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フォレストサイドハウスの住人達(その15) 

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2016/09/19 (月) 14:32 ID:J9vM0XIA No.2895

泉の森の取り持つ縁で、由美子と愛はSFハウスに住む千春と知り合いました。最初から波長が
合ったのでしょうか、あるいは千春のとんでもない浮気現場を由美子が偶然目撃したせいで、出
会った最初から三人の女は何も隠さず、自身の恥ずかしい過去をさらけ出すことになりました。そ
のせいでしょうか、三人はすっかり親しくなりました。

由美子は殆ど毎週のように愛の売店に出向き、そこで二、三時間たわいのない会話を弾ませるのが
習慣ですが、その二人の仲に千春も仲間入りする様子です。それぞれ個性的な女性ですし、由美子
と千春は夫公認の愛人を持つ多情な女ですから、三人集まれば、この先も面白い事件が起きそうな
予感がします。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。
卑猥な言葉を文脈上やむを得ず使用することになりますが、伏字等で不快な思いをさせないよう注意
しますが、気を悪くされることもあると存じます。そうした時は読み流してご容赦ください。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにしま
す。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。

・〈(1)2014.5.8〉 文末にこの記事があれば、この日、この記事に1回目の手を加えたことを示
ます。
・〈記事番号1779に修正を加えました。(2)2014.5.8〉 文頭にこの記事があれば、記事番号1779
 に二回目の修正を加えたことを示し、日付は最後の修正日付です。ご面倒でも当該記事を読み直し
ていただければ幸いです。


[2] フォレストサイドハウスの住人達(その15)(496)   鶴岡次郎 :2016/09/19 (月) 14:49 ID:J9vM0XIA No.2896

咲江の悩み

坂上咲江には小学生二年の息子と、4歳になる娘が居て、娘は浦上千春の息子と同じ幼稚園に通って
います。身長160センチに満たない小柄な女性で、目が細い純日本風の古典的な美人です。短大を
卒業した後、国立研究所の事務職として採用され、OLをしていたのですが、5歳上の坂上夏樹と職
場結婚して、寿退社して、以来、専業主婦を続けているのです。

夫の坂上夏樹は真面目で、正義感の強い人物で、小学校から大学院までずっとトップの学業成績を収
め、秀才の名をほしいままにしてきた人物です。長身で、痩身で、秀才にありがちな冷たい感じはな
く、人柄でしょうか、その類希な才能のなせる業なのでしょうか、茫洋としていて傍にいる人をこよ
なく癒してくれる人物なのです。咲江も夏樹のそんなところにべた惚れなのです。

博士課程を終わった後、武者修行のような形で大学に籍を置いたまま国立の研究所に勤めることに
なったのですが、いずれ母校の教授になることが約束されていると言われています。専門分野では国
際的に知られる有名人で、いずれノーベル賞も夢でないと言われている人物です。三年前に念願のマ
イホームを手に入れ、SFハウスへ引っ越してきたのです。

幼稚園が一緒だということで咲江と千春は急速に親しくなりました。かなり派手目で、背の高い千春
と、何事にも控えめな女性である咲江は、見た目も考え方もかなり異なるのですが、そのことが
返って二人を引き付けることになり、二人の仲は急速に深まりました。

付き合い始めて間もなく、千春はソープ勤めをしていることも、佐王子と言うセックスフレンドが居
ることも咲江に告げるほどの仲になっていました。咲江は見かけ以上にしっかりしていて、彼女のモ
ラルと今まで生きて来た経験則に照らせば、とても受け入れることが出来ない千春の奔放な性生活を
聞かされても、驚き、あこがれることがあっても、一方的に非難したり、軽蔑したりすることなく、
それなりに理解を示しているのです。

それでいて、自身の生活では夫一人を守りきり、千春の話に刺激され浮気願望を持つものの、それを
実行に移すことなど、夢にも考えない堅実な生活を守っているのです。そんな咲江に事件が降りかか
りました。


