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フォレストサイドハウスの住人達(その12)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2015/09/11 (金) 14:26 ID:UJ4zW1Bo No.2747

山口の問題は片が付いたのですが、今回の事件の元を質せば、それは千春の体に芽生えてきた堪え
がたい疼きのせいだと言えます。万人に一人の感性に恵まれた千春は、夫、杉浦三郎と愛人、佐王
子保に交互に抱かれ表面上は穏やかな生活を続けていたのですが、子供が幼稚園に入学し子育てに
一区切りが来たことで、本来の女性機能がより活発に動き出したのです。

幸恵のアパートで出会った運転手の杉下にあっさり抱かれ、彼の仲間である隆司と山口を交えた5
Pの遊びに溺れたのも、全て千春のたぐいまれな性感が活発に動き出した結果だと思います。この
先、千春はどこへ向かうのでしょうか・・、もう少し千春を追ってみます。相変わらず、大きな変
化の少ない市民の話題です。ご支援下さい

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにしま
す。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。

・〈(1)2014.5.8〉 文末にこの記事があれば、この日、この記事に1回目の手を加えたことを示  します。
・〈記事番号1779に修正を加えました。(2)2014.5.8〉 文頭にこの記事があれば、記事番号1779
 に二回目の修正を加えたことを示し、日付は最後の修正日付です。ご面倒でも当該記事を読み直し
 ていただければ幸いです。


[2] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(366)  鶴岡次郎 :2015/09/11 (金) 15:40 ID:UJ4zW1Bo No.2749

魔 性

ここは千春の自宅です。佐王子を前にして、千春は浮気の顛末をすべて語りつくそうとしています。

幸恵のアパートを訪問した時、ソープ勤めをする幸恵の顧客である40歳代の運転手、杉下と遭遇
し、幸恵の計らいで千春は彼に抱かれることになりました。旺盛な性欲を持つ千春一人でさえ杉下は
満足に料理できなかったのですが、そこへ幸恵も加わり、女二人が杉下に挑むことになったのです。
ギブアップした杉下は仲間の運転手、40歳代の隆司と若い山口を呼び寄せました。こうして、女二
人、男三人の乱交が始まったのです。

この日を境に、男3人と女二人の乱交は定期的にしばらく続きました。5人はそれぞれに5Pを楽し
んだのですが、10回近くこの遊びを続けると、『こんなことをいつまでも続けていて、いいのだろ
うか・・』と、疑問がみんなの中に自然と湧き上がっていたのです。

最初に千春が言い出し、若い山口を除いて全員がこの遊びを終えることに賛同したのです。おそらく
全員が千春同様、この遊びを続ける危険性に気付き始めていたのだと思います。

若い山口一人が収まらなかったのです。千春に惚れこみ真剣に結婚を考えるまで思いつめていたので
す。ところが、不器用な山口は千春に胸の内を打ち明ける機会を失い、思いつめた感情をストーカー
行為に向けたのです。迷惑をこうむったのは幸恵です。山口のせいで満足にソープ勤めも出来なく
なったのです。ここで、幸恵の懇請を受けて佐王子の店のスタッフである神本が登場し、若い山口を
追い払い、一連の事件はようやく終わりを告げたのです。


ここまで話を聞いた佐王子が大きく息を吸い込み、頭を振りながら、低い声で呟きました

「それにしても山口は可愛そうなことになったね・・・
なまじ若くて、まじめな性格だったのが災いを招いたのだろうな・・」

「・・・・・・・・」

佐王子の言葉が聞こえているはずですが、千春は何も言いません。

「俺には山口の気持ちがなんとなく判るよ・・
千春に会ったのが、山口の運命だったね・・・・」

「・・・・・・・」

佐王子が何を言い出すのか千春には判っている様子です。不安そうな顔で佐王子を見つめているので
す。

「千春は自分のことをプロの女だと自己紹介したのだろう・・・、
幸恵さんだって、安アパートの住人で、プロの女性を看板にしている。
言ってみれば、二人とも数えきれない男を相手にしている娼婦だ・・・と、
男達にそう思われても仕方がない状況だよね・・・
まさか・・・、高級マンションに住む淑やかな人妻だとは誰も思わないよね・・・」

「そうですね・・、その都度、お金もちゃんといただいていましたから・・・
あの男達は私たちを娼婦だと思って、弄んだはずです・・・
もちろん、私達も娼婦になり切って思い切り乱れました・・・・。

10回近く、それもかなりの頻度で遊びましたから、
少々深入りしたと後悔しなかったと言えば嘘になりますが・・・、
それでも、後腐れなく、男達を切ることが出来ると思っていました・・・」

「しかし、若い山口一人が遊びだと割り切れないでいた・・・。
淫らな娼婦である千春に惚れこみ、真剣に結婚を考えるようになった・・、
山口だってバカじゃない、おそらく、結婚を決意するまでに相当悩んだと思うよ・・、

それでも娼婦と結婚すると決めた・・・。
若いってことはいいものだね・・・。うらやましいよ・・。

千春が相手でなければ・・・、多分・・・、
結婚を考えるほど、山口はのぼせ上がらなかったのではと・・・・、
私は思うのだが・・、どうだろう・・・・。

おそらく、今・・、この瞬間でも・・、
山口は千春のことを、忘れきれなくて、思い続けていると思うのだが・・」

「・・・・・・・・・・・」

佐王子に言われて千春は複雑な思いを噛み締めていました。


[3] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(367)  鶴岡次郎 :2015/09/14 (月) 14:29 ID:bzScPSTA No.2750
不機嫌そうに、だんまりを決め込んでいる千春の表情を覗き込むようにして、笑みを浮かべながら
佐王子が千春に質問しています。

「ご機嫌が悪るそうだね・・、
何か怒らせるようなことを言ったのかな・・・」

「何も・・、不機嫌になんかなっていません・・、
それ以上言わなくても・・、保さんが言いたいことは判ります・・・」

佐王子を睨み付けています。首をすくめている佐王子です。

「私が山口さんを狂わせたと、保さんは言いたいのでしょう・・」

「まあ・・、そう言うことだが・・・」

「面と向かってそう言われると、反論したくなりますが・・、
ある意味それは当たっているかもしれない・・、
幸恵さんにも、神本さんにも本当に迷惑をかけてしまいました」

「・・・・・・・・」

意外に素直な反応を見せる千春の態度に佐王子が驚いています。

「今回のごたごたは・・・、
山口さんの勝手な思い込みのせいだと思っていました。
私はどこも悪くないと思っていました・・・」

「・・・・・・・・」

真剣な表情で千春が話しています。佐王子の表情から笑みが消え、話をじっくり聞く姿勢です。

「山口さんの私への想いや、その後のストカー行動を詳しく知るにつれ・・・、
彼を迷わせたのは私だと、ようやく悟ることが出来ました・・。

私の中にある淫蕩な性が彼を狂わせた結果・・、
皆様に迷惑をかけることになったとのだと思っています・・・・。
皆様にご迷惑や、ご心配をかけたと心から反省しています…」

素直な表情で千春が話しています。

「誰にも言ったことはないのですが・・、
以前から、何となく感じていたことなのですが・・・、
今回の5Pの経験で・・、
私・・・、はっきり確信したのです・・・」

「・・・・・・・」

口調が少し変わっています。何事か、真剣に、悩みを相談する姿勢を見せているのです。佐王子は
敏感にその姿勢を感じ取り、表情を引き締めています。

「私・・・、
以前から何となくそう・・思っていたのですが・・・
今回の事件で、はっきり・・、そう確信したのです・・・。

男性を狂わせる何か異常な性(さが)・・・、
魔性の性を持っていると・・、気がつきました・・・・」

「・・・・・・・」

驚きもしないで佐王子は黙って聞いています。

「こんなことを言いだす女を、保さんは軽蔑するでしょうね…
思い上がった、いやな女だと思うでしょう・・・
私だって、もしそんなことを言う女がいたら、彼女を軽蔑します。
聞くのが嫌だったら・・・、止めましょうか・・・」

「・・・・・・・」 

話そうか、止めようか、迷いながら、千春は言葉を選んで話しています。佐王子が黙ってゆっくり
首を振っています。


[4] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(368)  鶴岡次郎 :2015/09/15 (火) 15:44 ID:2.o.5mak No.2751

「そうですか・・、聞いていただけるのですね・・・、
ありがとうございます」

姿勢を改めて千春が頭を下げています。

「ちょっと恥ずかしいのですが、あの時の様子を・・、
初めて5Pをした時の様子を、私の心の動きも交えて、
覚えている限り正確に話します。笑わないで聞いてください・・・」

「・・・・・・・」

佐王子が黙って頷いています。

「私の話を聞いて、保さんが気が付いたことがあればアドバイスをいただきたいのです・・・。
これから先、いろんな男性と巡り合うと思います。そんな時、男性を狂わせ、私の遊び心のせいで
男性の運命を変えるようなことがあれば、本当に申し訳ないと思うのです・・・。

生意気なことを言うようですが・・・、
私自身が注意出来ることがあれば、それを学び取りたいと思っているのです・・・」

自身の体に棲む異常な情欲に悩まされている千春は素直な気持ちになり、5Pの様子を話し始めよ
うとしています。全てを話し、その道の権威者である佐王子の診断を求めるつもりなのです。


「子育てに一区切りをつけた私が燃えるような情欲に悩まされ続けているのを察知した保さんが主人
と話し合ってくれましたね・・、その結果、昔のように保さんに抱かれることになりました。あの時
は本当にうれしかった、生きる喜びを取り戻した思いでした。これで私は平凡な主婦生活をこの先も
迷いなくおくれると喜んだのです。

おかげで、昼間、保さんに抱かれ、夜、主人に愛されることも珍しくない、女として夢のような日々
を送らせていただくようになりました。これで安穏な生活が出来ると喜んだのです」

そこまで話して、千春は視線を床に落とし、大きなため息をついています。


「女の体はどこまで強欲にできているのかと私は自分自身をのろいました。二人の男からいっぱい
愛されているのに、それでも身体の疼きに堪えかねて、一人遊びに耽ることが多くなっていたので
す。

保さんにも、勿論、主人にもそんなことは言えません。そんな時、お隣の幸恵さんがやさしく声を
掛けてくれたのです。

私は彼女には何も隠さず全てを話しました。年上で、ソープ勤めをしている幸恵さんは、私の悩み
を良く理解してくれて、真剣に私の話を聞いてくれました・・」

明瞭な言葉で、静かに千春は話しています。佐王子は身じろぎもしないで耳を傾けていました。


「ある日、幸恵さんにアパートへ一緒に来ないかと誘われました。何も期待していなかったと言え
ば、それは嘘になります・・。それでも、具体的な遊びのイメージは何も持っていませんでした。

幸恵さんが淑やかな主婦から淫蕩な娼婦に変身するその部屋で、娼婦になり切った彼女からいろい
ろ艶話を聞くだけでも楽しいと思いました。時々、馴染みのお客がアパートへ訪ねてくることも聞
いていましたから、もしかすると、殿方との出会いもあるかもと淡い期待を持っていました。しか
し、まさか、杉下さんに抱かれ、その後5Pまで・・・、そんなことは勿論思ってもいませんでし
た・・・・」

「ところが・・、幸運なことに・・、お客の一人が幸恵さんを訪ねてきた、彼はトラックの運転手
で北海道での仕事が終わり、やりたい気持ちを抱えて、真っ直ぐ幸恵さんのアパートを訪ねてきた。

千春が日頃から抑えきれない情欲を抱えて悶えていることを知っている幸恵さんは、彼女自身の欲
望をその場は抑えて、そのお客を千春に回してくれた・・・。ここまでは、欲望で疼く女体の悩み
を理解出来る女同士、大人の判断が生み出した感動のストリーだよね・・・。そこで終わっていれ
ば問題なかった・・。

しかし、千春とお客が絡み合っているところへ幸恵さんも参加することになった。想像するに、千
春に男を譲ったものの、幸恵さん自身も自分の体の中に溢れ出てくる欲望を抑えきれなくなり、三
人で楽しむことを思いついたのだと思う。有難迷惑だったのはそのお客だ、二人の女の相手をする
ことになったお客は直ぐにギブアップして、仲間を呼び寄せた。全ての歯車が千春の希望に沿って
動き始め、5Pが始まったのだね・・」

「おっしゃるとおりです・・、
全てが、偶然でした・・。
勿論、私も積極的にその偶然に乗っかったことは確かですが・・」
 
はにかみながらも、千春は積極的に話すつもりになっています。自分の話に少し酔って、興奮して
いるのかもしれません。


[5] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(369)  鶴岡次郎 :2015/09/16 (水) 14:00 ID:R1depe5E No.2752
「男三人と女二人が狭い6畳間に集まったのです。
むんむんと、男女の熱気と体臭が部屋に立ち込めていました。
それでも、山口さんは勿論、杉下さんも、隆司さんも、案外落ち着いていました。
むしろ、一番興奮していたのは私だったと思います・・」

その時を思い出したのでしょう、目の周りがほんのりと朱色になり、瞳が潤み始めているのです。
情欲で体が潤ってきた時のサインです。


男達が近くのコンビニから買い求めて来た酒とごちそうで5人の宴会は始まりました。二人の女と
杉下は既に一戦を終えた後です。杉下はショーツ一枚です。千春は先ほど買い求めた裾の短い、胸
が思い切り開いたワンピースを素肌に着けています。ショーツを付けていますが、ノーブラです。
幸恵も同じように露出の多いワンピース姿で、彼女の場合はノーパン、ノーブラです。二人とも
シャワーを使っていませんから、先ほど絡み合った名残の愛液が全身に絡みついていて、妙なる香
りを発散させているのです。

男達はと見れば、杉下に習って、隆司も山口もショーツ一枚です。二人の股間はそれと分かるほど
先ほどから盛り上がっているのです。

「杉さん・・、
どうすれば、こんな美人たちと知り合いになれるのですか・・・」

若い山口が素直な疑問を口にしています。

「私が杉チャンを好きになったのよ・・、
お店で会っているだけでは物足りなくて、
この部屋に呼んだのよ・・、あれは二ケ月ほど前のことかな。
それから、毎週、仕事が終われば来てくれている・・
本当は、お店以外でお客さんと会うのは禁止されているのよ・・・・」

すこし酒が回った幸恵が杉下に代わって経緯をぺらぺらと話しています。

「そちらのお姐さん・・、千春さんと言いましたね…、
幸恵さんと違うお店だと聞きましたが・・・、
良かったら、お店の名前を教えて下さい・・・」

「ダメ・・、ダメ、ダメ・・・、知らない方が良い・・・。
私の処と違って、千春のお店は厳しいから・・、
外で会っていると判っただけで、罰金を取られる契約なのよ・・
お客様にも迷惑をかけることになると思う…、怖いことになるよ・・・」

千春が答える前に幸恵が仲に割り込み、皆の笑いを誘い、その場を収めています。


酒が進み、場が乱れてきます。超ミニのワンピースですから、畳に座っていると女たちの股間は隠
しようがありません、最初は足を固く閉じていたのですが、次第に緩んで来て、幸恵の股間はほと
んど露出していて、男達の目に曝されています。千春の股間も開いてきて、白いショーツが顔を出
しています。明らかな染みがその股間に広がっていて、隠微なムードを醸し出しています。

突然、杉下が幸恵を抱き、キッスを始めました。幸恵が軽い悲鳴を上げて、大げさに脚を広げてい
ます。滴るほどに濡れたサーモンピンクの内壁が男達にさらけ出されています。その光景と鼻にか
かった嬌声がその場の雰囲気は一気に変えました。隆司と山口がその時を待っていたかのように千
春に飛びつき、あっと言う間に、彼女の衣類とショーツ剥ぎ取り、唇と局部に唇を這わせているの
です。うめき声を上げながら千春は積極的に男達に体を任せています。

「二人の男は狂ったように私の身体を求めてきました。
一人が挿入している時、
もう一人の男が体のいたるところに噛みつき、嘗め回すのです・・・。
くすぐったいし、痛いし・・、
それでいて深々と挿入されている部分から全身に戦慄が走り、私は狂いだしていました・・」

山口と隆司が飛びかかってきた時の様子を千春のこのように佐王子に話しました。

「私も相手に噛みついていました・・・。
男達がつけた私の傷はそれほどでもなかったのですが、男達は所々、血を流していました。

こうして、私達は血まみれになって、絡み合っていたのです・・・
もし、誰かに見られていれば、血に狂った色情鬼の集まりに見えたと思います・・・」

話の冒頭から凄いことになっています。佐王子ほどの経験がなければ冷静に聞けない話の展開です。


[6] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(370)  鶴岡次郎 :2015/09/17 (木) 14:26 ID:dRLUSdLM No.2753
千春の話は続きます。

「今まで経験したことがないほどのセックスでした・・・。
その時はそう・・、思ったのです。
でも・・、女は一番最近のセックスが最高と思う習性があるようで、
今は・・、一時間前、保さんに抱かれたのが私の中では最高です・・。
ふふ・・・・・、淫乱な女でゴメンナサイね…」

「・・・・・・・・」

返事に窮している佐王子です。

「ことが終わった後、幸恵さんも、私も・・、全く動けない状態でした。
丸裸のまま、アソコから男達が出した汁をたらたらと流していたと思います・・。
珍しいことですが、男達もピクリとも動けないほどでした・・。

慣れない5Pのせいで皆が異常に興奮したのだと、そう思っていたのです・・。
しかし・・、男達が引き上げた後、冷静になって考えると・・・・、
男達をあれほど狂わせたのは、私が原因ではと思い直したのです・・・・」

落ち着いた様子で千春が話しています。紅潮した表情ですが、性的に興奮していると言うより、ど
こか緊張している様子に見えます。全てを話し終わった時、佐王子がどのような診断を下すか、そ
のことが心配で緊張を隠せないでいるのです。

『・・それは病気だよ、そんな淫乱な女は見たことに聞いたことがないよ・・』と、佐王子が言い
出すかも知れないのです。佐王子がそう思うのなら、夫は勿論、全ての男が千春を見捨てることに
なり、最終的には正常な男は誰も千春の相手をしてくれなくなる可能性だって起こりうると千春は
真剣に心配しているのです。

「私が知る限りでは、今まで、セックスの後、男達はそそくさと身支度を整えて、何事もなかった
ように部屋を出ていくのが普通でした。夫でさえ、事が終わると私からすぐ離れ、数秒後には鼾を
かきだすのです。私だけでなく、女はみんなこの男達の身勝手なふるまいに憤慨しているのです。
今では、それが男達の悲しい習性だと理解して、黙って受け止めているのですが・・」

千春の言葉に佐王子が苦笑いをしています。

「ところが・・、この日の三人はまるで違いました・・・。
三人が三人・・・、私の中に放出した後、深々と逝ってしまって・・、
私の上で、ぐったりしてしまって・・、意識をなくしていました・・・。
そう・・、失神していたのです・・・。
私達と同様、セックスの余韻の中で漂っていたのです・・・・」

きらきら光る眼で佐王子に視線を当て、千春は話しています。

〈男達を失神させたのよ・・・、
どう・・、私の力は凄いでしょう・・・〉

強い瞳がそのように語っている気がするのです。佐王子に対して、いや・・おそらく、全男性に向
けて挑戦する、そんな雰囲気すら千春は漂わせています。

「それにしても男の人が女の上で失神するなんて・・、
それまで一度も経験したことがありませんし、
話に聞いたこともありません・・。

三人の男が特別ひ弱なのかとも思いました・・。
どう考えても、その推量も当たっていないとも思いました。
三人の男は・・、いずれの男も素晴らしい男根を所有していました・・、
サイズも、固さも、持続力も、平均点以上でした・・・。

そんな屈強な男を・・、私は…、
アソコで締め付け失神させたのです・・・」

どうやら千春は、セックスをしているその日の彼女自身を客観的に観察して、その観察結果を佐王
子に詳細に話そうとしている様子です。佐王子に彼女自身の性を診断してほしいと言ったのは本気
のようです。


[7] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(371)  鶴岡次郎 :2015/09/24 (木) 11:12 ID:/p0DK3B. No.2754

千春の語るすさまじい5P話はさらに続きます。淫らな話の中に女の性を探る手掛かりが隠されて
いて、その秘密を佐王子が解き明かしてくれると千春は真剣に考えている様子で、他人には絶対語
れない恥ずかしい話も隠さず打ち明けているのです。自身の淫蕩な性を診断してもらうという目的
があると信じて語っているのですが、語り続ける内に千春自身がその話に興奮し、体を濡らし始め、
恍惚状態になり、語ることを楽しむようになっているのです。

もう・・、どんな恥ずかしい言葉も抵抗なく出せるようになっています。、恥ずかしい話をことさ
らのように赤裸々に語り、聞き手である佐王子の反応を楽しんでいる様子さえ感じ取れるのです。
こうなると女性の猥談は、自身の感じたことをベースに語るだけに男にとって、とんでもなくリア
ルで、淫蕩で、時には耳を抑えたくなるほど過激な内容になることが多いのです。

「三人の男達を相手にして、私も何度も逝って、泣き叫び、
声もかれ、全身がくたくたになっていました・・・。

ただ・・、アソコだけは・・、
そこだけが別の生き物のように元気で・・・、
消えゆきそうになる意識の中で、
『欲しい・・、入れて・・』と、求め続けていました・・・。

三人の男達はよく頑張ってくれました。
私だけでなく、幸恵さんの相手もしなければいけません・・・、
それでも、アソコに男根がない瞬間は覚えがないほど頑張ってくれました・・・。

男達を迎え入れて、悶えれば悶えるほど・・、私のアソコはきつく締まりました。
咥えた男根は、アソコの締め付けに呼応して、太く、固く膨張していました・・。
それが膨張すればするほど、中の筋肉が強く締まるのです・・。

私自身でもその動きがわかるほど・・、
アソコの中での筋肉の動きは、強く、しなやかでした。
こんなにはっきりとその部分の動きを自覚したのは初めてでした。

驚くほどの愛液が噴出し・・、
体中の水分が全部出尽くしたのではと思えるほど、
私も、男の体も、シーツも、布団も、枕も・、全てが・・・、
ぐっしょりと濡れていました・・・・・」

