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寺崎探偵事務所物語T (2005年9月〜10月作品)


神山探偵事務所の裏家業〔由美子の冒険(W)〕 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/17 (土) 21:29
1、 寺崎探偵のUとの出会い

寺崎和夫がいつものようにアポ(予約)も取らないで、突然訪ねてきたのは茹だ
る様な真昼の暑さがようやく収まって、街路樹をざわつかせて通り過ぎる風に、
何となくさわやかさを感じる夕暮れに近い時間でした。鶴岡は秘書からその名を
聞いて、いつものことながら何となくほっとした気分になり、仕事はまだまだ山
ほど残っているのですが、少しの時間、彼と会って息抜きをしてみようと、ゆっ
くり腰を上げました。

いつごろからの付き合いか正確には鶴岡も思い出せないほど前になりますが、大
手電気メーカに居る大学の先輩から、裏表のない良い男だから紹介したと電話が
あり、その直後に寺崎が訪ねてきたのです。当時鶴岡は秘書室にいて、寺崎のよ
うな職業の人間が良く売り込みに来ていて、この時も先輩の紹介だから、会うだ
けは会って、その後のお付き合いは断るつもりでした。しかし会って見ると、な
んともいえない魅力的な男で、鶴岡は会った瞬間から彼の虜になりました。

寺崎は当時30過ぎで、ほとんど鶴岡と同年代でしたが、若禿で、160に満た
ない身長で、少し太り気味で、丸顔に黒ぶちメガネをかけて、いつも笑いを満面
に浮かべて訪ねてきました。社内で鶴岡の周りにいる者はいつの間にか彼の手の
内に入っていて、しばらくすると秘書室へはフリーパスで入れるようになってい
ました。それどころか、鶴岡の秘書は上手く手なずけられて、いつも優先的に鶴
岡の面会スケジュールを彼のために割り当てるようになっていました。何故そん
な事をするのかと一度、鶴岡が秘書に訊ねたことがありました。

「ハイ、寺崎様には優先的に面会時間を割り振っています。
寺崎様にお会いになるのを室長がいつも楽しみにしていらっしゃる様子ですし、
お会いになった後はいつも上機嫌ですから、私達も寺崎様がいらっしゃるのを
楽しみに待っております。
それに・・・、寺崎様は私達にも優しくて、私の大好きな伊勢屋のシューク
リームを毎回お土産に持ってきてくださいます、ふふ・・・」

寺崎は秘書の好物を調べて、それをいつも持参しているのです。その上、面会の
便宜を図ってもらっていることに対して、まだ若い秘書にいつも誠心誠意でお礼
を言っていて、側で見ていてもその誠実な気持ちを十分感じ取ることが出来るの
です。

鶴岡が秘書室から、技術部に戻った後も寺崎はしばしば訪ねてきました。秘書室
と違ってこの部門では寺崎の商売の種は少ないのですが、それに構わず寺崎は鶴
岡を定期的に訪ねてきました。そして、鶴岡が役員になり、寺崎との取引がまた
増加して、寺崎は鶴岡にとって、腹心の部下同様に信頼の置ける人物になってい
ました。

寺崎は、年配の調査員、佐伯と女子事務員の秋子を抱えた探偵事務所の所長で、
裏通りにある古いビルの二階に小さな事務所を構えています。鶴岡の知る限り、
この事務所の様子は20年来変わらない規模で、何か悠々と商売をやっている感
じです。

いつ頃からか、鶴岡の自宅へも寺崎は訪ねてくる様になっていて、今日も例の
とおり突然、夕食時に訪ねて来ました。
「奥さん、美味しい紅ジャケといくらを見つけました。
これを見つけた時、奥さんの顔を思い出して、思わず買ってしまいましたよ、
はい・・・、これ、お土産です」
寺崎は、鶴岡が在宅しているかどうかも聞かないで、大声で由美子と話しながら
もう居間まで上がりこんでいます。その後を由美子が笑いながら付いて来ていて、
その手に重そうな紙袋を下げています。

「お母さんは、シャケの天敵よ」と娘たちに言われるほど、北海道産まれの由美
子はシャケが好物で、当然のことながら、シャケの味に関しては一家言を持って
います。寺崎はそれを知っていて由美子へのお土産はシャケと決めています。
その日、Uも珍しく夕食時まで残っていて、鶴岡とUが平目のムニュエルを白ワ
インで楽しんでいるところです。鶴岡は上機嫌で、寺崎に手を上げて挨拶してい
ます。Uは律儀に立ち上がって、丁寧に寺崎に頭を下げています。

寺崎が訪ねてくる2時間ほど前、鶴岡は外へ出た仕事が予定より早く終わり、帰
宅には少し早い時間ですが車を自宅に向かわせたのです。こんな時間に帰るのは
久しぶりだと、鶴岡はやや弾む心地で、驚く由美子の顔を見てみようと思い、由
美子に連絡をしないで、悪戯心で弾む気持ちを楽しみながら玄関ドアーを開けま
した。そこに、ぶら下がるようにしてUの首に両腕を絡めて、男の唇を貪ってい
る由美子が居ました。

寺崎探偵事務所物語(2)、由美子の冒険〔W〕  鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/18 (日) 17:36
その日、昼過ぎにやってきたUと三時間余り絡み合い、何度も気をやり、最後に
はUの精液を膣いっぱいに受け止めて、由美子の昼下がりの情事は終わりました。
クーラからの心地よい風を、汗と愛液で全身をべっとり濡らした体に受けながら、
Uと由美子は放心した状態で、全身を解放してベッドに並んで横たわっています。

ここは夫婦の寝室です。妻と男が寝た部屋に入ると、そこはかとなく鼻腔を刺激
する他の男の香が、由美子の香と混ざり合って鶴岡の鼻腔を刺激して、その部屋
で由美子を抱くと狂うほど興奮することをある時鶴岡は知ってしまい、それで、
Uと絡む時はぜひこの寝室でお願いするよと、鶴岡が由美子に伝えて、夫婦の寝
室へ入ることを頑なに拒否していたUを、由美子が事情を話して納得させて、そ
れ以来、由美子はこの部屋でUに抱かれます。
こうして鶴岡とUは由美子本人と同じ様に、寝室をも共同使用することになった
のです。

二人はダブルベッドに大の字なって手だけは握り合って、天井を見上げて、終
わったばかりの絡みを反芻しています、二人の性器には激しく擦り合わせた余韻が、
鮮明に残っていて、むず痒い快感がそこから波状的に広がっています。この快感
を得るためなら、全てを失っても悔いが無いと思えるほど、二人は充実した気分
です。

それにしても、由美子の体は途方も無く凄い変化をしたと、Uは感動しています。
ハワイでの女神降臨の話を何度も聞かされ、 実際に由美子を抱いて、その性器
の飛躍的な進歩に驚き、後ろの穴では危うく男性器に致命的損傷を受ける恐怖も
味わい、Uはこの世に神の存在を認める気持ちになりました。
自分の腕力と知力、そして親しい仲間だけを信じてきたUが、由美子が遭遇した
女神は確かに由美子の体内に今も存在していると確信するまでになったのです。

いろいろな男と絡み合い、そして島の戦士との性戦をも経験して、おそらくこの
世で最高の男性器を十分味わった数少ない幸運な女だと、由美子は股間の亀裂か
らじわじわ広がる快感に身をゆだねながら、自分の幸せを噛み締めています。
世界最高の男性器を経験した由美子にして言えることですが、やはり男と女の絡
みは心が先行して、その後、体が反応する愛しい人との性交がやはり最高だと由
美子は思っています。

由美子自身それに気が付いていませんが、女が男を愛することを生き物の生殖活
動の観点から分析すると、それは女が愛しい男の種をほしがる行為そのものなの
です。したがって、恋焦がれて、メスがオスの種を体内にほしいと熱望して、そ
の希望が現実のものになって、愛しい男に抱かれて、熱い精液を膣に受け入れる
と、女は最高の悦楽を得ることになります。これこそが女性のみに神様が与えた
素晴らしい機能なのです。
そこでは男性器の長さや太さの差はほとんど意味を持たなくなり、ただ焼けつく
ような硬いモノがあれば良いのです。

鶴岡とUのどちらを選ぶと迫られたら、二人の前から消え去ることしか出来ない
と思う由美子の気持ちは今も変わりません。愛する男に抱かれて、思い切り破廉
恥に絡み合い、最後に彼の精液を膣いっぱいに受けてとめて悶絶する。この女の
幸せは何物にも代えることが出来ない。二人の素晴らしい男に愛された時、自分
は幸せだと由美子は心の底でいつも叫ぶのです。Uの精液が股間からゆっくり垂
れ落ちるのを感じながら、由美子の瞳に、今日もなぜか涙が溢れてきています。

Uがゆっくり体を起こし、いつものように帰り支度を始めました。Uを玄関で見
送るために、由美子はけだるい体をベッドから起こし、二人の愛液と汗で濡れた
体に露出部分の多いワンピースを直接羽織って、Uに体を預けるようにして、由
美子は玄関に出ました。
Uが由美子に片手を上げる挨拶をしてあっさり外へ出ようとしました、そのUを
抱き止めて、彼の首にぶら下がり、下から思い切り強くUの唇に噛り付いた時、
玄関ドアーが突然開きました。鶴岡がにこにこ笑いながら入って来て、二人の抱
き合う様子を見て、笑顔を残したまま、驚いた顔で二人を見つめています。

由美子はUの首に両手を掛けたまま、突然開いた玄関ドアーを驚いて振り返り、
そこに笑顔の鶴岡を見つけて、由美子自身も素晴らしい笑顔を浮かべて、それで
も少し照れながら鶴岡に弾んだ声を掛けました。
「あら、あなた・・・、お帰りなさい・・・、早いわね、私、嬉しい」