その日、咲江は久しぶりに都心の繁華街に一人で来ていました。短大の同窓会が開かれることにな
り、子供たちを夫に預け、出席したのです。同期の女たちの中にはまだ結婚しないで現役のOLとし
て頑張って働いている人もかなりいて、それなりに新鮮な刺激を受ける半日を過ごしました。

会が終わった後、二次会の誘い断り、子供たちのために評判のケーキを買い求めるために少し足を延
ばしたのです。その店はソープや、いかがわしい店が軒を並べる歓楽街と背中合わせの場所にありま
した。勿論、咲江は風俗街がそこにあることは知っていましたが、自分とは無縁の世界だと思ってい
て、関心さえ持ったことがなかったのです。昔、OLだった頃、勤め先の研究所から徒歩で行けるこ
の店へ行き、月に一度か、二度その店で自分へのご褒美で、ケーキを買い求めるのが、当時、咲江の
最大の楽しみだったのです。

店でケーキを買い求め、急いで帰るつもりで駅への近道を選んだのです。その道は風俗街を通り抜け
る道で、昔もそうだったのですが、普段なら咲江がその道を選ぶことはなかったのです。しかし、そ
の日、喜ぶ子供たちの顔が早く見たくて、咲江はその道をとってしまったのです。


[3] フォレストサイドハウスの住人達(その15)(497)   鶴岡次郎 :2016/09/20 (火) 15:02 ID:0/SPKTpw No.2897

明るい表通りから右に逸れると、薄暗い路地の奥に毒々しく原色の光を放つ看板が立っている風俗街
が見えます。表通りから速足でビルの角を曲がった時、咲江の目の前に大きな壁が突然立ちはだかり
ました。壁と思ったのは黒服を着た二人の男だったのです。男たちは身軽に咲江の体をかわしたので
すが、もともと体育が得意でない咲江はとっさのことで反応できなくて、手にしたケーキの箱を宙に
投げ出しその場に跪いてしまったのです。

焼けつくような激しい痛みが咲江を襲いました。悲鳴も上げていました。それだけではなかったので
す…。

ケーキの箱が男の一人に当たり、中からケーキが飛び出し、彼の黒いズボンに白いクリームをぶちま
けていたのです。さすがに男は声を出しませんが、渋い表情で咲江を見ていました。

痛みより、ケーキを無駄にしたことより、男のズボンを汚したことが咲江にとって一番気になること
でした。急いで立ち上がり、男に近づきハンカチでクリームを拭おうとしたのですが、ハンカチで何
とかなる状態でないことがすぐわかりました。

「スミマセン…、
クリーニング代を払わせてください…」

その言葉を出すのが、咲江にできるただ一つのことでした…。

「いいんだ・・、いいんだ…、
こんなモノ・・、洗えばすぐとれるから・・・、
それにしても、あなた…、
血が出ていますよ…」

そう言われて、咲江は自分の膝を改めて見ました。ストキングが破れて、はっきりそれとわかるほど
出血しているのです。血を見ると急激に痛みが増していました。咲江はへなへなとその場に座り込ん
でしまいました。悲しいはずですが涙は出しませんでした。

「ああ・・・、そんなところに座ってしまって…
そのままではダメだ…、手当てをしないと…、
おい・・、ご婦人を背負って店まで運べ・・」

その時になって初めて千春は二人の男が黒のスーツで身を固めていることに気が付いていました。明
らかに普通のサラリーマンとは違う粋な着こなしなのです。スーツも高価なものに見えます。

一人は50歳くらいで、170に届かない身長ですが、贅肉のないシャープな体をしています。鼻の
下に口ひげを蓄え、やや色のついた縁なしグラスをかけた渋い中年です。もう一人はかなり若いイケ
メンで、180センチを超える長身で細身の男です。二人とも普段はめったに会うことがない種類の
男です。少なくとも主婦である咲江には縁の遠い人種です。

