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フォレストサイドハウスの住人達(その17)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2017/02/21 (火) 16:08 ID:jVjgatjw No.2962
 国立の研究所に勤める坂上夏樹と咲江の夫婦は、結婚10年目を迎え、ある危機に来ていました。
ひょんな縁で咲江が遊び人である村上総一郎、55歳と男女の仲になったのです。村上は銀座で小規
模ながらも家具、備品などの卸会社を経営している人物で、なかなかの遊び人なのです。夫しか男を
知らなかった咲江は村上のテクと魅力にすっかり溺れこんでしまいました。二人の仲は一年余り続い
ているのです。

当然のことながら、咲江は悩みました、それでも村上から離れることができないのです。坂上と別
れ、独身である村上と暮らす道さえ考えるほどになっているのです。かろうじて咲江が坂上家に留
まっているのは、幼い二人の子供ことと、今まさに正念場に来ている夫、夏樹の研究活動を阻害した
くない気持ちがあるからなのです。

咲江の親友である、浦上千春は親しくしている由美子と愛に咲江の問題を相談したのです。坂上夏樹
にセックスの技を教え込み、彼の力で咲江を村上の色地獄から救い出す作戦を女三人は計画し、実行
に移しました。

坂上夏樹に色事を教え込む担当に千春がなりました。夏樹は素晴らしい才能と驚くほどの男根に恵ま
れていました。わずか二時間余りの訓練で夏樹はその素晴らしい能力を生かし、その道ではベテラン
である千春を十分に参らせるほどに成長したのです。

この夏樹の姿を見て、由美子たち三人の女たちは、計画の成功を予感していました。残された課題は
咲江が村上と切れることです。凄い男に変貌した夏樹に毎日抱かれていれば、早い段階で、咲江は村
上と切れるはずだと、時間の問題だと、誰もが確信できたのです。

この章では、村上の色地獄からなかなか這い出ることができない咲江と、由美子達女三人の活躍を描
きます。相変わらず、これと言って特徴のない市民たちが織り成す風景を描きます。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。
卑猥な言葉を文脈上やむを得ず使用することになりますが、伏字等で不快な思いをさせないよう注意
しますが、気を悪くされることもあると存じます。そうした時は読み流してご容赦ください。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにしま
す。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。

・〈(1)2014.5.8〉 文末にこの記事があれば、この日、この記事に1回目の手を加えたことを示
します。
・〈記事番号1779に修正を加えました。(2)2014.5.8〉 文頭にこの記事があれば、記事番号1779
 に二回目の修正を加えたことを示し、日付は最後の修正日付です。ご面倒でも当該記事を読み直し
ていただければ幸いです。


[18] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(570)  鶴岡次郎 :2017/03/30 (木) 14:43 ID:jFVnL1ko No.2979

千春の話が再開しました。由美子と愛は不安そうな表情を隠さず耳を傾けています。

突然の咲江の追及に、完全にうろたえてしまった千春は咲江の顔を直視することさえできないので
す。これでは、自ら夏樹に抱かれたことを白状しているようなものです。一方咲江は落ち着いていま
す。夫を寝取られた怒りをあらわにすることもなく、かといって皮肉を言って千春をいびる様子でも
なく、むしろ、この場の雰囲気を楽しんでいる様子なのです。そんな咲江の様子が千春をさらに不安
にさせているのです。いっそのこと、怒り狂って、千春を責め立ててくれる方が、千春は落ち着くは
ずなのです。

「どこで抱かれたの…、
お家…?
そんなことはしないわよね・・・」

咲江が少し首をひねりながら考えるふりをしています。可愛い仕草だと、自身が渦中にいるにもかか
わらず、他人事のように千春は咲江を見ているのです。衝撃的な展開で一時的に千春の思考力が停止
しているのかもしれません。

