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フォレストサイドハウスの住人達(その14)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2016/05/10 (火) 15:31 ID:T6I9F1Dg No.2851
浦上千春はその日、夫、浦上三郎と長男の三人で泉の公園内を散歩していました。偶然、トラックの
荷下しをしている山口と遭遇しました。山口とは何度か5Pなど乱れた遊びをした仲なのです。夫に
事情を説明し千春は山口と二人きりになりました。自然の流れで公園内に停めた山口のトラックの中
で、千春は山口と昼下がりの情事を展開することになりました。その光景を通りがかった由美子に見
られたのです。

恥ずかしい光景を見られて、千春と山口は大いに慌てましたが、由美子の反応は若い二人の予想を超
えてかなり好意的なものでした。二人の情事が秘められた浮気行為だと気づいていながら、若い二人
の熱い情事を由美子はむしろ祝福する姿勢を見せていたのです。そんな由美子を見て、千春は由美子
の中に彼女自身の中にも存在する女の業に似たものを嗅ぎ取っていたのです。

あの日恥ずかしい光景を見られた婦人のことが千春の頭から離れなくなっていました。由美子に会い
たい・・、その気持ちが千春の中で日に日に強くなっていました。山口と情事に耽った公園で待ち伏
せを続けること一週間、ついに千春は由美子と再会できたのです。由美子に案内されるまま千春は彼
女の親友、三津崎愛の経営する公園側にある売店へ行きました。その売店の中で女三人、大いにガー
ルズトークを楽しむことになったのです。

話を進めるうちに、目下、千春の情人であり、その上人生の大恩人である佐王子保と由美子の間に深
い関係が存在することに千春は気が付くのです。尊敬する人生の先輩由美子と、これまた大恩人であ
り恋人である佐王子の色恋模様に千春は無関心を装うことはできません。タブーだと知りながら、二
人の馴れ初めからその後のことが聞きたいと千春は由美子に懇請するのです。果たしてどんな話が由
美子の口から出るのでしょうか・・。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。
卑猥な言葉を文脈上やむを得ず使用することになりますが、伏字等で不快な思いをさせないよう注意
しますが、気を悪くされることもあると存じます。そうした時は読み流してご容赦ください。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにしま
す。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。

・〈(1)2014.5.8〉 文末にこの記事があれば、この日、この記事に1回目の手を加えたことを示
  します。
・〈記事番号1779に修正を加えました。(2)2014.5.8〉 文頭にこの記事があれば、記事番号1779
 に二回目の修正を加えたことを示し、日付は最後の修正日付です。ご面倒でも当該記事を読み直し
 ていただければ幸いです。


[22] フォレストサイドハウスの住人達(その14)(477)  鶴岡次郎 :2016/06/25 (土) 16:46 ID:Xitas282 No.2875

かなり難しい話を披露している愛ですが、何かを企んでいる時の癖で彼女の目元が少し緩んでいま
す。どうやら、愛の狙いは「セックスと女の幸せ」を語りつくすことではないようです。その話題を
展開しながら、二人の女・・、すさまじいともいえる情欲を持った千春と由美子に・・、何かを伝え
たいと思っている様子です。

愛と付き合いの長い由美子も、この時点で愛が何事か企んでいると漠然と感じ取っていました。普段
の愛は決して昔話を自分から切り出したりしないのです。それが積極的に看護師長をしていた頃の思
い出話を披露しているのです。タブーをあえて犯して昔話をする以上、愛にはしかるべき理由がある
はずなのです。勿論そのことを追求するほど由美子は野暮ではありません。ここはおとなしく愛の企
みに乗るつもりになっています。

「愛さんの言うとおり、女の一生でセックスはかなり大きな比重を占めている。これは疑いのないこ
とだと思います。それで、人生に行き詰まった女たちは、セックスと縁を切ることで女の人生を変
え、新たな生活を得ようとするのですね・・・。
浮世を捨てて尼僧になるのはその典型的な例ですね…」

