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一丁目一番地の管理人〈その28〉

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2012/04/07 (土) 15:52 ID:/dYMb/4M No.2214
圧村和夫を撲殺した犯人が遂に逮捕されました。事件発生から約8ヶ月経過しておりました。当
初有力容疑者とみなされていた竹内寅之助は何者かの夜襲を受けて大怪我をしました。竹内は犯
人の心当たりがあるようですが、警察にはそのことを告げませんでした。

立花管理官が指揮した土手の森殺人事件はこれでめでたく解決したのですが、警察庁の伍台参事
官が関心を持つ売春組織は依然としてその全貌が闇に包まれたままです。竹内と敦子が何らかの
秘密を握っていると伍台は考えているのですが、いかに伍台でも、殺人犯の疑いが消えた二人を
これ以上調べることはできません。またしても、伍台は真の悪を逃がしたのでしょうか・・。  

一方、竹内を襲った相手はどうやらヤミ金組織が放った手の者のようですが、これで、竹内と敦
子の逃避行は終わりになるのでしょうか、それとも新たな展開があるのでしょうか、相変わらず
ゆっくりと語り続けます。ご支援ください。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その
11)』の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきま
す。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字
余脱字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるよう
にします。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した記事を読み直していただけると幸
いです。

  ・ 文末に修正記号がなければ、無修正です。
  ・ 文末に(2)とあれば、その記事に二回手を加えたことを示します。
  ・ 1779(1)、文頭にこの記号があれば、記事番号1779に一回修正を加えたことを示します。
                                      
                                      ジロー


[2] 一丁目一番地の管理人〈393〉  鶴岡次郎 :2012/04/20 (金) 21:59 ID:5VeXEVI6 No.2216
帰 宅

警視庁から派遣されてきた刑事たちの事情聴取を竹内が受けた翌日、竹内を襲撃した犯人四人が
所轄署に自首して来ました。発生からわずか2日後、事件はスピード解決したのです。

自首した犯人たちの供述によりますと、一週間ほど前、彼らの内の一人が居酒屋で竹内といさか
いを起こし、店にいたお客たちの応援を得た竹内にいい様にあしらわれたのです。その場では多勢
に無勢で、さすがのやくざ男も黙って引き下がったのですが、竹内が店を出るのを待ち、彼の後
をつけアパートを確かめ、仲間を誘って竹内を襲ったと自白しました。この事実を飲み屋の従業
員の一人が証言しました。

飲み屋でのいさかいの報復行為にしては計画的で、手際のいい襲撃で、警察は最初から犯人たち
の言い分を信用していませんでしたが、飲み屋の従業員の証言が準備されていて、竹内本人も飲
み屋でのいさかいを認めましたので、それ以上の追求をしないで、犯人たちの供述どおりの内容
で送検しました。


実は警視庁のヒヤリングを受けた直後、竹内の病室に地元の弁護士が訪ねてきました。借金をす
て棒引きにする条件でヤミ金業者の名前を出さないよう要求したのです。竹内は黙って頷きま
した。その翌日、犯人たちが自首したのです。

加害者側にすれば、警察が捜査本部を立てるとは夢にも思っていなかったのです。被害者竹内に
は後暗いところがあるわけで、警察の取り調べに詳しいことを話すはずがないと読んでいました。
そして、的屋の親父が怪我をした程度の事件を警察が真剣に取りあげるはずがなく、事件は闇か
ら闇に葬り去られると加害者側は読んでいたのです。

ところが、事件発生後間を置かず、警視庁から刑事が出張って来たのです。慌てた所轄署は捜査
本部を立て、本格的な捜査を開始したのです。

一番慌てたのはヤミ金の関係者です。警察につつかれて、廃業に追い込まれでもしたら大損害で
す。それで、早い幕引きを狙って、竹内を買収する一方、実行犯の自首を早々と決行したのです。


ヤミ金関係者の狙い通り、竹内はヤミ金との関係を所轄署に何も話しませんでした。警察は自首
してきた4名を逮捕起訴して、その背後関係を探ることなく、事件の幕を引いたのです。


[3] 一丁目一番地の管理人〈394〉  鶴岡次郎 :2012/04/23 (月) 12:12 ID:0Cuj1U3A No.2217
世の中、何が幸いになるか本当に予想がつかないものです、土手の森組員殺人事件の捜査で警視
庁が出張ってきたおかげで、竹内襲撃事件は地元で注目されることになり、異例の速さで捜査本
部が立ち上がったのです。そして、慌てたヤミ金業者は犯人を自首させて事件の早い幕引きを実
行したのです。結果として、痛い思いはしましたが、竹内は晴れて自由の身になれたのです。