恍惚とした表情で千春は話しています。この瞬間、おそらく千春の体は十分に潤っているはずです。

「女の体って・・、本当に恐ろしいものですね…、
普段見る限りでは、男性に比べて弱弱しそうです・・、
でも、本当は・・、底知れない実力を秘めていると、
私自身、そう・・思い知らされています。

ほとんど意識を失いかけていても・・、
次々と覆いかぶさって来る男にしがみつき、
両脚をいっぱい開いて、アソコに男のモノをいっぱいに頬ばって、
ふんだんに愛液を噴出していたのですから・・・」

「・・・・・・・」

佐王子が黙って頷いています。千春の口調は絶好調です。もう恥じらうこともありません、むしろ、
恥ずかしい話を佐王子にたっぷり聞かせるつもりになっているようです。


[8] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(372)  鶴岡次郎 :2015/09/28 (月) 12:10 ID:JsdAEwG. No.2755
一般の男達に比較して、集まった三人の男達は独身とはいえ性経験が乏しいとは言えません、それ
どころか独身で稼ぎも良い方ですからそれなりに多様な女性経験を積んでいるのです。そんな男達
ですが、千春の前では初めて女を知った若者と同然でした。

挿入すると、男たちは千春の膣筋肉の絶妙な動きに堪えきれなくて、すぐに頂点に駆け上がり、一
気に精を吐き出しました。千春はそれでは当然満足しません、男達を咥え込んだまま離さないので
す、精を吐き出した後も、女に咥えこまれたままの経験はもちろん男達には初めてでした。それだ
けではありません、男達は更に信じられない攻撃を受けるのです。膣の筋肉が絶妙に動き出し、萎
えた男根が短時間で蘇えり、瞬くうちに男達は頂点にまで導かれ、精を吐き出すことになったので
す。それを何度も繰り返したのです。

事前に幸恵と千春と一戦を経験している杉下はさすがに二回が限界でしたが、40半ばの隆司は4
度まで頑張りました。さすがに4回目は不発に終わっていましたが、抜かずに連発したのです。2
0歳代の山口は驚いたことに6度まで連発したのです。勿論、どの男も最後にはほとんど液体を発
射することができませんでしたが、めくるめく思いでほとんど失神状態になっていたのです。


「男達は何度も私の中に精を吐き出し、最後には私の上で気を失っていました。
一人が終わると、次の人が乗りかかってきました。
3時間余りの時間、ずっと男性を体の中に迎えこんだまま私は過ごしました。
その間、何度逝ったかとても数えきれません・・・」

遊び慣れている杉下も、隆司も千春ほどの女を相手にしたのはおそらく初めてだったと思います。
まだ若い山口は千春から与えられた悦楽をほとんだ奇跡だと思ったはずです。

「今回の経験ではっきりと判りました。経験豊かな幸恵さんと比較しても、私はかなり情欲の強い
女だと思い知りました。その分まちがいなく、男達を喜ばせることができたと思います、同時に、
私自身も死ぬほどの悦楽を味わいました・・。

それで十分満足したかと言うと・・、そうでもないのです・・。
もっとしたい・・、もっと突いてほしいと思っていたのです・・。
失神した男達を恨めしく思っていたのです・・・・。

急激にしぼんでいく男根をアソコで感じ取り、
アソコの筋肉を絞めたり緩めたりして
何とか立ち直らせようとしたのですが、それも限界がありました。

もし・・、男達が元気なら、私は引き続き何時間も相手できたと思います。

私自身、底知れない私の情欲にあきれています…。
私はやはり異常な体質を持った女、魔性の女だと・・、思い知ったのです。
今はっきりと、私は確信できるのです。
私の中に巣くっている魔性が若い山口さんを狂わせたのだと・・・。

どうですか・・、佐王子さんの診断は・・・
やはり私は異常な情欲を持った魔性の女といえるでしょう・・」

真剣な表情で佐王子に問いかけています。

「異常な情欲を持った女・・、魔性の女と言うと、何か悪い癖を持った女のように聞こえるが、
私はそうは思わない、むしろ、選ばれた感性豊かな女だと思っている・・・」

自らを魔性の女と言う千春の言葉を否定しないで、魔性の女こそ選ばれた女性であると佐王子は言
いたいようです。

「千春が本気になれば、それなりの修行を積んだ俺だって耐えきれない…、
そう言っては何だが、素人の男で千春に対抗できる奴は居ないよ。

千春自身も・・、ぼつぼつそのことに気付いて、男と接する時は、先ず自身の欲望をコントロール
することを第一に考えることだ。

千春が奔放に欲望を解放したら、相手の男は一溜りも無く爆発してしまうんだよ。これから先も、
このことは気に留めておいてほしい…」

「病気だとか、救いようのない女だと、酷いことを言われても仕方がないと覚悟を決めていたので
す。なんだか褒められているようで・・、うれしいです・・。
どこまで出来るか判りませんが、欲望をコントロールする術を勉強します・・・」

佐王子の言葉に千春は神妙に頭を下げています。


[9] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(373)  鶴岡次郎 :2015/10/01 (木) 13:40 ID:1tZpx30c No.2756

「うん・・・、それでいいんだ・・・
直ぐには出来ないと思うが・・、
今の気持ち忘れないでいれば、自然と身に付くものだとおもう・・」

「そうでしょうか・・・」

「偉そうなことを言っても、私自身は経験のないことだから、知った風にあれこれアドバイスは出
来ない。千春が感じた通り、自分で考え、行動するだけだ。その時、これだけは忘れないでほしい
のだが、千春自身でさえ魔性と呼ぶ奔放な性を理解し、千春を心から愛している旦那様を裏切るこ
とだけはしないでほしい。もし、そんなことをすれば千春は人間ではなくなるのだよ・・・」

「ハイ・・・・」


ここで佐王子は遠い目つきをして空間に視線を漂わせていました。彼の脳裏に由美子の笑顔が鮮明
に浮かび上がっていたのです。

「その方は由美子さんと言うのだが、千春と同様に優れた女性機能に恵まれた方で、立派な旦那様
の理解を得てかなり自由に男友達との交流を楽しんでおられる。私も一度ならずその方と情を交わ
したことがあるが、良いようにあしらわれ、最後には意識を失うほど深く逝っていた。

女性と交わって、めったに負けたとは思わない私だが、あの方とは対等に戦えたと思ったことがな
い。超えたと思った次の瞬間、あの方はさらに上に行っている感じで、まるで底なしの沼に脚を取
られたように、一度あの方に捕らえられると、男は最後の一滴まで搾り取られ、極楽往生するのだ
よ・・。

それでいて、どんな男にも優しく、性的に弱い男でも、見かけが悪い男でも、社会的に恵まれない
地位にいる人でも、決して軽蔑することがなく、あの方に接した男はすべて、『俺は・・、由美子
に惚れられている・・・』と錯覚するほど、男に尽くしてくれるのだよ・・・。

いや・・、錯覚ではないね・・、男に接しているその瞬間、あの方はその男に夢中になれるのだと
思う・・、まさに天使のような方だと思う・・・・。
私は、千春があの方のように成ってほしいと思うし、成れると思っている・・・・・」

「佐王子さんは・・、その由美子さんが好きなんですね…」

「・・・・・・・・・」

佐王子は黙って頷いています。

「由美子さんのように成ってほしいと佐王子さんは言いましたね・・、
私も出来るものなら、そうなりたいと思っています・・・。
でも・・、今の佐王子さんの話を聞いていて、
彼女と私を比較して決定的に違う点が一つあることに気が付いたのです・・」

「・・・・・」

興味深そうに佐王子が千春を見ています。

「それは・・、男達・・、と言うより、男性族への愛情の深さの差だと思います・・・。
由美子さんは全ての男を愛し、彼女を抱いたすべての男が、『俺は由美子に惚れられている・・』
と思うのでしょう・・・。

女だから判るのですが、どんな男に接しても、その男に惚れ、その気になってその男に抱かれるの
は、結構大変なことだと思います。鼻持ちならない男は必ずいるもので、この男には絶対抱かれた
くないと思う人は必ずいるものです。由美子さんは本音で全ての男に好意を抱くことが出来るので
しょう・・。それは凄いことだと思う・・。私など、どんなに修業を積んでも、その域にまで成長
できる自信がない、ある意味、女神にしかできないことだと思える・・」

「・・・・・・・」

佐王子が黙って頷いています。


[10] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(374)  鶴岡次郎 :2015/10/02 (金) 14:59 ID:tZAHIW6U No.2757

「今回のことは、元はと言えば、体の疼きに堪えかねて、私が幸恵さんの彼に手を出したのが始ま
りです。成り行きで、5人で遊ぶことになったのですが、若い山口さんにはあまりに刺激が強い遊
びだったと思います。

その上、禁断の果実を与えておきながら、途中でこちらの都合で取り上げたのだから、彼がなかな
か納得できなかったのは無理ないと思います。途中で止めるなら、あんなことをするべきでなかった
のです。少なくとも若い山口さんは除外すべきでした。

身勝手な私の罪は深いと受け止めています。今は・・、若い山口さんが悪い夢から覚めて無事立ち
直ってくれのを祈るばかりです…」

前途ある若い山口を汚い5Pに誘い込み、自身の尽きない欲望の餌にしてしまったと千春はようや
く気が付いているのです。今改めて、千春は強い後悔と罪悪感を持ち始めているのです。

「まあ・・、そうは言っても、千春がそこまで心配することもないだろう・・・
若いと言っても山口は一人前の男だから、いずれ立ち直るだろう・・」

佐王子の慰めに千春が涙を浮かべて頷いています。

「私・・、
まさか自分が・・・、男の人を堕落させる元凶になるなんて・・、
夢にも思ったことがありませんでした…」

若くして乱交や売春などの刺激的遊びを経験すると、中々その夢から覚めるのは難しいのです。そ
の誘惑から抜け出せなくて、ずるずると堕ちて行った女達を千春は何人か知っているのです。現に
千春自身も売春を繰り返し、その刺激に慣れてしまって、もう・・、普通の女に戻ることは難しい
と、あきらめかけた時、今の夫、浦上三郎と出会い、泥沼から救われ、普通の家庭を持つことがで
きた経緯があるのです。

被害者になることはあってもまさか自身が加害者になることなど考えてもいなかったのですが、現
実にその事実に気付き千春は愕然としていたのです。そして、自身の体の凄い能力、その可能性に
おぼろげながら気づき、佐王子の言う通り自身の欲望をコントロールすることの大切さをしみじみ
感じ取っていたのです。


「今回の経験は、男にも、女にも、いい勉強になっただろう、欲望の赴くまま行動すると、時には
とんでもなく大きなペナルティを支払うことになると気づいてくれるといいのだが・・、これで少
し幸恵さんも自重するようになるだろう・・・・

ああ・・、俺としたことがこんなことを言って・・・、
男と女が絡み合う時は、何も考えるな・・、と日頃言っているのに・・、
歳で、焼が回ったかな…、ハハ・・・・・・」

珍しく説教じみたことを言って、少し恥じているのです。


[11] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(375)  鶴岡次郎 :2015/10/05 (月) 13:09 ID:XoSaSUWM No.2758
定例になっている約束の情事を終え、帰ろうとする佐王子を呼び止め、あの狂気にも似た興奮な中
で体験した最初の5pをすべて吐き出した千春です。体の悩みを佐王子に打ち明け、その道のプロ
である佐王子の診断を求めたのです。その結果、案じていた通り千春の体には普通の女性とは比べ
ものにならない、魔性とも呼べる性が隠されていることが明らかになったのです。それでも佐王子
はその魔性の性は恥じるべきことではなく、むしろ誇りに思ってもいいとさえ言ってくれたのです。
ただ・・、湧き出る情欲に身を任せ、千春がすべての欲望を奔放に解き放つと、第二、第三の山口
となる犠牲者が出る可能性もあると佐王子は忠告しているのです。

「ところで・・、
5Pのこと、そして山口のストカー事件のこと・・・、
ご主人には言ったの・・・」

「とても言えない・・・・」

「そうだろうな・・・、
しかし・・、このまま黙って居ても、いずれ同じような事件が起きるだろう・・・」

「ハイ・・・、病気が出れば・・、
ふらふらと街に出て・・・、
手当たり次第、男を誘うことになりそう・・・
そうなったら・・、私落ちるところまで堕ちる気がする・・・

保さん・・・、
売りを・・・、
昔のように売りを始めたらいけないかしら・・・」

縋りつくような表情で千春が佐王子に語りかけています。今度は佐王子が下を向いて、千春の視線
を外しています。

「そうだわね・・、ダメよね・・・
結婚した以上、きっぱりと足を洗うと決めたのだから・・、
どんなことがあっても、これは守らないと女が廃るわね・・・」

自身に問いかけ、自らその回答を出しているのです。

「奥さん・・・、
これだけは、はっきり言えます・・・」

二人の時は、いつもなら千春と呼んでいるのですが、言葉を改め奥さんと呼び、敬語を使っている
のです。佐王子の様子を見て、千春も姿勢を改めています。

「街へ出て、男を誘っては絶対ダメです。
街の男達はその素性が全く判りません。
奥さんの身の上にとんでもない災難が降りかかる可能性もあります・・。

そのことは今回の事件でも十分経験されたでしょう。
今回の事件では幸恵さんが守ってくれたから、千春さんは無事でしたが・・・、
もし・・、幸恵さんが居なければ・・、
山口が直接自宅へ押しかけていたら・・・、
そう考えだけで恐ろしくなります・・」

佐王子の言葉に千春は神妙に頷いています。 

「それに・・、これが一番心配なことなのですが・・、
奥様がご自分で男漁りを始めたら、もう止まらなくなります。
誰もその行為を止められません。

奥様ご自身でもその行為を止めることが出来なくなるのです。
奥様の欲望が奥様の倫理観や、自制心を飲み込んでしまうのです」

佐王子の言葉に反論したいのですが、彼の言う通りだと千春は納得せざるを得ない気持ちなのです。

「奥様は女として爛熟期に入っています。
気の向くまま、男を漁れば・・、
取り返しがつかないことになります。
絶対に、一人で商売をしてはいけません・・」

佐王子の言葉一つ、一つを千春は思い当たることがありそうで、何度も、何度も頷いています。


[12] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(376)  鶴岡次郎 :2015/10/08 (木) 16:09 ID:41EOC9qo No.2759

「しかし、禁じるだけでは奥様の苦しみは消えません。
お恥ずかしい話ですが、ここまで来ると・・・、
私一人の力では、とても奥様を癒し切れません。
では・・、どうするか・・・」

ここで言葉を切りました。佐王子が千春を見つめています。その表情は穏やかで、優しさにあふれて
います。千春もじっと佐王子を見つめています。佐王子に頼り切った表情です。

「千春さん・・、私から旦那様に相談をかけます。5Pの件は千春さんが話さないと決めているので
すから、私からは何も話しません・・、いえ・・、何も聞かなかった・・、何も知らなかったことに
したいと思っています・・・・」

微笑みを浮かべた千春が軽く頷き感謝の気持ちを伝えています。

「旦那様のお許しを得て、千春さんとお付き合いを始めてもう一年近くになります。千春さんは今や
女の絶頂期に入りました。ここまでは何とか持ちこたえましたが、これから先は私の力ではとても、
千春さんの欲望を散らすことが出来ないことがはっきりしてきました・・と、旦那様に正直に話すつ
もりです・・・」

「ハイ・・、よろしくお願い申します・・」

「大ごとにならない前に・・
何らかの手・・・・、と言っても、打つ手は限られていると思いますが・・、
思いつく限りの対策を出来るだけ早く打ち出した方が良いとアドバイスするつもりです・・」

対処方法にそんなにたくさんの選択肢がないことは千春にも判っているようで、浦上と相談すると
言う佐王子に全てを託する気持ちになっています。

「私から対策案を提案し、最終的に旦那様に決めていただくつもりです。
今日か、明日にでも連絡を取って、何処かでお会いして相談するつもりです。
多分その場で結論が出ると思います。
一週間以内に結論が出ると思います・・・」

「すべてお任せいたします・・。
お二人で決められたことはどんな事でも守って見せます・・」

少し緊張した面持ちで千春が答えています。

「今夜は仕事の都合でここへ来ることは出来ないと、先ほど言いましたが、
調整して、夜遅くにでもお邪魔します・・・。
くれぐれも、一人で街へ出ないで下さい・・・」

「うれしい・・・
どんなに遅くなっても、寝ないで待っています・・」

佐王子が今夜も来てくれることを知り、素直に喜びをあらわにしています。佐王子はほっとした様子
で立ち上がり、一礼して部屋を出て行きました。愛液で汚れたスラックスの染みはタオルに吸い取ら
れて、かなり薄くなっていました。これなら、外を歩いてもそれほど目立たないとはずです。ただ、
千春も佐王子も嗅覚が麻痺していて気づいていませんが、かなり強い情事の香りがスラックスから発
散されているのです。

佐王子が外へ出たのでしょう、鉄製の玄関扉が閉まる音を聞いて、千春はゆっくり立ち上がりまし
た。寝室へ入り、手に棒状の物を持って戻ってきました。男根を模した褐色のデルドーです。その先
端に舌を絡め、唾液をタップリ塗りつけ、千春はその勇姿を頼もしそうに見つめ、やおら、その先端
を亀裂に押し当てました。

バスタオルの上に腰を下し、大きく両脚を開き、その中央にデルドーを挿入しているのです。右手で
巧みにデルドーを操り始めました。湿った音が響き、その音に千春の喘ぎ声が重なっています。

両脚を天井に向け、背を床に着け、デルドーを両手で操作しています。大量の潮が吹き上がっていま
す。千春は両手で思い切りデルドーを突き入れ、野鳥のような悲鳴を上げました、両脚が音を立てて
床に落ちています。千春は完全に気をやりました。


[13] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(377)  鶴岡次郎 :2015/10/09 (金) 14:32 ID:68fhe7bQ No.2760

ここは浦上家の隣家、1613号室、佐原家のダイニングルームです。珍しく早めに仕事を終え帰
宅してきた佐原靖男と妻幸恵が食卓に向かっています。幸恵がソープ勤めをするようになってから、
二人の仲は目に見えて良くなっています。以前は二人の性交渉は5年以上、いやもっと長い期間絶
えて無かったのです。50前の幸恵にすればやはりレスは辛かったのです。

そんな時、偶然夫のパソコンの中にいかがわしい動画を見つけたのです。その動画の中で、夫が魔
女役の商売女から鞭うたれ、恍惚としているのです。その上、夫は明らかに女性のモノと思える下
着を着け、化粧さえしているのです。

女装して女から鞭うたれ、恍惚としている夫の動画を見て、幸恵は驚きました。そして悩みました。
夫、佐原靖男が商売女に頼って束の間の快楽を貪っている事実が、幸恵を苦しめました。

〈・・私は・・、彼に愛され、彼のおかげで何不自由ない生活をこれまで送ってきた・・・、一方彼
は、若くして重役に上り詰めたけれど、他人には言えない苦労があったであろう、背負いきれないス
トレスをいつも抱えているのだろう・・。

そのストレスから束の間でも逃れるために、彼は商売女の元へ逃げている・・。
本来であれば妻である私の役目を商売女が勤めている・・・。

私は今まで何をしてきたのだろう・・、
今からでも遅くない、彼のストレスを発散する捌け口になりたい・・、
そのためなら、私はどうなってもいい・・・〉

その決意を幸恵は千春と彼女の愛人である佐王子に打ち明けたのです。そして、既に読者の皆様に
はお伝えしたように、幸恵は家出をして行方をくらまし、佐王子の店で働くようになったのです。

ソープの水が幸恵に合ったのでしょうか、数ケ月のソープ勤めで幸恵はすっかり生まれ変わりまし
た。佐原のためにソープ嬢の技術を習得するのが目的だったのですが、研修期間が過ぎても幸恵は
店を辞めようとしませんでした。どうやらこの世界に身を沈め、このまま娼婦として生きてゆく決
心さえ固めたようなのです。

佐原の依頼で幸恵を探していた寺崎探偵事務所の臨時職員となった由美子が幸恵の店を訪れ、彼女と
面談したのです。由美子は幸恵に進言しました。思い切ってありのままの姿を・・、ソープで働く娼
婦、幸恵の姿を夫、佐原に見せるよう進言したのです。

佐原を店に迎えるのは幸恵にとって大きな掛けでした。当然のことですが離婚も覚悟していました。
ところが、佐原はソープ嬢になった幸恵を見て、驚きましたが、何一つ苦情を言わないで暖かく迎え
入れてくれたのです。そして、直ぐに、佐原は衝撃の事実に気が付くのです。

好色な我欲を満たすために幸恵が娼婦になったのではなく、佐原の変態的な性癖を知り、彼が好む
女に変身するため・・、彼を慰める技術を習得するため・・、あえてソープの世界に身を沈めたこ
とを佐原は知ることになるのです。このことで、二人の関係は以前に増して強固なものになりまし
た。


[14] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(378)  鶴岡次郎 :2015/10/13 (火) 15:33 ID:GKS9Rlgc No.2761
50歳代半ばを過ぎ、有名保険会社の重役を務める佐原にとって、週二回の幸恵との情事はかなり
肉体的に負担になるはずですが、予定日以外でも手を出すことがあるほど佐原は元気なのです。

以前、商売女を相手にSM遊戯をやっていたこともあったのですが、幸恵との性生活が充実した今
は、そうした場所への出入りは完全に止まっています。今は、幸恵に完全に溺れているのです。

佐原の生活の中で大きく変わったことと言えば、幸恵のエロチックなトークが彼のエネルギー源の
一つになっていることです。トークはほとんど夕食の席で行われます。ソープで経験したことをあ
りのまま・・、と言うよりはかなり脚色して、佐原の喜びそうなストリーに色づけして幸恵は語る
のです。

