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フォレストサイドハウスの住人たち(その6)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2014/02/26 (水) 16:25 ID:qM/Z/gzY No.2480

佐王子に説得されて、シュー・フィッターの仕事に専任することを決意した加納千春は、佐王子が
描いた戦略通り、見事に闇の仕事を切ることに成功しました。それだけではなく、仲間の店員たち
も彼女の巧みな誘導で足を洗うことができたのです。一番喜んでいるのは何も知らされていない店
長かもしれません。
さて、闇の仕事を切り捨てた千春に次の仕事が待っています。佐王子の言う通りであれば、「管理
された形で売春をする仕事」が待っているはずですが、どんな展開が待っているのでしょうか、相
変わらず普通の市民の物語を語り続けます。ご支援ください。なお、トンボさんのご指摘に従い物
語の冒頭で、これまで語ってきた登場人物を整理して説明をいたします。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その
11)』の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきま
す。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余
脱字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにし
ます。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した記事を読み直していただけると幸いです。

  ・ 文末に修正記号がなければ、無修正です。
  ・ 文末に(2)とあれば、その記事に二回手を加えたことを示します。
  ・ 『記事番号1779に修正を加えました(2)』、文頭にこの記事があれば、記事番号1779に
    二回修正を加えたことを示します。ご面倒でも読み直していただければ幸いです
                                        ジロー   


[2] フォレストサイドハウスの住人たち(その6)(132)  鶴岡次郎 :2014/02/26 (水) 16:33 ID:qM/Z/gzY No.2481

千春の結婚

加納千春の物語は、一区切りまで、もう少し続くのですが、彼女の近状報告をする前に、ここらで今
まで語り続けてきた他の女たちのことを少し整理させていただきます。

何度か断片的に紹介しているのですが、フォレストサイドハウス(通称FSハウス)があるこの町
の概要を改めて説明したいと思います。

都心からメトロに乗って20分弱、メトロに接続した私鉄沿線にこの町は広がっています。駅前に
泉の森公園が広がっています、・・と言うよりは公園の側に地下駅の入り口が作られているのです。
したがって、通常の私鉄沿線駅前の様に、駅を中心にして商店街やマンションが立ち並んでいるわ
けではなく、公園の側に地下駅の入り口がひっそりと存在する。そんな光景です。

公園は一丁目一番地にあり、ここを中心にして町は東西にそれぞれ、西八丁目と、東八丁目まで市
街地が広がっています。本来ですと、土地番地を西二丁目とか、東四丁目と呼ぶべきところですが、
土地の人は西と東を省略して、単に二丁目とか、四丁目と呼びます。したがって、この町には二丁
目が二つ存在するのですが、土地の人は特に困っている様子ではありません。この物語でも特に問
題がある時以外は土地の習慣に従い二丁目とか、四丁目とか呼ばせていただくことにします。

公園の北側に隣接して、・・と言うより公園の敷地内に泉の森荘が建っています。この建物は公園
より、そして地下駅より、その建造歴史が古く、この周りが原生林に取り囲まれていたころから、
現在の位置に建っていたといわれています。この建物はいわゆる賃貸アパートで、その管理人夫妻
が美津崎一郎と愛です。美津崎夫妻と泉の荘の住人については先に紹介した作品「一丁目一番地の
管理人」を参考にしてください。 

泉の森公園は一辺が5キロメートルほどの正方形の地形で、その中央に地名の由来になっている泉
があり、一説では富士山からの流れ落ちた伏流水がここで湧き出ていると言われていて、今でもコ
ンコンときれいな水が湧き出ています。このわき水で出来た直径500メートルほどの池が、公園
の中央にあります。池の正式名はあるはずですが、土地の人はただ池と呼んでいます。

池の周りはうっそうとした原生林に取り囲まれていて、森の中を縦横に散策道路が走っています。
FSハウスは泉の森荘と公園を挟んだ対面の位置、公園の南側に片側二車線の道路を挟んで建って
います。

