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フォレストサイドハウスの住人たち(その8)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2014/06/23 (月) 16:43 ID:Y0hYsB6o No.2549
浦上と千春の新婚生活がスタートしました。新しい章でも二人の生活をもう少し追ってみます。や
がて、運命の糸に操られるようにして、フォレストサイドハウスの中で展開するストリーの中心に千
春は押し出されることになります。相変わらず普通の市民が織りなす物語を語り続けます。ご支援く
ださい。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その
11)』の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきま
す。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余
脱字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにし
ます。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。

  ・(1)2014.5.8   
     文末にこの記事があれば、この日、この記事に1回目の手を加えたことを示します。
  
  ・記事番号1779に修正を加えました。(2)2014.5.8
    文頭にこの記事があれば、記事番号1779に二回目の修正を加えたことを示し、日付は最後
    の修正日付です。
 
   ご面倒でも当該記事を読み直していただければ幸いです
                                        ジロー   


[2] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(190)  鶴岡次郎 :2014/06/23 (月) 17:21 ID:Y0hYsB6o No.2550

新 居

二人の新生活は浦上が暮らしていた2DKの賃貸アパートでスタートとしました。結婚後一年で長
男を妊娠、これを契機に千春は店を辞め専業主婦となりました。子供が生まれたら、出来るだけ早
く新居を購入してアパートを出る、かねてから浦上はそう決意を固めて、いろいろ準備を進めてき
ていました。長男の一回目の誕生日が近づいてきた春、少し無理をして、計画を前倒しして新居を
購入することにしました。

浦上家の新しい住まいは、都心から電車で30分、公園の側にある高層アパート、フォレスト・サ
イド・ハウス(FSハウス)1614号室です。

引っ越して直ぐに隣家の1613号室へ夫婦そろってあいさつに出向きました。隣家の住人は年配
の夫婦二人暮らしでした。男性は佐原靖男と名乗り、大手生命保険会社の役員をしていると自己紹
介しました。スレンダーな体つきで身長が180センチ近く、その上、面長の渋いイケ面です。背
の高い夫の背後に隠れるようにして立つ夫人は幸恵と自己紹介して、専業主婦で趣味のパッチワーク
を楽しんでいると言いました。丸顔で可愛い感じの女性でした。

佐原夫妻と浦上夫妻は歳も違い、夫たちの職業も収入も異なるのですが、最初の出会いから主婦同
士の気が合ったのでしょうか、この種の高級マンションでは珍しいことなのですが、その後も夫人
たちは互いの家を気楽に訪問する仲になったのです。

後で判ったことですが、佐原夫妻には息子が二人いるのですが、二人の息子は家を出ていて、その
頃は夫婦二人暮らしだったのです。二人の息子は結婚適齢期をとっくに過ぎているのですが、どう
やら独身生活を楽しんでいるようで、佐原夫妻にとってはそのことが一番気がかりなことだったの
です。

そこへ、一歳の子供を連れた浦上と千春が引っ越してきたものですから、佐原夫人はまるで自分の
孫の様に千春の子供をかわいがりました。千春も佐原夫人を実の母親のように慕い、何か困ったこ
とが起これば、先ず佐原夫人に相談するようになっていたのです。

最初からこの本を読んでいただいている読者の方の中に、佐原夫妻という名を聞いて、あるいは、
この本の最初に紹介した夫人失踪事件を思い出される方がおられるかもしれません。実は佐原幸恵
夫人が突然このマンションから失踪するのは千春達が引っ越して来てから5年後のことなのです。
この頃は、佐原夫妻には何の異常もなく、典型的な裕福な中年夫妻だったのです。


長男が4歳になり幼稚園に入れたことで、それまでの多忙な子育ての仕事から千春は解放されまし
た。32歳になった千春は朝10時過ぎから、長男を迎えに行く午後3時ごろまで、それまで想像
さえできなかった自由な時間を手に入れたのです。一方、浦上は40歳になり、入社同期のトップ
を切って部長に昇進しました。

「少しでも異常を感じたら・・、
私に真っ先に連絡をください…、
処置が遅れると、みんなが不幸になりますから…」

結婚当初、この佐王子の言葉を浦上はいつも思い出し、それとなく千春の言動に注意を払っていた
のです。長男が生まれ、子育てに追い回されるようになり、浦上はこの言葉を忘れていました。


4年余りのED期間も含めて、浦上はもう10年近く千春以外の女を抱いたことがありません。商
社の営業マンですから、仲間との飲み会や、接待で盛り場に出入りすることも多く、それなりの誘
惑があり、その気になれば他の女を抱く機会は多いのですが、EDを患っていた浦上には、そうし
た異性は辛い思いをする対象でしかなかったのです。

千春と結婚後、女性が自由に抱けるようになっても、千春との性生活に十分満足して・・というよ
り、彼女との性生活でその精力を使い果たしていたと言った方が正確ですが、他の女に回す体力の
余裕をなくしていたのです。


[3] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(191)  鶴岡次郎 :2014/06/24 (火) 13:39 ID:FgbzS5zY No.2551
結婚当初ならいざ知らず、一年、二年過ぎると惚れて結婚した女でも、それほど新鮮に感じなくな
り、お義理で抱くことが多くなるのが一般的ですが、千春と浦上の場合は違いました。浦上が腰を
強く使えばそれだけ、強く舌を使えばその強さに呼応して、打てば響くように千春は激しく悶え、
目を見張るほどの逝き様を見せるのです。結婚5年を過ぎた今でも、千春を抱くたびに、浦上は新
しい感動を与えられていました。

こんな事情ですから、仕事に差支えないよう週に二度と決めているセックスを浦上は、本当に楽し
みに待っているのです。千春は勿論、いつでも喜んで浦上を迎え入れます。


一〇日足らずの東南アジアの出張から戻ったある日のことです。その時を待っていた浦上は、昼間
から体調を整え、早々に夕食を済ませ、千春を寝室で待っていたのです。

「やっと・・、寝てくれたわ…、
お待たせしました・・・・・」

子供を寝かしつけ、キッチンの片づけを済ませた千春が階段を駆け上がってきました。寝室の扉
を勢いよく開いて、満面の笑みを浦上に投げかけ、その場でネグリジェを脱ぎ捨て、素肌になりま
した。欲情した千春の強い香りが浦上の鼻孔を襲っていました。

「ああ・・・、寂しかった…、欲しかった…、
昼間から、待ち遠しくて、私のプッシーちゃん、泣き通しだった…、
パパはどう・・・、ああ・・、大きくなっている…、うれしい…」

裸で寝ている浦上の蒲団の中にもぐりこみ、男根をいきなり口に含んでいます。そして、体を回転
して、両脚をいっぱい開き、股間を男の顔に向けているのです。この千春の奔放なところが浦上の
お気に入りです。

昼間は良家の主婦然として、上品な雰囲気を醸し出しているのですが、いざ、寝室へ入ると、娼婦
に変身するのです。それでも、結婚当初は前歴を浦上が思い出すのではと察して、あまり奔放に振
る舞うのを自制していたのですが、出産を経験して以来、その自制心を捨てたようで、感じるまま
に叫び、悶え、貪欲に男根をむさぼるのです。


69の前戯を終わり、一気に挿入した時、かすかな違和感を浦上は感じ取ったのです。出張先のホ
テルで街の女を抱いていなかったら、多分この違和感を浦上は感じ取ることはできなかったと思い
ます。


妻以外の女を抱くことにかなり抵抗を感じたのですが、現地の取引先の人が気を使って手配をして
くれた女でしたのでむげに断ることが難しく、とにかく部屋に女を入れるところまでは了解したの
です。

部屋に入ってきた女を見て、浦上はびっくりしました。妻、千春に似たとても娼婦とは思えない清
楚な女でした。ベッドではさすがに売れっ子娼婦だけあって、男のツボを心得た攻めを展開し、浦
上はそのあまりの気持ちよさに思わず声を出したほどでした。何よりもすごいのは変化自在に動く
膣の筋肉でした。後で判ったのですが、彼女たちは日頃から膣筋肉のトレーニングをしているとい
うことでした。

千春の膣に挿入した時、その部分の微妙な動きが出張前に比べて活発になっていることに気が付い
たのです。その部分の筋肉トレーニングを積み、日に数人の男を相手にしているあの娼婦以上の動
きを千春は見せつけたのです。


[4] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(192)  鶴岡次郎 :2014/06/27 (金) 14:35 ID:AXdZRLD2 No.2552

男根から広がる、この世の物とは思えない快感に、意識を奪われながら、浦上は必死で現状を分析
していました。

〈ムウ・・、この蠢きは何だ…、
今までにない強い刺激だ、

先端を舐めるように刺激している・・、
根元を締め付けるこの強さ・・、
ああ…、ダメだ・・、我慢できない…〉

あっけなく浦上は逝ってしまいました。二人とも次の子を望んでいて、いつもそのまま吐き出すこ
とにしているのです。千春の上で息を整えながら、浦上は千春の変化を反芻していました。

〈千春のアソコは明らかに進化している、
十日余りの出張中、この変化が発生したようだ・・、
千春の体に、何が起きたのか…

彼女たちは毎日デルドーを使って、その部分の筋肉鍛えていると教えられたが、
もしかすると・・・、千春も・・、娼婦たちと同じように…、
僕の居ない間にそれなりの経験を積んだのか・・・・、

男が居るのか・・、
いや・・、短期間にそこまで付き合いのできる男は居ないはずだが・・、
もし・・、男がいて、千春をこんなに変えとしたら、凄い奴だが…、

浮気男の存在も大問題だが…、
それ以上に千春の体の変化が気になる・・、
これが、佐王子さんの言っていたあの前兆だとしたら・・、
いよ、いよ、その時が来たことになる…〉