驚きと、嫉妬と入り混じった奇妙な興奮で佐原は食事を途中で放り投げて、幸恵に飛びつき、しゃに
むに彼女の唇に吸い付き、裸にひんむいて、その場で挿入することも頻繁に起こるのです。


今日のトーク内容はどうやら杉下や山口との5Pがらみのトラブルのようです。神本の働きで山口が
引き下がり、一応の幕引きが終わってから三週間も過ぎた頃のことです。

「・・・で、その男・・・、杉下と言ったな・・・、
その40過ぎの運転手がお前をひいきにしている客なんだな・・」

「そうよ・・・、
初顔見せした時、指名してくれたお客様の一人なの・・・、
それ以来、週に一度の割で来店してくれる・・・」

「それじゃ・・、私よりも回数が多いことになるのかな・・
いや・・、そうでもないか・・」

「そうよ・・、以前は少なかったけれど・・、
最近は週に二回以上でしょう・・、
断然・・、お父さんの方が多い・・・」

「かろうじて亭主の面目を保っているわけだ・・、
少しでも油断すると、そいつに負けそうだね・・・」

「頑張ってください・・・、フフ・・・・」

「・・・・・・・」

微笑む幸恵を、苦虫を噛み締めたような表情で睨んでいます。

「それにしても・・・、やるもんだね・・・・、
店だけでは足りなくて・・、アパートにまで引き込んだのか・・、
昼間から、女のところに転がり込んで、バンバンやるのだろう・・・、
その上、仲間の男を呼び出して、お前を三人で苛めたのだろう・・・
よくもそんな破廉恥なことを思いつくものだ・・・」

口では散々に男達をけなしているのですが、明らかに興奮しているようで、本気で怒っている様子
は見えません。

「成り行きでそうなったのです・・、
私にとっては勿論はじめての経験でした・・・。
三人の男を相手にするなど、壊されそうで、怖くて・・、
止めようと何度も訴えたのです・・」

「それでも男達は止めなかった・・、
当然だよ、目の前にお前のようないい女がいるのに、手を出さない男はいないよ、
一人を受け入れると、もう歯止めが利かなくなるよ、次から次と・・・、
全ての穴を使って楽しんだのだろう・・・」

「そんな・・・、いやらしいこと言わないでください・・・、
でも・・・、おっしゃる通りかもしれません・・、
アソコに挿入されて、チ○ポを咥えて、もう一人の男にお乳を吸われると・・、
もう・・・、どうなってもいい気持になりましたから・・・」

「なんて、スケべな奴らなんだ・・、
その男達・・・、まじめに仕事をしているのか・・・
お前もお前だ・・、屈強な男三人を一人で相手するとは・・・
驚きを通り越して、怖いくらいだよ・・・・」

幸恵の話に佐原が興奮して怒りをあらわにしています。彼の股間は完全に勃起しているはずです。
幸恵は余裕で夫の表情を見ています。夫の怒りが限度を超えないよう、それでいて彼の嫉妬心をチ
リチリ焦がす匙加減が難しいのです。


[15] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(379)  鶴岡次郎 :2015/10/15 (木) 14:28 ID:X5szSSzs No.2762

「ゴメンナサイ・・・、
今回のことで懲りました・・・、
もうこれからは、複数の男を相手にしたりしません・・、
約束します・・・」
 
「そうしてくれるとありがたい・・、
お前が壊されるのが心配だからね・・・」

これから先、複数の男を相手にしないと言う言葉は幸恵の本音でした。あの時、幸恵自身は5Pに
完全に溺れていて、千春が止めると言い出さなければもっと続けていた可能性が高いのです。もし
あのまま5Pを続けていれば、こうして笑って夫に報告などとうていできない色地獄に落ちていた
可能性が高いと、幸恵はいまさらのように首をすくめる思いを抱いているのです。

「それでも・・・
アパートに男を引きずり込む行為は続けるつもりなんだ・・」

「エッ・・・、まあ・・・、
色々あって・・、直ぐに止めることはできないと思います。
スミマセン・・・・」

「やきもちで言っている訳ではないが・・・、
店と違って・・、アパートでは誰もお前を守ってくれないのが心配なのだ・・」

「ありがとうございます・・・、でも・・・、
見境なく誰でもアパートに入れることはないのよ・・、
これでも、男を選んでいるのよ・・・」

「それは良い心がけだよ・・、
お前のことだ・・、
男なら誰でも全て迎え入れていると思っていたよ・・・」

「酷い・・・!
色狂いの女ように言わないで・・・」

「ハハ・・・、もちろん冗談だが・・・・
ところで・・・、どんな基準で男を選んでいるんだ…」

「それは…」

突然の質問に本音をうっかり言いそうになり、その言葉を飲み込んでいます。

「チ○ポのでかいやつを選んでいるのだろう・・」

「ええ・・、まあ・・、
大きい方が良いに決まっていますけど・・、
それだけで選んでいるのではありません…」

にやにや笑いながら幸恵が答えています。

「どうやらそれが本音のようだね…、
まあ・・、女なら当然のことだから、それは良いとして・・・」

男の選択基準に関してこれ以上幸恵と話し続けると、自分のモノとの比較話になり、その話題は必
ずしも佐原にとって気分の良いものにならないと判っているのです。佐原はワインを勢いよく喉に
流し込んで、次の話題に切り替えようとしています。


[16] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(380)  鶴岡次郎 :2015/10/16 (金) 13:39 ID:UlkFm./E No.2763
話題を変えるつもりなのでしょう、まじめな表情に戻り佐原が質問しました。

「・・で、その三人の男と乱交を続けた結果・・・、
その山口と言う若い男がお前に惚れてしまったのか…」

「エェ・・・、
真剣に結婚を考えるまでになったようです・・・」

「そんなこともあるんだね…、
よほどお前の体に参ったのだね・・・・」

「・・・・・・・」

隣家の千春に関しては表向きの付き合いのみを夫、佐原には伝えているのです。佐王子と言う情夫
を持っていることも、彼女が深刻な体の悩みを抱えていることも夫には一切話していないのです。
それで、5P事件も山口が幸恵に惚れたことにして、千春はこのトークには一切登場させないこと
にしているのです。

「性経験の乏しい、比較的まじめな若い女が腕達者の中年男の味を知ると、
若い男には見向きもしなくなり、
頭髪の薄い、メタボな中年男に惚れて、一緒になることもあるらしいが・・・、
若い男と熟女の間にも同じ現象が起きるモノかね…」

「どうなんでしょうか・・・」

嘘がバレるのを警戒して、山口のストカー事件に関する話題から早く抜け出したいと思っている幸
恵の言葉が少なくなっています。

「まあ・・、その若い男がお前に溺れたのは判るような気がする・・、
やはり女の価値は、心映えとセックスの良し悪しだからね・・・・・。
若いだけが取り得の女には直ぐに飽きが来るよね・・・」

幸恵の思惑と違い佐原はこの話題が気になるようで次々と自身の意見を述べ始めているのです。

「嘘でもいい・・、その場限りでも良い・・、
男を大切に思ってくれる気持ちが欲しいね…、
そして、抱かれれば、その男に逝かされたと態度で示してほしい・・・、
それが、その瞬間だけの演技であっても、男にはそれがうれしいのだよ・・」

「そんなものでしょうか・・・」

「お前はどんな時でも・・、
男の気持ちを決して逸らさない豊かな心映えを持っている。
その上・・、ソープに勤めるようになってから、
お前のアソコの味が飛躍的に良くなったからね・・・、
お前の味を知れば、他の女など見向きをする気さえ起きないよ・・」

若い男が幸恵に夢中になりストカー行為までするようになったことを聞き、佐原はすっかり上機嫌
になっています。50近い幸恵が若い男を引き付けていることを喜んでいるのは勿論ですが、そん
な女を妻に持っていることがちっぴり自慢になっているのです。一方、幸恵は少し複雑な心境で夫
の褒め言葉を受け止めていました。

「結局、ストカー行為を繰り返す山口を追い払ったのは・・・、
その・・、ソープのスタッフで・・、何と言ったけ・・・、
ああ・・、そうだったな・・・、神本だったね・・・・」

「神本さんはあなたもご存知の佐王子さんの片腕で、事実上の店長なの・・。
経歴は誰もはっきり知らないのです、何を考えているか心の底が見えない人です。
でも・・、決して怖い人でなく、誰にでも優しく、面倒見のいい方です・・」

「あの佐王子さんに気に入られているのなら、それは相当の人物だよ、
ところで・・、お前はその・・、神本に抱かれたことがあるだろう・・
神本は大きなチ○ポを持っているのだろう・・・」

「あなたはいつでもサイズが気になるようですね・・
残念ですが・・・、一度も抱かれたことはありません…
それに、神本さんは紳士ですから・・、
店の女には決して手を出しません・・・」

珍しく気色ばんで幸恵が反論しています。


[17] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(381)  鶴岡次郎 :2015/10/17 (土) 14:53 ID:e5D/oiIg No.2764

「おや・・、変だぞ・・・、
神本のことになると少し向きになっているな・・
さては…、神本に惚れているのかな・・・・」

「変なことを言わないでください・・・、
神本マネジャーは尊敬していますが、
惚れた張ったの対象ではありません・・・」

「そうはいっても・・・、
ソープに勤める女はスタッフ全員と寝るのだろう・・・
彼との間に何もないのはおかしいよ・・・
当然だが、彼はすごいモノを持っているのだろう・・、
少し妬けるね・・・・・」

「本当にあなたって人は…、
疑り深いのだから・・、そんなに妬けるのなら・・・、
女房のソープ勤めなど認めなきゃいいのに・・・、
困った人ね・・・・」

少し困った表情を浮かべて幸恵が佐原に文句を言っています。しかし、言葉とは逆に瞳は笑ってい
るのです。

「ソープ勤めを快く認めていただいているお父さんには何も隠しません、
おっしゃる通りです・・・。
佐王子さんとも、そしてスタッフ達とも寝ています・・・」

「やっぱりな・・・、
しかし・・、複数のお客の相手をして・・、
その上スタッフとまでやるとなると・・、
大変だな・・・、身が持たないだろう・・・、
それとも、デカチン・スタッフは別腹なのかな・・・」

「フフ・・・・・、おっしゃる通りです・・・。
時々・・、自分のスケベさに、私自身もあきれます…。
昨日も、5人のお客の相手をして、
その後、二人のスタッフに抱かれた・・。
さすがに疲れ果てて・・、
家へ帰ることが出来なくて、アパートで泊まりました・・・・」

「珍しく二晩連続で泊まり込んだので、
きっと、良い男が現れたのかと思っていたが・・・
スタフのデカチンで散々に貫かれて、動けなかったわけだ・・・」

「スミマセン…、
お店が終わるとまっすぐ帰るつもりだったのですが・・・、
昨日は体が動かなくて・・、勝手をしました・・・・」

勤めが終わるとアパートに戻らず真っ直ぐに自宅へ帰り、普通の主婦に戻るのですが、昨日はさす
がに疲れ果て、アパートへ戻りそのまま倒れ込むように眠りにつき、翌朝まで寝てしまったのです。

「残念だよ・・・」

「エッ・・」

目をぎらつかせ、欲情した表情を隠さないで佐原が幸恵を見ています。佐原が何を残念に思ってい
るのか幸恵には判らない様子です。

「男達に弄ばれ・・、
へとへとになったお前を一目見たかった・・・・・」

「えっ・・・・・」

散々に弄ばれ、精も根も尽きて、這うようにしてアパートに戻った幸恵の姿を妄想して、佐原は凄く
興奮しているのです。数人の男達の太マラを受け入れ、かき回され、内容物が引きずり出され、おそ
らく元の形をとどめないほど変形した幸恵の陰唇を佐原は見たいと言っているのです。佐原の嗜虐趣
味はある程度まで理解しているつもりの幸恵ですが、まさかそこまで夫が求めているとは気が付か
なったのです。

「スミマセン…、気が付きませんで・・・、
次からはシャワーも浴びないで真っ直ぐに帰ってきます…、
かき回され、さんざんに突き抜かれた哀れな姿をあなたに見てほしい・・」

「ああ・・、ぜひそうして欲しい…」

佐原が笑って答えています。彼の股間がすごい勢いで勃起しているのを幸恵は勿論よく承知していま
す。


[18] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(382)  鶴岡次郎 :2015/10/22 (木) 14:13 ID:7smnMrac No.2765
男達に弄ばれた直後の幸恵の乱れた姿を・・、変形した性器や、男達の愛液と唾液で汚れた体を、
佐原はそのありのままの状態で見たいと言っているのです。ソープでの勤めを終わり帰宅する時、
これまでは細心の注意を払って男達の臭気を含め、ソープ勤めの痕跡を全て消してきた幸恵ですが、
それがすべて無駄骨だと判ったのです。この様子であれば男達が吐き出した精液でさえ佐原は喜ん
で口にすることが出来ると思えるのです。そしてもしかすると、幸恵が抱かれている姿を直接見て
も怒り出さない可能性さえありそうなのです。

勿論、ソープ嬢仲間からそうした嗜虐的趣味を持った男がいることは聞いていました。まさか佐原
がそうした嗜好も持っているとは思わなかったのです。それでも佐原の嗜虐的な好みを発見して幸
恵は内心で喜んでいました。これで心置きなく体験談をありのまま披露しても問題は起こらないと
確信していたのです。

これまでソープでの体験談や、アパートで抱かれた男の話に夫が興奮するのは知っていたのですが、
それでも、どこまで事実をありのまま話していいのか判断がつかない場合が多かったのです。今日、
思い切って複数の男と関係したことを話題に上げたのですが、ずいぶんと悩んだ末、小出しに夫の
様子を見ながら事実を告げたのです。これからはこんな心配はしなくて済むと安どしていたのです。

これからは佐原が望んでいるように、男達に抱かれた痕跡を体中に残して、夫に見せつけるつもり
になっている幸恵です。佐原と幸恵はまた一歩未知の世界に歩を進めたことになります。


「神本さんの話に戻りますが・・・
残念と言うか・・、神本さんとは一度もありません・・・。
私だけでなく、店の女の子はみんな神本さんに抱かれたいと思っています。
でも・・、彼は誰とも寝ないのです。どんなに誘われても・・寝ません・・」

少し悔しさをにじませて幸恵は話しています。幸恵の表情がかなり真剣なので、佐原は戯言を言う
ことも出来ないのです。

「きれいな・・、本当にきれいな奥さんで・・・、
40前だと思うけれど・・・、
凄く色っぽい、女の私でも見惚れるほどなの・・・
そのせいもあって、彼、奥さん以外の女には目もくれないの・・・」

どうやら神本夫妻はこの業界では有名なようで、その世界に足を踏み入れてから日の浅い幸恵も二
人のことは良く知っている様子です。

「絹江と言う奥さんは、新宿の店でソープ勤めをしている・・。
時々は、私と同じように、店の外でつまみ食いもしている。
経済的には働く必要がないはずだけれど・・・、
きっと・・、色事が好きなのよ・・」

皆が憧れる神本を独り占めにして、その上、女性でも認めざるを得ないほどの超美人なのです。幸
恵が絹江を快く思わない口調になっているのは致し方がないのかもしれません。多分口で言うほど
絹江を嫌ってはいないと思うのです。

「神本さんのような良い男が献身的に惚れているのに・・、
ソープ勤めをして、他の男に抱かれるのだから・・・、
女って・・・、何を考えているのか判らないわね…、
あら・・、私がこんなこと言う資格はないわね・・・・・」

幸恵が笑みを浮かべて自分の失言を笑っているのです。

「以前の私だったら、絹江さんのような女を絶対認めなかった。
どんなにきれいでも、どんな経緯があるにしても、
他所の男に抱かれる女を許すことはできなかった・・・」

「・・・・・・・」

いつになく真剣な表情で語る幸恵を夫は黙って見つめています。

「私は・・・、旦那様にソープ勤めを認めていただき、それまで夢にさえ見たことがない世界を知
り、今では比較的自由に行きずりの男に抱かれることさえ、許していただいています。女としてこ
んなに勝手なふるまいをしていいのかと、時々反省します・・・」

声を落として、しんみりと幸恵は語っています。今まで思っていたことをこの機会にすべて吐き出
す、そんな気迫が幸恵から読み取れるのです。ただならない幸恵の様子を察知して、佐原は姿勢を
立て直して耳を傾けています。

「もし・・、昔の生活に戻れと言われたら…、
こんな女は嫌だと・・旦那様に言われたら・・・、
私・・、元の生活に戻るより死を選ぶと思います。
旦那様を愛しています、同時に、今の生活も好きなのです・・・・」

「・・・・・・」

「こんな私が嫌いですか・・・・?
汚いと思いますか・・・・?
いつまでも一緒に居てもいいですか・・・・?」

このことが言いたかったのでしょう。一気に言葉を吐き出して、夫の顔をじっと見つめて、その言
葉の反応を待っているのです。


[19] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(383)  鶴岡次郎 :2015/10/24 (土) 12:01 ID:hkaEy8RQ No.2766

「今の幸恵は以前より魅力的になった・・・・・・。
お前さえ嫌でなかったら・・、
私は…、むしろ、ソープ嬢を続けてほしいと思っている・・・・」

佐原が笑みを浮かべて答えています。

「ありがとうございます・・・」

改まった表情で幸恵が深々と頭を下げています。照れ笑いを浮かべ、佐原が右手を左右に振ってい
ます。

「先ほど絹江さんのことを非難しましたが・・・、
本音を言えば彼女の気持ちは良く判るのです。
いえ・・、絹江さんの生き方に賛同さえしているのです・・・」

どうやらみだれた生活をしている絹江を非難したのは、幸恵自身の罪悪感から出た言葉だったよう
です。その意味で幸恵自身も罪の意識から・・、以前の道徳観から・・、未だに完全に抜け出せて
いないのだと思います。

「私も・・・、色事が大好きです、ソープ勤めも楽しい・・・、
色々な男に抱かれるのは刺激があって楽しい・・・。
他の男に抱かれる罪悪感は多少残りますが・・・、
以前は強かった自身への嫌悪感は完全に消えました・・・・。
これはすべて旦那様のご理解とご支援のおかげだと感謝しています」

「お前がいろんな男に抱かれるのが気にならないと言えば嘘になるが、ソープ勤めをするように
なってから、お前が以前に比べて輝きを増したのは本当にうれしいと思っている。このままいつま
でも今の生活が続いてくれるのを祈っている。
私自身も、お前同様、以前の生活に戻りたいとは少しも思っていない・・。

ただ・・、一つ心配は・・、日々衰えてくる私の体力だ…、
今でも、お前を満足させている自信はないが、
この先何年、今の生活ができるのか・・と、考えると・・・、
暗澹とした思いになるが・・・、その時は、その時だと思っている・・・」

佐原もこの際本音を吐き出すつもりになっている様子です。

「正直言って、旦那様より強くて、立派なモノを持った男はたくさんいます。
そんな男達に抱かれると女に生まれたことに感謝したくなるほどの悦楽を味わいます。
そんな素晴らしい経験が毎日のように味わえる今の生活を捨てる気にならないのです。

それでも、ただれた、凄い情事の後で、旦那様に抱かれる時が一番幸せです・・・、
なんだか自分の家に戻ったような安らぎを感じるのです・・・。
旦那様に抱かれた時が一番感じるのです・・・・」

「・・・・・・」

すこし意外な表情を浮かべ、それでも笑みを絶やさないで佐原が幸恵を見ています。

「『固くて太いチ○ポを挿入されて、死ぬほど悶えているくせに・・・、
50を過ぎた旦那に抱かれた時が最高だと・・、
それほど固くもなく、太くもない旦那のチ○ポが一番だと・・・、
どこを押せばそんなきれいごとが言えるのか・・・』と・・・・、
そう言いたいのでしょう・・・」

「・・・・・・」

佐原が笑いながら頷いています。


[20] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(384)  鶴岡次郎 :2015/10/27 (火) 10:50 ID:QKtxNm7E No.2767
佐原の表情を見て、夫が彼女の言葉を信じていないと思ったのでしょう、幸恵は少し真面目な表情
を浮かべて口を開きました。この機会をとらえて、日頃思っている佐原への感謝の気持ちも伝えた
いと考えている様子です。

「殿方にはなかなか判りづらいとおもいますが・・・、
女は殿方達が考えているほどあのサイズにこだわりません・・、
それでも硬さは必須条件だと思いますが・・・」

「そうだろうな・・、
亭主が一番だと言ってくれる女たちの気持ちはありがたいと思うがね・・・・、
やはり若くて固いモノが良いと思うのが素直な気持ちだと思うが・・・」

「その件について・・・、少し説明させてください。
ソープの世界に入り、先輩のお姐さん方からいろいろ教わりましたが、
その中で一番印象的だったのは男の味についてでした。
抱かれた男のモノが貧弱で満足できなかったと・・・、不平を言う女はまだまだ未熟だそうです。
男の味は90%以上女が決めるものだとお姐さんたちは言っています・・・・。

女がその気になり、優しく男に接すれば、男がいきりたち、それだけで女は十分深くまで逝くこと
が出来ると言うのです、女が十分行けば当然男は大満足で、さらにがんばるのです。そうなると女
はますます高みに駆け上がる・・・、こんな好循環が良い女の周りではいつも起きているというの
です。ソープの世界でも、リピーターを集めている人はみんなそんな女で、ただ若いだけの女はす
ぐに飽きられ、人気が落ちるのです・・・」

「面白そうな話だね・・、つづけて・・」

「ハイ・・、続けます。どんな男性器でも持てる能力を最大限発揮すれば十分に女性を満足させる
ことが出来る・・、男と女の体の構造はそうなっているのです。そして、男性器を最大限まで膨張
させるのは相手の女性の腕次第なのです。言い換えれば、不満足な膨張しかできないアレに遭遇し
て、不幸にして十分楽しめなかった場合は、男性が悪いのではなく、女性の魅力と努力が足りなく
てそうした結果になったと考えるべきだと・・・、お姐さんたちは教えてくれました」