そしてUの首から両手を外し、鶴岡に歩み寄って彼の首に手を回し、その頬に
キッスをしました。Uとの激しい絡みを物語る強い性臭が由美子の体からムワー
と立ち上がり、鶴岡の鼻腔を心地よく刺激しています。鶴岡の股間が著しく緊
張したことを鶴岡は勿論、由美子も察知して、二人は顔を見合わせてにっこり
笑い、由美子が「今する・・」と鶴岡に囁き、鶴岡が笑いながら首を横に振って
います。

[Res: ] Re: 寺崎探偵事務所物語(2)、由美子の冒険〔W〕  鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/18 (日) 17:42
タイトルを変えました。調査不足で有名同業者がすでに
存在すると、由美子に指摘され、変更しました。

寺崎探偵事務所物語(3)、由美子の冒険〔W〕 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/19 (月) 15:21
「外へ出て、仕事が思っていたより早く終ったのでね・・・、
おや、おや・・・、凄い格好だね・・」
鶴岡が由美子の体を見ながら二人の仲を冷やかしています。確かに、由美子の格
好は凄いの一言です。髪は残バラに乱れて、ほとんど原型を止めない状態です。
うなじに絡まる後れ毛が、汗と絡まりあって皮膚にべったりと張り付いています。

汗と体液に濡れた肌に張り付けるようにまとっている部屋着のワンピースは、も
ともと、胸元がざっくり割れて、動き易いようにミニ仕立てです。それが濡れた
体に張り付いていますから、由美子の姿態は裸体より扇情的です。
裾がまくれ上がり、陰毛が見え隠れして、大腿部は精液と愛液で濡れて光ってい
ます、乳房は割れた胸元から溢れて、乳首が露出しています。
由美子は鶴岡に冷やかされて、改めてわが身の乱れを知ったようで、慌てて胸元
をつくろい、スカートの裾を下に引っ張っています。

「由美子奥さん大忙しと言ったところだね、ハハ・・・・
Uさん、良かったら一緒に晩御飯はどう、いいだろう、さあ、もう一度戻って」
鶴岡は由美子の腰を抱いて、笑いながら、由美子とUに上機嫌で声を掛けていま
す。Uは喜んで夕食を一緒にすることになりました。勿論、由美子は大歓迎です。
この分ではUは今晩泊まりになりそうです、由美子はある期待で胸が膨らんで、
股間をまた少し濡らし始めています。

由美子はご馳走を準備するため、張り切ってキッチンに小走りで走りこんで行き
ました。Uが10分前に吐き出した精液が由美子の体の中にたっぷり残っていて、
歩き回ると、それが溢れ出て、大腿部から膝辺りまで流れ出しています。由美子
はキッチンで立ち止まり、少しスカートを持ち上げ素手でその周りを拭いて、濡
れた手をおいしそうに嘗め回しています。さらに指を口に含み、そこに付いた精
液を丁寧に吸い取りながら、ガラス戸越しにUの姿を眼で追っています。

その目が情欲で濡れて光っていて、彼女の股間に新たな愛液が溢れ、それが膝近
くまで流れ出していますが、由美子はそれに構わずご馳走の支度に入りました。
情欲を押さえ込んで熱っぽくなった体を動かすのが由美子は大好きです。股間を
濡らす愛液を大腿部できゅっと締め付けて、その濡れた感触を楽しむのです。
こんな時、由美子は女に生まれた幸せをしみじみ感じます。そして、今は鶴岡を
早く酔い潰す工夫と、夜を徹して行うUとの絡みを考えて由美子の頭の中は淫ら
なことでいっぱいです。

今晩着るネグリジェも決めました。出来れば一緒にお風呂に入って、あの部分の
毛を剃ってもらいたいとも考えています。それから・・、由美子は思わず頬を染
めて、ダイニングにいるUと鶴岡を覗きました。こんなことを考えていては食事
の支度が遅れます。由美子は少し頭を振って、淫らな考えをとりあえず追いやっ
て、食事の支度に集中することにしました。

由美子がチーズの盛り合わせを持ってダイニングへ行くと、寺崎はちゃっかり食
卓について、ワイングラスを傾けています。寺崎が鶴岡の平目に手を出して、鶴
岡が本気になって怒って、寺崎の手を払いのけています。
「あらあら、喧嘩しないで・・・、もう、しょうがない人達ね、子供みたいね、
寺崎さん、平目はもう無いから、いただいたシャケでご馳走を作っているから、
ちょっと待っていてね」

キッチンに入った由美子が、手早く紅シャケのムニュエルを焼き上げ、食卓に並
べました。
シャケが美味しそうだといって、鶴岡が寺崎の皿に手を伸ばして、それを寺崎が
払いのけています。由美子が笑いながら、鶴岡とUの皿にも新しいシャケのム
ニュエルを載せて、そのバトルは収まりました。そして、いくらと、なめこだけ
を絡めて新鮮なレタスを添えた皿をそれぞれの男の前に由美子が並べると、男達
から歓声が上がり、もう一本ワインを開けることになりました。

「今日は嫌なことがありましてね・・、ついこの家に足が向いてしまって
築地の近くでこのシャケを買ってきました」
それほど飲めない寺崎が丸顔を真っ赤に染めて、ポツリと話し出しました。寺崎
がこの家に来る時はいつもこんな状態です。探偵家業の中で辛い人生の裏を見て
しまって、それに耐えられなくて、この家に足を向ける習慣がいつ頃からか寺崎
に出来上がっています。

由美子の顔を見て、鶴岡と話をして、平凡な家庭の雰囲気の中でなんとなくいい
気分になって、癒されるのです。寺崎は妻帯をしたことが無く、いまだに独身で
す。やりきれない気持ちのまま一人で酒を飲むと、心にも体にも良くないと由美
子に諭されて、それ以来、気持ちが落ち込んでそれに耐えられなくなると、こう
して鶴岡家を訪ねるのです。時には由美子一人で居る時でも、彼女は快く彼を迎
えてくれます。

寺崎探偵事務所物語(4)、由美子の冒険〔W〕  鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/20 (火) 21:31
「奥さんの浮気調査を受けまして、調べてみると、浮気の事実は直ぐ判ったので
すが、女の相手が悪でした。女を脅かし、無理やりひどいことをしているのです。
このまま、依頼人に調査報告をすると、依頼人夫婦は泥沼に入り込んでいくのが
確実ですね、かといって、嘘を言うことも出来ないし
、こんな時、自分の無力さをしみじみ感じますね・・・」

寺崎は、ワインを喉に流し込んで、寂しい横顔を由美子に見せました。鶴岡にし
ても、由美子にしても、いつもこうしてじっと話を聞くことだけしか出来ないの
です。Uが寺崎の話にじっと聞き耳を立てています。そして、何事か決心したよ
うに顔を上げて、寺崎を見つめました。

「寺崎さん、大体の様子は想像できますが、貴方も良くご存知のように
そんな時は、その悪には一般の方の常識は通用しませんよ、
貴方の調査報告書を見て、依頼人の旦那が男気を出して、その悪に交渉したら、
悪はその旦那を脅かし、金にするでしょうね、
女房の浮気の写真を旦那の会社でばら撒くとか、言ってね・・・・
かといって、旦那が相手の男に何も交渉しないで、その女房と離婚しても結果は
同じことですね、最初からそれを狙っているわけですから、既にどうにもならな
いところへ行っているようだったら、その悪を叩くしか道はないですね」

Uが珍しく話しに割り込んできました。由美子が知る限りUはこれまで一般社会と
のかかわりを出来る限り避けているところがあって、鶴岡家に来て鶴岡の客人と同
席することはあっても、その話題に参加したことは一度もありません、今日もただ
にこにこ笑って聞いているだけだと由美子は思っていたのですが、彼の突然の発言
に由美子は眼を丸めて驚いています。

「ええ・・、そうです。まだ、相手の出方は判りませんが経歴を見る限り、大変な
人物で、とても素人が太刀打ちできる人物ではありません。
宇田川さんが言う通り、遠からず最悪事態は来ると思いますね
奥さんのたった一度の間違いが・・・、いえ、今度の場合は強姦が発端ですが、
悪人にとってはちょっとした遊びが、今まで平凡で幸せだった夫婦の心も体も滅ぼ
すことになるのです。許せませんね、こんな理不尽のことは
私はそれに気がついていても、何もできないのですよ、
こんな商売止めたいですね・・・・」

寺崎は力の無い眼でUを見て、ゆっくり首を横に振りました。
「寺崎さん、さしでがましいようですが、その件、私に任せてくれませんか・・、
いえ、私は皆さんに比べると、その悪たちに近い社会に住んでいますので、
悪は悪なりのやり方を承知しているつもりです、
当然、探偵さんの守秘義務はあると思いますが、その女の方か、依頼人に
私のことを話していただいて、その上で、
問題の解決を私に任せていただくことにすれば問題ないですね」

寺崎は、酔いの回った顔をUに向けて、意外なことを聞くものだといった驚きの表
情でじっとUの眼を見つめています。鶴岡も由美子もことの展開に驚いて二人を見
つめています。Uは、ゆったりとした表情で、今にも笑みを浮かべるような優しい
目つきで、寺崎の厳しい視線を受け止めています。

「そうですか宇田川さんがね・・・、あなたなら出来るかも・・・
宇田川さん、いえ、Uさんと、今日からわたしにもそう呼ばせてください
お願いします・・・、ぜひ力を貸してください・・」
その夜、寺崎とUは遅くまで話し込んで、すっかり意気投合したようで、二人は同
じ部屋に泊まり、その後もいろいろ話し合うことにしました。

一階の日本間に二人の布団を準備している由美子の背後に、寺崎がやってきました。
昼間の情事の後、顔を簡単に直しただけで、下着もつけないで、露出部分の多い気
楽なワンピースの部屋着を着たままで、由美子は屈み込んで、シーツを布団に貼り
付けています。腕を伸ばし、臀部を上に高く上げて、シーツの皺を丁寧にとり除き
ながら、由美子は無心にその作業に没頭しています。