二週間ほど入院して、退院を明日に控えて、全身の包帯が取れた竹内はすっかり元気になってい
ました。毎日見舞いに来ている敦子はいつものように今日も顔を出し、顔なじみになったナース
達に愛想良く挨拶をして病室へ入りました。

「鯛焼き屋の君江姐さん・・、昨日、お見舞いに来てくれたのだったね・・・、
16日から始まる元町のお祭りでは元気な姿を見ることが出来るネ・・て、
すごく、喜んでいた・・」

今流行のアイラインを強調したメイク、思い切りよくカットされた胸のV字からFカップの乳房
があふれ出て、圧倒的なヒップラインを余すところなく強調している肌に密着したピンクのパン
ツ、どこから見ても、すっかり的屋の姐さんが板に付いた感じの敦子が嬉しそうに告げました。
もうとっくに30歳を過ぎているのですが、どう見ても20歳代に見える敦子です。

「敦子・・、少し話がある・・・」

竹内がベッドの上に身体を起こし、改まった表情で敦子を見つめました。敦子の表情から笑みが
消えていました。竹内が何を言い出すか敦子には予想できているようです。

「お前には散々苦労させて辛い思いをさせた。
痛い思いをしたが、おかげで、晴れて自由の身になれた。
これで安心だ・・・。

もし・・、お前が一緒に居てくれなかったら、
俺は・・、とっくにこの世から消えていただろう・・。
改めてお礼を言いたい・・・」

竹内が深々と頭を下げています。敦子がもう涙を浮かべています。

「寝ていていろいろ考えたのだが・・・、
ここらが潮時だと思う・・。、

お前は東京に帰ってくれ・・・」

「・・・・・・・」

「いまさら俺と別れても、朝森さんとの仲が戻るとは思えないが、
お前はまだ若い・・・、
もう一度新しい人生に挑戦して欲しい・・」

「・・で、虎さんは、この先どうするの・・?」

「俺か・・・、
幸い、的屋仲間はこんな俺でも大切に扱ってくれている、
今の生活が本当に楽しい・・、
残された人生、この生活を楽しむことにする・・

お前と過ごした半年余りは、俺にとって、10年の生活に匹敵する充実したものだった・・。
出来ることなら・・・・」

竹内はここで口を閉じました。それ以上言葉を続けることに何も意味がないことに気が付いたの
です。

〈お前が嫌になって別れるのではない、
本音を言えば。何時までもお前と一緒に居たい気持が強い・・。
しかし、来年、俺は還暦を迎える、いままでのようにお前を満足させることはできなくなる日が
いつかは来ると思う・・、
そうなる前に、お前を手放したい・・、
棄てられる悲しみを味わいたくないのだ、いい思い出を残しておきたいのだ・・〉

竹内の本音はこんなところだったと思います。

「・・・・・・・」

ベッドの上に座った竹内はさばさばとした表情です。今にも泣き出しそうになりながら、敦子は
何も言わないで、じっと竹内を見つめています。そんな敦子を竹内は優しい瞳で見つめています。

二人はただ黙って見つめ会っていました。長いと言えば長く、過ぎてしまえば束の間の出来事に
思える半年あまりの逃避行を二人は思い出していました。緊張に明け暮れる日々の中で、狂った
ように絡みあった日々が二人の脳裏に鮮やかに蘇っていました。

明日の知れない身であるだけに、男と女は今日生きていることを確かめるように激しく抱き会い
ました。雑魚寝を基本とする的屋仲間の宿舎でも、二人の絡みは桁外れに過激で、みんなの注目
を集めました。

今は盛の敦子を竹内は眩しそうに見つめています。敦子が残ると言いだしても、もう、過ぎた日
のような熱い情熱を持って敦子を抱き続けることはできないだろうと、竹内は、改めて自身の老
いを感じ取っていたのです。


[4] 一丁目一番地の管理人〈395〉  鶴岡次郎 :2012/04/24 (火) 16:29 ID:32JccgU2 No.2218

「君江姐さんがね・・・・、
虎さんを譲る気になったら、
いつでも、喜んで虎さんの面倒を見てもいいと言っていた・・・。
彼女、虎さんが好きなのよ・・」

鯛焼き屋の屋台を守っている君江は、50歳過ぎの未亡人で、40歳前に見えるほど若々しく、
かみそりのように切れ味のある、シャープな感じの美人です。二年前、ヤクザ組織に身を置いて
いた夫を仲間内の抗争で亡くして以来、決まった男はいないのです。

竹内と敦子の事情を全て知っていて、昨夜、竹内を見舞いに来た時、君江が竹内にこんなアドバ
イスしていたのです。

「今まで二人は、外界の動きに眼を閉じて、力を合わせて必死で暮してきた・・。
今回の事件で、二人が世間から隠れ暮す理由は消えたわけだから、
虎さんは勿論だけど、敦子さんは自由に羽ばたくことになる。