「そうか・・、それは素晴らしい解釈だね…、
抱かれた男のモノが貧弱でがっかりしたと、後になってその男をけなす女が多いが・・、
そう言っている女は、言ってみれば・・・、
『私の魅力が足りないために、相手を十分に勃起させることが出来ませんでした』・・・と、
公言しているのと同じことなんだね・・、これは面白い・・」

「そこまで言うとかなり拡大解釈ですが・・、
そうしたケースも確かにあると思います・・・」

「そう言ってくれる女性が増えれば、男達はもっと元気になるね…、
しかし・・、何事にも持って生まれた器量と才能の差は存在するからね…、
私と・・、例えば、佐王子さんのように・・、
サイズも、経験も、意欲も、差がありすぎると、いくらお前が頑張ってくれても、
私と、佐王子さんでは、その性的優劣は比べようがないだろう・・・・
二人のどちらを選ぶかと問われれば・・・、議論の余地はないだろう・・・・」

笑いながら佐原が質問しています。幸恵が佐王子と佐原のどちらを選ぶかにこだわっているのでは
なく、幸恵がこの質問にどんな回答をひねり出すか興味がわいてきたようで、少し意地悪な質問を
しているのです。


[21] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(385)  鶴岡次郎 :2015/10/28 (水) 11:39 ID:aMPhuBMo No.2768
 
その質問を予想できていたようで・・・と、言うより、佐原にその質問を出させるべくここまで幸
恵は佐原を誘導していたと考えるべきかと思います。幸恵は慌てることなく直ぐに口を開きました。

「佐王子さんと、旦那様が同じ条件であれば、おっしゃる通り、圧倒的に佐王子さんの勝ちです。
でも、旦那様とは数十年の深い関係があり、その間に二人で積み上げてきた心と体に残された夫婦
の実績は他の何ものとも比較できません・・・・。
抱かれた男が旦那様に比較して圧倒的な性的優位差を持っていても・・・、
旦那様に抱かれた時の満足感は他の男からは絶対得ることはできません…」

「そんなものかね…」

「この気持ちは決して嘘ではありません・・・。
この気持ちは女でなければ・・、多分・・、分からないと思います・・・、
いえ・・、普通の女には・・・、判らないかもしれません・・・」

「普通の女にも判らないのか・・・・
選ばれた女にだけ判る感情なのかね…、
意外と難しいものだね・・」

佐原は半信半疑の様子です。それでも茶化している様子ではありません、幸恵が何かを伝えようと
している気持ちを彼なりに受け止めているのです。

「私や絹江さんのような乱れた生活をしていて、
そんなみだらな女をやさしく受け入れていただける旦那様がいて、
彼の大きな愛情に包まれている女だけが感じることが出来る真実だと思います。

言い換えれば、ステーキやマグロのトロを食べた後、家に戻って、軽くお茶漬けを食べる、その時
一番おいしいと思う気持ちに近いのです。ステーキやマグロは、お茶漬けの本当の味を知るための
前菜なのです・・」

「ほほ・・、面白いことを言うね…、
私は・・、お茶漬けで、男達がステーキやマグロか・・・・、
案外、言い当てているかもしれないね・・・・」

幸恵の言葉に佐原は満足した様子です。上機嫌で話しているのです。

「お茶漬けの本当の味を知るためには、
ステーキやマグロをたらふく食べるべきだと言うのだね・・・、
ステーキやマグロをたらふく食べた女だけが、
お茶漬けの本当の味が判ると言いたいのだね・・・、面白い分析だね…」

「私のスケベーな性をご理解いただき、
わがままの私を受け入れていただいている旦那様に大感謝です・・・。

それと・・、この際ですから申し上げておきますが・・・、
旦那様の全てが好きです・・・、
一緒にいるのが楽しい・・、このままずっと一緒に暮らしたい・・。

それに・・・、そんなに大きくないし、そんなに固くないけれど・・・・、
旦那様のチ○ポが一番好きです・・。形も、匂いもみんな好きです・・・。
ああ・・・、こんなことを言っていると欲しくなる・・・・
もう・・・、あちらに行きませんか・・・・」

濡れた瞳で幸恵は佐原を見つめているのです。明らかに幸恵は欲情しているようで、寝室に夫を
誘っているのです。

「判った・・、お前の気持ちはありがたいと思う…、
僕に抱かれる時が一番だと言う、うれしい言葉も、そのまま信じるよ・・・」

幸恵が欲情した兆しを悟りながらも、佐原はあいまいに笑っています。長くは戦えないことを自覚
している佐原は寝室へ行く時間を出来るだけ先送りしたいのかもしれません。


[22] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(386)  鶴岡次郎 :2015/10/29 (木) 15:22 ID:TaaEzdDI No.2769
「ところで・・・、もう少し神本さんと絹江さんの話が聞きたいな・・、
二人の仲にはいろいろあったのだろうな・・・」

佐原は話題を元に戻そうとしています。明日は土曜日で夜は長いのです、幸恵も佐原の誘導に乗る
つもりになっています。

「あの二人は私達とは比べようがないほど波乱に富んだ半生送ってきたのよ、
神本さんとその美人の奥様の愛情物語は私を含め、
あの業界で知らない者は誰もいない。噂話と言うより、
私達の世界のリジェンドになっている・・・・・、
少し長くなるけれど・・・、聞きたい・・・?」

「・・・・・・・・」

黙って佐原が頷いています。これで一先ず、寝室へ行く時間稼ぎができそうだと佐原は内心でほく
そえんでいたのです。

「10年ほど前のことだけれど・・・、
新婚の絹江さんは神本さんと離れて中国大陸へ渡った・・・、
それから5年間ほど・・・、現地で働いていたことがあるの・・
勿論、辛い愛人奉公よ・・・・」

幸恵がゆっくり話し始めました。どうやら今夜のトークは長くなりそうです。

10年ほど前、絹江と神本が新婚家庭を持って間ものない頃、中国のマフィアから大きな取引話が
日本の複数のヤクザ組織に持ち込まれました。麻薬と女に関する利権が絡んだ大きな取引話で、中
国マフィアと手を握れば莫大な利益が保証されるのです。各組織は組の総力を上げてこの契約を勝
ち取ろうと躍起になっていました。

そのポイントになった人物が、某大物中国人でした。何でも凄い大金持ちで、中国の政財界に顔が
利く人だったのです。その人物の推薦を受ければマフィアもその意向を無視できないとの情報が
入ったのです。日本の各組織は彼に取り入ろうと躍起になり、彼の身辺を調査し始めたのです。そ
んな時、その大物中国人の側近から日本の組織に内々で声がかかりました。内々の条件提示とは言
いながら体の良い賄賂の要求だったのです。

多額の献金の他に、日本に別邸が欲しい、特別の優遇滞在ビザが欲しい、日本滞在中は運転手付き
の高級車を配備すること、等々・・、多分、今ならどんな要求でも日本の組織は受け入れるだろう
と見透かされたかのような欲張りな要求だったのです。そして最後に、日本人の愛人が欲しいと
言って来たのです。

他の条件は資金さえあればどの組織も軽くクリヤーできるので、最期の愛人推薦が勝負を決めるこ
とになりました。各組織はこぞって、それぞれに絶世の美女を愛人候補として推薦したのです。数
人居た候補の中には現役の女優もいたと噂されていたのです。で・・、結局、楊貴妃をしのぐ絶世
の美女との条件に絹江が見事パスしたのです。

「その頃絹江さんと神本さんは所帯を持ったばかりだったから、なぜ神本さんが絹江さんの身売り
話に乗ったのか、彼らを知っている人はみんなびっくりしたそうです・・。

後になって判ったことだけど、神本さんが大きな仕事で大失敗をして、上部組織に莫大な損失を与
えてしまった。このままでは彼の所属する小さな組織は握りつぶされかねないと関係者たちは心配
していたのです。そこで神本さんは潔く死を決意してその償いをしようとしました。命を差し出せ
ば上部組織の幹部も神本さんの所属する小さな組織をつぶすわけには行かないと思われていたので
す。まさに、神本さんは命と引き換えに自分の所属する組織を守ろうとした英雄になるはずだった
のです。それを知った絹江さんが、願い出て自身の体と引き換えに神本さんの命乞いをしたのです・・。

もくろみ通り、絹江さんを担ぎ出したヤクザ組織が利権を握ることになりました。莫大な利権が絹
江さんを担いだ組織に流れたそうで、神本さんの大失敗の代償を賄って余るほどだと言う人もいた
そうです。お金の話にはみんなあまり興味を持っていないので、詳しいことはこれ以上判りません・・」

幸恵の話に佐原はすっかり引き込まれています。

「『組の窮状を救うため、潔く命を差し出した英雄』から一転して、『妻を差し出し、命乞いをし
たダメ男』と呼ばれるようになり、皆の笑いものになりながらも、神本さんは、それから5年間、
組織内では最下級の仕事しか与えられない下隅みの生活にじっと耐え、絹江さんの年季が明けるの
を待ち続けた・・・」

幸恵の話には後があるようです。


[23] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(387)  鶴岡次郎 :2015/11/04 (水) 13:59 ID:QnZoWjYY No.2770

五年の契約期限が過ぎても、中国側はあれこれ言いがかりをつけて絹江を手放しませんでした。そ
のことを日本の組織から聞かされた神本は単身で中国本土へ乗り込んだのです。そうなると絹江を
送り出した日本の組織も黙って見ていることが出来なくなり、たくさんの戦士を神本の下に送り込
むことになりました。こうして、日本のヤクザと中国マフィヤが意地と名誉をかけて壮絶な戦いを
くり広げることになったのです。

互いに死力を尽くして戦いました。戦いは一進一退で、いつ終わるのかだれにも予想できない状態
になっていました。ところが・・・・、ある日・・、戦いの終わりが突然やってきたのです。一方
的に中国マフィヤが攻撃を中断したのです。

そしてそれから数時間後、一通のファックスが日本の組織本部事務所に届きました。そこには無条
件で絹江を解放すると、したためてあったのです。

「よく出来た話だけれど、大金をかけて獲得した獲物を、
それほど簡単に開放するものかな・・、何か他に要因がありそうだね…」

ここまで大人しく話を聞いていた有能な会社経営者の一員である佐原が当然の疑問を出しました。

「何かがマフィアを動かしたはずなのだが・・・・、
ここまでの話ではその何かが判らないね・・・・、
あっ・・、そうだ・・、
絹江さんを妾にした例の政財界の大物はどうなったの・・・」

「絹江さんを抱えていた例の某大物でしょう・・、
絹江さんが去るのとほぼ同じ頃、政府主導の汚職撲滅運動にひっかかってあえなく消されたと言わ
れている。彼の追放と絹江さんの解放が無縁とは思えないけれど、本当のことは誰も知らない・・」

「うん・・・、それだよ・・・、
大物の失脚が兵を引いた理由だよ・・。

後ろ盾を失ったマフィヤはヤクザと戦う大義を失ったのだよ・・、
それで、戦う意欲をなくして、兵を引きたいと思ったのだが・・、
ここで兵を引けば負けを認めることになる、
誇り高い中国人は決して負けたとは言わないものなのだよ、
そこで彼らは考えたはずだ・・・・」

身を乗り出すようにして佐原が話し始めました。ヤクザとマフィアの抗争が突然終わった原因分析
に引きこまれている様子です。


「『まだまだ戦いたいし、余力も残っているが、偉大なる神本氏の武勇と彼の絹江さんへの熱い愛
情に敬意を表して、今回は兵を引くことにした。元々貴殿とは何の遺恨もないので、今後とも良い
パートナーとして取引願いたい・・・・』

おそらくこんな内容のファックスがヤクザの事務所に届いたと思う。これは伝統的な中国兵法の中
にある兵を引く際の心得を忠実に実行したものなんだよ・・」

中国古典の知識を披露しながら、日中の組織抗争が突然に終結した経緯を佐原は得意そうに解説し
て見せたのです。おそらく、彼の解説は間違っていないと思います。しかし、抗争終結の佐原の分
析には幸恵はそれほど興味を見せません。どうやら神本伝説の中で別のことが幸恵は気に入ってい
る様子です。

「その時の戦いで負った傷跡が背中一面に残っていると言われている。右肩と左脇腹に複数のライ
フル銃弾貫通傷、左肩から右臀部まで至る深い刀傷、全身に入れ墨を背負って粋がっている人がい
るけれど、神本さんの背中に残された紋章に比べれば、そんなもの子供の遊びだとしか思えない。

彼の背中を見れば、女を思い、命を懸けて戦った本物の男心に打たれて・・、
それだけで感じて、女はたちまち失禁すると言われているのよ・・・。
凄いでしょう…、
ああ・・・、堪らない・・・・・・」

幸恵の瞳が燃えているのを佐原は感じ取っていました。彼女の右手がテーブルの下に行っていて、
微妙な動きをしているのです。話の途中から幸恵は右手を動かしているのです。


[24] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(388)  鶴岡次郎 :2015/11/09 (月) 15:24 ID:68fhe7bQ No.2771

ソープに勤めるようになって二、三ケ月経った頃、洗面所で自慰をしている幸恵を佐原は偶然見つ
けたのです。佐原が一度も見たことがない巨大なデルドーを股間に深々と挿入していたのです。後
で幸恵が語ったことですが、自宅に居る時、無性に男が欲しくなる時があるとソープの仲間に相談
したところ、この商売に入ると女にはそうした我慢できない時間が必ず来るものだと教えられ、デ
ルドーを薦められたのです。そうなるとその道のプロぞろいの社会ですから、事情を話すと店のス
タッフがすぐにデルドーを取り寄せてくれたのです。それ以来こっそり幸恵はデルドーを楽しむよ
うになっているのです。

今日も夫の帰りは遅いと見当づけて夕食の下ごしらえが終わった後、いつものように洗面所でデル
ドーを股間に差し入れたのです。右手で10分足らずデルドーを動かすと、最後の瞬間がやってき
て、今まさにその時を迎えたところを佐原に覗かれたのです。こっそり帰ってきたわけでなく、玄
関扉の開く音も届いたはずですが、その音が聞こえない状態に幸恵は上り詰めていたのです。

洗面所の床に腰を下ろし壁に背中を付けて、大きく両脚を開いて喘いでいたのです。ワンピースと
ブラは着けていましたが、下半身はもろ出し状態だったのです。床にこぼれた愛液が水たまりを
作っているところもバッチリと見られたのです。

佐原に気付いた瞬間、幸恵は何が起こっているか判りませんでした。両脚を持ち上げ、両手でデル
ドーを押し込み、首を反らせて低いうめき声を上げた瞬間だったのです。次の瞬間、悲鳴を上げ、
慌ててスカートを下ろしていますが、デルドーを抜きとることはできませんでした。ただ、驚き、
恥じりいる幸恵をなだめながら、佐原はゆっくり腰を下ろし、幸恵の肩に手をかけて話しかけまし
た。

出来れば佐原の見ているところでも自由にやってほしい、そんなエロチックなことをする幸恵が好
きだ、せっかくのエロチックな行為を隠れてするのは何とももったいないと、佐原は心を込めて懇
請したのです。そして、幸恵を抱きしめ唇を合わせたのです。喘ぎながら幸恵は佐原の唇を貪りま
した。

佐原の手がデルドーに伸び、それを前後にゆっくり動かしました。次の瞬間、首を振り、幸恵は悲
鳴を上げ、佐原の腕の中で気を失いました。佐原の手を離れ、深々と突き入れられたデルドーが女
の股間で何故か激しく振動していました。

それ以来、その気が兆せば佐原の前で幸恵は股間に指を入れるようになったのです。最近ではむし
ろ佐原にその姿を見せることを楽しんでいるようです。先日など、佐原と一緒に行った高級レスト
ランのテーブルの陰でこっそり指を使い始め、危うく声を上げそうになった前科もあるのです。

この時もそうです。神本の背中に残された壮絶な傷跡を話している内に、女ごころが動かされたの
だと思います。体が熱くなり、女性の部分にぬめりを感じとったのです。佐原に見せつけるように
両脚を開き、スカートの裾を十分に持ち上げ、指を二本ゆっくりと挿入しているのです。既に十分
潤っているそこはまるでそこだけが別の生き物のように蠢いて指を吸い込んでいるのです。

神本の噂話をするだけで興奮する幸恵を見て、佐原は感嘆していました。好色な幸恵に驚いている
のは確かですが、それ以上に神本が持つ女を引き付ける力の強さに佐原は感嘆していたのです。そ
の男の噂話をするだけで女が濡れるのを知ったのです。世の中にはそんな途方もない力を持ったオ
スがいるのだと単純に感嘆していたのです。しかし、実はこの話には少し裏があったのです。


[25] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(389)  鶴岡次郎 :2015/11/11 (水) 14:47 ID:bAkInF2M No.2772

噂話に興奮して夫の前で自慰する好色な幸恵と、凄まじいオスの吸引力を持つ神本が織りなすトーク
を聞いてただ感嘆している佐原の心を見透かしたように、股間に伸びた手の動きを止めて、淫蕩な笑
みを浮かべて幸恵が言いました。開いた脚は閉じていませんから、股間の茂みは佐原からよく見えま
す。

「私…、本当のことを言うと一度だけ・・・、
彼の背中を見たことがあるの・・・」

「なあ・・んだ…、そう言うことか・・」

「ううん・・・、抱かれたわけではないの・・・、
事務所で着替えをしている彼を偶然見ただけなんだけれど・・・
そのあまりの迫力に私・・・・、
固まってしまって・・、じっと背中を見つめていた・・・・」

かなり前のことだと思いますが、幸恵には昨日のことの様に思い出されるのでしょう、目をキラキラ
輝かせて話しはじめました。

事務所の扉を開けたまま、私服を脱ぎ、Yシャツ蝶ネクタイの制服に着替えようとしているところへ
少し早めに出勤してきた幸恵が遭遇したのです。幸恵の視線を感じ取り、神本は首だけを捻って幸恵
を見て、にっこり微笑みました。

「私・・・、
優しい彼の微笑みを見て、泣き出したいほど感動していた・・」

「そこまで惚れるとは・・、
もう・・、神本の存在はスターの領域だね…」

佐原が笑いながら茶化しています。その軽口には乗らないで幸恵は真面目な表情で話を続けました。

「あの・・・、触ってもいいですか・・・」

「エッ・・・、ああ・・・、この傷ですか・・・、
こんなモノで良かったら・・、いくらでも・・」

神本はそう言って、着けかけたシャツを脱ぎ捨て、改めて背を幸恵に向けたのです。右肩から、左腰
のあたりまで深い刀傷が走り、左肩、背中中央、そして右腰のあたりにライフル銃の貫通傷が残って
いました。幸恵は近寄り、そっと刀傷に指を添え、上から下へゆっくり滑らせました。そして、背の
高い神本の背中に顔を寄せ、刀傷にゆっくり唇を付けました。

「私・・・、それだけで立っていられないほど興奮してしまって・・・、
滴るほど濡らしていた・・・・
今でも、その時ことを思い出すと、酷く濡れるの・・・
ああ・・・、堪らない・・・・・」

唇を押し付け、男の腰に両手を巻き付けて、幸恵は男の傷に舌を這わせました。干し草に似た男の香
りが女の鼻孔を刺激し、女はほとんど失神するほど感じていました。自然と体が動き、幸恵は全身を
男に密着させ、両脚を開き、腰を妖しく動かし、男の太ももに女陰を押し付けていたのです。

「幸恵さん・・・、もう・・・、宜しいですか・・・
誰かが来ると不味いですから・・・」

後ろから腰に回された女の手をやさしく解きながら神本が声を掛けました。

「ああ・・・、ス・・、スミマセン…」

夢から醒めたように慌てて幸恵は神本の背中から離れました。男の背にはうっすらと口紅と唾液の痕
跡が残されていました。

「ああ…、何だか変・・・、堪らない・・・、
あなた・・、あちらに行きましょうよ・・」

ほとんど腰の位置までスカートの裾が巻き上げられ、二本の指が激しく動き、そこから隠微な水音さ
え聞こえてくるのです。幸恵はもう自慰に夢中です。自分自身の話に酔いしれている様子です。

「良い話だね…、
私も・・、神本に会いたいね…、
抱かれたいとまでは・・・、今のところ、思わないが・・・・・」

すこしその気がある佐原がうらやましそうにつぶやいています。二人はもつれあうようにして寝室へ
向かいました。彼らの通った後に、点々と衣類が残されていました。最後のショーツが寝室の扉の前
に落ちていました。


[26] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(390)  鶴岡次郎 :2015/11/16 (月) 12:13 ID:UlkFm./E No.2773

あの事件が終わってから・・、そう・・、山口が幸恵たちの前から消えてから・・、半年も経った
ある日のこと、その日は金曜日でした。青い空がどこまでも広がる気持ちのいい日なのです。浦上
三郎と千春は、長男を真ん中にして、マンション前の公園内を散策しています。珍しく三郎が休暇
を取り、長男も幼稚園を休ませて、こうして親子水入らずで散歩しているのです。久しぶりのこと
です。

公園の中央に比較的広い池が広がっていて、その前の広場に屋台が並び、池を背景にして舞台が作
られているのです。大小数台のトラックが駐車していて、大勢の職人が忙しく立ち働いています。

「ああ・・、秋祭りの準備が始まったのね…
○○・・、ほら見てごらん・・・、いっぱい屋台が並んでいる・・・
今夜見に行こうね・・・・、」

千春が指をさし、長男に教えています。金曜日の夜から日曜日にかけて開かれる秋祭りの準備が始
まっているのです。

その時・・・、千春は強い視線を右の頬に感じ取りました。反射的にそちらに顔を向けました。そ
ちらの方向、20メートルほど離れた場所に、大型トラックが止まり、数人の男がトラックから荷
下ろしをしています。祭りの呼び物の一つである北海道物産展の準備が進んでいるコーナがそこに
あります。数人の作業員の中に交じって、首一つ抜きんでた背の高い男が千春に強い視線を投げか
けているのです。

