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フォレストサイドハウスの住人たち(その5)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2013/12/02 (月) 15:01 ID:JeEqyR.Q No.2439
高級靴店でシューフイッターをしている秋吉春美は里の両親がお膳立てをしてくれた伊熊正太郎
とお見合いをしました。彼は二人の子供を残して奥さんに先立たれた農業を稼業とする50男で
す。アラフォーに差しかかったとはいえ初婚で美人の春美がこの縁談に乗るとは、話を勧めた実
家の両親も期待していませんでした。しかし、大方の予想に反して春美は正太郎に一目ぼれして
しまいました。春美がその気になったのであれば、善は急げとばかりに、お見合い当日、仮祝言
を挙げて二人は夫婦となったのです。

春美自身も気がついていなかったのですが、春美の女性器には生まれつきの不具合が潜在してい
て、初夜の営みで正太郎の超巨根を受けいれることが出来ませんでした。正太郎に励まされて手
術を受けました。春美の症状はよくある症例で、手術そのものも簡単で、その結果、春美は初め
て『女の喜び』を知ることになりました。この一連の事件が春美と正太郎をよりいっそう強く結
びつけることになったのです。

さて、春美には何事も話し合い、助け合ってきた同じ店で働く友人、加納千春がいます。『・・
・私などとは異なり、千春は女として凄い感性に恵まれている、その感性の使い方を一つ間違え
ば奈落の底へ転落する心配がある、心許して付き合う男は慎重に選ぶのだよ・・・』と春美はこ
とある毎に千春にアドバイスしてきました。春美が寿退社してしまうと春美は一人取り残される
ことになります。感性豊かな、言い換えれば男好きでスケベーな千春は一人残されたのです。千
春のこの先が心配です。この章では、少し時間をかけて、千春の行く先を、どんな男との交流が
待っているのか、ゆっくりと追って行くことにします。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その
11)』の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきま
す。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余
脱字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにし
ます。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した記事を読み直していただけると幸いです。

  ・ 文末に修正記号がなければ、無修正です。
  ・ 文末に(2)とあれば、その記事に二回手を加えたことを示します。
  ・ 『記事番号1779に修正を加えました(2)』、文頭にこの記事があれば、記事番号1779に
    二回修正を加えたことを示します。ご面倒でも読み直していただければ幸いです
                                        ジロー   


[23] フォレストサイドハウスの住人たち(その5)(123)  鶴岡次郎 :2014/02/05 (水) 12:25 ID:UJWHxZXs No.2467
男が素直に犯行を自白した本音が判ったことで、店長はかなり余裕を取り戻していました。もし、
男が犯行を否認したら、どう決着をつけようか思案がまとまっていなかったのです。

〈こんな男でも、親分に責められるのが恐いのだ・・、
しっかりした組織のようだから、このことがバレたら、軽くて一年の降格、
再犯であれば、一番下のチンピラまで降格されるかもしれない・・、
いずれにしても、この男の弱みを掴んだ・・・・。

それにしても・・、恐れていたことが現実になった・・。
さて・・、どうするか・・・、
幸い、この男はそのことをネタにして脅かしをかけるつもりは無い様だ・・、
そうであれば、口を封じるだけでいいことになるが・・・・・〉

お客が素直に罪を認めた真意が判り、店長はほっとしながらも、お客の言葉に愕然としていました。
男の言葉どおりであれば、加納千春ならセクハラ行為を易々と受け入れると、お客の知り合いから
面白おかしく教えられ、千春のカラダ目当てにこの店に乗り込んできたのは確かなのです。

それまで、千春達の破廉恥な行為をうすうす知りながらも、好調な売り上げを維持するため黙認し
てきた店長ですが、その行為を初めから期待して来店するお客がいることを初めて知ったのです。
その行為がお客の間にかなり知れ渡っていることを店長は悟ったのです。一番恐れていたことが現
実になったのです。

〈店員達の破廉恥な行為このまま放置すれば、やがて噂が噂を生み、店員の身体を餌にして営業を
しているいかがわしい店の烙印を押され、本社からきついお叱りを受け、閉店に追い込まれること
になる・・・。

人知れず、この問題を解決したい・・、今なら何とかなるはずだ・・・〉

店長は宙に視線を向け、目の前に居る南の事を忘れて、店員達の不祥事の始末方法を考えることに
夢中になっていました。

「店長・・、どうだろう・・、
これで許していただけるだろうか・・」

「アッ・・、そうでしたね・・」

我に帰った店長が目の前に居るお客、南に微笑みかけています。先ずこの男の処分を決め、それか
らこの男の口を封じなくてはいけないと、店長は考えました。一見してまともな稼業の男には見え
ないですが、話せば判る男だと、店長は判断したようです。