この時点でも愛の真の狙いを由美子は判っていないですが、その企みを応援するつもりになって愛の
言葉を上手くフォローしています。

「由美子さんの言う通りよ、
セックスは女を不幸にする元凶の一つでもある・・・。

でも・・、そうは言っても…。
セックスがいつも女を不幸にするとは・・、
私は決して思わない・・。

今まで言ってきたことと矛盾するかもしれないけれど、
セックスをして、その結果として不幸になる女より、
むしろ、セックスしない女が不幸になる確率の方がずっと高いと思う…
あなた方は勿論そう思うわよね…・・」

由美子と、千春が当然だと言わんばかりに頷いています。それでも彼女たちは愛がなぜ、この場でこ
のような話題・・、かなり哲学的話題・・、を選んだのかその意味を掴み切れていません。

「不幸になる女たちを見ていると・・、
彼女たちは男に抱かれる時・・、
その先に待ち受けている様々な事象に、
ほとんど無関心であることが多い・・。

男の欲望と自身の体から沸き上がる感情に押し流されて…、
自分が妊娠できる体であることさえ、ほとんど忘れているのよ…。
このことに、驚きを通り越して、怒りさえ抱くことが多い…」

由美子と千春が神妙な表情を浮かべ頷いています。

「男に抱かれる前に・・・、
その行為の後に来る結果にもっと想像力を働かせていれば、
かなりの確率で不幸を回避できたはずだと思うことが多い・・」

愛の説明に二人の女が何度も頷いています。どうやら二人とも痛いところを突かれた思いになってい
る様子です。その道ではベテランであるはずの由美子と千春でも、男に抱かれた後、その行為を後悔
することが少なからずあるようすです。


[23] フォレストサイドハウスの住人達(その14)(478)  鶴岡次郎 :2016/06/27 (月) 12:05 ID:bFrLtGJ6 No.2876

「超が付くほど、スケベなお二人の話を聞いていて、
私・・、改めて、気が付いたことがある…・・
いえ・・、気が付いたというのは嘘・・、
お二人の生き方に教えられたと言った方が正しい・・・

なるほど・・、こんな生き方もあるのだと・・、
目から鱗が落ちる思いになった……」

「スケベーな女だけは余計ですが・・・、
私たちのスケベーな行為に学ぶべきことが多いというのは・・・、
今まで誰に言われたこともないし、
自分でもそのスケベーな行為を誇らしいと思ったことが一度もありません・・。
その意味で、愛さんの言葉はとってもありがたいことです・・・、
ぜひ、その訳を詳しく聞かせてください…」

本音半分、愛をからかう気持ちが半分、由美子が笑いながら反論しています。

「スケベーと言うのはこの場合、褒め言葉だと思ってほしい…。

お二人は本当にスケベーで、
いわゆるまじめな生活をしている主婦から見れば・・・、
とんでもなく、ふしだらな女だと言えるけれど…。

でも・・、私は言いたい…。
あなた方が男に接するやり方を、世の女たちは、少しは見習うべきだと・・・、
そう思い始めています…・・」

自分たちがしていることを、由美子も、千春も、決して誇らしく思っていません、それどころか、
できることなら誰にも知られたくない、触れないでほしと思っているのが本音なのです。それ
が・・、世の女たちは二人の生き方から学ぶべきだと言いだしているのです。愛が何を言い出すのか
と・・、不審な表情で由美子と千春は緊張して耳を傾けています。二人の表情から笑みが消えていま
す。

「お二人の華やかな活躍を聞いていて、
少なくとも、お二人は自分の意志で男に抱かれ、
セックスを楽しんでいることがよく分かった。

世の女性の中には、誰かに強制され、あるいは義理とか人情に動かされた結果、
形だけのセックスする人が多いけれど、お二人にはそれがない・・・。

いつも、どんな時でも、どんな相手とでも、セックスを心から楽しんでいる。
これは凄いことだと思います…」

「確かに・・、
嫌々、セックスをした記憶がない・・・
どんなシツエイションでも、どんな男を相手にしても、最後まで逝けます…・」

千春が笑みを浮かべて自信満々の表情で答え、由美子も軽く頷いています。

「どんな場所でも、どんな男を相手にしても、最後まで逝けるとは・・・、
本当にうらやましい才能ね…・
私など、相手が変われば勿論、ベッドが変わるだけでも上手くやれない・・、
そんなわけで、最後まで逝けるのは・・・、
三度・・いや・・、五度に一回よ・・」