「や・・、山口さん・・・・」

思わず大きな声を出しそうになり、千春は慌てて口を抑えています。当然、夫、三郎も千春の異常
な様子に気付き、彼女の視線の向く方向を探っています。

「誰…?」

「・・・・・・・」

「知っている人なの…?」

「・・・・・・・・」

「若い男のようだが・・・・?」

「多分・・・、知り合いだと思います・・」

驚きで言葉を失っていた千春がようやく答えています。

「先方も千春に気付いているようだよ・・・」

「ハイ・・・・」

幸恵のアパートでの5P、そして山口にストカーされたことは一切夫、三郎には話していないので
す。これから先も話さないと決めているのです。

「少し前・・、一ケ月程前・・、お店で会ったお客様だと思います。
確か・・・、山口さんと言って、長距離トラックの運転手さんです・・」

「そうか・・、店の客か・・・」

佐王子と浦上が相談して、千春を佐王子の店に出すことを決めたのが三ケ月前です。それ以来週に
二度か三度、店に出ているのです。幸恵の申し出もあって千春が店に出る日は幼稚園に通っている
長男のお迎えは幸恵がすることになっているのです。そういうわけで幸恵と千春は交代で店に出る
形になっています。当然の流れで、幸恵の借りているアパートを千春が使うようになっていて、そ
こへ気に入った男を招き入れることも千春はすでに経験済みなのです。

山口は店の客だと咄嗟の思い付きで夫に告げたのですが、店の客であれば顔見知り程度の付き合い
ではありません、体の関係があるのです。千春はかなり動揺していますが、それ以上に浦上も慌て
ていました。


[27] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(391)  鶴岡次郎 :2015/11/17 (火) 15:34 ID:e5D/oiIg No.2774

女房が抱かれた男に遭遇する・・、こんな異常事態が起こることは、千春を店に出すと決めた時、
当然覚悟して準備をしておくべきだったと三郎は少し慌てていました。心の準備が出来ていなくて、
どう対応するべきか何もアイデアが湧かないのです。あらかじめ佐王子に教えを請っておけば良
かったと後悔するのですが後の祭りです。

「彼には・・・、
お前の私生活については何も話してないのだろう・・・」

「ハイ・・、このあたりに住んでいることも・・、
勿論、結婚していることも知らないと思います・・・」

「そういうことであれば、このまま知らないふりをして、
人違いで押し通してもいいのだが・・」

その場に立ち止り、男の視線を痛いほど右の頬に感じ取りながら、それでも男の方は見ないように
して三郎は千春に訊ねています。

「しかし・・、そうもいかない雰囲気だね・・・・
相手はお前の顔をはっきり覚えている様子だ・・・」

人違いで無視するにはそのタイミングを失っているのです。離れたところからとはいえ、かなりの
時間山口と千春はにらみ合って、互いを認識しているのです。いまさら知らない仲だと白を切るの
は難しいのです。

「めんどうなことにならなければいいが・・・、
なんだったら、僕が一緒について行って、挨拶をするか・・・?」

「いえ・・、三郎さんにお願いするほどのことではありません。
私一人で会ってきます・・・」

「しかし・・・・」

「大丈夫です・・。
こんなにたくさんの人がいるし、昼間だし・・・、
それに・・、彼・・、しっかりした仕事に就いていて、
脅しや、嫌がらせをする人ではありませんから・・・・、
変なことは言い出さないと思います。安心してください・・・」

結婚を申し込まれ、ストカー行為をされたと正直に話せば、三郎の覚悟が決まり、夫と山口が対決
する修羅場が来ることは判っているのです。この場はとにかく、三郎と山口を合わせないことが大
切なのです。この場は一人で乗り切ると千春は覚悟を固めていました。

「佐王子さんに連絡を取って、対応策を聞いてどうだ・・」

「こんな時は逃げ出さないで、お客に会って直接話をしなさいと、常々教えられています。
電話をすれば、先ずその指示があると思います・・。
だから・・・、ここでは佐王子さんには連絡しません・・・・」

「・・・・・・」

「もし・・、
話がこじれるようだと直ぐに佐王子さんに連絡を取り、助けを求めます。
とにかく、彼に挨拶をして来ます・・・・」

「・・・・・・・」

心配そうな表情で何かを言いたそうな夫、三郎の返事を待たないで、千春は山口の方向に歩き出し
ていました。そして、何かを思いついたようで、振り返りました。笑みを浮かべて千春は三郎に声
を掛けました。

「あの・・、三郎さん・・・、
その子が帰りたいと言ったら、私を待たないで、先に家へ帰ってください・・・、
話が長引くようだったら、連絡を入れますから・・・」

「判った・・・」

笑みを残して、千春は軽い足取りで山口に向かって歩いています。三郎は千春の後姿をじっと見て
いました。長男が三郎の手を引き、滑り台のある広場の方向へ歩き出そうとしています。三郎は何
度か振り返りながら子供に手を引かれて歩いています。千春は一度も振り返りませんでした。


[28] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(392)  鶴岡次郎 :2015/11/18 (水) 12:00 ID:DNjUdB0I No.2775

千春が近づいて来るのを見て、近くにいる作業者に山口が何事か話しています。荷下ろしはほぼ終
わりに近づいているようで、その作業者は笑みを浮かべて頷いています。山口がていねいに頭を下
げています。どうやらその作業者が物産展の準備をする地元の責任者のようで手を振って山口の丁
寧なあいさつを受けているのです。

「おひさしぶりです・・、
よろしければ、少し話があるのですが・・・・
お忙しいのではありませんか・・・」

「おひさしぶりです・・・、未だ仕事は終わっていないのですが、
責任者の佐藤さんが抜けてもいいと快く了解してくれました・・・。

北海道へトンボ返りの予定で、午後のフェリーに間に合えばいいのです・・
今から2時間ほどは自由になります・・」

若者らしい屈託のない笑みを浮かべて山口が千春に応えています。佐藤と呼ばれた年配の作業者が
遠慮がちに、それでも興味深そうに千春を見て頭を下げています。愛想よく千春も頭を下げました。


肩を並べて二人は歩き出しました。申し合わせたように人影の薄い森の方向に二人の足は向いてい
ます。その後ろ姿を遠くから三郎がじっと見つめていました。

〈案外・・、親しそうだな・・・、
一度や二度の関係ではないかも・・・、
遠目で良く判らないが・・、どうやら千春好みのイケメンだ・・・
ことによると・・、千春がその気になり、抱かれることもあり得るかも・・・、
まあ・・・、そうなれば、そうなったで・・、仕方がないことだ・・・
しっかりした会社の運転手のようだから、変なことにはならないだろう・・・〉

店に出ると決まった時、千春は隣人である幸恵の秘密を三郎にすべて告げました。千春の紹介で幸
恵が佐王子の店でソープ勤めをしていて、店の近くにアパートを借りそこへ気に入った男を連れ込
んでいることまでもすべて話したのです。そして、三郎を驚かせたのは、そうした幸恵の淫らな行
為をすべて夫である佐原氏が認めていることだったのです。

幸恵と佐原氏の話を聞いて三郎はある覚悟を固めていました。ソープに出ることを認めた以上、店
の外で千春が他の男に抱かれることも受け入れるべきだと自分に言い聞かせていたのです。そして、
店に出るようになって間もなく、幸恵のアパートで男に抱かれたことを千春から告白されたのです。
その時も、三郎は笑ってその行為を認めたのです。こうして、好色妻千春の奔放な行為を受け入れる
それなりの対応力が三郎には既に出来上がっているのです。

今、若いイケメンの山口と千春が仲良く肩を並べて森に向かっている後姿を見て、この先の展開次第
では千春があの男に抱かれることもあり得ると冷静に推量していたのです。そして、駐車しているト
ラックに書かれた有名運送会社名を読み取り、男の素性がある程度まで判ったことで、この場は千春
の判断に任せても良いと三郎は決めているのです。好色な千春が若いイケメンに迫られらば拒否しな
いだろうとも思っていたのです。

「先ほどご一緒だった方が・・、
ご主人とお子様ですね…、
てっきり、神本さんが一緒かと思いました・・・」

「・・・・・・・・」

歩きながらポツリと山口が口を開きました。千春は何も答えることが出来ません。千春を神本の情婦
だと信じて、潔く結婚をあきらめたのです。それが、別の男と子連れで仲睦まじい姿を見たのです。
山口の気持ちを思うと千春は何も言えないのです。

「申し訳ありません・・・、
神本さんの思い付きで、その場を繕う目的で・・・、
神本さんの妻だと言ってしまったのです・・・」

「どうしてそんな嘘を・・・、
『私には夫がいる・・』と・・・、
あなたの口から聞けば、私は潔く引き下がっていました・・・」

「申し訳ありません・・・」

色々弁解したいのですが、何を言っても言い訳にしかならないし、山口に嘘を告げた事実は変わらな
いのだと、千春は覚悟を決めて、ただひたすら頭を下げているのです。


[29] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(393)  鶴岡次郎 :2015/11/19 (木) 15:21 ID:uRle7LMU No.2777

何も言い訳を言わない千春を見て、山口は何かを悟った様子で、口を開かなくなりました。二人は
黙りこくったまま歩き続け、森の中に入りました。この季節、森の中はひんやりした空気がまだ心
地よく感じ取れます。二人は更に森の奥へ向かいました。もう・・、先ほどまで聞こえていた人々
のざわめきがここまでは届きません。鳥の声があたりに響いています。

「そうですよね・・、
考えてみれば向きになった私が愚かだったのですね…
風俗での色事や、そこで起きた男女のもめごとで、
本当のことが語られることなんてありませんよね・・」

「・・・・・・・」

歩きながら山口なりになぜ千春が嘘を言ったのか、その理由を考えていたのでしょう、彼なりにあ
る結論を得た様子で、リラックスした調子で口を開いています。

「神本さんの話を丸々信じ込んだ私があまりに世間知らずだったのです、
ソープは全て虚構の世界だと思うべきなのですね・・・
そこで繰り広げられる男女の物語は全て夢なのですね・・・
真剣になった私があまりに世間知らずでした・・・」

低い声ですが良く通る声で山口が言いました。千春をなじる口調ではありませんが、どこか無念そ
うな響きを帯びているのです。反論は勿論、言い訳の言葉さえ千春は思いつかないで、ただ頭を下
げて聞いているのです。

二人の前方、そこだけが木々が取り除かれ、燦々と日の光を浴びる10メートル四方ほどの草地が
広がっていました。そこにベンチが一台置いてありました。二人はゆっくりと腰を下ろしました。
周りに人影はありません。

「今となっては笑い話にしかなりませんが・・・、
あの当時は、これでも真剣でした・・・、
千春さんとの結婚を真剣に考えていました・・」

「スミマセン・・・・」

「いえ、いえ・・、貴女に謝っていただくことではありません、
悪いのは私です・・、千春さんの事情も知らないで、
一方的に惚れ込んで、その気になって追い回したのですから・・。
今考えると冷や汗ものです・・・。
本当にすみませんでした・・・・」

「・・・・・・・・」

頭を下げる山口の横顔を千春はまじまじと見つめていました。端正な若者の横顔には誠意が溢れて
いて、嫌みを言っている様子は見えません。

〈・・随分と変わった・・・・、まるで人が違うようだ・・・。
酷い言葉でなじられても文句の言えないことをしてしまった私に頭を下げている。
何が・・・、彼をこんなに成長させたのだろう・・・〉

頭の回転が速い、歯切れの良い若者だと、最初会った時から思っていたのですが、5Pで乱交をし
ていた時は何しろ粗野で、わがままで、女性への思いやりなど少しも持っていない、やりたい盛り
の若者の印象しか持てなかったのです。それが、今は、ストカー行為を反省し、ソープ店スタッフ
の情婦だと嘘を言い、逃げ出した千春に恨み言一つ言わないのです。もう・・、立派な大人の雰囲
気さえ醸し出しているのです。

ベンチに腰を下ろし、二人は地面を見つめて、ポツリポツリと話し合っています。千春の視線が地
面を行き交う蟻の小さな姿を追っています。

「千春さんを苦界から救い出し、
幸せにできるのは私しかいないと思っていました・・」

「幸恵さんから山口さんの有難いお気持ちは聞いていました・・。
汚れはてた私ごときに、本当にありがたいと思いました・・。
それでも、私には家庭があり、子供までいますから・・、
山口さんの申し出を受けることが出来なかったのです・・・」

「・・・・・・・」

「本来であれば、お会いして私の口からお断りするのが筋でした・・
でも・・・、お会いしたら、私の意志が崩れそうで・・、
それが怖くて、逃げ出しました・・・。スミマセン・・・・・」

千春がベンチから立ち上がり深々と頭を下げています。


[30] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(394)  鶴岡次郎 :2015/11/24 (火) 14:23 ID:hkaEy8RQ No.2778

慌て山口も立ち上がりました。千春の肩に手を添えて、にっこり微笑んで再びベンチに座らせてい
ます。

「そのことで謝らないでください・・、
悪いのは私なんですから・・。
あんなにがむしゃらに、身勝手なふるまいをすれば、
千春さんでなくても、全ての女性が私を敬遠したと思います。
今考えても、冷や汗ものです・・・、本当にすみませんでした・・・・」

どうやら、わずか半年余りの期間に山口は大きく成長した様子です。嫌みでなく、本音で当時の彼
自身の行為を反省し、悔いている様子なのです。

「あの時のことを思うと穴があったら入りたい、そんな恥ずかしい気持ちです。
しかし、恥ずかしい反面、生涯忘れることができない経験でした。

千春さんと知り合えたことは、私にとって人生最高の出来事でした。
そして、千春さんとの別れは、私にとって最大の試練でした。

千春さんに巡り合い、たとえそれが夢世界の出来事であっても、
楽しかったあの日々のことは生涯忘れることはできません。

私がこれから生きていくうえで、
辛いことがあった時、楽しいことがあった時・・・、
千春さんとすごした日々の思い出が私を支えてくれるとおもいます・」

「・・・・・・」

千春への想いを山口は歌うように告白しているのです。この半年余り千春への思いが心の中でうっ積
し、出口を求めていたのでしょう、堰を切ったように千春への言葉があふれ出ているのです。

「こんなことを言うのはご迷惑でしょうが・・・、
千春さんと別れて以来、他の女性と過ごしてもしっくりこないのです。
千春さんの思い出が強すぎて、他の女性を抱く気が起こらないのです。

幸恵さんのアパートで愛し合った日々の思い出・・・、
たとえそれが、男女5人の乱交であっても、
私には千春さん以外の人物は見えていませんでした・・・。
カーテン越しの日の光に輝いていた白い体、絶え入るような喘ぎ声、
そして、私をやさしく包んだ蜜壺の妙なるうごめき・・・、
その全てが私の心と体にはっきりと残っています・・」

「・・・・・・・」

ただうつむいて山口の言葉を聞き流すふりをしている千春ですが、本音を言えば、嫌な気分ではあ
りませんでした。山口を見直す気持ちが強く沸き上がり、彼への警戒感が消え、彼の側に居るのが
嫌でなくなっていたのです。

「千春さんと深い関係を持てたことは私にとって、生涯最大の事件でしたが、
それと同じ程度に神本さんとの出会いも私にとっては、大きな事件でした・・」

「嫌な思いをさせましたものね…、
本当にすみませんでした・・・」

千春がまた頭を下げています。

「いえ、いえ・・・、違うのです・・・。
神本さんとお会いできたことに感謝しているのです・・」

「エッ・・、感謝ですか・・・?」

「ハイ・・、そうです。
神本さんにお会いできたことで・・、
私は自分の生き方を反省する機会を与えていただいたのです・・・」

「・・・・・・」

言葉の意味を理解できない気持ちを隠さないで千春は山口を見つめています。


[31] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(395)  鶴岡次郎 :2015/11/26 (木) 16:51 ID:NtFRkMtY No.2779

「あの時、神本さんにお会いしていなければ、多分・・、
私はいまだに千春さんを追いかけ、いろんな方にご迷惑をかけ、
今頃は・・・、警察の厄介になっていたかもしれません・・・」

山口が静かに語り始めました。

「神本さんに出会い、彼に諭され、彼の話を聞き、それまでなんとつまらない生き方をしてきたか
をしみじみと教えられました。千春さんと彼の素晴らしい夫婦愛のストリーを聞いて、私は目覚め
ました・・、それまでの生き方を恥ずかしく思うようになったのです・・・・」

「・・・・・・・」

千春とのめくるめく情交と辛い別れが、若気のほろ苦い思い出である一方、神本との出会いは、山
口にとって別の大きな意味を持っている様子です。おそらくこのことを他人に話すのは千春が初め
てだと思います。

「それが・・・、
先ほど、池のほとりで・・、
千春さんを見た時、判ったのです・・・・・、
千春さんが神本さんの奥様でないと判ったのです・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

頭を下げて千春はじっと耐えています。

「千春さんが神本さんの奥さんでないとすると・・・、
私が聞いたお二人の壮絶な愛のストリーは全て嘘だと気づいたのです。
その瞬間・・・、大げさですが・・・・、
足元が崩れていくような衝撃を受けました。
生きる指標を亡くした思いになりました・・・・」

淡々と語っていますが、その一言一言が千春の胸に突き刺さっていました。彼がこの先何を話し出す
のか想像さえできない話の展開ですが、千春の仕掛けた嘘が彼に大きな衝撃を与えたことは確かな様
子なのです。大きな目をいっぱい開いて千春はただ山口をじっと見つめていました。

「少し落ち着いた今は…、
たとえそれが神本さんの作り上げた虚構の世界の出来事であっても、
その中に存在する神本さんの教えは真実だと思うことにしています…
そう・・、自分に言い聞かせても、
正直、心のもやもやはまだ消えません・・・」

神本の話した夫婦愛の感動的ストリーに感涙したことが昨日のことの様に思い出されるのでしょう、
千春への未練はあると思いますが、それ以上に千春と神本の愛情物語が全て嘘であった事実を知り、
悔しく、あきらめきれない思いになっている様子なのです。

「スミマセン…、
一言も反論できません・・・。
山口さんのお気持ちを踏みにじるような嘘を言いました・・・。
今となっては・・・・、
ただ許して下さいとしか申し上げることが出来ません…」

「ああ・・、貴女を責めているのではありません・・・・
あなたが手の届かないところへ行ってしまったこと・・、
それは勿論大きなショックでした・・・。
しかし、そのことはいずれ時間が解決してくれると、
自分に言い聞かせております。

千春さん一家の楽しそうな姿を見ても、冷静に祝福できました。
以前の私だとそうはいかなかったと思います。
旦那様に難癖をつけて喧嘩を売っていたかもしれません」

「・・・・・・・」

夫がいて、子供がいることを知り、そのことが原因で酷く落胆しているとばかり思っていたのです
が、どうやらそうではなさそうで、山口の落胆は別の事実が原因だと判り、千春はやや唖然として
彼の顔を見ているのです。


[32] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(396)  鶴岡次郎 :2015/11/28 (土) 14:17 ID:aMPhuBMo No.2781

「私にとって・・・、辛いのは・・・。
神本さんと千春さんの愛の物語が・・、
全て嘘であったことなのです・・」

最期の言葉はつぶやくように言って山口は酷く落ち込んだ様子を見せています。千春に夫と子供が
いる姿を見て落ち込んでいると思ったのは千春の勘違いで、千春に夫がいる問題は既に彼の中では
解決済みだと山口は言っているのです。

確かに、千春には頭を下げるのみで、嫌み一つ言わないのです。それであれば、何故山口がこれほ
どまでに落ち込んだ様子を見せているのか・・、と不思議そうに見つめていた千春の表情が突然変
わりました。そして、あることに気が付いた様子で明るい表情で山口に問いかけました。 

「神本さんがあなたに話した内容ですが・・・、
もしかして・・・、彼は…、
夫婦に襲い掛かってきた悲しい、非日常的な事件を事細かく話しませんでしたか・・」

「長い感動的な話でした・・、
千春さんと神本さんとの出会いから始まり、
5年間の別れ離れの生活、そして感動的な再会まで、全て聞かせていただいた・・・。
それにしても、あれはよく出来た感動的ストリーだった・・、
それが全部作り話だったとは・・・」

「よろしければ、その話をもう少し詳しく聞かせてください…」

「当時ある組織の構成員だった神本さんは仕事の上で大きな失敗をしてしまった。その時彼は組織
に命を差し出す以外道がないところまで追い込まれていました。仕事上の失敗を命で償うなど、一
介の運転手である私には信じられないことですが、彼の生きてきた世界では英雄的行為として受け
入れられていたようです。

そんな窮地に立っている神本さんを救うため千春さんが密かに立ち上がった・・、そう・・、新婚妻
である千春さんが、彼には何も言わないで、5年間の年季奉公に出ることをきめたのです・・・・。

神本さんがその事実を知った時、奥さんは既に中国に旅立っていました。組のため命を捨てようと
した英雄から、一夜にして、妻の体で命乞いをしたダメ男に神本さんは転落したのです。ある意味
死よりつらい立場に立たされた神本さんは、それでもじっと耐えて奥さんが帰るのを待ちました。

彼は生涯妻に命を捧げて、尽くすと言っていました。そうだからと言って、決して妻を縛り付ける
つもりはなく、妻が別れると言ったら、潔くそれを受け入れ、神本さんは一人で死を選ぶと言い
切った・・。千春さんの居ない生活は生きている意味がなく、死に相当すると考えたのです。

お二人の夫婦愛は凄まじいと思いました・・・。

とても感動しました、これぞ、男の生き方だと思いました。
私もそんな生き方がしたいと思いました・・。
神本さんの様に女性に惚れ抜きたいと思いました・・。

それ以来、私はそれまでのいい加減な生活態度を改めました。
いろんな本も読みました・・。
この人こそと思う人が見つかった時、恥ずかしい思いをしないために、
私なりに人間を磨くことに努めてきたつもりです・・。

