掲示板に戻る /戻る /全部 /1- /最新10 /▼ラスト

フォレストサイドハウスの住人達(その17)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2017/02/21 (火) 16:08 ID:jVjgatjw No.2962
 国立の研究所に勤める坂上夏樹と咲江の夫婦は、結婚10年目を迎え、ある危機に来ていました。
ひょんな縁で咲江が遊び人である村上総一郎、55歳と男女の仲になったのです。村上は銀座で小規
模ながらも家具、備品などの卸会社を経営している人物で、なかなかの遊び人なのです。夫しか男を
知らなかった咲江は村上のテクと魅力にすっかり溺れこんでしまいました。二人の仲は一年余り続い
ているのです。

当然のことながら、咲江は悩みました、それでも村上から離れることができないのです。坂上と別
れ、独身である村上と暮らす道さえ考えるほどになっているのです。かろうじて咲江が坂上家に留
まっているのは、幼い二人の子供ことと、今まさに正念場に来ている夫、夏樹の研究活動を阻害した
くない気持ちがあるからなのです。

咲江の親友である、浦上千春は親しくしている由美子と愛に咲江の問題を相談したのです。坂上夏樹
にセックスの技を教え込み、彼の力で咲江を村上の色地獄から救い出す作戦を女三人は計画し、実行
に移しました。

坂上夏樹に色事を教え込む担当に千春がなりました。夏樹は素晴らしい才能と驚くほどの男根に恵ま
れていました。わずか二時間余りの訓練で夏樹はその素晴らしい能力を生かし、その道ではベテラン
である千春を十分に参らせるほどに成長したのです。

この夏樹の姿を見て、由美子たち三人の女たちは、計画の成功を予感していました。残された課題は
咲江が村上と切れることです。凄い男に変貌した夏樹に毎日抱かれていれば、早い段階で、咲江は村
上と切れるはずだと、時間の問題だと、誰もが確信できたのです。

この章では、村上の色地獄からなかなか這い出ることができない咲江と、由美子達女三人の活躍を描
きます。相変わらず、これと言って特徴のない市民たちが織り成す風景を描きます。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。
卑猥な言葉を文脈上やむを得ず使用することになりますが、伏字等で不快な思いをさせないよう注意
しますが、気を悪くされることもあると存じます。そうした時は読み流してご容赦ください。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにしま
す。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。

・〈(1)2014.5.8〉 文末にこの記事があれば、この日、この記事に1回目の手を加えたことを示
します。
・〈記事番号1779に修正を加えました。(2)2014.5.8〉 文頭にこの記事があれば、記事番号1779
 に二回目の修正を加えたことを示し、日付は最後の修正日付です。ご面倒でも当該記事を読み直し
ていただければ幸いです。


[2] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(554)  鶴岡次郎 :2017/02/21 (火) 16:22 ID:jVjgatjw No.2963

そして・・、別れ・・、

ソープ店で千春が坂上夏樹に抱かれてから三ケ月が経ちました。その間、由美子、愛、千春の三人は
週に二度ほど愛の店に集まり、たわいない会話を交換して、楽しい時間を過ごしていました。三人の
間で咲江夫妻が話題に上ることはありませんでした。毎日、咲江と千春は会っているはずですが、特
に大きな変化がなかったのだと思います。そうしたこともあって由美子と愛も、咲江夫妻のことはい
つの間にか忘れていました。

千春は相変わらずソープ勤めをしています。週に二度ほど、午後一時頃から夕方の5時過ぎまで勤め
るのです。小2の長男と幼稚園に通う長女が居るのですが、千春が出勤する日、スクールバス停での
出迎えを含めた子供達の世話はお隣に住む佐原幸恵の仕事です。幸恵も千春と同じソープ店に勤める
身ですが、千春と話し合って、二人の出勤日が重ならないように調整しているのです。

今日は千春の出勤日です。午後一時頃から二時間、おなじみさんの原信夫、65歳の指名がありまし
た。今日は原以外の指名はないようで、あとはフリーの客を待つのです。昼間の時間帯ですから、日
によってはお客が一名で終わることも珍しくなく、暮らしに困ってソープ勤めをしているわけではな
いので、お客が少なくても千春は気にしていません。むしろ、相手する客が少ない方が、体が楽で、
男を十分楽しめるので、千春にとってはありがたいのです。

時間を延長して二時間余り千春をもてあそんだ原信夫は、都内で骨董店を経営している男で、20年
ほど前に妻を亡くして、それ以来独身を貫いています。千春が気に入り、月に三度ほどやってきて、
千春の体を思う存分なぶるのです。

「好き勝手に生きてきた…、
商売への興味も、昔ほどでなくなった・・・
残る楽しみは千春を抱くことだけだ…・」

そう公言して憚らないのです。

丁寧に千春の全身を舐めまわし、様々な道具を使うのです。その行為だけで、何度も千春を逝かせる
のです。時として完全勃起しないことも珍しくなく、そんな時は、千春の口だけで終わることもあり
ます。それでも、千春にとっては大切な固定客ですし、変態的な行為を好む原をどちらかといえば千
春は好きなのです。

原を送り出し、シャワーを丁寧に使って、汚れた体を隅々まできれいに洗い清めて、新しいガウンと
下着に着替えて、千春は次の客を待つ準備を完了しました。

原に散々いじられ、くすぶり続けた千春の体は、思い切り攻めてくる屈強な男を欲しがってふつふつ
と悶えていました。奇麗に清めたはずの股間がなぜか濡れてきているのです。どうやら千春が一番萌
える女の周期が訪れている様子です。

「千春さん・・・、
ご指名が入りました…、ご案内します…」

待つ間もなく、インターホン連絡が入りました。鏡を覗き、髪形にチェックを入れ、ガウンの乱れを
さらに強調して乳房の全部が見えるようにしました。そして、少し考えて、ショーツを脱ぎ去りまし
た。本番OKのサインです。

「お帰りなさい…」

形通り、片膝をマットに付いて、千春は深々と頭を下げています。ドアーを開けて入ってきた男に
は、きれいに手入れされた千春の黒々とした股間、そして豊かな双丘が見えているはずです。

男から喜びと驚きの声が上がり、場合によっては飛びついてきて、女の体にむしゃぶりつくはずです
が…、男は静かにドアーを後ろ手で閉め、その場に立ち尽くし、千春をじっと見ているのです。案外
初心なお客だと千春は感じ取っていました。

視線をゆっくり起こし、満面の笑みを浮かべて千春は男の顔を真正面から見ました。笑みが崩れ、驚
きの表情に変わっています。


[3] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(555)  鶴岡次郎 :2017/02/23 (木) 16:01 ID:elqQK3oU No.2964
「夏樹さん‥…」

「お久しぶりです…、千春さん‥…」

坂上夏樹が三ヶ月ぶりに帰ってきたのです。

女がゆっくりと立ち上がりました。キラキラと目が輝き、じっと男を見つめています。ガウンの前が
開き、白く光る双丘も、股間の暗い影も露出しています。男は笑みを浮かべ千春を見つめています。
千春の瞳に涙があふれ出て、頬に光る筋を作り出しています。

「どうしたの…、
こんな所へ来てはダメでしょう…」

女の質問に答えないで、男はただ笑っています。

「咲江に知られたら大変よ…、
私…、知らないからね…・、
どうなっても・・・・・」

「・・・・・・・・」

由美子と愛には夏樹のことは忘れると約束したのですが、実を言えば、どうしても忘れることができ
なかったのです。自宅にいる時はそれほどでないのですが、店に出ると、その部屋で抱かれた情景、
特に彼の太いモノや、やさしさを思い出すのです。堪らなくなり太いデルドーを股間に差し込むこと
もあるのです。

夢にまで見たその夏樹が目の前に笑みを浮かべて立っているのです。

ゆっくりと男に近づきました。手を伸ばし男の顔に触れています。そして、勢いよく両手を男の首に
かけ、女は男に飛びつきました。目には涙があふれています。勿論、男はガウン一枚です、女は素早
く男の股間に手を伸ばしています。

「ああ…、これ・・、これよ・・・、
このチ○ポがほしかった…・、
ほしかった…、待っていた…・」

右手で男根を握り、左手で男の首にぶら下がりながら、女は男の唇に吸い付いています。激しい吸引
音が室内に響いています。

「入れて・・・、お願い…」

すすり泣きながら、女が悶えています。あふれ出た愛液が大腿部を伝わり、床に滴り落ちています。

男の指が女の股間をとらえ、ゆっくりと、しかし、確実に急所を押え、責めているのです。女は左脚
を男の腰に絡め、濡れそぼった股間を男の腰に押し付け、右手で男根の先端を女陰に押し付けていま
す。

男は女を抱きあげ、ゆっくりとひざを折って、女をマット上に寝かせました。女はもう・・、狂った
ように声高に、挿入をせがんで、背をマットに付けて、両脚をこれ以上は無理と思えるまでに広げて
います。

男は黙って腰を前に押し出しました。極太のモノが破裂音を伴いながら女の中に埋没しています。
狂ったように女は泣き叫んでいます、男は冷静に腰を押し込んでいます。激しい戦いが始まりまし
た。ドアーの外へ、千春の甲高い悲鳴が響いています。


[4] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(556)  鶴岡次郎 :2017/02/24 (金) 16:11 ID:0xQ/4Vt6 No.2965

その日、千春はいつもよりかなり早めに愛の店にやって来ました。愛が驚いた表情で千春を迎えまし
た。やがて由美子もやってきて、いつもの顔が揃いました。その時を待っていたのでしょう、千春が
真っ先に口を開きました。

「お知らせしたいことがあるの…
彼が・・、
突然、やってきました…」

「エッ・・、彼がって…・?
彼って…、誰…、
そして・・、どこへやって来たの・・・?」

開口一番の千春の言葉が中途半端だったせいで、愛が質問しています。

「ああ…、すみません、
昨日のことなんですが・・、
まだ・・、興奮が治まらなくて…・、
まさか再び現れるとは思ってもいなかったのですが・・・
夏樹さんが私の店にやってきたのです…・・」

「ああ・・、夏樹さんね・・・、
咲江さんの旦那様ことね・・・、
千春さんが一度・・、
ああ…、失礼・・、変なこと言いました…」

失言しそうになって、愛が言葉を飲んでいます。

「ハイ・・、そうです…、
私がソープで一度抱かれた男です・・、
親友、咲江の旦那様です…・
その彼が・・、
昨日、私の出勤日を狙って訪ねてきたのです…」

笑いだしてもいい愛の失言なのですが、生真面目に千春が答えています。その真剣な表情を見て、由
美子がいぶかしげな表情をしています。何が起きたのか、そこまでは由美子には判らない様子です
が、この様子では夏樹の来店はかなり千春の心を乱したはずだと由美子は受け止めていたのです。

「彼・・・、その夏樹さんが、何故・・・、
千春さんのお店に来たの…?」

愛が質問しています。

「何故って…、
男がソープへ行く理由は一つでしょう・・」

あきれた表情で由美子が答えています。

「エッ・・・、そうなの・・・、
彼・・、もう一度、千春さんを抱きに来たの・・・?」

「・・・・・・」

愛の質問に、千春も、由美子も笑うだけで、真面目に答えません。

「そうなんだ…・、嫌だね・・、男って…、
男って信用できない動物だね・・・、
あの真面目一方の夏樹さんも、普通の男だったというわけね…
千春さんの味が忘れられなかったのね…」

愛が大げさに嘆いています、由美子と、千春が笑っています。

「三ヶ月間、奥様一筋で頑張ってきた…、
ところが・・・、彼も普通の男と同じように、
浮気の虫がうずいて・・・、我慢できなくて…、
千春さんの店へ、お忍びでやった来たのね・・・」

「私もそう思いました…、
でも・・、そうじゃなかったのです…」

「そうじゃないって…、
どういうこと…?
千春さんを抱きに来たのでしょう…・
男って…、
いい思いをした女は絶対忘れないって言うじゃない…」

愛が畳みかけるように問いかけています。


[5] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(557)  鶴岡次郎 :2017/02/27 (月) 17:01 ID:O2OQhYkA No.2966
「私に会いに来てくれたのは、
間違いないと思います…、
でも・・、
私が欲しくて来たわけではなかったのです・・」