「私どもの店員が新人で、お客様のからかいに対して、やや過剰な反応をしたにもかかわらず、正
直にお話しいただき、その上、そのことを十分反省されていることが良く判りました。私共がこれ
以上、申し上げることは何もありません・・。

私共にとっても、お客様にとっても、今回の事は名誉なことではありません・・、
いろいろ考えたのですが・・・、
お客様さえ納得いただけるなら、全てを水に流したいと思っております・・・。

お客様、今回の事は全て・・、忘れてください・・・。
私共も、今日起きた事は全て忘れます・・。

そして、このお金は引っ込めてください。
何もなかったことに・・、
あの子には私からも良く言っておきます・・」

テーブルに置かれたお金を押し戻しながら店長が笑みを浮かべて言っています。ビックリした表情
で男が店長を見ています。

「無罪放免なの・・・、そう・・、そう言っていただけると・・、
俺としては有難いのだが・・、何だか悪い気がするネ・・・、

判った・・、店長のご好意に今回は甘えることにする・・」

そう言って、男はテーブルの上のお金を取り上げ、ポケットに納めました。男の動きとその表情を
店長が油断なく探っています。次に男へ突きつける要求の成否を店長は探っているのです。


[24] フォレストサイドハウスの住人たち(その5)(124)  鶴岡次郎 :2014/02/07 (金) 12:17 ID:a/6MC0Is No.2468
店長が頭を下げています。

「さっそくご了解いただき、感謝申し上げます。
これから先も、当店をよろしくお引き立てお願い申します。
そして、勿論・・、あのようなお戯れは今回限りということで・・、
このことも、よろしくお願い申します」

「ハハ・・・、参ったね・・、
判った・・、これからは気をつけるよ・・」

「ところで、お客様さま・・・、先ほどの南様のお話では、お知り合いの方が加納千春をご贔屓
(ひいき)にしていただいていると言うことで、彼女のことをお知り合いから紹介を受けたと
おっしゃっていましてね・・・」

満面に浮かべていた笑みを消し、少し姿勢を改め、店長は男を真正面から見つめ、口を開きました。
店長のただならない様子を感じ取り、男は迎え撃つ姿勢を見せています。

「南様・・・、

失礼を承知で申し上げます。もしかすると・・、加納ならあのような戯れを受け入れるはずだと
南様はお仲間の方からそう教えられたのではありませんか・・?

それで、南様は佐藤も加納と同類だろうと思われて手を出された・・・・。
私はそういう風に推測したのですが・・・、間違っているでしょうか・・?」

迷った末に店長はストレートに本題に入ることにしたのです。普通の人間と異なり、この種の男に
は言葉を飾らず、ストレートに質問をぶつけ、その反応を見る、こうしたやり方がいいと店長は判
断したのです。案の定、露骨な質問にも男は驚きを見せないで、ただ黙って頷いています。店長の
言葉を全て認めているのです。

「やはりそうでしたか・・・」

店長は落胆の様子を隠そうとしません。男がそんな店長の様子をじっと見ています。

「どうやら、お客様も、そして、お客様のお仲間も大きな誤解をされているようです。そして、お
客様にそうした誤解を与えたことを私は今、大いに反省しております。

よろしければ、少しお時間をいただいて、私の説明を聞いていただきたいのですが・・、
ありがとうございます・・」

沈痛な面持ちで低い声で、店長が語っています。南は熱心に耳を傾け、大きく頷き、店長の話を聞
く姿勢を見せています。

「加納千春は当店を代表する優秀なシューフイッターで、技術、接客態度共に優秀で沢山のお客様
からご好評をいただいております。私から見ましても、彼女は情のこもった接客をしますので、お
客様からたいそう可愛がれ、ご指名をいただく回数も店では常にトップクラスです。

お客様によっては興に乗ると、セクハラに近い悪戯を仕掛けたり、女の子が聞くと恥ずかしがる戯
言を言う方も結構多いのです。そんな時、彼女は嫌がらず、優しく応えますので、時々、お客様が
誤解をされて、軽い悪戯が更に進行することがあります。そうなるとセクハラ行為そのもので、い
かに大切なお客様でもそうした行為をされたのでは出入りを止めていただくことになります。

彼女はそんな時でも、上手くいなして、大きな騒動を起こしたことがありません。お客様に喜んで
いただけるなら、多少のわがままは黙って受け入れようと加納は考えているようなのです。

多分、南様のお知り合いの方は、そうした加納の接客を受けて、彼女を軽い、遊び好きの女だと誤
解されたのだと思います。それでお仲間の南さんにもそのことを得意げに話されたのだと思います・・・」