この時点で浮気男の存在を疑うより先に、浦上は佐王子のあの言葉を思い出していたのです。妻の
浮気より、妻の体に発生した変化の方が、浦上にとって問題だったのです。

体に残る快感の余韻をたのしみながら、浦上は千春の体に起きた変化の分析を進めていました。浮
気男がいるにしろ、あるいは他の要因が存在するにしろ、留守中、千春が相当その部分を酷使し、
刺激を与えられたのは確かなのです。そして問題は、千春がその部分を酷使する気にさせた動機・要
因なのです。

〈何が千春をその気にさせたのだ…、
何がそこまで千春の情欲を掻き立てたのだ・・〉

今までだって、何度か家を留守にしたことはあったのですが、千春には今回のような変化は表れて
いなかったのです。今回に限って、驚くほどの変化が発生したのです。どう考えても、何か大きな
異変が千春の中で起きているのです。

〈千春の体に大きな変化が発生した…。
その日を恐れながら・・・、
一方では、その日が来るのをずっと待っていた・・、
その運命の日が遂に到来した・・〉

浦上はそのことをはっきりと自覚していました。


[5] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(193)  鶴岡次郎 :2014/06/30 (月) 11:07 ID:5sTGknQ6 No.2553

その日、二人は明け方まで絡み合いました。これほど長く、激しく絡み合ったのは最近では珍しい
ことでした。絡み合いの主導権は常に千春にありました。浦上が千春の中で逝っても、彼のモノを
外さず、巧みに刺激して蘇らせるのです。二度、三度彼女の中で逝き、蘇る工程を繰り返すうちに、
浦上にも耐性ができ、簡単には精を出さなくなったのです。そうなると二人の絡み合いは正に死闘
と呼ぶにふさわしい戦いになりました。

体力の続く限り、腰を振り、力いっぱい相手を抱きしめ、ときには口を吸い、時には雄叫びを上げ、
浦上は戦い抜きました。それでも、千春が余裕を残して戦っているのを浦上は体のどこかで感じ
取っていました。

〈・・この締め付け、どこまで行っても途切れない、凄まじい情欲…、
これこそ、佐王子さんの言っていた千春の凄さだ…、
俺ごときがどんなに頑張っても、
到底・・、かなわない・・・〉

剣豪同士の戦いで、自身も修業を積む、強さに自信を持つ者のみが、本物である相手の強さと、凄
さに気が付く・・、そんな敗北感を浦上はひしひしと感じ取っていたのです。


白々と朝が明けるころになってようやく、二人の動きが鈍くなり、挿入したまま、どちらかともな
く眠りに落ちました。

午前6時30分、けたたましい目覚ましの音で二人はたたき起こされました。昨日午後、羽田に到
着したその足で直接会社に出て、出張報告を済ませていますから、今日、浦上は休みです。しかし、
長男の幼稚園があり、その支度と送り届けで千春は寝ている訳には行かないのです。

「あ・・ン・・、
もう・・、朝なの…、ああ・・、もっと寝ていたい…、
眠い・・、昨夜は頑張りすぎた様ね・・、体のあちこちが痛い…
三郎さんは寝ていて・・」

腰を引き、夫のモノをその部分から抜き取りました。手にしたテイシューを素早くその部分に詰め
込み、あふれ出そうになっている愛液を素早く押し込んでいます。そして、腰を折り、今抜き出し
たばかりの男根を咥えこんでいます。何時もの習慣で、汚れをきれいにするつもりのようです。久
しぶりの朝の行事です。浦上は薄目を開けていますが、ほとんど夢の中にいる様子です。

愛液でぬらぬらと濡れた唇を舌で舐めながら、千春は夫の体から起き上がりました。ベッドの側に
立ち、夫を見つめ、やさしい笑みを浮かべ、彼の唇にそっと口づけしました。そして、潔く寝室を
出て行きました。


子供を幼稚園に送り出すと午後3時まで千春と浦上は二人きりになります。午前九時過ぎになって
も浦上はベッドから起き上がってきません。千春は朝食の準備を完了し、洗濯機も稼働させ終わって
いるのです。

千春は部屋着を脱ぎ取り全裸になりました。子供を産んだ女とは思えないほど均整の取れた綺麗な
体が朝日に照らし出されています。昨夜の名残でしょう、少し濃い目の陰毛が肌に張り付いたまま
です、シャワーを浴びていない体から昨夜の名残の隠微な香りが発散されています。

ゆっくりとドアーを開け、夫が眠っているのを確かめ、千春はベッドの下方から布団にもぐりこみ
ました。男根を口に含み巧みにそれを刺激し始めたのです。

三郎はすぐに気が付き布団を撥ね飛ばしました。三郎も千春も丸裸です。一晩眠った男根は勢いを
取り戻し、千春の口に余るほどの大きさに勃起しています。


[6] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(194)  鶴岡次郎 :2014/07/02 (水) 15:51 ID:roCToQK6 No.2554
それから二時間余り、二人は獣の様に激しく絡み合いました。昨夜も浦上は気が付いていたので
すが、その時の声が以前に比べて一段と高く、切羽詰まったものになっているのです。そして、明
るい朝日の中で見ると、体の動きも以前より明らかに奔放になり、積極的になっているのです。

放出し終わり、ぐったりした男根と同じように、浦上はピクリとも動けなくなって、長々と裸体を
ベッドの上に投げ出しています。窓から差し込む日の光は、昼近くになったことを告げていました。
それでも千春は手を緩めないのです、男の体の上に乗りあがり、口、両手足,そして陰唇を総動員
して、浦上を攻めるのです。顔から足の先まで、千春の陰毛で撫ぜられた三郎の体は、千春の愛液
でヌタヌタに濡れていました。

〈千春は変わった…
何かが千春の中で起きている…〉

全身を陰唇でこすられて、頭がしびれるような快感の中で三郎はそのことを確信していました。そ
して、無理やり立たされた男根で最後の奉仕をするのです。やがて、男根に堪えがたい強い締め付
けを感じ取りながら、一気に吐き出していました。昨夜から数えると4度目の放出でした。さすが
に、吐き出される液は少なく、局部にやや強い発精痛を感じていました。


遅い朝食を摂りながら浦上はそれとなく千春の体を、そして明るく笑っている千春の表情を観察し
ていました。何一つ変わったところはありませんでした。

「出張中、寂しくなかった…?」

「寂しかったよ、抱いてほしかった・・
でも、三郎さんは居ないから、どうすることも出来ない・・」

無邪気にほほ笑みを浮かべて答えています。

「久しぶりに千春を抱いて、改めて千春の凄さに気が付いたよ・・」

「・・・・・・・」

本当は、〈・・外地で抱いた娼婦と比較して、千春の凄さを思い知らされた・・〉と言いたいとこ
ろだったのです。トーストをちぎってそれを口に入れた瞬間でしたので、千春は恥ずかしそうに無
言で微笑んでいます。そして、閨以外の場でこんな話が出たのは初めてだったので、千春がびっく
りした表情で浦上を見ているのです。

「嫌だ…、そんなこと言わないで…、
私…、何か変なことをしたかしら・・・」

恥ずかしいほど乱れた自覚があるらしく、千春は少し顔を赤らめて浦上に問いかけています。

「いや・・、変なことは何も無かったよ…、
しかし、千春の感度がすごく高くなっていると感じた。
今までとは大違いだった。
そのおかげで、僕は腰が抜けるほど頑張ることになったけれどね・・・、
自分ではその変化に気が付かないのかな・・・」

「私…、久しぶりだったから・・・、
三郎さんの帰りをずっと待っていたから、
夢中になってしまって…、
昨夜のことは、ほとんど覚えていない…」

「そう・・、多分・・、そうだろうね…、
でも・・、出張に行っていたこの十日間あまりの間に、
人が変わったほど千春が素晴らしく変貌したのは事実だ、
勿論、僕にはうれしい変化であることは言うまでもないことだが・・」

「そう言っていただけると嬉しい…、
実はね・・、三郎さんに隠していることがある…、
私も・・・、自分がすごく感じやすく、
スケベーになったと・・、思うことが多いの…」

「やっぱり…、
その変化を千春は自覚していたのだね・・、
・・・で、いつ頃からのことなの…」

「心配するといけないと思って、出来るだけ隠すつもりだったけれど…、
隠し通すことはできないものなのね…、

実は・・、乳離れが終わった頃から・・、
感じ易くなっているのには気が付いていた…、
でも・・、その頃は・・、
何とか自分の意志でその感情を押さえることが出来ていた…」

授乳が終わったのは3年ほど前です。そんなに長い間千春が苦悩していたことを知り、浦上は自身
の不明を恥じていました。


[7] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(195)  鶴岡次郎 :2014/07/03 (木) 11:39 ID:40WbnNKo No.2555

浦上と会話をしながら千春は驚きを抑えきれませんでした。

〈私が変わったと三郎さんは言うけれど、
今日の三郎さんこそ、これまでとは全く違っている…。
何かが三郎さんを目覚めさせたに違いない、うれしいことだ・・。

朝からこんな艶っぽい話をする三郎さんを初めて見た…、
寝室では嫌らしいことをいっぱい言うくせに、
昼間はほとんど口を開かないか、口を開けば仕事と子供の話ばかり、

仕事が忙しくて私とゆっくり話をする機会がないことも事実だけれど、
本当は・・、二人きりになれば、こんな淫らな話をたっぷりしたかった…〉
 
これまで三郎との普段の会話の中で艶っぽい話が出たことはなかったのです。千春はあきらめてい
ましたが、時には寝室以外でも甘い戯言を交わしながら、たわむれたいと思っていたのです。三郎
がその気になっているのなら、この機会を逃すべきでないと千春は悟りました。