ミニのワンピースの裾が臀部を露にするほどまくれ上がり、後ろにいる寺崎から由
美子の亀裂の全貌が見えます。寺崎は見てはならないものを見た思いで、眼をそら
し、引き返そうとしましたが、体はそこを動きません。由美子が少し股を開き加減
にして、最後の仕上げに取り掛かっています。もう、その中のサーモンピンクが顔
を出し、なぜかそこはべっとりと濡れて、灯りに光っています。男にとって悪魔に
魂を売り払っても見たい景色がそこに広がっているのです。

ハワイの女神事件以来由美子は自分でも驚くほど、露出を気にしなくなっています。
男達を見ると、自然と肌をさらしている自分を発見するのです。その行為が自然で、
それでいて、男心をこの上なく引き付けるマナーがいつの間にか由美子のものに
なっています。この時も、ある時点から寺崎の視線を感じていて、自分が不用意に
亀裂の全貌を彼にさらしていることを悟りました。それでも、それを恥じらい、隠
すことはしないで、むしろさりげなく股を開いて、その中を彼が楽しめるようにし
ています。そして、当然のことながら、由美子自身も感じて愛液をにじませて、そ
こを濡らし始めています。ハワイ以来、由美子のそこは異常に濡れ易くなっていま
す。

寺崎探偵事務所物語(5)、由美子の冒険〔W〕 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/21 (水) 12:10
「奥さん、Uさんを今晩お借りします。
お楽しみを邪魔したようで申し訳ありません、堪忍して下さい、ハハ・・・」
寺崎はそこに立って、いつまでも由美子の亀裂を眺めているのはまずいと
思ったようで、弾んだ声で、由美子に声を掛けました。さすが探偵業の寺崎
です。誰が教えたわけではないのですが、由美子とUの関係は十分承知して
いるようです。

由美子は布団を敷く手を止めて、寺崎を振り返りました。人の良い、丸顔を
酔いで少し赤くして、にこにこしながら由美子を見つめています。その寺崎
が最高に勃起しているのを由美子はまぶしい気持で感じ取っています。

「もう・・、寺崎さん、嫌だわ、
気が付いていたの・・・、Uさんのこと知っていたのね・・、
 そうよ、今晩は楽しみにしていたのよ・・・、ほんと、がっかりだわ
 美味しいご馳走はオアズケ、この借りは高くつきますわよ」

由美子はまだ、亀裂を寺崎にさらしたままの姿勢で、わざとはすっぱに答え
て、艶然と笑って、顔だけを寺崎に向けて淫蕩な笑いを浮かべて対応してい
ます。寺崎は由美子のそのコケテイシュな調子に乗って、鶴岡夫人としてで
なく妖艶な女、由美子をそこに見ています。彼女の眼を見つめないで、今は
遠慮なく彼女の股間を眺めています。

由美子がそこを少し開いて、お尻を持ち上げ男にそこを良く見えるようにし
ています。そして、ゆっくり立ち上がり、寺崎の側を通って、キッチンの方
へゆっくり歩いて行きました。強い女臭が一瞬、ワッと寺崎を襲いました。
その後ろ姿を見送りながら、寺崎が頭を横にゆっくり振っています。
「ますます、良い女になっていく、うん」
寺崎は嬉しそうに笑って、由美子の準備した布団に長々と寝そべりました。

由美子の体臭がわずかに残っていて、いつものことながら、この家の布団に
横たわると救われる思いになります。寺崎は眼をつぶり、頭を空っぽにして、
ただ湧きあがる手足の快感を感じています。なぜか、寺崎の目尻から、スー
と涙が流れ出しています。

「ねえ、Uさん、どうして寺崎さんに声をかけたの、
 いつものUさんらしくないわね・・・、
 ああ・・、良い、そこをもっと強く・・、もうほしいわ・・」
真夜中の3時を過ぎた時間、二階の客間で、由美子はUに絡み付いています。

ピンクのベビードールはほんの申し訳程度に、腰の回りにひも状になって
いて、それ以外、脂の乗り切った白い裸体を惜しげもなく露出して、Uの体
にほとんどのりかかるようにしています。Uの手が乳房と、股間を優しく愛
撫していて、由美子は喘ぎ声を抑えて、それでも堪えられなくて、Uの唇に
噛り付いて声を殺しています。階下に寺崎がいて、隣の夫婦の寝室には夫、
鶴岡が寝ています。

「あふ・・ん、ダメ・・エ、ねえ、気が付かない、そこ、少し伸びたでしょう、
 チクチクして・・・、昼間でも変な気になるのよ、
 あのね・・、明日、そこを剃ってほしいの、だめ・・、そう・・」
Uが明日は仕事でこられないこと告げています。由美子は決してわがままは
言いません。男の都合を最優先します。それが男にとってプレシャーになっ
て、無理して由美子のところへ駆けつける結果を生んでいます。

Uが寺崎に加担すると決めた理由を由美子に話しました。由美子はUの男根を
握りながらじっと聞いています。
「ええ、そう・・・、そうだったの、やさしいわね・・、それで寺崎さんに・・
判った・・、それって、亡くなった奥さんのことでしょう、そうだと思ったわ」
由美子はUの亡妻を知りません、しかし由美子と瓜二つだったとUから聞かさ
れています。悪い男の罠に嵌り動けなくなった女を、Uが命がけで救ったこと
があり、それ以来、そうした男の罠に嵌った女を見ると黙って見過ごせないと
Uが淡々と話しました。

由美子にしっかり握られた男根が緊張を高めています。当時を思い出して、U
の男が燃え始めているのです。情欲の高まりだけでなく、闘争心に男を燃やす
と男根が緊張する現象を由美子は驚きでそれを受け止めています。

「ああ・・、とってもおいしそうになったわ、ちょうだい
Uさん・・ん、これ・・、チ○ポを入れて・・」
由美子はUの上に載りあがり、両脚を開いて、Uの腰を股間に入れて、手に
持った男根を亀裂にあてがい、一気に腰を落としました。破裂音がして、愛液
がUの体に雨のように降りかかり、赤銅色に色付いた肉棒が軋みながら、亀裂
に吸い込まれていきます。

由美子が消え入りそうな悲鳴を上げて、激しく腰を上下し始めました。もう、
夫のことも、階下の客人のことも由美子の頭には残っていません。股間にある、
愛しい人の肉棒だけが、この瞬間由美子の意識の対象です。
由美子の断末魔の叫び声と、激しい肉の相打つ音が屋内に響いています。夫
鶴岡は隣の寝室で、夢うつつの中で由美子の喜悦の悲鳴を聞いたと思いました
が、それが、何処から響いてくるのか確かめる余裕もなく、また深い眠りに落
ち込みました。

[Res: ] Re: 寺崎探偵事務所物語(5)、由美子の冒険〔W〕 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/21 (水) 12:16
今回から思い立って、アドレスを開きました。
ご意見や、情報をお寄せくだされば幸いです。
多少遅れると思いますが、多分ご返事できると思います。

寺崎探偵事務所物語T、(6) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/22 (木) 12:47
2、 妻の浮気に気づいた山手

寺崎探偵事務所調査ファイル番号 H170405
依頼人、 山手 茂、41歳、東風貿易(株)勤務、第一営業部長、高1の男子、
と中3の女子、二人の子持ち。
調査依頼内容、同夫人、初子(36歳)の交遊調査

山手茂は一流国立大学の法学部を卒業して就職先を決める時、教授が推薦した大
手商社への誘いを蹴って当時はまだ株式を上場したばかりの東風貿易を選びまし
た。彼なりの打算と野心がこの会社を選ばせたようです。当時、山手の入社願書
を受けつけた人事部長は山手の願書の取り扱いに困惑して、社長に相談までしま
した。それまで、その大学からの入社希望者は実績ゼロでした。勿論ぜひとも繋
ぎ止めたい人材ですが、そうした有望な人材を待遇するシステムがこの会社にま
だ出来上がっていなかったのです。

結局社長が異例の面接をして、山手を受け入れることを決めました。それ以来、
全て異例待遇の連続で、山手自身もその扱いにふさわしい実力と努力を示して、
35歳で部長昇進して、次の株主総会では役員に抜擢されるのが確実だといわれ
ている人物です。

「妻が他の男と情を交わしているのは確実だと思っています。
 見慣れない下着とか、派手な衣装、
 そして妻を抱いた時、そこに男の調教の跡を強く感じるのです」
山手は、浮気調査を依頼することをすごく恥じているようで、始終下を向いたまま、
それでも時折照れ笑いを浮かべながら、寺崎の問いに答えて要領よく、説明してい
ます。個人が探偵事務所を訪ねてくるのは100%人物の調査依頼で、そのうち
90%以上が、伴侶の浮気調査です。この時も、寺崎は慣れた調子で、用意した質
問を次々に発して、手元資料の空欄を埋めています。

「一ヶ月前ごろから、私は異常を感じ取っています、
それが日を追うごとに鮮明になり、浮気が一時の気まぐれなもので無く
妻とその男の関係はますます強く、親密になっていると思っています。
ええ、そうです・・・、一ヶ月前、比較的長期の中国出張があり、
しばらく家を空けました。妻の浮気はその頃始まったと思います
それまではそんな気配は少しも無く、明るい妻でした」

山手は、エリートにしては、柔和な好人物で、身長180センチ近い、男の精気
が溢れた申し分の無い好男子です。全体にふんわりとした印象で、女性に好意を
もたれるタイプです。このように見かけは茫洋とした男に本当に出来る男が多い
ことを寺崎は良く知っています。
その彼が、寺崎の事務所を訪ねて来て、笑みを浮かべながらも、女房の浮気調査
を依頼しているのです。これだけの男を夫に持っていながら浮気をする女と、そ
の背景に、職業意識とは別の興味を寺崎は持ちました。