ここでも男は黙って頷いています。

「加納千春は南様のお仲間が考えておられるような女では、決してありません。

多分、お友達は南様と同様イケ面で、もてるタイプの方だと思います。そんなすばらしい方をお客
に迎えて、加納が商売気を離れて奉仕したとしても不思議はありません。多分、普段はしない特別
サービスをしたのかもしれません。加納も生身の女ですから、いい男を見て多少の行き過ぎたサービ
スをしたからと言って責めるわけには行かないと私は考えています。

南様のお仲間は大切なお得意様ですが、私共の店員が誠心誠意で接客した態度を誤解され、根も葉
もない噂話を他人に吹聴されてはとても困るのです。

加納にしても、商売気を離れて奉仕した結果を面白おかしく他人に話されては可愛そうです。もし
彼女がこの話を聞けば、きっと悲しむと思います。せっかくの女心が汚されたと思うでしょう・・」

ここで言葉を切り、店長は南の様子を注意深く観察しています。ここで、南が店長の説明を否定し、
『・・しかし、私の知人は加納千春と何度も寝たことがあると教えてくれたよ・・、この事実はど
う説明するの・・?』と、言い張り、反撃に出てくるようなら、その時は、南と真っ向勝負で、厳
しく迎え撃つ覚悟を固めているのです。

店長の危惧は空振りで、南は店長の顔を見つめたまま、何度も頷き、店長の説明を全面的に受け入
れているのです。


[25] フォレストサイドハウスの住人たち(その5)(125)  鶴岡次郎 :2014/02/11 (火) 17:00 ID:c1q096I2 No.2470

男を真正面から見つめて店長は笑みを浮かべています。しかしその瞳は鋭く光っているのです。並
みでない店長の迫力を感じ取り、男の顔から笑が消え、店長の顔をじっと見ています。

〈・・この店長・・・、
先ほどから素人とは思えないほど落ち着いている・・・。
何処から見ても、明らかに遊び人と見える俺に対応していながら、
恐れるどころか、俺を見下してさえいる・・。

そして、今見せているこの迫力・・、
今は大人しく店長に収まっているが・・・、
元をただせば、ただ者では無いだろう・・・

ここで無理押しをすれば、この店長のことだ、何を言い出すか判らない。
ほぼ目的は達成したことだし、おとなしく引き下がる時だ…」

店長の表情、態度から、男は自身と同じ匂い、それもかなり強い匂いを感じ取り、姿勢を正してい
るのです。

「こうした話は、酒の席でよく話題になるが、本当だったことが一度もない・・、
俺としたことが、そんな話に乗って、ノコノコ出てきたことが恥ずかしいよ・・

良く考えれば・・、これほどの名店で、
安キャバレーのようなおふざけが許されるはずがないのだ・・、
俺が甘かったよ・・。

知人から聞いた加納千春さんの話は全部忘れることにする。
勿論、知人にもそのことを良く伝えておく・・。

あの子・・、佐藤薫さんといったね、酷いことをしてしまった。
店長からよく謝っておいてほしい。
出来れば全て、忘れてほしいと伝えてほしい・・、
店長このとおりだ、今回のことは堪忍して欲しい・・」

男が深々と頭を下げ、店長がそれに応えて深々と頭を下げています。互いに相手の気持ちが良く
判っているようです。店の玄関まで男を送って行った店長が男の後ろ姿に深々と頭を下げていま
した。


その日、閉店を30分早めた店長は全店員を集め、今日発生したセクハラ事件を公表しました。

「佐藤君はお客様のセクハラ行為に堪えながら、騒ぎ立てることなく、やんわりとお客の手を振り
払い、私に電話をしてきた。この時点で、お客はまずいことになったと反省をはじめていたと思う。

私がヒヤリングすると、深く行為を恥じ、反省をしたお客はお見舞金を差し出し、佐藤君に謝りた
いと言い出すまでになっていた。

勿論、お客様のお気持ちだけはありがたくいただいて、お金は受け取らなかったが、反省を示した
お客様の気持を佐藤君が理解してくれて、そのお客を許すと言ってくれた」

店長は佐藤薫の勇気ある行動と、敏速な対応を絶賛しました。出席している店員全員が拍手をして
いました。

「はっきり言って、皆さんの技術プラス皆さんの魅力の両方がこの店の売りです。魅力のある皆さ
んですから、これから先も、何かとお客様が悪戯を仕掛けることがあると思います。その時は、お
客様を悪者扱いには出来ません、酷い事態にならないよう、やんわりと抵抗して逃げてください。

お客様が非常に魅力的であったり、あるいは皆さんの気持が異常に高ぶっていて、お客の誘いをあ
る程度までなら受け入れようと、限度を超える接待したいと思うことが起きるかもしれません。