本当にうらやましそうに愛が言っています。

「お二人の話を聞いていると、セックスをする目的が、
いつも明確だとは感じ取れないけれど・・、
それどころか時として、亭主の目を盗んで、本能の赴くまま、
遊び半分でセックスしているように感じ取れることもあるけれど・・、

それでも、お二人は自分の意志で男に向かい、
抱かれた男には、それがどんな男であっても、最大限のサービスをしている・・・・。

これは、男に抱かれる時、体だけでなく・・、
心の方も、抱かれる準備が事前にちゃんと出来上がっている証しだと思う・・。

これは、簡単にできそうで、本当は一番難しいことだと思う。
女としてどんな才能よりも素晴らしいものだと思う・・」

愛の言葉に千春と由美子が嬉しそうに頷いています。


[24] フォレストサイドハウスの住人達(その14)(479)  鶴岡次郎 :2016/06/30 (木) 15:27 ID:4kIL9I7M No.2877

「女として生まれたからには・・、
男にとことん惚れぬき・・、
抱かれたら・・、その場がかなり異常な状況でも・・・、
セックスの中に溶け込み、身も心もとろける気分になりたい…。

快楽に溺れて、道を踏み外すことがあっても、
女としてその瞬間一番輝いていたことを慰めにして、
その結果を潔く受け入れる覚悟を忘れないようにしたい・・。

そのためには日ごろから、
お二人のように・・、いつも男を求め続け、
男に限りない愛情と関心を持つこと・・・、

そして、抱かれたら…、
お二人のように・・、誠心誠意、殿方に尽くし、
体は勿論、心も、ぐっしょりと濡らす習慣を身につけること・・・・。

私には到底できないことだと判っているけれど、
これがスケベーなお二人から学んだことです・・・」

「愛さん・・、すごい…
私が日ごろ何となく感じていることをこんなにうまく表現するんだもの、
愛さんは政治家になれるよ…・」

大感激して千春が拍手しています。由美子も同感の様子です。

「私・・・、愛さんに言われて、目の前が明るくなりました・・。

主人のお許しを得ているのをいいことにして、
主人の留守を狙って、昼間、愛人を部屋に引きずり込み、激しく抱かれ・・・、
それだけでは足りなくて、ソープ勤めで不特定多数の男を相手にしています・・。

まともな人から見ると、信じられないほどみだらな生活を送っています。
それでいて、何も恥じず、後悔もしていないように見えると思いますが、
私・・、心の中でいつも主人や、世間に大きな負い目を感じているのです・・・・」

千春が少し涙ぐみながら話しています。慈悲深い瞳で愛が千春を見ています。

「私の体は異常なんだ・・、
だから・・、お目こぼしをいただいているのだ・・。
そう思って、いつも肩身の狭い思いをして暮らしているのです・・」

千春は日ごろの悩みをすべて吐き出す気持ちになっている様子です。由美子と愛がゆっくりと頷いて
います。

「でも・・・、愛さんの言葉を聞いて・・・、
私、目の前が開けた感じです…。
愛さんのおっしゃることは・・・、
主人がいつも言っていることと、同じなんだと思いました・・」

千春の表情が生き生きとしています。


[25] フォレストサイドハウスの住人達(その14)(480)  鶴岡次郎 :2016/07/06 (水) 14:07 ID:9WcQ1NWY No.2878

「ソープの初出勤日が明日に迫った前日の夜・・・、
主人が私を抱きしめて言ってくれました・・・。

『ソープに勤めることは千春が選んだ道なんだよ・・、
誰かに押し付けられたものではない…、
一生懸命その道を千春が歩むのであれば・・・、
その結果がどんなものになろうとも、僕は千春を支えていくよ…』」

「優しい旦那様だね・・」

涙ながらに話す千春の表情を読み取りながら、彼女の夫、浦上三郎の心中に愛は思いを馳せていまし
た。最愛の妻をどこの誰とも知らない複数の男に託す決心をしたのです。そこに至るまで、想像を絶
する心の葛藤があっただろうと愛は考えているのです。

