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フォレストサイドハウスの住人たち(その7)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2014/05/08 (木) 11:40 ID:88ncIuVg No.2520
浦上三郎と千春の結婚が決まりました。「万人に一人の女・・、娼婦になるために生まれてき
た女・・」、そんな女と浦上は結婚すると決めたのです。
「早期発見が大切です…、対処方法を誤ると、みんなが不幸になりますから・・」と、謎の言葉を
残して佐王子は立ち去りました。「先のことを考えるより、先ず、彼女に溺れる生活を楽しも
う・・」と、浦上は腹を固めています。浦上と千春、ようやくスタートラインに付いた若い二人の
前途には洋々たる未来と、大きな不安が待ち構えている様子です。もう少し二人の生活を追ってみ
ます。相変わらず、変化の乏しい市民の生活を描きます。ご支援ください」

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その
11)』の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきま
す。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余
脱字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにし
ます。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した記事を読み直していただけると幸いです。

  ・ 文末に修正記号がなければ、無修正です。
  ・ 文末に(1)1940.5.8とあれば、その記事にその日、手を加えたことを示します。
  ・ 『記事番号1779に修正を加えました。(2)1940.5.8』、文頭にこの記事があれば、
     記事番号1779に二回修正を加えたことを示し、日付は最後の修正日付です。
    ご面倒でも当該記事を読み直していただければ幸いです
                                        ジロー   


[7] フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(171)  鶴岡次郎 :2014/05/19 (月) 10:59 ID:o4hocgTM No.2526

姿勢を改め、春美は真正面から千春を見つめています。その昔、仕事上で失敗した時、今のような
表情で見つめられ、叱られたことを千春は思い出していました。

「いいかい、これから先、二度とそんなことを言ってはダメだよ、
千春は素晴らしい女だと、女の私だってそう思う・・・。
とってもスケベーで、女の私には時々鼻に付くことはあるけれど・・、
これだけは確信をもって言える・・、
ちょっと悔しいけれど、どんな男だって千春に惚れると思う・・。

佐王子さんだって、千春の価値を認めているから、
自信をもって、千春の秘密をお婿さんに話したのだと思う・・。
それで逃げ出す男なら、千春にはふさわしくないと思ったのだよ・・」

「良く判らないけれど・・・、
今、先輩が言った内容と同じようなことを佐王子さんが三郎さんに言っていた」

「そうだよ…、
変に卑下した考えを持ってはダメだよ…、
たくさんの女の中から、千春は選ばれたのだから・・、
自信をもって、お嫁に行ってほしい…。

千春が大威張りでお嫁に行くことを佐王子さんは願っているのだよ、
そして、千春を選んだお婿さんだって、
いつまでも千春が過去の悩みを抱えてくよくよするのを望んではいない・・。
そのことを絶対忘れてはいけないよ…」

「判った…、過ぎたことはくよくよ考えません・・。
これから先のことだけを考えて、いいお嫁さんになります…」

「千春・・・」

感極まった春美が涙をあふれさせて、千春を抱きしめていました。


式までまだ時間があるので、春美と千春はお茶を飲みながら、のんびり話し合っています。

「前の奥さんとは死別したと聞いてたけれど・・」、

「うん・・、素晴らしい人だったようで、
彼女の死後、ショックで、彼・・、女の人を抱けなくなっていた・・」

「そう・・、男の人にそのような現象が出る話、時々聞くね・・、
女性にそんな症例が少ないところを見ると、
男性の方が繊細な神経を持っているのかな・・、

それで、そちらの方はどうなの・・、
まさか、今でも出来ないってことはないのでしょう…」

「ウフフ…、それは大丈夫・・、立派にできるよ、
でも、出会った当初は少し心配するほどの症状だった…」

「それは、良かった…、
千春が彼を立ち直らせたのだね・・
・・で、どうなの…、
彼で満足できそうなの…」

特別の意味を込めて春美が質問しています。


[8] フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(172)  鶴岡次郎 :2014/05/21 (水) 14:42 ID:4UOjd8rs No.2529

その質問を予想していたようで、花嫁姿には似つかわしくない、みだらな笑みを浮かべています。

「やはりそこを突いてきましたね・・、
先輩も好き者ですね…、
佐王子さんからも同じ質問を受けたけれど・・、
私って・・、そんなにスケベーに見えるのかしら・・」

造った怒りの表情を浮かべ、春美に質問しています。

「あらら・・、怒った…、
ゴメン、ごめん・・、
佐王子さんもそうだと思うけれど、千春のことを本気で心配しているから、
立ち入った質問をしたのだよ・・、悪く思わないで…」