この物語の発端で、泉の森荘の管理人夫人、美津崎愛を訪ねようとして、公園内の散策路を歩いて
いた鶴岡由美子が公園のベンチに座っている初老の男性、佐原靖男に遭遇するのです。後で判った
ことですが佐原は大手生命保険会社の役員で、50歳過ぎですが、泉の森荘へ急ぐ由美子が思わず
足を止めるほどの魅力を持ったイケメンでした。

哀れを誘うイケメン佐原をそのままに捨て置けない由美子が声をかけると、彼女のやさしさと不思
議なオーラに動かされたのでしょうか、初対面の由美子に男の妻幸恵が失踪したことを告げたので
す。

根がおせっかいの由美子は妻に失踪された佐原の自宅を訪問することになります。佐原の自宅はF
Sハウス1613号室でした。由美子が佐原宅を訪問した時、偶然、隣室1614号室から出てき
た男性と、狭く、薄暗い廊下で肩を触れ合うほど接近したのです。その男はどうやら隣室の住人で
はなく訪問客のようで、男は由美子に気が付きませんでしたが、由美子はその男の顔に見覚えがあ
りました。男は昔チョットした因縁のあった竿師、佐王子保だったのです。

佐原の自宅を訪ねた由美子は幸恵の失踪した後のキッチン、居間、そして彼女の部屋を見て、幸恵
が拉致されたのではなく、自分の意志で家を出ていったことを察知していました。そして驚いたこ
とに、幸恵は佐原が勤めに出た後、何度か自宅へ戻っていることも分かったのです。

〈・・幸恵は自宅近所に身を潜めている。命の危険はなさそうだ、夫婦間の愛憎に絡んだ失踪かも
しれない、そして、幸恵の失踪には隣室に出入りしている竿師、佐王子保が何らかの形で絡んでい
る可能性が高い・・〉

由美子はそう断定していたのです。


[3] フォレストサイドハウスの住人たち(その6)(133)  鶴岡次郎 :2014/02/27 (木) 15:58 ID:cZ3CpOAU No.2482

門倉悠里と峰岸加奈、二人はFSハウスの住人で、共に30歳代中ごろの女ざかりを迎えているの
ですが、子宝にまだ恵まれていません。一流会社に勤める夫が出勤した後は、暇な時間をカラオケ
に費やすのが二人の楽しみになっているのです。

二人は数年前、ほとんど同じ時期にこのFSハウスへ移り住んで来て知り合いになりました。感受
性が高く、万事に奔放な考え方を示す悠里と慎重で頭の良い加奈は、一見正反対の性格でとても気
が合いそうには思えないのですが、どうしたわけか、初対面の時から心を許しあえる気持ちになり、
間もなく無二の友達になっていました。

二人の夫は目下出世街道をまっしぐらに走っているエリートで、どうしても妻への愛情表現に手抜
きが出る年頃なのです。そんな二人の楽しみはカラオケです。家事を朝の内に済ませると、昼過ぎ
隣町のカラオケ店に入り、午後4時ごろまでここで過ごすのです。最初は純粋にカラオケを楽しん
でいましたが、ひょんなことからカラオケ店に来た男たちと知り合いになり、楽しい時間を過ごし
たのです。一度男たちと楽しい時間を過ごすとその味が忘れられなくなり、カラオケ店へは男漁り
が目的で来るようになったのです。彼女たちの男選びの基準はしっかり決まっていて、イケメンで
ある必要はなく、後腐れのないセックスが出来る男、面倒を引き起こさない男、それを基準にして
選んでいるのです。そしてどんなにいい男に巡り合っても一度限りと決めていて、決してリピート
はしないと決めていたのです。

ある日、いつもの様に男を待っている時、部屋のドアーを開けて一人の中年男が二人を訪ねてきま
した。最近複数の男を相手にする面白さを覚えていた二人は、単独で訪ねてきた男を断るつもりで
した。その男を追い払うため加奈が立ち上がり扉の側に立つ男に近寄ったのです。男まで一メート
ルに近づいた加奈は、何か大きな衝撃を受けたようで、一言も言葉を発することができないまま、
その場に立ちすくんでいました。