その夫の気持ちを千春はどの程度まで理解できているのかと、愛は危ぶんでいるのです。多くの場
合、若い女は・・、他人の心、特に彼女を愛している男の気持ちを十分理解できない場合が多いので
す。男と女の心理動向の差と言ってしまえば簡単ですが、愛する女を他人に託す決心をした男の心を
理解するには千春はあまりに若く、経験不足だと愛は考えているのです。

「主人の言葉を、彼の優しさからくる、私への慰めの言葉だと・・・、
今までずっと思い込んでいました。
主人が認めてくれても・・、
ソープ勤めなんか主婦として決して許されない行為だとずっと思っていました・・。
主人に愛される資格のない女だと、思うことが多かったのです…・」

「・・・・」

あふれ出る涙を拭こうともしないで千春が語っています。由美子と愛が笑みを浮かべて聞いていま
す。

「しかし・・・、そんなに卑下することでもないと・・・、
愛さんの言葉で、開き直る気分になれました・・・」

ここで言葉を切り、あふれ出る涙を手のひらで拭いている千春です。愛がそっとハンドタオルを差し
出しています。

「結果に責任を持つと私が決めた行為であれば、
他人がなんと非難しようが、その結果がどんなのものになろうとも・・・、
私を支え続けると・・、
主人が言ってくれているのだと気が付きました…」

愛と、そして由美子までが大きく頷いています。

「私が私自身を見捨てない限り、
私が結果を恐れないで、今を精いっぱい生き続ける限り、
主人は私をサポートすると言ってくれているのだと・・・、
今・・、やっと主人の気持ちが理解できました・・・・
私が委縮することは、主人の思いに反することだと気が付きました…」

「そうだよ・・、誰のためでもなく、
ご夫婦が一番いいと思える道を選ぶことだよ…」

感動で涙を流している千春を優しい瞳で見つめ、愛が言葉少なに答えています。愛の狙いが的中し
て、千春は彼女自身の中に蓄積している深い自己嫌悪感を彼女自身の手で、幾分かでも減らすことが
出来る足掛かりを得たのです。心中で愛はガッツポーズをとっていました。

タブーにしている昔話をあえて披露して、「セックスの目的」に関して愛が高尚な哲学的議論を展開
した本当の狙いは、千春に生きる勇気を与えるためだったのです。千春の自己嫌悪感がその程度が過
ぎると、最大の理解者である夫の愛さえ失いかねないと案じた愛が、千春の自尊心を取り戻そうと考
え、「女とセックスの効用」について持論を展開したのです。

自身の過剰な性欲に悩み、ソープ嬢として働くことに拭いきれない劣等感を持ち、優しい夫の気持ち
さえ正確に理解できていなかった千春が、愛の言葉で見事立ち直ろうとしているのです。

由美子もまた、何かを感じ取った様子です。何度か小さく頷いているのです。どうやら、愛がここま
で話を進めてきた真の目的を由美子は理解できた様子です。


[26] フォレストサイドハウスの住人達(その14)(481)  鶴岡次郎 :2016/07/11 (月) 12:11 ID:jgHGFsJo No.2879

思いやりにあふれた愛の忠告に千春ばかりか由美子もいい気分になっています。その場にゆったりと
した楽しいムードが漂っています。この良いムードに乗って、由美子は気になっている問題をこの
際、片付ける気持ちになりました。

「ところで千春さん・・・、
あなた・・、公園前のマンションに住んでいると言ったわね・・・」

「ハイ・・、FSマンションですが…」

「そう…、
間違っていたらゴメンナサイね・…、
千春さんのお部屋は1614号室じゃない…?」

「・・・・・・」

正確に部屋番号を言い当てられて千春が絶句しています。おびえさえ漂わせた表情で由美子を見つめ
ているのです。

「ああ・・、ごめんなさいね・・、
誰だって、びっくりするわね・・・、
明かしてもいない住所を言い当てられたら・・・」

「・・・・・・・」

「ごめんなさいね・・、
驚かせるつもりはなかったのよ…・・、
これには訳があるのよ…、説明するわ・・・・」

由美子がここで言葉を切り、あっけにとられている千春を笑顔で眺めながら、ゆっくりと話し始めま
した。

「一年ほど前だった、いつものように愛さんのお店に寄るつもりで公園を通り抜けている時
だった…、公園のベンチに座っている50過ぎの男性を見つけた。人通りの少ない場所であまりに寂
しそうだったし、かなりのイケメンだったから、思わず声をかけてしまった…」