「判っているけど・・、
いいわ・・、本当のこと言います…。

私、彼の手で毎回失神しています。
こんなこと佐王子さん以外の男では経験したことがありません。
太さも、硬さも、テクも・・、みんな…、
彼にはすごく満足していまぁ・・す・・。
ウフフ…、この返事でご満足ですか…」

「そう・・、それは良かった・・、
正直言うとね、お婿さんは大会社に勤務するエリート社員でしょう、
勉強と仕事に追われてきた毎日だから、あちらの方は少し手を抜くのではと・・、
すこし、心配していたのよ・・・」

どうやら本気で心配していたらしく、春美はほっとした表情を浮かべています。

「千春は自分では気が付いていないようだけれど、
私から見るとかなり好き者だよ、
これ・・、千春のことを悪く言っているのではないよ、
むしろ、うらやましいほど、千春は素晴らしいスケベーだよ、
普通の男では、千春を満足させることは難しいと思っている。
お婿さんがそんなに素晴らしい人であれば問題ない・・、
本当に良かった・・、うん・・、良かった・・・・」

「私がすごいスケベーに思われているのは心外だけれど、
佐王子さんも、先輩も、私のことを心配していただいているのは良く判る。
一応・・・、お礼を言っておきます…」

すこし甘えて、拗ねた表情を見せて千春が頭を下げ、その後、こぼれるような笑みを浮かべてい
ます。

「前の奥さん、理恵さんというのだけれど、
先日、彼女のお墓参りをして、二人の結婚を報告してきた…」

「そう・・、それは良いことしたね・・」

「そこで、理恵さんのご両親に、ばったり出会った…」

「エッ・・・・・」

春美が絶句して千春を見ています。千春はいたずらっぽい笑みを浮かべています。


[9] フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(173)  鶴岡次郎 :2014/05/25 (日) 17:52 ID:4cm25VpE No.2530

その日は5年前に亡くなった理恵の月命日だったのです。千春が誘って、理恵の墓参りをしました。
本来ですと浦上家の墓地に葬られるのが筋ですが、理恵の両親の強い希望があり、その上、浦上家
の墓地はかなり都心から離れた場所であったため、理恵は彼女の実家である塚原家の墓地に葬られ
ているのです。

千春と浦上が墓所に近づくと、墓前に跪いてお祈りをしている初老のカップルが目に留まりました。
最初に気が付いたのは当然のことながら浦上でした。

とっさに浦上はそのまま通り過ぎようと考えたのです。しかし、墓前に跪いていた女性が二人に気
が付き、立ち上がり、浦上と千春の方をじっと見つめていたのです。やがて、連れの男性も立ち上
がりました。もう・・、逃げ出すことはかないません。

覚悟を決めた浦上はゆっくりと二人に近づきました。緊張している浦上の様子から、こちらを見て
いる初老のカップルが理恵の両親だと千春は察知していました。
会話が届く距離に近づいたところで立ち止まり、浦上と千春は深々と頭を下げました。

「三郎さん…、お久しぶりです。
そちらの方が・・、
お手紙で知らせていただいた千春さんですね・・・」

「ハイ、そうです。
改めてご紹介します。
こちらが・・今回婚約いたしました・・・」

「はじめまして・・・、
加納千春と申します・・」

浦上の紹介を待たないで千春が快活に口を開き、自己紹介しました。

「はじめまして・・、
お元気で、きれいなお嬢様ですね…。
理恵の父と母です。塚原と申します」

塚原と名乗った初老の夫婦は、千春が気に入ったようで笑みを浮かべて頭を下げています。

4人そろって墓参りを済ませて、どちらから誘ったわけでもなく、近くの喫茶店に入りました。話
題はほとんど千春に関することでした。千春の両親のこと、兄弟姉妹のこと、シュー・フイッター
の仕事の内容、などなど、客商売の千春はさすがに話し上手で、彼女の話を聞いて塚原夫妻は声を
出して何度も笑っていました。