「ああ・・・、そうか…・、
判った…・
お店でしょう…、
千春の勤めるソープ店へ彼が招かれたのね…・」

「・・・・・・・」

「それにしても…、
あの人が良く・・、ソープへ行く決心をしたわね・・・、
誰が・・、どのように誘ったの・・?」

「・・・・・・・・」

笑みを浮かべて、立て続けに質問する咲江ですが、千春は何も答えることはできません。

「いいから・・・、いいから・・・、
怒らないから・・、
それどころか・・、感謝しているのだから・・・、
私たち二人の間では、秘密は持たない約束でしょう・・・」

『感謝している…』といった咲江の言葉が千春の心に響きました。千春はその言葉に賭けるつもりに
なりました。いつまでも黙っているわけには行かないと決心したのです。行くところまで行って、そ
れで判ってもらえなかったら、それはそれでいいと、千春は悲壮な決意を固めたのです。

「スミマセン…、
おっしゃる通りです。
でも・・、二度だけだから・・・
抱かれたのは…・」

「エッ・・、二度も…・、
一度目は親切心から出た行為だと思うから許せるけれど・・・、
二度目となると・・・、
それは、千春のスケベー心を満足させる行為にしか思えない・・・、
それって・・、違反でしょう…・」

「・・・・・・」

少し怒った表情を浮かべる咲江を見て、千春は不味いことを言ったと後悔しているのです、しかし、
口に出してしまった後では致し方がありません。今にも泣きだしそうな表情を浮かべています。


[19] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(571)  鶴岡次郎 :2017/04/01 (土) 16:27 ID:ecLIagok No.2980
「あっはは・・・、
冗談・・、冗談よ・・・」

「・・・・・・・」

優しい口調と、咲江の笑顔を見て、千春の瞳から涙があふれ出ています。緊張感が一気に体から抜け
出て、千春の涙腺が緩んでいるのです。

「バカね・・・、
こんなことで泣くんじゃないの…・」

「だって…、咲江たら・・・
怖い顔して睨むんだもの…、
絶交すると言われても仕方ないと覚悟決めていた・・」

「そんなこと思うはずないでしょう…。
夫婦仲を心配して、やってくれたことだと判っている・・。
一度だって、千春のことを恨んだことがない・・・。
心から、感謝している…。
ほら・・、涙を拭いて……」

ハンカチを取り出し、千春の涙を手荒くぬぐい取っています。咲江の手荒いタッチを受けながら、泣
き笑いの表情を浮かべている千春です。

「一度だけでなく・・・、
二度もやったのよ…、それでもいいの…」

「一度であっても、二度でも・・、たとえ何度でも…、
千晴への感謝の気持ちは変わらない・・。
二度も抱かれてくれたのは・・、
一度で夫が変貌できるか、心配だったのでしょう…・
それだけ千春の優しさが強いのだと思うことにする・・・」

「・・・・・・・・」

咲江の言葉を聞いて千春は少し動揺していました。

〈二度目は・・、明らかに別の意味があった・・・
咲江のためを思うなら、一度で十分だった…、
二度目は・・・、私へのご褒美だった…・
でも…、このことは咲江には絶対知られたくない…・〉

千春は自身の心の中を覗き込み気持ちになっていました。今思っても、あの時、咲江のためを思って
二度目の情交を交わしたとは、言い訳であっても、とても言えないのです。

一度抱かれて以来、思い続けていた夏樹が突然店に現れた時の喜び、その後、優しく激しく抱かれ、
ほんろうされ、一時間余り歓喜の頂上を漂い続けたのです。あれほどのセックスは千春といえども数
えるほどしかないのです。

夏樹との二度目の情交も、咲江が潔く認めてくれたことに感謝しつつ、このことは一生、心の奥にし
まい込むつもりに千春はなっていました。

「彼が大変貌した裏には、誰かトレナーが居ると感じていた。
そして、その相手は千春以外に居ないと思った…、
でも確信が持てなくて・・、
主人に確かめることも出来ないしね・・・」

「スミマセン…・」

何に謝っているのか千春自身でもわからないのですが、自然と頭を下げているのです。そんな千春を
咲江は優しく見守っています。

「さすがに、千春が教えただけあって・・・、
彼・・、本当に生まれ変わった…、
男って・・、あんなに変わるものなのね…・
千春の店に来る男の人は、皆、あんなに凄い男に変貌するの…?」