「ここまで話したのだから…、全部話すね…、
本当はまだ三郎さんには隠しておくつもりだった・・・
恥ずかしいけれど、全部話すから、嫌いにならないでほしいの…」

ここで千春は少し間を取って、話すべき内容を頭の中で整理している様子です。一方浦上は、最後
通告を宣言される囚人の様に両手を膝の上において、畏まって千春を見つめています。

「6ケ月ほど前から・・、欲望が一段と強くなった・・、
自分でも抑えきれない、恐ろしくなるほど、強い欲望が湧き出てきて…、
恥ずかしいけれど、アソコを掻き毟らなくては居られなかった・・・、

それでも、あなたが家にいてくれる間は、たとえ、抱いてもらわなくても、
あなたの側に居て、あなたの顔を見て、匂いを嗅ぐだけで・・・、
安らかな気分になっていた…」

浦上はじっと耳を傾けています。千春は恥ずかしそうに身を縮める様にして話しています。

「あなたが出張で居なくなり、
抑えが利かなくなって・・・・、
悪いことだと判っていながら・・・、
とうとう・・、手を出してしまった・・・・」

遂に禁断の行為に走ったことを千春は告白しています。恐れていたことが現実になり、頭の中が
真っ白になり、口がからからになり、浦上は怖い顔をして千春を睨み付けていました。

「そんな怖い顔をして睨み付けないで…、
これでも・・、私…、
精いっぱい、抵抗して・・、頑張ったんだから…」

「それでも、手を出してしまったのだろう…」

「そう・・、三郎さんが居ないせいよ、
普段なら、絶対そんなことはしない・・、

あの日・・、あの子を送り出した後・・、家事をしながら、
こみ上げてくる欲望と必死で戦っていた・・・。
でも・・、ダメだった・・・・、

体中の血が煮えくり返るようなハイな気分になり・・、
アソコは滴るほど濡れていて、蠢き、恥ずかしい音を出していた…
これ以上我慢したら、気が狂うと思った…」

「それで・・、
悪いことだと知りながら、
それに・・・、手を出したのだネ・・・」

浦上が絞り出すような声で詰問しています。キッチンのシンクに両手を置いて、頭を下げ、両脚を
震わせながら、秘部から湧き上がる欲望と必死で戦っている千春を浦上は想像していたのです。そ
れでも、千春が何に手を出し、どんな体験をしたのか、この時、浦上は想像さえできていなかった
のです・・、いや、男の存在を疑うことは簡単に出来たのですが、その事実を浦上は彼の頭の中か
ら急いで追い出していたのです。


[8] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(196)  鶴岡次郎 :2014/07/08 (火) 13:53 ID:TzL8TW8o No.2556
ぎりぎりまで追い込まれた浦上の緊張した表情に比べ、千春は笑みさえ浮かべ余裕の表情です。浦
上をどう料理して、攻略するか、作戦を練っているように見えるのです。浦上の問いかけに千春は
一呼吸おいて答えました。 

「ハイ・・・・
悪いと判っていながら、手を出してしまいました・・・・
私は・・、スケベーな、悪い女だと思います…」

「・・・・・・」

千春が笑みを浮かべて、あっさりと、悪行を認めています。女は男の反応をじっと見つめています。
浦上が困惑した表情で、千春を見ています。それ以上責めると男泣き、し始めかねない様子です。

「知りたい…?
私が何をしたか・・・、
私の本当の姿を知りたい・・・・?」

いたずらっぽい表情を浮かべ千春が聞いています。浦上は困惑した表情で千春を見つめています。
簡単に頷くことが出来ないのです。

「私の本当の姿を知れば、私を嫌いになるかもしれない、
私は三郎さんに本当の私の姿を知ってほしいけれど、 
知るのを三郎さんが拒否するのなら、これ以上は話さない…。
どちらを取るか、三郎さんが決めてほしい…」

この時点で、この場の雰囲気を女が完全に支配しているのです。男は哀れなしもべの様に女に向
かって頭を垂れているのです。事実を聞きたい気持ちと、それを知るのが恐ろしい、二つの相容れ
ない感情が男の中で渦巻いているのです。

「千春の話を聞きたい…」

「本当・・・・! 
うれしい・・、もし・・、聞きたくないと言われたら、
私・・どうしていいかわからなかった・・」

女の本質を知りたい気持ちが勝ったようで、男は覚悟を決めた表情で女を見つめ、そして、はっき
りと頷いているのです。

「本音を言えば、聞きたくない気持ちの方が強い、
しかし、それではいつまで経っても千春を理解することが出来ない、
この日が来るのは千春と結婚した時から覚悟を決めていたことだったのだ。

さあ…、何もかも洗いざらい話してほしい…、
どんな話を聞いても、僕はしっかり受け止めることが出来ると思う…」

女の本質を知りたいと願いながら、それを知るのを恐れ、躊躇し、ついには覚悟を決めて女の正体
を知る道を選んだ男の気持ちが女には手に取るようにわかるのです。男の熱い瞳が女に語り掛けて
いる内容を千春ははっきりと読み取っていました。

〈千春・・・、
お前がどんな女であっても・・・、
お前がどんなに破廉恥なことをしても・・・、
僕はお前を愛しつづけるつもりだ・・。
そしてこの僕の気持ちを、お前が大切に思ってくれるなら、
僕は、どんな試練にも耐えることが出来る。
何も隠さないで、ありのままのお前を見せてほしい・・・・〉

女の瞳が甘く潤んで来ています。こんな表情を千春が見せると危ないのです。下半身から甘い疼き
が広がり、もう耐えられないほどの疼きが全身を侵食し、女の頭から理性を奪い始めているのです。


[9] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(197)  鶴岡次郎 :2014/07/10 (木) 10:29 ID:tQXgChbA No.2557

千春の表情から余裕が消えました。燃えるような瞳で男を見ているのです。ようやく男も千春の変
化に気が付いたようで、驚きと多少の怯えが入り混じった複雑な表情を浮かべ千春を見ています。

「ああ・・、私…、
とっても欲しくなってきた……、
我慢できない…、
ああ・・・・・」

「・・・・・」

千春は両手で股間を押さえて、じっと何かに堪えている様子見せているのです。さわやかな朝日が
差し込むダイニングで、女が股間を押さえて悶えているのです。かなり芝居がかっていて、男の反
応を確かめながら演じているのですが、哀れな男はそのことに気が付きません。びっくりした表情
を隠さないで、女の様子をおろおろしながら見つめているのです。

女が欲情しているのは男にも十分理解できているのです。しかし、昨夜から早朝に続いた激しい戦
いで消耗しつくした男の体力は底を着いていて、女と戦う余力はどこにも残っていないのです。

冷静に考えれば昨夜から今朝に至るまで、浦上は並の男では到底できないにサービスをし遂げてき
たのです。戦う体力が一時的に失われていても、誰に非難されることはないのです、どっしりと構
えていればいいのです。しかし、情欲に抗しきれなくて、身もだえする女を目の前にして、自身の
体が何も反応しないことを知った男は、かなり焦っていました。

〈千春は・・、また、また・・・、欲情している・・、
だんだんに激しくなる・・、
僕の体力は底を着いてしまった…
どうすればいいのだ・・・〉

女の底知れない情欲を見せつけられ、男は、改めて、自身の無力さをひしひしと感じ取っていまし
た。 男が狼狽えているのをしり目に千春の悶え方はますます激しくなりました。もう・・、男の
姿は目に入っていない様子です。

突然立ち上がり、ワンピースの裾を胸までまくり上げ、白いショーツの中へ、いきなり右手を突っ込
みました。激しく右手をショーツの中で動かせています。もう・・、隠微な音がソコから発せられ
て、浦上の耳に届いていました。

「ああ・・、我慢できない…、
あなたには・・、すべてを知ってほしい・・、
少し恥ずかしいけれど、私の本当の姿を見てもらうわ…、
ゴメンナサイ・・・」

股間を両手で押さえたまま、小走りで寝室へ向かいました。あまりのことに浦上は声を出すことも、
千春の後を追うことも出来ないのです。しばらく間を取って、浦上は立ち上がり、ゆっくりと寝室
へ向かいました。

寝室の扉は開いたままでした。中から、千春のすすり泣く声が聞こえます。悲しみで泣いているの
でしょうか・・、そうでないことは、浦上にもすぐに判りました。

浦上はゆっくりと寝室へ入りました。部屋に入れば男の務めを果たさねばならないことは判ってい
るのです。残された体力はゼロです。それでも、千春の本質を最後まで見届けるつもりで、浦上は
ゆっくりと歩を進めているのです。

〈たとえ・・、千春にここで食い殺されてもいい・・
男として、逃げるわけには行かない・・・・〉、

この時、浦上は、仕事のことも、子供のことさえ忘れ、ただ千春の体だけを考えていたのです。少
し大げさに言えば、死さえも覚悟して、千春の体に挑む覚悟だったのです。


[10] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(198)  鶴岡次郎 :2014/07/11 (金) 15:02 ID:QICNc5kU No.2558

カーテンで朝日を遮られた寝室内は薄暗く、明るい日差しに慣れた浦上には何も見えませんでした。
ただ、千春の密かなうめき声と、良く知っている熟れた女臭が男の嗅覚を刺激していました。

千春は全裸の体をベッドに投げ出し、両脚をいっぱい開いて、両手を股間に添えて、その手を激し
く動かしながら、うめき声をあげていました。最初は指を使っているのだと男は思いました。しか
し、目を凝らしてよく見ると、股間に黒々とした超特大のデルドーが差し込まれていたのです。浦
上の知らない道具です。千春の手が、そのグロテスクな物体を前後に動かしているのです。その付
近は既にべっとりと濡れ、湿った破裂音を発しているのです。