「エッ・・・、
女を抱くためでないとすると・・・、
他にどんな目的があるの…
あなた・・、彼と…
やったのでしょう…」

「はい・・、やりました・・・」

「でしょう…、
やはり抱かれたのでしょう…、
何が違うの…?」

「後で判ったのですが…
私を抱くのが主目的でなかった…、
別れの挨拶を言うために、
お店に来てくれたのです…」

「エッ・・・、
別れの挨拶…、
判らない・・、
詳しく説明して・・」

話の筋が追えなくなって、愛がギブアップしています。一方おとなしく二人の会話を聞いていた由美
子は軽く頷いています。どうやら由美子には千春の話の筋が読めている様子です。

「彼・・、
あの日以来、ソープ通いに明け暮れていたらしいの…
この三ヶ月で、数十人の女を抱いたらしい…・」

「エッ・・、エッ・・・・、
数十人も…・、
それって…、一体…・
何が・・、彼に起きたの…・・?」

愛が質問しています。

「やっぱりね・・・、
私が心配した通りだった…・」

それまで千春と愛の会話をおとなしく聞いていた由美子が口を挟んできました。

「坂上さんはね・・・、
千春さんを抱いたことで、目覚めたのよ、
男の性に火が点いたのだと思う…・」

「・・・・・・」

愛がじっと由美子を見つめています。由美子が何を語りだすのか、愛には見当もつかない様子です、
千春はゆっくり頷いています。

「抑えきれない欲望に支配されて、女漁りを始めたのよ…。
手あたり次第、女を抱いたとおもう・・
大切な研究活動より、女を優先したと思う・・・

もともと、体力もあり・・、
イケメンだと聞いているし…、
そして凄いモノを持っているから・・・
抱いた女すべてが・・、おそらく彼に、深々とひれ伏したと思う…・、

そうなると・・・、男は天下を取った気になるわね…・、
ソープ通いが楽しくて、楽しくて、堪らないのだと思う…、
毎日のように、体力の続く限り、女遊びを続けたとしてもおかしくない…・」

「・・・・・・・・」

夏樹の動きを直接見てきたように、由美子が断定的に解説しています。意外なことを聞かされたとい
う表情を浮かべ愛が由美子の顔を見ています。千春はやや興奮気味の表情を浮かべ、何度も頷いてい
ます。


[6] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(558)  鶴岡次郎 :2017/02/28 (火) 17:09 ID:IX7.NWv2 No.2967

「凄い…・、
由美子さんの言う通りよ・・・。
私は・、彼から聞かされて初めてそのことを知ったのよ・・・
どうして由美子さんにはそのことが判るのですか…・・」

驚いた表情で千春が由美子の顔を見ています。

「それほど褒められることではない…、
これでもあなたよりは、経験を積んでいて…、
いくらか男を知っているからよ・・・、
実は・・、計画段階から、
夏樹さんがこうなる不安は感じていた…、
その心配が現実になったわけだね…・」

ここで言葉を切り由美子は視線を宙に遊ばせています。咲江を助けるためとはいえ、夏樹に女遊びの
面白さを教えるわけですから、夏樹がその遊びに溺れこんで、坂上家に新たな家庭不安をもたらすこ
とになりかねないと、由美子は心配していたのです。

「女の魅力を全て兼ね備えた千春さんを抱いたことで、
彼は・・、
本当の女の味を・・、女性の良さを・・、
知ってしまった・・・」

「その結果…、
彼は三ヶ月で数十人の女を抱くことになった…
なんだか、凄いことになったね…・」

愛が言葉を挟んでいます。

「うん・・
千春さんを抱いたことで・・・
彼のセックスに関する人生観が・・・、
いえ・・、男として、その人生観が大きく変わったと思う・・。
今まで、研究一筋だった人生に、少し疑問を持つようになったかもしれない・・」

「・・・・・・・」

由美子の言葉に二人の女は黙って頷いています。

「彼・・、研究熱心だからね・・・。
この三ヶ月間・・・、
女のこと以外に頭が回らなくなってしまったと思う…

この現象は彼に限ったことでない・・、
誰しも・・、男でも、女でも…、
このことからは逃げられないのよ・・・、
神が授けてくれた人の性がなせる結果なのだと思う・・・」

男でも、女でも、性に目覚め、異性の体の良さを味わうと、一時的精神錯乱状態に陥り、ひたすら異
性を求める行動に走るものだと由美子は解説しているのです。千春と愛が頷いています。


[7] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(559)  鶴岡次郎 :2017/03/02 (木) 15:22 ID:7nrFTXoM No.2968

「由美子さんの言う通りです。
彼から聞き出した話だけれど・・、

私を抱いた後…、
彼・・、一気に目覚めたらしいの・・。
・・と言うか・・、
本人の言う通り、狂ってしまったのです・・」

「当の本人が異常だと思うほど、
女遊びにのめり込んでいるんだね…・」

「はい・・、そうだと思います…。
それまで抑えていた男の欲望が爆発したのです・・・。
どのようにして時間を作り出しのか判りませんが、
それまでの遅れを取り戻すように、
毎日のようにいろんなソープ店に顔を出したのです・・・・」

「あら、あら・・・」

愛がただ、ただ・・、びっくりしています。

「仕事の関係もあり、決まった時間を選ぶことはできないけれど、
昼間、研究の合間のわずかな時間を割いて近くのソープ店へ行ったり、
深夜近く、研究が一段落した後、
そんな時間でも営業をしている店を探し出したりして、
本当に涙ぐましい努力を重ねて遊びつづけたのよ・・」

「・・・・・・」

愛は言葉を失い千春の説明を聞いています。

「今、聞いた様子ではすっかり溺れきっているようだけれど・・・、
心配ね・・・、
咲江さん夫婦の仲に、このことが原因で亀裂が入らなければいいけれど…」

由美子が恐れていたことは、これだったのだと、愛はようやく理解しているのです。人助けだと
思って積極的に関与してきた行為が、咲江の家庭を破壊させることになりそうなのです。愛は困惑し
ていました。

「私の店へも十数回は来ていて、
さすがに私を指名するわけにはいかなくて、
私以外の人を指名していたらしいの・・、

来店の頻度が高いし、それに・・・、凄い性的能力があるから、
彼は短期間でお店の有名人になっていた…。
おそらく、近隣の業界でも、彼は有名人になっていると思います。
知らなかったのは私だけという状態だった…・」

「40過ぎてから目覚めた道楽は止まらないと昔から言うからね・・・、
大変なことになったね・・」

心配そうに愛が言っています。由美子も頷いています。このことに関しては、さすがの由美子も手の
打ちようがない様子です。

「夏樹さんのことだから、いずれ遊びを打ち切るでしょう…、
それまでは・・、私たちは何もできないね・・・、
しばらく、様子を見ることにしよう…・」

愛が提案しています。

「ハイ・・、それでいいと思います…。
夏樹さんなら…、大丈夫だと思います・・・
現に・・・、彼も…、いえ・・・、いいんです…・」

愛の言葉に千春が何事か言いそうになりましたが、言葉を飲んでいます。夏樹のことになると千春の
気持ちはかなり揺れ動く様子で、素直に言葉が出ない様子です。


[8] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(560)  鶴岡次郎 :2017/03/06 (月) 14:33 ID:iqvc.ohg No.2969

「千春さん・・、
あなたの気持ちは落ち着いているの…、
夏樹さんのことが、随分と気にいった様子だった…
あまりに入れ込んでいるから、少し心配したのよ・・」

笑いながら、先ほどから気になっていることを愛が口に出しました。どうやら、夏樹へ傾いている千
春の気持ちが心配な様子です。

「ハイ…、
私って・・、男性に溺れ易いのです・・・、
男性の良いところを見つけると・・、
直ぐにほれ込むのです・・」

「はは・・・、
そんなことを言えば全女性、皆そうだよ…
皆、そんな気持ちを抑えて生きているんだよ・・・、
そうはといっても、親友の旦那様だからね・・・、
変な関係になることだけは避けるべきだね…」

「ご心配をおかけします…。
正直に言います…、
私・・・、彼のことを忘れると、
由美子さんと愛さんに誓いました…・。
でも・・、一日だって彼のこと、忘れたことがないのです…、
特にお店に出ると、彼に抱かれたことを思い出して…・、
本当につらかった…・、彼に抱かれる夢を何度も見ました…」

「・・・・・・・・」

由美子と愛が黙って頷いています。夏樹のことを忘れようと千春が必死になって耐えているのを二人
の女はよく知っているのです。

「それでも千春さんは・・、
彼を求めて、自分から動かなかった…、
彼をもう一度店に呼び出そうと思えば・・・、
その方法はいくらでもあったはずだけれどね・・・、
それだけで、立派よ・・・・・・・・・
千春さんは自分の欲望を完全にコントロール出来たのよ…・」

愛と由美子が慰めています。千春の女心が二人にはよく理解できるのです。

「・・・・で、待望の彼がお店に現れた…・
二度目の彼の味はどうだったの…・、
欲しくて、欲しくて・・、
夢にまで見たのでしょう…
何もかも正直に話しなさい・・!」

愛が笑いながら言っています。

「ああ…、愛さん・・、からかわないで…、
私・・、お二人の前では・・、本当のこと言います…・。
私…、お店で…、あんなに乱れたのは初めてでした…
最後には・・、ほとんど失神していました・・・・・」

「ヘェ…・、そうなんだ…、
毎週何人もの男を食べているその道の達人でしょう・・、
その千春さんが・・、
乱れに、乱れたの…?
聞きたい…、全部聞きたい…」

興奮した口調で愛がからかっています。千春はやや困惑の表情です。

「ハイ、ハイ・・、
愛さんにはかないません…、
何もかも話します…」

千春が笑いながら語り始めました。


[9] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(561)  鶴岡次郎 :2017/03/10 (金) 14:15 ID:5tU8d6dk No.2970

「今になって思うと・・、
彼が部屋に入って来た時…、
随分落ち着いていた・・・、
常連さんと変わらない雰囲気を出していたのよ・・。

その時点で、彼が成長したことに気づくべきだった…
でも・・、私の方が先に舞い上がっていて…、
彼の変化に気が付かなかった……・」

少し悔しそうな表情で千春が語っています。

「三ヶ月前、初めて抱かれた時、女に慣れていない感じだったけれど…、
それでも・・、彼のモノは素晴らしく、太くて長いことがすぐ分かった…、
その上、驚くほどタフで、男に慣れている私でも、ほとほと参るほど攻められた・・。

でも・・、どこか少年のような幼さが残っていて、
余裕をもって、彼の攻撃を受け止めることができていた…・

だから、二度目に会った時、
欲しくてたまらなかった彼を見て・・・、
私…、何も警戒しないで、いっぱいに体を開いていた…
それが大きな失敗だった…」

「油断して体を開いたところへ…、
ズドーンと、長くて太いモノを撃ち込まれたのね…
その一発で、一瞬の間に天国へ送り込まれた…・
そうなんでしょう…・?」

「嫌らしいこと言うのね・・・、愛さんは・・・、
でも・・、結果として・・、その通りの展開でした・・」

由美子と愛が笑っています。千春も笑っています。

「彼がドアーを開けて入ってきた瞬間、
彼が・・、にっこり微笑んでいるのを見た時…、
私・・、それだけで…
ジーンときて・・、お漏らしをするほどになっていた…」

「嫌らしい千春さんだね…」

「私・・、ガウンの前を開いて、ほとんど裸で・・、
彼のそばへ行き、彼に飛びついた…

彼・・・、優しく抱きしめてくれた…
お上手な抱き方だと思ったけれど・・、
そのまま抱かれていた・・・。

キッスをして・・、その時、明らかに違うと思った・・
だって・・、口中で彼の長い舌が暴れまわるのよ・・、
私にとって・・、初めての経験だった…

それだけで私・・・、
ア・・ンと、逝きそうになっていた…」

そこで言葉を飲み込み、千春は目の前の冷めたお茶を一口すすっているのです。
ゆっくりとお茶を飲んでいる千春を見て、愛が焦れ始めています。

「ああ…、千春さん・・・
焦らさないで・・、
早く話しなさい・・、
どのように抱かれたの・・?
彼・・、指を使ったのでしょう・・、
キッスをされて、アソコに指を入れられたのでしょう・・・、
ああ…、堪らないわね…・」