素直に、ストレートに咲江が質問しています。

「みんながそうだとは言い切れない…、
旦那様はここまで、真面目に人生を送って来たから・・、
一気に花が咲いたのよ・・・、
それにもともとその方面でも、
豊かな才能を持っていたと思う・・・・」

千春の説明に咲江も納得して、大きく頷いています。

「主人がその方面でも才能豊かだったとわかり・・、
私・・、うれしい・・・、
ところで・・、もう一つ・・、教えてほしいことがある…」

咲江が少し真面目な表情で質問してきたのです。咲江が何を言い出すのか予測できなくて、千春は緊
張して咲江の顔を見ています。本音を言えば、夏樹と寝た話題からは早く抜け出したいと千春は
思っているのです。


[20] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(572)  鶴岡次郎 :2017/04/02 (日) 14:32 ID:7nrFTXoM No.2981
「結婚前、付き合い始めたころだった…、
セックスはするのに、キッスをしないの…、
後で判ったことだけれど、
互いの体内菌が相手に感染するのを恐れていたのよ・・・
ネエ・・、変でしょう…」

「・・・・・・・」

突然、体内菌の話題を出してきた咲江が、この先何を言い出すのか判らなくて、警戒し、戸惑いの表
情を千春は見せているのです。そんな千春に全く気付かないで、咲江は構わず話をつづける様子で
す。

「彼って・・、微生物、細菌学の専門家でしょう・・、
それに、生まれついての潔癖症だから・・、
異常なほど、細菌感染を警戒するの・・」

「・・・・・」

思いもよらず細菌感染の話題が続いています。話がどこで落ち着くのか、千春は少し心配になってい
ます。それでも口を挟むつもりはない様子です。とにかくこの場は咲江に逆らわないと決めているの
です。

「そんなだから…・
私たち・・、
性器接吻なんてしたことがなかった・・」

「ああ・・、おフェラのことね…」

性器接吻の話題が出て、ようやく千春は安心しています。これで千春も話題に乗れるのです。

「私にも要求しないし・・、
一度もしてもらったことがなかった…」

「そうなんだ…」

千春は考えていました。夏樹が部屋に入ってきた時、いつもの習慣で、彼の陰茎をしゃぶり、同時に
自身の性器も男の顔の前に差し出したのです。かなり躊躇した後で、ようやく夏樹は千春の性器に口
を触れたのです。その不器用な触り方で、夏樹が性器接吻には慣れていないと思ったのです。咲江の
話から推測すると、夏樹が女のアソコに唇をつけたのは、千春が初めてだったかもしれないのです。
そう考えると、夏樹がさらにいとおしくなっている千春です。

「若い頃、研究所の仲間とバーなんかへ行くことがあったらしいのだけれど、
あのような場所の雰囲気が嫌いだったらしいの…、
暗くて・・、じめじめしていて・・、いろんな人が出入りするでしょう・・、
そう言われてみれば、細菌がうようよ居るように思えるでしょう…」

「まあ・・、確かに…、
清潔な場所とは言えないわね…
むしろ、怪しい雰囲気を出すため、
不潔感を強調しているところさえある・・・」

咲江の話を聞きながら、夏樹が初めて千春の店に来た時のことを考えていました。珍しそうに部屋の
中を、隅から隅まで見ていたのは、単に珍しいからだけでなく、不潔でないかどうかチェックしてい
たのではと思い始めているのです。

「そんな主人が良くソープへ行く決心をしたと思うの・・。
生理的に商売女を受け入れることができない人だと思っていた・・・。
ああ・・、失礼・・」

ソープ勤めをしている千春を前にして言うべきことでないと気が付いたのです。


[21] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(573)  鶴岡次郎 :2017/04/06 (木) 13:45 ID:iqvc.ohg No.2982

「いいのよ・・、そう思われて当然なのよ・・・、
日に数人、素性の判らない男の相手をするのだから・・、
ソープで働く女を不潔だと思うのを責められない…」

「ゴメンナサイ…、言い過ぎました・・」

咲江が謝っています。

少し不愛想な表情は見せているものの、それほど気分を害しているわけではありません、むしろ、こ
れで少しポイントを稼いだと千春は内心でガッツポーズを作っていたのです。夏樹に抱かれた負い目
で、ここまで咲江に押され気味で、土俵際でじっと堪えてきたのです。今のポイントで、対等は無理
でも、多少形勢を挽回し、咲江との会話で、反論することができるようになったと思っているので
す。