「エッ…、また・・・、公園ですか・・、
由美子さんは・・・、公園での出会いが多いですね・・」

「ああ・・、
そういえば千春さんと出会ったのも公園だったわね・・」

「そうよ・・、浮気をしている現場を覗かれたのよ・・」

「間違わないで!
好きで覗いたのではありません・・
あんなに大声を上げていたら、誰だって覗きます…
あの時の声が公園中に響いていたのよ…・
ふふ・・・・・」

「そうかしら・・、
そんなに大声を上げていたかしら…、
自分ではよく覚えていないのです…」

「それほど夢中になっているっていうことかしら・・
ご主人が教えてくれるでしょう…・」

「ハイ・・・、時々・・・、
主人からも、他の人からも、笑いながら後でよく言われます…。
本当に、そんなに大声を出しているのですか…・?
恥ずかしい…・」

「今更恥ずかしがっても、遅い…!
さすがの千春さんでも、夢中になると自分では気が付かないのね…
意識してあんな大声は上げ続けられないものね…、
もし、それが出来たなら・・、プロで通用する…」


「・・・・・・」

言ってしまってから、まずい失言をしたことに、由美子は気が付いています。ソープ勤めの千春がそ
の道のプロであることに気が付いたのです。勿論、千春も由美子の失言に気が付いています。いつも
の千春なら軽口を返すのですが、とっさに返す言葉が出ないのです。それでも、気まずい雰囲気には
なっていません。


[27] フォレストサイドハウスの住人達(その14)(482)  鶴岡次郎 :2016/07/18 (月) 16:25 ID:yyReHfXA No.2880

「ゴメンナサイ・・・、
調子に乗って変なことを口走って…・」

「判っている・・、
私の事情を知っても、こうして平然と付き合ってくれている・・
由美子さんが商売女を軽蔑していないのは良く判っている・・・」

「軽蔑なんて…、私のやっていることを考えれば、
そんな気持ちはとても持てない…」

由美子の言葉に千春が黙って頷いています。

「あの時、演技で声を出すのは簡単にできることでないと言いたかったの・・、
ある事情があって、意識して声を出す練習を続けたことがあった・・、
うまくできるまで相当練習した経験があるものだから・・・、
普通の女が思い付きで演技をしようと思っても無理で、
それが出来るのは、その道のプロだけだと思っただけなの…・、
決してプロに偏見を持っているわけではない・・」

「判っています・・。・・。
由美子さんが私たちに偏見を持っていないのはよく判っている・・。

ところで・・、プロの一人だけど・・・
私・・・、お店ではほとんど声を上げないのよ・・、
何故かしらね・・
まだまだ、素人だということかしら…・、フフ……」

「・・・・・・」

返す言葉を見つけられなくて、困った表情で由美子は千春を見つめています。どうしても先の失言が
気になっている由美子で、千春の軽口に乗れないです。

「ほら、ほら・・、そんなに気にすることではないよ・・、
感じれば大声を上げ、そうでない時はおとなしい・・・、
やはり・・、私はただのスケベー女なのだということです・・。
まだまだ修行が足りません…、到底由美子さんにはかないません…・」

