだ小さな石碑
が立っていて、女がお供えしたのでしょう、白い花束が置かれていました。

そう・・、ここは一年前、圧村和夫が殺害された現場なのです。女はこの森の近くに住む金倉ゆ
り子です。ゆり子は週に一度はここへ顔を出します。いつもは、家事が片付いた10時過ぎにこ
こへやってくるのですが、今日は恋人圧村和夫の一周忌ということで、彼女が圧村の死体を発見
した時間に合わせてここへやってきたのです。

死体の発見を警察に通報しなかったこと、犯人の手がかりになるハンカチを隠匿したことで、警
察からお咎めは受けましたが、金倉夫妻はそれ以上の追及を受けませんでした。たぶん、一ヶ月
遅れながら、ゆり子が出頭して事実を告白したことが犯人逮捕に繋がったことが評価されて、ゆ
り子と彼女の夫金倉武雄は罪に問われなかったのだと思われます。


ゆり子の側には少し大きくなった柴犬の健太が神妙な表情で控えています。ゆり子は長い間両手
を合わせて祈っていました。圧村とすごした数ヶ月の思い出が、まるで昨日の事のようにゆり子
のカラダに蘇っているのです。

深夜、人影が絶えた森の中で、全裸になった二人は、愛液を迸らせながら、狂ったようにこの森
で抱きあったのです。むせ返るような男の香りに包まれ、男の厚い胸に抱かれ、剛棒を深々と股
間に受け入れた感触が、その快感が、昨日のことのようにゆり子の脳裏に蘇っているのです。

「ああ・・・・、
和夫さん・・・・」

祈りの姿勢を保ったまま、ゆり子ははっきりと肉棒の圧力を肉襞に感じとっていました。そこは
溢れるほど濡れているのです。ゆっくりと右手を伸ばし、指を下着の脇から差し込み、濡れた狭
間に二本の指を挿入しました。祈りの後、石碑の前で女陰を慰めるのがゆり子の習慣になってい
るのです。


主人であるゆり子が低いうめき声を上げ、身体を揺らしているのを見守るのが、健太の役目です。
その時・・、健太が突然顔を上げました。そして唸り声で異変をゆり子に告げたのです。

慌てて股間から右手を抜き取り、ゆり子はスカートの裾を整えながら立ち上がりました。ゆり子
にもはっきりと足音が聞こえてくるのです。

あの日と同じように、土手の方向から足音は軽やかに近づいてきました。白いTシャツに、肌に
張り付いたデニムの白いパンツ姿の女性が、朝日を背後から受けながら、近づいてきます。

健太に引っ張られるようにしてゆり子は散歩道に上ってゆきました。ジョギングをしてきた女性
が突然路上に現れたゆり子を見て、びっくりして立ち止まっています。

二人は5メートルほど離れて、睨みあう形で立っていました。最初に声を出したのはゆり子でし
た。

「もしかすると・・・、
一年前、ここで死体を発見された方ではありませんか・・・」

「・・・・・」

ジョギングして来た女性がびっくりして、ゆり子を見つめています。そして、彼女はゆり子の側
に居る柴犬の健太に気がつきました。

「ああ・・・、
あの時のワンちゃんですね・・・」

一年前、森の中から出てきて、目の前を駆け抜けた柴犬をその女性、敦子は覚えていたのです。
柴犬が現われた森の中に、死体が横たわっていたのです。

「やっぱり、あの時の方・・・
私・・、この犬の飼い主です・・・。
あの時、森の中にいて、貴方を見ていたのです・・」

「エッ・・・、あの時、森の中に居たのですか・・・
では・・、あの死体を私より先に見つけていたのですか・・、
スミマセン、スミマセン・・、そんなことはありませんよネ・・・」

あの死体が竹内を恐喝した組員で、犯人は竹内が圧村に手渡した100万円を強奪した地元の大
工であることを知っている敦子は、目の前に居る上品な夫人が死体とも、犯人とも、無縁の人物
であることに気が付いて、自身の勘違いを慌てて修正しているのです。