お客様と淫らな関係を持つ事は、皆さんに限って、絶対ないと信じておりますが、店長の立場から
ひと言、注意しておきたいと思います・・・」

そこで言葉をとめて、店長は全員を見回しています。次に店長が何を言い出すのだろうかと皆が固
唾を呑んでいます。中でも、すねに傷を持つ店員達はまともに店長の顔が見られなくて、視線を床
に向けています。


[26] フォレストサイドハウスの住人たち(その5)(126)  鶴岡次郎 :2014/02/16 (日) 17:23 ID:LkIBhYdg No.2472

半数近くが店長と視線を合わせていないのです。店長の顔をまともに見ることができない店員の数
が予想以上に多いことを知り、店長は愕然としています。

〈・・なんと・・・、半数近くがお客と通じているのか・・、
加納千春と・・、彼女の他、多くても二、三人と思っていたが・・・・、
清楚の容姿を見せている、立花佳代までもか・・〉

全身が震えるほどの戦慄を感じながら、それでも笑みを浮かべて店長は全員を見回していました。

〈加納千春を中心にした二、三人を処分すれば恥ずかしい事実を葬り去ることができると思ってい
たが・・・、店員の半数がこの問題に関与しているとなると・・・、
関係者を全員処分することはできない、そんなことをすれば、店をつぶすことになる。

では・・、どうすればいいのか・・・・〉

結論が出ないまま店長はゆっくりと口を開きました。

「その昔、聞いた話ですが、ある店でお客と不自然な関係に陥った店員がいました。彼女はもとも
と優秀な店員だったのですが、悪いお客に騙されたのだと思います。そのお客にそそのかされて、
他のお客にも限度を超えて媚を売り、時には自分の体を提供するようにさえなったのです。

その店員は仲間の店員に誘いかけ、同じ様な行為をさせるようになりました。そうなると、短期間
にほぼ半数の店員がそうした行為に走るようになったのです。

しかし、いつまでもそのことを隠し通すわけには行かなくて、お客の口からそのことが洩れて、噂
が噂を生み、あっと言う間に、その店はいかがわしい風俗店のように見られることになったのです。

そうなると、良いお客は逃げ出し、そのことが目的のお客だけが来るようになり、その店は通常の
商売が出来なくなり、廃業に追い込まれました。働いていた店員たちは、真面目に働く意欲をその
時既に失っている者が多く、結局大部分の女性が風俗関係に身を落としたと聞いています。

これは作り話ではなく、実際にあった話です・・・」

全店員が店長の顔を見つめ、熱心に耳を傾けています。

「最初に申しあがたように、私たちは非常に誘惑の多い職場で働いています。そして、皆さんは紛
れもなく魅力ある女性です。少しでも油断すると、恐ろしい魔の手が伸びてきて、気が付かない内
に堕落するのです。私たち一人一人が、正しい理性と自覚をもって接客することが何よりも大切で
す。私たちの店をみじめな状態にしてはいけないです。

お客様からセクハラ行為を受けたら、どうにもならない状態に陥る前に、佐藤君がしたように、私
に先ず連絡を入れてください。皆さんと力をあわせて、この微妙な問題に、逃げないで、真正面か
ら取り組みたいと思っています・・・」

店長の気迫のこもった気持は店員全員に届いたようです。接客業ですから多少の事は認めるにし
ても、度を越しては店の品位に関わり、店員の気持も荒んだ来ると店長は警告しているのです。

ここまで訓示した店長に最大の難問が残されていました。千春をはじめとした破廉恥行為をやって
いる店員への対応です。


[27] フォレストサイドハウスの住人たち(その5)(127)  鶴岡次郎 :2014/02/17 (月) 14:29 ID:HuEeYEOw No.2473

既に決定的な証拠を掴んでいる千春と疑わしい二、三人の仲間が対象であれば、彼女たちを密かに
呼び出し、良く話し合えばことは解決すると店長は考えていたのです。しかし、半数近い店員がこ
の犯罪に関係しているとなると、彼女たちの罪を暴くと、社内で事が公になり、罪を犯している店
員は勿論ですが、店長も処分を免れられないのです。その上、そのことが外に漏れると店も閉店に
追い込まれる可能性が高いのです。

みんなを前にして、店長はこの先の対応策をじっと考えていました。策を考え出すにはあまりに時
間は短いのです。しかし、先延ばしにはできないのです、この場ではっきりと方針を出さないと悔
いを残すことになるのです。店長は笑みを浮かべて全員を見回しながら、すごいスピードで頭の中
を回転させていました。

〈うん・・、これしかないな!
決定的な証拠をつかんでいる晴美も、疑わしい店員たちも、今回はこのまま泳がせよう、そしてみ
んなに見える形で監視を強化しよう、それで彼女たちが行為を止めれば、それはそれで結構だし、
私の目を盗んで犯行を重ねるようなら、その時は現行犯を押さえて、厳しく対処しよう・・〉