山手が中国出張から帰ってきて、一週間ぶりに妻に会った時、彼女が普通の会話
の時でも山手の眼をそらすことが多いことに気が付きました。そして、その夜、
久しぶりに初子を抱いて、挿入してしばらくすると、今まで経験したことが無い
ほど乱れて、ついには軽く失神して果てたのです。抜群に感度が良くなっている
ことを、初子は自分でも気が付いていて、必死でそれを隠そうとするのですが、
燃え上がった体はそれを許すはずが無く、もろくも初子は情欲の淵に沈んでし
まったのです。

山手はその変化を歓迎しましたが、一週間の短期間に、こんなに変化するのは異
常です。山手は強い疑惑を持ちました。当然初子もそのことを感じていて、こと
が終わった後、呆然として、悪さが見つかった子供のように、黙りこくって、固
まっていました。

こうして出張から帰った最初の夜、彼が留守の間に、誰かが初子の体を開発し尽
くしたことを山手は知らされました。疑いも無く、初子は他の男に抱かれている、
それもかなり激しい頻度で、短期間に初子の官能を開発し尽くすほどの技術を
持った男に抱かれていると、山手は確信しました。

「負け惜しみではないのですが、妻が束の間の情事を楽しみ、
人生をエンジョイしている様子なら、
私が今日、ここを訪ねることは無かったと思います」
山手の顔から時折見せていた笑みが消え、苦渋の表情が広がるのを見て、寺崎は
普通の浮気調査を依頼してくる男とは少し違うようだ、それにこの男、山手は額
面以上に出来る男だと感じ取っていました。

「ここ数日前からのことですが、
エエ、私が妻の浮気に気が付いてから今日で二週間経過しています
ですから、妻が他の男を知ってから20日間経過していることになります

妻が浮気の事実を以前ほど隠さなくなったのです。
さすがに体はきれいにしていますが、濡れた下着とか、
破かれたストッキングとか・・、派手な衣類とか・・・・、
私に抱かれても、以前ほど興奮を押さえ込むことはしないで、奔放に乱れます
私に早くそれを気が付いて欲しいと・・、
初子の下着が、初子の体が、そう叫んでいるような気がしてならないのです
初子は、何かを私に訴えていると思います、
私はそれを初子に確かめる前にここへ来ることにしたのです」
寺崎は、通常の浮気調査とは少し異なる話の展開に、ソファーに座りなおして、山手
の話を一言も洩らさず、聞き取る体制を整えました。

[Res: ] Re: 寺崎探偵事務所物語T、(6) 山葵 投稿日:2005/09/22 (木) 15:04
表現の巧みさにまして、ストーリーの骨子が
本当にきっちりしていて引き込まれます。
シリアスな部分がすばらしいからこそ
いよいよ貪婪な性描写に入った時に
沸騰するような興奮を覚えるのですね。

[Res: ] Re: 寺崎探偵事務所物語T、(6) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/22 (木) 23:13
山葵さん
いつもながら過分のコメント恐れ入ります
寺崎探偵は、現実にはもう思い出の人になって居ますが
ここでは、生命を謳歌する人であり続けて欲しいと思って
書いております。今後ともよろしくお願いします。

寺崎探偵事務所物語T、(7) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/23 (金) 10:15
昨夜、初子を抱いて居て、二つのホールの間に紫色のキッスマークを山手は見つ
けました。その部分は無駄毛が綺麗にそり落とされ、色付いた二つのホールが
くっきり浮かび上がっていました。その部分は女が普通に立っている限りは見え
ない部分で、女が大股を開いて、股間を露出しない限り、人の目にふれることが
無いところです。
そこは初子が一人で処理出来るところではありません。男の手で綺麗に剃毛され
たことは確実です。わずか1センチほどの隙間にくっきり紫色の後が残っていまし
た。

そこを山手に見られたと気が付いた初子は、突然激しくもだえて、山手の肉棒に
かぶりつき、卑猥な四文字を連発して、それを自分のものに挿入して欲しいと悶
えました。亀裂から、凄い勢いで、潮が噴出して、明らかに初子が異常心理状態
になっていることに山手は気が付きました。これ以上初子を興奮させると過酸素
吸入状態になって危険だと山手は判断して、挿入しないで、悶える初子をじっと
抱きしめていました。

初子は山手の腕の中で悶えて、どうして男根を挿入してくれないのと、卑猥な4
文字を声高に連発して、両手で山手を叩きながら、全身で悶えていました。そし
て、ヒクヒクと全身で喘ぐ過酸素吸入の軽い症状が出てきて、果てはぐったりと山
手の腕の中で気絶しました。

その夜、山手はその部分の秘密には気がつかなかったふりをして、初子をいつも
のように抱き続けました。初子もその愛撫に十分応えて、二人は性器を激しく絡
み合わせて、いつものように悦楽の境地を楽しみました。しかし山手は気が付い
ていました、初子が官能の高まりに悶えながらも、喜びとは明らかに違う涙で枕
を濡らしていたのです。このまま捨てておくことは出来ないと山手はその涙を見
てある決心を固めました。

翌朝、秘密の傷痕を昨夜見られたことが忘れきれなくて、笑顔がぎこちない初子
に明るく冗談を言ってからかい、上機嫌で山手は家を出ました。見送る初子は山
手の姿が街角に消えると、ほっとため息をついて、居間に戻り、長い間ソファー
に座り込み、じっと物思いに耽っていました。その時、密かな音楽の音が響きま
した。トルコマーチの力強いメローデイです。初子はそのメロデイを聞いて、
はっとして、次の瞬間両手で耳を塞ぎ、首を振って激しい拒否反応を示していま
す。それでも、のろのろ立ち上がり、ハンドバッグから、赤い携帯電話を取り出
し、元気のない声で、対応の声を出しています。

「ハイ、・・ちょっと、ベランダで干し物をしていて、すみません。
今日ですか、はい、・・・、判りました。一時、△△駅ですね、
ハイ、白いブラウスに、紺のスカートですか、・・持っています。
ハイ、・・・、判りました」
初子は、電話を切った後、ぐったりしてまたソファーに座り込んで、一点を見つ
めています。
その頃、山手は会社に向かわず、直接寺崎事務所を訪ねていました。  

山手の調査依頼の目的が何処にあるのか寺崎はまだ判りません。山手は渋茶をす
すりながら、淡々と話を続けています。
「初子の相手を十分調べて欲しいのです。
そして、初子が彼にどのように取り扱われているか調べ欲しいのです。
私は、妻の様子から、かなりひどい仕打ちをされていると想像しています。
いえ、いかがわしい、過激な性行為が妻にくわえられていることは想像つきます。
それ以外になにかありそうです、妻が心から浮気を楽しめない何かが

妻は脅かされている様子です、初子は何かに怯えています、
妻が何故そこまで追い詰められているのか、
妻を問い詰める前に事態を十分知っておきたいのです。
ああ、申し遅れましたが、どんな調査報告を聞いても、私は耐えます
妻が浮気をしているからと言って、それを理由にして私は妻を手放すことは全く
考えていません」

この二週間、初子の様子を注意深く観察していて、山手は容易ならざる事が初子
の身の上に起こったと見ているようです。いかがわしい性行為や、売春行為まで
の可能性を当然覚悟しています。強制されて、逃げ場の無い泥沼に初子は落ち込
んでいて、自分からそれを告白することも出来ず、ただ、下着などの証拠物件を
夫の目にさらして、夫の救いを待っていると山手は考えています。

下手に動くと初子の命さえも危なくなると山手は心配しています。その哀れな初
子を救うには、彼女を問い詰めることではなく、彼女の身辺を調べて、男の素性
と男の狙いを探り、正しい対策を展開することが必要だと山手は考え、探偵事務
所の扉をノックしたのです。

「初子が、思い余って、絶望のあまり
自分を犠牲にしてでも、この件を始末しようとするのが一番心配です
私が初子から事情を聞きだすことは簡単で、
今なら、多分、彼女は全てを私に話すでしょう。
でもそれだけでは、彼女を傷つけるだけで、
私のほしい男の情報と彼の本当の狙いは判らないと思っています。
とにかく調査を急いでください」

山手の調査依頼から3週間後、そして、寺崎とUが同盟を結んだ夜の次の日、寺
崎は山手を連れて、鶴岡宅にやってきました。調査の中間報告をしたいので、同
行して欲しいと車に乗せられ、寺崎から何の説明を受けないで山手はここまで付
いて来ました。

寺崎探偵事務所物語T、(8) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/24 (土) 15:07
鶴岡宅の玄関に立った時、ひょっとして、初子の浮気相手と直談判になるのかと
山手はちょっと身構えましたが、それであれば望むところと覚悟を決めて、平静
な様子で、やや緊張して、寺崎の後に続いて鶴岡家の居間に入りました。居間に
は、鶴岡、由美子とそしてUが二人を待っていました。

勧められるままにソファーに座り、由美子が準備したコーヒをいただきました。
寺崎が鶴岡、Uそして由美子の順で名前を紹介しました。すると鶴岡が会社用の
名刺を出し、山手もそれではと自分の社用名刺を出しました。この行為で、山手
は少し気が楽になりました。少なくとも山手の話が通じる相手だと鶴岡を値踏み
しました。もう一人の目つきの鋭い男、宇田川と紹介された男が気になりますが、
鶴岡と同席しているところを見ると悪い男と思えません。山手が鶴岡の次にその
男に名刺を差し出しましたが、それをチラッと見て、名刺は普段使用しないので
その準備がないことを相手に伝えて山手の名刺を受け取りました。