[19] 一丁目一番地の管理人(463)  鶴岡次郎 :2012/09/06 (木) 14:49 ID:HJY5IIu6 No.2301

二人は肩を並べて河原の土手に向かって歩み始めました。ゆり子が誘ったのです。

「私、この森の近くに住んでいるのですが、
あの日、事情があって、あの時間、この森に入っていました。
そして、あなたより先に、あの死体を発見していたのです・・」

「そうでしたか・・・、
やはり、私より先に死体を発見していたのですね・・。

でも・・、どうして・・・・・」

敦子が不審そうな表情でゆり子を見つめています。ゆり子を疑っている様子ではありません。

二人は散歩道の側にあった木製のベンチに腰を下ろしました。健太はゆり子の足元に身体を伸ば
して両脚の間に頭を埋めて、眼を閉じています。

「圧村和夫さん・・、あの方の名前です。
和夫さんは私の恋人・・、不倫相手だったのです・・」

敦子を一目見て、この人なら圧村のことを話してもいいと、ゆり子は思ったようです。敦子は驚
く様子もなく、黙って耳を傾けていました。一緒にここまで歩きながら、もしかすると、森の死
体とゆり子の間に何らかの関係があるかもしれないと敦子は思い始めていたのです。そして、圧
村が暴力組織の人間であることを知っている敦子は、ゆり子と圧村の関係は秘められた関係だと
推測していたのです。それ故にこそ、死体の第一発見者でありながら、ゆり子は何も行動しな
かったのだと思っていたのです。


「彼はご存知のように普通の人でなく、組の構成員でした。
でも・・、私には優しい、頼りがいのあるすばらしい人でした・・」

「愛していらしたのですね・・・」

「ええ・・、
最初は彼の体に惹かれましたが、
半年もお付き合いを重ねていると、身も心も彼の虜になりました。

今でも、彼との思い出の中で私は生きているのです・・」

ここではじめて、ゆり子は涙を見せました。


「あの日の前夜、あの森の中でデートする約束だったのに、
彼はいくら待っても来なかった・・
私が車の中で待っている頃、彼は襲われて命を絶たれていた・・」

ゆり子はここで言葉を切り、こみ上げてくるものをじっと抑える様子を見せているのです。敦子
は黙って耳を傾けていました。

「それでも気になって、翌朝、森に入った。
そこで、彼の死体を見つけることになった・・。

彼を愛していると言いながら、不倫がバレるのが恐ろしくて、警察へ通報することが出来な
かった。そして、一ヶ月後、全てを主人に話して、警察へ出頭したのです・・・。

私はダメな女です・・・・・・」

そこに圧村が居るようにゆり子は頭を下げているのです。


「後で判ったことですが、圧村さんはあの日、街の居酒屋で取引相手に出会い、100万円を受
け取っていたのです。その光景を犯人である地元の大工をしている男に目撃されていた。そんな
ことに気がつかなかった彼は私との約束を果たすため森に入り、その油断を突かれ、後から襲わ
れ、命を落した・・・」

ゆり子の話を聞きながら、敦子は必死で平静を装っていました。

〈圧村さんと会っていた取引相手は、竹内寅之助と言って、私の情夫なの・・、
私が売春婦である秘密を竹内が握り、
夫を脅して無理やり私を手に入れ、おもちゃにしていた。

私が組織に事情を話し、竹内に秘密を握られたことを知った組織が動き、
圧村が派遣され、竹内はその脅かしに屈して100万円を支払ったのよ・・・。
そして、その100万円が原因で、圧村さんは死ぬことになった・・。

売春で散々汚れているのに、竹内に弄ばれることに耐え切れなくて、
組織に訴えた、そんなことをしなければ、圧村さんは死ぬことはなかった・・、
あなたの恋人を殺したのは、ある意味で私のせい・・・〉

敦子は心中でゆり子に真実を伝え、頭を下げていたのです。売春稼業に関係していたことは生涯
口を閉ざす覚悟を固めている敦子です。ここでもゆり子にそのことを話すつもりはないのです。
必死で平常心を保ち、ゆり子を見つめていました。


[20] 一丁目一番地の管理人(464)  鶴岡次郎 :2012/09/07 (金) 14:57 ID:BkWGozz6 No.2302
「あの人を殺したのは私だと思っています。

私と付き合うことがなかったら、この町へ来ることはなかった。
あの日、この森で私を抱く約束をしていなければ、
彼はこの森へ来る必要がなかった・・。

あの人をここへ引寄せたのは私なんです・・・。
うう・・・・・・・」

遂にゆり子はヒザの上に頭を伏せて、泣き出してしまいました。今まで、誰にも言うことが出来
なかった、心の内を、敦子に話して、ゆり子の中に封じ込められていた悲しみが迸(ほとばし)
っているのです。