それが・・、
全部作り話だったと・・、今日判ったのです・・・」

「その話は実話です・・。間違いありません・・」

「エッ・・、あの話は実話だと言うのですか・・・、
しかし、現に千春さんは今日見た方と家庭を持っている・・・、
神本さんの妻ではない・・。
実話であるはずがない・・」

「・・・・・・・」

山口の疑問に千春は答えないで笑みを浮かべて男の顔を見ているのです。男はけげんな表情を浮か
べていましたが、突然明るい表情に変わりました。


[33] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(397)  鶴岡次郎 :2015/11/30 (月) 14:19 ID:1e1Myf9. No.2782

「アッ・・、そうか・・・、
神本さんの奥さんは別の人で、実在するのだ・・・・」

晴れやかな表情で大声を上げる山口に笑みを与えながら、千春は何度も、何度も頷いていました。

「奥様は絹江さんと言うとても綺麗な方です。組織に大きな損失を与えた神本さんの命を救うため
奥様が身売りしたと当時噂されたそうですが、詳しい事情は私には判りません。

5年の年季が明けても中国マフィアは絹江さんを手離しませんでした。神本さんは単身で現地に乗
り込みました。それを見た日本の組織は総力を挙げて戦う態勢を直ぐに整えました。こうして戦い
は日本の組織と中国の組織が意地と名誉をかけて戦う場に変わったのです。その様子は私達の世界
では誰でもよく知っている伝説になっています。

その戦いで鬼神もかくやと思われる戦いを見せた神本さんは瀕死の重傷を負いました。それでも奥
様の献身的な介護の甲斐もあって奇跡的に回復したのです。背中に残された傷跡は壮絶なもので、
私達の世界では祈りの対象にさえなるほど有名です・・・・・。

こんな話を神本さんから聞いたのなら・・・・、
それは全て本当の話です・・」

「そうですか・・、実話だったのですね・・、
私が聞いた神本さんと奥様の話は実話だったのですね・・・・、
良かった・・、本当に良かった・・」

山口は勿論、千春もホッとしているのです。

「自分で言うのも変ですが、あの時、神本さんのお話をうかがい、私は生まれ変わりました。自堕
落に生きてきた20数年を大いに反省しました。これからは誰かの役に立てる人間になりたいと
思ったのです・・」

先人の生き様を知り、若者が自身の生き方を変えることはよくあるケースです。山口も神本の生き
方に共感してそれまでとは異なる道を歩み始めていたのです。

「私の人生観を変えるきっかけになった神本さんの話が、作り話だと聞いた時は足元が崩れて行く
思いでした。怒りよりも失望感の方が強かったのです。

あの感動ストリーが神本さんご夫妻の実話だと判り、安心しました。
ありがとうございます・・」

生きた手本だと信じていた神本の偶像が作り話であってはならないのです。それでは山口の決意が
鈍りかねないのです。山口の表情には心からなる感謝の気持ちが表れていました。

「生意気なことを言っても、いまだに、誰も助けることができないばかりか、皆さんに支えられて
やっと生活できている有様ですが、いずれ、その時が来れば、神本さんのように、愛する人のため
に命を投げ出したいと思っているのです・・」

「・・・・・・」

情熱的に語る山口の横顔を千春はじっと見つめていました。以前とどこか違う雰囲気だと今日会った
時から感じていたのですが、わずかな間にこんなにも成長していたのです。男とは不思議な生き物だ
と千春はしみじみと感じて入っていたのです。


[34] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(398)  鶴岡次郎 :2015/12/07 (月) 13:10 ID:D0.r4dIg No.2783

こんなにいい人を騙してしまったと思うとたまらなくなり、千春の中にさらに強い後悔の気持ちが
沸き上がりました。

「あの時、逃げないで、山口さんと対面し、
私には家庭があるとちゃんと対応していれば、
山口さんをはじめ、皆さんにご迷惑をかけることがなかったのです・・。
本当に・・、スミマセン・・・・」

「もう・・、その話はよしましょう・・、
全て誤解が解けたのですから・・、
ところで・・、千春さん・・、
今・・、幸せですか・・・・」

「エッ・・・、ああ・・・、
主人は商社に勤めていて、長男は4歳になります。
平凡ですが、何不自由ない生活を送らせていただいております・・」

「そうですか…、
安心しました・・・
千春さんが幸せであれば、それでいいのです・・・。
私もそれを聞いて幸せです・・・・」

「ああ・・・、山口さん・・・・
私のような汚い女にそんな優しいことを言わないでください・・」

嘘を言って逃げ出した千春の酷い行為を責めないばかりか、千春が幸せな生活をしていることを
知り、心から祝福しているのです。山口の男気に千春は感動で涙ぐんでいるのです。


ここで二人の会話は止まってしまいました。これ以上話し合うことがないのです。それでいて気ま
ずい雰囲気にはなりません、黙っていても心が通じ合う、そんな楽しい沈黙の時間が静かに流れて
いるのです。

山口は下を向き、ポケットから煙草を取り出し、火をつけ、深々と吸い込んでいます。時々千春を
横目で見ながら何事か考えている様子です。


今日の千春はざっくりと胸の開いた白のTシャツに、花柄のフレアースカート、素足にローヒール
のサンダル履きです。山口から見ると大きく開いた千春の胸がお腹のあたり、白い柔肌が青く変わ
るあたりまで見えます。そこから妙なる体臭が沸き上がり、山口の敏感な嗅覚を刺激しています。

見る人が見れば明らかに欲情しているのが判るのですが、千春には判るのでしょうか・・。山口の
吐き出した薄紫色の煙が木々の中に吸い込まれています。千春は足先で蟻の進路を妨害しています、
アリ達が慌てて進路変更しています。森の中は静かです。ゆっくりと時が流れています。


「山口さん・・・」

「・・・・・・」

何かを思いつめた様子で、強い視線を男に向け、千春が口を開きました。笑みを浮かべて山口が千
春を見ています。

「あと・・一時間ちょっと、自由時間がありますね・・・」

「ハイ・・・・・・」 

「私を抱いてください・・」

「・・・・・・・・・」

一気に言葉を吐き出して、じっと山口を見つめているのです。そして、山口の当惑した視線を千春
はうす笑みを浮かべて受け止めていました。


[35] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(399)  鶴岡次郎 :2015/12/08 (火) 16:31 ID:41EOC9qo No.2784

一瞬の驚きから回復した山口が、それでもうれしい気持ちを抑えきれない様子を見せて口を開きま
した。

「千春さん・・・、
本気ですか・・・、後悔しませんか・・」

「ハイ・・・・・・・・」

笑みを浮かべて頷いています。

「男の私から言い出すべきでした・・・、
今日・・、あなたに出会ったその瞬間から、あなたが欲しかった・・・」

「・・・・・・・・」

濡れた瞳で千春が山口を見つめています。

「でも・・、神本さんと約束したのです。
あなたのことは忘れる、決してあなたの前には表れないと・・・
口が裂けてもあなたが欲しいとは言えなかった・・・」

「判っていました・・・、
山口さんが私を欲しがっているのは会った時から判っていました・・・、
何故、直ぐ手を出さないのか、じれったかった・・・・」

山口の視線から強い男の欲望を察知し、彼の股間がずっと緊張しているのを感じ取り、千春自身体
を濡らし始めていたのです。

「本当にいいのですか・・・
うれしいことですが・・、無理をしないでください・・・・」

「無理はしていません・・・、
あなたに抱かれたいのです…」

「ご主人には・・、
僕のことを何というのですか・・・・」

「さあ…、何と言おうかな・・・・、
いきなり押し倒されて、抵抗できなかったと言おうかな・・」

「そんな・・・・」

「嘘、嘘・・・、
今日話し合った内容を正直に話せば・・・、
多分・・・、許してくれると思います・・・
私達、夫婦・・・・・、愛し合っていますが・・、
少し変なんです・・・・、
多分・・、私のせいだと思います・・・・」

一瞬に疑わし気な表情を浮かべた山口ですが、それ以上質問を重ねませんでした。彼なりに千春と
夫の微妙な関係を理解したのかもしれません。

「ああ・・、なんと嬉しいことだ…、
夢なら醒めないでほしい・・・・」

「そんなに大げさに喜んでいただくほどの女ではありません・・・、
ただの、スケベな、浮気好きの子持ち主婦ですから・・、フフ…
今日だけは、一人の女としていっぱい可愛がってください・・・」

山口が手を伸ばすと千春は自分から体を預け、男の唇を受ける態勢をとっています。二人の唇が
しっかりと合わされました。激しく、優しく二人の唇が絡み合い、互いの舌が出入りしています。
湿った音が森の茂みに付い込まれています。


[36] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(400)  鶴岡次郎 :2015/12/09 (水) 15:23 ID:68fhe7bQ No.2785
30分経っても滑り台の処に来ない千春を捨てて、三郎は長男を連れて先に自宅へ戻りました。帰
り道、広場のトラックを見たのですが、山口のトラックは元の場所に停めてありました。二人は未
だ森の中に居るのだと思いながら、ある予感が三郎にはありましたが、それで不機嫌になることは
ありませんでした。

日暮れ近く千春は戻って来ました。少しやつれた様子ですが、全身から女の妖気と言うか、精気と
言うか、妖しい熱気が発散されていました。こんな様子を見せる時は、千春は決まって男に抱かれ
て来ているのです。そのことを三郎は良く知っています。

「あの若い・・、トラックの運転手に抱かれたのか…」

「・・・・・・・・」

笑みを浮かべたまま、三郎が聞いています。子供は散歩に疲れたようで、未だ昼寝から起きていま
せん。三郎が差し出したコップ一杯の水を一気に飲みほして、千春がこっくり頷いています。

「以前・・、話したことがあったでしょう…、
お店に勤めると決まった後、佐王子さんの店に遊びに行った時・・・、
私から申し出て、臨時にお客をとったことがあったと・・」

「イヤ・・・、はっきり憶えていないが・・・
まあ・・、今となってはどちらでもいいことだが・・、
あの若い男が、最初のお客だったわけだ・・・」

「ハイ・・・、そう言うことです・・・」

幸恵を交えた5Pの話は三郎には生涯秘密にするつもりなのです。これまで夫に隠し事をしたこと
はないのです、これから先も、こと男に関しては秘密を持たないと決めているのですが、あの5P
事件だけは夫に知られたくないと思っているのです。

「正式にお店に勤めるようになってからも、二、三度指名してくれました・・」

今では千春は佐王子の店に週二、三日ソープ嬢として出ているのです。勿論、三郎と佐王子が良く
話し合って、この方法でしか千春の欲望を治め切れないとの結論に行き着いた結果です。

「ここに住んでいることも、主人と子供がいることも、お店では一応秘密にしていますから、公園
で顔を合わせた時は『しまった・・』と思いました。逃げるわけには行かないので口止めするつも
りで少し話し合ったのです・・・・」

「それで・・、話し合いがこじれて、口止め料のつもりで抱かれたのか…、
そんなことをすれば、つけあがらせて、まずいことにならないか・・・
店の誰かに口止めを頼むほうが良かったのでは・・・・」

「いえ・・、口止め料のつもりではありません・・・
私・・・、どんなに間違っても、そんなことは絶対しません・・・・
脅かされたり、口止めのつもりで、この体を差し出したりしません・・、
これでも抱かれる時はそれなりに考えるのです・・・
脅かされて抱かれるくらいなら・・、命を絶ちます・・・」

かなりきっぱりと千春が言い切っています。少し驚いた表情で三郎が妻を見ています。


[37] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(401)  鶴岡次郎 :2015/12/13 (日) 16:06 ID:GKS9Rlgc No.2786

千春の剣幕に三郎は驚いているのです。彼としては軽い気持ちで言ったのですが、どうやら千春の
琴線に触れる会話だったようです。

「判った・・・、
僕が悪かった・・、悪気があったわけではないのだ、聞き流してくれ・・」

「私こそ・・、ちょっと言いすぎでした・・。
男にだらしがないのを棚に上げて、
脅かされて、体を差し出すようなことはしないと見栄を張っても・・、
誰も信用しませんよね・・・、スミマセン…」

「いや・・、いや・・、
千春の心と体の苦悩をよく理解していないから、思わず口が滑ったのだと思う…、
赦してくれ・・・これからはもっとお前の気持ちを理解するよう努めるよ・・・」

「そんな・・、三郎さん…」

三郎が先回りして頭を下げて、この場は治まりました。いつも欲情していて、夫の他に愛人までい
るのに、それでも足りなくてソープ勤めをしている千春です。口止め料として自身の体を差し出す
ことなど簡単なはずだと三郎が思ったのは確かです。しかし、どうやらそれは間違っているような
のです。千春の中にある女のプライドがそうした安易な行為を嫌っているのです。改めて複雑な女
ごころを教えられ、三郎は身を引き締めていました。

「彼・・、山口さんと言うのですが・・・、
私達三人を見て、愕然としたそうです・・」

「愕然とした・・・・?
そんなに驚くことかな・・・、
千春に男がいないとでも思っていたのかな・・・」

「そんなことはないと思います…
絵にかいたような幸せ家族の姿を見たせいだと思います・・」

「・・・・・・」

良く判らないと言う表情を三郎が浮かべています。

「三郎さんと別れた後、彼に近づき声を掛けると、
いつもと違い、やけによそよそしいのです・・。
様子がおかしいので無理矢理聞き出したのです…」

「・・・・・」
 
「彼・・、近い内に北海道へ転勤になるそうです。
今日にでも店に顔を出して、私に別れの挨拶をするつもりだったのです。
でも・・、偶然・・、私達の姿を見て・・・、
がっくりきたそうです・・・。
店に寄るのは止めて、黙って去るつもりになっていたと言いました・・」

「・・・・・・・」

話の雲行きが怪しくなってきたのを察知して三郎は口をはさみません。

「彼・・、突然告白したのです・・・・。
真剣に、私との結婚を考えていて、
今日にでも店に顔を出して申し込むつもりだったと言いました・・」

「エッ・・・、結婚・・・、
ソープ嬢でかなり年上のお前とか・・・・
イヤ・・、失礼、失礼・・、
いや・・・、そんなこともあるだろうな・・・」

本当に驚いた様子で、三郎は笑いを必死でこらえています。


[38] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(402)  鶴岡次郎 :2015/12/14 (月) 11:26 ID:dsNG1Nu. No.2787

「もう・・・、そんなに驚くことではないでしょう!・・」

三郎が必死で笑いを抑えているのを千春が察知して、不機嫌な顔を作って抗議しています。

「私だって、捨てた者でないことが判ったでしょう・・。
彼は真剣に考え、そして結論を出したのだと思います・・。
苦界から私を救い出すことが出来るのは彼だけだとも言っていました・・・」

「そうか、独身であるにしても、所帯を持っていたにしても・・、
ソープに勤めるほど困っているのなら・・・、
その泥沼からお前を救ってやりたいと彼は思ったのだね・・・」

「その通りです・・・。
でも・・、幸せそうな私たちの姿を見て、彼の出る幕はないと思ったのです」

「・・・・・・・」

三郎は黙って耳を傾けています。下手に口を挟めないと、賢明にも判断出来ているのです。

「彼・・・、
幸せか・・と聞いてくれました・・。
幸せ・・と私が答えると・・・、
彼・・、微笑んで頷いていました。

その笑顔を見てジーンときました・・。
私・・、久しぶりに男の大きな愛情を感じることができました・・」

しんみりした調子で、夫の前で決して口に出してはいけない言葉を出しています。逆説的に言えば、
それだけ、夫、三郎を愛し、信頼している証拠かも知れません。

「それで・・、可愛そうになって・・・、
抱かれることにしたのか・・・」

「同情したわけではありません、
彼が好きになったのです・・、
とても素直な、男らしい人だと気が付き、惚れたのです・・」

「なるほど…」

「それに・・、何といっても・・・・
この歳の私に惚れて、結婚を考えてくれるなんて、
うれしいでしょう・・、三郎さんだって喜んでくれるでしょう・・・」

「妻が若い男から結婚を申し込まれたのだから・・、
まあ・・、複雑だが、不愉快な気分ではないね…
それでお礼の気持ちで抱かれたのか・・・・」

「いえ・・、もっと単純に・・・、
抱かれたいと思ったのです・・・」

「要するに欲しくなったわけか・・・
それにしても、結婚を申し込まれる毎に抱かれていては・・・、
まあ・・、その話はいいか・・・
それで・・、彼、何歳だ・・・」

「多分・・、二十四か、五だと思います…」

「そんなに若いのか…、
そうだろうな・・、
ソープの娘(こ)に真剣に惚れるにはその若さが必要だろうね…」

山口の歳を聞いて浦上三郎はほとんど絶句していました。一廻り以上歳が違うのです。そして、その
頃の自分を思い出していたのです。その頃であれば、ソープ嬢に惚れて、結婚を真剣に考えることも
出来るであろうと思っていたのです。


[39] フォレストサイドハウスの住人達(その12)403  鶴岡次郎 :2015/12/28 (月) 16:07 ID:aMPhuBMo No.2789
「それにしても・・・、ホテルへ行ったにしてはお早い帰りだね・・」

「ホテルには行きませんでした・・・、
彼のトラックの中で抱かれました・・・」

「エッ・、トラックの中で抱かれたのか・・・・
公園の中に駐車していたあの車の中でだろう・・・、
凄いね・・、そんなことが出来るんだ・・・・
う・・ん・・・、トラックの中か・・・、
それは…、気が付かなかったな・・・」

妻が若い男に抱かれた事実より、情事がトラックの中で行われたことに異常に関心を寄せている三
郎です。

「その時の様子を詳しく聞きたい・・・・?
とっても面白いハプニングもあったのよ・・・・」

「ああ・・、聞きたいね…、
彼のモノは大きいのか・・・?」

「またそのこと・・、
いつもサイズを問題にするのね…、
ハイ、ハイ・・、正直にお答えします…、
感じ方は違いますが・・・、
サイズは…、
三郎さんとそんなに違わないと思いました・・・」

若さに任せた山口の圧倒的な攻めは三郎をはるかに超えるものだったのですが、そのことには触れ
ないでサイズは同じだと言っているのです。勿論三郎も微妙な千春の表現には気が付いていますが、
そのことには触れません。

余裕の笑みを浮かべて千春がゆっくり語り始めました。

「一緒にトラックに乗る姿を他人に見られたらまずいので、
私が先にトラックに乗り込むように言われました・・・」

「・・・・・・・」

しかめ面をして三郎は千春を無視するようなそぶりでお茶を飲んでいます。三郎が無関心を装う時、
異常にその話題に関心を持っていることを千春は良く知っています。多分、三郎の股間は限界まで
膨張しているはずです。

「初めてだったけれど、案外あの中は広いと思いました・・・、
運転席で下着を取り、Tシャツとスカートになりました・・」

「やる気満々だね…
畜生・・・、奴は喜んだろうな・・・・」

下着を取り去ったことなど、この際、言わなくてもいいことなのですが、夫の嫉妬心を刺激するに
は下着を自分で取ったことを告げるのが一番だと、千春は良く知っているのです。案の定、三郎の
目がギラギラ輝き、息を荒げているのです。

大型トラックの運転席の奥に、運転席とはカーテンで仕切られ、大人一人なら楽々横になるスペース
があります。簡単な寝具と身の回りの必需品が置かれていて、二、三泊なら楽にこなせるようにして
あります。外の様子を確かめながら、千春はベッドへ素早くもぐりこみました。トラックの周りには
数人の人がいるのですが、みんな忙しく働いていて誰も女がトラックに忍び込んだことに気が付いて
いない様子です。

強い男の香りが千春を襲ってきました。ここで抱かれると思うと、それだけで千春はしっとりと濡ら
し始めていました。堪らずそっとその部分に手を伸ばし、脚を開いて、指を一本、二本と入れてみま
す。指に絡みつく内筋の動きがいやらしく、邪険に一気に抜き取ります。ドーっと愛液が溢れてス
カートを濡らしているのです。

もう一度勢い良く指を深々と差し入れます。二本の指に内筋が絡みつきます。さらに深く押し込み、
指先を立てて内部を刺激します。どこを刺激すれば、どんな快感が得られるか勿論よく知っていま
す。もう・・、声を上げて千春はその行為に没頭しています。


[40] ご挨拶  鶴岡次郎 :2015/12/28 (月) 16:11 ID:aMPhuBMo No.2790
今年も押し迫りました。本年のご支援に感謝します。どなた様も良い年を迎えて下さい。
来年は7日過ぎから始動します。 ジロー


[41] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(404)  鶴岡次郎 :2016/01/07 (木) 14:46 ID:D0.r4dIg No.2791

山口が乗り込んで来ました。ベッドを覗き込みました。女は膣に入れた指を抜かずに・・、いやその
部分を見せつけるように足を開いて、潤んだ瞳で挑戦的に男を見つめています。狭いベッドに女のす
えた香りが立ち込め、男の鼻孔をくすぐっています。男は寝ている女の額に軽く唇を押し当てまし
た。次の瞬間、もう十分に仕上がっている女がうめき声を上げて、男の首に両手をかけて男の唇に噛
みついています。驚きながらもそこは若さです、すぐさま反撃に出ています。

運転席に座ったまま男が女の身体を抱いて上から圧し掛かるようにして唇を吸っています。喘ぎなが
ら女は巧みにスカートの裾を持ち上げています。そして足を蹴り上げているのです。
腰までまくれ上がったスカートはもう何も隠すことはできません。濡れた女陰が男の視線しっかりと
らえています。女は両脚を天井に向けて開いています。サーモンピンクの内部までよく見えます。て
らてらと愛液が光っています。

「ちょっ・・、ちょっと・・・、待って・・・、
ここではまずいから・・、車を移動するから・・」

女の攻勢にたじたじとなりながらも男は冷静です。

確かにいくら人目を引かないトラックの中とはいえ、周りには数人の人が働いているのです。この中
で絡み合うのはとても危険です。ようやく女も男の心配が判った様子で、男の首に巻いた両手を解き
ました。それでも両脚を開いたままで、愛液を吹き出している女陰は曝されたままです。