愛が千春に噛みついています。

「凄かった…、
わずか三ヶ月足らずで・・・・、
男って・・・、こんなに変わるものだと実感させられた・・・」


[10] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(562)  鶴岡次郎 :2017/03/13 (月) 17:02 ID:RK3vD6B. No.2971
千春を抱きしめた坂上は女の唇を優しく吸い始めました。強く、弱く、時には舌を奥深く挿入して、
女の口中を舌で撫ぜまわすのです。その間、両手は胸、下腹部を間断なく摩るのです。女は短時間で
舞い上がりました。もう・・、商売気をとっくに忘れて、一人の女になり、男をむさぼり始めている
のです。

マットに寝かされ、背をマットに付けて、女は両脚をいっぱい開き、それでも足りなくて、両手の指
を女陰に差し入れ、いっぱいに開き、サーモンピンクの内壁を男の視線にさらしたのです。そこだけ
が別の生き物のようにうごめき、愛液を迸らせているのです。

男は何のためらいもなく、一気に男根を撃ち込みました。腰を力強く押し出すと、極太のモノがずぶ
ずぶと沈み込みました。女は一瞬息を止め、けいれんを起こし、体を弓なりに反らせて、苦悶の表情
を浮かべているのです。男は構わず、腰を使い始めました。愛液が泡になって、破裂音を伴って、女
と男の周りに飛び散っています。


「約束の一時間はあっという間に終わってしまった・・。
その間、私は悲鳴を上げ、体中の水分を全ては吐き出し、
数え切れないほど昇天していた・・・。

その間・・、彼は・・・、
憎らしいほどの余裕を見せて私を攻めていた・・・、
悔しいけれど・・、彼に教えることは何もないと悟らされた…
それどころか・・、彼を手放したくないと本気で思った…」

「・・・・・・・」

ここで、千春は言葉を切りました。由美子も、愛も言葉なく驚きの表情を浮かべています。


「最後に・・、
私の中に驚くほど沢山の精液を吐き出した後・・・、
私から離れ、マットの上に正座した…」

千春の話は続きます。

マットの上に正座した坂上を見て、千春もあわてて体を起こそうとしました。しかし、散々に突き抜
かれた体は千春の自由にならないのです。坂上が手助けをして、ようやく千春はマットの上に起き上
がることが出来ました。それでも正座はできません、膝を崩し、右手で体を支えて座るのがやっとな
のです。だらしなく緩んだ両脚の間に白い液体を絶え間なく噴出している亀裂が顔を出しています
が、そのことに気を配る余裕も、体力も、今の千春には残っていないのです。


[11] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(563)  鶴岡次郎 :2017/03/14 (火) 13:25 ID:25sxZDhs No.2972

正座した坂上は低い声で、千春の手ほどきで開眼して以来の行動を要領よく話しました。ほとんど毎
日のようにソープへ通い詰め、日に複数の女を抱くことも珍しくない日々を送りました。おそらく、
彼の職場40キロ圏内の全ソープ店に顔を出し、各店の女性のほとんどを制覇したのです。もちろん
その間、妻咲江への夜のサービスを欠かしたことがないのです。

「本当にお世話になりました…。
今日で全ての遊びを終えることにします…。
明日からは、元の生活に戻ります・・」

正座したままの坂上が千春をまっすぐに見て静かに語っています。

「正直言って・・・、
このまま、遊び続けたい誘惑を抑え込むのが大変でした。
しかし・・、
そんなことになっては千春さんのご厚意を裏切ることになりますし、
私の人生にとっても得策でないのは明らかです・・、
それで思い切ることにしました・・」

ここで何かに堪える様子を坂上が見せ、言葉をのみました。沈黙して床に視線を落としている坂上を
千春がじっと見つめています。

「他のことは我慢できるのですが…、
このことだけは最後まであきらめがつきませんでした…、
しかし…、決心しました・・」

坂上が何を言い出すのか、千春には十分わかっていました。彼女の瞳から涙があふれ出ていました。

「千春さんとの関係もこれで完全に終わります。
街で会うこともあるかと思いますが、
その時は・・、近所に住む顔見知りの男と女の関係です…」

「・・・・・・・・・」

千春と関係が切れるのが坂上にとって一番辛いことなのです。しかし、これ以上千春との関係を続け
ると抜き差しできない状態に陥る危険性を坂上は一番良く知っているのです。千春もまた・・、その
ことを感じているようで、黙って頷いているのです。ただ・・、万感をこめて男を見つめているので
す。

「この先・・、この店にもお邪魔することはないと思います。
お世話になったお姐さん方、スタッフの方々・・・、
お一人、お一人にお礼申し上げるべきところですが・・、
それでは、未練が残ります。
千春さんから・・、皆さんへ感謝していると、お伝えください・・」

深々と坂上が頭を下げています。勢いを失った彼のモノは、さすがに直立していませんが、それでも
存在感を示して、千春に頭を下げているのです。

「咲江を…、
いえ・・・奥様を…、
大切にして・・、
ウ・・ンと・・、可愛いがってほしい・・・」

「ハイ・・、約束します・・・」

男と女、精液と愛液にまみれた裸のまま、にっこり微笑んでいました。こうして、坂上夏樹の武者修
業は終わったのです。


[12] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(564)  鶴岡次郎 :2017/03/19 (日) 11:53 ID:6iCUD7eg No.2973

「凄いね…・、
男って…、本当に凄いね・・・」

千春の話をここまで聞いた愛が、感動を抑えきれない表情で口を開いています。夏樹との別れを思い
出しているのでしょう、千春の瞳に泪があふれ出ています。愛の瞳にも涙があふれています。由美子
一人が大きな感動に堪えるかのように、目を閉じているのです。

「うん・・、凄い・・・、
短期間で、すごい女たらしに成長したことも勿論、凄いけれど、
彼・・・、千春さんにも、ソープ遊びにも大きな未練を残しながら、
あっさりそこから足を洗う決断をしたのでしょう・・」

「・・・・・」

千晴も、愛も、由美子の言葉に同感のようで黙って頷いています。

「これまでも、何度も男の素晴らしさ見てきたけれど・・、
今回も、夏樹さんのすごさを見せつけられた・・・。
ここだと思うポイントに差し掛かった時…、
奴らの決断力と行動力は本当に凄いね・・・」

由美子が言っています。

「そうだね・・・、
ソープ遊びを覚えて三ヶ月でしょう…、
千春さんの体にも未練が残っているはずだけれどね・・・、
私が彼の立場だったら・・、
ソープ通いは止めるにしても…・、
とりあえず、千春さんはキープするけれどね…・」

愛が笑いながら言っています。

「そう・・、男たちの果敢な行動を見ていると・・・、
女って・・、
優柔不断な生き物だと、つくづくと思い知らされる・・・
彼と比べると・・・、私なんか・・・、」

最後まで言わないで、由美子が微笑みを浮かべて、愛の言葉に軽く頷いています。好色な自身の体を
制御できなくて、夫の目こぼしをいただいて、男漁りを続けている由美子です。夏樹と比べて、彼女
自身の意志の弱さを・・、愚かさを・・、恥じている様子なのです。由美子と同じ悩みを抱えている
千晴も何度も頷いています。それでも、千春も由美子もひどく落ち込んでいる様子ではありません。

「女だから仕方がないのよ・・・、
負け惜しみでなく・・・、
そこが・・、女のいいところなのかもしれないよ・・」

呟くように愛が発言しています。浮気一つしないでお店と主人を守っている愛の言葉とは思えません
が、どうやら、由美子と千春の気持ちを察して慰めの言葉を出しているようです。

「ネエ…、千春さん・・、
気になることがあるの…、
彼・・、千春さんの愛液を浴びて・・、
おしっこを浴びる快感を覚えたでしょう…、
咲江さんにも、そのことを要求するのかしら・・・」

愛が唐突に妙なことを言い出しています。愛なりに、この場の雰囲気を変えるつもりなのです。


[13] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(565)  鶴岡次郎 :2017/03/21 (火) 13:30 ID:jVjgatjw No.2974

「そうね・・・、
彼・・、本当に好きな様子だから・・、
咲江にも・・、多分要求すると思う…」

愛の意図が判るのでしょう、危うい問いかけに、まじめに千春が答えています。

「そうなの…、
私なら・・、ちょっと引くけれどね…、
咲江さん・・、若いから・・、案外応じるかもね…・」

「たぶん大丈夫だと思う…・、
おしっこを吹きかけることで、案外二人の仲はもっと深くなるかもよ・・、
千春さん・・・、
咲江さんがその気になるよう、彼女に前もって助言するといいよ・・・」

由美子が千春にアドバイスしています。千春が笑みを浮かべて頷いています。どうやら、咲江にはア
ドバイス済のようです。

「由美子さんの家はどうなの…、
多分・・、
あの旦那様だったらおしっこ好きだと思うけれど…」

鶴岡を知っている愛が笑みを浮かべてストレートに聞いています。

「もう・・、愛さんたら・・・、
この際、私の家は関係ないでしょう…」

愛を睨んで由美子が笑っています。

「ハイ・・、ハイ・・、その通りです…、
愛さんにはかないません…
おっしゃるとおり、家の人も大好きです・・、
喧嘩の後でも、おしっこをかけたらご機嫌になります・・
フフ・・・」

「それだ…、インテリの弱点は・・・、
おしっこを掛けたら、どんな気難しい男でも自由に操れるのね・・・
全ての女性にこのことを教えたい…・」

愛が一人で納得して大きく頷いています。由美子と千春が声を出して笑っています。

「彼にもう一度おしっこを掛けたかったな…・、
もう・・、その機会は絶対来ない…」

苦労して愛が話題を変えたのですが、また夏樹の話に戻っています。由美子と愛が顔を見合わせてい
ます。

「彼・・、すべてを語り終えると頭を下げて、
潔く背を向けて部屋を出ていこうとした・・・、
私・・、後ろから、彼の腰につかまっていた…
彼のアレに手をかけていた・・、
ここで別れたら・・、
一生彼には抱いてもらえないと思ったの・・・・」

「あれ、あれ・・・、いけないんだ・・、
商売気を離れて、親友の旦那様に惚れては・・」

愛が笑いながら、本音半分でからかっています。

「そうなの…、咲江にも、主人にも、悪いけれど…、
もう一度・・、もう一度だけ・・、
太いのがほしくて・・、ほしくて…
我を忘れて…、抱きついていた・・・」

千春が真剣な表情で訴えています。

「でも・・、彼・・・、
私の手をやさしく振り払って・・、
振り向き・・・、
にっこり微笑んで、黙って首を振り・・・、
部屋を出て行った…・・」

千春が視線を下げて涙をぬぐっています。由美子と愛は彼女から視線を外し、あらぬ方向を見つめて
います。沈黙の時間が女三人の間を流れていました。

「さあ・・、これで、お終い・・、
私のよこしまな恋は終わったのよ…・・」

「・・・・・・・・」

半泣きの表情で千春が言っています。由美子も、愛も黙って千春を見つめています。慰めの言葉がな
いのです。


[14] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(566)  鶴岡次郎 :2017/03/22 (水) 14:46 ID:vs9qzrKY No.2975

「ところで・・・、
その後の咲江さんの様子はどうなの…、
旦那様が変身して、村上以上の男に生まれ変わったから、
村上と手を切って、何不自由なく暮らしているのでしょう・・・
問題は一気に解決したのでしょう…」

愛の一言で、由美子もそのことが気になっている様子で、我に返った様子で千春の顔を見ています。
千春がゆっくり首を振りながら口を開きました。

「実はそのことを、お二人に相談したくてここへ来たのです…、
それが・・、彼が・・、お店に突然現れたものだから・・・
つい・・、そちらの話がメインになりました…
彼と別れた話は、私の個人的な問題ですから・・・、
ここで披露するべきではありませんでした。
肝心なのはこれから話すことでした…、スミマセン…・」