「ゆり子さん・・・、
それは違う・・!
絶対、ゆり子さんのせいではない・・・」

ゆり子がびっくりして敦子を見るほど、強い口調でした。

「もし・・、無理に彼を死に誘導した真犯人を探すのなら・・・、
それは・・、その取引相手が圧村さんに差し出したお金に罪があると思います。
お金に絡んだ、人々の卑しい欲望のせいだと私は思います。
決して、ゆり子さんがデートを約束したためではない・・。

ゆり子さんと圧村さんの間で育まれた清らかな愛情は・・、
この森で展開されたお二人の愛の姿は・・、
この殺人事件とは無関係なものです・・・。

これからは、決して圧村さんを殺したなど思わないで下さい。
亡くなられた圧村さんだって、二人の愛が死の原因だとは思っていないはずです。
ゆり子さんが何時までもそんな気持でいるのを望んでいないと思います。
圧村さんと過ごした楽しい時間だけを思い出してあげてください・・」

「敦子さん・・・、
ありがとう・・、あなたに会えてよかった・・・」

敦子に心の内を告白し、圧村の死を呼び込んだのは、ゆり子のせいではないと説得され、ゆり子
は久しぶりに心の重荷を下ろした気分になっていました。

「主人が待っていますので・・、
これで・・・」

敦子はゆっくりと立ち上がりました。未だ話し足りなさそうな表情をゆり子は隠していません。

「また会えますか・・・
私はこの森の外れにある、農家に住んでいます・・」

「エエ・・、縁があればきっと、また会えますよ・・」

竹内のマンションを引き継ぎ、敦子は夫、朝森と暮らしているのです。ゆり子の自宅とは徒歩で
行き来出来る近さです。しかし、そのことをゆり子に告げるつもりはないようです。もう・・、
会うことはない・・、会うべきでないと・・、敦子は考えているのです。


[21] 一丁目一番地の管理人(465)  鶴岡次郎 :2012/09/10 (月) 15:53 ID:JZvAvPsg No.2303

敦子の態度から、これが最後の別れになるとゆり子は悟ったようで、悲しげな、縋るような視線を
敦子に投げかけているのです。

「困ったわね・・・、
そんな悲しい顔を見ると、
ゆり子さんを残して、ここを去ることが出来ない・・」

踏み出した歩を止め、ゆり子を見て、敦子をニッコリ微笑みました。そして、ゆり子の側に腰を
下したのです。今にも敦子に抱きつきかねない素振りを見せてゆり子が喜んでいます。

「主人は勿論、私も働いていますので、そんなに時間は取れないの、
10分間・・、10分だけ・・、お話しましょう・・・
それでいいですね・・・」

ゆり子がコックリ頷いています。ゆり子の方が年上なはずですが、敦子が年長者のように振舞って
います。

「ゆり子さん・・・、
私は何度か浮気をしました・・。
多分、ゆり子さんより男性経験は豊富だと思います。

私の経験から申し上げると、女は浮気と本気の区別が出来ないのです。
身体が溺れると、心までその男に捧げてしまうのです。

でも、どんなに燃えても、所詮、浮気は浮気で、結局、棄てられたり、
逆に、ひと時の熱気から冷めた女が、男の素顔に気がついて、逃げ出したりするのです」

敦子の言葉の一言も聞き逃さない気持ちを込めて、ゆり子は敦子をじっと見つめています。


「お恥ずかしい話ですが、つい先日、浮気相手と別れて、
半年振りに主人のところへ戻ってきました・・・」

ゆり子が驚いています。

「私は夫を裏切り、ある中年男と深い関係になり、その男の体に溺れ、それほど愛情を感じてい
ないその中年男と夜逃げ同然のようにして、駆け落ちしました。

不景気な今の世です、手に何の職も持たない中年男とそう若くない女の落ち着く先は限られてい
ます。この半年、私は一般社会とはかなり違う環境に身を置いてきました。

そこでは女も男も本能のまま生き、決まった相手がいても、よりいい相手をいつも求める生活を
しているのです。
女は男を側に繋ぎとめるため、考える限りの工夫をし、メスの魅力を磨くのです。男は男で、い
い女を自分のものにするため、無理を重ねるのです。