女陰に視線を走らせながらも、男は潔く運転席に戻りました。エンジンをかけ、トラックを発進させ
たのです。どこか少し離れた人影の少ない河原へでも行くのかと千春は思っていたのですが、直ぐに
トラックは止まりました。

物産展の責任者には、出発まで森の片隅で仮眠すると伝え、仮眠できる静かな駐車場を知らないかと
山口は尋ねて、回答を得ていたのです。少し離れたところにあるトイレの裏にちょっとした空き地が
あって、普段は誰も寄り付かないところです。そこは勿論、車両進入禁止地帯ですが、特別の計らい
で、誰も来ない静かなこの場所が山口のために与えられたのです。

「さあ・・、これから一時間・・・
千春さんと私の時間だ・・・」

「大丈夫なの・・、こんな処で・・、人が来ないかしら・・」

先ほど人通りの多い場所で男に絡みつき、女陰を曝し男に迫ったことなど忘れたかのように、しおら
しく心配しているのです。

「このトイレは広場からも、散歩道からも外れているから、普段からほとんど使用されないそうだ、
だから、どんなに大きな声を出しても大丈夫だよ・・、
それに・・、エンジンをかけてクーラーを点けておくから・・、運転手が中で仮眠していると思うは
ずだよ・・・」

「まさか・・、女を連れ込んでいるとは思わないのね・・、
フフ・・・・
でも・・、なんだかわくわくするわね…、
こんな処で、昼間から・・、・・・するんでしょう・・・
悪いことしているようで、それが刺激的・・・・」

「悪いことするんだろう・・・」

「ああ・・、それは言わないで・・・」

夫、三郎の顔が脳裏をかすめたのですが、慌てて頭を振りその思いを振り切っています。

「ゴメン・・、ゴメン・・・。
さあ・・、始めるか・・、あまり時間がないよ・・・」

運転席で山口が勢いよく衣類を脱ぎ捨て、全裸になっています。たくましい体を眩しそうに見つめ、
視線は自然と男根に向いています。それは見事に立ち上がり、体を動かす度にゆっくりと揺れて、
筋肉の盛り上がりが見える腹部をその先端が叩いているのです。

女もTシャツとスカートを脱ぎ捨て、それを運転席に投げ入れています。カーテンをいっぱいに開
いて、男がベッドに入り込んできました。そしていきなり、女の両足首を握り、いっぱいに開いて、
股間に頭をうずめています。先ほどから女陰を見せつけられ、散々に刺激を受けている男はもう我
慢の限界に来ているのです。女は勿論待ちきれない状態でした。二人はいきなり最高潮に達してい
るのです。


[42] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(405)  鶴岡次郎 :2016/01/11 (月) 11:39 ID:bAkInF2M No.2792

「ダメ・・・・ああ・・・、
そんな・・・・・、ダメ、ダメよ・・・・
ソコは汚れている・・ゥ・・、
ああ・・・、そんな・・・、うれしい・・」

朝、習慣でシャワーを浴びてはいるのです、それでも、夫、子供と一緒に公園を歩き続け、山口と
遭遇し、それなりに男から刺激を受けて女陰は仕上がっているのです。べっとりと濡れ、悪臭では
ありませんがそれなりに強い香りを発散させているのです。そこに男は口を付けようとしているの
です。女の本能が男の口を避けようとしていますが、両足首を握っている強い男の手には到底逆ら
えません。

男の唇の感触をそこに感じた瞬間、千春の全身から力が抜けました。舌が亀裂の中に分け入ると、
もう・・、千春は両脚を自ら開いて男の頭を両手で股間に押し付け始めているんです。

「もっと・・、もっと・・、
強く・・、強く・・、舐めて・・・・
ああ・・、ソコを噛んで・・、
もっと強く・・、ああ・・・・・」

トラックの外に居ても千春の嬌声は聞こえますが、勿論、こんなところへは誰も近づきません。狭い
場所ですから、二人は重なるしか手がありません。最初に昇天したのは山口でした。それでも瞬く間
に蘇り、二ランウンドに突入したのです。

「千春が本気になれば俺だって数分と持たない・・・、
そう言っては何だが・・、素人の男では・・、あっという間だよ・・・
これから先は自分の欲望をコントロールする術を覚えることだ・・・」

幸恵の部屋での5Pで三人の男をことごとく失神させたことを佐王子に告げた時、彼は笑いながら
千春に忠告したのです。一度目あっさり山口が昇天した時、佐王子の忠告を千春は思い出したので
す。抑えきれない快感をなだめ、千春は手加減して山口を攻めました。その効果もあって、山口は
かなりの時間堪えることができました。それでも、悲鳴を上げて何度も千春はのけぞりました。狭
い場所で悶えるのですから、あちこちに体をぶつけています。男と女は上になり、下になり、うめ
き声を上げながら、愛液のしぶきをまき散らしながら悶え狂いました。


間断なく訪れる快感に溺れて女は日常的な感覚をすべて忘れたかのように情事に没頭しています。
ここが公園の中に駐車したトラック内であることも、今の時刻いつもであれば家事を忙しくこなし
ている時間であることも、子持ちの人妻であることも、すべて忘れ、ただ目の前にいる男の体にの
めり込んでいるように見えます。これでも千春は自制して男に接しているはずなのです。底知れぬ
千春の力です。


あたりを憚らない大きな嬌声を上げながら、男に背を向けて跨り、股間を突き上げられながら、千
春は全身をくねらせて悶えています。運転席と仮眠ベッドの間には厚いカーテンがあるのですが、
邪魔になるので最初から左右に絞られ、外から見ると運転席の窓を通して、千春の悶える全身を見
ることが出来ます。

それでも、トラックは便所の側にぎりぎりにくっついて横づけで駐車されているので、誰も好き好
んでこのトラックに近づかないはずです。少なくとも・・、千春と山口はそう信じているのです。

ところが・・、トイレの小さな明り取りの窓が運転席の窓の側に偶然来ていたのです。そして悪い
ことに、山口の運転技術が高いせいでぎりぎりまでトラックを建物に寄せているので、トイレの小
窓と運転席の窓とはほとんどくっつくほど近いのです。

「あッ・・・・・」

完全勃起した男根で突きあげられ、もう少しで千春は頂点に上り詰める状態でした。その時・・・、
千春は信じられないものを見てしまったのです。思わず口を片手で押さえ、声を抑えています。その
姿勢のまま千春の動きが完全に凍り付きました。


[43] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(406)  鶴岡次郎 :2016/01/13 (水) 16:23 ID:GKS9Rlgc No.2793
締まっているはずの便所の窓が開け放たれ、そこに女性の顔が見えるのです。その女性の視線と男
の上に乗り、股間に男性器を撃ち込まれ悶えている千春の視線が絡み合ったのです。その距離2
メートルと離れていません。はっきりとお互いの表情が読み取れる距離です。

仮眠ベッドは運転席より少し高い位置にありますから、窓の女から見ると、山口と千春は舞台の上
で絡みあっているのと同じで、その全景が女には良く見えるはずです。いっぱいに両脚を開き、太
い男根を受け入れ、悶えている裸の千春の全部が見えているはずです。そんな千春と視線を絡め合
わせていながら、窓の女は至極落ち着いているのです。昼間の公園では決して起こり得ない景色を
目の当たりにしながら、その表情は穏やかで、笑みさえ浮かべているのです。どうやら窓の女は並
の人ではないようです。千春より年上ですが、かなりの美人です。上品な表情から良家の主婦以外
には見えません。それにしてもこれほどの光景を目にしながら、この落ち着きは尋常ではありません。


その日、窓の女は南口から公園に入って、いつもの習慣で人通りの少ない西側の細い道を選び、公園
内を横切って公園の北口にある友人の店に行く途中だったのです、途中でもよおして来て、人影の薄
いこの便所に立ち寄ったのです。トラックが停まっているのには気が付いていましたが、気にもしな
いで個室に入ったのです。

用足しが終わった時、明らかに悶える女の声、それもかなり高い声が聞こえたのです。思い切って窓
を開けることにしました。

窓をゆっくり開けると、探すまでもなく、目の前で全裸の女と男が絡まり合っているのがはっきり見
えました。二人ともかなり若い人たちです。女の下になっている男の頭はトイレとは反対側にあり、
その表情まで確認できませんが、女は男に背を向けて騎乗位で男の腰のあたりに跨っているのです。
二人の接点もはっきり見えるのです。騎乗位の女は両脚を大きく開いているので、太い男根を咥え込
み、淫液に濡れ歪んだ女陰と、その中に咥えこまれているかなりの一物がゆっくりと上下しているの
さえはっきり見えるのです。

女は何やら叫びながら、自分で乳房を握り、首を振り、腰を上下に動かしているのです。運転席の窓
が締まっているのでそれほど大きくは聞こえませんが、それでも窓の女の耳に十分届いているのです。

窓の女は息をのみじっと見つめていました。目が慣れると男と女の接点もよく見えます。かなり大き
な男根が女陰に出入りしていて、白い泡で濡れているのまでよく見えるのです。

窓の女はそっと右手を股間に伸ばしました。途中で立ち上がったのでショーツは足首の位置に下ろし
たままです。既に十分濡れ始めている亀裂に指をうずめてゆっくりと擦ります、痺れるような快感が
いっぱいに広がり思わず声を出しています。その声が聞こえたかのように、男の上に居た千春が窓の
外へ視線を移しました。信じられない光景・・、窓の女を見つけ、驚愕の表情を浮かべています。

一瞬、驚き慌てた千春ですが、窓の女の落ち着きを見て、覚悟を固めたようで、止めていた腰を再び
動かし始めました。それでも、視線は窓の女に向けたままです。千春の下にいる男は窓の女の存在に
全く気が付いていない様子です。

山口が強く突き上げました。不意を突かれた千春は悲鳴を上げてのけぞっています。窓の女が口に手
を当てて笑っています、千春も連られて笑っています。そして次の瞬間、千春は積極的に体を上下に
動かし始めたのです。声も高く上げています。まるで・・、窓の女に見せつけるように情事に没頭し
始めたのです。おそらく女の耳に、千春の悲鳴、ぶつかり合う肌の音、性器のきしみ合う音までが届
いていると思います。そして、白い泡を吹いて男根を飲み込んでいる部分が良く見えるはずです。

千春は一気に頂点に駆け上がりました。首をのけぞらせ悲鳴を上げて背から男の上に倒れ込んでいま
す。千春は両脚を上に突き上げ大きく開いています。衰えを見せていない男根がばね仕掛けのように
千春の亀裂から抜け出て、ぶるぶると震えています。窓の女から濡れた男根とサーモンピンクの内壁
を見せている女陰が良く見えます。窓の女も声を上げ、目を閉じ指を深々と亀裂に押し込んでいま
す。軽く逝ったようです。女の大腿に流れ出た愛液が光っています。


[44] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(407)  鶴岡次郎 :2016/01/15 (金) 11:47 ID:X5szSSzs No.2794
三人がそれぞれに逝った後、静寂の時間が訪れました。勿論山口はまさか自分たちの情事が覗かれ
ているとは夢にも思っていません。長々と体を投げ出し、未だ緊張感の残っている男根を誇らしげ
に曝しているのです。白い愛液にまみれた男根が窓の女からよく見えます。男の上に背中から倒れ
込んだ千春は股を開いたままです。窓の女に向けた千春の股間から白い液が流れ出しています。ど
うやら中に出すことを千春は許しているようです。窓の女は窓枠に片手を置き右手は股間に挿入し
たまま、肩で大きく呼吸しながら、重なり合った二人をじっと見つめているのです。

千春がゆっくりと起き上りました。窓の女がまだそこにいるのを確かめて、足先からゆっくりと運
転席に滑り降り、千春は手を伸ばし、ボタンを押し運転席の窓を開けました。千春と窓の女は互い
ににっこり微笑みを交わしました。二人の距離は低い声で普通の会話のできるところまで近づいて
います。

窓の女が尋常な人物でなく、自分と同じか、それ以上に好色な女であると千春は本能的に察知して
いました。勿論、千春の情事を間近で見ている窓の女は千春の奔放な性を十分に察知しているので
す。互いに相手を「出来る女」と察知していることになります。

「大丈夫・・・?」

「エッ・・・」

「無理やり引きずり込まれ、犯されているのではと心配した・・・、
警察に届けようか・・・?」

「大丈夫です・・、
警察などに届けないでください・・・、そんなことをされては困ります。
私がこうなることを望んだことだから・・・・」

千春が慌てて否定しています。警察などに通報されてはたまらないのです。千春の慌てた様子を見て
窓の女が笑っています。

「冗談よ・・・、冗談・・・、
警察に言ったりしません・・・、
あなたがその気になっているのは最初から判っている・・。
ところで…、浮気でしょう…」

「判ります・・・?」

「勿論・・、旦那となら、こんなところでしないでしょう・・
それに・・・、あんなに燃えない・・・・」

「そう言えば、そうね…、フフ・・・・」

窓の女から見ると、運転席を少し見下ろすようになり、千春の全身が・・、濡れた股間まで見える
のです。そして、千春の視線で見ても、個室の全景が視界に収まり、窓の女が下半身裸で股間に指
を伸ばし、亀裂に指を入れたままなのが良く見えるのです。さらによく見るとブラウスのボタンが
全部外され、白いブラが上に押し上げられ、小ぶりの乳房が見えるのです。どうやら窓の女は乳房
と股間を同時に愛撫していたようなのです。そして、何故か自慰をしているのを千春に隠すつもり
はない様子です、むしろ見せつけるつもりと思われるのです・・・。

「私を見て感じて下さったようですね・・・・」

千春は窓の女の下半身に視線を止めて、はっきり見える陰毛を見ながらにっこり微笑んでいます。
窓の女も淫蕩な笑みを浮かべて頷いています。

「そうよ・・・、何から何まで・・、全部・・・、見せていただいたのよ・・・、
あなたのアソコ・・・、膨らんで、お汁をいっぱい出していた・・・
太い大きなモノが出入りしているのまでしっかり見せていただいた。
凄い景色だった・・・、私・・・、すっかりその気にさせられて・・・、
堪らなくなって・・・、この通り弄繰り回していた・・・、ほら・・・・」

窓の女は股間に添えていた右手を持ち上げ、千春の鼻先にかざしました。白い指がそれと分かるほ
ど濡れて光っていました。

千春はしばらくその指を見つめていましたが、黙って顔を寄せその香りを確かめ、唇を寄せ、いき
なり二本の指を口に入れました。窓の女は少し驚いた様子ですが、嫌がりもせず、じっと指を千春
の口に預けたままです。

「美味しい・・・、いい香り・・・」

二本の指を解放し、千春がにっこり微笑んでいます。窓の女も微笑みを返しています。この行為で
二人の女は互いの好色な性を十分に確認できたようです。互いの警戒心が完全に消え、二人は奇妙
な同族意識、さらに言えば、親近感さえ抱き始めているのです。


[45] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(408)  鶴岡次郎 :2016/01/16 (土) 11:50 ID:UlkFm./E No.2795
「あら・・、彼が・・・」

「エッ・・」

最初は千春の独り言かと思ったのですが、首を持ち上げ、声のする方向を見て、山口は驚きました。
あろうことかトイレにいる人物と千春が会話しているのです。山口は反射的に起き上がりました。
千春の肩越しに女の表情を見たのです。

窓の女が山口に気が付いて、笑みを浮かべて山口に会釈しているのです。千春も振り向き、山口が
ベッドに座って厳しい表情でこちらを見ているのに気が付いて、笑みを返しています。二人の女の表
情を見て、山口の表情が柔らかくなっています。

「若くて・・、イケメンね…、
アレもよく見える・・、太くて、長くて・・・、
あら・・・、もう元気になっている・・・。
また襲われるよ・・・・

あなた・・・、大丈夫・・、壊れない・・・、
なんなら、交代してあげようか・・、ふふ・・。
余計な心配する必要はなさそうね・・・、
あなたは十分スケベーそうだから・・、彼に十分対抗できそうね…、
うらやましい・・・・・・・」

「・・・・・・」

窓の女が千春にだけ聞こえるようにささやいています。千春が淫蕩な笑みを浮かべて軽く頷いてい
ます。

「彼・・、若いのに相当テクニシャンね…、
それにあなたも・・、
こんなこと言うべきでないかもしれないけれど・・・、
あなた・・・、旦那以外に相当経験を積んでいるでしょう・・・
それに・・・、本物のスケベーだと思う・・・・
毎日誰かに抱いてほしい口でしょう・・・」

「エッ・・、そんな・・・
どうして判るのです……、恥ずかしい・・・・」

「判るよ・・・、私がそうだから・・・
こういうことって、女同志だと判るでしょう・・・・」

「はい・・・」

女二人、にっこり微笑みあっています。淫蕩な血を二人の女は認め合って、微笑んでいるのです。

「それと・・、わたしに見られていると判った後、
わざと見せつけるようにしていたでしょう・・・
スケベーなんだから・・・・」

「だって・・・、
いまさら慌てても仕方ないし、
あなたの顔を見て、この方なら安全だと思ったし・・・、
それなら・・、楽しもうと思って・・・」

「見られていると思うと・・、よけい興奮したのでしょう・・・」

「うん・・・、とっても・・・」

「そこが普通と違うところなんだよ・・・
複数の男と絡み合ったこともあるのでしょう・・・」

「はい・・・」

二人女の淫らな話はいつ終わるかわからないほど弾んでいます。


[46] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(409)  鶴岡次郎 :2016/01/18 (月) 15:07 ID:DNjUdB0I No.2796

二人の女が話しこむ様子を観察している山口は少し安どしていました。窓の女に情事を見られたの
は間違いないのです。真昼間、いくら人通りの少ない場所とはいえ、公共の場である公園内に違法
駐車したトラックの中で絡み合っているのです。普通の主婦であれば騒ぎ立て、その場から逃げ出
し、警察に通報する可能性さえあるのです。そんなことになれば良くて厳重注意、最悪の場合は逮
捕されることだってあり得るのです。

もしそんなことになれば、独り身の自分はいいとしても、家庭を持つ千春を事件に巻き込むことに
なるのです。まじめに生活している山口だからこそ、そのことが心配だったのです。

彼女の様子を見る限りその心配は遠のきました。逃げようと思えばいつでも逃げ出すことが出来るの
ですが、窓の女はこの場に居座り、しっかり二人の痴態を見届けた後も、あろうことか痴態を繰り広
げた千春本人と話し込んでいるのです。

窓の女の立場に立てば、破廉恥にも真昼間トラックの中で絡み合っている千春と山口は得体の知れな
い男と女です。普通の常識で考えればまともな人間とはとても思えないのです。そうであれば、二人
のセックスを興味半分でこっそり見るまでは出来ても、破廉恥な行為を最後まで見届けて、情事直
後、未だ淫臭がほのかに漂っている裸の千春と親しく話し込むことなどとても普通の女に出来ませ
ん。

〈上品な女だが・・、案外さばけている・・・・
面白い女だ・・・、
この女の前なら何でも許されそうだ・・・
そうであれば、何も遠慮することはない・・・・・〉

警察に訴えられる心配は消えたものの、別の心配が・・、と言うよりは窓の女への興味が山口にも湧
いてきているのです。山口はゆっくりと運転席へ下り、千春の後ろに迫りました。何事か企んでいる
様子です。

千春は窓枠に手をかけて、顔こそ窓の外へは出していませんがほとんど乗り出すようにして窓の女と
話し込んでいるのです。白いお尻が山口に目の前に差し出されています。

「アッ・・、ダメ…
ここではダメ・・・・・」

いきなり後ろから男根が千春の臀部に接触しました。そんなに近くまで山口が迫っていたのです。そ
のことに千春は気づいていなかったのです。窓の女は、もちろん、男根が迫っているのを知っていま
した。ぶらぶら揺れながら、千春の尻を目がけて迫る大物の景色を楽しんでいたのです。大物が千春
の亀裂に挿入される瞬間を見届けようと、窓の女は千春には悟れないよう、たわいない話を続けなが
ら、全身を熱くしてその時を待っているのです。

臀部で男根の気配を感じ取り、千春は山口の意図をはっきり悟りました。このままの姿勢で後ろから
貫かれる・・・。窓の女の前で挿入される・・、そう思うと、気を許しているとはいえ、目の前にい
る窓の女のことが本能的に気になり、本気で拒否しているのです。

一方、山口はもう・・、窓の女を気にしていません、むしろ挑戦するように窓の女を見つめながら、
千春の尻に両手をかけて、腰を突き入れようとしているのです。窓の女は笑みを浮かべ、余裕で山口
と千春を見ています。

「恥ずかしがることないよ・・、
こんなことはめったにないよ・・・・、
女だって・・、時にはやりたいようにやるのよ・・・」

窓の女が自分自身にも言い聞かせるように千春に言っています。

「ほら・・・、お尻を上げて・・、
思い切り脚を開いて、チ○ポを迎え入れなさい!・・・」

窓の女が猥雑な言葉で千春を励ましています。上気した表情で千春が頷いています。もう・・・、普
段ならとても受け入れられない猥雑な言葉もすんなりと千春に届いています。千春は全身の力を抜
き、尻を上げ迎撃態勢を整えています。


[47] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(410)  鶴岡次郎 :2016/01/21 (木) 14:25 ID:.hOKaEHY No.2797

「ああ・・・、そんなこと言わないで・・・
とっても恥ずかしい・・」

その気になったものの目と鼻の先に名前さえ知らない他人がいて、その人の顔を見ながら男根を受け
入れるのです。思い切り楽しむのだと自分に言い聞かせても体が今の情勢を受け入れようとしないの
です。お尻を振って、嫌々のそぶりを見せているのです。無理強いする必要はないと悟っているので
しょう、攻めの姿勢を保ったまま、山口は腰を止めています。男根は女陰の入り口手前で止められて
います。