床に投げ捨てられていたワンピースと、白いショーツを拾い上げ、浦上は静かに千春に近づきまし
た。

「ああ・・、三郎さん・・・・、
ゴメンナサイ…、
こんな・・、こんな・・、恥ずかしい姿をお見せして・・・、

ああ・・、良い・・、もっと・・、もっと…、
ああ・・・・、良い・・・・・・ィ・・・

三郎さん…、見て、見て・・・
私はこんな女なの・・・・、
あなたに十分抱かれていながら、それでも足りなくて、
こんなことをしているの…、
ああ…、許してください・・・・、ああ・・・・」

両脚をいっぱいに開いて、足の裏を天井に向けて突き出し、千春は激しく両手でデルドーを動かし
ています。前後に、そして回転を加えながら激しく動かしています。男性であれば膣が傷つくのを
恐れてそこまで激しく摩擦できないのですが、千春は子宮が押し出されるような勢いで動かしてい
るのです。激しく水しぶきが迸り出てシーツに水たまりを作るほどになっているのです。

両脚を天所に突き上げ、悲鳴を上げ、痙攣しながら悶絶しました。デルドーの周りから激しい破裂
音とともに、愛液が噴出し、その一部は浦上にも降りかかっていました。


デルドーで逝った千春が覚醒したのはそれから5分後でした。恥ずかしそうに股間からデルドーを
抜き、それを側にあったハンドタオルで包み込みました。

「それ・・、
初めて見るものだけど・・、
以前から持っていたの・・・」

「ハイ・・・
結婚する前、友達に勧められて買い求めていた…。
それでも、結婚前も、結婚後も一度も使ったことが無かった。
使い始めたのは、一週間前、あなたが出張に行った後です・・・」

「・・・・・・・・」

覚悟を決めているようで千春は素直に答えています。浦上の出張で、閨寂しくなった千春は、それ
まで一度も手にしたことが無かったデルドーを取り出し、使いだしていたのです。


[11] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(199)  鶴岡次郎 :2014/07/14 (月) 15:59 ID:9//9nKMA No.2559

浦上は黙ってデルドーを包んでいるハンドタオルを開きました。強い女臭が周りに発散されていま
す。黒いプラスチック製で、かなりの大物で、ほぼ浦上のモノと同じサイズです。顔を伏せ、恥ず
かしそうにしていますが、覚悟を決めているのでしょう、浦上がデルドーを手にしても、その手を
止めようとしないのです。

「初めて見るが、かなり精巧な作りだね…」

「あきれたでしょう…、
あなたの留守中にそんなもので遊んでいました。
夫がありながら、こんなものを使ってはいけないと思いましたが、
身体がうずいて、これを見るとどうしても抵抗することが出来なくて、
一度だけと自分に言い聞かせて使いました・・・」

デルドーを使ったことにかなり罪悪感を感じている様子です。売春経験さえあるほど性的経験の豊
富な千春とは思えない初心な発言です。浦上は何と言って慰めていいものか戸惑っているのです。
浦上にすれば、妻がデルドーを使うことにそれほど嫌悪感を感じていないのです。

「でも・・、一度、その味を知ると抑えることが出来ませんでした。
悪いと知りながら、あなたの留守中・・、
朝、昼、晩と・・、ほとんど一日中、こんなものに溺れていました…

おそらく、日に数時間はこれを使っていたことになります、
でも、判ったのですが・・・、
これをいくら使っても疼きは収まらないのです。
逆に、欲望が掻き立てられて我慢できなくなるのです・・」

全裸の千春は頭を垂れ、それでも涙を押さえて、必死で告白しています。

「私の体が変わったとあなたに指摘されて…、
この棒で悪戯をしたせいだと直ぐ気が付きました・・。
あなたの居ない十日間、ほとんど乾く暇のないほどこの棒を使っていました。
多分、そのせいで私の体に変化が起きたのだと思います・・」

「僕より、これの方がいいの・・・」

「そんなことは絶対ない…、
とても比較にならない・・、
これはただその場で気持ち良くなるだけの棒で、
終わった後には空しさが残るだけ…
出来ることなら、こんなもの使いたくない…」

瞳に涙をためて、千春は珍しく強い口調で反論しています。

「悪かった・・、君を非難するつもりはないのだ・・、
こんなものを使わせるまで、君を追い込んだのは僕のせいだと思っている」

「ううん・・、そんなことはない・・、
三郎さんが、そう受け取るのが、私には一番辛い・・・、
女の勘で判るの・・、三郎さんは本当に良くやっているし、
その証拠に、私は一度だって、三郎さんの愛情を疑ったことが無い、
それでも欲求不満に陥るのは・・、 
多分・・、私が並はずれてスケベーなせいだと思う・・」

どうやら千春は自身の体質をかなり正確に理解している様子です。

「千春が誤解していると困るので、一つ念を押しておきたいのだが・・、
私はスケベーな千春が大好きなんだよ、
超が付くほどスケベーな千春が大好きなんだよ・・、
これから先も、スケベーな千春でいてほしい・・」

「そう言っていただけると、本当にうれしい・・、
本気にしていいのですね、
思い切り乱れていいのですね…」

「・・・・・・」

浦上が黙って、裸の千春を抱きしめています。軽いうめき声をあげて千春が男に抱き付いています。
女の下腹部から奇妙は破裂音が聞こえてきました。


[12] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(200)  鶴岡次郎 :2014/07/15 (火) 11:02 ID:.tRE0ZIM No.2560

女はこのまま抱かれるつもりで、目を閉じ、男を抱きしめています。一方、男は勃起が戻ってくる
まで、できるだけ時間を稼ぎたいのです。女の肩を持ち、ゆっくりと女の体を離しました。女も素
直に離れています。

間近に迫った女の頬に男はそっと指を添えています。情欲を秘めてキラキラ光り、先ほど流した涙
のせいで瞳はしっとり濡れています。そんな千春を浦上は美しいと思いました。この女を離さない
と、改めて男は心に誓っていました。

「教えてほしいのだが、先ほどの話では、離乳した頃から、感情が異常に高ぶることが多くなった
と言っていたが、家事の途中で寝室へ駆け込み、デルドーを差し込みたくなるほど、突然感情が高
ぶることは、度々起こることなの…?」

「ハイ・・・、恥ずかしいのですが・・、
最近では、毎日…、
そして、日に何度も、何度もあります・・・」

「そう・・・、そんな状態だとは、気が付かなかった…」

『万人に一人と呼べるほど性感に恵まれた女』と、佐王子から言われた言葉を浦上は忘れていたわ
けではありません。ただ、長男の誕生、それに続く子育ての中で、千春は懸命に母の仕事に打ち込
んでいたのです。その結果、千春の性感は封印され、浦上は佐王子の警告を意識の外に追い出すこ
とが出来ていたのです。

授乳時期が終わり、母の仕事に一段落付けた千春に本来の性感が戻ってきた。浦上はそのように受
け止めていたのです。

「デルドーを使いだしたのは最近だと言っていたが、
以前は、どうしていたの・・・」

「じっと我慢して、
その気が通り過ぎるのを待っていた・・
あの棒を使いたいと思ったことは何度もあった…
でも使うことはできなかった…」

「どうして・・」

「だって・・、逆の立場になって考えると、
私という妻が居るのに、あなたが自慰に耽るのは許せない・・、
それと同じように、指でしたり、棒を使ったりするのは、
あなたへの冒涜だと思っている・・」

「なるほど・・、そんな考えもあるね・・、
しかし、今回は我慢できずに、デルドーを手にした…
今回の欲望は特別強かったということだね・・」

「ハイ・・体の疼きは日に日に酷くなっています。
あなたの出張中、初めはいつもの様に、指で処理していました・・ 。
ところが、際限なく欲望がこみ上げてくるので、
つい誘惑に負けて、この棒を使いました。

一度その棒の味を知ってしまったら、我慢する気力が衰えました。
多分、これからは、指を使った後は、この棒を使うことになると思います…」

「判った…、
つまらないことを聞いてしまった…、
くだらない質問に、正直に答えてくれてうれしいよ…、
これから先、僕が君の要求に応えられるかどうか自信はないけれど、
とにかく、僕には正直にすべて打ち明けてほしい…。

それと・・、デルドーを使うことなどあまり気にすることはない、
この棒を使っている千春は、それでそれで、僕を興奮させる効果があるよ・・・、
だから、その気になれば、僕の前でも構わないから、いつでも使ってほしい…」

「そう言っていただけると嬉しい…、
あなたの居る時は、出来るだけ使わないようにしますが、
もし、目に留まるようなことがあれば・・・、

その時は・・、
黙って、見過ごしてください…、

声を掛けていただいたりすると、
その…、恥ずかしいけれど、言いますネ・・、
あなたを見れば、本物が欲しくなってしまうのです・・・・

ああ・・、こんな赤裸々なこと言ってしまって…、恥ずかしい…」

処女の様に羞恥で頬を染め、両手を頬に添えて、視線を下へ逸らしている千春です。浦上の中に熱
い気持ちが蘇ってきました。浦上は股間の状態を慎重に読み取ろうとしています。何とか対応でき
そうだと判断を下しました。 


[13] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(201)  鶴岡次郎 :2014/07/18 (金) 15:16 ID:EB9E2l.A No.2561

「さあ…、おいで・・・・」

「ああ・・・、あなた・・・」

すべてを告白した千春は元気です。一方浦上は疲れ果てています。本来であれば、のんびりと過ご
したいのですが、千春の告白を聞いた以上、夫として、いや、一人の男として、女に背を向けるこ
とが出来ないのです。