私と一緒に来た冴えない中年男でさえ、私は他の女に取られる心配をしなければいけませんでし
た。彼は彼で、私が他の男に靡かないように、毎夜、激しく愛してくれました。彼が勃起促進薬
を常用しているのを私は知っていました。

世間では一旦夫婦になれば、そこで恋愛は終わりますが、そこでは世間で言う夫婦約束は通用し
ないのです。ただ、強いメスとオスだけが生き残れる世界なのです・・・」

あまり詳しく的屋仲間のことを話すと、圧村と竹内の関係を悟られる心配もあるため、敦子は当
たり障りのない話をしたのです。


[22] 一丁目一番地の管理人(466)  鶴岡次郎 :2012/09/13 (木) 14:21 ID:39A0eYL6 No.2304

案の定、敦子の説明だけでは良く判らないようで、ゆり子はぼんやりとした表情をしていました。
もっと直接的な説明がいいと判断した敦子は話題を変えました。

「ラビアピアスってご存知ですか・・・」

「・・・・・・・」

「ご存知のようですね・・・。
女が思っている以上に男達はラビアピアスを見て喜びます。
それで、私もそれを着けることにして、
少しづつ増やして行き、いまでは6個も身に付けています。

どう・・、これだけ言えば、
私がどんな生活してきたか容易に想像していただけますね・・」


さすがに今度は良く判った様子で、ゆり子は目の前に立っている敦子の全身を舐めるように見て
います。

「嫌だ・・、ゆりこさん・・・、
そんな目つきで私を見ないで・・、
私、インラン女に見えます・・?」

「いえ・・、そうじゃないの・・、
敦子さんに最初会った時から・・、何か違うな・・と思っていた。
綺麗な人ではあるけれど、それだけではない魅力があると思っていた。
それが、何だか、いま判ったの・・・」

「・・・・・・」

今度は敦子が口を閉じる番のようで、ゆり子の次の言葉をじっと待っています。

「感じたとおり言います。
失礼なことを言うかもしれません。
その時は許してください・・。

敦子さんの魅力は女が一人で作り出したものではないと思う。
おそらくたくさんの男達が敦子さんの女を磨いたのだと思う。
元々の素地がいいところへ、たくさんの男達が彼等の精をたっぷり注ぎ込んだ、
男達の精を吸って敦子さんの女は輝きを増し、捉えどころのない魅力を発揮している・・」

ゆり子の論評に敦子は反論しません。

「女の私にさえ判る敦子さんの魅力が、男達に判らないはずがない、
ご主人は、そんな敦子さんに無条件陥落したのよ・・」

眩しそうに敦子を見つめながら、ゆり子が呟いています。

「判りません・・・、主人の本当の気持は判りません。
散々にいけないことをして、数え切れないほどの男と交わってきた私を、
主人は黙って受け入れてくれたのです。
もし、逆の立場だったら、私は決して主人を許せないと思います・・」

敦子がしんみりと話しています。

「主人が本気で私を受け入れてくれたのか、
それとも、何処へ行くことも出来ないな私を哀れんでくれたのか・・、
最初、私は自問して、その答が掴めないまま、悩みました・・。

それで、私・・・、決心したのです・・・。
こんな私でも黙って受け入れてくれる主人の気持をあれこれ詮索しないで、
彼の大きな気持に、ただ甘えることにしようと思ったのです

私の素顔のままを、主人に曝して、彼に尽くすことにしたのです。
そう決心すると、随分と、気が楽になりました・・・」

敦子の言葉にゆり子が何度も頷き、そして、遠くを見る様子を見せ、うな垂れているのです。敦
子の言葉に刺激されて、ゆり子は彼女自身の問題を考えている様子です。


[23] 一丁目一番地の管理人(467)  鶴岡次郎 :2012/09/14 (金) 16:12 ID:1.DCJ6Vc No.2305

「失礼を承知で申し上げますが・・。
ゆり子さんは圧村さんと過ごした時間が忘れられないのでしょう・・、
もっと言えば、彼のカラダが忘れられないのでしょう・・、
彼と過ごした、夢のような一時が今も、ゆり子さんのカラダを燃やすのでしょう」