ここまできても、寺崎は人物の名前を簡単に紹介しただけで、この家に来た目的
を山手に話しません。鶴岡達三人は、山手と初対面ですが、何か事情は知ってい
る素振りです。
夫人の由美子は初子と雰囲気が似た美人で、なぜか吸い込まれるような魅力のあ
る女性です、由美子の主婦らしからぬオーラに刺激されて心ならずも山手は少し
股間を緊張させています。その半勃起状態を見透かしているように、由美子が山
手を見てにっこり微笑みました。それを見て、山手は完全に勃起状態になりまし
た。

由美子が手を口にあてて笑っています。明らかに山手の勃起を知っている笑いで
す。山手は少しうろたえましたが悪い気分ではありません。それどころか、股間
の緊張が全身を奮い立たせて、ゆったりとしたいつもの男の覇気を山手は取り戻
すことが出来ました。もう、何が起きても対応できる自信がふつふつと湧きあ
がってきました。これはこの夫人のおかげだと感謝の気持ちを込めて、由美子に
向けて笑顔の目礼をしました。由美子がゆっくり頷いて、笑みを返しています。

「初子さんは最終的に悪い男にひっかかってしまいました。
ああ・・、命の心配とか、どこかに売り飛ばされるといった懸念は一切ありませ
ん。
その男に大切にされています。ただ、このまま事態が進展すると、初子さんは、
もう山手さんの手が届かないところに行ってしまう危険があります。

残念ながら、この男と直談判して、奥さんを取り戻すこと山手さんにとっては
なかなか大変なことで、上手く行く可能性は少なく、逆に山手さんが窮地に追
い込まれ、新たな問題を抱え込む可能性も出てきます。それだから、私はこの
男を山手さんに会わせたくないと思っています。

そこで、今日は私の一存で山手さんにこの方を紹介することにしました」
寺崎は、その男の裏事情を知っているらしく、非常にその男を恐れています。
山手も、そのあたりの事情は良く判るようで、Uの存在に非常に興味を持った
ようです。身を乗り出して、寺崎の次の言葉を待っています。

「この方は、宇田川裕さんと言い、
本職はこのあたり一帯を仕切っている的屋の大親分です・・・・」
寺崎と宇田川は特別の業務同盟を結んでいて、寺崎が調査依頼を受けた中で、
止むに止められない事情で、事件処理を頼みたい依頼があれば力仕事が得意な
宇田川がその方面の依頼を受け付けることになっている、勿論アングラな行為
で、違法行為すれすれの「目には目の・・・」処置をするので、信用のおける
クライアントを選ぶことにしていると寺崎が説明をしました。

この事件は、山手が相手の男に直談判して解決できるとは思えなくて、それど
ころか山手自身も巻き込まれて全てをむしり取られる危険さえ秘めている、か
といってその筋に駆け込んでも、その男の罪を確定できる証拠がないので、お
そらく当局はは動き出せないだろうと寺崎は言いました。宇田川が乗り出して
処置する道が一番解決の可能性が高いと寺崎が山手に説明しました。

山手さえその気になるなら、宇田川が引き受ける用意があると、寺崎が、真剣
な眼で山手を見つめて話しました。
「この宇田川さんは、ここにおられる由美子さんの愛人で、そのことはご主人
の鶴岡さんも認めておられます。認めているというより、由美子さんがこの家
に居る時は重役夫人で、宇田川さんの家に由美子さんが行けば由美子さんは、
組長夫人となり、的屋仲間には姉さんと呼ばれて親しまれています、三人はそ
ういう関係です」

有名会社の重役である鶴岡が妻の愛人として認めた男だから、宇田川は信用で
きる男だと、寺崎は言外にほのめかしていて、山手もその主旨を理解していま
す。そして、同時に初対面から主婦らしからぬ不思議な魅力を見せて、男を引
き付ける由美子の秘密がすこし解けた気分に山手はなっています。

「判りました。寺崎さんのご好意は有難く理解しました。宇田川さんが寺崎さ
ん同様信用できる方だと良く判りました。それでも、宇田川さんにお願いする
かどうかは、調査結果をお聞きしてから、決めることにしたいと思います。

宇田川さん、そしてよろしければ鶴岡さんご夫妻にも、寺崎さんの調査報告を
私と一緒に聞いていただきたいのですが、いかがでしょうか、お恥ずかしい妻
の浮気話ですがよろしければお願いします」
さすが山手は寺崎の意図をよく理解しています。依頼人の同意無く、調査結果
を宇田川に話すことが出来ないことを山手は理解していて、宇田川と一緒に調
査結果を聞くことを自分から提案したのです。寺崎は鋭い山手の対応に満足し
た笑みを浮かべています。

寺崎探偵事務所物語T、(9) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/25 (日) 11:14
3 罠に落ちた初子

一ヶ月前、初子はいつものようにショッピングを済ませて、思い通りの買い物が
出来た満足感を噛み締めながら、お茶でも飲んで帰ろうと思っている時、後ろか
ら声を掛けられました。いけ面の若い男で、優しい巧みな調子で話し掛けてきて、
ファッション関係の仕事をしており、初子くらいの年代の好みを勉強するため、
少しの時間お茶を付き合ってくれないかと誘ってきたのです。
若い男の優しい言葉使いと、初子好みのいけ面であったことでいつもの警戒心を
忘れてお茶だけならと、初子は誘いに乗ることにしました。夫、山手が一週間の
予定で昨日から中国へ出張したことも、初子に開放感を与えていました。

奥さんの話が聞けて良い勉強になりましたと散々におだてられてすっかり良い気
分になって、一度、店舗兼アトリエに来て欲しいと名刺を渡され、その日、その
青年、加藤瞬は、あっさり初子をその店で解放しました。物足りない気分になり
ながらも、初子のその青年への信頼感は増しました。
店に来る時は事前に必ず電話を入れてから来てくれと、加藤がくどいほど念を押
したのが後になって思えば胡散臭い気がしますが、舞い上がるような気分になっ
ている初子には、そのことを不審に思う余裕はなく、二日後に街に出る予定があ
るので、その時必ず店に寄るからと約束してしまいました。

加藤のアトリエ兼店舗は、6階建ての賃貸マンションにありました。いわゆる2
DKの間取りで、洋間がアトリエ兼店舗になっていて、それらしい人体や、裁断
途中の生地が大きなテーブルに乱雑においてあるのが、新進のデザイナーらしい
雰囲気を醸し出していて、初子はすっかり加藤を信用して、秋物のスーツでも
オーダしても良い気分になっていました。
抱き抱えられるように歓迎されて、粗末な応接ソファーに座って、お茶を勧めら
れた時ですら、密室の中で知らない若い男と二人きりになっている危険な状態に
自分が置かれていることに初子は気がつかないでいました、いえ、多少その心配
は感じたものの、抱きしめられキッスされる程度のことは許す気分で居たと表現
した方が初子の感情をより正確に表しています。

出された紅茶を一口、そして二口飲んだ時、めまいを感じて、加藤に体を支えら
れ、抱き上げられてテーブルの上に寝かされたのが初子の最後の記憶でした。
再び記憶が蘇ったのは、全身を這いずり回る男の舌に深い眠りから揺り起こされ
た時でした。初子は全裸にされ、手足を大きく開いて、広いテーブルに両手首、
両足首をベルトで固定され、口の中に異物を挿入され猿轡をされ声が出せない状
態になっていました。

意識が次第に鮮明に蘇ってくる頭の中で、初子は自分に何が起きたのか必死に考
えようとしましたが、恥ずかしい姿で全てをさらけ出していること以外、確かな
ことが判りません。
その時、人の気配がして、首だけは自由に動かせる初子は、気配のした方向に眼
を向けました。大きく開いた初子の股間から、加藤が顔を上げて彼女を見てにっ
こり笑いました。加藤は黒いショーツ一枚で、その股間を大きく緊張させています。

「目が覚めたようですね、奥さん、30分以上寝ていましたよ、
寝ていてもここは十分反応して、ほら、こんなに濡れていますよ」
愛液で顔を一面に濡らして、愛液が滴り糸を引いている右手を初子に示しました。
初子はようやく全ての事態が判りました。その気になって注意すると股間に堪ら
ない疼きがあり、そこに愛液を溢れているのが判ります。まだ男性器を迎えては
いないようですが、そこが男性器を拒否出来ない状態になっていることを初子は
絶望的な気分で気が付きました、そして眼をつむり、思わず涙を流しました。

あまりに自分が無防備であったことに今になって気がついています。取り返しの
つかないことになったけれど、このまま加藤に犯されて、それで済むなら、悔し
いけれど仕方ないと諦めに似た気持ちになり、それまで、力ずくで足掻いていた
四肢をダラリと投げ出しました。

「おや、おや、さすが人妻は違うね、
ここまで来ると、諦めが早いね、そうそれが良いよ・・・、
そうだ、そんなにあきらめが良いなら、猿轡はもう良いか・・・」
加藤が最後は独り言を言いながら、初子の股間から這い出て、猿轡に手を掛けよ
うとした時、また人の動く気配がしました。

「加藤、よせ、猿轡はそのままが良いよ、悲壮感があって良いし
騒がれると面倒だしね、一ラウンドが終わるまではそのままで行こう」
男が三人、加藤と違って、衣服をちゃんと着けています。
男達は、慣れた様子で、てきぱきと動いて部屋の中にスタンド型の投光器を三台、
大きな反射ミラーを3枚、そしてビデオカメラを3台、カメラを二台セットしま
した。男の一人が指示するとテーブルの上に縛りつけられた初子を投光器が照ら
し出しました。
初子は恐怖で眼をいっぱい開いて、両手両脚を力いっぱい動かして足掻いていま
す。ベルトで縛られた手首から少し血が滲んでいます。

寺崎探偵事務所物語T、(10) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/26 (月) 14:32
それから数時間、初子は加藤に良いようになぶられ、終わり近くには、両手両足
のベルトを外され、猿轡を取り除かれ、加藤に抱かれ、太い男根をあらゆるホー
ルに挿入され、何度何度も気をやり、最後には自分から加藤に両手両脚を絡める
ようになりました。そして、あまりの刺激に、激しく痙攣して、大量の潮でシー
ツを濡らし、気絶してしまいました。全身に濃い加藤の精液を浴びて、初子は
長々とテーブルに体を投げ出しています。