男は170センチに満たない身長で、スリムといえば聞こえはいいのですが、少し痩せ気味で、そ
れがその男をすこし貧相に見せていました。面長の顔は良く見れば、それなりにいい男なのですが、
睫と鼻が異常に目立つ濃い顔で、そのため全体にアンバランスな印象を受けるのです。ただ、一度
会うと決して忘れないと思える顔でした。そして何よりも、一目その男を見た女は・・、どんな境
遇の女であっても・・、その男を意識せざるを得ない心境になるのです。たぶん、女性だけが、い
え、メスだけが感知できる動物的な魅力をその男は身につけているのだと思います。

加奈は無言でその男の手を取り部屋に引き入れました。少し離れたところからその様子を見ていた
悠里は少し不機嫌になっていました。悠里にとって、男の質はどうでもよくて、数が重要なのです。
少なくても、三人以上の男を同時に相手にすることを悠里は望んでいるのです。

そんな悠里でしたが、その男が近くに来て、彼の香りを嗅ぎ、彼の持つ得体の知れないオーラを全
身で感じ取った時、腰が抜け、全身が痙攣するほどの衝撃を受けていました。大げさに言えば、男
が大きな男性器に見えたのです。下半身から力が抜けて、女性器が滴るほど濡れているのを感じ
取っていたのです。

二人の女はその男、佐王子保に溺れました。それまで男たちに抱かれ、何度も何度も昇天し、全身
の水分をすべて吐き出すほど感じても、そして、男たちがどんなに熱心に誘っても、決してリピート
に応じなかった二人ですが、ここへ来て、佐王子以外の男と遊ぶ選択肢を二人の女は自ら進んで捨
ててしまったのです。こうなると遊びが遊びでなくなることを、二人の女は一番良く知っていて、
それを警戒していたのですが、女の本能に理性が負けたのです。

佐王子と会うのであれば、わざわざカラオケ店に行く必要がなく、二人の女と一人の男は、昼間か
らシティ・ホテルの一室で絡み合うようになったのです。しかし、よく言われることですが、よほ
どのことがない限り、3Pの関係は長続きしません、加奈と悠里も、結局佐王子を取り合うことに
なり、同じマンションに暮らしていながら、二人の女は間もなく顔を合わせることさえしなくなった
のです。

二人の女が互いにけん制しあっている隙間をうまく突いたのでしょう、佐王子は悠里を攻め落とし、
当初の狙い通り彼女の自宅を根城にした売春婦に仕立て上げることに成功したのです。

一方、加奈は佐王子の本心を見抜き、佐王子の魔の手から親友、悠里を救い出そうと決心したので
す。彼が女に使用する媚薬に秘密があると察知した加奈はその媚薬に対抗する手段を見つけるため、
あちらこちらに出かけて、何やら懸命に調べているようです。いずれ、加奈が佐王子に真っ向から
対決するシーンを目にすることになると思います。


ここまでFSハウスに住まう人々の生活を少しだけ垣間見てきました。何不自由なく幸せな生
活を送っているように見えるFSハウスの住人も、一皮剥けば、心の闇を抱えている人々が多
いことに気が付きます。そしてそうした人々の心の闇にこっそり分け入り、そこに住み着いている
人物の存在に我々は気が付きました。

竿師、佐王子保。本来彼の活躍場所は燦々と日の当たるFSハウスのような表舞台ではないは
ずです。ごみごみした都会のうらぶれた街角にひっそり建つ、薄汚いアパートが彼には似合うので
す。それでも彼は、何故か、このFSハウスに彼の拠点を構築しようとしております。

既に、FSハウスの自宅から失踪した幸恵はどうやら佐王子の罠にはまっているようですし、悠里
は彼の手にかかり自宅で売春稼業を始めました。そして、FSハウスの他の部屋、われわれの
目の届かない誰かの部屋で、彼の体に屈した主婦が悠里と同じように仕事をしているかもしれない
のです。