「そんなことはないよ・・・、
彼のことを真っ先に話したくなるのは当然よ・・、
千春さんの気持ちは良くわかるよ・・、
女なら誰でもそうだよ…」

愛が千春を慰めています。由美子も同じ気持ちのようで笑顔で頷いているのです。

「おととい一緒に買い物に出て、少し時間があったから、
一時間ほど咲江とお茶をしました…」

浮かない表情で千春が語り始めました。千春の表情がそれほど冴えないのです。何かあるなと由美子
は察知していました。


その日、いつものように二人は時間を申し合わせて、近所の商店街へ出かけ、買い物を済ませた後、
なじみの小さな喫茶店に入りました。

ここは、小さな店ですが、比較的ゆったりとテーブルと椅子が配置されていて、二人きりの内緒話
や、難しい相談事をする時、どちらかが誘う形でこの店を訪れるのです。その日、咲江から誘ってこ
の店に入りました。咲江が何か悩み事を話すつもりだと千春は心構えを作っていたのです。

「以前に比べて、見違えるように元気になったわね・・・、
顔色もいいし、なんだかとっても奇麗になったみたい…、
いいことがあったの…?
うれしい報告でもあるの…・」

咲江が相談事を切り出し易いように、千春から話しかけています。

「ありがとう…、おかげさまで・・、
主人がとっても気を使ってくれるようになったのよ・・・
そのせいだと思う…・」

少し恥ずかしそうなそぶりを見せています。それでも、奇麗になったと言われて、彼女自身もそう自
覚できている様子で、素直に咲江は喜んでいるのです。

「ご主人が優しくなって・・・、
その結果、咲江がきれいになったということは・・・、
ズバリ言えば・・、
夜の生活が充実したということでしょう…
毎晩・・、腰が抜けるほど、やっているのでしょう…」

「判る…、実はそうなの・・・」

かなりストレートな会話ですが、二人の間では普通の会話です。


[15] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(567)  鶴岡次郎 :2017/03/23 (木) 14:18 ID:elqQK3oU No.2976

「千春には、何度も相談したことだけれど・・、
以前は・・、週に一度、それもかなり事務的な行為だった…、
それが、研究が山場に差し掛かったころから、
週一が、月一になり、三ヶ月に一回と減ってきていた…」

以前にも、何度も聞かされた話です。それでも千春は笑みを浮かべて頷いているのです。

「私を嫌いになって敬遠しているわけではなく、
Hに気が回せる余裕がないためだと判っているけれど・・・、
理屈では割り切れても・・、
体の疼きに堪えられ切れなくて…、
つい…・・・」

ここで咲江は口を閉じました。

「・・・村上さんに抱いてもらうことになるのね・・」

咲江の言葉を千春が拾っています。

「旦那様に抱かれる頻度が減るのに反比例して・・、
彼に抱かれる頻度が増えていった…、
そして、彼に抱かれる度に、
咲江の苦悩はより深刻になっていった・・・」

「うん・・」

悲しそうな表情で咲江が頷いています。

「その頃の主人は、ベッドに入ったら、いきなり挿入して、
一方的に彼が動いて、わずか数分で終わっていた…。
セックスとはそんなものだと思っていたけれど・・、
村上さんを知ってからは、
主人に抱かれるのが苦痛になっていた・・」

遠くを見る表情で咲江が語っています。ここまでの話は、何度もこの喫茶店で聞かされたことですか
ら、千春もよく知っている内容です。

「ところが・・、
ニケ月ほど前のある夜から彼が突然変貌した・・。
正直言って、同じ主人だとはとても思えなかった・・」

「・・・・・・・・」

ここで言葉を止めて、咲江がまっすぐに千春に視線を向けています。千春は大きな圧力を感じながら
も、必死で咲江の視線を受け止めています。傍から見る限りでは、二人の表情は穏やかで、のんびり
昼下がりの会話を楽しんでいるように見えるのです。

「全身にキッスをしてくれて、丁寧に体を愛撫してくれた・・、
その愛撫がとってもお上手なの…・、、
そして・・・、一時間以上愛撫を続けてくれたの…。
こんなに丁寧で、長い愛撫を受けたのは生まれて初めてだった…・、
私はそれだけで、何度も逝ってしまった・・
ネッ…、凄いでしょう…・」

「うん…、咲江の言う通りだとしたら…、
凄いね・・・、
私でも・・、そんな経験は数えるほどしかない…
日ごろ、咲江が不満を抱えている気持ちが・・・、
何かのきっかけで、彼に通じたのかもしれないね…」

咲江が言うその日、ソープで千春は坂上に抱かれたのです。セックスに目覚めたその日の夜、千春直
伝のテクを坂上は咲江に施したのです。当然のことながら咲江は驚き、全身を震わせていたのです。
そして、夏樹はその日から精力的にソープ通いを始め、男を磨き、さらに咲江を喜ばせることになる
のです。

『旦那を目覚めさせたのは私だよ・・・』

そう言いたい気持ちを抑えて千春は笑みを浮かべ聞いているのです。


[16] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(568)  鶴岡次郎 :2017/03/24 (金) 11:49 ID:0xQ/4Vt6 No.2977

「その日から・・、
一夜も空けずに、抱いてくれるの…、
激しく・・、やさしく・・・、
私…、何度も、何度も・・、天国へ行くのよ…・」

「あら、あら…」

「私・・、正直言って・・、悲鳴を上げている…、
恥ずかしいけれど、夜の疲れが昼間に出て・・・、
気が付いたら・・、ぼんやりしていることが多いの…
千春・・・、私の変化に気がついていたでしょう…?」

「うん・・、何となく・・・、
私の問いかけにもうつろな返事をすることが多くなっていた…、
それでいて・・、以前のように悩んでいる様子ではなかった…、
それどころか、体中から幸せ感がにじみ出ていた…
ああ・・、咲江は幸せなんだなあ・・と、安心していた・・」

感じた通りを千春は語りました。

「決定的だったのは・・・、
階段で、お股に何か挟まったような歩き方をしている咲江を見た時だった・・
ああ・・、これは…と・・・、
ピーンと来た…」

「・・・・・・・・」

「毎夜、延々と・・、ベッドの上で可愛がられているんだな…・・、
旦那様の立派なモノで、散々に突き抜かれて、アソコが緩んでいるんだな…と、
うらやましい気持ちで見ていた…・」

「ああ・・、そんなことまで判るの…、
恥ずかしい…・
でも…、千春の言う通りなの…・」

両手で頬を挟み、咲江が悲鳴を上げています。

「彼のモノ・・、少し大きいのよ・・、
ああ・・、千春もよく知っているわよね・・…」

「エッ・・、ああ・・、そうね・・、
人並み外れて大きいんだったわね・・・
勿論・・、見たことはないけどね・・・」

「そうよ・・、当然でしょう…
見せるはずないでしょう…・・」

「指5本分くらいの太さで、両手を広げて合わせたほどの長さだと…
咲江から、散々教えられているからね…・
見たような気分でいるけれど、そうじゃないのね…・」

坂上のモノを食べて、そのサイズをよく知っている千春はうっかり相槌を打ちそうになって、慌てて
話の筋を合わせようとして、両手で坂上のモノのサイズを表現しています。そんな千春を、からかい
の表情を浮かべ咲江がじっと見ているのです。

咲江の視線に堪えられなくて、そっと視線を逸らしている千春です。いかなる理由があるにせよ、親
友の旦那を寝取ったのは事実なのです、その背徳感から逃げ切れなくて、無意識に咲江の視線を避け
ている千春です。


[17] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(569)  鶴岡次郎 :2017/03/28 (火) 14:57 ID:IX7.NWv2 No.2978

「千春…、そこまででいいよ・・・、
もう・・、隠さなくてもいいよ・・・」

「エッ・・・・・・」

微笑みを浮かべ、じっと千春を見つめているのです。千春は凍り付いたように体を固くして咲江の視
線を受け止めているのです。

「実物を見たことがあるのでしょう…?
それどころか・・、
千春のアソコが彼のサイズを覚えているでしょう…」

「・・・・・」

きつい言葉ですが、咲江の表情は柔らかく、彼女の瞳が笑っているのです。咲江の真意を測りかね
て、千春は大きな戸惑いの中に居ました。

「彼とやったでしょう…?」

「・・・・・・・・・」

ついに、夏樹と寝ただろうと、口に出して詰問しているのです。その咲江の言葉を聞いても千春は否
定も、肯定もできませんでした。ただ絶句して、口をあんぐり開けて咲江の顔を見ているのです。

咲江の表情は穏やかで、瞳にも怒りは宿っていなく、あたたかな優しさが見えるのが千春にとっては
救いでした。・・が、それとて、その後にどんな展開があるか判らないのです。千春は必死で逃げ道
を探していました。


「ああ…、バレちゃったの…、
夏樹さんとやったのがばれたのね・・・、
不味いことになったね…」

ここまで千春の報告を黙って聞いていた愛が、たまりかねて割り込んできました。由美子の表情も
曇っています。

「ハイ…、バレたのです…。
その時点で、どこまで確証を掴んでいるか分かりません・・、
彼と寝たことを頭から否定すれば、どんなしっぺ返しが来るか見当もつきません、
かといって・・、『やりました・・』とは・・、絶対言えません。
こんなに困ったことはありませんでした…。
浮気が夫に見つかった時だってこんなにうろたえませんでした…」

「そうだよね・・・、
咲江さんのことを思って夏樹さんを誘惑したと説明しても・・、
彼女の夫を寝取ったのは事実だからね・・・、
そんな女の言うことを彼女は信用しないよね…」

愛が困った表情でつぶやいています。

「そうなんです…、
こうなると判っていたら・・、
抱かれる前に事情を説明して、咲江の了解を得ておけばよかったと思いました。
抱かれた後では、どんなに事情を話しても言い訳にしかなりません・・・」

比較的落ち着いた表情で千春が答えています。

「夫が親友と寝たとなると・・・、
咲江夫妻は、もう・・、元には戻れない…
咲江さんはさらに村上に近づくことになる…。
親友の咲江さんのためにしたことが・・・、
完全に裏目に出たね…」

由美子が心配そうにつぶやいています。咲江の報告をする千春の表情がそんなに明るくなかったこと
を由美子は不審に思っていたのです。これでその理由が判りました。どうやら、この作戦は失敗に終
わった‥と、由美子は落胆していたのです。

「ことがばれたと判った時は、目の前が真っ暗になりました・・。
これでこの計画は終わりだ・・、
咲江との仲もこれで終わってしまった・・と、思いました。
でも・・、咲江は思っていた以上にできた女でした…。
厳しいことも言われましたが・・、とにかくは治まりました…。
この先の話を聞いてください…」

「判った・・、覚悟を決めて聞きます…」

由美子と愛が落胆の表情を見せているのに、当の千春は元気です。あるいは、事の成り行きを見届け
て、ある割り切りをしたのかもしれません。その先がかなりつらい内容になるのを予想しながらも、
由美子と愛は最後まで千春の話を聞くことにしました。


[18] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(570)  鶴岡次郎 :2017/03/30 (木) 14:43 ID:jFVnL1ko No.2979

千春の話が再開しました。由美子と愛は不安そうな表情を隠さず耳を傾けています。

突然の咲江の追及に、完全にうろたえてしまった千春は咲江の顔を直視することさえできないので
す。これでは、自ら夏樹に抱かれたことを白状しているようなものです。一方咲江は落ち着いていま
す。夫を寝取られた怒りをあらわにすることもなく、かといって皮肉を言って千春をいびる様子でも
なく、むしろ、この場の雰囲気を楽しんでいる様子なのです。そんな咲江の様子が千春をさらに不安
にさせているのです。いっそのこと、怒り狂って、千春を責め立ててくれる方が、千春は落ち着くは
ずなのです。

「どこで抱かれたの…、
お家…?
そんなことはしないわよね・・・」

咲江が少し首をひねりながら考えるふりをしています。可愛い仕草だと、自身が渦中にいるにもかか
わらず、他人事のように千春は咲江を見ているのです。衝撃的な展開で一時的に千春の思考力が停止
しているのかもしれません。