「あら・・私だって…、
演技で声を上げるのは、よほど理由がある時だけだよ…・」

「参考までに教えてほしいのだけど…、
どんな時に演技をするの…」

愛が突然話に割り込んでいます。

「エッ・・、それを聞くの…!
いいでしょう・・、
ここだけの話にしておいていくださいね・・・」

笑いながら由美子が話しています。

「70過ぎの相手とする時とか・・、
20前後の若い男が相手の時・・・、

気ばかり走って、肝心のモノが役に立たない時、
少しばかり演技をすることにしている…・
男性に気が付かれない程度に演技することが大切です・・・」

「勉強になります…」

千春と愛が神妙に頭を下げ、その後、三人の女はその場で大笑いしています。


「やっぱり由美子さんは、違う…・
私など・・、自分のことしか考えない…」

「それでいいのよ・・、
自然に出る声が、一番男性のハートに響くと思う…」

千春と由美子、この話題になると話は尽きないようです。

「お話し中ですが・・・、
あの時、大声を出す、出さない話は、それくらいにして・・・、
話を本筋に戻しましょう…、
本当にお二人はおスケベーね…・、フフ…・・」

愛が割り込んでいます。千春と由美子が大笑いで応えています。

「はい、はい、判りました、千春さんさえ良ければ、
あの時に声を出す話題は止めます・・・」

「あら私のせいですか・・・、
確か・・、由美子さんが言い始めたと記憶していますが…・」

「ハイ、ハイ・・・、スケベーな私が悪いのです…。
あの時大声を出している千春さんを覗き見した私が悪いのです・・」

「もう・・・、やはり私が一番スケベーだと言いたいのね・・・、
判りました、この場はそれで治めておきましょう…
いずれ判ると思います・・。
ほんとにスケベーなのは誰か…、
案外愛さんだったりして…、フフ……」

にぎやかに三人が笑っています。


[28] フォレストサイドハウスの住人達(その14)(483)  鶴岡次郎 :2016/07/20 (水) 11:20 ID:0/SPKTpw No.2881

「それ・・、当たっているかも・・・、
経験が少ない分、妄想が凄いから、この人・・」

笑いながら由美子が千春の言葉に同調しています。

「ええ・・、そうですよ、おっしゃる通りです…。
私は妄想の塊・・、根っからのスケベーです…。
そのスケベーな私から、お二人に質問します・・」

「おお・・、怖い・・・、怖い・・・、
どんないやらしい質問が出てくるのかしら…」

少し開き直った様子を見せている愛です。千春が大げさに頬を両手で押さえています。三人の女は
きわどい話に酔いしれています。

「先ほどから演技の話が出ているけど…、
演技で声を上げるのはいいけれど・・、
体が濡れていなかったら、直ぐに相手にバレるでしょう…」

「・・・・・・・」

由美子も千春も一瞬キョトンとした表情で愛を見つめています。愛の質問の意味が二人にはよく理
解できない様子なのです。

「どうしたの・・、
私の質問の意味が分からないの…?
アソコが濡れていなかったら・・、
困るでしょう・・。
そんな時はどうするのかと聞いているのよ・・
濡れてもいないのに、声を上げるのは変でしょう…・
相手だってバカでないから、演技だとすぐに判るわよ…・」

由美子も千春も質問の意味がようやく判ったようで、あいまいな表情で控えめに頷いています。

「でも・・・、濡れないことはない…」

「・・・・・・・・・」

由美子が低い声で短く答え、千春が軽く頷いています。今度は愛が由美子の言葉の意味が良く判らな
い表情を浮かべています。そして、数秒後、愛が突然笑い出しました。

「アハハ………・・」

かなり大げさに笑っています。当惑した表情を浮かべ由美子と千春が愛を見つめています。

「ゴメン・・、ゴメンナサイ・・・、
笑うところではないわね…・・。
お二人とも、男に抱かれれば、直ぐに濡れるのね・・、
男に抱かれて濡れない女などこの世に居ないと思っているのでしょう・・、
濡れない女の気持ちをお二人に聞いたのは間違いだったのね…・」

「・・・・・・・」

由美子と千春が黙って愛を見つめています。二人とも愛に責められている心境になっているのです。

「お二人には理解できないことだと思うけれど…、
男に抱かれ、触られても、かなりの女が濡れないことが多いのよ・・・、
無理やりやられて、接触の激痛でセックスそのものが嫌になる女もいる…。
私はそんな女をかなりの数見てきた…」

「・・・・・・」

由美子も千春も神妙な表情で聞いています。当然のことですが、愛の説明を十分理解し、そうした
境遇に居る女たちに同情を寄せているのです。


[29] フォレストサイドハウスの住人達(その14)(484)  鶴岡次郎 :2016/07/21 (木) 14:58 ID:uYCjRJPM No.2882

「ああ・・・、暗い話になったわね・・・、
前の職場で見聞きした嫌な記憶が忘れきれないのよ…
ゴメンナサイね・・・、」

「いえ・・、私たちこそ・・・・、そこまで気が行かなくて恥ずかしいと思っています・・・。感じ
ることが出来ない女性、少ししか感じない女性が、この世にかなりいることは、知識として持ってい
ます。でも、正直言って、その事実を今まで実感できる機会を持てなかったことも確かです・・。愛
さんにそのことを指摘されて、女性として恥ずかしい思いでいっぱいです…」