30分ほど話し合って、店を出ました。最寄りの駅まで歩いて10分ほどの距離です。綺麗に整備
された並木道を千春と塚原夫人、浦上と塚原氏がそれぞれに並んで、にこやかに会話をしながら歩
きました。ゆっくり歩を進めながら各人が、こうして親しく4人が一緒に話し合うのはこれが最後
だろうとの思いを抱いていたのです。


[10] フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(174)  鶴岡次郎 :2014/05/28 (水) 14:14 ID:ZvmI/552 No.2531

駅が近づき、別れの時を察したのかそれまで聞き役に回っていた塚原夫人が少し改まった口調で話
しかけてきました。ここまでの道々、たわいのない世間話をする千春の話が面白いので、夫人は
ずっと笑い通しだったのです。

「今日お会いできて、
千春さんともこんなに親しくなれて、本当に良かった・・」

「私こそ・・・、理恵さんのお母様にお会いできて本当に良かったと思っています。
出来ることなら、写真で拝見しただけの理恵さんにもお会いしたかったと思っています」

理恵の名前が出て、ほんの一瞬の間ですが、夫人の歩調に乱れが起きました。ここまで二人の会話
に理恵は一度も登場していなかったのです。

「あら・・、こんなこと言ってはいけなかったですね・・、
私、6人兄弟の末っ子で親のしつけが行き届いていないせいで、
一般常識に欠けるところがあると良く言われるのです・・」

「いいえ・・、そんなことはありません…、理恵のことを話題にしないよう、
三郎さんと千春さんがお心を使っていただいているのが良く判っていました。
若い方々に余計な気を遣わせてしまって、私達、申し訳ないことをしたと思っているのです・・」

夫人が笑顔を見せています。

「理恵は一人っ子で、亡くなって二年間ほどは、あの子がいないのがどうしても信じられない気持
ちになっていました。最近になってようやく、理恵のことを平常心で話せるようになったのです
よ・・・。それでも、5年経った今でも、毎月あの子の月命日には、私達ここへ来ているのです。

でも・・、今日、こうして千春さんと思いがけず楽しい時間を過ごせましたし、
三郎さんとも久しぶりにお会いできて、
彼が新しい生活を始めることを確認できました。

私達もいつまで理恵の思い出を追っていてはいけないと思いました。
理恵のいない人生を新しく拓くべきだと思いました。
ここへ来るのは、お盆と、命日の年二回にしようと思っています」

「・・・・・・」

千春は黙って耳を傾けていました。

「千春さん…、私からお願いがあります…。
よろしいでしょうか・・」

「ハイ・・・」

「いろいろ事情はあると思いますが、
結婚生活では赤ちゃんを作ることを最優先してほしいのです。
こんなことを言うのは、おせっかいを通り越して、
失礼極まりない行為だと十分承知しているのですが・・・、
言わないではいられないです・・」

少し涙を浮かべて、塚原夫人は真剣な表情を浮かべて話しているのです。

「ハイ・・、奥様のお気持ちを大切に受け入れます。
私たちも、そうはいっても良い年ですから、子供は早く造りたいと思っています。
もし・・、幸運にもそうなったら、真っ先に連絡します…」

理恵はT大の理系学部を卒業した才媛で、結婚後もつくばの国立研究所で遺伝子の研究を続けてい
たのです。そうした生活環境ですから、どうしても子供のことは先送りされていたのです。

〈せめて・・・、孫を残してほしかった・・・〉

これが塚原夫人の正直な気持ちなのです。そんな気持ちがつい、千春への失礼な忠告になったの
です。勿論、その気持ちを千春は十分理解していました。


[11] フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(175)  鶴岡次郎 :2014/05/31 (土) 13:20 ID:85.UvRlI No.2532
夫人の少しおせっかいな忠告を千春が笑みを浮かべて受け入れるのを見て、夫人はもう一歩踏み込
もうと思ったようです。

「おせっかいついでに、もう一つ・・、
これは最後まで、言うか、言わないか迷っていたことですが・・、
あなたと話していて、この方なら・・、
私の気持ちを正しく受け止めていただけると思ったのです・・・」

ゆっくりと歩を進めながら、何気ない口調で塚原夫人は話しています。塚原氏と浦上はだいぶ先を
歩いていて、彼らのところまで塚原夫人の話は届かないはずです。

「これから少し失礼なことを言いますが、
私の歳に免じて許してくださいね・・。
千春さん・・、
三郎さんはあなたにとって最初の男性ではありませんね・・」

唐突で、結婚前の千春が答えに窮する質問ですが、それまでの会話で夫人の人となりが理解でき、
かなり心を許すようになっていましたし、塚原夫人の真剣な表情を見て、この場は素直に、ありの
まま話そうと千春はとっさに覚悟を決めていました。