ただならない二人の男を見て、大変な相手に迷惑をかけってしまった・・。咲江は背中が冷たくなる
ような恐怖を感じていました。


[4] フォレストサイドハウスの住人達(その15)(498)   鶴岡次郎 :2016/09/21 (水) 11:05 ID:uYCjRJPM No.2898

若いイケメンがその場に腰を下ろし、黙って片膝をペイブメントの上について、咲江に背中を向けま
した。

「奥様・・、遠慮なさらず・・、おぶさってください…・。
この近くに私の事務所があります。そこで応急手当てしましょう…」

中年が微笑みを浮かべて言いました。暗闇の中でも、素早く咲江の指輪を見て、人妻だと判断してい
るのです。油断できない男です。咲江は断ることができませんでした。それから先のことは、すべて
咲江には夢の中の出来事のように感じられました。
 
若い男の背中は暖かく、若草にも似た体臭を嗅ぎ取り、咲江はうっとりとしていました。それほど大
きくない乳房をぴったりと背中に押し付け、大きく広げた両脚でたくましい男の体を挟み込んでいる
のです。頬を首の周りに近づけ、唇をそれとなく男の首に押し付けていました。

ストッキングの薄い布一枚を隔てて男の体に触れているのです。イケメン君が歩を進めると背中や腹
部のたくましい筋肉の動きがダイレクトに女の肌に伝わってくるのです。大腿部に食い込んでいる男
の指を咲江は苦しいほどはっきりと感じ取っていました。それだけで体が潤むほど感じていたので
す。

若い男は軽々と咲江を背負い、ビルの外階段を上がり、二階にある通用口から事務所に通じる狭い通
路を辿り、硝子戸をあけて事務所に入りました。それほど広くない室内に机が10脚ほど置かれてい
る比較的地味な事務所でした。窓を背負って中央に、おそらくこの事務所内で一番位が高い人物の机
の傍に、粗末な合成皮を張ったソファーがありました。咲江はそのソファーに降ろされました。

「奥さん、ストッキングを切り取りますが・・、いいですね・・・」

中年男は咲江の返事を待たずスカートの裾を腰までまくり上げ、膝の破れたところからハサミを入
れ、足先まで一気に切り開き、次に腰までストッキングを切り開きました。ハサミの冷たい感触を咲
江は臀部で感じ取り、一瞬震えるほどの刺激を受けていました。パンストは片足だけになり、T
バックのショーツが露わになっていました。おそらく、毛深い股間のハミ毛を男達は目撃したに違い
ありません。

咲江が止めることが出来ないほど素早い、見事な男のハサミさばきでした。ショーツ姿をさらけ出し
ても、今更恥ずかしがるのが不自然に思えるほど中年男の所作に嫌味や、やらしさはないのです。医
者の前に居る心地さえ咲江は感じていたのです。咲江は黙って、男に体を任せる様子を見せていま
す。

そこで中年が立ち上がり、イケメン君に近寄り何事か指示しています。そして、イケメン君は急ぎ足
で事務所を出て行きました。中年と咲江が残されたのです。スカートが捲りあげられ、パンストの片
足が腰から足先まで切り開かれ、ショーツ姿を男の前にさらし出しているのです。この上なく危険な
状態ですが、咲江はそれほど不安に思っていませんでした。

男が再び咲江の両脚の間に跪きました。女は男を迎えるように両脚を少し開いています。もろだしに
なった大腿部に男は右手を置き、両脚を更に押し開くようにして、女の脚の間に体を入れて左ひざ内
側の傷に顔を寄せて、傷を診ています。

男の鼻息が咲江の脚に微妙な刺激を与えています。先ほどイケメン君に背負われてかなり感じていた
局部が再び潤ってくるのを咲江は感じ取っていました。


[5] フォレストサイドハウスの住人達(その15)(499)   鶴岡次郎 :2016/09/22 (木) 14:04 ID:fr9XWKa6 No.2899

明らかにそうした手当てに慣れている感じで、治療用の薬や備品も普通の家庭とは比べられないほど
完備されているのです。貴重な物を取り扱うようにして、傷を消毒し、軟膏を塗り、包帯を器用に巻
いています。