これから先、佐王子が仕掛けた糸に釣られた女がどのように生き、どのようにあがくのか、その物
語をゆっくり追ってゆきたいと考えております。


[4] フォレストサイドハウスの住人たち(その6)(134)  鶴岡次郎 :2014/02/28 (金) 13:54 ID:Zv4UM1Hs No.2483
ここでまた、加納千春の物語に戻ります。今のところ、千春とFSハウスとの縁は見えませんが、
既にこの物語のキーマン佐王子とは遭遇していて、彼の軍門に下り、彼の目指す「ビジネスとして
管理された売春」の一角を担う一人に登録されそうな流れです。

闇の仕事から足を洗って三ヶ月、千春は元気に働いています。時折、肌寂しく感じる時はあるので
すが、どうしても我慢できなくなると佐王子に連絡するのです。そうすると時間を空けて千春を抱
いてくれるのです。

今日も元気に千春は働いています。フイッテイングルームで、千春は50過ぎの見るからに洗練さ
れた紳士の相手をしています。どうやら、これと思う一足が決まった模様です。紳士がクレジット
カードを出し、千春が携帯端末で決済処理を済ませました。そして、靴の入った紙袋を紳士に手渡
しました。その瞬間、紳士がポケットから名刺大の赤いカードを取り出し、千春に手渡しました。

一瞬ハッとして千春が紳士の顔を見上げました。紳士も千春の顔を直視しています。

「よろしければ、今晩いかがでしょう・・」

千春はその場に凍りついたように紳士を見つめていました。一分ほどそのまま時間が経過しました。
やがて、ニッコリ微笑んだ千春が口を開きました。

「私でよければ、喜んで・・、
それでは、少々お待ちください」

個室から出た千春は自身のロッカールームへ戻り、名刺大のメモ用紙を手にして戻ってきました。

「ここでよろしいでしょうか・・」

紳士がメモに視線を走らせ、黙って頷いていました。千春は店の玄関までその紳士を見送りました。
カウンターの中に居る店長もニコニコ顔でその紳士に頭を下げていました。勿論、靴を買い求めて
くれた顧客への挨拶です。まさか、千春の身体も売れたとは店長は想像さえしていないのです。


陰の仕事の最終交渉はほとんど千春の勤める店内で行われます。佐王子と事前に交渉を済ませてい
る紳士が赤い札を差し出し、そのお客で問題ないと判断すれば、千春は小さく頷き、赤い札を受け
取り、メモを手渡すのです。そこには今夜の時間と場所が記入されているのです。これでその夜、
彼女はその紳士に買い取られることになるのです。もちろん、彼女の好みで商談不成立にすること
も許されているのですが、体調不良の時以外、彼女はお客を断ったことがありません。

お客のほとんどは中年過ぎの社会的に高い地位に居る紳士で、売春の代金は別ルートで決済され、
千春は給料の数倍に当る金額を毎月手にするようになっていました。

お客達は店で働く千春を観察し、最終的に千春が気にいれば赤い札を差し出すのです。実物を見て、
千春への興味が失せるようなら、そのまま店を出ればいいのです。

これまで千春を見て、断った男は居ません。女性にそれほど飢えていない男達で、その上かなり高
額の料金を事前に支払っているわけですから、彼らはなまじの女では納得しないのです。もし、美
しく着飾った千春をキャバレーの薄暗い照明の下で見れば、千春ほどの女でも、何人かのお客は赤
い札を出すことをためらうことがあると思えます。
しかし、一流店舗の中で、制服姿で生き生きと働く千春を見ると、彼等の興味と欲望は一気に膨れ
上がり、千春を早く自分のものにしたいと思うようです。