「ああ・・・、そうか…・、
判った…・
お店でしょう…、
千春の勤めるソープ店へ彼が招かれたのね…・」

「・・・・・・・」

「それにしても…、
あの人が良く・・、ソープへ行く決心をしたわね・・・、
誰が・・、どのように誘ったの・・?」

「・・・・・・・・」

笑みを浮かべて、立て続けに質問する咲江ですが、千春は何も答えることはできません。

「いいから・・・、いいから・・・、
怒らないから・・、
それどころか・・、感謝しているのだから・・・、
私たち二人の間では、秘密は持たない約束でしょう・・・」

『感謝している…』といった咲江の言葉が千春の心に響きました。千春はその言葉に賭けるつもりに
なりました。いつまでも黙っているわけには行かないと決心したのです。行くところまで行って、そ
れで判ってもらえなかったら、それはそれでいいと、千春は悲壮な決意を固めたのです。

「スミマセン…、
おっしゃる通りです。
でも・・、二度だけだから・・・
抱かれたのは…・」

「エッ・・、二度も…・、
一度目は親切心から出た行為だと思うから許せるけれど・・・、
二度目となると・・・、
それは、千春のスケベー心を満足させる行為にしか思えない・・・、
それって・・、違反でしょう…・」

「・・・・・・」

少し怒った表情を浮かべる咲江を見て、千春は不味いことを言ったと後悔しているのです、しかし、
口に出してしまった後では致し方がありません。今にも泣きだしそうな表情を浮かべています。


[19] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(571)  鶴岡次郎 :2017/04/01 (土) 16:27 ID:ecLIagok No.2980
「あっはは・・・、
冗談・・、冗談よ・・・」

「・・・・・・・」

優しい口調と、咲江の笑顔を見て、千春の瞳から涙があふれ出ています。緊張感が一気に体から抜け
出て、千春の涙腺が緩んでいるのです。

「バカね・・・、
こんなことで泣くんじゃないの…・」

「だって…、咲江たら・・・
怖い顔して睨むんだもの…、
絶交すると言われても仕方ないと覚悟決めていた・・」

「そんなこと思うはずないでしょう…。
夫婦仲を心配して、やってくれたことだと判っている・・。
一度だって、千春のことを恨んだことがない・・・。
心から、感謝している…。
ほら・・、涙を拭いて……」

ハンカチを取り出し、千春の涙を手荒くぬぐい取っています。咲江の手荒いタッチを受けながら、泣
き笑いの表情を浮かべている千春です。

「一度だけでなく・・・、
二度もやったのよ…、それでもいいの…」

「一度であっても、二度でも・・、たとえ何度でも…、
千晴への感謝の気持ちは変わらない・・。
二度も抱かれてくれたのは・・、
一度で夫が変貌できるか、心配だったのでしょう…・
それだけ千春の優しさが強いのだと思うことにする・・・」

「・・・・・・・・」

咲江の言葉を聞いて千春は少し動揺していました。

〈二度目は・・、明らかに別の意味があった・・・
咲江のためを思うなら、一度で十分だった…、
二度目は・・・、私へのご褒美だった…・
でも…、このことは咲江には絶対知られたくない…・〉

千春は自身の心の中を覗き込み気持ちになっていました。今思っても、あの時、咲江のためを思って
二度目の情交を交わしたとは、言い訳であっても、とても言えないのです。

一度抱かれて以来、思い続けていた夏樹が突然店に現れた時の喜び、その後、優しく激しく抱かれ、
ほんろうされ、一時間余り歓喜の頂上を漂い続けたのです。あれほどのセックスは千春といえども数
えるほどしかないのです。

夏樹との二度目の情交も、咲江が潔く認めてくれたことに感謝しつつ、このことは一生、心の奥にし
まい込むつもりに千春はなっていました。

「彼が大変貌した裏には、誰かトレナーが居ると感じていた。
そして、その相手は千春以外に居ないと思った…、
でも確信が持てなくて・・、
主人に確かめることも出来ないしね・・・」

「スミマセン…・」

何に謝っているのか千春自身でもわからないのですが、自然と頭を下げているのです。そんな千春を
咲江は優しく見守っています。

「さすがに、千春が教えただけあって・・・、
彼・・、本当に生まれ変わった…、
男って・・、あんなに変わるものなのね…・
千春の店に来る男の人は、皆、あんなに凄い男に変貌するの…?」

素直に、ストレートに咲江が質問しています。

「みんながそうだとは言い切れない…、
旦那様はここまで、真面目に人生を送って来たから・・、
一気に花が咲いたのよ・・・、
それにもともとその方面でも、
豊かな才能を持っていたと思う・・・・」

千春の説明に咲江も納得して、大きく頷いています。

「主人がその方面でも才能豊かだったとわかり・・、
私・・、うれしい・・・、
ところで・・、もう一つ・・、教えてほしいことがある…」

咲江が少し真面目な表情で質問してきたのです。咲江が何を言い出すのか予測できなくて、千春は緊
張して咲江の顔を見ています。本音を言えば、夏樹と寝た話題からは早く抜け出したいと千春は
思っているのです。


[20] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(572)  鶴岡次郎 :2017/04/02 (日) 14:32 ID:7nrFTXoM No.2981
「結婚前、付き合い始めたころだった…、
セックスはするのに、キッスをしないの…、
後で判ったことだけれど、
互いの体内菌が相手に感染するのを恐れていたのよ・・・
ネエ・・、変でしょう…」

「・・・・・・・」

突然、体内菌の話題を出してきた咲江が、この先何を言い出すのか判らなくて、警戒し、戸惑いの表
情を千春は見せているのです。そんな千春に全く気付かないで、咲江は構わず話をつづける様子で
す。

「彼って・・、微生物、細菌学の専門家でしょう・・、
それに、生まれついての潔癖症だから・・、
異常なほど、細菌感染を警戒するの・・」

「・・・・・」

思いもよらず細菌感染の話題が続いています。話がどこで落ち着くのか、千春は少し心配になってい
ます。それでも口を挟むつもりはない様子です。とにかくこの場は咲江に逆らわないと決めているの
です。

「そんなだから…・
私たち・・、
性器接吻なんてしたことがなかった・・」

「ああ・・、おフェラのことね…」

性器接吻の話題が出て、ようやく千春は安心しています。これで千春も話題に乗れるのです。

「私にも要求しないし・・、
一度もしてもらったことがなかった…」

「そうなんだ…」

千春は考えていました。夏樹が部屋に入ってきた時、いつもの習慣で、彼の陰茎をしゃぶり、同時に
自身の性器も男の顔の前に差し出したのです。かなり躊躇した後で、ようやく夏樹は千春の性器に口
を触れたのです。その不器用な触り方で、夏樹が性器接吻には慣れていないと思ったのです。咲江の
話から推測すると、夏樹が女のアソコに唇をつけたのは、千春が初めてだったかもしれないのです。
そう考えると、夏樹がさらにいとおしくなっている千春です。

「若い頃、研究所の仲間とバーなんかへ行くことがあったらしいのだけれど、
あのような場所の雰囲気が嫌いだったらしいの…、
暗くて・・、じめじめしていて・・、いろんな人が出入りするでしょう・・、
そう言われてみれば、細菌がうようよ居るように思えるでしょう…」

「まあ・・、確かに…、
清潔な場所とは言えないわね…
むしろ、怪しい雰囲気を出すため、
不潔感を強調しているところさえある・・・」

咲江の話を聞きながら、夏樹が初めて千春の店に来た時のことを考えていました。珍しそうに部屋の
中を、隅から隅まで見ていたのは、単に珍しいからだけでなく、不潔でないかどうかチェックしてい
たのではと思い始めているのです。

「そんな主人が良くソープへ行く決心をしたと思うの・・。
生理的に商売女を受け入れることができない人だと思っていた・・・。
ああ・・、失礼・・」

ソープ勤めをしている千春を前にして言うべきことでないと気が付いたのです。


[21] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(573)  鶴岡次郎 :2017/04/06 (木) 13:45 ID:iqvc.ohg No.2982

「いいのよ・・、そう思われて当然なのよ・・・、
日に数人、素性の判らない男の相手をするのだから・・、
ソープで働く女を不潔だと思うのを責められない…」

「ゴメンナサイ…、言い過ぎました・・」

咲江が謝っています。

少し不愛想な表情は見せているものの、それほど気分を害しているわけではありません、むしろ、こ
れで少しポイントを稼いだと千春は内心でガッツポーズを作っていたのです。夏樹に抱かれた負い目
で、ここまで咲江に押され気味で、土俵際でじっと堪えてきたのです。今のポイントで、対等は無理
でも、多少形勢を挽回し、咲江との会話で、反論することができるようになったと思っているので
す。

「私たち、これでも衛生には気を使っているのよ、週一で病院へ行き、内診と、本格的洗浄を受けて
いる。お店にはりっぱな専用の洗浄機が設置されていて、通院しない日は、お客の相手をしたその都
度、その機械を使って隅々まで洗浄している。おかげで、今まで、私は感染したことがない…」

「ずいぶん徹底してるのね‥、全然知らなかった…」

「もし・・、病気になると、もちろん商売はできない、人によっては生活そのものが破たんすること
だってある。また・・、お客が感染したと判ると、お店も強制的に休業させられるから、お店のス
タッフも、そこで働く私たちも、感染には相当気を使っている・・・」

「そうなんだ・・、
案外、私のように浮気をしている主婦が危ないかもしれないね・・・、
無防備だから感染する確率が高いかもしれない…」

咲江が故意に自身を貶める発言をしています。どうやら、先ほどの『夫は・・、商売女を相手にしな
いはず・・』と、千春を差別視した発言で、咲江自身がかなり落ち込んでいるのです。それでなんと
か、千春のご機嫌を取り戻したいと思っているのです。

一方千春は、咲江の発言で少しも傷ついていないのです、しかし、あえて咲江にそのことを伝えない
のです。

「咲江の抱いている疑問とはそのことなのね・・・、、
何故・・、夏樹さんが不潔なソープへ行く気なったか・・、
何が、彼の背中を押したのか…
それが疑問なのね・・・」

「うん・・・」

咲江が頷いています。そして突然、あるひらめきが浮かんだようで、顔を上げ、千春をまっすぐに見
て、口を開きました。

「判った…、
もしかして、千春がそこで働いている事実を知っていたのかしら…、
それなら、彼が無理してソープへ行く理由がある…」

聞きようによっては微妙な発言ですが、咲江自身はそのことに気が付かないで思いついたままを口に
出した様子です。

「それはない・・・、
お店で会った時、彼・・、凄くびっくりしていたから・・、
私がそこで働いているのを、事前に知っていたとは思えない…」

「そう…・・」

咲江の言葉をあっさり否定する千春の顔を見ながら、咲江が頷いています。


[22] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(574)  鶴岡次郎 :2017/04/07 (金) 13:02 ID:cOL.oQ1o No.2983
「なぜ・・、旦那様がソープへ行ったのか・・、
その訳が知りたいのね…」

「うん・・、
千春にはその理由が判るの…・?」

不安そうな表情を浮かべて咲江が質問しています。

「うん・・、何となくね・・・、
当たっているかどうかわからないけれど、
以前から少し気になっていることがあって…、
そのことが原因かな…と、思っている…」

「聞かせて・・」

「失礼なことを言うけれど、いい・・・?」

「うん…」

「咲江が旦那様とのセックスに不満を持っているのを・・、
ずっと聞かされてきたでしょう…、
その話を聞いていて・・、
私・・、今までは、何も言わなかったけれど・・、
ずっと・・、心配していることがあった…」

「・・・・・・・」

「私・・・、思うんだけれど…、
咲江とのセックスで・・、
彼…・、
何か異変を感じるとっているのだと思う…」

「・・・・・・」

千春に言われて、咲江の胸中がざわついています。思い当たることがある様子です。

「以前と比べて・・、
そう・・、村上さんと知り合う前と比較して・・・、
咲江の態度に変化が出ているのを、彼が察知したのよ…・」

「・・・・・・」

「勿論、咲江の浮気に気づいているとは考えにくい…、
でも・・、ちょっとした咲江の態度から、
彼なりに、咲江の変化を察知しているのだと思う。
特にセックスの時、
以前と違う反応を見せる咲江の変化に気が付いているのだと思う・・」