男の視線がやや開き加減になっている咲江の股間に注がれているのを女はずーっと感じ取っていまし
た。視線を感じ取り、その部分が熱くなり、明らかなぬめりさえはっきり感じ取っているのです。そ
れでも女は股間を緩めたままで、やや開き加減にして男の視線を楽しんでいるのです。しかし、そん
な女も、股間から漏れ出した妙なる香りが敏感な男の鼻腔をかなり刺激していることまでは気づいて
いませんでした。

右手で包帯を巻きながら脚が動かないように支えるつもりなのでしょう、左手は大腿部をしっかり
握っていて、その手が大腿部からじわりじわり奥へ進んで、指先がほとんどショーツのボトムに触れ
る寸前まで来ているのです。当然男の指の侵入を感じているはずですが、女はそんな男の手を嫌
がっていない様子で、むしろ股間をやや開き加減にして、男の指を迎え入れようとしているようにさ
え見えるのです。

かなり時間をかけた丁寧な作業でした。包帯がようやく巻き終わりました。治療は終わったのです。
ところが男の左手は女の股間へ届いていて、今にもその部分に触れる寸前のままで、その場所を離れ
ようとしないのです。女も治療を忘れている様子です。

男の視線が大胆になり、女の股間に固定されています。それを感じ取ったせいでしょうか、そこから
沸き上がる芳香は、いまや男を狂わせるほど強いものに変わっています。男の視線はショーツの谷間
にわずかなシミを見つけだしていました。

男の指が一度か二度、ボトムのその部分に軽くタッチしました。女はそれを感じ取って体を震わせて
います。

「ああ・・・、失礼・・、
ここ・・、痛いですか・・・、
痛かったら・・、そう言ってくださいね…・」

「いえ・・・・、何ともありません…・」

「こうすると・・、どうですか…
痛くありませんか・・」

そう言いながら、包帯の上から傷を右手でやや強く触っています。そして、左指をショーツの隙間か
ら忍び込ませ、指二本を局部に挿入しているのです。

「ああ・・・、痛い…・ッ・・・・」

傷の痛みと局部への指の挿入による快感を同時に感じ取り、女が高い声を上げています。

「ああ・・・、失礼…、
ここ・・・、痛いようでしたら・・・、止めましょうか・・・・・」

「ああ・・・、いいです・・・
そのまま・…、そのままで・・・・」

「こうすると・・、どうですか…」

「ああ・・・・、
気持ちいいです……
そこ、そこ・・・、いいです…・」

男の左指が巧みに踊り始めているのです。女は高い声を出し、両脚をいっぱいに広げています。


[6] フォレストサイドハウスの住人達(その15)(500)   鶴岡次郎 :2016/09/24 (土) 16:45 ID:w1lnGt3. No.2900

女の様子を見て、これなら大丈夫と見て取った男は、Tバックショーツをはぎ取りました。女は尻を
上げて男の作業に協力しています。一糸まとわない下半身が露わになり、女はいっぱいに両脚を開き
その部分をさらしています。

濡れそぼった女陰が露わになり、淫らにうごめいています。女は覚悟を決めている様子で、あがらい
ません。それどころか、積極的に両脚を開き、その部分を男に見せつけるように腰を持ち上げ、男を
呼び込むようにゆったりと左右に動かしているのです。

女の両脚の間に体を入れて、右指、左指をフルに稼働して女のポイントを大胆に、的確に刺激してい
ます。もう・・、女はすべてを忘れ快感の中に溺れています。あふれ出た愛液がソファーの表面を濡
らしています。女は苦悩の表情を浮かべ、大声を上げて悶えています。女の指が男の股間に伸び、ズ
ボンの上から男根を握りしめています。女は男根を受け入れる覚悟が出来ている様子です。

イケメン君が外出から戻ってきた足音が聞こえてきました。その音にすぐに気が付いた中年が手を止
め、腰までまくり上げていたスカートの裾を元に戻しています。突然作業を中止した男を女は恨めし
そうに睨んでいます。男は親指を立て、部屋の入り口方向を何度か指さしました。どうやら女も状況
がつかめた様子です、大きく股を広げて投げ出していた脚を慌てて整えています。