「私たち、これでも衛生には気を使っているのよ、週一で病院へ行き、内診と、本格的洗浄を受けて
いる。お店にはりっぱな専用の洗浄機が設置されていて、通院しない日は、お客の相手をしたその都
度、その機械を使って隅々まで洗浄している。おかげで、今まで、私は感染したことがない…」

「ずいぶん徹底してるのね‥、全然知らなかった…」

「もし・・、病気になると、もちろん商売はできない、人によっては生活そのものが破たんすること
だってある。また・・、お客が感染したと判ると、お店も強制的に休業させられるから、お店のス
タッフも、そこで働く私たちも、感染には相当気を使っている・・・」

「そうなんだ・・、
案外、私のように浮気をしている主婦が危ないかもしれないね・・・、
無防備だから感染する確率が高いかもしれない…」

咲江が故意に自身を貶める発言をしています。どうやら、先ほどの『夫は・・、商売女を相手にしな
いはず・・』と、千春を差別視した発言で、咲江自身がかなり落ち込んでいるのです。それでなんと
か、千春のご機嫌を取り戻したいと思っているのです。

一方千春は、咲江の発言で少しも傷ついていないのです、しかし、あえて咲江にそのことを伝えない
のです。

「咲江の抱いている疑問とはそのことなのね・・・、、
何故・・、夏樹さんが不潔なソープへ行く気なったか・・、
何が、彼の背中を押したのか…
それが疑問なのね・・・」

「うん・・・」

咲江が頷いています。そして突然、あるひらめきが浮かんだようで、顔を上げ、千春をまっすぐに見
て、口を開きました。

「判った…、
もしかして、千春がそこで働いている事実を知っていたのかしら…、
それなら、彼が無理してソープへ行く理由がある…」

聞きようによっては微妙な発言ですが、咲江自身はそのことに気が付かないで思いついたままを口に
出した様子です。

「それはない・・・、
お店で会った時、彼・・、凄くびっくりしていたから・・、
私がそこで働いているのを、事前に知っていたとは思えない…」

「そう…・・」

咲江の言葉をあっさり否定する千春の顔を見ながら、咲江が頷いています。


[22] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(574)  鶴岡次郎 :2017/04/07 (金) 13:02 ID:cOL.oQ1o No.2983
「なぜ・・、旦那様がソープへ行ったのか・・、
その訳が知りたいのね…」

「うん・・、
千春にはその理由が判るの…・?」

不安そうな表情を浮かべて咲江が質問しています。

「うん・・、何となくね・・・、
当たっているかどうかわからないけれど、
以前から少し気になっていることがあって…、
そのことが原因かな…と、思っている…」

「聞かせて・・」

「失礼なことを言うけれど、いい・・・?」

「うん…」

「咲江が旦那様とのセックスに不満を持っているのを・・、
ずっと聞かされてきたでしょう…、
その話を聞いていて・・、
私・・、今までは、何も言わなかったけれど・・、
ずっと・・、心配していることがあった…」

「・・・・・・・」

「私・・・、思うんだけれど…、
咲江とのセックスで・・、
彼…・、
何か異変を感じるとっているのだと思う…」

「・・・・・・」

千春に言われて、咲江の胸中がざわついています。思い当たることがある様子です。

「以前と比べて・・、
そう・・、村上さんと知り合う前と比較して・・・、
咲江の態度に変化が出ているのを、彼が察知したのよ…・」

「・・・・・・」

「勿論、咲江の浮気に気づいているとは考えにくい…、
でも・・、ちょっとした咲江の態度から、
彼なりに、咲江の変化を察知しているのだと思う。
特にセックスの時、
以前と違う反応を見せる咲江の変化に気が付いているのだと思う・・」