そうなると、いままで平穏だった二人の間に漣が立つことになる。
判りきったことだけど、虎さんと敦子ちゃんは二周り近く離れている・・。
虎さんは自身のことを若いと思っているから、この歳の差に実感がないと思うけれど、若い敦子
さんにはいろいろな誘惑が迫ることになる・・。

現実問題として、若い敦子さんを今までと同じ様に、虎さんの側に閉じ込めておくことは出来な
くなる。どんなに敦子さんが良い人でも、虎さんに対して今と同じ精神状態を保つことは難しい
と・・、私は思う・・。

一度、敦子さんを朝森さんの手元に戻しなさい。
その上で、改めて敦子さんが虎さんを、再び選ぶなら、私は何も言わない。

このままズルズルと生活を続けていたら、虎さんが60歳を過ぎて落ち目になった時、見限ら
れて、棄てられることだってあり得るのよ・・・。
未だお互いに未練が残っている間に、綺麗に別れる方が良い・・」

この言葉に竹内はハッと感じたようです。竹内ほどの人物でも、それまで自身の犯した罪の大き
さに気付いていなかったのです。若い敦子の人生を無理やり折り曲げていたことに、いまさらの
ように気が付いたのです。

一方敦子は、最初の頃は、竹内の逃避行に同行したことを後悔する時もあったのですが、最近で
はすっかり的屋の世界に溶け込み、竹内とこの世界で暮らし続けることに何も抵抗を感じなく
なっていたのです。

それでも敦子は朝森が離婚届を出していないことを知っていました。二度ほど市役所に問い合わ
せてその事実を確認していたのです。竹内の提案を聞いた時、敦子は自身の胸の内を覗き込む気
持ちになっていました。

喜んで朝森が敦子を迎えてくれるはずがないと思いながら、〈東京へ帰る・・〉そう思うだけで、
胸のときめきを感じていたのです。

〈私は・・、健次郎さんのことをまだ忘れ切れないでいる・・〉、

敦子は驚きで自身の反応を味わっていました。そして、朝森健次郎を愛している敦子自身を改め
て認識していたのです。敦子はここで思い切って、人生を掛ける気になっていたのです。

「未練が残るから、ここでお別れを言いたい、
次に会う時は、笑って過去を話し合えるようになっていると良いね・・・」

竹内はそう言いいながら、ベッドの側にある小机の引き出しから二通の封筒を取り出しました。


[5] 一丁目一番地の管理人〈396〉  鶴岡次郎 :2012/04/25 (水) 15:34 ID:kxRVycgk No.2219

「一通はお前達を脅した証拠の写真とそのメモリーが入っている・・、
お前を独占したい気持が強かったせいだが、何故こんな卑劣なまねをしたのかと、今となっては
恥ずかしい気持ちで一杯だ、この封筒の中には俺の一生で一番汚い部分が閉じ込められている。
お前の手で処分して欲しい・・・」

敦子は黙って、やや古びた封筒を受け取りました。勿論その中身は良く知っている様子です。

「もう一通は、二人へのお詫びとお礼の品が入っている。
東京へ復帰する日がいつかあるかと思い、苦労して隠し通した唯一の財産だ・・。

債権者から逃れるために、便宜上、朝森さん名義にしたのが飛んだところで役に立った。何も言
わないで受け取って欲しい、俺にはもう使い道のないものだから・・・、売るなり、そのまま使
用するなり、二人で相談して決めて欲しい・・・・」

封筒の中身の想像が出来たようで、敦子は直ぐにはそれを受け取ろうとしませんでした。笑みを
浮かべた竹内が受け取るよう促し、敦子が頭を下げてそれを受け取りました。


ここは泉の森荘のある町です。その日、いつもよりかなり早い時間、夜の8時過ぎ、朝森は疲れ
た身体を引きづるようにしてアパートに戻ってきました。敦子が家を出てから、もう一年近く
経っていました。敦子のいない生活にもすっかり慣れた朝森健次郎は、二人で暮していた一丁目
一番地にある泉の森荘で今も生活しています。二人の事情を知っている管理人夫妻は温かい目で
朝森を見守っているのです。

敦子が郵送してきた離婚届に記名捺印すれば離婚が成立することは判っているのですが、朝森は
その行為を一日伸ばしにしているのです。敦子が戻ってくると信じているわけではありません、
逆に最近は、敦子は戻ってこないと朝森はあきらめているのです。それでも、一度会って、彼女
の真意を聞くまでは、離婚できないと思っているのです。そして、仕事に埋没して、彼女のこと、
彼女と暮した生活のことを忘れようと努力しているのです。その結果、最近では離婚届の存在さ
え忘れるほどになっているのです。