「ハイ・・・、おっしゃる通りです・・。
彼が初めての男性ではありません。

私・・・、今年で28歳になります・・・。
10代の頃初体験を済ませて、それからいろいろありました。
多分・・、同年代の独身女性に比べて格段に経験豊富だと思います」

さすがに売春行為までは話すつもりはないのですが、経験人数を聞かれれば「自分でも数えきれな
いほど・・」と答えるつもりだったのです。千春の素直な返事に塚原夫人が満足そうに頷いていま
す。

千春は素直に事実を告げたのですが、それでもこの先、夫人が何を言い出すのか想像もできないで、
少しいぶかし気な、不安な表情を浮かべて夫人の横顔を見つめていました。

「失礼な質問にもかかわらず、まじめに答えていただいて、
さすが、私が見込んだ千春さんだと思いました・・。

でも誤解なさらないでね・・、
当然のことですが・・、
千春さんの過去をここでとやかく詮議するつもりはありませんのよ・・」

夫人はにこやかにほほ笑んでいます。勿論、千春も夫人が千春のふしだらな過去を責めるつもりで
この話を始めたわけではないと思っていました。

「実は理恵は処女で結婚しました。
25歳の時結婚したのですが、今時、その年まで経験がないのは、
少しおかしいですよね・・、そんな子だったのです・・、あの子は…。

私でさえ、夫と結婚する前、
数人の男性を知っていましたからね…、
勿論このことは主人には内緒ですけれどね…、ふふ・・・」

二人の女は顔を見合わせて笑っていました。

〈上品な奥様で、元々育ちはよさそうだけれど…、
案外、さばけたところがある、
今まで気が付かなかったけれど、素晴らしい美人だ…、
それにこのお色気・・・
とても私など、かなわない…、
若い頃は・・、いや、多分今も・・、相当男たちを悩ませているはず…〉

この時始めて千春は気が付いていました。豊かな胸、整った顔、好みの良い服装、凛とした立ち姿、
改めてみると現役の女性として並でない魅力が彼女から発散されているのを千春は感じ取っていた
のです。還暦を過ぎているはずの塚原夫人から、千春ではとても出さない女の色気、女の妖気を感
じ取っていたのです。


[12] フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(176)  鶴岡次郎 :2014/06/01 (日) 16:03 ID:43I6LXqM No.2533

互いに結婚前の男性経験を告白して、秘密を共有してしまった女二人、二人の間に今までに感じな
かった親近感が芽生えていました。思った通り千春が見かけの年齢よりかなり経験豊富であること
に夫人は満足していました。一方、良家の奥様然とした夫人の意外な一面、多淫な千春とも話が合
わせられるほどさばけた一面を持ち合わせていることに、千春は驚きと同時に、強い親近感を寄せ
ていました。

夫人は今まで自分一人の中に閉じ込めていた秘密を千春に話す意欲をますます強くしていました。
この機会を逃したら、この秘密をお墓まで持っていくことになる、それではあまりに空しいと危機
感を持ったのかもしれません。夫人は一気に語り始めました。

「二人が新婚旅行から帰って来て、三ケ月ほど経ってから理恵一人で実家へ来てくれました。最高
に楽しい時期だのに理恵がなんとなく浮かない表情なのに気が付きました。

何も知らないまま結婚したので、そのことを心配していたので、彼女の様子を見て、夜の新婚生活
が上手く行っていないのだと、すぐ気が付きました。二人きりになって問いただすと、案の定、夜
の問題でした・・・」

歩きながら話す話題でないと思ったのでしょう、夫人は木陰に立ち止り千春に一歩近づいて話して
います。夫人の吐息を感じるほどの距離に立って千春は能弁に語る夫人の顔をじっと見つめていま
した。

塚原夫人はこの先、何を話したいのだろうと千春はやや当惑気味で、ぼんやりと夫人の意図を探って
いるのです。性的な話題を出したことで夫人は少し興奮しているのでしょう、それまで笑みを浮か
べて千春の聞き役に回っていた時に比べると、頬が色づき、表情も豊かになり、一段と女の魅力が
増しているのです。