「そう言われれば…、
私・・、時々、夜の誘いを拒否したこともあったし…、
終わった後、彼に背を向けて、そそくさと寝てしまうことが多かった…」

「そうだったの…」

内心の不安が当たり、千春はやはりそうだったかと・・、落胆していました。千春ほどのベテランに
なるとその気になれば、完璧に浮気を隠し通すことができるのです。咲江のような態度をとれば、夏
樹でなくても、誰だって、妻の浮気、もしくは異常を感知するものなのです。もっと早くその危険に
気づき、咲江にアドバイスしておけば良かったと千春は後悔しているのです。

「私…、千春に言われて・・・、
今・・、重大なことに気づいている…。
多分・・、彼・・、
私が満足していないことに気が付いていると思う・・。
彼を裏切っていながら、彼の男をも否定する言動をとっていたのね・・・、
私・・、人妻の風上に置けない罪を犯してしまったのね・・」

村上を知ってから、夏樹とのセックスで感じなくなっていたことは事実で、その気持ちが態度に出て
いたことに咲江は今更ながら気が付いたのです。その意図がなかったとしても、夏樹の男を否定する
仕打ちを犯してしまったことに咲江は気が付いているのです。今にも泣きだしそう表情です。


[23] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(575)  鶴岡次郎 :2017/04/11 (火) 14:47 ID:KDMvOYwk No.2984

「もう少し、旦那様の気持ちを考えるべきだった・・、
何不自由なく暮らしていて、浮気までしているのだから・・・、
少なくとも、旦那様に感謝する気持ちを失ってはいけなかった・・」

「・・・・・・」

千春の厳しい言葉にさつきはうなだれています。

「今回のことでは私にも大きな責任がある・・・
浮気をする妻の心理に精通しているはずの私が…、
咲江に何もアドバイスしなかった…
今・・、思うと・・、
私・・、何をやっていたのだろうと思う…・
その意味では、私も同罪だと思う…・」

「ううん・・、千春は何も悪くない…、
私が悪いのよ・・・・,バカだね・・」

咲江はもちろん、千春も気落ちした表情を浮かべています。

「でも・・、
私たちの失敗を夏樹さんが救ってくれたのよ…
疑り深い旦那様だったら・・、
咲江の家は、そのまま破局に向かっていた…」

「エッ・・・・・・・
彼が救ってくれたの…?」

意外なことを聞くという表情で咲江が千春を見ています。

「判らない・・?
夏樹さんは素晴らしい判断を下したのよ・・、
咲江が夫婦のセックスに満足していないのを察知して・・、
その原因はすべて彼自身にあると・・・、
夏樹さんは考えたのよ・・」

「・・・・・・・」

この時点でも咲江は千春が言おうとしている内容が読み切れない様子です。

「私を抱いた時・・、酷く乱れる私を見て・・、
ゴメンナサイね・・、
このことを言わないと話の筋が通らないから、我慢して・・・、

私がひどく乱れるのを目の当たりにして・・、
彼はこう言ったの…・」

「・・・・・・・・」

夏樹が千春を抱いた話など、聞きたくないはずですが、咲江は真剣な表情です。

「『千春さんがセックスを大いに楽しむのを見て・・・、
咲江にはこの喜びを与えることが出来ていないと・・・、
今更ながら、気が付いています‥。
もし・・、咲江が欲求不満で浮気に走ったとしても・・、
それはすべて自分の責任です‥』と・・・、
夏樹さんは私にそう言った…」

「そんなことまで言っていたの…」

「うん・・、
もちろん・・、直ぐに、私は咲江の浮気は否定した・・・。
彼も信じたと思う…」

「そう…・」

唇をかみしめて、咲江はじっと涙を抑えています。


[24] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(576)  鶴岡次郎 :2017/04/12 (水) 14:55 ID:R1TkRx02 No.2985

千春の語る夫、夏樹の気持ちを知るにつけ、咲江は自身の至らなさをひしひしと感じていたのです。

「咲江が夫婦生活に満足していないことを感じ取った旦那様は・・、
咲江を喜ばせるため・・、セックスの技を学びたいと思った…、
でも・・・、
今まで無縁の世界のことだから、手の打ちようが判らない・・・、
そんな時、公園で家の旦那に出会った・・・・」