手足をいっぱいに開いて、股間を愛液で濡らし、肩と胸で大きく息をしている初
子を投光器が容赦なく照らし出し、二人の男の持つビデオカメラが、初子の体を
余すことなく撮り切っています。絶え間なくフラッシュが光り、より鮮明な初子
の映像が切り取られています。気絶している初子の亀裂を加藤が指で開いて、
サーモンピンクの中身まで見せて、そこを狙ってフラッシュが光り、初子の愛液
が臀部を伝わって、シーツにしみを作っているところまで克明に記録されていま
す。

再び初子が眼を覚ますと、カメラも投光器も跡形も無く片付けられていて、彼女
の裸体にバスタオルが二枚掛けられていました。勿論手足も自由に動かすことが
出来て、猿轡もありません。ただ全身に激しいセックスの疲労感と股間の二つの
ホールに痺れるような男性器の感触が残り、乳房の上に精液のべっとりした感触
を初子は気の遠くなる思いで感じとっています。

ゆっくりと体を起こし、バスタオルで裸の胸を押さえながら起き上がって、部屋
の隅を見ると、そこの床にバスタオルを敷いて加藤が裸体を横にして投げ出して
います。緊張を失った股間のものがだらりとタオルの上に垂れ下がり、その先端
から名残のものが少し流れ出しています。初子は男の裸体を無感動に、汚いごみ
を見るような眼で見ています。初子の動き出した気配に気がついて、加藤は横に
なった姿勢のままで、端正な顔に笑みを浮かべて、初子に声を掛けてきました。
初子には端正であるはずのその顔がこの上なく低俗な安っぽいものに見えます。
こんな薄っぺらい男の言いなりになった自分自信を嫌悪しています。

「ああ・・、目が覚めましたか、
今日の予定はすべて終わりましたよ、良い絵が取れたようですよ、
その奥にシャワーがありますから使ってください。
ああ、奥さんの衣類も下着もそこにおいてありますから・・、お疲れ様でした」

「奥さん、これを持って帰ってください」
シャワーを使って、外観だけは元に戻った初子に、加藤が白い角封筒と、携帯電
話を手渡しました。
「これは、今日のギャラです。これからの連絡は、この電話を使います。
奥さんとわれわれの間の専用ですから、他の用途には使わないで下さい。
奥さんがどうしても連絡したい時は、メモリーにある加藤を呼び出してください
奥さんへの連絡は私からも含めて、私達の仲間から直接その電話に入ります。

この呼び出し音楽を良く憶えていて、直ぐ電話に出てください。
それからその電話を捨てたり、その電話に出なかったりしたら奥さんの家の近くで、
今日撮った写真をばら撒きます。奥さんの住所と名前は知っています。
山手初子さん、○○区△△5の3の1ですね」

加藤はそれだけ一方的に言って、にっこり笑って初子の額に口付けして、さっさと
その部屋から出て行きました。
一人取り残された初子は自分の身の上に起きたことがようやく理解できました。手
渡された白い角封筒を開けると3万円が入っていました。初子はその角封筒を汚い
ものを捨てるように床に捨てました。その時、携帯電話から、軽快なトルコ行進曲
の一節が流れました。ビクッと肩を震わせて、初子は手に持った携帯電話を見つめ
ています。そして、諦めたようにゆっくりそれを耳にあてました。

「奥さん、言い忘れたことがありました。
その部屋は、今日のために借りたもので、明日は他の人が借りるはずです
そこにお金を残して行っても、私達の手には戻らないですから
お金を私達に返すおつもりでしたら、次の機会、会った時にしてください
それでは、気をつけて帰ってください、また連絡します」
加藤は丁寧な言葉使いで、用件を伝えて、電話を切りました。初子は部屋のドアー
を開けて、マンションの廊下に出てみて、そこがいわゆるレンタルルームの一部屋
であることに直ぐ気がつきました。

ここを訪ねてきた時、もっと注意深く見ていればそのことに気がついたはずだと思
うのですが、すでにことは終わっています。通りに出て、タクシーを捕まえ、家に
帰り、自宅の居間に座ると、初子は今日起きたことが夢のように思えるのです。
しかし、自分の手にある白い角封筒と赤い携帯電話は、それが現実であることを物
語っています。体のいたるところで羞恥の疼きがまだ十分感じ取れます。耐えに耐
えていたものがプッツンと切れて、初子はテーブルに伏せて、狂ったように泣き出
しました。消え入るような初子の泣き声が、夕闇が迫ってきた、誰も居ない家の中
に木霊し、壁に吸い込まれています。こんな時、夫がいてくれたらと、異国にいる
山手に初子は心の中で叫んでいました。

[Res: ] Re: 寺崎探偵事務所物語T、(10) 山葵 投稿日:2005/09/27 (火) 11:03
毎日、先生の投稿を楽しみにしております。
昔読んだ藤沢周平の短編に、
取りつぶされた藩の武士が赤貧に喘ぎ
用心棒をしながら食いつないでいたが
あまりの貧しさに妻が体を売る商売に出るようになる
という話がありました。はじめのうちは気づかなかったものの
男たちに体を開くことで歓びを得る自分の淫らな本能に気づき
どうしようもなくなった末に
夫との夜の営みの際に、娼婦のようにふるまうことで
夫は気づいてしまう。そして真実を知ってしまう。
ある夜、欲望のままに男に抱かれた帰りに
待ち伏せていた夫と出会う。
橋の上で無言ですれ違う一瞬、夫の右手がきらめき
女はずるりと倒れる。夫はその女を抱いて黙って
去ってゆくという話でした。
「こいつは俺に切られるのを待っておったのだ」
という男の言葉を思い出します。

寺崎探偵事務所物語T、(11) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/27 (火) 14:16
4 女の性と理性の狭間で悶える初子 

「私が調査依頼を山手さんから受けた時、奥さんは7度目の呼び出しを彼らから
受ける前でした。それで、奥さんと彼らの最初の出会いを追跡することは不可能
でした。ところが、今現在も彼らは同様の手口で、他の女性を騙していて、私は
彼らを尾行して、この行為を確認しました。
それで、奥さんも同様の手口で、罠に嵌ったと考えています。奥さんに確かめれ
ばこれは直ぐ判るはずですが、私が説明した奥さんと彼らの出会いは間違ってい
ないはずです。こうした悪達は、一度成功した罠を繰り返し使います。そして、
その罠の完成度を高めてゆく習性があるのです。」

寺崎が山手や宇田川を前にして、説明しています。さすがに山手はやや顔を紅潮
させていますが、それほど取り乱した様子ではありません。
「確かに初子は、赤い携帯電話を新たに購入したと言っていました。
そして、その日の夕食後、そのトルコ行進曲が鳴り、
初子は友達が急に入院したと言って出かけ、夜遅く戻ってきたことがありました」
山手が、普通の調子で淡々とその事実を報告しています。初子が男達の罠にかかっ
たと言う寺崎の推測を全面的に信用した様子です。

「寺崎さんの推測は間違いないでしょう、初子が騙されて男に抱かれたと知って、
私は少しほっとしました。最初からそう思っていたのですが・・・、
私が一週間の中国出張から帰った時、初子の様子が随分と変わっていました。何か
に怯えている様子で、私と顔を会わせても、直ぐに眼をそらすことが多くなってい
ました。今の説明で判りました、その時は、何度も男達に呼び出された後で、
もう私に告白する時期を失って、ただ男達の言いなりになるしか方法がなかったの
ですね・・・・、哀れですね、苦しかったでしょうね。
夜の夫婦交渉は、変わらず続けていましたが、以前より格段に反応が強くなってい
るのに気がつき、私はそれに感激して・・・
ああ・・、失礼しました、奥さんの前で、私としたことが・・・」

山手は夜の絡みを話そうとして、由美子が居ることに気がつき、言葉を濁して、由
美子を見て頭を下げています。
「いいのよ、山手さん、私は平気よ、それより、聞いてほしいことがあるのよ
女性の立場から、そんなひどい目にあった女の心と体の動きを説明したいわ」

由美子は、初子の悲惨な経験を聞かされて、同じ女として初子の足掻きと悩みが良く
判りました。
「薬物で女を眠らせて自由にするなんて、絶対許せない行為よ
でもそんなひどいことをされても、男に抱かれて、弄ばれると、
女は抑えていてもいつかは、自分から男を求めるようになるのよ、
それが悲しい女の性だと言う人もいるわね
私は悲しいとは思わなくて、それは女であることの証で、むしろ誇りに思うわ」

由美子は、そこで言葉を切って男達の反応を見ています。男と女の歴史が始まって以
来、繰り返し語られ、なかなか男が理解できない女の性、由美子の言う女の証を、由
美子はなんとしても山手に判って欲しいと思っています。そうでなければ初子があま
りに哀れです。

「初子さんは、最初は嫌で仕方がなかった男達の呼び出しを一度、二度と経験してい
る内にいつしか、体がそれを求めていることに気が付いたはずよ、
こんなひどいことをされたら、女の体は当然変わるわよ、
この世に女が作られた時から、女の体はそうなるように、神様が作ってくださったのよ、
だから、一旦、女が男の味を知ったら、元へは戻れないわ
そうなると、健康な女なら心の葛藤に悩みながらも、
男の前に出ると体は自然と開くものよ
むしろ、こんなひどい目にあって、そうならない女がいたら
私はその方が女として大問題だと思うけれど、