その日、身体は疲れていても、全身に漲る達成感と満足感で、朝森は爽快な気分になっていまし
た。朝森健次郎の勤務する工場で、半年を要した大プロジェクトの設計が完了したのです。昨年
の末、抜擢されて設計課長に就任して以来、初めての大仕事で、朝森設計課長自らが陣頭指揮し
て来た大プロジェクトでした。

いつもなら、途中の居酒屋で一杯やりながら夕食を済ませるか、コンビニで弁当を調達してくる
のですが、設計が完了した興奮で、空腹感を感じることなく、真っ直ぐに自宅へ戻って来たので
す。


いつものように、鍵を入れ、ドアーを開けるといい匂いが空腹だった胃袋を刺激しました。咄嗟
に、他所の家へ入ったと朝森は慌てて廊下へ脱出しました。

外で表札を確かめています。そして、恐る恐るドアーをもう一度開いています・・。

そこに、一人の女性が笑みを浮かべて立っていました。ドアーの音を聞きつけてキッチンから玄
関に出てきたのです。

「敦子・・・・」

花柄のエプロン・・、敦子が残して家を出たまま一年近く、誰にも使用されず箪笥の奥に仕舞って
あったエプロンを着けた敦子が玄関に立っていたのです。


[6] 一丁目一番地の管理人〈397〉  鶴岡次郎 :2012/04/26 (木) 15:57 ID:ZxWy6BWo No.2220
ゆっくりと膝を折り、敦子は正座をして、頭を床に着けました。そして、その姿勢のまま頭を上
げないのです。

朝森が近づき、膝を折って覗き込むと、肩を震わせて彼女は泣いていました。朝森が肩に触れる
と、突然、顔を上げ、ものも言わず朝森に抱きつき、胸に顔を押し付けて泣いていました。ワイ
シャツの薄い布を通して敦子の涙が朝森の肌に染み通っていました。


敦子が準備していたお風呂にゆっくり浸かり、これまた敦子が準備した下着と部屋着を着込んだ
朝森がキッチンに行くと、敦子が心を込めて作ったチキンカレーと彩り豊かなサラダが食卓に並
んでいました。勿論、チキンカレーは朝森の大好物な品です。

良く冷えたビールを一息で飲み干し、朝森は大きく息を吐き出しました。そのタイミングを待って
いたように、敦子が椅子から立ち上がり、床に正坐して、ゆっくりと頭を下げました。搾り出す
ようにして、それでもはっきりとした言葉で敦子は言いだしました。

「私のしてきたことを考えると、とてもここへ顔を出すことは出来ないことは良く判っています。
許してくださいと申し上げることができないほど酷いことをしてきた女であることも良く判って
います。

せめて今夜一晩だけでも、お側にいることを許してください。
それも無理なら、一口だけでもこのカレーを食べてください。
それだけで結構です・・。
お食事の後・・・、私は黙って出て行きます・・」

それだけ言って、敦子は両手を床につけたまま、顔を上げて、じっと朝森を見上げました。

黙って敦子を見つめていた朝森が、スプーンを取り上げ、カレーをすくい上げ、ゆっくりと口へ
運びました。眼を閉じ、朝森はゆっくりと口を動かしています。彼の目から、一筋の涙が頬を伝
わっていました。

「美味しい・・・、
昔のままだ・・」

喉を鳴らしてカレーを飲み込んだ朝森が微笑を浮かべて言いました。

「多分知っているだろうが、離婚届は出していないよ・・。
僕は君をずっと待っていた・・。
今も君は僕の妻だ・・。

ここは敦子の家だ、誰に遠慮をする必要もない」

声を出して敦子は泣きだしました。床に両手を着いて、その上に頭をつけて敦子は泣いています。
朝森が立ち上がり、敦子を抱き上げるようにして、椅子に座らせました。

「どうして、そんなに優しいのですか・・・、
こんな酷いことをした女をどうして許すのですか・・」

はにかみながら、掌で涙を拭いながら、敦子が朝森を本気でなじっています。

「どうしてかな・・・、
多分、敦子を愛しているからだろう・・な、
敦子が居なくなってから、一度だって、憎いと思ったことはない・・
いつかここへ戻ってくると信じていた・・・・」

笑みを崩さないで、朝森がのんびりと答えています。

「本当にバカなんだから・・・、
今、私を追い出さないと、後になってきっと後悔するよ・・・、
明日の朝、私が嫌になっても、もう・・、その時は遅いからね・・」

顔をくしゃくしゃにして泣きながら、敦子が悪態をついています。ニコニコ笑いながら朝森がカ
レーを口に運んでいます。見る見る内に皿の底が見え始めています、凄い食欲です。