「どうにも痛くて我慢できないというのです・・・。
ゴメンナサイね・・、こんな話・・・、
もしかするとあなたには不要かもしれないけれど、
同じ間違いをして欲しくないので、とにかく最後まで聞いてください・・」

千春が黙って頷いています。

「挿入は何とか出来るのですが、その部分に激痛が走って、先端部を受け入れるのがやっとで、全
部を受け入れることができないと言うのです。

新婚旅行先で上手く行かなくて、自宅へ戻ってから二人で話し合って、塗り薬を使ったり、セック
スガイドブックを参考にして、いろいろ試したらしいのですが、効果は芳しくなかったのです。

三郎さんもそれほど女性経験があるわけでなく、かといって病院へ行くのは恥ずかしいので、新婚
旅行から帰って来て三ケ月も経って居るのですが、そのままにしていると言いました。勿論、新婚
ですから、一緒に居れば抱き合います。一応、旦那様を受け入れるものの、その行為が理恵にとって
は苦痛以外何物でもなかったのです。

新婦がそんな風であれば、新郎もおのずと意気消沈します。おそらく二人の生活は甘い新婚生活と
はおよそかけ離れた、ぎすぎすしたものだったと思うのです」

「私の先輩に同じ症状が出て、病院で診察を受けたら、膣の筋肉に一部不整合が存在することが
判り、手術を受けて、正常な性交ができるようになったと聞いています」

「そうなんですって…、私も後になってそのことを知りました・・。結婚後は、夫以外の男性を知
らない環境で過ごして来ましたから、あなたの様にいろいろな情報を手に入れることが出来ないま
ま、歳だけは取ってしまったのです。それで、理恵の話を聞いても、最初は狼狽えるだけで適切な
アドバイス一つできなかったのです・・・」

その時を思い出したのでしょう、塚原夫人は大きな吐息を吐き出し、寂しそうな表情を見せました。


[13] フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(177)  鶴岡次郎 :2014/06/02 (月) 14:12 ID:evxmoE7I No.2534

親子ほど年齢が違う千春に、夫人は性の悩みを訴えかける少女のように話しています。千春は彼女
を励ますように夫人の手を握りしめていました。

「事が事だけに他人に相談することは勿論、主人にさえ話すことができないのです。経験の乏しい
女二人で対策を練るより他に術はないと思い込んだのです。探せば、そのことに詳しい人だって
見つかったはずですし、医者に相談することだって出来たはずだけれど、そうしたことを他人に相
談すること自体、タブーだと私たちは思っていたのです。

こうしてあなたと仲良くなれて、あなたがその道にかなり経験が深いことを知りました。もし、
もっと早く、千春さんと知り合っていれば、私たち親子の人生は変わっていたはず・・、
なんて・・、およそ現実離れした思いさえ、抱いてしまったのです・・・。

おかしいでしょう・・・、
それほど私たち親子は世間知らずだったのです・・」

ここで夫人は天を仰ぎ、あふれ出る涙を隠しました。あまりの可憐さに、許されることなら夫人を
抱きしめたいと千春は思いましたが、遠くからこちらを見つめる二人の男、塚原氏と三郎の目を意
識して、千春はその思いをぐっと堪えました。

「二人で出した結論は、三郎さんのモノが異常に大きくて、処女のまま結婚した理恵には容易に受
け入れられないということでした。

大きいと言っても、どの程度大きく、どんなに努力しても理恵には無理なのか、慣れてくれば、何
とかなるものなのか、そのあたりをまず知る必要があると思いました。

彼のサイズを体で知っているのは理恵ですから、彼女の感覚を頼りに、ああでもない、こうでもな
いと、茄やニンジン、果ては大きな大根まで持ち出して、彼のサイズを探ったのです。ようやくこ
れに近いと言って理恵が指差したのが少し小ぶりのダイコンでした。正直、その大きさ、太さに、
私はびっくりしました。世の中にそんな怪物が存在することが信じられなかったのです・・」

〈・・そんな・・、大きいことは大きい方だけれど・・、
怪物と呼ぶほどのモノではない…、
あの程度のモノは、そこらにごろごろ転がっている…
理恵さんの感覚がマヒしていたのかな…〉