ソファーからショーツを拾い上げ女に差し出しています。それまで夢の中に居るようにして治療を受
けていた女がようやく目覚めた様子で男と視線を合わせて、頬を染め、ショーツを受け取っていま
す。それは絞れば滴るほど濡れそぼっています。濡れたショーツの重さを感じ取り、女はさらに恥ず
かしさが増したのでしょう、身をよじっています。そんな女を好ましげに見ながら、男が右人差し指
を唇の前に立て、にっこり微笑んでいます。女も軽く頷き、ショーツを手のひらの中に隠していま
す。

30分ほど前、偶然街角で出会い、妙な縁で男の事務所に担ぎ込まれ、まだ名前さえ名乗り合ってい
ない仲ですが、もう・・、咲江は中年男をすっかり受け入れた様子です。最初は怖い男と感じていた
のですが、優しく治療を受け、その上、あられもない姿をさらしたことで、女は中年男に強い親近感
を持つようになっているのです。その変化は、セックスの後に見せる女の変化に似たものがありま
す。

「応急処置を済ませておきましたから、化膿することはないと思います。念のため明日にでも医者に
診てもらってください。それから、これは痛み止めの飲み薬です・・、痛くて眠れない時に飲んでく
ださい。私も常用していますが、副作用は少ないようです…」.

「ありがとうございます・・・」

咲江はうっとりとして頭を下げていました。ケガをしたとはいえ、男からこんなに大切に取り扱われ
たことは記憶にないのです。

「お好みに合うといいのですが・・・」

イケメン君がパンストを咲江に差し出しています。

咲江が今着けているストッキングと同じメーカの品です。おそらくパンストをハサミで切り裂く時、
中年がメーカを確かめ、イケメン君に同じ品を買い求めるよう指示したのだと思います。油断できな
い男です。

トイレで着替えを済ませてソファーに戻ると、なんと・・、新しいケーキの箱がテーブルに置かれて
いました。イケメン君がストッキング同様、買い求めてきたのです。ケーキ店の店員が咲江の伝票を
見て、同じ物を揃えてくれたのです。そしてしばらくすると運転手姿の人物が事務所に入ってきまし
た。

「迷惑をおかけした償いに、自宅まで送らせてください・・、
本来ですと、私たちのどちらかがお供すべきなのですが・・・、
二人ともこちらにヤボ用が残っていて・・、お供できないのです・・。
信用できる会社のハイヤーですから、安心して利用してください・・
勿論、料金は支払い済みです・・・」

中年が笑みを浮かべて説明しました。こうして、断るスキさえ与えない行き届いたマナーで咲江は車
に運び込まれたのです。


[7] フォレストサイドハウスの住人達(その15)(501)   鶴岡次郎 :2016/09/25 (日) 15:50 ID:Xitas282 No.2901
自宅へ戻った時、二人の男に世話になったと夫に告げるのを、何故か咲江はためらいました。宴会場
で転んでひざを擦り剥いたと夫に告げたのです。夫は笑っていました。彼の笑顔を見て咲江の心は少
し痛みました。夫に秘密を持ったことは今までなかったのです。この小さな嘘が引き金となって、こ
の先、咲江はずるずると道を外していくことになるのです。

傷の治療を受けたところまではともかく、中年男の指を拒否しないで、股間に受け入れたことが咲江
自身、現実に起きたこととは思えない気持ちなのです。それでも、お風呂に入り、そっと大腿部を撫
ぜるとはっきりと男の指の感触を思い出していました。そっと亀裂に指を入れると、そこは洪水状態
でした。

〈ああ・・、なんて馬鹿なことをしたんだろう…、
あの時、手を払えば・・、それで何事も起こらないで終わったはずなのに…、
アソコをじっと見つめられ・・、
彼の指が・・、アソコに届きそうになっているのに気が付ていたのに・・、
私は抵抗しなかった・・・、むしろ、脚を広げて迎え入れていた…〉