「何をためらっているの・・?
入れてもらったら…」

「だって・・・」

「私が気になるのなら・・・、
消えてもいいよ・・・」

「ううん・・・、
あなたにはそこにいてほしい…」

「困ったわね・・・・」

苦笑いをしながら窓の女は千春の後ろに立っている山口を見て、顎を二度、三度前後に振りました。

〈・・この女は抵抗しているけれど、本気で嫌っていない…、
かまわないから、一気に突き入れなさい・・・〉

窓の女は山口にそう・・、意思表示しているのです。勿論山口も窓の女が示す合図の意味を理解して
いました。二、三度うなずきにっこり笑いました。

千春の尻にかけた男の両手に力がこもり、男が強く腰を前に押し出しました。千春がのけぞり、悲鳴
を上げています。

「ああ・・・ン・・・、
ダメ・・・・・・・ェ・・・、
入った・・・、入った・・・・
チ○ポ・・・、入った・・・・・・
ああ・・ん、もっと・・、もっと・・・・、奥へ入れて・・・・」

顔をしかめて甘えた声で絶叫しています。もう・・、憚る物は何もない様子の千春です。窓の女もう
れしそうです。笑みを浮かべて千春を見ています。

窓に両手をかけて尻を高々と持ち上げているのです。千春の腰に両手をかけて山口が腰をゆっくり動
かしています。音を立てて男根が出入りしています。その湿った音は窓の女の耳にも届いたと思いま
す。

「ああ・・・ン・・・・、
見て・、見て・・・・、
チ○ポ入っている・・・ぅ・・」

「・・・・・・」
 
窓の女が左手を伸ばし、千春の頬をやさしく撫ぜています。上気したうれしそうな表情で窓の女の手
に頬を寄せています。両脚を開き、頭を下げ臀部を高く差し上げ、山口を迎えているのです。男の腰
が激しく打ち付けられています。その反動で千春の上半身が窓から外へ押し出されています。

運転席の窓とトイレの窓はほとんどくっつくほどですから、千春が顔を窓から出すとトイレの中に顔
を入れるようになるのです。もう上半身がトイレの中に入り込んでいるのです。千春の喘ぎ声がトイ
レの中に響いています。窓の女がやさしく千春の頬に唇を付けました。

千春はちゅうちょしないで女の唇に吸い付きました。女も大胆に千春の唇を吸い始めました。二人の
女の様子を見ている山口も一気に駆け上がっています。窓の女に唇を吸われ、後ろから男根を打ちこ
まれ、悲鳴とも、呻きとも判別のつかない声を上げて千春は悶えています。

やがて時が来て、千春は女に唇を預けたまま深々と逝きました。今日何度目かの射精を山口は果たし
ました。窓の女は冷静に千春の体を支えています。

突然、携帯のベルが鳴りました。山口の出発時間が来たことを教えているのです。

千春が女の腕の中で正気を取り戻し、恥ずかしそうに身を引いて運転席へ体を戻しました。のろのろ
と山口も体を動かし、手にタオルを持ち男根の始末をしています。

「さようなら・・、
とってもいいものを見せてもらった・・・
ありがとう・・・
それと・・・、帰りの運転は気を付けてね・・・・」

窓の女が二人に向かって微笑み、二人の返礼の笑みを受けながら窓をゆっくりと締めました。トイレ
の中で女は紙で股間を始末して、何事もなかったような表情でその場を離れました。


[48] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(411)  鶴岡次郎 :2016/01/25 (月) 15:45 ID:XYqUAp4o No.2798
山口との激しい性交を終え、体のほとぼりも、体のいたるところから発散される性臭もはっきり
残っている状態で千春は帰宅してきたのです。夫、三郎は当然妻の異常に気が付いています。夫の
質問に答える形でかなり詳しく山口との交わりを千春は報告しました。千春の浮気報告を三郎が楽
しんでいることを千春はよく承知しているのです。

夫に一通り報告して千春はテーブルのコップを取り上げ、その中の水を一気に飲み干しました。白
い喉がそこだけ別の生き物のように動いています。彼女の前に座っている三郎はかなり興奮してい
ます。

「その女の人に見られているのに二人とも気が付かなかったんだ…、
それほど夢中だったんだね…」

「はい・・、申し訳ありません・・・、
彼も私も・・、
しばらくぶりのセックスで、ものすごく興奮していました・・・」

「しばらくぶりと言ったって・・、
千春と僕は二日前にはやっただろう・・・、
そうは言っても千春が飢えているのは、いつものことだから驚かないが・・・
千春を相手にして一時間以上彼は良く頑張ったね・・、それが驚きだよ・・・・」

「・・・・・」

千春が三郎を睨んでいます。三郎の言葉は本音です、千春の性欲は尋常でなく、最近では佐王子と
三郎が必死で頑張っても千春の性欲は底が見えない状態なのです。彼女の相手をしていると、千春
が彼女自身の性欲をかなりセーブしながら絡んでいることは判るのですが、それでも、彼女と絡ま
り合って一時間対等に相手するのは三郎には難しいのです。もし、千春が本気になれば、数分で天
国に送られるだろうと三郎はいつも恐れているのです。それで、一時間以上山口が千春の相手をし
たと報告を受け、単純に山口を礼賛する気持ちになっているのです。

「いや・・、いや・・、これは失礼なこと言った・・、
ことセックスに関しては、千春は懐が深いから、どんな時でも、どんな処でも、
十分にセックスを楽しめる才能があるといいたかったのだよ・・・
そして、千春と対等に戦った山口さんに敬意を抱いているのだよ・・・」

「まるで、色情狂のような言われ方ですね…」

「ああ・・、そんな意味ではないのだが・・」

「いいの・・・、そう言われても仕方がないと思っています」

にっこり微笑んでいる千春です。妻の笑みを見て三郎がホッとしています。


[49] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(412)  鶴岡次郎 :2016/01/29 (金) 15:36 ID:TaaEzdDI No.2799

「ところで・・・、
彼には特定の女性はいないのか・・・」

「ハイ・・、多分・・・」

「二十代の男性がそれでは溜まるよね・・」

「はい・・・、多分・・・」

千春があいまいに答えています。

「プロの女性にお世話になることも可能なはずだが・・・」

「・・・・・・」

千春に意見を求めている訳でもないようですから、だんまりを決め込んでいます。

「彼・・、仕事が忙しいのと・・、
その・・・、
こんなことは三郎さんには言い難いのですが・・」

「・・・・・・」

千春が思い切った様子を見せて口を開きましたが、そこで言葉を飲んでいます、何か迷いがありそ
うです。三郎が何事かと姿勢を正しています。

「こんなことを言うと誤解されるかもしれませんが・・・」

「聞いてみないと判らないよ、
そこまで言って、黙っているのは罪だよ・・・、ハハ・・・」

三郎が陽気に笑っています。その笑いにつられて千春が口を開きました。

「私を知って以来、私以外の女性は抱けなくなったと・・・、
彼が言うのです・・・・。
その通りだとすると・・・、
彼・・、しばらく女性と接していないはずです・・・」

「そうか・・・、そういう背景があったのか…」

そこで言葉を飲み込み三郎が、宙に視線を泳がせています。心配そうに千春が三郎を見つめていま
す。

「私・・・、変なことを言いましたか・・、
気を悪くさせたようだったら、許してください・・、
何でも、正直に言っていいと三郎さんから言われていたから、
つい、その言葉に甘えて・・、スミマセン…」

「ああ・・、そんなに気にすることではないよ・・・、
本気で千春に惚れているその山口と言う男の・・・、
その若さがちょっとうらやましくなったんだ…、
僕も、頑張らなくてはいけないと思っている・・・」

「三郎さんは今のままがいいのです・・、
今の三郎さんが私は一番好きです・・・」

「ありがとう・・・、
彼にとって、千春は女神なのだね・・・、
公園の中だろうが、他人に覗かれようが、
偶然掴んだチャンスは逃すわけにはいかなかったのだね・・」

「ハイ・・、多分そうだと思います・・」

「激しい戦いだったろうね・・・
男は若いし、千春が相手であれば、それこそ世紀の戦いだったろうね、
出来ることなら、私も覗き見したかったよ・・・、ハハ・・・・」

「そんな・・、世紀の戦いなんて・・、
そんな大げさなものではありませんが、
それでも、過去に覚えがないほど激しい交わりでした・・・・。
終わった後、二人ともトラックの中でぐったりしていました・・」

おそらく男も女も全裸で、愛液で濡れた局部を曝して、肩で息をしながら、体を投げ出していたはず
です。その光景を頭に描いて、三郎はまた全身を熱くしています。


[50] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(413)  鶴岡次郎 :2016/01/30 (土) 16:17 ID:1e1Myf9. No.2800
「彼の出発予定時間を知らせるベルが鳴って、窓の女性と別れました。私は勿論ですが、彼も疲れ果
てていました。とても車の運転が出来る状態ではありませんでした。それで少し休むことにしまし
た。出発までの猶予はぎりぎり引き延ばして、30分間ほどでした・・」

「事故でも起こしたら大変だからね、休みをとったのは正解だよ」

「ハイ・・、わたしもそう思います。
目覚ましをセットして、二人とも死んだようにその場に横になりました。

出発予定時間が来て、ベルで起こされると、さすがに若い彼は元気で・・、
さっと起き上がると、そそくさと服装を整えて、
元気に手を振って、フェリーの港へ向かいました・・・。

私は・・・、まだ、全身が弛緩していて、車から降りるのがやっとでした・・。
彼のトラックが去った後も、しばらく公園のベンチで休んでいました・・・」

「千春がそんなになるのは珍しいことだね、
何度逝かされたの・・・?」

「一時間余りの間に、何度逝ったか数え切れないほどでした・・・。
彼も三度か、四度逝ったと思う・・・・。
あっという間に時間が過ぎていた・・・」

好色な笑み浮かべて、うっとりした表情で千春は夫に答えています。

「偶然とはいえ、トイレにいた人はとんでもないものを見てしまったのだね・・、
それにしても・・、良い人で良かったよ・・、
もし・・、悪い人だったら、ただでは済まなかったはずだよ・・
そして、その方は度胸の据わった人だね…、只者ではないね…」

「そうね…、
その時はそうは思わなかったけれど、今考えると・・・、
不思議な女性だった・・・」

窓の女のことを千春は思い出している様子です。千春より年上で、両家の奥様然とした女性だけれ
ど、どこか普通とは違う雰囲気を最初から感じ取っていたのです。会話を交わして確信したのは、
彼女もまた千春と同じようにスケベーで、毎日でも男が欲しいタイプの女性だと言うことでした。
勿論、そのことは女同士の秘密情報ですから三郎には伝えません。

「私達の淫らな姿を見てもそれほど驚いていなかった…、
男と女の乱れる姿を、普段から、何度も見ているのかもしれない…」

「水商売の人かな・・・」

「そうではないと思う…、
良い処の奥様然としていた。
それでいて、人を引き付ける不思議な魅力があって、
死ぬほど恥ずかしい姿を見られているはずだけれど、
あの人は平然としていて、私達の姿を心から楽しんでいる様子だった・・」

「それで千春は声を掛けるつもりになったのだね…」

「普通なら、その場でカーテンを引いて隠れ、服装を整えて、
さっさとその場から逃げ出すべきだったと思うけれど・・、
私は見られているのを知りながら、わざと見せつけたりしていた・・、
その上・・、裸のまま・・、
何となく彼女の傍へ行き、気が付いたら窓を開けていた…」

「彼女も下半身裸だったのだろう・・・」

「ええ・・、
今考えるとショーツを引き上げ、胸を隠す時間は十分あったのよ、
でも、彼女はそうしなかった・・、
そうすることで私の羞恥心をやわらげるつもりだったのだと思う・・

心配しなくてもいいよ、私も恥ずかしい格好をしているから・・と、
私を安心させるため、ほとんど裸のままでいてくれたのだと思う…」

「そうかな・・、ソコまで考えるかな・・」

「きっとそうだと思う…、
そして、自分のアソコに指を入れて一緒に楽しんでくれて・・、
最後まで付き合ってくれた・・。

私は・・、勿論、山口さんも・・、
セックスを覗かれていたにもかかわらず、嫌な思いをしなくて済んだ、
それどころか、彼女が側に居てくれたおかげで、死ぬほどいい気持になれた・・・。

今日、公園で起きたことは一生忘れないと思う。
そうなのよ、一生忘れない良い思い出を彼女は与えてくれたのよ・・・」

「なるほど・・・、
単なる覗きで終わらせなかったのだ…、
若い恋人同士の昼下がりの情事に彼女は花を添えてくれたわけだ・・」

三郎がしたり顔で一人頷いています。千春も笑みを浮かべて頷いています。千春にとっても、山口に
とっても、そして三郎にとってさえ、トラックの中での若い二人の情事は心温まるいい思い出に
なったようです。


[51] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(414)  鶴岡次郎 :2016/02/01 (月) 11:46 ID:NTCPMEw2 No.2802

「花を添えるとは・・、さすが三郎さん・・、
うまいこと言うわね…、

そう・・、あの方は私の指輪を見て人妻だと判っていたはず、
そして相手の男が夫でないと最初から気が付いていた・・・、

私のいけない行為を見て、軽蔑するわけでもなく、
勿論、嫌がらせをすることもなく、じっと見つめていてくれたのよ・・・」

「ほう・・・、浮気だと最初から知っていたのか…」

「そうなの・・・、女の浮気には女はことさら厳しいからね、
軽蔑されて当然なのよ、それがあの方は優しく見つめてくれた・・」、

「確かに浮気のつけは、男の場合より、
女性がその罪を犯した場合の方が世間の風当たりが強いね・・・、
女性たち自身でさえ、男の罪より、女の罪を強く追及する傾向があるね・・」

「『女だって、やりたい時は、自由にやるべきだよ・・・』と・・、
あの方は私をやさしく諭してくれた・・・」

「その方は・・、
日頃から女性の置かれた不公平な立場に不満を持っているのかもしれないね・・・、
そうは言っても、千春は自由に楽しんでいるけれどね…」

「三郎さんのおかげです…、感謝しています・・」

「いや、いや・・・、知っての通り・・、
僕の場合は高遠な思想があって、千春を自由に泳がせている訳でない、
僕一人では千春を満足させられないから、千春を愛しているから、
この道を選んでいるわけだ・・・。
何時も、焦げ付く思いで千春の浮気話を聞いている・・」

「スミマセン…」

「いや、いや、千春が謝ることではない…、
僕が好きでやっていることだから・・、
最近、やっと、千春の浮気話を心から楽しめるように成った・・」

「本当にそうだと嬉しいのですが・・・、
もし・・、すこしでも嫌な思いをするようだったら・・
そう言ってください・・、私・・、覚悟を決めますから…」

少し改まった表情で千春が話しています。三郎が笑って手を振り、千春の懸念を否定しています。

「興奮していたとはいえ・・・・、
私・・、あの人にキッスをしてしまった・・・。
女の人にあんなに夢中でキスをするのは初めてだった・・・。
あの方もそれに激しく応えてくれた・・・。
恥ずかしかったけれど、気持ちよかった・・・・」

「女同士で激しいキッスか・・・
うん・・、猟奇的なシツエイションだね・・・、
近くに住んでいる人なら、また会えるかもしれないね…、
街で偶然会ったなら、どうするの・・」

「私・・、声を掛けて・・・、
これからはお友達になってくださいと言う…、
三郎だって、会えば虜になるよ、きっと・・・
絶対・・、仲良くなりたい方だよ・・」

「ほう・・、相当惚れこんだもんだね・・」

窓の女に浮気の現場を見られたにもかかわらず、あろうことか、その女と千春はすっかり打ち解け
あって話し込み、心を通い合わせ始めているのです。女同士そんな付き合い方もあるものだと・・、
心温まる思いで三郎はその話を聞いていました。


[52] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(  鶴岡次郎 :2016/02/03 (水) 12:43 ID:R7WpyLXg No.2803
+
謎の女性に浮気を覗き見られたこと以外に、千春の話の中で三郎の気になる話題がもう一つあるよ
うです。

「・・・で・・・、
欲しいと言われて、切り取らせたのか…?」

「ハイ・・・
今日の記念にしたいと言っていました・・・・
それに・・・、アソコの毛は安全運転のお守りにもなるんですって・・・・・
毛がない・・が転じて、ケガしないっていうことかしら・・、フフ・・・・」

「見せろ・・」

「ここでですか・・、
でも・・、そのまま帰ってきたから・・汚れていて・・」

「そんなに汚れているのか・・・・
中に出させたのか・・・」

「ハイ・・、ピルを飲んでいますし・・、
お店に出る前とその後はいつもの医院で洗浄してもらっていますから・・・
中に出すのが、お店でも習慣になっていますから・・・
つい・・、そのまま・・、いけませんでしたか・・・・」

悪戯っぽい笑みを浮かべてからかうように千春が三郎に訊ねています。実のところは店では絶対中
出しはさせないのです。そう言えば三郎が慌てると思っているのです。案の定、不愉快そうな、そ
れでいて興奮した複雑な表情を浮かべています。

「いいから見せろ・・・」

「酷く汚れていますよ・・・、
それでも良いですか・・」

「いいから・・」

「ハイ・・・、では・・・、どうぞ・・・」

他の男に汚された直後の局部を見るのを三郎が嫌っていないのを千春はいつ頃からか知るように
なっているのです。この日も、話の展開しだいで、最後には三郎にソコを見せることになると判って
いたのですが、わざとシャワーを使わないで汚れたままにしておいたのです。

ソファーに座ったまま、両脚をゆっくり開いています。スカートの下には何もつけていません。少し
乾いた愛液が股間にこびりついています。勿論、強烈な香りがあたりに発散されています。

商品ですから、日頃から綺麗に剃毛され、亀裂はつるつるの地肌を曝し、内部のひらひらや、時には
ピンクの内壁が亀裂の隙間から顔を出しているのさえ見ることが出来るのです。そして、アクセント
をつけるため、割れ目の上部に茂みがわずか残すように管理されています。この管理は三郎の大切な
仕事で、わずかな変化にも三郎は気が付きます。

今見ると、わずかに残された茂みが明らかに短くカットされているのです。どうやら、ハサミかカミ
ソリでその部分を刈り取ったようです。千春の説明通りだとすると、今日の記念にと山口が下の毛を
欲しがった結果なのです。

無残に刈り取られた跡を苦々しい表情で睨み付けています。その三郎の表情を、笑みを浮かべて千春
は見つめているのです。大きく両脚を開き、指で亀裂を開いているのです。亀裂から何やら白濁液が
流れ出しているのさえ見えます。

「ショーツはどうした・・、彼に与えたのか・・・?」

「ハイ・・、彼が欲しいと言うので・・」

「毛も、ショーツも取られてしまったのか・・・
これではまるで空き巣狙いか、泥棒だね・・・、
いや・・、それ以下だな・・」

憎らし気な口調でそう呟いています。

「いけなかったですか・・・、スミマセン…、
これからは、もう・・、こんなことしませんから・・、
許してください…」

ここは謝っておいた方が良いと千春は判断したようで、笑みを抑えて神妙に謝っています。

「まあ・・、太くてかたい棒を中へ突き入れられて、
散々に蹂躙され、おまけに男の汁まで注ぎ込まれているのだから・・・、
ショーツや、周りの毛がとられた程度で騒ぎ立てても始まらないがね…」

「スミマセン…」

両脚をいっぱい開いたままの姿で千春は謝っています。男も女もそれほど真剣ではなく、言葉遊びを
楽しんでいる雰囲気です。


[53] フォレストサイドハウスの住人達(その12)(416)  鶴岡次郎 :2016/02/10 (水) 14:18 ID:T6I9F1Dg No.2804

突然、三郎が行動を起こしました。

「ああ・・、ダメ・・・、
ソコは汚れている・・・、汚いよ・・・」

必死の声を上げていますが、男は止めません。股間に頭をうずめてその部分にかぶりついているので
す。女は必死で男の頭を離そうとしていますが、男の力は強く、逆にますます強くその部分を吸われ
ているのです。やがて、女の抵抗が弱まり、遂には男の頭を股間に強く押し付けるようになったので
す。

「三郎・・・、来て・・、来て・・」

男の体が女の腰を割り、いきりたった肉棒が陰唇に突きこまれました。

激しい性交が終わり、男と女はぐったりと裸体をソフアーに投げ出しています。

「その男・・・、転勤したとはいえ・・、
これから先・・、
仕事でこちらへ来る度、頻繁に店に顔を出すことになるな・・・」

「心配・・・?」

「ああ・・、心配だよ・・、
若いし、気立ても良さそうだし・・・、
何より本気で千春に惚れているのが怖い・・・。

今日のように遊びの段階なら、まあ・・、我慢できるが・・・、
千春が本気で惚れてしまわないか心配だよ・・、本当に・・」

真顔に戻って三郎が言っています。

「私も・・、自信がない・・・・
彼が毎回今日のように迫って来たら・・、
本気になるかもしれない・・、そんな私自身が怖い・・・」

笑みを忘れて千春がつぶやくように言っています。

「その時は・・、その時だよ・・・、
男に惚れるなとは言えない・・、
惚れ過ぎないことが大切なんだよ・・・、
捨てられないように、僕も頑張るから・・・、
千春も・・、出来る限り、自分を抑えてほしい…」

「ハイ・・、
佐王子さんからも、そのことを毎回言われています…。

浮気と本気の区別がちゃんとできないようでは、浮気をする資格がない・・、
浮気を許してくれる亭主が第一で、それ以外の男には適当に付き合えと・・、
佐王子さんはそう・・、私に教えてくれています。
まだまだ、修行が足りませんが、これからも実践を通して勉強します・・」

「よろしく頼むよ、ひ弱い亭主で申し訳ないが、これでもお前のことを愛していて、お前なしでは生
きてゆけないと思っているのだから・・・」

「三郎さん・・・、抱いて・・、
もう一度・・・、思い切り強く抱いて・・・」

二人は固く、固く抱き合っていました。ぼつぼつ4歳の長男がお昼寝から目覚める時間です。忙しい
母親に戻る時間が迫っています。


[54] 新しいスレへ移ります  鶴岡次郎 :2016/02/11 (木) 14:57 ID:jgHGFsJo No.2805
新しいスレを立てます。ジロー


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