店長は決心を固めました。そして、少し厳しい表情を浮かべ、口を開いたのです。

「今回のような事件がこの先も起きると思います。皆さんだけにその対応をお願いして済ませるこ
とはできないと思っております。今まで以上に、私自身も店頭に出て、お客様の対応に努めるつも
りです。

そして出来るだけ皆さんの側にいて、皆さんを守りたいと思っています。
お客と一緒に個室に入った皆さんを、私はいつも見守っています。
扉の外にはいつも私がいると思って、安心して働いてください・・」

この言葉は千春のようにすねに傷を持つ店員へ向けたものだったのです。佐藤薫のように、何も悪
いことをしていない店員は言葉どおり、店長がいつも見守ってくれると受け止めたのですが、お客
と個室で戯れている店員は、〈店長が個室の外で見張っている。悪い事は出来ない・・〉と、受け
止めたのでした。

お客からセクハラ行為を受けたら直ぐに報告するよう周知させると同時に、店長は内偵を強化する
ことを宣言し、すねに傷を持つ店員にはそれと判る表現方法で、個室も監視の対象にすると宣言し
たのです。

店長の狙いは明らかです。千春は勿論、同じことをしている店員たちに恐怖を与え、千春達が彼女
達自身の判断で自発的に行為を止めるように誘導する作戦なのです。そしてこれこそ、佐王子の狙
いでもあったのです。


[28] フォレストサイドハウスの住人たち(その5)(128)  鶴岡次郎 :2014/02/18 (火) 15:23 ID:pmKYlsCk No.2474

佐藤薫のセクハラ事件が発生した翌日、休暇明けの千春は出社してその事件の全貌と、店長訓話の
内容を知りました。そして、セクハラ事件の被告、南伊織こそ佐王子が差し向けた仕掛け人である
ことを察知していました。

千春と一緒に今回の筋書きを決めた時は千春が架空の噂をお客に広めることにしていたのです。そ
して、田所にはこの筋書き通りの内容を説明し、彼を信じ込ませることに成功したのです。田所を
うまく騙した千春の報告を聞いて、佐王子は考えました。

〈勘のいい田所と同じように他のお客が状況判断するとは限らない・・、
千春が田所に説明したセクハラ事件を実際に引き起こし、
あの店の関係者をその気にさせることにしよう・・・〉

レストランのオーナーである田所は、断片的な千春の説明を聞き、勘良くすべてを見通し、危険を
察知して逃げたのですが、他のお客が田所のように勘がいい人ばかりではないのです。今回の作戦
を確実にするため、千春が田所にした嘘の情報を現実のものにするべく、佐王子は腹心の部下、南
伊織を店に派遣したのです。南が新人店員、佐藤薫へ仕掛けたセクハラ事件に対して、佐王子の期
待通り、いや、その期待をはるかに超える反応を店長は見せたのです。あらかじめ店長と示し合わ
せていても、こう上手くは運ばないと思えるほどの結果でした。

結果として、店長をはじめ、店員全員がこの事件に巻き込まれ、その日の内に、店を挙げてセクハ
ラ追放活動が展開されることになったのです。千春がまき散らす予定であった噂話だけではここま
で到達するのは難しく、たとえ、ことがうまく進んでもこんなに早く狙いが実現するとは思えない
のです。
千春は改めて佐王子の非凡な力を認識していたのです。そして、彼に傾く気持ちはますます強く
なっていました。


田所に上手く対応できた千春はすっかり自信をつけたようです。それから毎日にように訪れる顧客
を相手に、時には涙を浮かべ、時には哀れみを乞う様に、丁寧に説明しました。

お客に応じて少しストリーの筋は変えましたが、大筋は田所に説明した内容を踏襲したのです。お
客たちは全員千春の説明に納得してくれました。そして、彼女を慰め、励まし、これからもシュー・
フイッターの千春をひいきにすると約束してくれたのです。

ある日、訪れた桜田は少し違いました。

「千春ちゃん・・、判った。
お店で戯れることは楽しいが、それが危険なことは良く判った・・・、
残念だけれど、店では大人しくするよ、その代わりと言っては何だが、
以前のようにホテルでのお楽しみはいいのだろう・・・、
店長だってそこまでは追っかけてこないだろう・・、
8時に、以前待ち合わせた○○ホテルでどう・・?」

「スミマセン・・、桜田さん・・・。
どうやら、店長は探偵を使って、私達のオフ時間の身辺も密かに調べているようなのです・・・。
なにしろ、お客様と変な関係が公になると、お店の信用問題になりますし、お客様にもご迷惑をか
けることになると思います。それで、店長は本気で疑わしい行為を店から追放する気になっている
のです。多分、店長は私達の誰かがお客とホテルへ行っている事実を既に掴んでいると思います。