[7] 一丁目一番地の管理人〈398〉  鶴岡次郎 :2012/04/28 (土) 11:07 ID:NRhFlDng No.2223
二人だけのささやかな、しかし、この上ない豊かな夕餉の宴はゆっくりと進みました。食事の間、
上機嫌の朝森が、今日完成した大プロジェクトの設計内容を説明しました。敦子はただにこにこ
微笑みながら聞いています。仕事の話を始めると朝森は急に饒舌になるのです。話の内容はほと
んど判らないのですが、敦子は朝森から仕事の話を聞かされるのが昔から大好きでした。久しぶ
りに朝森の情熱的な説明を聞いて敦子は幸せいっぱいの気分になっていました。

「ああ・・、こんな話ばっかり、面白くないだろう・・、
言い忘れていたが去年の末、設計課長に昇進した・・」

「凄い・・・、
すると・・、私は課長夫人ってわけ・・・、夢のよう・・・・・」

最後の言葉を独り言のようにポツンと敦子が呟きました。

「頑張ったあなたに比べて、
私は世間の眼を恐れて逃げ回る毎日だった・・」

遠くを見る目つきをして敦子がつぶやいています。しばらく視線を泳がせていた後、意を決した
ように朝森を見つめました。その視線の強さに朝森がびっくりしています。

「もし、お許しいただけるなら、あなたには思い出したくもない、嫌な話でしょうが、
私のしてきたことを一通り聞いてください・・」

東京から消えた経緯を敦子は朝森に報告するつもりのようです。ビールグラスをテーブルに戻し、
朝森が笑みを残した表情で頷き、聞く姿勢を見せています。目の前の料理はほとんど食べつくさ
れています。

「ありがとうございます・・・。
あなたの前で口が裂けても言うべきではないことも、あえて申し上げることになると思います。
ただ、私にとっても、おそらくあなたにとっても、今後の生活を考えると無視できない大切な話
だと思いますので、すべて隠さずお話します。たぶん、耳障りな話が多いと思いますが、聞いて
ください。どうしても堪えられないようでしたら、そう言ってください、すぐに止めます」

慎重な前置きに朝森が苦笑を浮かべて頷いています。一応、自宅へ戻ることが許されたのは確か
ですが、その朝森の決断が、敦子が犯した全ての罪を認識した上でのことなのか、過去に眼を瞑
り、敦子の受け入れを決めたのか、敦子は不安なのです。全てを知った上で、それを全て飲み込
んだ上で受け入れて欲しい・・。敦子はそう考えているのです。敦子の告白を聞いた朝森があき
れ果て、決定的な別れの言葉を告げる可能性も高いのです。

どうやら朝森も敦子の気持ちを理解しているようで、耳を傾けているのです。

「ご存知のように、無理やりあなたとの仲を裂かれ、彼と一緒に暮らしはじめたのですから、
最初はぎこちない雰囲気でした・・。
それでも、男と女の関係は不思議なもので、一つベッドで過ごすようになると・・、
ああ・・、スミマセン、心ないことを言ってしまいました・・」

敦子が慌てて頭を下げています。苦笑を浮かべて朝森が手を横に振っています。

「彼と一緒に暮らし始めた数日は、必要最低限の会話しか存在しない仲でした。それでも彼は新
婚の夫そのものになり切って、私を大切に、優しく扱ってくれました。私も彼も、昼間は勤めに
出ていましたが、家に戻ると下にも置かないほど大切に扱ってくれ、お金もふんだんに使ってく
れました。こうして、10日も過ぎると、竹内さんの良いところが判り始め、次第に打ち解けて
きました」

この家へ戻ってきた時から覚悟を決めているのでしょう、敦子はすべてを告白するつもりのよう
で、滑らかな口調で話しています。


[8] 一丁目一番地の管理人〈399〉  鶴岡次郎 :2012/04/29 (日) 10:52 ID:TG6nkVw6 No.2224
「夜の生活も充実していたのだろう・・」

「ハイ・・、お察しのとおりです。昼間は喧嘩の絶えない夫婦が、夜は仲良く絡み合う、それで
夫婦の仲がかろうじて保たれている、そんな夫婦が世間では一杯居るそうですが、私達がまさに
そうした関係でした。

彼が密かに薬を使っているのを私は知っていました。新婚夫婦のように毎日、絡み会いました。
それも延々と何時間も、食事さえ忘れて・・・。

毎夜の絡みの後遺症で、彼より若い私でさえ、昼間、眠気を払うのに苦労しました。おそらく彼
も昼間の仕事に差しさわりが出ていたと思います。彼はそれほど頑張ってくれました。