「ああ‥
そうだったの・・、
千春の旦那様も一枚噛んでくれていたのか…・」

「うん・・、こうなったら何もかも言ってしまうけれど…、
公園での出会いはすべて私が仕組んだものだった…」

「へエ・・、そうなの・・、千春は策士ね…」

「策士はないでしょう…、
これでも、咲江のため、一生懸命考えたのだから・・」

「ゴメンナサイ…」

「ふふ・・、いいのよ・・
私も十分楽しんだのだから…」

「そうだといいのだけれど・・、
私・・、どこか鈍いところがあるのよね・・
旦那の悩みも、千春の心配りにも・・・、
何も気が付かないで、気楽に過ごしている…・」

咲江が落ち込んだ様子を見せています。それを無視して千春が話をつづけました。

「毎回のように咲江から聞かされるあなた方の夫婦仲は・・・、
確実に悪い方向に向かっている、
ここで止めないと、とんでもないことになる・・、
私はそう考えた・・」

「・・・・」

咲江が悲しそうな表情を浮かべています。

「咲江の浮気を強引に封じることも考えたけれど・・、
村上さんと強引に別れさせるのはかなり危険だし、
円満に別れさせるため、
これという手段も考えつかなかった・・」

「・・・・・・」

「結局、私の体を投げだして、旦那様に使っていただくことを考えた。
セックスに関することなら、人並み以上の知恵が私にはあるからね・・、
それで・・、その知恵を利用しようと考えたわけなの…」

「感謝します…」

旦那と親友が抱き合う話ですが、あくまでも咲江は低姿勢です。


[25] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(577)  鶴岡次郎 :2017/04/17 (月) 13:51 ID:Y4lpNYSE No.2988

「うちの旦那に相談して、彼をソープへ誘うように、私から頼み込んだの…、
時には、羽を延ばすもいいのではと・・、
家の旦那が男同士の会話を交わし、説得したのよ・・・」

「旦那様にまで迷惑をかけたのね…
それにしても、千春の旦那様は偉いね・・・、
妻がソープで働くことを認めているだけでもすごいけれど、
妻の店へ知人を送り込む、その手助けまでするんだから・・・、
ところで、家の人がソープ行を拒むことは考えなかったの…?」

「正直言って・・、
100%の勝算は私にはなかった・・。
旦那様が断ったら・・、
その時は・・・、別の手段を考えるつもりだった…」

「別の手段ね・・・・・・・・」

千春の口ぶりでは、夏樹がソープ行を拒んだら、別の方法を考え、とにかく、最終的には夏樹に抱か
れる計画を貫くつもりだったようです。夏樹に抱かれるため、他にどのような手段を千春は考えてい
たのだろうと、少し冷めた頭の中で、咲江はぼんやりと考えていました。しかし、すぐに首を
振って、そのことを忘れようとしています。

「タイミングが良かったというべきなんでしょうね・・、
あの時はそこまで気が付かなかったけれど・・・、
彼は大きな悩みを抱えていた…、
自身のセックス能力が不十分で、咲江を十分満足させていないことに気が付き、
その解決のため、セックスの修行場を求めていた・・・と、推測できるよね・・」

「そうだね…、間違いない…・
バカな私は・・、彼が悩んでいるなんて、気が付いていなかったけれどね…」

「だとすると…
家の旦那のソープへの誘いは、渡りに船だったと思う…、
最愛の妻のため・・、夫婦の危機を救うため・・、
女を知る冒険、武者修行に彼は出る決心をしたのよ・・・。
私は、夏樹さんがソープ行を決めた理由を、こう推測するけれど…、
どう・・、当たっていると思わない…・・」

「うん…、間違いない・・・、
千春の言う通りだと思う…・、
私…、そんなことにも気が付かなかったなんて…、
酷い女なんだね…
彼の苦悩も、大きな思いやりも・・、何も知らないで・・・
私一人が悩みを抱えていると思っていた…、
バカな女だね…・、本当にバカだよ……」

咲江が項垂れています。

妻がセックスに満足していないのは自分のテクが拙いことが原因だと夏樹は判断し、それまでは到底
受け入れることができなかったソープ通いを敢然と受け入れたのです。そんな夫の苦悩も、献身的な
努力も知らないで、愛人と情を交わしているわが身を顧みて、咲江は狂いだしたくなるほどの罪悪
感、自己嫌悪感に取り込まれていたのです。