もうしばらくは・・、いえ・・、これから先は・・、
残念ですが・・・、私達は身奇麗に暮らさなければならないのです。
セックス抜きで、接客することになると思います。

当然といえば、当然ですよネ・・・。本当に残念です・・・。
桜田さんに可愛がっていただいた思い出を大切にして、真面目に働きます・・」

涙を浮かべて話す千春の言葉に桜田はしきりに頷いて、破格のチップを彼女の手に残して個室から
出て行きました。

こうして二ヶ月も経つと、あらかたの顧客に千春は事情が変わったことを伝え終わりました。全て
のお客が千春の説明を信用し、快く引き下がりました。そして、この頃から、千春は個室の扉を開
け放したままフイッテイングをするようになりました。


[29] フォレストサイドハウスの住人たち(その5)(129)  鶴岡次郎 :2014/02/23 (日) 15:04 ID:bY9R.bzM No.2475

セックス抜きの接客をするようになっても千春の売り上げは落ちませんでした。それまで以上に心
を込めて接客しましたし、それまではおざなりだった新商品の勉強も身を入れてやりました。その
結果シューフイッターとしての千春の腕は目に見えて向上しました。お客の評判も上々です。
 
〈一生この仕事をしたい…、日本一のフィッターを目指したい・・〉

そんな気分にさえ千春はなっていたのです

今日も、いつもの様にドアーを開け放したままのフイッテイング・ルームで接客をして、高級靴を
売り上げた千春は、お客を店の玄関まで見送りに出て、ホッとした表情をして店に戻ってきました。
この瞬間が千春たちにとって一番うれしい瞬間なのです。

お茶でも飲もうかと休憩室へ向かおうとした時、同僚である佐野亜紀が側に来て、千春の手をとって
休憩室へ引っ張って行きました。いつもと違って、亜紀の表情は何かを思いつめた様子です。この時
間、休憩室には二人以外誰も居ません。

「千春・・、聞いた・・?
店長が私達の素行調査をしているのを知っている・・・?」

ひそひそ声で亜紀が千春の耳側で囁いています。亜紀は千春と同年齢で、渋谷ギャル系のファッ
ションが似合う可愛い娘です。

「素行調査って・・・?
エッ・・、もしかして、あのことなの・・?」

「ウン・・、あのこと・・・、
お客と寝ていることよ・・
店長は探偵を雇って、私たちのオフ時間も調べているそうよ・・」

亜紀と千春はお客と寝ていることを互いに告白しあった仲です。

「エッ・・!
探偵を使っているの・・・」

驚いて問いかける千春に亜紀が深刻そうに黙って頷いています。

「どうしょう・・、亜紀・・、
店長は何処まで知っているの・・・?
私のことも知っているの・・?
どうしょう・・、クビになるかしら・・、困ったわ・・・」

初めて聞いたかのように、驚きの表情を隠さず、千春は次々と質問を投げ続けました。冷静に見
ると、千春の慌てようはわざとらしいのです。勿論、亜紀はそのことに気がつく余裕はありません。

「千春・・、落ち着いて・・、
私や、千春のことがバレたとは言っていない・・」

「そう・・、そうなの・・
私たちのことはバレていないのね・・・、良かった・・」

ホッとした表情で千春が笑みを浮かべています。しかし、その表情がすぐに厳しいものに変わりま.した。

「亜紀・・店長が探偵を使っているのをどこで知ったの…?
もしかして、誰かがホテルで遊んでいるところを現行犯で探偵に押さえられたの…?
それとも、店長が何かをつかんでいて、誰かを呼び出して注意したの?
そうでなければ・・・、ああ・・、判らない…

亜紀・・、その話を何処で聞いたの・・・?
亜紀・・、私達・・、これからどうすればいいの・・?」

うろたえた千春が矢継ぎ早に質問を発しています。さすがに、亜紀があきれた表情で千春を見てい
ます。

「千春!・・少し落ち着きなさい、
そんなに次ぎから次に質問しては返事ができない・・・

店長から直接聞いたわけではない、
誰も店長から呼び出しを受けていない、
たぶん店長は個別の名前までつかんでいないはず…、

探偵を雇っている話を、お客の一人が、今日私に教えてくれた・・
そのお客は、他のお客からその噂を聞いたらしいの・・」

「そうか・・、又聞きの噂話なのね・・、
お客様の間でそんな噂が広がっているのよ、きっと・・
そうだとすると・・、
亜紀が知っているほどだから、他の仲間も知っているはずね・・」