「そう言われれば…、
私・・、時々、夜の誘いを拒否したこともあったし…、
終わった後、彼に背を向けて、そそくさと寝てしまうことが多かった…」

「そうだったの…」

内心の不安が当たり、千春はやはりそうだったかと・・、落胆していました。千春ほどのベテランに
なるとその気になれば、完璧に浮気を隠し通すことができるのです。咲江のような態度をとれば、夏
樹でなくても、誰だって、妻の浮気、もしくは異常を感知するものなのです。もっと早くその危険に
気づき、咲江にアドバイスしておけば良かったと千春は後悔しているのです。

「私…、千春に言われて・・・、
今・・、重大なことに気づいている…。
多分・・、彼・・、
私が満足していないことに気が付いていると思う・・。
彼を裏切っていながら、彼の男をも否定する言動をとっていたのね・・・、
私・・、人妻の風上に置けない罪を犯してしまったのね・・」

村上を知ってから、夏樹とのセックスで感じなくなっていたことは事実で、その気持ちが態度に出て
いたことに咲江は今更ながら気が付いたのです。その意図がなかったとしても、夏樹の男を否定する
仕打ちを犯してしまったことに咲江は気が付いているのです。今にも泣きだしそう表情です。


[23] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(575)  鶴岡次郎 :2017/04/11 (火) 14:47 ID:KDMvOYwk No.2984

「もう少し、旦那様の気持ちを考えるべきだった・・、
何不自由なく暮らしていて、浮気までしているのだから・・・、
少なくとも、旦那様に感謝する気持ちを失ってはいけなかった・・」

「・・・・・・」

千春の厳しい言葉にさつきはうなだれています。

「今回のことでは私にも大きな責任がある・・・
浮気をする妻の心理に精通しているはずの私が…、
咲江に何もアドバイスしなかった…
今・・、思うと・・、
私・・、何をやっていたのだろうと思う…・
その意味では、私も同罪だと思う…・」

「ううん・・、千春は何も悪くない…、
私が悪いのよ・・・・,バカだね・・」

咲江はもちろん、千春も気落ちした表情を浮かべています。

「でも・・、
私たちの失敗を夏樹さんが救ってくれたのよ…
疑り深い旦那様だったら・・、
咲江の家は、そのまま破局に向かっていた…」

「エッ・・・・・・・
彼が救ってくれたの…?」

意外なことを聞くという表情で咲江が千春を見ています。

「判らない・・?
夏樹さんは素晴らしい判断を下したのよ・・、
咲江が夫婦のセックスに満足していないのを察知して・・、
その原因はすべて彼自身にあると・・・、
夏樹さんは考えたのよ・・」

「・・・・・・・」

この時点でも咲江は千春が言おうとしている内容が読み切れない様子です。

「私を抱いた時・・、酷く乱れる私を見て・・、
ゴメンナサイね・・、
このことを言わないと話の筋が通らないから、我慢して・・・、

私がひどく乱れるのを目の当たりにして・・、
彼はこう言ったの…・」

「・・・・・・・・」

夏樹が千春を抱いた話など、聞きたくないはずですが、咲江は真剣な表情です。

「『千春さんがセックスを大いに楽しむのを見て・・・、
咲江にはこの喜びを与えることが出来ていないと・・・、
今更ながら、気が付いています‥。
もし・・、咲江が欲求不満で浮気に走ったとしても・・、
それはすべて自分の責任です‥』と・・・、
夏樹さんは私にそう言った…」

「そんなことまで言っていたの…」

「うん・・、
もちろん・・、直ぐに、私は咲江の浮気は否定した・・・。
彼も信じたと思う…」

「そう…・」

唇をかみしめて、咲江はじっと涙を抑えています。


[24] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(576)  鶴岡次郎 :2017/04/12 (水) 14:55 ID:R1TkRx02 No.2985

千春の語る夫、夏樹の気持ちを知るにつけ、咲江は自身の至らなさをひしひしと感じていたのです。

「咲江が夫婦生活に満足していないことを感じ取った旦那様は・・、
咲江を喜ばせるため・・、セックスの技を学びたいと思った…、
でも・・・、
今まで無縁の世界のことだから、手の打ちようが判らない・・・、
そんな時、公園で家の旦那に出会った・・・・」

「ああ‥
そうだったの・・、
千春の旦那様も一枚噛んでくれていたのか…・」

「うん・・、こうなったら何もかも言ってしまうけれど…、
公園での出会いはすべて私が仕組んだものだった…」

「へエ・・、そうなの・・、千春は策士ね…」

「策士はないでしょう…、
これでも、咲江のため、一生懸命考えたのだから・・」

「ゴメンナサイ…」

「ふふ・・、いいのよ・・
私も十分楽しんだのだから…」

「そうだといいのだけれど・・、
私・・、どこか鈍いところがあるのよね・・
旦那の悩みも、千春の心配りにも・・・、
何も気が付かないで、気楽に過ごしている…・」

咲江が落ち込んだ様子を見せています。それを無視して千春が話をつづけました。

「毎回のように咲江から聞かされるあなた方の夫婦仲は・・・、
確実に悪い方向に向かっている、
ここで止めないと、とんでもないことになる・・、
私はそう考えた・・」

「・・・・」

咲江が悲しそうな表情を浮かべています。

「咲江の浮気を強引に封じることも考えたけれど・・、
村上さんと強引に別れさせるのはかなり危険だし、
円満に別れさせるため、
これという手段も考えつかなかった・・」

「・・・・・・」

「結局、私の体を投げだして、旦那様に使っていただくことを考えた。
セックスに関することなら、人並み以上の知恵が私にはあるからね・・、
それで・・、その知恵を利用しようと考えたわけなの…」

「感謝します…」

旦那と親友が抱き合う話ですが、あくまでも咲江は低姿勢です。


[25] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(577)  鶴岡次郎 :2017/04/17 (月) 13:51 ID:Y4lpNYSE No.2988

「うちの旦那に相談して、彼をソープへ誘うように、私から頼み込んだの…、
時には、羽を延ばすもいいのではと・・、
家の旦那が男同士の会話を交わし、説得したのよ・・・」

「旦那様にまで迷惑をかけたのね…
それにしても、千春の旦那様は偉いね・・・、
妻がソープで働くことを認めているだけでもすごいけれど、
妻の店へ知人を送り込む、その手助けまでするんだから・・・、
ところで、家の人がソープ行を拒むことは考えなかったの…?」

「正直言って・・、
100%の勝算は私にはなかった・・。
旦那様が断ったら・・、
その時は・・・、別の手段を考えるつもりだった…」

「別の手段ね・・・・・・・・」

千春の口ぶりでは、夏樹がソープ行を拒んだら、別の方法を考え、とにかく、最終的には夏樹に抱か
れる計画を貫くつもりだったようです。夏樹に抱かれるため、他にどのような手段を千春は考えてい
たのだろうと、少し冷めた頭の中で、咲江はぼんやりと考えていました。しかし、すぐに首を
振って、そのことを忘れようとしています。

「タイミングが良かったというべきなんでしょうね・・、
あの時はそこまで気が付かなかったけれど・・・、
彼は大きな悩みを抱えていた…、
自身のセックス能力が不十分で、咲江を十分満足させていないことに気が付き、
その解決のため、セックスの修行場を求めていた・・・と、推測できるよね・・」

「そうだね…、間違いない…・
バカな私は・・、彼が悩んでいるなんて、気が付いていなかったけれどね…」

「だとすると…
家の旦那のソープへの誘いは、渡りに船だったと思う…、
最愛の妻のため・・、夫婦の危機を救うため・・、
女を知る冒険、武者修行に彼は出る決心をしたのよ・・・。
私は、夏樹さんがソープ行を決めた理由を、こう推測するけれど…、
どう・・、当たっていると思わない…・・」

「うん…、間違いない・・・、
千春の言う通りだと思う…・、
私…、そんなことにも気が付かなかったなんて…、
酷い女なんだね…
彼の苦悩も、大きな思いやりも・・、何も知らないで・・・
私一人が悩みを抱えていると思っていた…、
バカな女だね…・、本当にバカだよ……」

咲江が項垂れています。

妻がセックスに満足していないのは自分のテクが拙いことが原因だと夏樹は判断し、それまでは到底
受け入れることができなかったソープ通いを敢然と受け入れたのです。そんな夫の苦悩も、献身的な
努力も知らないで、愛人と情を交わしているわが身を顧みて、咲江は狂いだしたくなるほどの罪悪
感、自己嫌悪感に取り込まれていたのです。

「咲江…、
そんなに落ち込むことはない…
自慢じゃないけれど・・、
私なんかそんな間違いを何度も犯している・・、
結果として・・、夏樹さんは生まれ変わったのだから・・・、
これでいいのだと考えよう・・、思い悩んでも何も生まれない…
過去のことは忘れて、これから先のことを考えよう…」

「・・・・・・・」

明るい声で千春が励ましています。咲江はじっと首を垂れ、何かを考えている様子です。そんな咲江
を千春はじっと見守っていました。静かな時間が流れています。

ようやく咲江が、顔を上げ、涙をぬぐい、千春の顔をまっすぐに見て、微笑んでいます。何かを、何
処かで、割り切ったのでしょう、いつもの咲江に戻った様子です。


[26] お願い  鶴岡次郎 :2017/04/17 (月) 14:03 ID:Y4lpNYSE No.2989
読者の皆様のご意見、ご感想は、『自由にレスして下さい(その11)』の読者専用スレにご投稿く
ださい。重ねてお願い申します。過去ログを読んだ感想をいただくのも、もちろん大歓迎です。この
場合も、上記読者専用スレにご投稿ください。よろしくお願い申します。


[27] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(578)  鶴岡次郎 :2017/04/18 (火) 15:56 ID:2CE7vSYE No.2992

少し淫蕩な表情を浮かべ、低い声で咲江が質問してきました。

「ネエ・・、
家の主人に悪いこと教えたでしょう…」

咲江の雰囲気が変わったことを千春は敏感に察知していました。この分では、いつもと同じように付
き合えばいいと千春はとっさに判断したのです。

「エッ…、何・・、
私・・、何も悪いこと教えていないよ…」

「そうかな‥、
主人に何を教えたか・・、思い出しなさい・・、
正直に言うのよ…」

「隠すことは何もない・・
ただ・・、女の体の仕組みについて、
手を取り、脚を取り、アレも握って、丁寧に教えた・・・、
どうすれば・・、どこを触れば・・、
女が喜ぶか、少し教えただけだよ…・、それだけだよ・・・・」

咲江の砕けた調子に合わせるように、故意に卑猥な言葉を多用して千春は答えています。

「やり過ぎたのよ・・・、
あんなに潔癖症だった彼が…、
私の全身を舐めるようになったのよ・・・、
汚れているはずのアソコだって、いつまでも舐めているのよ・・・、
その上・・、私にも・・、アレを咥えろというのよ…」

「ヘエ・・、
そのどこが悪いことなの…、
みんなやっていることだよ・・・、
基本の、基本だよ…・、ふふ・・・・・
咲江だって、本音は喜んでやっているでしょう…・」

「そりゃ…、そうだけれど…
私でなくて、千春が夫に教えたことが憎い・・・、
でも・・、千春には感謝しなくてはね・・・」

「そうだよ・・、大いに感謝してほしい・・、
これでも、何かと苦労したのだから…・」

「どこが苦労なの…、
良く言うわね・・、ふふ…」

陽気な咲江が戻ってきた様子です。これなら大丈夫だと、千春は喜んでいました。

「ネエ…、
これは本音で確かめたいことなんだけれど…」

「何…・?」

「何って・・、
そんなに見つめないで・・、なんだか恥ずかしいわね・・・、
でも・・、思い切って聞くわ…、
あの時・・、セックスの時・・、
おしっこを掛けるのは普通のことなの…?」

かなり真剣な表情で咲江が問いかけています。あまりにまじめな咲江の表情を見て、吹き出しそうに
なるのを千春は必死で抑えています。


[28] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(579)  鶴岡次郎 :2017/04/21 (金) 15:53 ID:jVjgatjw No.2993