体が男達を求めて、その男達がそんなに嫌でなくなったことに
ある日初子さんは気が付いて愕然としたはずよ、
多分、その頃、山手さんが中国から帰ってきたのね」

山手が出張から帰ってきた時、初子はすでに数回男達に呼び出されて、今まで想像もし
ていなかった過激なセックスを繰り返し、屋外での露出も強制されて、体がそうしたこ
とに慣れていくに従い、その行為に密かに快感を感じるようになり、男達との絡みをい
つしか楽しみにするようになりました。
勿論、無理な体勢で抱かれて、太い肉棒を無理やり入れられたり、路上で股間を無理や
り露出されたりした時は、大声で拒否するのですが、股間は正直に反応して、そこは十
分濡れていて易々と業物を受け入れているのです。

それは当然の結果で、女なら誰でもその状況に置かれるとそうなると由美子は断言して
います。そうなった初子を理解してほしいと由美子は祈るような気持ちで山手に訴えて
いるのです。
「男達との絡みがそれほど嫌でなくなったと気がついた時
体はともかく、私は心まで汚されてしまった、もう、夫の元に戻れない、
そう思って、初子さんは自分を責めたと思うわ・・・・・・・」

[Res: ] Re: 寺崎探偵事務所物語T、(11) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/27 (火) 14:25
山葵さん
少し良い気候になって、油断したせいか喉を痛めて、ややカゼ気味で
これを書いています。今日はのんびりするつもりです。
藤沢周平先生、私も好きな作家です。良識のある普通の人が主人公で
そこに深い人間性が描かれています。少しでもそこを掠めるようなも
のが、私も書ければと思っていますが。

寺崎探偵事務所物語T、(12) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/28 (水) 14:28
「男達との絡みがそれほど嫌でなくなったと気がついた時
体はともかく、私は心まで汚されてしまった、もう、夫の元に戻れない、
そう思って、初子さんは自分を責めたと思うわ、
それを山手さんに知られることを一番恐れたはずよ

そして一方では、早く自分の罪を摘発して欲しいと、
全く別の感情が働いて、汚れた下着などをご主人に見せ付けるようにしたのよ
判るでしょう、本当に追い詰められると、人はそれから逃げ出したくて、
一番危険な行為に走るものよ、その時の初子さんも、自分からは言い出せないけれど、
ご主人に自分の罪を見つけて欲しくなったのね」

由美子の説明を男達はじっと下を向いて聞き入っています。そして、何度も何度も
頷いています。あれだけ気丈な姿勢を見せていた山手も、目を真っ赤にして、由美
子を見つめています。由美子から初子の心境を語られると、あの時の初子の苦悩と
絶望がまざまざと理解できるのです。山手はあの時、一人悩んでいる妻をどうして
もっと理解してやれなかったのかと自分を責めています。山手は自分の甘い行動が
取り返しのつかないほどに初子を追い詰めたことを悔いています。

「山手さん、この先初子さんの体が解放された時、その心を泥沼から救い出せるのは、
旦那さんの愛情と深い理解だけだと思うわ、
誰にも話したことがないことだけれど、私も初子さんに似た経験があるのよ
その時、主人がいてくれなかったら、今の私は無かったわ」
由美子は詳しい話を避けましたが、鶴岡と由美子だけが知る過去があるようです。
由美子の説明を聞いて男達は声も出さず俯いています。

当事者の山手はあの時、体も心もボロボロになっている初子になぜ救いの手を差し
伸べられなかったのだと、由美子に厳しく責められ、さばきの筵に据わっている思
いです。そして、ボロボロになった初子を救えるのは山手だけだと言う由美子の言
葉を必死で受け止めていました。
問題は初子の体が既に開放されているかどうかです。寺崎が山手をここに連れてき
た目的はこのことにあるのは確かです。寺崎が事件の核心に迫る話を始めました。

「普通、人妻の商品価値は最初の3本くらいで、その後はそれほどの需要はありま
せん、したがって奥さんの場合も、3本の撮影が終われば、男達は奥さんとの連絡
を一切断ち、その後、完全に奥さんと縁を切る予定でした。彼ら自身の保身のため
にもこの方法がベストなのです」
寺島の話を聞いて、山手の顔に安堵感が一瞬浮かびました。しかし、その表情は直
ぐ消えました。これで終わりになる事件なら、寺崎がわざわざ山手をここに連れて
こなかっただろうと気が付いたのです。

「闇ルートに流れたDVDから、被害者が迷惑を受けることはほとんどなくて、せ
いぜい被害者の夫が市販されたDVDを見て、ようやくそれと気づく程度です。
彼らも被害者が特定されないよう映像の編集に工夫します。
被害者である奥さん達も、3本程度の経験であれば、その行為を忘れることは出来
なくても、その行為が病みつきになることは少なく、何とか泣き寝入りして、いつ
かはそのことを意識の外に置くことが出来るのです。こうして、この男達の行為は
摘発されることもなく、今現在も繰り返されています。

ところが奥さんの場合、人並み優れた容姿が災いしました・・・
あの男が奥様に眼をつけたのです・・・・」
寺崎は山手の顔を見て、そしてゆっくり彼の視線から眼をそらし、下を向いて独り
言のように最後の言葉を呟いたのです。


寺崎探偵事務所物語T、(13) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/29 (木) 14:10

5  高値で買い取られ、檻に入れられた初子

三本のDVD作品を完成させるため、延べ20日間ほどさまざまな現場で、いろ
いろな衣装をつけて、強姦シーン、3P、4P、そして野外露出、野外放尿、
SMなどいろいろの形で初子は数人の男達と絡みそれを撮影されました。こうし
て出来上がったものがDVD原版で、通常市販されているDVDの10倍程度の
内容がその中に取り込まれていて、原版の中の映像が取捨選択され、一部加工さ
れて商品DVDが完成します。

DVD原版には現場スタッフの声も姿も入っていて、演技者の生の姿が取り込ま
れています。それだけにその道のマニアにはこの原版は垂唾の的です。 
このDVD原盤を撮り終えると、それ以降、男達は初子と完全に縁を切るはずで
した。そうなっていれば寺崎が初子の事件にわざわざUを引き出す必要は無かっ
たのです。
確かに被害者の初子にすればこの世からわが身を抹殺してしまいたいほどの恥辱
と後悔にまみれた事件ですが、こうしたことに慣れている寺崎探偵にすれば、
もうそれは終わったことで、後は当事者夫婦間で解決する問題が残るだけです。
由美子が言う、初子の心の傷を山手がどう修復するかに掛かってくるのです。
しかし・・・・、

「ここに、奥様のDVDが30枚あります。手を尽くして幸運にもあるルートか
ら入手できた編集前の原版のコピーです、これをごらんになれば、奥様が彼らに
どのように扱われたか、よく判ります。
彼らはこの原版を上手く編集して、奥様を特定できないよう、危ない行為が立証で
きないように加工して、完成した商品DVDを闇ルートに乗せるのです。

結論から申し上げると、初子さんの商品は世に出ないと思います。原版とその商
品化権利がある人物によってかなりの大金で買い取られたのです。その人物はこ
のDVDを世に出すつもりは無いようで、そのことだけを取り上げれば山手さん
には好都合なことですが、問題はその原版を買い取った人物です。

その男はこの原版と奥様を同時に買い取った模様です。奥様は彼らの手から、そ
の男の手に移りました
奥さんは、おそらくそのDVDを種に脅されて、言葉巧みに追い込まれて、その
男の言いなりになるしか道がないと思い込んでいると思います。いわば、目に見
えない檻の中に奥さんは閉じ込められて、その男に飼われている状態です」

寺崎は山手に対して、特に言葉を繕わず、思ったままに、「飼育されている」と
あえて表現しました。山手を見てきて、かなり精神的に強い男と判断して、初子
の現状を正確に伝えるため過激な表現をとりました。それでも「飼育」の表現は
山手の心をかなり深く傷つけたようで、じっと下を向いて心の痛みに耐えて居ま
す。

寺崎は手にしたカバンから、A4判の紙封筒を取り出し、それを山手の前に置き
ました。山手がそれを手に取り、中身を確かめています。かなりの厚みのある報
告書とDVDデイスク30枚がそこから出てきました。
山手はそのDVDを一枚取り上げ、じっと見ています。この中に、妻、初子の恥
ずかしい姿が記録されている、おそらく考えられる限りに辱められた初子の行為
がその中に封じ込められていると山手はそれを灯の光りにかざすようにして見て
います。

何度か見たことがあるアングラDVDの淫らな画面と妻の顔を山手は重ね合わせ
ています、そんな光景を想像しても、ふしぎに怒りも、嫉妬も沸いてきません、
ただ辛い思いをした妻を思う気持ちがふつふつと湧き上がってくるだけです。
これ以上は辛い思いをさせられない、早くこの地獄から救ってやりたいと山手は
決意を固めました。そのためなら、宇田川であろうと悪魔であろうと手を握ろう
と思いました。

「報告書の最後の頁を見てください、その人物の個人情報が書いてあります。
山手さんから調査依頼を受けた時は、既に二本分のDVD原版が撮り終っていて、
残り一本分の撮影に入り、その仕事もその日で終わる予定でした。その男が現れ
たのは、このタイミングでした。

相当顔の効く男のようで、撮影現場にも自由に入っていました。スタジオに仕掛
けておいた盗聴器からモニターした会話のから判ったことですが、その男は収録
済み原版を既に見ていて、奥様を相当気に入ったらしく、スタジオまでわざわざ
出向いてきて、実物の奥様を確かめて、完成したDVD原版と奥様をその場で、
男達の言い値で買い取りました」

山手に敢えて報告する必要が無いだろうと、寺崎は説明を割愛したのですが、そ
の男はスタジオで男優たちの演技が終わった後、初子を嬲りものにして、初子の
体を十分味わい、その味を確かめて、法外な高額にもかかわらず買い取りを決め
たのです。その男と初子の絡みを最初からDVDプロの連中は撮影していて、す
べて終了後、原版をその男に手渡していました。サービスのつもりでしょう。