「ほとんど全員知っていると思う・・、
お客と寝ている子も、寝ていない子も、
皆、成り行きを、じっと見守っていると思う・・」

情報の発信元はお客の一人だと亜紀が語るのを聞いて、千春は内心にんまりしていました。疑わし
い店員の素行調査を店長が探偵社に依頼したとのうわさ話の発信元は千春自身なのです。千春がそ
の噂話を桜田に話したのはニケ月前です。噂話は人から人へ駆け巡り、こうして発信者の千春の元
へ戻ってきたのです。佐王子の狙い通りの筋書きで事が進展しているのです。


[30] フォレストサイドハウスの住人たち(その5)(130)  鶴岡次郎 :2014/02/25 (火) 15:00 ID:uE8Axr5c No.2476

「ところで・・、店長は何処まで知っているの・・・?
亜紀・・、大切なことだから、
知っていることを全部教えてちょうだい・・」

「ウン・・、そう言われてもね・・、
そんなに詳しく聞いたわけではないし・・、
そのお客もはっきりしたことは知らないようだった・・・、
それでも、店長は未だ具体的な証拠を掴んでいないと・・・、
私は思いたい・・・」

「たしかに・・、亜紀の言う通りかもしれない…、
店長が私達の行為をはっきり掴んでいれば、
大人しくしているはずがない、直接私達を追及しているはず、
今頃、私も、あなたも首になっていてもおかしくない…。
それが無いということは・・・、未だ店長は証拠をつかんでいないのよ」

「千春・・!・・ 頭が良い・・その通りだよ、
店長が私達に何も言わないということは・・・、
私達の秘密を裏付ける証拠を未だ掴んでいないということだネ・・・・

ああ・・、良かった・・、本当に良かった・・、
実を言うとネ・・、なにもかも店長に知られてしまったと、
心配で、心配で、仕事が手につかなくて…、
千春に相談しにやって来たのだよ・・」

今にも泣きだしそうな表情で亜紀が喜んでいます。

「だって・・、昨日・・・、
私・・、二週間ほどレスだったから、我慢できなくて、
お店の外ならバレないと思って・・、
お馴染みさんとホテルへ行って・・、朝まで・・・・。

今日、ホテルから直接出勤してきたところ、
別のお客様から店長が探偵を雇っている話を聞かされて、
てっきり、ホテルのことがバレたと思った・・、
もう・・、ダメだと思っていた・・・・

良かった・・、本当に良かった・・」

涙ぐみながら、顔をくしゃくしゃにして亜紀が喜んでいます。

「亜紀・・、安心するのは早い、そんな噂が立ったという事は、何か疑わしい気配を店長がつかん
だと思うの、それで店長はそんな淫らなことが起きないよう、もし既に起こっているのなら、それ
が公になる前に火を消したいと思って、監視を始めていると私は思うの・・。

もしかしたら、私達に少しは疑いを持っているから、監視を始めたとも考えられるけどね・・、
いずれにしても、ヤバイ状況なのは確かよ・・」

「エッ・・・、そうなの・・、どうして判ったのかしら・・、
誰か、チクッたのかしら・・?」

「そうではないと思う、薫ちゃんのセクハラ事件が店長をその気にさせたのだと思う。訓話で、よ
その店で店員がお客と怪しい関係に陥り、お店を閉鎖することになったと店長が話をしていたで
しょう・・。

薫ちゃんのセクラハ事件が起きてみると、こうした事件は何時起きてもおかしくなくて、むしろ今
まで起きなかったことが不思議だと店長は考えたと思うの・・。
そうであれば、いずれお客と寝る子も出てくるかもしれない、もしかすると、すでにお客とそうし
た関係に陥っている店員がいてもおかしくないと・・、店長は警戒を強めたと思う・・・。

それで・・・、私たちの注意を喚起するため、探偵を雇い、その噂話をわざと広めた・・。店長の
狙いは、『もし・・、やっているなれば、今のうちに足を洗ってほしい・・』と、私たちに伝える
ことなのよ・・・」

「そう・・、そうなのか・・
別の店で起きた事例から、自分の店を調べる気になったのね・・、
私たちの行為を暴くことが目的でなく、私たちに警報を発することなのね、
あの店長ならそう考えるでしょうネ・・・」

「亜紀・・、
私はもう・・、御客と寝るのは止めることにする。
良い事でないのは確かだし・・・、
恥ずかしい行為を暴かれてお店をクビになったら、生きて行けない・・・、
たくさんの男に抱かれる楽しみが無くなるけれど・・、
我慢出来ないほどではないし・・」