「もしかすると・・、
あの最中に・・
おしっこを掛けてほしいと彼が言ったの…?」

「うん…、
これも、千春が教えたことでしょう…、
悪いんだから…・」

「・・・で、咲江はどうしたの…?」

「やったわよ・・・、
いっぱいかけてやった…、
奴はすごく喜んで・・、
驚いたことに、ごくごく飲んでいた…・」

「咲江はどう思ったの…、
気持ちよかったでしょう・・」

「最初は嫌だった…、
でも・・、彼の喜ぶ姿を見たくて・・・、
要求されれば、二回目以降も断らなかった…」

「さすが咲江ね・・、偉い・・・、
何度かやっているうちに、
慣れて・・、楽しくなったでしょう…」

「うん…、
今では、普通に楽しめるようになった…
それでも・・、異常なことをしているという気持ちが抜けない・・
おおげさに言えば、ちょっとした背徳感を感じている・・・」

「そうかな・・、決して珍しいことではないよ・・・、
私の知っている普通のご夫妻…、
上品な奥様と会社重役の旦那様だけれどね…
その旦那様はおしっこを被るの大好きらしい…
私のお客様の中にも、おしっこを好む人はかなりいる…・」

「そうなんだ…、
ああ・・・、良かった…、
普通の行為なんだ…」

恥ずべき背徳行為でないと判り、咲江がうれしそうな表情を浮かべています。

「思い切って千春に質問してよかった…、
私たち夫婦は変態趣味なんだと、ずっと後ろめたい気分だった…」

この時まで、その変態的な行為に溺れながらも、こんなことはしてはいけないことだと、咲江は心を
痛めていた様子なのです。


[29] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(580)  鶴岡次郎 :2017/04/24 (月) 16:19 ID:0xQ/4Vt6 No.2994

「この際だから・・、
いろいろ、千春に聞こうかな……」

「いいわよ・・・、
その道のことなら、ちょっとは自慢できる知恵があるから・・」

笑いながら千春が答えています。

「実はね‥‥、主人たら・・・・
すごく恥ずかしい下着を着せたがるの…・、
肝心のところが全部穴が開いた下着なのよ…」

「そんなの・・、普通だよ・・・、
男ならだれでもそうだよ・・」


「そうなの…、知らなかった…、
私・・、そんな下着の存在さえ知らなかった…」

「男の人の間では・・、
ゴルフ大会の景品にそんな下着を準備したりするそうよ・・」

「そうなの…」

千春の言葉で咲江はかなり安心した様子ですが、まだ引っかかることがありそうな雰囲気です。

「実はね…
家で着せるだけでないの・・、
夜・・、公園で・・・、
その下着姿で歩かせるのよ‥‥
変でしょう…・?」

「少しも変じゃないよ‥‥」

「変だよ…」

「咲江は・・、どうなの…、
嫌々・・、下着姿を曝したの…」

「ううん・・」

恥ずかしそうに首を振っています。

「そうでしょう・・、
咲江も興奮したのでしょう…、
だったら、いいのよ・・、
夫婦で楽しんでいるのだから・・・、
少しも変じゃない…」

「そうなんだ…
千春が言うんだから・・・、
そうなんだね…」

その道に詳しい千春にはっきりと言われて、咲江はようやく納得した様子です。

それから後が大変でした。体位のこと、性感帯のこと、剃毛のこと、男根への唇の使い方・・、など
など、咲江の興味は尽きません。立て続けに質問してくるのです。その一つ一つに丁寧に千春は答え
ました。


[30] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(581)  鶴岡次郎 :2017/04/25 (火) 14:17 ID:ftmZjoO. No.2995

最初は咲江との会話を楽しんでいたのですが、次第に重苦しいものが千春の胸の中に広がり始めまし
た。会話自体はなまめかしい、楽しいはずのものなのですが、千春は次第に口数が少なくなりまし
た。段々に咲江と会話をすることが苦痛になって来たのです。その訳を千春自身でさえはっきり理解
できていないのです。

一方咲江は、千春となまめいた話をするのが楽しいようで、おしゃべりはとどまる気配がありませ
ん。淫蕩な表情を浮かべ咲江の質問が続きます。

「主人の持ちモノは相当大きいと思うけれど…、
実際は、どうなの…?
私は村上さんしか知らないけれど・・
千春なら、かなり客観的に評価できるでしょう・・・」

「大きいよ、太さも、長さも、超一流だよ・・」

「千春が保証するのなら、本物だね・・、
うれしい・・」

咲江は嬉しそうです。努めて笑みを浮かべていますが、千春の表情は硬いのです。しかし、興奮して
いる咲江は千春の変化に気が付いていません。

「サイズが超一流で・・・
千春直伝のテクを覚え込んだ男…、
夫はすごい男に変貌したと思えるけれど・・、
どうなの…?
旦那様と比較してどう…?
愛人の・・、ああ・・佐王子さんと比べたらどうなの…」

楽しそうに咲江が質問しています。夏樹の体を知っているのは自分と千春だけで、千春にも夏樹の話
題は興味があるはずだと咲江は思いこんでいる様子です。千春の心の内を言えば、咲江とは夏樹の話
題をこれ以上続けたくない気持ちになっているです。堪えきれなくなった千春はついにそのことに触
れました。

「ああ・・、咲江・・、勘弁して・・、
咲江の前でご主人を話題にするのは・・、
これでも結構つらいのよ・・・」

「エッ・・、
どうして…・・?」

「だって・・、そうでしょう・・・、
どんな理由があるにせよ、
咲江の旦那様を寝取った事実が私にのしかかるのよ・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

意外なことを聞くという表情で咲江が黙って千春を見つめています。


[31] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(582)  鶴岡次郎 :2017/04/26 (水) 15:57 ID:lHbH97.M No.2996

「無邪気に夏樹さんのことを語る咲江を見ていると・・・、
こんないい友達を裏切った自分自身が、段々にひどい女に思えてくる…。
咲江の優しい言葉、一つ一つが私の心に突き刺さる気がする‥。
むしろ・・、酷い言葉でののしられた方がいいとさえ思える…。
勝手なことを言っていると判っているけれど…、本当に、辛い・・」

思い切って胸の内を吐き出しました。驚いた表情で咲江が千春を見ています。

「あら・・ら・・、そうだったの…、
少しも気が付かなかった…
ゴメンナサイ・・・
主人のことでは千春に感謝こそすれ・・、
非難する気持ちは少しもないのよ・・」

「判っている・・・・・・
咲江の気持ちは判っている・・、
でも、私は自分自身が許せないの…」

「そうなんだ…、
家の人と寝たことで、千春は自分自身を責めているのね…・・。
判った・・、千春の気持ちは分かった…、
もう・・、この話はしない・・」

「ありがとう・・、
そう言っていただけると嬉しい・・
この埋め合わせはきっとするから…・」

うっかりと千春が口を滑らせています。

「埋め合わせをするって…、
どんな埋め合わせをしてくれるの…?」

楽しそうに咲江が質問しています。

「どんなって…、
咲江がしてほしいことよ・・、
私が出来ることなら、何でもするわ・・・」

「何でもいいの…?
実はね・・・、本当のこと言うとね・・・、
千春の濡れたアソコに、夫のアレが入ったと思うと・・、
千春が憎いと思う気持ちを捨てきれないの…・」

「・・・・・・・・」

力なく千春が頷いています。やはりそうなんだと、納得しているのです。

「同時に・・、
千春と夫を共有できて良かったと思う気持ちもあるの…、
私自身も驚いている奇妙な感情だけれど、本当のことだよ…
それに・・、主人の才能を花咲かせてくれた・・…」

「・・・・・・・・・・・」

優しい咲江の言葉に千春は泣きそうになっています。

「だから・・・、今度のことで・・、
千春に埋め合わせしていただかなくてもいいのだけれど…、
どうしてもというのなら・・、お言葉に甘えてもいいかな…・」

「どうぞ‥」

からかうような表情を浮かべた咲江をにらみつけて、千春が言葉を吐き出しています。


[32] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(583)  鶴岡次郎 :2017/05/08 (月) 15:56 ID:iWOXxzf6 No.2998
「なら・・、旦那様を貸してほしい・・」

「エッ・・、家の旦那を…」

「そうだよ・・、千春の旦那様を貸してほしい。
あなたのように、二回でなくてもいい、一回で良い・・」

「家の旦那に抱かれたいの…・?」

「そう・・、文字通り、私のアソコに埋め合わせするの…、
ああ・・、下品なこと言ったわね・・・」

「仕方がないわね・・・、
元はといえば、私が悪いのだから・・・
主人でいいのなら・・、いつでもいいよ・・
でも・・、一回きりだよ…・」

苦しそうの表情を浮かべ千春が答えています。そんな千春を咲江が見て笑っています。

「ああ・・、冗談よ、冗談…、
本気にしないで…・、
そんなことするはずがないでしょう・・、
千春は私たち夫婦のために身を捨ててくれたのだから、
感謝こそすれ、埋め合わせを要求することなど絶対できない・・。
ゴメンナサイね・・、つい調子に乗って・・」

真剣な表情で咲江が謝り、深々と頭を下げています。

「千春…、
私・・、本当に幸せなの…
千春をからかう気分になれたのも久しぶりよ・・、
あなたのおかげよ・・、感謝している…。

夫婦間のHが充実することで・・、
こんなに生活が変わるとは思いもしなかった・・・」

瞳を濡らして咲江が話しています。千春の旦那を貸してほしいと言って困らせるいたずらも、気楽な
気分だからできることで、以前のような追い詰められた状態では、冗談の一つも口にできなかったの
です。

「私・・、今はとっても幸せよ・・・、
この気持ちをぜひ千春に伝えたいと思って、
今日・・、声をかけたの…・、

いろいろ・・、言ったけれど…、
千晴には感謝の言葉以外、思いつかない…」

「そう言っていただけると、
私も苦労した甲斐がある…」

「抱かれる度に…、気が狂うほどいかされて…、
声さえ枯れて、全身愛液で濡れたまま・・・、
気を失ってそのまま寝入り・・、
朝、セックスの香りに包まれて目覚めた時・・・、
その幸せ感…、
全身に残るけだるさでさえ快適なの…、
坂上の妻に選ばれ・・、
私は・・、恵まれているとしみじみ感じるの・・
幸せだわ…・」

つい二ヶ月前までは、淡白な旦那のセックスに絶望して、他の男とのセックスに溺れていたことを忘
れたように、うっとりした表情でのろけている咲江です。


[33] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(584)  鶴岡次郎 :2017/05/10 (水) 15:37 ID:5tU8d6dk No.2999
ここで突然・・、笑みを浮かべた表情を消し、少し改まった表情に戻しました。咲江の表情の変化に
気づいた千春が、少し不安そうにして咲江を見ています。その場に緊張した雰囲気が広がっていま
す。

「このことは言わないでおこうと思っていたのだけれど・・・、
やはり・・、言おうと思う…、
もやもやした気持ちを抱いているのがつらいの・・・」

千春は少し構える様子を見せています。

「私の嫉妬心から出た言葉だと思うかもしれないけれど、
決してその感情だけに支配されたわけではない…、
この先も、千春とはいつまでも、今のままの親友でいたいから・・・、
今感じていることを千春に知ってもらいたいと思ている…」

ここまで聞いても、咲江が何を言い出すのか千春には見当がつかない様子です。いえ・・、もっと正
確に言えば、千春にはある程度まで咲江の心の内が見えて始めているのです、しかし、そのことを認
めるのがつらくて、千春は自分の心に芽生えた不安を無理やり消し去っているのです。それでも、姿
勢を正して、聞く体制を作っています。

「異常なほど潔癖症である夫が、とにかくソープへ武者修行に出る決心をした。これは画期的なこと
で、よく我慢して、決断してくれたと私は感謝している・・・」

千春が軽く頷いています。やはりそのことに触れてきたと・・・・、千春の中に黒雲のように不安定
な気持ちが広がっています。

「でも・・、私には判るの…、
彼の頑張りはここまでが精いっぱいだったと思う…。
お店に行き、女のいる部屋の扉を開けるまでが、彼の限界だったと思う・・・」

確信をもって咲江が言いきっています。

夫婦の危機を回避するため、自らを鍛えるため坂上夏樹はソープを訪ねる決意を固め、ソープへ出向
き、ソープ嬢の部屋の扉を開けるところまで行ったのです。夏樹をよく知る、妻、咲江は夏樹の行動
はここまでだと言い切っているのです。