ゆり子がコックリと頷き、もう・・、涙ぐんでいるのです。

「この半年、女としてこれ以上は経験できないほど、たくさんの男と接し、
私は男の素晴らしさ、セックスの素晴らしさを堪能してきました・・。

そんなだらしがない経験を積んできた私ですが、
一言、ゆり子さんに申し上げたいことがあります・・・」

ゆり子がコックリと頷いています。

「本気で溺れた男の身体を、その感触を、女は何時までも覚えているものです。
こうしていても、男たちが与えてくれた喜びが、カラダの底から湧き上がってきます。
しかし、どんなに恋焦がれても、再び、手に入れることができない男のことは出来るだけ忘れる
ことだと、私は割り切ることにしています。

圧村さんのことは忘れるのです。
貴方の体に染みこんだ彼のカラダの思い出を早く消してください。
そのためには、別の男に溺れることです。

女の体に染みた男の思い出は、男の身体でしか消せません・・
圧村さんのことは忘れて、ご主人を大切にしてあげてください。
ゆり子さんがその気になれば、ご主人が圧村さんの記憶を消してくれるはずです」

不安そうな表情でゆり子が敦子を見ています。敦子がニッコリ微笑み、次の言葉を続けました。

「彼はその道のプロだから、きっと素晴らしいセックスだったと思います。
それに比べて、ご主人とのセックスはなんとなく物足りない・・。
とても、ご主人のモノでは圧村さんの穴埋めは出来ない・・。

これがゆり子さんの本音でしょう・・・?」

敦子を見て、ゆり子が何度も、何度も頷いています。

「これから先、ゆり子さんが先生になって、圧村さんのセックスをご主人に教え込むのです。
決して、ためらってはいけません、奔放に、誰憚ることなく、思い切って淫らになって、ご主人
と絡み合うのです。

多分、最初はご主人は途惑われると思いますが、直ぐにゆり子さんの新しい魅力に降参するはず
です。

実は、私もこのやり方で、主人を降伏させたのです。
今では、主人は新しいピアスを買ってきて、
綺麗に剃り上げたアソコに、主人が着けてくれるのです。

ああ・・、大変・・、スッカリ話し込んでしまった・・。

お互い、これから永い女の一生です・・、
頑張りましょう・・・・」

最後の言葉を背中で言って、敦子は勢い良く駆け出して行きました。その背中に、ゆり子が深々
と頭を下げていました。

後日談になりますが、それ以降、ゆり子が圧村の墓を訪れる回数は激減しました。そして、圧村
の墓標の前で行っていた自慰行為は完全に影を潜めました。

気候のよい夜半過ぎ、時々、ゆり子と中年過ぎの男が、人気(ひとけ)の絶えた土手の森の公園
で全裸で絡み合うのを見ることが出来ます。勿論、ゆり子と彼女の夫です。


[24] 新スレへ移ります  鶴岡次郎 :2012/09/17 (月) 12:05 ID:5DxLFZFU No.2306
朝森敦子はおとなしく普通の主婦に戻りそうもない雰囲気ですが、彼女のエピソードはここで一
旦終わりにします。また、目覚しい展開があれば報告したいと思います。

「一丁目一番地の管理人」のエピソードを続けるか、新たな仕立てを紹介するか考え中で、勝手
ながら少し時間を下さい。                         ジロー



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・投稿文冒頭から「メールをください」等の記載がある等、明らかに募集目的のみと思われる投稿も厳禁です。(即時削除)
・ただし、レスの流れの中でメールのやり取りをするのは全く問題ありません。
・ご夫婦、カップルの方に限り、交際BBSと組み合わせてご利用いただく場合は、全く問題ありませんのでドンドンご利用ください。
・なお、交際専用BBSにスレッドを作成できるのはご夫婦、カップルの方のみですのでご注意ください。
・お手数ですが、交際専用BBSと画像掲示板とを組み合わせてご利用いただく場合は、必ずその旨を明記してください。
 【例】「交際BBS(東・西)で募集している〇〇です」、または「募集板(東・西)の No.****** で募集している〇〇です」など。
・上記のような一文を入れていただきますと、管理人が間違ってスレッドを削除してしまうことが無くなります。
・万一、上記内容に違反するような投稿をされた場合は、妻と勃起した男達の各コーナーのご利用を制限させて頂きますでご注意ください。
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