女なんて弱いものです。何時しか、彼との生活に満足し始めていました・・」

「・・・・・・・」

辛い話であるはずですが朝森の表情は穏やかでした。何も質問しないで、ただ黙って敦子の話を
聞いていました。

いくら全てを話すと決めていても、ここまであからさまに情夫との生活を夫に告げる必要はない
ように思えますし、夫に何か含むところがあるにせよ、こんな話はすべきでないとの節度を敦子
は十分心得ているはずですが、敦子の説明振りを見ていると、そこには何か秘められた意図があ
るように思えます。

一方、朝森もあえて辛い話を聞く必要はないと思えるのですが、朝森の様子を見ていると、敦子
の話を聞くことが彼にとって、ある種の贖罪行為であるかのようにさえ見えるのです。

敦子が竹内の情婦になった経緯には、二人にしか判らない心の葛藤があった模様です。

「やがて、彼は私を正式に妻にしたいと言い出していました。私自身もあなたのところへ戻るこ
とはできないだろうと思い始めていました・・、あのまま、もう半年も過ぎれば、私たちは正式
の夫婦になるべく動き出していたと思います。

そんな時、あの土手の森殺人事件が起きたのです。そして、私が死体の第一発見者になりました。
それから間もなく、彼の会社が急速に傾き始め、追い討ちをかけるように銀行からの融資を引き
あげられて、ついには不渡りを出し、会社は倒産しました。後には、無理をして借りた高利の借
金だけが残りました・・・。そんな中で、彼は夜逃げを決意したのです。

倒産が決まった夜、竹内さんはあなたのところへ帰るように言いました・・」

ここまで話して敦子はビールのコップに手を伸ばし、一口飲みました。ここからが大切な話にな
ると思った敦子は一息ついた模様です。

「竹内さんから家へ帰るよう言い渡されたとき、正直迷いました。
それでも、私は彼に付いて行く道を選択しました。

正直に申します・・・。彼の体に溺れていたのは確かです。
献身的な彼の愛撫に理性を失い、彼のものになってもいいと思った時間があったことは確かです。

それでも、そんな淫らな欲望に引きずられて、彼にズルズルと付いて行ったのではありません、
このことだけはあなたに判ってほしいのです・・」

必死の表情で朝森を見つめています。朝森が黙って敦子を見つめています。そして、ゆっくりと
口を開きました。

「敦子の考えもっとよく理解するために、
ここで一つ質問しても良いかな・・・」

必死で語りかける敦子にあいまいな態度は見せられないと朝森は考えたようで、黙って聞き役に
徹していた態度を変える気になったのです。何を質問されるのかと、敦子が不安そうな表情を浮
かべ、それでもはっきりと頷いています。


[9] 一丁目一番地の管理人〈400〉  鶴岡次郎 :2012/04/30 (月) 11:23 ID:eGlKLPZw No.2225

「竹内さんとの約束では、半月毎に僕の所へ戻ることになっていたが・・、
一度も敦子は戻ってこなかった・・。

竹内さんが無理やり引きとめたにしても、敦子がその気になれば僕の所は来ることは出来たはず
で、僕の所へ来ないのは明らかに敦子の意志が働いていると思った。

敦子を引き止めることが出来なかった僕に比べて、竹内さんは全力を傾けて敦子獲得に走った。
これでは竹内さんの情熱と魅力に敦子が溺れてしまうのはいたしかたがないと、これも自業自得
だと、僕は諦めていた。下手に騒ぎ立てても、敦子を苦しめるだけだと思って、竹内さんには文
句一つ入れなかった・・。本来なら彼から何か連絡があるべきだと思っていたが、敦子の気持ち
を考えると動くことが出来なかった・・。このことで君の意見を聞きたい・・・」

「おっしゃるとおり、あなたの所へ戻らなかったのは私の意志で決めたことです。竹内さんはむ
しろあなたと交わした『男の約束』とやらを気にして、定期的に家に帰るよう言っていました。

竹内さんの通い妻になると決めた時、私はあなたの所へは中途半端な形では戻らないと決心して
いました。半月毎に、あなたと竹内さんの間を行ったりきたりする生活を私が了解したと、本当
に思ったのですか・・・?