「当然のことだけれど、私は一度もソープへ行ったことがない・・、
でも・・、ある程度までは想像がつく…、

いかにもそれらしい、スケベーな調度品・・、
あたりに充満するセックスと、女のすえた匂い・・、
何人もの男がその部屋で精を吐き散らしたに違いないのです・・。

正直言って・・、
その部屋で女に触れるなど、彼には到底無理だったと思う…
部屋に入ったものの、そこかしこに生息する細菌のことを思って、
そこから直ぐに逃げ出したくなったと思う…・・」

「・・・・・・・」

静かに話す咲江の言葉を千春は冷静に受け止めていました。ソープのことをそんな風に言う咲江のこ
とが少し気に障るのですが、当たらずとも遠からずの内容ですから、反論はもちろん、言い訳も言わ
ないで、黙って、咲江の言葉を受け入れているのです。

「では・・、何故…、
彼はその部屋に留まったか…・、
その訳は…・・、
それは・・、その部屋の主があなただったからよ・・・、
千春がそこに居たからだと思う・・・」

「・・・・・・・・」

笑みを失った二人の女はじっと見つめ合っています。この展開を千春は予想できていたようで、静か
に聞いています。もちろん、咲江も冷静です。二人の女は顔をそらさず視線を静かに合わせていま
す。


[34] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(585)  鶴岡次郎 :2017/05/11 (木) 10:27 ID:KDMvOYwk No.3000

「公園で二家族が出会ったことがあったでしょう…、
あの時以来、主人は千春のことを時々話題にするのよ・・・、
あの人が・・、それまで他の女を話題にすることは・・、
結婚以来・・、一度もなかった…」

「・・・・・・・・」

咲江は静かに語っています。千春は視線を宙に漂わせています。

「思春期の少年のように澄んだ心を持っている人だから・・・、
あなたへの思いを私にさえ、隠すことができないのよ…
それは・・、いじらしいと思えるほど一途に思い込んでいるのよ…」

「・・・・・・・・」

ここで笑みを再び浮かべて咲江が千春の表情を見ています。咲江の微笑みが本物だと千春には直ぐに
判りました。

咲江に何と答えるべきか、千春は迷っていました。それでも、千春はうろたえることなく、静かな表
情を必死で作っていました。勿論、夏樹が千春に熱い思いを寄せていることを千春は最初から察知し
ていました。公園で初めて出会った時から、夏樹の千春を見る視線の強さは異常だったのです。

千春への恋心に咲江が気付いてくれないことを祈っていたのですが、咲江はそんなに甘くなかったの
です。

一方では、彼に抱かれて、彼のすごさを肌身で感じ、少年のような一途な思いを知るにつけ、千春の
気持ちも夏樹に大きく傾いているのです。この気持ちは咲江に未だ悟られていないはずなのです。夏
樹への熱い思いを咲江には悟られたくない、それだけを千春は考えているのです。

「部屋にあなたが居るのを知った彼は驚きながらも、
天に上る気持ちになったと思う・・・・。
だって…、あんなに憧れていた女が目の前に居て・・・、
おそらく・・、ほとんど裸に近い姿なのでしょう・・、
彼ならずとも、男なら誰だって・・、
その場を去ることが出来ない‥‥」

「・・・・・・・」

「豊かな乳房、淫らな股間、そのすべてが彼を有頂天にさせたと思う。
知らない女を汚い物と考える潔癖症など一気に吹き飛ばされたと思う。
あなたに言われるままに、あなたを抱き、あなたのアソコに口をつけ、
果ては、あなたのおしっこを浴び、喜びの声を上げるようになったのだと思う…。
男なんて・・、所詮そんなものだと思う…・」.

「咲江…、私は・・・、何と言われても仕方ないけれど…、
そんな言い方をしては、旦那様が可哀いそうだよ・・」

「ゴメン・・、言い過ぎました…、
少し・・、妬いているのかな…」

素直に咲江が頭を下げています。


[35] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(586)  鶴岡次郎 :2017/05/16 (火) 11:37 ID:1qUjlNAw No.3001

「あまりにストイックな研究生活を続けた結果、
セックスに興味を持てない体になっていたの…・、主人は…」

「・・・・・・・」

坂上夏樹は性的不能に近い状態だったと・・、夫婦だからこそ知りうる情報を咲江は千春に告げてい
るのです。あまりに衝撃的な咲江の発言に千春はただ驚いて咲江の顔を見ています。

「長い間・・・、私を抱くことが出来ないでいた…・、
多分…、
千春以外の女がいくら頑張っても・・、
主人を立ち直らせることはできなかったと思う…、
これは間違いのないことだと思う…」

「・・・・・・・・」

「もし・・、あの部屋に千春以外の女が居れば・・・、
彼女が若くて、飛びっきり、きれいな娘(こ)でも・・・、
扉を閉めて、すごすごと、その場を立ち去ったと思う…。
知らない女を抱くことなど・・、
彼にはあまりにハードルが高すぎるから・・・」

「・・・・・・・」

千春はただ黙って聞いているだけです。咲江の発言は続きます。

「そうなれば、さらに大きな失意を・・・、
多分決定的なダメージを・・、彼は受けることになり・・・・、
私たち夫婦は崩壊へ向けて、転がり堕ちたと思う…」

「・・・・・・・」

咲江を見つめる千春の瞳に涙があふれ出ています。そこまで咲江が追い込まれていたことに千春は気
が付かないでいたのです。

「悔しいけれど・・、
私にはできないことを千春はやり遂げてくれた…」

「・・・・・・・」

千春は何も答えることができません。ただ、じっと咲江の顔を見ていました。咲江も静かな表情で千
春を見ています。

「あなたを抱いて・・・、
主人は男を取り戻したのよ・・、
完全に・・、凄いほどの男に変身した…・」

「・・・・・・」

こっくりと千春が頷いています。

「主人が女アサリを続けていることは知っている…、
でも・・、私を大切にしてくれるから、黙っている…、
ただ・・・、一つ・・・、心配なことがある…」

「・・・・・・・」

咲江が何を言い出すのか千春は気が付いていました。


[36] フォレストサイドハウスの住人達(その17)(587)  鶴岡次郎 :2017/05/19 (金) 14:38 ID:6iCUD7eg No.3002
「主人は・・・、
千春を忘れることが出来ないでいると思う…・
悔しいけれど、主人にとって、千春は特別な人なのよ…」

「そんなことはない‥
商売女とお客の関係よ・・・、
ご主人には・・、私はただの娼婦よ・・・」

思い切り彼女自身をさげすんだ言葉を出している千春です。その分、坂上春樹への思いが強いのです
が、それには気が付いていないのです。

「ううん・・、
私には判るの…、
彼自身も・・、いけないことだと判っていても…、
千春への気持ちを、私の前でも隠すことが出来ないのよ…」

「・・・・・・・・・・・・・・」

一瞬、寂しそうな表情を咲江が見せています。不注意な言葉は出せないと千春はじっと口を閉じてい
ます。それでもこのままではまずい方向へ展開すると思ったのでしょう、重い口を開きました。

「二度目にお店に来た時・・・」

最初の言葉を口に出し、次の言葉を考え、千春は慎重に話し始めました。

「ご主人は・・、お別れの挨拶に来たと言った…。
そして・・・、二度とこの店には来ないと断言した・・・、
修行のつもりでやっていた女遊びもきっぱり止めると言った…」

「そうなの…、
そんなことをあなたに宣言したの…」

「うん・・・、
正直言うとね・・・、
そこまで割り切らなくてもいいのに・・と、私は思った」

咲江の表情に明るさが戻ってきたことを確かめ、千春は喜んでいました。

「彼はきっぱり宣言した…。
これから先は、ここで起こったことはすべて忘れてほしい・・・、
顔見知りのご近所同士として付き合ってほしいと・・、彼は言った…。
勿論・・、私も異論はないと答えた…」

言葉を選びながら千春は説明しました。

「そう…、
そんなことを言ったの…
彼なりに、ケジメをつけたのね…・」

「そうだと思う…、
女遊びより、研究が大切だとも言っていた…。
私は大切な顧客を失って残念だけれど…、
他にもたくさん御客はいるからね・・、
一人や、二人、お客が逃げても構わない・・、ふふ…」

「よく言うわね…、
でも・・、もし・・、もしもよ・・・、
あなたのことが忘れきれなくて、主人がお店に来たら・・・、
相手するのでしょう…?」

「・・・・・」

そう言ってじっと咲江が千春を見つめているのです。千春は言葉を出せないでいました。親友が真剣
に問いかけているのです。心にかなわない返事はできないと千春はじっと彼女自身の心の内を覗き込
んでいるのです。そして、ゆっくりと口を開きました。

「彼が来たら・・・、
もし・・・、彼がお店に来たら‥‥、
追い返す‥・・、スタッフに頼んで玄関払いする…・、ふふ…」

「・・・・・・・」

咲江の瞳にみるみる涙があふれ出ていました。千春が手を差し出し、咲江がその手をしっかり握って
います。見つめ合い、二人の女はそのままの姿勢でじっと手を握り合わせていました。

〈彼を立ち直らせてくれたことには感謝している・・・・。
でも・・、これから先は、主人には手を出さないでほしい…
千春には遊びでも・・・、
あなたを抱けば主人は深みに嵌って行くと思う・・
悔しいけれど…、千春にはそれだけの魅力があふれている‥‥、
お願い…、主人には手を出さないで…・・〉

〈約束する…、
ご主人には絶対手を出さない…〉

〈ありがとう・・〉

咲江がもう一度強く千春の手を握りしめました。千春も咲江の手を強く握りなおしています。千春の
心の言葉を聞いて、咲江の頬に一筋の涙の跡が出来ています。千春の手が温かいと咲江は感じ取って
いました。


[37] 新しいスレを立てます  鶴岡次郎 :2017/05/19 (金) 14:44 ID:6iCUD7eg No.3003
新しい章へ移ります。ジロー


掲示板に戻る /戻る /全部読む /最新10 /削除依頼 /▲トップ
処理 記事No パスワード


お名前 *必須 *トリップ可
E-Mail
タイトル
コメント
パスワード (投稿文の削除や修正時に使用します。英数字で8文字以内)
文字色
  

・新規スレッド作成は鶴岡次郎限定です!新規スレッド作成にはパスワードが必要です。(※レスは自由に投稿できます)
・投稿前に、必ずTOPページの「初めに読んでね」をご覧いただき、全ての内容をご了承の上で投稿してください。
・氏名、住所、電話番号、勤務先等プライバシーが侵害されるような内容を含む記事等の投稿は厳禁です。(即時削除)
・日本の法律に違反するような投稿は厳禁です。(即時削除)
・他人を誹謗中傷する投稿は厳禁です。(即時削除)
・誹謗中傷には大人の良識に反するような「汚い言葉」等も当然含まれます。
・規約違反や違法な投稿を発見した場合に、レス投稿で攻撃することは厳禁です。(即時削除)
・規約違反や違法な投稿を発見した場合は、管理人宛に削除依頼等でご連絡ください。
・この掲示板は体験談や小説、エロエロ話等を楽しんでいただくための掲示板ですので、募集を目的とした投稿は厳禁です。(即時削除)
・投稿文冒頭から「メールをください」等の記載がある等、明らかに募集目的のみと思われる投稿も厳禁です。(即時削除)
・ただし、レスの流れの中でメールのやり取りをするのは全く問題ありません。
・ご夫婦、カップルの方に限り、交際BBSと組み合わせてご利用いただく場合は、全く問題ありませんのでドンドンご利用ください。
・なお、交際専用BBSにスレッドを作成できるのはご夫婦、カップルの方のみですのでご注意ください。
・お手数ですが、交際専用BBSと画像掲示板とを組み合わせてご利用いただく場合は、必ずその旨を明記してください。
 【例】「交際BBS(東・西)で募集している〇〇です」、または「募集板(東・西)の No.****** で募集している〇〇です」など。
・上記のような一文を入れていただきますと、管理人が間違ってスレッドを削除してしまうことが無くなります。
・万一、上記内容に違反するような投稿をされた場合は、妻と勃起した男達の各コーナーのご利用を制限させて頂きますでご注意ください。
・当サイトは安全で安心できる楽しい「大人のエロサイト」です。腹を立てるのではなく、楽しくチ●ポを勃ててくださいネ!