飛びついてきた女を抱きとめ、唇を吸い、女の体をやさしく撫ぜています。女はうっとりとして次
の攻撃を期待して、股間を緩めて、男の指をそこに迎え入れているのです。女の股間が十分濡れて、
いつでも男根を迎える準備が完了しているのを男の指は感知しています。不思議なもので、その気
になって抱こうとすればするほど、陰茎は萎えてくるのです。こんなはずはないと頑張ろうとして
も、それは主の意に反してなかなか自立しないのです。

男の情勢が判った様子で、千春はにっこり微笑み、男をベッドに寝かせています。男は素直に女の
指示に従っています。今までこんなことはなかったのです。いつでも男は主導権を取り、果敢に攻
め、男の激しさを女に見せつけていたのです。

男の体の上に覆いかぶさった女は、巧みに、手と口、そして体のあらゆる部分を総動員して男を攻
めています。濡れた女陰で男の全身をゆっくり撫ぜるのです。男の全身から力が抜け、男は目を閉
じ、女陰の甘い感触を楽しんでいます。何とか勃起しなくてはと、思い込んでいた緊張感から解き
放たれ、男は母親に抱かれた赤子の様にうっとりと女の肌を楽しんでいます。

ようやく男の股間に変化が現れました。女は半立ちの陰茎を口に含み、ゆっくりと舌で男根を愛撫
しています。男根はさらに強くなりました。男の体の上に両脚を大きく開いて乗りかかり、半立ち
の男根を右手に握り、左指で女唇を開いて、男根をその中に押し込んでいます。先端が押し込まれ、
その全身が女陰に収まりました。その中に誘い込めば千春の作戦は成功です。膣内のすべての筋肉
が男根を包み込み、やさしく、時には激しく、こすりたてるのです。それから一時間、千春に抑え
込まれた形でベッドに横たわったまま、男は女の攻撃を受け止めていました。そして、縦横に動く
女陰に翻弄され、ついには頂点に持ち上げられ、なけなしの精液を絞り出すことになったのです。


ようやく戦いが終わり解放された浦上は、少しふらつく足取りで泉の森公園に一人で出かけました。
千春は何事もなかったように家事に取り掛かっています。〈太陽が黄色く見える・・〉とはよく
言ったものだと実感しながら、抜け殻のようになった体を公園のベンチに投げ出し、浦上は携帯電
話を取り出し、電話を始めました。

「・・・、そんなわけで、一度お会いして相談させてほしいのですが・・」

最後に会ってから数年経っているのですが、佐王子の連絡先は変わっていませんでした。浦上の連
絡を待っていたように、佐王子は快く話を聞いてくれました。浦上が語る千春の変貌した姿は佐王
子には十分予想できたことだったようで、特に驚いた様子ではありませんでした。

「良く判りました。
奥様の変貌はむしろ遅すぎたような気がします。
お会いして、いろいろ作戦を練ることにしましょう…。
どうでしょう・・、一週間後、どこかで落ち合うことにしませんか・・」

「勿論、私は構いませんが…。
佐王子さんはいろいろ忙しと思いますが、
もし勝手なことを言わせていただけるのなら、
もう少し早くお会いできませんか…」

一週間、今の状態のままで千春と暮らし続ける自信がなくて、浦上は佐王子に面談を前倒ししてほ
しいと頼み込んでいます。それほど浦上は疲れ果てているのです。

「私の都合で面会を一週間先にしたのではないのです。
私なりにいろいろ考えているのです。
不安な気持ちでおられることはよく理解しています。
ここはもう一踏ん張りして、この一週間、浦上さんは体力と時間が許せる限り、
奥様にサービスしてください。

死ぬ気で浦上さんが奥様に奉仕された、その暁には・・・
多分、一週間後には・・・、
いろいろなことがもっとはっきりと浦上さんに見えてくると思います・・」

そこまで言われると、浦上は引き下がらざるを得ませんでした。浦上が住まいの住所を告げると、
一週間後の面談場所にFSハウスの近くにあるレストランを指示しました。どうやら佐王子はFS
ハウス近辺の地理に明るい様子です。


[14] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(202)  鶴岡次郎 :2014/07/19 (土) 15:17 ID:4CZkjdzs No.2562

そして、一週間が経ちました。指定されたレストランはFSハウスから徒歩で10分ほどのところ
にありました。泉の森公園に面して、ホテルや、ビジネスビル、そしてマンションなどの高層ビル
が建ち並んでいるのですが、そのレストランはそうした高層ビルの一つで、一階に大手都市銀行の
支店があるビジネスビルの地下2階にあるイタリアンレストランでした。

仕事をいつもより少し早めに切り上げ、会社を出た浦上は、30分ほどで自宅に最寄りの私鉄駅に
着きました。ここから自宅マンションまでは歩いて5分足らずです。浦上は自宅とは反対方向に歩
を進め、5分足らずで目的のビルに着きました。そのビルの地階にあるレストランに入ると、一番
奥にあるテーブル席に座っている佐王子が右手を挙げて合図を送ってきました。

「お忙しいところ、ご迷惑だと思いましたが、
何を置いても、気が付いたら直ぐに連絡するよう言われていましたので、
とりあえず連絡を差し上げた次第です・・・」

数年ぶりの再会ですが、二人の男は挨拶もそこそこに本題に入りました。10日足らずの海外出張
から帰ってきた浦上が千春を抱いて違和感を感じ取ったこと、そして、デルドーを愛用するように
なっていた千春がびっくりするような性欲を見せつけたことなど、電話では話しきれなかったこと
も含め、浦上は何も隠さず説明しました。佐王子はただ黙って耳を傾けていました。

「・・・・、このような次第です。
正直言って、以前から千春の強い情欲を時々もてあますことがありました。それでも、出張前まで
は、何とか私の力で彼女を満足させることが出来ていると自負しておりました。

しかし、海外出張から帰って来て、何が原因かは未だに良く判りませんが、彼女は一段も、二段も
成長していることが判りました。これは大変だと思って、慌てて佐王子さんに連絡したのです。

千春のことをよくご存じの佐王子さんのことだ、私が連絡した翌日は無理でも、二、三日後にはお
会いできると思っていたのです。それが、意外にも佐王子さんは一週間後の面談を指示しました。

その時も申し上げたのですが、私は出来るだけ早く佐王子さんと面談して、千春への対応策を相談
したいと思っていたので、少しがっかりしておりました。私たち夫婦・・、いえ、私の追いつめら
れた緊急事態をよく理解していただけなかったのだと思いました。

しかし、一週間たった今、ようやく佐王子さんの本当の狙いが判るようになっています・・・」

公園で佐王子に連絡を入れてから、佐王子と面談すると約束したこの日までの一週間、浦上はほと
んどの精力を千春に注ぎました。勿論、昼間は出勤したのですが、仕事はほどほどにして、できる
だけ早めに帰宅して、千春と過ごす生活を優先させたのです。しかし、この努力は、結果として、
すさまじい千春の情欲を改めて浦上が認識する役目しか果たさなかったのです。

毎日優しく抱いてくれる浦上に千春は勿論、感謝していました。そして、抱かれれば、驚くほどの
反応を毎回見せつけ、抱かれれば、抱かれるだけ、燃え上がるのです。浦上から見れば、千春の体
は何度頂点に駆け上がってもその終点が見えないのです。そして、もっと強い男であれば、千春を
もっと高いところへ導くことが出来るのではないかと、あらぬ妄想を抱くようになっていたのです。

浦上はほとほと参っていました。このままでは、仕事も社会生活もすべて犠牲にして千春に奉仕し
ても、彼女を満足させることはできないと、追い込まれた心境に陥っていたのです。

「一週間たって、気が付いたのですが、佐王子さんの本当の狙いは別のところにあったのですね。
佐王子さんが指示したこの一週間は、私が自分自身の力を知り、とても千春には対抗できないこと
を悟るための時間だった・・・。
そして、私が男の誇りを捨て、心の迷いを消し去り、千春と一緒に生活するために必要なあらゆる
対策を実行する覚悟を固めるための時間だった…。

この一週間の苦労を思えば、この先佐王子さんから出される一見受け入れがたい提案も易々と飲み
込むことが出来るようになる・・、この一週間は、いわば私の研修期間だった…。

そう思ったのですが・・、間違っていますか・・・・」 

「・・・・・・・」

佐王子が黙って頷いています。


[15] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(203)  鶴岡次郎 :2014/07/22 (火) 14:38 ID:JMeePnsI No.2563
真剣な面持ちの浦上を見て、佐王子が少し笑みを浮かべています。そして、おもむろに口を開きま
した。

「ついにその時が来ましたか…、
正直申し上げて、もっと早くやってくると私は予想していました。

おっしゃる通り、連絡を受けてすぐに対応するべきだと思いましたが、
一週間の間を取ったのは、その間に・・・、
浦上さん自身の体で奥様の実態を十分察知してほしいと思ったからです・・」

沈痛な口調で佐王子が話しています。しかし言葉の内容とは裏腹に、佐王子はなんだか嬉しそうな
表情を浮かべているのです。

「以前申し上げたように、奥様は千に一人、万に一人と思えるほど、性感に恵まれた方です。彼女
の中で湧き上がる情欲は凡人には計り知れないものだと思います。もしこの欲望が暴走し始めると、
彼女自身でも、これを制御することは難しいと思います。感情を暴走させないよう、彼女の欲望を
適当にその都度、分散発散させることが絶対必要です。

これまでその兆候が目立たなかったのは子育てに彼女の精力が向いていたからだと思います。子育
てが終わり、いろいろな束縛から解き放たれ、彼女が持っている能力が、ここへきて大きく、花開
いたのですね…、もう・・・、誰も彼女を止めることはできません…」