浦上のモノを思い出しながら、千春は塚原夫人の大げさな表現に驚き、内心で首を傾げていたの
です。

「女性の膣はかなり懐が深いことは知っていますが、理恵が指差した大根を見て、これは理恵には
勿論無理で、経産婦の私でさえも絶望的になってしまうほどのモノだと思いました。しかし、落ち
着いて考えると、そんな化け物のような男根がこの世に存在するはずがないことにようやく気が付
きました。そして、処女で結婚した理恵が初めて接した男根のサイズを正確に言い当てることなど、
もともと無理なことだと気が付いたのです。

初めて接した男根の異様な姿と破瓜の痛さのあまり、理恵は平常心を完全に失い、三郎さんのモノ
を過大評価したのだと考えました。そうと決まると、これ以上理恵に三郎さんのサイズを訊ねるの
は無駄だと思いました・・・」

夫人の下した結論に千春も納得した様子で何度も頷いていました。


[14] フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(178)  鶴岡次郎 :2014/06/05 (木) 13:52 ID:6idZBdaA No.2535

夫人の話はまだまだ先がありそうです。駅前で待っている男二人が少し焦れた様子で夫人と千春の
方を見ているのです。千春は気にしているのですが、夫人は一向に気にしている様子ではありませ
ん。

「今、理恵に必要なのは、あそこに異物を入れることに慣れることで、慣れてくれば、膣も広がり、
愛液も潤沢になり、スムーズに性交ができるようになると私は考えました。

この程度の結論を出すのに、茄や大根を持ち出し、
理恵の中に挿入していろいろ試したのですから・・、
千春さん…、
私たち親子の無知さ加減がおかしいでしょう・・・」

自嘲の笑みを浮かべて塚原夫人は話しています。

「なんとしても一人娘を幸せにしたい思いが強くて、私はあれこれ調べ、考えました。それで結局
行き着いた考えが、理恵の膣を拡大するため、大きなデルドーを買い求めることだったのです。街
のその種の店に出向き買い求めました。それを使って訓練させることにしたのですが、そんなバカ
な行為を誇り高い理恵が受け入れるはずがありませんでした。デルドーは一度も使われることなく、
私の家で保管しています。

デルドーの件もあって、理恵は私に頼ることをあきらめたようです。それ以来、私にはその話をし
なくなりました・・・。その後も私は気にはしていたのですが、母親といえど立ち入ることが難し
い夫婦の問題ですから、理恵から相談が来ない以上、私から声をかけることはできませんでした…」

深刻な話なのですが、千春には少し艶っぽいおとぎ話の様に聞こえていました。その一方で、デル
ドーの件で親子の会話が遠のいたことに、千春は少し違和感を覚えていたのです。

〈理恵さんはなぜそこで、お母様に相談することを止めたのだろう・・、
夜の夫婦生活まで親身に相談に乗ってくれる母親は少ない・・、
私なら・・、そこまでめんどう見てくれる母親の愛情をむげに断ることはしないだろう。
恥ずかしいけれど、そこは母と娘、余人にはできない話もできるはず。
夫婦の交渉のありのままを毎日のように報告して、母親と一緒に対策を考える道を選ぶと思うけれ
ど、理恵さんは、違ったようだ。頭が良くて、自立心の強い理恵さんだから、自分で切り開く道を
選んだのだ・・・〉

千春は三人の兄と二人の姉がいる末っ子に生まれました。商店を営む実家では母親とゆっくり話を
する機会が乏しく、年の離れた長女が母親代わりになって千春の面倒を見てくれたのです。それだ
けに一人子の理恵が母親の愛情を独占しているのを聞き、少しうらやましく思っているのです。

「理恵はつくば学園都市、三郎さんは東京と、離れて暮らしていて、会えるのは週末だけですから、
何も障害が無くても、二人のセックス回数は普通の新婚家庭に比べると少なかったと思います。

それが、楽しはずのセックスを苦痛に感じるのですから、結婚数ケ月後には理恵は研究が忙しいこ
とを口実に月に一度しか家に戻らなくなっていたのです。詳しいことは判りませんが、二人のセック
ス回数はかなり少なかったと思います。

そして、理恵はがんを患い、あっけなくあの世へ行きました。結局、理恵はセックスに喜びを感じ
ることなくあの世に召されたと思います・・・・。そして、三郎さんも理恵に女の喜びを与えるこ
とが出来ないまま死別することになり、悔しい思いをかみしめることになったと思います。