湯船に身を沈めて、咲江は中年男のことを思い出していました。

〈指を入れられた時・・・、
私は・・・、私は・・、彼に抱かれてもいいと思っていた…・
もし・・、そんなことになっていたら…
ああ・・、考えるだけでも恐ろしい・・〉

そのまま最後まで行くつもりになっていた女心を思い出し、背中が凍るような恐怖感を抱いているの
です。

その一方で…・

〈でも・・、誰にもバレないのなら・・・、
一度だけ・・、ただの一度だけでいい・・・、
他の男に抱かれたい…・・、
このまま何もしないで、女の盛りが過ぎるのを待つのは嫌だ…・〉

どこかで、気弱な彼女自身をあざ笑い、背信行為を促す、もう一人の咲江が居ることをはっきりと感
じ取っていたのです。


数日後、家事や子供の出迎え時間を何とか調整して、先日ケガをした同じ時間を選んで咲江はその事
務所を訪問しました。その時間であればあの事務所も営業中だと推測したのです。二人の男の様子か
ら何となく特殊な商いをしている事務所ではないかと思って、それで、普通の会社なら営業を終
わっているはずの夜の7時をあえて選んだのです。

「村上装備」と言う会社名を咲江は記憶にとどめていました。ネットで調べると資本金200万円、
従業員数名の会社で、社長は村上総一郎、53歳で、店舗の改装請負や店舗用の備品を扱い、売り上
げも、利益もそこそこで、まずはまっとうな会社でした。


事務所を訪ねると、先日の二人の男が忙しく働いていました。数名居ると言われている他の社員は外
で働いているのでしょう。二人は先日の正装と違い、ラフな格好をしています。

若いイケメン・・、村松栄治、23歳は、かなり大きな段ボールの箱を開けて、中から食器類を丁寧
に取り出し床に並べていました。おそらく卸問屋から届いた商品を整理して、お客様へ配達する準備
をしていると思えます。中年は・・、社長の村上総一郎は、パソコンに向かって伝票を見ながら打ち
込みを続けています。二人の様子を見る限り、どこから見てもごく普通の商店の風景です。普通と違
うのは、時刻が夜の7時を過ぎていることです。

丁寧にお礼を言い、準備してきたクッキーを咲江は差し出しました。村松がかいがいしく動いてお茶
の準備をしています。

「翌日、近くの医院へ行きました。応急処置が非常に行き届いていると医者が褒めていました。それ
で、かなりの傷だけれど、一週間もすればきれいに治り、痕も残らないということでした。本当にお
世話になりました・・」

「イヤ・・、イヤ・・・
私たちこそ、とんでもない迷惑をかけました…、
私たちにとっては慣れた道ですから、暗闇の中でも平気で歩くのですが、
あの付近は昼間をともかく、夜になると、暗くて危険な場所なんです・・。
これからは、夜はあの道を通らないで、
少し遠回りでも明るい道を選んでください・・」

「ハイ・・・」

「ところで・・、咲江さん・・・・
夕食は済んでいますか・・・、
未だでしたら、ご一緒にいかがですか・・・、
おいしいイタリアンの店が近くにあるのですよ…」

食器類配送の仕事があるという村松栄治を残して、咲江と村上は肩を並べて、事務所を出ました。そ
して、その夜の内に二人は男女の関係を持ったのです。


[8] フォレストサイドハウスの住人達(その15)(502)   鶴岡次郎 :2016/09/27 (火) 15:40 ID:bFrLtGJ6 No.2902
こうなることを、家を出る時から咲江は想像して、覚悟を固めていたのです。シャワーを使い、下着
もそれなりの物を着け、避妊具もバッグに忍ばせていたのです。家を出る時から、誘われれば断らな
いと決めていたのです。

決心するまで随分と迷いました。幼い子供がいることを口実にすれば、先日のお礼は電話でも済みま
すし、お礼の品も送り届ければいいのです。主婦が一番忙しいはずの夕暮れ時、貴重な時間を割い
て、わざわざ男が確実に事務所に居る時間を狙って訪問するのです。勘のいいあの男なら、この時間
を選んでやって来た咲江の好色な下心を読み取り、ほくそ笑むだろうとも思ったのです。しか
し・・、最後には咲江の中に居るもう一人の女が背中を押してくれたのです。

〈咲江・・、何を迷っているの…
こんなチャンスは二度と来ないよ…・、
このまま女を終わってもいいの…?