女性は普段の生活場所の中でこそ本当の美しさを見せるものですが、佐王子はそのことをよく知って
いて、職場や、家庭の中で働く普段着姿の女たちをお客に見せることで、女たちの本来の魅力を男
たちに見せつけているのです。佐王子が特別の売春拠点でなく、FSハウスのような普通の生活拠点
を彼の稼業の拠点として選んでいる理由がなんとなくわかります。女を最高の状態で見せることに長
けた佐王子の巧みな仕掛けがここでも大きな効果を発揮しているのです。


[5] フォレストサイドハウスの住人たち(その6)(135)  鶴岡次郎 :2014/03/01 (土) 13:40 ID:nGTOWyI2 No.2484

千春自身にも大きな変化が出ています。以前は靴を売りたいがための献身的なサービスが高じて、
先輩の春美に見習って体さえも差し出すようになり、最初こそおずおずと抱かれていたのが、慣れ
てくると好色な体質からにじみ出る欲望を抑えることができなくなり、その行為そのものにのめり
こむようになり、ついには商売気抜きでお客の顔を見れば、習慣的に体を差し出すようになってい
たのです。

そんな状態ですから、男たちに抱かれた後は自己嫌悪感と罪悪感にいつもさいなまされていたので
す。おそらくその状態が続けば、お店で買春行為がバレる前に、千春は精神的に崩壊し、職を離
れ、社会の底辺にまっすぐに落下する道をとることになったと思えるのです。

佐王子と知り合い、彼のマネージメントの傘下に入ってからは、表の仕事と一線を画して、体を売
ることが仕事と割り切って男に抱かれることになったのです。普通であれば売春行為は女にとって
転落の一歩なのですが、千春の場合は違いました。

抑えきれないきれない体の要求に耐えかねて、周囲の目を盗んでこそこそとお客を誘惑する必要が
なくなり、佐王子に連絡すれば、毎日でも男に抱かれることができるようになったのです。以前に
比べて千春の精神状態は極めて安定しているのです。勿論、体を売っていることへの罪悪感は皆無
ではありませんが、だれに迷惑をかけるわけでもないと割り切れば、もともと好色な体質を持つ千
春はこのアルバイトを楽しむ余裕さえ持つようになり、昼間は店員、夜は娼婦の生活に違和感を
持たないで馴染んでいるのです。

また、佐王子に紹介された医院へ定期的に出向き、避妊や感染病への対策を処置してもらうように
なり、その関係の心配が消えたことも千春の気持ちを安定させる一要素にもなっているのです。

もともと好きでシューフィッターの道に入った千春ですから、迷いの消えた千春はすべての情熱を
この仕事に向けています。そして今では、実績とその能力から紛れのなく店内で一、二を争う
フィッターになっているのです。

この店では、シュー・フイッターは単に靴だけでなく紳士のファッションに関しトータルコーデイ
ネーションにまで手を伸ばすのが普通になっています。というのも、千春の勤める店は靴店からス
タートしたのですが、その後服飾関係や、バッグ、アクセサリー部門にも進出して、今では男性
ファッションの一流ブランドの一つにまで成長していて、一階が千春の勤める靴売り場で二階、三
階が高級紳士服と小物を扱う店になっているのです。その関係で、お客が望めば千春達はトータル
コーデネイトをやることも珍しくないのです。

千春に赤い紙を出し、彼女を買い求めることになったお客たちは、彼女のご機嫌どりのつもりで、
彼女にアドバイスを求め、靴や衣服を買い求めることがあります。それまで靴や服装に気を配らな
かった男性たちがほとんどだったのですが、千春が与えたファッションアドバイスで買い求めた靴
や衣服を身につけると、妻や部下がまず驚き、男達もまんざらでない気分になるのです。そして、
それまではどちらかというと自信の持てなかった自身のビジュアル面でもかすかな自信を持つよう
になっていたのです。

そうなると不思議なことに男達の仕事もより順調に展開しはじめたのです。どうやら千春と付き合
うことで、性的な面に止まらず、ビジュアル面でも、男達は一度失った自信を取り戻し、仕事の出
来る男にさらに磨きを掛けることになるのです。