私がもう少ししっかりしていれば、理恵にあんな辛い思いをさせることはなかったのにと後悔して
いるのです・・・」

「・・・・・・・・」

理恵の結婚生活が上手くゆかなかったことにかなり責任を感じている様子で、塚原夫人は気の毒な
ほどしょげ返っているのです。なんと声をかけていいのか千春は困り果て、ただ黙って耳を傾けて
いました。

「こんな恥ずかしい話をしたのは、
あなたには理恵と同じ思いをさせたくないと思ったからです。

率直に聞きます・・・・。
三郎さんとのセックスをあなたは
十分楽しんでいますか・・」

「ハイ・・・、ご安心ください、十分すぎるほど楽しんでいます・・・。
先ほど申し上げたように、私・・、見かけ以上に男性経験が豊富なのです。
多分、私の経験を申し上げれば、理恵さんのお母様はびっくりして、
私を軽蔑することになると思います。そんな女なのです、私って…。

そんな私に、お心づかいいただき、実の母親でもそこまでは言えない親切なお言葉をいただき、
私、感謝の気持ちでいっぱいです」

「いえ、いえ・・、そんなに感謝されるほどのことではありません。
あなたを見ていると理恵が戻ってきたような気分になり、
ついおせっかいなことを言ってしまっただけのことですから・・・。

そうですか、お二人の間には何も問題がないのですね・・、
良かった・・、本当に良かった・・・」

かなり思い詰めていたようで、安どのあまり夫人は涙さえ見せているのです。


[15] フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(179)  鶴岡次郎 :2014/06/06 (金) 13:08 ID:x76bA62I No.2536

義理の息子の再婚相手とはいえ、夫人にとって千春は赤の他人です。そんな女の身を本当に心配し
て、千春と浦上の間に何も問題がないと知り、涙を見せるほど喜んでいるのです。優しい夫人の態
度に千春は胸がいっぱいになっていました。

「それにしても・・・、何事によらず、
経験豊富なことは大切なことなのですね・・。
特に男女のことは、許される限り経験を積むことが大切だと・・、
あなたに教えていただきました・・。

この歳になって、やっとセックスの大切さに気が付いているのですよ…。
理恵だって、もっと経験を積んでいれば……」

優しい瞳で千春を見つめながら、塚原夫人は彼女自身に話しかけるようにして語っているのです。

「そう言っていただけると、私・・、すごく慰められます。実は・・、処女で結婚された理恵さん
のお話を伺って、世の中にはそんな清純で、素晴らしい方が居るのだと正直うらやましく思ってい
たのです。ふしだらな生活を送ってきた私自身に少し自信を無くしていたところだったのです。

せっかくの機会ですので、すこし・・、いえ、かなり恥ずかしい部分がありますが、三郎さんとの
出会いから今日までのことを、奥様には何も隠さず、すべてありのまま話します。

聞いていただけますか・・・、そして、可笑しいところがあれば、遠慮なく私をしかりつけていた
だきたいのです…」

夫人の心遣いに千春はかなり心を揺り動かされた様子です。浦上との経緯をここで夫人に報告する
気持ちになったのです。

「三郎さんと初めてお会いしたのは、半年ほど前、私の勤めるお店でした。閉店間近に、三郎さん
がフラーとお店に入ってきたのです。30分ほどの間に互いに意気投合して、閉店後お食事をごち
そうになり、お恥ずかしい話ですが、そのままホテルへ直向しました・・・」

「あら、あら・・、互いに一目ぼれだったのですね・・」

「少なくとも私は一目ぼれでした。
彼が店に入って来た瞬間から、目を付けて、
他の店員を押さえて彼の応対に立ちました・・・。

ところが・・、後で判ったことですが・・、
実は・・、彼・・・、
最初は私のことは何とも思っていなかったようです・・・」

「あら・・、あなたのようなきれいな人を見て、
その気にならない男性なんているかしら・・・」

「そういっていただけると、お世辞でもうれしい…、
正直に申し上げると、私ほどの女に、全く関心を見せないなんて・・・と、
ちょっとむくれたのは確かです…、ふふ・・・・・。