咲江を見るあの男のいやらしい視線を思い出してごらん・・・
あの巧みな指使いを覚えているでしょう…
きっと…、失神するほど感じさせてくれるはず…・

きっと食事に誘ってくるはず・・・・
黙って頷くだけでいいのよ・・・、
終わった後、口を拭えば・・・、
誰にもバレないから…・〉

男と女の仲は、予想が付かない展開があると言えばそれまでですが、咲江の下した判断は普通に考え
ると不思議で、唐突な決断です。ですが・・、咲江にとっては考えに考えた末に下した決意・・、熟
慮の末に決めた行為だったのです。なぜそんなことをしたのか…、それが男と女の関係だからとしか
言えません。


一度だけの浮気と咲江は決めていました。しかし、もう一度会ってほしいと、別れ際に抱きしめら
れ、唇を吸われ、男から迫られると、咲江は黙って頷いていたのです。

二度目の出会いは一週間後の昼間でした。この時間であれば自由に咲江は動けるのです。昼間の情事
は予想外の快楽を咲江に与えました。さんさんと日の光が差し込むホテルのベッドの上で、咲江は生
涯で初めて失神を味わいました。こうなると女は弱いと、咲江は思い知らされました。

失神からよみがえり、ぼんやりしている隙を狙ったように男が後ろから抱きついてきました。右手で
乳房を優しく握り、左手は素早く膣に挿入されているのです。女の腰に感じる男根は少し硬くなった
程度です。

「咲江…、正直に言う・・、
俺はこの年で初めて女に惚れってしまった…
旦那と別れろとは言わない、
月に一、二度でいい、俺と会ってほしい…」

「ダメ…、
ああ・・・、そんなことできない・・
これっきりと約束したじゃない…」

「やっぱり駄目か・・・、
無理な相談かな…」

そう言いながら、女の首に唇を押しつけ、舌で首筋を嘗め回し始めています。女が苦しそうに顔をゆ
がめています。男の両手は乳房と膣を愛撫しているのです。

「ああ・・、ダメ…、
お願い・・・、これっきりで止めましょう…、
ああ・・・、止めて…」

男は黙って両手、唇の愛撫を続けています。女は呻きながら男の手を必死で解こうとしています。

「ああ・・・、ダメ…」

右半身を下にして、女の左足が高々と持ち上げられています。いきり立った男根が女唇に触れていま
す。女の抵抗が止まり、腰を男根に擦り付けるようにしています。

男が男根を握り、女唇をこすっています。驚くほどの愛液がほとばしり出ています。女は挿入を望ん
で、腰をしきりに動かしています。男は男根の先端を女唇に押し付けたり、離したりしています。

「ああ・・、お願い・・・、焦らさないで…・」

「俺の愛人になると約束してほしい…」

「ああ・・、そんな…」

女が悶えています。男が一気に挿入を果たしました。体をのけぞらせ、女が絶叫しています。

「俺の愛人になるな…・」

「なる、なる…、愛人になる…、
もっと・・、もっと・・・、
ああ・・・、もっと・・、突いて…・・」

こうして、村上のモノを深々と受け入れた状態で、村上の愛人になると、咲江は泣き叫びながら約束
してしまったのです。


[9] フォレストサイドハウスの住人達(その15)(503)   鶴岡次郎 :2016/09/29 (木) 10:52 ID:tcgxfZmg No.2903

悦楽の渦中で愛人になると約束した形ですが、その気になれば取り消すことはできたのです、短い付
き合いですが、女には村上の生き方、生活スタイルが幾分か判り始めていたのです。格好良さを売り
物にしている村上であれば、嫌がる女を無理やり愛人にするつもりは持たないはずだと女にも判って
いたのです。それでも咲江は自身の言葉を取り消しませんでした。愛人になると公言したことを咲江
は決して後悔していなかったのです。むしろこれで良かったと思っているのです。