もし、そうだとしたら、私はよほどバカで、甘い女に思われていたのですね・・。
私がこの家に戻るのは、竹内さんと正式に切れる時だと、最初から決めていました。

ご存知のように今まであなた一人を守り通して来たわけではありません、結婚してからでさえ、
相手にした男性の数は10指を超えます、そんな私ですが、半月毎に一緒に暮らす男を変えて、
平気で夫婦生活ができるほど、私は器用な女でも、神経の太い女でもないのです・・」

「そうか・・・、そうだったのか・・・
敦子はそんな決意で竹内さんの家へ行ったのか・・、想像もできなかった・・・」

大きなハンマーで打ちのめされた・・、朝森はそんな衝撃を受けていました。感嘆の言葉以外出
せないのです。


敦子を竹内に貸し与えると決めて、竹内も朝森も本気で敦子を共有する気になっていたのです。
敦子と竹内は互いにこれまで何度か肌を接した仲ですから、一緒に暮らすといってもそんなに大
きな抵抗はないだろうと二人の男は考えていたのです。しかし、それは男の間だけでしか通用し
ない考えだったと・・・。朝森は今、はっきりと理解していました。

男達の約束事を横目で見ながら、敦子は自ら招いた不祥事を自身の体で償う決意を固め、竹内の
情婦となる悲壮な覚悟を固めて竹内のマンションへ出向いたのです。

「あの時点で、僕と竹内さんは敦子を共有するつもりでいたけれど、敦子は僕と別れて、竹内さ
んのお嫁さんになるつもりで家を出たのだね、たとえ契約で抱かれることになっても、その相手
には操を立てたい、それが敦子の、女としての意気地だったのだね・・」

そこに愛情がなくても、契約で抱かれることになっていても、一旦、女がこの男と決めた相手に
は操を尽くす。敦子は女の本能でそう決めていたのです。途中で朝森のところへ戻ることなど、
最初から敦子の頭にはなかったのです。


[10] 一丁目一番地の管理人〈401〉  鶴岡次郎 :2012/05/03 (木) 15:03 ID:Tr58mvbw No.2226

たぶん朝森にしても、竹内にしても、敦子の意気地を完全に理解することはできないと思います。
それでも敦子の説明を聞き、朝森は自身の男本位の発想を恥じ入っていました。敦子の発想がよ
り人間らしいと判断する良識を朝森は持ち合わせていたのです。

「敦子にそんな高遠な考えがあるとは想像さえできなくて、僕は大きな誤解をしていたようだ。
嫌々、竹内さんと暮らしている様子を見せながら、実は彼の魅力に敦子が虜になったと思い込ん
でいた。それで、約束を破って、僕のところへ戻ってこないのだと嫉妬に狂っていた・・。

それでも、あっさり敦子をあきらめたわけではなかった。竹内さんへの熱い思いは、いずれ冷め
る時が来るはず、そうなれば、敦子はもう一度、僕を選ぶはずだと思って、待つことにした・・・。

しかし、まさか、夜逃げに同行するとは正直、思わなかった・・。
これで、敦子とは永久に別れることになると、覚悟を決めたほどだった・・・。

それでも、敦子が残した置手紙に、〈・・女の生きた証を残したい・・〉と書かれていたのを見
て、竹内さんに溺れただけが理由でなく、何か他に事情が有りそうだと判り、敦子が戻ってくる
僅かな希望の火を消さないことにしたのだが・・・」

「スミマセン・・、ちゃんとお話をして、許しを得るべきだったのです。
しかし、あなたに会えば、せっかく固めた気持ちが揺らぎそうで、
置手紙を書くのが精一杯でした・・」

敦子が頭を下げ、朝森が頷いています。


「追い詰められた竹内さんをここで見捨てたら、彼は死ぬかもしれないと思いました。
彼を救えるのは私しか居ないと思いました。

いい加減な生き方をしてきた私がそんな気になったのは、私自身、今でも良く判りませんが、彼
の側に居て、彼を助けることが、私の運命(さだめ)だと思いました。人として何か、生きた証
をこの世に残したかったのです。

あなたには申し訳ないと思いましたが、私が居なくなっても、あなたは一人で生きられるし、私
が居なくても別の輝かしい人生が待っていると確信していました。そして、彼には私しか居ない
と思ったのです」

ともすれば溢れる出る涙を抑えながら、敦子は必死で感情を抑えながら話していました。ここで
泣き出しては、せっかくの行為が女の感情論で片付けられるのを敦子は恐れていたのです。

人として生きることの意味を確かめるために竹内に同行したと、敦子は自身の行動を評価してい
るのです。汚い女の肉欲や、その場限りの薄っぺらい同情で行動したとは思って欲しくないと敦
子は考えているのです。少なくとも、朝森だけには自身の行動を正確に理解して欲しいと願って
いるのです。


「ヤミ金の追っ手から逃げることは想像以上に厳しいものでした。もし、途中で偶然出会った露
天商の仲間の手助けがなかったら、私達はとっくにつかまって、多分、私は売り飛ばされて、今
頃はどこかで身体を売る仕事をしていたと思います。

彼らは私達を匿ってくれるだけでなく、仕事も与えくれました。あの人たちには言葉では言いつ
くせないほどお世話になりました・・・」

アパートの管理人夫人である美津崎愛が、彼女の友達である鶴岡由美子に朝森敦子と竹内の逃避
行を話し、これを受けた由美子が由美子の愛人であり、的屋の大親分である宇田川 裕、通称U
さんに助けを求めました。Uが全国に回状を出して、竹内と敦子の保護を求めた経緯を朝森健次
郎は愛から聞いて知っているのです。