由美子が頭を下げ、千春もまた、頭を下げています。

「そんなに謝ることではない・・、でも・・、何事においても、恵まれた人は、恵まれない人のこと
に思いを馳せる習慣を持っていることは大切だと思います。
これを機会に、感性と男運に恵まれない女性に思いを馳せるようになれば、お二人はもっと魅力的に
なると思う・・」

「ハイ・・、愛さんのご忠告を忘れないようにします・・・」

由美子と千春が深々と頭を下げています。

「ところで・・、中には・・、そんなに好きでない男もいるでしょう・・、
むしろ、嫌だと思う男の相手をしなければいけないこともあるでしょう・・、
そんな時でも、感じることが出来るの…?」

愛が新たな質問をしています。どうやら、千春と由美子の特異な体質をこの際、もっと掘り下げよう
と思っている様子です。

「う・・・ン・・、かなり難しい質問です…、
正直に申し上げると・・・・、
触られるのも嫌だと思う男に、今まで出会ったことがないのです…」

千春が真面目に答えています。

「でも・・、好みの男性はいるでしょう…」

「ハイ・・・、勿論、好き嫌いはあります、
どちらかと言うとイケメンにすごく弱い方です・・。
でも・・・、どんな男性にも、良いところがたくさんあって、
男性の傍に居ることをそれほど嫌と思ったことがありません・・」

「それって…、どんな男でもいいということなの…、
ああ・・・、失礼・・、
変な意味でなく・・、
世の男性すべてが好きだということなのね…」

「ハイ・・、多分・・・・・」

「それって・・、凄いことだよ・・・、
凄い才能だよ・・・、
由美子さんもそうなの…・?」

愛の問いかけに由美子が黙って頷いています。

「参りました…、やはりね・・・、
そうじゃないかと思ったのよ・・・、
やはり、お二人は並みの女性とはかなり違っている…。
お二人とも、凄い才能に恵まれているのね…。
男にとって、お二人はある意味では天使のような存在だね・・・」

「そんな…、天使だなんて…
ただのスケベーなだけだと思います・・・」

本当に恐縮した表情で千春が答えています。由美子も同感らしく、小さく頷いています。

「判った…、謙虚なお二人が私は大好きです・・。
これから先も、お二人の気持ちを大切にして、思うまま生きてほしい・・。
私はいつでもお二人の応援団です・・・」

「ありがとうございます・・・」

由美子と千春がまた深々と頭を下げています。


[30] フォレストサイドハウスの住人達(その14)(485)  鶴岡次郎 :2016/07/24 (日) 14:05 ID:w1lnGt3. No.2883

「それにしても、濡れる、濡れないの話は、
どうやらお二人には無縁の心配だったね・・・、
むしろ濡れ過ぎが心配かもしれないね・・、フフ…・」

「はい…、
おっしゃる通りです…・」

看護師長の質問に答える患者のように素直に千春が答えています。

「あら、あら・・、正直ね…・、
その様子では・・・、
潮を吹いたりするのでしょう…」

「毎回ではないですが・・・、
かなりの頻度で噴出します。
後のことが心配で、バスタオルは手放せません・・」

「やれ、やれ・・・、
『・・濡れない時はどうするの・・』など、
お二人に余計な質問をした私がバカだった…、
どんな男と接触しても、お二人は十分濡れるのね…・、
由美子さんも当然・・、汐吹が売り物なのでしょう…?」

照れながら由美子が軽く頷いています。

「お二人とセックスの話をしていると、
私とは次元が違い過ぎてさみしくなってしまう・・・。
同じ女に生まれていながら、こんなにも違うんだね…」

「・・・・・・・」

しんみりと話す愛に、由美子と千春は言葉を返すことが出来ません。

「ああ・・・、ごめん、ごめん…、
私としたことが、僻みっぽい話をしてしまった…。

さあ・・、由美子さん・・・、
あなたのエロい話に戻りましょう…
たしか・・・、
千春さんの部屋番号を見事言い当て、その訳を説明する途中だったね・・」

愛が話題を変えようとしています、

「そうですよ、私・・・、びっくりしてしまった…
てっきり、部屋番号を知った経緯が聞けると思っていたのに・・、
イケメン中年と公園で遭遇した話になったでしょう・・、