佐王子が、沈痛な面持ちでつぶやくように言いました。落胆の表情を浮かべ、浦上がじっと佐王子
の表情を読んでいます。

「今はデルドーで一時しのぎが出来ていますが、
いずれ本身でないと満足出来なくなると思います・・。
浦上さんは並以上に強い男ですが、
正直申し上げて、あなた一人では到底、無理だと思います・・・」

「・・・・・・・」

浦上が沈痛な表情で黙って頷いています。一週間千春の相手をして、浦上は千春の底知れない情欲
を体験したのです。どんなに頑張っても、到底一人では太刀打ちできないことを悟ったのです。
もし、この一週間の経験がなければ、男の能力を否定する佐王子の言葉に浦上は反論したかもしれ
ないのですが、今は大人しく頷くことしかできないのです。

「もし・・、このまま何もしないでいれば、
妻は・・、そして僕の家族は・・、どうなるのでしょう・・」

「はけ口の見当たらない、異常な情欲と・・・、
あなたに忠実でありたいと願う愛情の狭間で悩みぬき・・・、
奥様は・・、多分・・、平常心を失うことになると思います・・。
そんなことになれば、平和な家庭に影が差し込みます・・」

男欲しさに体を燃やす千春は、外で男を求めることが出来ないまま、悩み、葛藤して、精神的にも、
肉体的にも、大きなダメージを受け、それが平和な浦上家に影を落とすことになると、佐王子は指
摘しているのです。

「千春に男を与えればいいのですか…?」

「奥様が他の男に抱かれることを浦上さんが快く許し、千春さんが精神的な大きな負担や、度を越
した罪悪感を持たないで、他の男に抱かれることが出来れば、問題はかなり改善されると思います。

それには、浦上さんの辛い決心と、そうした淫らな環境を受け入れるため、奥様の気持ちの整理が
必要だと思います・・」

佐王子が言葉を選びながら、慎重に答えています。浦上はじっと考え込んでいます。男にとって、
かなりつらい決断を迫られているのです。勿論、佐王子が出したこの結論は、浦上にとって、あら
かじめ予想できたことだったのです。


[16] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(204)  鶴岡次郎 :2014/07/29 (火) 12:20 ID:Bu3nxBoY No.2564

視線を床に落とし何事か考えに耽っていた浦上が、覚悟を固めた様子をその表情に見せて顔を上げ
ました。

「佐王子さん・・、千春のことをよくご存じですし、彼女のことを今でも、大切に思っていただい
ていることを私はよく承知しております。ここは経験豊富なあなたに頼るのが一番いいと私は考え
ております。

私は何よりも、千春と我が子の幸せを優先したいのです。
そのために私自身が辛い思いをすることは何とか凌げると思います・・・、
あなたがいいと思われる方法を教えてください・・・」

絞り出すように浦上が声を出しています。

「判りました・・。
浦上さんの決心がそこまで固いのであれば、
ご家族の皆さんの幸せのため、ひと肌も、ふた肌も脱ぎたいと思います。

一つ伺いますが、千春さんが気心を許せる男性をご存じないですか、そうした方が居れば、その方
にお願いして、定期的に千春さんの相手をしていただけるようお願いするのです。それで、かなり
千春さんの心身は安定すると思います」

「一人・・・、心当たりがあります・・」

「そうですか・・、それならその方にお願いするのが一番です。
こんな話なので浦上さんから声をかけるのは難しいでしょうから、
よろしければ私が交渉役になっても構いません。

ところで・・・、その方はご近所にお住まいなのですか・・・」

「佐王子さん…、
千春も、そして私も心を許せる人は・・、
それは、佐王子さん、あなたです…。

こんな難しいことを頼めるのは、あなたを置いて他には考えられません、
お仕事が忙しいと思いますが、千春のため、私たち家族のため、
お力を貸していただけませんか・・・」

「・・・・・・・・」

冷静に考えれば、浦上の選択はこの場の状況を考えると、ごく妥当なものだと思いますし、当然佐
王子もそのことをある程度予想すべきだと思うのですが、意外なことにこの依頼を佐王子は予想し
ていなかったようで、驚きで言葉を失っているのです。


[17] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(205)  鶴岡次郎 :2014/08/04 (月) 14:11 ID:0ORqP2u2 No.2566

夫が頭を下げて妻を抱いてくれと頼んでいるのです。そして佐王子が今でも千春を愛しているのは
彼の態度を見れば判るのです。千春にしても佐王子に抱かれるのであればそれほど大きな抵抗を感
じないであろうと浦上は考えているのです。

これだけ条件が整っているのに、佐王子は困惑の表情を浮かべて、ただ黙り込んでいるのです。佐
王子の沈黙の意味を浦上は捉えかねていました。

「ご迷惑だと思いますが、曲げて了承願いたいのです。佐王子さんであれば、千春も安心して身を
任せることが出来ると思います。私も、佐王子さんであれば、悔しいことは悔しいですが、なんと
か我慢できる気がするのです。他の男と千春が関係することは・・、この切羽詰まった状況で気の
小さい男だと思われても・・、なんとしても我慢できないのです」

浦上の話はほとんど佐王子の耳には入っていませんでした。日頃から人の世の動きを読むのに長け、
臨機応変に戦略を立てる佐王子にしては珍しく、今回の浦上の提案は寝耳に水の思いだったのです。

浦上の申し出を予想すべきだったと、佐王子は今になって、自身の迂闊さを責めているのです。そ
して、このような簡単な状況判断が出来なかった理由が佐王子には良く判っているのです。予想で
きなかったその事実より、浦上の依頼を予想できなかった理由を悟り、佐王子にしては珍しく、狼
狽え、慌てふためいているのです。

〈俺としたことが…、
浦上さんの依頼を全く読めていなかった・・。
状況を追って行けば浦上さんの出方は簡単に読めたはずだ…、

『千春さんを抱いてくれ・・』と頼まれて、こんなに有頂天になっている。
千春さんへの思いで、俺の勘が完全に狂っていたのだ・・、
俺も、意外に若いところが残っているようだ…〉

自分の中に残っている若さを自嘲しながら、佐王子は全身に湧き上がる興奮を楽しんでいました。
こんな思いを持つのは本当に久しぶりなのです。そして、今更ながら千春を思う自身の気持ちの強
さ、真摯さに気づき、我が身と、心の若さに驚き、そして同時に喜びを噛み締めていたのです。

「私はもう直ぐ55歳になります。若い頃の様に無茶は出来ない体だと思うことが最近多いのです。
商売の方もむやみに間口を広げないよう注意しております」

佐王子が珍しく気弱な発言をしています。申し出を断られるのではと、浦上は心配そうな表情で佐
王子を見ています。

「良いでしょう・・、他ならぬ浦上さんと千春さんのことです。
私でお役に立つようなら、精いっぱい頑張らせていただきます・・・」

「ありがとうございます・・・」

佐王子が軽く頭を下げ、浦上が深々と頭を下げています。これで男二人の話し合いは完了したので
す。


[18] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(206)  鶴岡次郎 :2014/08/06 (水) 14:06 ID:6UY14g1o No.2567

方針が決まれば実行は早い方がいいと、浦上が提案して、二人はそのレストランを出て、歩いて10
分ほどの距離にあるFSマンションへ向かいました。自宅で待っている千春には佐王子を連れて行
くことを浦上は連絡しませんでした。

佐王子を見て千春は驚き、次にはあまりの嬉しさで、その場にうずくまり泣き出してしまったので
す。二人の男は互いに顔を見合わせて、笑っていました。

二人とも食事は済ませて来たと告げたのですが、千春は手早くビールと軽いつまみを準備して二人
を無理やり食卓に座らせました。笑みを浮かべて二人の男はおいしそうにビールのコップを傾けま
した。

千春の心づくしの料理が食卓に並べられました。豚肉と小エビ、イカなど海鮮物が入った中華風野
菜炒めと鯵の塩焼きです。これらはいずれも佐王子の大好物なのです。さすが、昔関係のあった元
恋人の好物料理は忘れていないのです。そして、その料理をよく覚えていて、手早く準備した千春
は佐王子への好意を未だ失っていないようです。

勿論、佐王子は千春の心づくしを理解していました。古風なやり方で、合掌した両手の指の間に箸
を挟み込み、目を閉じて感謝の祈りをささげているのです。その閉じた瞳から、涙が・・、ゆっく
りと滲み出ていました。

以前、二人が付き合っていた時のことです。佐王子が一人住まいをするマンションへ、佐王子が留
守の間に訪ねてきた千春は、良くこの料理を作ってくれたのです。佐王子が夜遅く仕事を終えてマ
ンションのドアーを開けると千春の声と一緒に、このごちそうの香りが佐王子を出迎えていたので
す。

真剣に千春との結婚生活を考えた時期もありました。結婚話を出さば断われるはずがないと確信し
ていたのです。しかし、佐王子には結婚を申し出る勇気がなかったのです。結果として浦上に千春
を奪われ、佐王子はそれ以来固定した女を作ったことさえないのです。

久しぶりに千春の料理を見て思わずさ佐王子の涙腺が緩んでいるのです。まさか、千春の嫁ぎ先で、
この料理で接待を受けるとは、佐王子は夢にも思っていなかったのです。ただ一人、浦上だけは中
華と和食が入り混じった、この妙は組み合わせの料理の意味を理解できていなかったのです。