「咲江…、
そんなに落ち込むことはない…
自慢じゃないけれど・・、
私なんかそんな間違いを何度も犯している・・、
結果として・・、夏樹さんは生まれ変わったのだから・・・、
これでいいのだと考えよう・・、思い悩んでも何も生まれない…
過去のことは忘れて、これから先のことを考えよう…」

「・・・・・・・」

明るい声で千春が励ましています。咲江はじっと首を垂れ、何かを考えている様子です。そんな咲江
を千春はじっと見守っていました。静かな時間が流れています。

ようやく咲江が、顔を上げ、涙をぬぐい、千春の顔をまっすぐに見て、微笑んでいます。何かを、何
処かで、割り切ったのでしょう、いつもの咲江に戻った様子です。


[26] お願い  鶴岡次郎 :2017/04/17 (月) 14:03 ID:Y4lpNYSE No.2989
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ださい。重ねてお願い申します。過去ログを読んだ感想をいただくのも、もちろん大歓迎です。この
場合も、上記読者専用スレにご投稿ください。よろしくお願い申します。


[27] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(578)  鶴岡次郎 :2017/04/18 (火) 15:56 ID:2CE7vSYE No.2992

少し淫蕩な表情を浮かべ、低い声で咲江が質問してきました。

「ネエ・・、
家の主人に悪いこと教えたでしょう…」

咲江の雰囲気が変わったことを千春は敏感に察知していました。この分では、いつもと同じように付
き合えばいいと千春はとっさに判断したのです。

「エッ…、何・・、
私・・、何も悪いこと教えていないよ…」

「そうかな‥、
主人に何を教えたか・・、思い出しなさい・・、
正直に言うのよ…」

「隠すことは何もない・・
ただ・・、女の体の仕組みについて、
手を取り、脚を取り、アレも握って、丁寧に教えた・・・、
どうすれば・・、どこを触れば・・、
女が喜ぶか、少し教えただけだよ…・、それだけだよ・・・・」

咲江の砕けた調子に合わせるように、故意に卑猥な言葉を多用して千春は答えています。

「やり過ぎたのよ・・・、
あんなに潔癖症だった彼が…、
私の全身を舐めるようになったのよ・・・、
汚れているはずのアソコだって、いつまでも舐めているのよ・・・、
その上・・、私にも・・、アレを咥えろというのよ…」

「ヘエ・・、
そのどこが悪いことなの…、
みんなやっていることだよ・・・、
基本の、基本だよ…・、ふふ・・・・・
咲江だって、本音は喜んでやっているでしょう…・」

「そりゃ…、そうだけれど…
私でなくて、千春が夫に教えたことが憎い・・・、
でも・・、千春には感謝しなくてはね・・・」

「そうだよ・・、大いに感謝してほしい・・、
これでも、何かと苦労したのだから…・」

「どこが苦労なの…、
良く言うわね・・、ふふ…」

陽気な咲江が戻ってきた様子です。これなら大丈夫だと、千春は喜んでいました。

「ネエ…、
これは本音で確かめたいことなんだけれど…」

「何…・?」

「何って・・、
そんなに見つめないで・・、なんだか恥ずかしいわね・・・、
でも・・、思い切って聞くわ…、
あの時・・、セックスの時・・、
おしっこを掛けるのは普通のことなの…?」

かなり真剣な表情で咲江が問いかけています。あまりにまじめな咲江の表情を見て、吹き出しそうに
なるのを千春は必死で抑えています。



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・ご夫婦、カップルの方に限り、交際BBSと組み合わせてご利用いただく場合は、全く問題ありませんのでドンドンご利用ください。
・なお、交際専用BBSにスレッドを作成できるのはご夫婦、カップルの方のみですのでご注意ください。
・お手数ですが、交際専用BBSと画像掲示板とを組み合わせてご利用いただく場合は、必ずその旨を明記してください。
 【例】「交際BBS(東・西)で募集している〇〇です」、または「募集板(東・西)の No.****** で募集している〇〇です」など。
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