人妻にとって、他の男の愛人なると公言することは、あまりにも罪深い約束事です、とても正常な精
神状態では口に出せないことです。その女の立場と気持ちを尊重して、狂ったような情感の高まりの
中で、村上は咲江に愛人になることを求め、女が嫌々ながらその申し出を受け入れる形をとることに
したのです。村上の狙いは、遊びの中に男と女の本音を散りばめた形なのです。

村上の立場に立てば、戯れの中で取り付けた約束事にそれほど拘束力があるとは当然、思っていな
かったのです。それでもこの約束にすべて意味がないとは思っていなかったのです。少なくても、女
がこの関係を嫌っていないことは判ったのです。咲江を夫から奪い取るつもりも、金銭を貢がせるこ
とも、端から考えていませんでしたから、これ以降は流れに任せて、離婚など深刻な問題が起きない
よう、深い付き合いを避け、愛人の言葉さえ封印して、村上は咲江との仲を楽しんだのです。後に
なって判るのですが、むしろ危険な状態に陥ったのは咲江だったのです。


この日を境にして、村上と咲江の情事は深く潜航して行われるようになったのです。連絡には携帯電
話を一切使用しないことにしたのです。連絡をしたい方が公衆電話から相手先の固定電話に掛けるこ
とにしたのです。もちろん、メール、手紙などは一切使用しません。

出会いの場所と時間にも工夫を凝らしました。咲江のマンション近くの地下鉄駅から都心へ向けて5
駅行ったところに比較的大きな町、M駅があります。二人はこの町にあるホテルを利用することに決
めました。そこにはたくさんのその種のホテルがあって、目立たないこと、二人とも30分程度で行
けることを考え、このM駅のホテルに決めたのです。

咲江のマンションのある駅からM駅へは急行で直行できるのですが、ここへ行くのに、咲江は二度電
車を乗り換えて行くようにしているのです。これは村上のアイデアで注意深く尾行をチェックするこ
とにしているのです。

M駅の東口を出ると郊外唯一と言われる繁華街があって、ソープや、飲食店、そしてホテルが軒を並
べているのです。一階が喫茶店になっているホテルを出会いの場として選びました。早く来た方がホ
テルの予約を済ませ、喫茶店でお茶をいただきながら相手を待ち、相手が現れると入れ違いに店を出
て、別の入り口からホテルへ入り目的の部屋に入るのです。遅く来た者は喫茶店でお茶をゆっくり飲
み、十分にスパイの目を警戒してから喫茶店から直接ホテルへ入るのです。勿論、帰る時は、時間を
ずらせて別々に部屋を出て、それぞれ違う出口からホテルを出ます。

昼間、子供たちが幼稚園や小学校へ行ったあと数時間、二人で過ごすのですが、最初は月に一度と決
めていました。それが、咲江から言いだし、月に二度のペースで会うことにしているのです。

こうして二人の密かな関係は半年ほど静かに続きました。村上と関係を持ってからも、咲江の日常に
変化はありません。当然、夫夏樹の生活にも変化はありません。以前通り、判で押したように、規則
正しい、しかし充実した日々が村上家を通り過ぎてゆきました。

夫を送り出した後、小5の長男と幼稚園児の長女を送り出すと咲江の自由な時間がやってきます。家
事を午前中に済ませ、近くの商店街か、少し足を延ばしてM町のデバ地下へ買い物に出かけるので
す。村上への連絡は買い物に出かけた時、公衆電話を使用して行うのが常なのです。毎日でも会いた
いと咲江は思うのですが、村上はやんわりと拒否しました。そして、咲江を説得して月に二度と決め
たルールを守らせているのです。



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