それから濡れる濡れない話に飛び・・、
私・・・、汐吹まで白状することになった・・・・。
由美子さん・・、当然、その方と寝たのでしょう…・・」

愛の誘いに乗り、雰囲気を盛り上げようとしているのでしょう、千春が口を開き、明るい声を出し、
笑いながら由美子をからかっています。

「その日は寝ていない・・」

「やっぱり・・、最終的には寝たんだ…」

「うん・・、もう・・・、
話の主旨は、男と寝た、寝ないかの問題ではないでしょう・・、
あなたの部屋番号を私が知った経緯を説明することでしょう…、
変なことを言うから、話の続きを忘れてしまう…
…で、どこまで話したかしら…」

女性同士の会話の常で、話題は縦横に飛び跳ねますが、この時も不思議なことに元の話題に戻ってい
ます。


[31] フォレストサイドハウスの住人達(その14)(486)  鶴岡次郎 :2016/07/26 (火) 13:48 ID:rs5FzIEc No.2884

「公園を通りかかった時、
イケメン中年が寂しそうにしていたから、
由美子さんが声をかけたところまでよ…」

「ああ・・、そうだった…、
スケベーな千春さんが居ると話が淫らな方向にそれるね…・」

「あら・・、
私のせいばかりではないと思いますけど…」

三人の女がまたゲラゲラ笑っています。

「彼の傍に座って、取り留めない話をしているうちに・・、
もっと彼のことが知りたくなって…、
愛さんの店へ誘った…・」

「あら、あら・・・、やるものですね…、
女の甘い罠だとも知らないで・・、
その男も、ノコノコ付いて行ったのでしょうね…・
男はだれでもスケベーだから・・」

「彼がスケベーかどうか判らないけれど…、
とにかく、快く応じてくれた・・・・」

「やっぱりそうでしょう…、
由美子さんから誘われて断る男はいないと思います…。
その時、由美子さん・・・、やったと思ったでしょう…。
感じ始めていたでしょう・・・、
濡れ始めていたでしょう・・・、違いますか・・・・」

「知りません・・・」

「アハハ・・・・・」

三人の話は縦横に話題を転じながら、盛り上がっています。

愛の店に来たその男は彼の妻佐原幸恵の失踪事件を由美子と愛に話したのです。それでも、この場で
は、千春には幸恵疾走の話は伏せるつもりでいる由美子です。愛も暗黙の裡に由美子の意図を察知し
て、余計な口を挟みません。

「その日の出会いが縁で、私と愛さんは彼の家に招待されることになり・・、
それ以来、彼のお家・・、1613号室を時々訪ねるようになったの・・」

「1613号室…?
ああ・・・、その人、佐原さんだったのですか・・・」

「そうよ・・・、佐原さんなの・・」

「佐原さんね・・・、
確かに・・・、彼は目立つほどのイケメンだわ…・・。
ああ・・、そうか・・、
彼が私の名前と部屋番号を教えたのね…・」

「違う・・、
佐原さんから千春さんの名前を聞いたわけではない・・
佐原さんの隣の家が千春さんの家だと気が付いたのは・・、
今の今よ…、確信が持てなかったから、話がここまでもつれたのよ・・」

「そうよね・・・、確かに・・・、
浦上家のことは勿論・・、
他のマンション住人のことを佐原さんは話題にしたことがない・・・
そういう意味では口の固い人だと言える・・・・」

それまで黙って二人の会話を聞いていた愛が口を挟んできました。

「それなら・・、由美子さん・・・、
あなたはどうして佐原さんの隣が千春さんの家だと判ったの…
私もその訳が知りたい…・・
まさか・・、二人きりの時、彼との寝物語で聞きだしたわけでは・・・?」

ここまでくると、愛にも謎解きの面白さが沸いてきた様子です。千春を押しのけて由美子に質問して
いるのです。由美子がにやにや笑っています。



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