「僕が呼び出して、この近くのレストラン・・・、
ほら、イタリアンで何とか言ったかな、
千春と二、三度行ったことがある店なんだが・・・」

「レストラン地中海でしょう・・」

「アッ・・、そうそう・・、
その地中海に佐王子さんを呼び出して、
久しぶりに飲むことにしたのだよ・・」

実のところは話に夢中になっていて、レストランでは浦上も佐王子もほとんどの飲み食いしなかった
のです。話し合いが終わり、二人の男は緊張から解放され、空腹を感じ始めていたのです。千春の料
理の腕はかなりの物でした。それから次々と出される料理も若い主婦としては合格点以上の出来栄え
でした。二人の男は大いに飲み、食べました。

昔話に花が咲き、二時間余りがあっという間に過ぎました。もう、夜の10時を回っています。そ
れでも、肝心の話はまだ千春に告げていないのです。

「佐王子さん・・、夜も遅くなったようだから、
今夜はよろしければ泊まって行きませんか・・・?」

かなり酩酊した視線を宙に走らせながら、浦上が佐王子に言っています。元々、浦上はそんなに酒
に強くないのです。飲めばすぐに眠気を催して眠りおちる質なのです。佐王子が恐縮して手を振って
いますが、浦上は酔っ払い特有の執拗さで自分の主張を続けています。

「判りました・・、
明日は休日ですから、私の仕事も休みです。
今夜はお世話になります」

佐王子の返事を聞いた浦上は安心したのでしょう、そのままテーブルに顔を伏せて、眠りおち、鼾
を発しています。

「あら、あら・・、こんなに酔っ払って・・、
ゴメンナサイ、この人がこんなに酔っ払うのは久しぶりなんです。
佐王子さんに会って、よほどうれしいのだと思います・・」

「昼間の疲れがどっと出たんだよ・・、
寝室へ連れて行った方がいいね・・」

佐王子と千春が大男の浦上に肩を貸し、やっとのことでベッドに寝かせつけました。笑いながら、
浦上の背広を脱がせている千春を残して、佐王子は一人で寝室を出ました。


[19] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(207)  鶴岡次郎 :2014/08/11 (月) 16:21 ID:QICNc5kU No.2568
20畳ほどの居間に革張りのソファーがあり、大型テレビもここでは小さく見えます。ソファーに
腰を下ろし佐王子はゆっくりと部屋の中を見渡しました。床に敷き詰めた絨毯の上にいくつかの幼
児用玩具が転がっているのが愛嬌です。

千春と別れて以来、佐王子は彼女のことを一日だって忘れたことがありません。浦上家の周りにア
ンテナを広げていて、それなりに浦上家の情報は掴んでいるのです。千春の退職、長男の出産、F
Sハウスへの転居、浦上の部長昇格、浦上家のことはかなりのところまで掴んでいるのです。そし
て、千春が幸せな生活を送っていることを心から喜んでいたのです。

そんな時、突然浦上から電話連絡を受け、千春が底知れない情欲に取りつかれ、悩まされているこ
とを知らされたのです。当然、いつかはこの日が来ることを佐王子は予想していたのですが、いざ、
それが現実になると、佐王子は慌てました。狼狽える自身をしかりつけながら、佐王子は必死で対
応策を練りました。

何を置いてもまず浦上が千春の症状を正確に理解し、彼一人の力では千春の症状に到底対応できな
いことを彼自身の体で学び取ることが大切だと佐王子は考えたのです。それで、一週間、千春に奉
仕することを浦上に命じたのです。

浦上は頑張りました。並の男では一日か二日で音を上げていたでしょう、一週間、とにかく頑張り
通したのです。その結果、浦上は自身の無力さと千春の人間離れした情欲をよく理解したのです。
そして、この先、千春と一緒に生活をするためには、どんなに嫌でも、どんなに堪えがたいことで
あっても、千春に他の男を与えることが必要だと悟ったのです。

浦上から千春を抱くように依頼された時、佐王子は慌てました。予想さえしていなかった浦上の申
し出を聞き、嬉しさと、驚きで、言葉を失っていたのです。しかし、冷静になって考えると、浦上
の申し出はそれほど意外なことではなかったのです。過去の経緯を考えると、佐王子が対応するの
が一番簡単で、安全なことは自明のことなのです。

〈ああ・・、俺も焼きが回ったかな…、
千春のことを今でも忘れられなくて、俺の目が曇っていたということか・・〉

佐王子は自嘲的にそうつぶやいていました。

〈待てよ…、あいつ…、千春には何も告げなかったが…、
そうか・・、すべて俺に預けて、
酔ったそぶりを見せて、あいつは寝てしまったんだ…、
さて・・、どうすればいいのだろう…〉

その昔、手玉に取った千春ですから、どこを吸い、どこを擦れば、どう鳴くか、女の体の隅々まで
知り尽くしているのですが、人妻になった千春は、今では遠くに立つ女なのです。黙って抱き寄せ、
口を吸えば喘ぎだし、簡単に靡いた女ではなくなっているはずなのです。


千春がダイニングルームに戻ってきました。大男の浦上を相手にかなり奮闘したのでしょう、前髪
が乱れ、額にうっすらと汗がにじみ、髪の毛が額に張り付いているのです。来客を予想していな
かったのでしょう、胸のところが大きく開いた薄手で、ミニの花柄ワンピースの下はどうやらNB
らしく、豊かな乳房の半分以上が顔を出し、授乳経験のある黒い乳首がくっきりと布を押し上げて
いるのです。

その昔、その景色は見慣れているはずなのですが、久しぶりに接する佐王子には新鮮に見えました。
少年の様にその光景から慌てて視線を外しているのです。

「ああ・・、疲れた…、
背広を脱がせるだけで大仕事だった・・、
あの様子では朝までぐっすりネ・・・・、

保さん…、
今夜は泊まって行けるのでしょう・・」

久しぶりに名前で呼ばれて佐王子は少し慌てています。


[20] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(208)  鶴岡次郎 :2014/08/16 (土) 18:01 ID:.QQhd7XU No.2569
体がほとんど触れるほど近づいて、男の側に千春が座りました。懐かしい女の体臭が男の鼻孔を刺
激しています。それだけで、男は高揚した気分になっています。

「そうだな…
明日の仕事は午後からだし、
家に帰っても誰も待っていないから・・、
迷惑でなければ、泊めていただくかな・・」

千春の顔を見ないようにして、何気ない口調で男が返事しています。

「そうして・・、
主人もきっと喜ぶと思う・・、
ところで、Y市のマンションは以前のままなの…」

「ああ・・、そうだよ、
千春ちゃんが泊まっていた頃と何一つ変わっていないよ」

「あら・・、そう・・
懐かしいな・・・、
ああ・・、そう、そう、窓から見えるラブホテル、
相変わらずなの…」

「以前より、過激になっている、
こちらが見ていると判ると、わざと脚を開いて見せる女もいる…、
多分、大部分が素人の女だと思うけれど・・、
その気になると、女の方が大胆だね・・」

「ふふ・・・・」

二人きりになると一気に昔のことが蘇り、二人の仲は急速に接近しています。無理もありません、
千春がまだ20歳そこそこで、初めて佐王子に抱かれ、それから8年余り、佐王子の手で女の全て
を開発され、彼の要請で娼婦にまで身を落としたのです。考え方によっては浦上と過ごした8年間
の結婚生活より、佐王子と過ごした8年間の方が千春にとっては密度が濃いと思います。

「一週間前、ご主人から電話があった・・・、
10年近く会っていないはずだから、正直、最初はだれか判らなかった・・、
千春の名前を聞いてようやく思い出したほどだった・・」

「10年は経っていないは、8年足らずよ・・」

「そうだったかな・・、
それにしても遠い昔の気がする・・・。
確か、千春と彼の結婚について三人で話し合うことになったんだったね、
俺も若かったが、あの時、千春はほんの子供だった気がする・・」

「よく言うわね…、
そんな子供みたいな女にお客を取らせていたのよ、保さんは・・」

「ハハ・・・、
これは一本参った・・、
確かに、おっしゃる通り俺はどうしょうもない男だよ・・
今も、あの頃とちっとも変らない渡世を送っているよ・・」

「相変わらずね・・、
自分のことをそんな風に言うのは…、
でも、どうしょうもない男だったら主人は声を掛けないと思う、
どんな相談をしたのかわからないけれど・・・、
主人は保さんを信頼しているのよ・・」

少し真剣な表情で、やや強い調子で千春が言っています。


[21] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(209)  鶴岡次郎 :2014/08/21 (木) 13:43 ID:nYpHgyUI No.2570

「概略を電話で聞いたのだが、とても込み入った話なので、
その場で結論を出せなくて、日を改めて面談することにした・・。
それが今日だった・・・、
この近くのレストランで話し合いをした・・・」

「きっと、私のことでしょう・・」

「・・・・・・・」

佐王子が黙って頷いています。

「それで保さんは・・
どう答えたの…」

「どう答えるて…」

「とぼけないで、私には判っているのよ、
保さんを見た時ピーンと来た・・・、
私のことを保さんに頼んだのでしょう…」

「・・・・・・・」

佐王子は千春の勘の鋭さにびっくりしていました。この調子ではすべて見通されていると覚悟を決
めていました。

「相変わらず勘の良い子だ・・、
今から話すことはお二人にとって、とっても大切なことだから、
話の先が読めていても、一通り、私の説明を黙って聞いてほしい・・。
それほど大切な話なのだ・・・」

佐王子の真剣な様子を見て、事の重大さがわかったのでしょう、千春が黙って頷いています。

「千春・・・、
ああ・・、二人きりの時は、これからも千春と呼ばせてほしい・・

ご主人と話し合っていて、判ったことなんだが…、
浦上さんは千春のことを本当に大切に思っているようだ・・。
多分、ご主人は千春をこの世で自分の命より大切だと思っているようだ。