こうして、ベッドの上で悶える超淫乱な売春婦の表の顔、プロフェッショナルなファションアドバ
イサーの一面を知ることで、男達は千春を再評価し、さらに千春にほれ込み、リピートで彼女を抱
くようになったのです。

彼女を取り囲む男達のファングループが瞬く間に出来上がりました。勿論男達は互いに他の男達の
存在をほとんど知りませんが、リピートで彼女を求める安定したお客集団が出来たことで、佐王子
と千春のビジネスは開業数ヶ月で安定域に入っていたのです。@2014/3/2


[6] フォレストサイドハウスの住人たち(その6)(136)  鶴岡次郎 :2014/03/02 (日) 11:50 ID:JeEqyR.Q No.2485
2014/3/2 記事番号2484に一部修正を加えました。

千春は週に二、三度ほどのペースで客を取ります。千春の体調が悪い時や、どうしてもその気にな
れないお客が来た時は、千春は赤い札を受け取らないのです。佐王子とお客の関係はかなり強固な
利害関係で、良く言えば強い同族意識、信頼関係で、結ばれていて、彼らは佐王子の売春システム
を守り通すことを第一に考えていますので、千春がわがままを言っても、お客達は笑って引き下が
り、決して無理強いしない姿勢を見せていました。

お客たちは制服姿の千春を抱くことに執着します。通常は勤務が終わるとロッカーで私服に着かえ
るのですが、お客の予約が入っていると制服のまま店を出るのです。そんな時、千春は一切の下着
を取り払ってブラウスと紺のタイトスカートだけを着け、店の前で車を拾って、そこから数キロ離
れた指定ホテルへ向かうのです。ホテルの予約と支払いは佐王子の手の者が済ませているので、千
春はフロントでカギを受け取り部屋に向かいます。

部屋に入ると待ちかねていたお客が千春を抱きしめます。一日働いた女の体には様々な匂いや汚れ
が付いているのですが、大半のお客はシャワーに入る前の千春の体をほしがります。ブラウスとタ
イトスカートを脱がさないで、衣服をめくりあげて体を嘗め回すのです。下着がないことを確かめ
ると男たちの欲望に一気に火が付きます。

女をその場に押し倒し、ブラウスのボタンを全部外し、獣のように乳房にかぶりつくのです。激し
い痛みに耐えかねて女が大きな悲鳴を上げますが、男はその悲鳴を喜びの声だと勘違いして、さら
に強くかみしめるのです。うっすらと血がにじみ出るほど強くかみつくことも少なくありません。

スカートを腰までまくり上げ、女の両足をいっぱいに開き、男は足のつま先に舌を絡めます。視線
を芳香を放つ黒々とした股間の亀裂に向けているのです。男の舌はつま先から太もも、大腿部へと
進みます。そう若くない男たちはここで一気に攻めることを好まないのです。ゆっくりと攻め上が
り、女が喘ぎだすのをじっと待つ余裕を持ち合わせているのです。

大腿部を過ぎた男の舌はゆっくりと臀部を嘗め回し、香りがきついはずの菊座も丁寧に嘗め回しま
す。千春は男の舌がその部分を攻撃することを前もって知っていますので、使用後は何時も丁寧に
指を使って中まできれいに洗う習慣を身につけています。

男の舌がいよいよ股間を攻めます。ここに至るまでに千春は一、二度軽く逝っています。それほど
多くない陰毛を時々口に含みながら、男たちの舌は一番汚れた部分に到達します。この部分が男た
ちにとって、一番おいしい部分で、その香り、味、その蠢き、すべて生のまま賞味したいと男たち
は思っているのです。そのことを熟知している千春は使用後、この部分にはビデを使用しないので
す。丸一日下着に包まれていたそこは、野生のまま温存されているのです。そこは男たちが狂喜す
る芳香に包まれた楽園なのです。