Uの回状が竹内と敦子を救ったのです。もし、Uの回状が発信されていなかったら・・、敦子が
言うとおり、敦子と再会することは出来なかったと朝森は確信していました。まだ会ったことも
ない由美子とUに朝森は心中で深々と頭を下げていました。ただ、朝森はこのことを敦子に告げ
るつもりはないようです。


[11] 一丁目一番地の管理人〈402〉  鶴岡次郎 :2012/05/05 (土) 18:13 ID:t./wY4r6 No.2227

「結局、私達の不注意が原因で、最期にはヤミ金の手に捕まりましたが、ここでも私達は幸運に
恵まれました。東京で起きた殺人事件のおかげで、竹内さんの傷害事件が大きく取り上げられま
した。もし竹内さんを襲撃した犯人がヤミ金業者の放った手のものだと判れば、ヤミ金業者は警
察から、そして社会から徹底的に追及されます。

警察の目から逃れるために、そして会社を守るため、名前を出さない代償として、借金を棒引き
する条件をヤミ金業者は密かに提示してきたのです。勿論、竹内さんは迷わずこの条件を受け入
れました。

これで、私達は晴れて、表に出られる身になったのです。逃げ隠れする必要がなくなった私達に
新たな転機が訪れました。

竹内さんは私と別れると言いました。彼は今までどおり露天商の仲間と一緒に暮すつもりのよう
です。もう、東京へも、昔の商売にも戻る気はないとも言っていました・・」

ここで敦子はバッグから二通の封筒を取り出し、その内の一通を朝森の前に差し出しました。

「竹内さんは、あなたに悪いことをしたと言って、心から詫びていました。
これは彼からあなたへの贖罪の気持だと言って渡されたものです・・。
中には、マンションの権利書が入っています。既にあなた名義になっています・・」

ヤミ金の目からマンションを隠すため、竹内は朝森にマンションを売却したことにして、所有者
名義を変更していたのです。勿論朝森は一円も売却代金を支払っていません。

不審そうな表情を浮かべ、封筒から権利書を取り出し、その内容を朝森がチェックしています。

「こんな高価なものを受け取ることは出来ないよ・・。
竹内さんだけが一方的に悪いと言えないのだから・・
僕だって、竹内さんが犯した罪の片棒を担いだことになるのだから・・・」

竹内と朝森夫妻はスイング仲間で、朝森の見ている前で何度も敦子は竹内に抱かれていたのです。
何度かそんな遊びを続ける中で、竹内は敦子に魅力に取り込まれ、彼女を独占したくなっていた
のです。

そんな気持を竹内が抱き始めた頃、あるホテルで竹内の顔見知りである大企業の重役が敦子と一
緒に居るところを竹内が目撃しました。敦子に並々でない興味を持つようになっていた竹内は、
探偵を雇って敦子とその重役の関係を調べさせたのです。

探偵の報告は竹内の予想を超えたものでした。敦子は高級売春組織の女で、その重役はその客で
あることが判ったのです。その事実を知った時、竹内は正直、敦子から手を引こうと思いました。
秘密組織の恐ろしさを竹内は良く知っていたのです。しかし、敦子の魅力に抗し切れなかった竹
内は、この事実を自身の欲望を遂げる道具に使ったのです。

「奥さんが高級コールガール組織に身を置く売春婦だとわかれば、
朝森さんの会社での立場はなくなりますね・・。

私だって、好きで事を荒立てるつもりはありません。
月の内半分、奥さんが私のマンションで暮らしていただければ良いのです。
それだけで、私はこの事実を全て忘れます・・・」

竹内から明かされた事実・・、妻が売春婦である事実は朝森に衝撃を与えました。スワップ愛好
家ですから、他人に妻を抱かせることには免疫があるのですが、まさか敦子が売春組織に身を落
しているとは夢にも思っていなかったのです。

最初は敦子への怒りで一杯になったのですが、少し冷静になると別の心配が彼の頭を占領しまし
た。その頃、朝森は熾烈な課長昇進競争の渦中にいたのです。そんな時、妻が高級コールガール
組織に籍を置いている事実がバレると朝森の将来は閉ざされるどころか、会社にいることさえ難
しくなるのです。なんとしても秘密を守りきりたいと朝森は考えたのです。この時、朝森には敦
子の立場を考える余裕がなかったのです。

頭を抱えて悩んでいる朝森を見て、敦子は彼女自身から申し出て、竹内のところへ行くと言い出
したのです。朝森はただ頭を下げて敦子を見送ったのです。



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