「千春が止めるのなら、私も止める・・
実を言うとね・・、
いつまでもこんなこと続けるわけには行かないから、
止めるきっかけを探していたの・・」

「じゃ・・、そうしよう・・」

「ウン・・」


[31] フォレストサイドハウスの住人たち(その5)(131)  鶴岡次郎 :2014/02/26 (水) 11:40 ID:qM/Z/gzY No.2478

あっけないほどあっさり、二人は買春行為を止めると宣言しています。

「千春・・、なんだかとってもいい気分だね・・」

「そうだね・・、周りの雰囲気が変わった様な気がする・・」

ホッとした表情で二人は互いに頷きあっています。おそらく、これまで罪悪感と自己嫌悪感をいつ
も抱いて過ごしてきたのです。大きな肩の荷を下ろしたような気分に二人はなっているのです。

「それでね・・亜紀・・、私たちが止めると、一方的に決めても、それだけでは済まないのよ・・、
今まで可愛がっていただいたお客様に事情を説明して、これからは只の店員とお客様の関係に戻る
ことを理解していただけことが大切になる」

「そうだね・・、私達だけが止めると決めても、
お客様が許さない場合がありそうね・・」

「ことが事だけに、大ぴらに閉店通知を出すこともできないしね・・。中には、無理やり、やらせ
ろと言い出す人だっているかもしれない・・。私達だって、その行為が嫌で止めるわけでないし、
一度くらいなら禁を破ってもと、思うことがあるかもしれない・・。でも・・、止めると決めた以
上、どんなことがあってもお客様の要求を受け入れてはいけないと思うの、これが一番大切だと思
う・・・」

「そうだね・・、中途半端にするのが一番いけないことだね、私なんか意志が弱いから、一度抱か
れるとそのまま続けることになりそう・・・。
千春・・・、どうしたらいいだろう・・」

「お客様には出来るだけ正直に事実を告げて、理解していただくことにするといいと思うの・・。
お客様から声がかからなくなったら、私達から仕掛けることはないからね…。自然と、悪い習慣は
消えると思う・・、少し時間はかかるけど、じっと我慢することが大切だと思う。

私は・・、店長が私達の行為に何となく気がついて内偵を始めた様子だから、大事になる前に、口
を拭って何も無かったことにしたいと、お客様に頭を下げてお願いするつもりよ・・・。変に隠し
立てすると妙な噂が広がるといけないからね、お客さまだって、良いことをしていると思っていな
いから、すぐに判ってくれるよ・・」

「うん・・、私も・・、千春の言うとおりにする。
誘われてもホテルへは絶対行かないことにする・・
でも・・、正直言うと、少し寂しいネ・・・、ふふ・・・・」

「仕方がないョ、亜紀・・・、我慢、我慢・・。
ほしくなったら、お店と関係のない男を選ぶことにしよう。
これを機会に、いい恋人でも探そうか・・、ふふ・・・・・」

「恋人ね…、若い男でしょう・・、
私・・、若い男では満足できないかも…、
おじさん達に抱かれることに慣れて、若い男では逝けない体になったかも・・」

「亜紀のスケベ・・!
でも・・、私もそうかも・・・、ふふ・・・
私達って・・、年の割には、知り過ぎているのかもね・・・」

「仕方がないよ・・、その内、Hのうまい男を見つけよう・・」

「そうだね・・」

二人はにっこり微笑み会い、互いをハグしました。亜紀と千春がお客に抱かれるのを止めたこと、
そしてお客様へ説明する内容が、同じ行為を続けていた他の店員へもその日の内に伝わりました。
店長の訓示で怯えていた彼女達は直ぐにお客に抱かれることを止めました。お客への説明では、口
を揃えて、千春と同じ説明をしました。

元々、後ろめたい思いで店員たちを抱いていたお客たちは、彼女たちから事情を聞くと、直ぐに納
得して引き下がったのです。たちの悪いお客がしつこく付きまとうようなら、佐王子本人の出番も
あると彼は考えていたのですが、さすがに名店のお客たちです、店員たちから事情を聞くとあっさ
り引き下がったのです。

こうして、その店から淫靡な行為はとりあえず一掃されることになりました。深く先行してその行
為が密かに行われている可能性は完全に否定できませんが、それでも、ほとんどの個室で扉は開け
放たれたまま接客が行われるようになりましたし、店員同士のプライベートな会話でも、そうした
行為が話題に上がることはなくなっていたのです。以前、この店でかなり大ぴらに行われていたそ
の行為が、恥ずべき行為として地下深く葬り去れたことは確かなのです。

加納千春に関して言えば、その後、完全にその行為と無縁になりました。毎日、明るく、生き生き
として好きな仕事に打ち込んでいるのです。

〈もっと早く止めておけばよかった…〉

心から、千春はそう思うことが多いのです。佐王子の計略は見事に成功したのです。これで、この
店における汚い過去の痕跡は、彼女の心からひとまず完全に消し去られたことになります。


[32] 新しいスレへ移ります  鶴岡次郎 :2014/02/26 (水) 11:52 ID:qM/Z/gzY No.2479
新しい章を立てますので、スレを新設します。 じろー


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