むせびながら丹念にホール周りに舌を使い、男たちは泉から湧き出るかぐわしい聖水で喉を潤すの
です。この頃には千春はわけの判らない悲鳴を上げて、のたうち回っているのです。こんなになって
も制服を脱ぎ捨てることが許されません。
毎度のことですが、清楚な風貌の千春が一転して狂気の形相を浮かべ、四肢をいっぱいに広げて、
もだえる様は、男たちの征服欲をこの上なく満足させるようです。

頃合いを見て男の舌がホールの中にねじ込まれます。中には長い舌を持った人もいて、膣内に数セ
ンチ舌を挿入し、その中をかき混ぜる芸当をやり遂げる人物もいるのです。こうなると舌は第二の
男根と言えます。そんな男に巡り合うと千春は本物の男根を受け入れた時より、激しく感じるので
す。

一時間を超えて全身を嘗め回す男も少なくありません、中には、なめるだけで挿入に至らないで終
わる男もいます。どうやら、中年過ぎの男にとって、若い千春の体に付着した汚れや香りは、彼ら
にとってこの上ない精力剤であり、癒しの元になるようです。

性交そのものはそれほど濃厚なものでなく、正上位で挿入して、10分程度で完了するのが一般的
です。その都度精液を出す人もいれば、ほとんだ出さない人もいます。何度か千春を買うごひいき
さんにはゴムなし挿入を許しています。
千春の体を守る意味と、お客に悪い病気を感染させないため、佐王子の指示で、千春は定期的に指
定医院へ出向いています。ここで避妊処置と時に応じて洗浄等の治療も受けているのです。

ベッドの上で過ごす時間は長くて二時間ほどで、ことが終わるとシャワーを交互に浴び、持参した
私服に着替え、千春はお客と一緒に近くのレストランに出向き、遅い夕食をとるのが普通です。千
春は話好きでおしゃべりです。どんな人物といても会話が途切れることがないのです。これは千春
の隠された才能の一つだと思います。

中年過ぎの男にとって、若い女性、それも飛び切りの美人とたわいない会話を交わす機会など、ほ
とんどありません、実の娘との間でも会話らしい会話が存在しないが普通なのです。そのためで
しょうか、性的行為の後に待っているレストランでの会話が楽しみで千春を指名するお客もいるほ
どです。

お客との会話で必ず出る話題は次の質問です。最初からそんな質問をしてくる人は稀ですが、何度
か会っていると必ずその疑問をぶつけてくるのです。

「そんなに若くて、きれいで、その上仕事もできるのに・・、
なぜこの仕事をしているの・・?
お金のため・・?・・」

本気で千春の身を心配するお客が多いのです。お金が必要であれば出資をしても良いと言い出す男
も多いのです。

「・・多分この仕事が好きだからだと思います。
でも・・、本当に好きだからやっているのかと、聞かれると・・、
少し違う気がするのです。勿論お金がほしくてやっているわけではありません」

あいまいな笑みを浮かべてこのように返事するのがいつものことなのです。千春自身も自分の気持
ちが良く分からないようなのです。お店での戯れから客に身を任せるようになり、佐王子と出会い、
この道に本格的に入り込んだのです。気が付けば、すっかりその道に馴染んでいる自分自身を見つ
けて、動揺することもあるのです。ただ、この道に入ったことを後悔したり、この道から出ようと
思うことはないのです。やっぱりこの道が好きなんだと思う込むことにしているのです。

いろいろ思うことがあっても、ただ、一つ確かなことは、もし佐王子に出会うことがなければ、
もっと違う道を歩いていただろうと千春は思うのです。彼が居るからこそ、本業のシューフイター
の仕事を完璧にやり遂げながら、その陰で売春行為を楽しむことができていると彼への感謝の気持
ちを忘れたことがないのです。


こうして、千春と佐王子の仕事は二年ほど何事もなく続きました。勿論、千春の表の商売も順調で、
シュー・フイッターとしての千春の名前は業界で不動のものになっていたのです。@2014/3/2



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