これから先、どんな事態が発生しても、
ご主人の千春への愛情を疑ったりしてはいけない。
このことを、千春はしっかり頭に刻み込んでほしい・・」

千春が笑みを浮かべて頷いています。

「千春が想像しているように、ご主人から千春を定期的に抱いた欲しいと、今日、正式に申し込み
があった。ご主人一人ではとても千春を満足させること出来ないとおっしゃるのだ」

予想していたこととはいえ、浦上が佐王子に正式に申し込んだことを聞き、千春は驚きを押さえる
ことが出来ませんでした。

「以前付き合っている時感じていたのだが、千春は一人の男で満足できる女でないと思っていた。
誤解しないでほしいのだが、千春が見境なく男漁りをする女だと言っているのではない、むしろ、
逆に千春はとても貞操観念の強い女だと思っている。それだけに、一人の男に縛り付けると、自分
の欲望と強い貞操観念の板挟みにあって、精神に異常をきたすほど悩む可能性が高いと思っている。
このことは俺も、浦上さんも、同じ意見だ・・」

佐王子は熱心に語りかけました。千春はどのような気分でこの話を聞いているのでしょうか、見る
限りではおとぎ話を聞いているように、おだやかで、明るい表情で耳を傾けています。 

「ご主人は、千春さえ同意すれば、定期的に千春を抱いて良いと言われている。
幸い、俺の仕事は夜が中心だから、昼間、このマンションに来て務めを果たしてほしいと指示され
た。勿論、俺にとってはこちらからお願いしたい気持ちが正直なところだから、一も、二もなく、
その場でお引き受けした次第だ・・・、
こんな事情だが、どうだろう、千春の気持ちは…」

恋する少年の様に、素直な、それでいて、男のねばりつくようなギトギトした執念を、その瞳の奥
に見せて佐王子が千春を見つめています。千春は相変わらず捉えどころのない表情で佐王子を見つ
めています。


[22] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(210)  鶴岡次郎 :2014/08/22 (金) 17:50 ID:JMeePnsI No.2571

佐王子の質問には答えないで、ゆっくりと千春が立ち上がりました。そして、少し後ずさりして、
テーブルから少し離れたところに立ち、彼女の全身を佐王子に見せつけています。その表情から彼
女の意図は知ることはできません、茫洋として、視線は宙を漂っているのです。佐王子は黙って千
春を見つめていました。

ゆっくりとワンピースの肩紐を肩から外しました。最初に左肩、そして右肩、支えを失った布が肩
から滑り落ち、腰の位置で留まっています。ダイニングテーブルを照らす淡い光が女の豊かな胸を
浮き出させています。やはりNBです。

女も興奮しているのでしょう、男の視線を感じて、豊かな乳房が大きく、ゆっくりと上下に動いて
いるのです。大ぶりの乳房の先端にある黒い突起が明確に立ち上がっています。

女の手がワンピースを下へ一気に下ろしました、白いショーツも一緒に引き下げられています。全
裸の女が淡い光の中に立っています。慣れ親しんだ肉体を男はじっと見つめています。滑らかな胸、
張りのあるウエストライン、そして数えきらないほど交わったその部分、どの部分にも甘い思い出
が秘められているのです。欲情した時に発せられる特有の香りが女の体から発散されています。全
ての記憶が男の頭脳に蘇っています。

「主人の気持ちをありがたくいただかせていただきます。
私にとっては、これ以上の物は考えられないありがたい贈り物です。
ご存じのとおり、万事に行き届かない女ですが、よろしくお願い申します」

女はその場に正座して、両手を前にだして、深々と頭を下げました。つやつやとした女の背中と臀
部が男からよく見えます。

「俺との関係を復活することになって、
千春から俺やご主人への要求はないのか・・」

佐王子が訊ねました。

ゆっくりと頭を起こした千春が真っ直ぐに男に視線を向けて、やがてゆっくりと口を開きました。
形のいい乳房と魅惑的な股間の茂みが男の視線を捉えています。女は両手を膝に置き、絨毯の上で
正座しています。

「私は佐王子さんが好きでした。
いえ・・、今でも大好きです。
ですから、元の様に抱かれるのは正直言って、うれしいです。
でも、その半面、少し怖いのです…」

静かな、控えめの声で女が言いました。男は黙って頷いています。この種の話をする男女の会話に
しては、互いに恐ろしく冷静です。

「保さんとの関係を元に戻すに当たって、一つだけ申しあがておきたいことがあります。こちらか
らお願いしておきながら、いろいろ条件を付けるのは本来してはいけないことだと言うことも良く
判っています。しかし、このことだけは、はっきりしておきたいのです。もし、佐王子さんがこの
ことを約束していただけないのであれば、今回の話は私から断りたいとさえ思っています・・」

真剣な面持ちで千春が語っています。全裸の女が恥じらいを見せないで、求道者のような表情をし
て真剣に語る姿には、不思議な魅力があります。その道の専門家である佐王子にとっても新しい発
見であるようで、熱い視線で千春を見つめています。

「佐王子さん・・、良いですね…?」

何も反応を見せないで、うれしそうにただ千春を見つめている佐王子を見て、その態度を咎めるよ
うに、千春が返事を催促しています。


[23] フォレストサイドハウスの住人たち(その8)(211)  鶴岡次郎 :2014/08/23 (土) 11:45 ID:Y0hYsB6o No.2572

夫公認で抱かれることになり、いわばその愛人契約条件を真剣な表情で話す全裸の千春に佐王子は
見惚れていたのです。裸の女が男を誘う手管には慣れきっている佐王子ですが、裸であることを忘
れたように真剣に話しかける千春にはそれまで経験したことが無い不思議な魅力があったのです。
千春の言葉で我に返り、少し慌てて返事をしています。

「エッ・・、ああ・・、勿論、その通りだ、
千春の言い分が通らなかったらこの話は無しだ・・
ご主人も、もちろん私も、千春の嫌がることは絶対しない・・」

佐王子らしくもなく、偶然垣間見せた千春の新しい魅力に心を奪われ、返事を忘れていたのです。

「ありがとうございます。それを聞いて安心しました。それでは申し上げます。

以前、佐王子さんに抱かれている時、何時、佐王子さんから結婚を申し込まれるのかと、私は心を
弾ませて待っていました。妻にしていただかなくても、愛人関係をはっきりさせていただくだけで
もよかったのです。

『千春は俺の女だ・・』とはっきり約束していただけるだけで、良かったのです。しかし、私の気
持ちが判っているのに、佐王子さんは最後まで、誘いの言葉をかけてきませんでした。今でも、そ
のことでは佐王子さんを恨んでいます・・」

いたずらっぽい表情で千春が語っています、佐王子が困った表情で千春を見ています。

「現在では、ご存じのように私は人妻で、子供も一人います。
主人を心から愛していますし、子供と主人を守るためなら、私は自分の命など惜しいとは思いま
せん。以前とはここが違うのです。私には守るべきものが出来たのです」

誇らしげな表情で千春が語っています。

「保さんに抱かれると、多分、私は夢中になり、保さんと離れたくないと思うようになるはずです。
もしかすると、今の生活を捨てて、保さんの懐に飛び込もうとするかもしれないのです。こんな自
分の変化が、私は怖いのです・・」

「・・・・・・」

おそらく本音を千春は語っているのだろうと佐王子は理解していました。それでも男は黙って頷い
ているだけでした。

「そこでお願いがあるのです。
もし・・、私が保さんに夢中になり、今の家庭を忘れるようなそぶりを少しでも見せたら、その時
は、私を殴りつけてもいい、乱暴な言葉を吐いても良い、考えられる限り汚い言葉で私をののしり、
私をボロ布の様に捨ててほしいのです・・。

早い段階なら、元に戻れると思うのです…」

「・・・・・・・・・・・・」

唖然として佐王子が千春を見つめています。千春は真剣そのものです。

「佐王子さんは男だから、女の私より、理性的に行動できると思っています。
それに、佐王子さんにも守るべきものがたくさんあるはずです。
いまさら、私ごとき女のために今の生活を捨てる気持ちは持たないと思います。
だから、佐王子さんにお願いするのです・・。
今の家庭を守るため、ぜひ、私の願いを聞き届けて下さい・・」

「判った・・、千春の覚悟が良く判った…、
千春の言った言葉はそのまま、私自身の自戒の言葉にするよ。
千春を俺のモノにしたくなったら、俺は黙って千春から離れることにする。
勿論、千春が旦那や子供を捨てることは絶対許さないつもりだ・・」

こうして、好意を抱きながら、互いの意に反して別れて暮らしていた男と女が、再会し、男と女の
関係を復活する奇妙な愛人契約条件を取り交わしたのです。両人ともに凄まじい能力を秘めたその
道の達人です。迸り出た愛液があたりに立ち込めるほどすごい情交がこれから展開されると思いま
すが、果たして今取り交わした口約束がどこまで守られるか・・、どちらが先にこの約束に違反す
るか、じっくりと見守っていくことにしたいと思います。

そして、千春と佐王子がこの契約を交わしたことにより、佐王子はSFマンションに頻繁に出入り
するようになり、このマンションに住まう幾人かの女が佐王子の牙にかかり、それまでとは異なる
女の道を選ぶことになるのです。その経過についてはすでにいくつかエピソードをそれぞれ個別に
紹介しておりますが、これから先に紹介する話も含めて、いずれ整理して、それぞれのエピソード
の相関関係を明らかにするつもりです。


[24] 新しいスレへ移ります  鶴岡次郎 :2014/08/23 (土) 12:07 ID:Y0hYsB6o No.2573
話の区切りが来ましたので、新しい章を立てます。ジロー


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