ところが、後で判ったことですが・・・、
その時、どんなに素晴らしい女性でも、
彼の気を引くことはできなかったのです。

彼・・、
理恵さんの死後一度も女性を相手にしたことが無かったのです・・。
その頃の彼は、女性に何も感じなくなっていたのです…」

「エッ・・、5年間一度も女を抱いたことがないと・・・、
そのことを・・、三郎さんがあなたに言ったの・・・?」

「ハイ・・・」

「・・・・・・・」

夫人は絶句して次の言葉が出せないのです。


[16] フォレストサイドハウスの住人たち(その7)(180)  鶴岡次郎 :2014/06/09 (月) 15:39 ID:0lxU3F3A No.2537

夫人の驚きは千春にとって想定範囲内のことでした。若い男が5年近く女性に近づかなかったので
す。誰だって驚き、次にはその理由を知りたくなります。しかし、千春はうかつにも気づかなかった
のですが、夫人は驚きながらも、その理由を知ろうとしていないのです。夫人は必死で何かを考え
ていますが、千春に問いかけようとはしないのです。

彼女自身に問いかけ、自身でその理由を探し出そうとしているようです。夫人の異様な様子を少し
不審に思いながらも、千春は言葉をつづけることにしました。

「彼の気を何とか引きたいと思いました。彼の好みの靴を持ってきて、彼の前に跪いて、靴を足に
合わせながら・・、それとなくスカートの裾を上にたくし上げ、ショーツをチラ見させたり、ブラ
ウスの胸のボタンをはずして、ブラと乳房の一部を曝したのです。

自慢ではないのですが、どんなお客様でもここまでやれば、必ずそれなりの反応を見せるのです。
ところが、三郎さんには何の変化も起きないのです。

むらむらと女の闘争心が沸き上がりました。
普段は絶対やりませんし、お店でも禁じられている、さらなるお色気攻勢を彼にしかけることにし
たのです・・・・」

「まさか・・、あのせいなの・・、
そんな・・・、そんなことはないはず…、
でも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

夫人は独り言をつぶやいてあらぬ方角に視線を走らせているのです。当然、千春の言葉は彼女に耳
に入っていない様子です。ようやく夫人の異常に気が付いた千春がそこで言葉を止め、心配そうな
表情で夫人の顔を覗き込んでいます。

「奥様・・、奥様、大丈夫ですか、
こんな話・・、面白くないようでしたら、止めますが…」

「アッ…、失礼・・、
ついうっかり別のことを考えていました…、
勿論、千春さんのお話には興味があります・・、

お色気攻勢をかけるところまで聞きましたね・・、
ところで・・・、お色気攻勢って何…?」

別のことを考えていて、その内容を千春に知られるのを隠すように、慌てて、お色気攻勢の意味を
質問しているのです。

「奥様には想像もできない世界のことですが、下着をちらっと見せることから初めて、果ては下着
を取り去り、自由にあそこを触らせたりするのです。恥ずかしい姿を見せながら、一方では男性の
股間を触るのです。お店では禁じられているのですが、中年過ぎのお客様の中にはこんなサービス
を結構喜ぶ方が多くて、このサービスのおかげでお店の売り上げが伸びることもあるのです」

「そう・・・、大変な仕事ね…、
気に入った方が相手なら楽しいかもね…、
でも・・、そうはいかないか・・、嫌なお客も来るよね、
気に入ったお客だけ相手することはできないしね・・、
そんな甘い考えでは仕事はできないわね・・」

夫人の反応が面白くて、千春が笑みを浮かべています。

「三郎さんが最初から全く私に興味がない様子なので、
私・・、自尊心を傷つけられた思いになっていました。
それならと・・、スカートをゆっくりたくし上げ下着を見せ、
ズボンの上から彼のモノを刺激したのです・・、
しかし・・、彼は何も感じていませんでした。

それで、私・・、彼の奥さんか、もしくは恋人か・・、
いずれにしても彼の心を独占している女がいるはずだと思い、
その女に、ここで負けるわけには行かないと思ったのです。

ショーツを取り去りアソコをモロに見せつけながら、直接彼のモノを取り出し、
手と口で愛撫しました。
あんなに手こずったのは初めてでした、
もうダメかなとあきらめた頃、ようやく彼のモノに変化の兆しが出たのです、

20分近く私は頑張ったと思います。
手も口にも筋肉痛が後で出たほどでした。
彼のモノが自立した時の喜びは今でもはっきり覚えています…」

「・・・・・・・」

あまりに過激な話を聞いて夫人は言葉を失っているのでしょうか、口をぽっかり開いて、黙って千
春の顔を見ているのです。



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