その時の盗聴記録を寺崎は持っていますが、その男に抱かれた時の初子の声は他
の男優の時とは明らかに違うトーンで、その男の凄まじい精力とテクニックを初
子の喘ぎ声が証明しています。初子はそんな凄い男に買い取られたのです。それ
も闇に生きるDVDプロの男達を軽くあしらうほどの人物です。初子がその男の
ものになってから二週間が経過しています。
初子が遠くに行ってしまう可能性が高いと寺崎が言ったのは、このことだったの
です。早く初子をこの男から取り戻さないと、初子はこの男に飼いならされて、
元の主婦には戻れない体に変えられます。

寺崎探偵事務所物語T、(14) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/09/30 (金) 20:57
「その男が初子さんを手に入れてから、今日までの二週間、初子さんは週三回、
今まで計6回、その男に呼び出されて、毎回、都内の有名ホテルできっかり3時
間男と一緒に過ごしています。残念ながら、その男の周辺はいつも屈強な男が見
張っていて、その隣の部屋に近づくことすら難しくて、部屋に盗聴器を仕掛ける
ことも出来なくて、ホテル内の詳細は掴めていません」

寺崎の報告は最終段階に入ったようです。寺崎がその男と呼んでいる人物の調査
報告が報告書の最終章にまとめられています。
その頁にはその男の顔写真と経歴、秘書兼ボデイガードの顔写真、ホテルへ入る
初子、ホテルから出てくる初子、そして山手家の近くにある公園の側で、出迎え
の高級車に乗り込む初子、下車する初子の写真が添えられています。写真の初子
は、山手が驚いて眼を見張るほどの露出度の高い衣装を身に着けていて、艶やか
な雰囲気です。初子が遠くへ行ってしまったと山手は絶望的な気持ちで写真を見
ています。

そして、初子が髪をライトブラウンに染めた時のことを山手は思い出しています。
その時、「良く似合うよ」と言いながら、怪しい雰囲気を出す初子を見て、嬉し
いような、彼女が遠くへ行ってしまうような不思議な気持ちになったことを良く
憶えています。

「いつも、公園の側に定刻に迎えの車がやってきて、ホテルへ向かいます。その
車には、運転手を努める屈強な若者が乗っています。帰りも同じ車で、やはり公
園の側で初子さんは降ります。非常に大切に扱われているようで、出迎えの男は、
まるで主人の令夫人に対するような態度で初子さんに接していました」
寺崎の報告はこれで終わりです。これ以上の調査を続けても新たな情報は得られ
ないと彼は思っているようです。

「宇田川さん、お聞きのとおりです。
ぜひ私に力を貸してください。写真で見る初子はすっかり変わっていて、妻の本
音を聞くのが恐ろしい気がします。それでも、この男から初子を取り戻したいの
です。
この男の経歴を見ると私にはとても相手できる人物とは思えません。それにこの
運転手の若者も只者ではなさそうです。お願いします。お気に召すような御礼は
とても出来ないと思いますが、私の全てを差し上げても、妻を自由にしてやりた
いのです」

山手はUを見つめ、顔を紅潮させて、Uを睨みつけるようにして、静かな調子で
頼み込みました。そして、激情を抑え切れなくて、Uの右手を両手でしっかり握
りました。
Uは笑みを浮かべて、山手に握られた右手をそのままにして、左手を山手の手の
上に重ねました。そしてゆっくり頷いたのです。

山手も、そして寺崎もほっとした顔をしました、次の瞬間、山手は下を向き、肩
を震わせ、口に手をあて、絞り出すような声で泣き出しました。いつまでも、山
手の啜り泣きが続きます。
あのDVDを見せられた時も、悲惨な初子の被害状況を聞いても、冷静に対応し
た山手が、今、肩を震わせて泣いています。由美子が彼の側に寄り、そっと彼の
頭を抱き、それを胸に押し付けるようにして優しく抱きしめました。

山手は、体の力を抜いて、由美子に上半身を預けてすすり泣いています。薄いブ
ラウスを通して、ブラの無い乳房に涙が届き、由美子は生暖かい山手の激情のほ
とばしりをそこで感じています。山手のために由美子も何かしてあげたい、何か
出来るはずだと彼女は考え、しっかり山手を抱きしめ、柔らかい乳房に彼の頭を
押し付けました。

寺崎探偵事務所物語T、(15) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/01 (土) 12:21
6 あの男に溺れて行く初子、そして結婚を・・・ 

それから、3人の男と一人の女は、初子をこの男から奪回するため、作戦会議
を始めました。
「この男に何か仕掛けるとすれば、ホテルで初子さんと会って、ほっとしたそ
の時以外はチャンスが無いね、そのほかはいつも忙しくしていて、周りに人が
多くて、その後を就けるのも難しいよ。

問題はホテルでのガードだがいつも二人ないし3人がお供に居るよ、中でもこ
の秘書が難物だね、彼はこの男の側から離れたことが無いね、初子さんが部屋
に入ると、さすがに秘書はその部屋から出て、部屋の扉が見える位置に椅子を
持ってきて、座っているがね。

そして、初子さんがことを終わり部屋から出てくるのを確かめて、地下の車
庫に先に降りて、車を回して、初子さんを公園まで送る一時間、この時だね、
あの男と秘書が離れるのは、あの男はともかく、この秘書は非常に用心深いの
だよ、何か仕掛けるとすればこの時間帯以外チャンスは無いね」

寺崎が調査で得たその男の情報を伝えています。さすがに敵をたくさん抱えて
いるその男のガードは固いようです。
Uと由美子が事前に簡単に話し合ったらしく、その計画を由美子が説明しまし
た。山手はその大胆な計画に驚いて、先ず異論を出しました。

「それでは、あまりに奥さんの犠牲が多すぎて、私は賛成できません」
「私は平気よ、相手は相当の悪人なのよ、それにガードも固いわ
正面から行ったのでは、うまく逃げられるわ、
女の私なら、敵も油断するわ、きっと・・。騙すのよ、目には目で戦いましょう」
「とにかくワンチャンスに掛けて、一気に解決しないと敵がこちらのことを
知ってガードを固めたら、解決は長引くと思うね」
Uがそう言って、もう誰も反対できません。確かに薄氷を踏むような作戦ですが、
これ以外いい案は有りません。力の勝負になればU一族とその男の組織が入り乱
れての決闘にまで拡大します。それは避けるべきだとU自身も思っています。 

「うん、これで行こう・・」
午前2時過ぎまで、様々な可能性が検討され、ようやくUが決心して、作戦が決
まりました。よろしくお願いしますと眼を赤くした山手が全員に深々と頭を下げ
て深夜の作戦会議は終わりました。作戦の開始は明後日の午後と決まりました。
寺崎の調べでは、この日、初子があの男に7度目の呼び出しを受けるはずです。

こうして、その男から初子を奪回する作戦が決まりましたが、由美子はまだ何か
言いたそうですが、少し迷っているようです。
「奥さん、私への懸念なら構いません、なんでも言ってください」
由美子が発言を躊躇しているのは、山手を気遣ってのことと思ったようです。
「エエ、申し上げるわ・・・・、少し心配なことがあるの
初子さんは、この二週間に、その男ともう6回以上・・・、
そう、関係したはずよね・・・・」

由美子はそこで言葉を切りました。山手は由美子をじっと見つめて一言も聞き漏
らさない真剣な顔つきです。他の男もじっと由美子を見つめています。鶴岡が優
しい笑顔を浮かべて、軽く頷いています。そこまで話したら、先を続けなさいと
言っているようです。由美子は迷った末、話を続けることを選びました。

「わたしは女だから判るけれど、短期間に何度も同じ男と肌を合わせると
その男を最初どんなに嫌っていても、女は次第に心を許すようになるのよ
もう、皆さんにも判るわね・・・、その男と情事を重ねるに従い、まず、
体が反応して、そして、その男と離れられない、もう元に戻りたくないと、
初子さんの心が動揺し始めている可能性が高いのよ。

その男は、初子さんが好きなはずだから、甘い言葉を吐くと思うのよ、
平凡な主婦の生活より、そちらが魅力的に見えて来て、
初子さんが危険な夢を見たとしても、そう不思議ではないわ・・・・・
でも・・・、そんなこと心配しても仕方ないわね・・・・、
ごめんなさい・・・・、余計なこと言って」

由美子は余計なことを言ってしまったと思っています。それが判っても、今、ど
うすべきか対策が無いのです。ただ山手を困らせるだけの効果しかないことに由
美子は言い出した時から気が付いていました。ちょっと後悔しています。

「奥さん、私もそのことを最初から心配していました。今日、寺島さんの報告を
聞くまでは、妻の浮気相手は特定の個人だと思っていました。
最初からその男が好きで初子が抱かれたとは、考えたくもありませんでした。そ
んなことは絶対無いとも思っていました。それにしても、一ヶ月近く同じ男に抱
かれているのは、初子の意志が少しは働いていると考えました」

山手は慎重に言葉を選んで話しています。しかし、このTヶ月、山手の悩みは、
そんな生易しいものではありませんでした。昼間会社に居ても、男に組み敷かれ
て悶える初子の姿が思い浮かび、二つのホールの間を強く吸引されて、激しく潮
を男の顔に吹きかける初子の亀裂を思い、狂い出すような苛立ちを仕事にぶつけ
て、気を紛らしていたのです。

その巧みな性儀とたくましい業物に翻弄されて、夫では味わうことが出来なかった
悦楽の境地を知って、夫への背信の責めと女の性の間で迷いながらもその男の元
に通い続ける初子の姿を想像する時、山手は男の誇りを打ち砕かれ、胸が張り裂
けるような悔しさと嫉妬に悩まされるのです。
こんなに苦しむなら、何もかもぶち壊して初子との生活を捨て去ることを何度も
考えました。その決心を引き止めたのが子供であり、まだ捨てきることが出来な
い初子への愛情でした。そして、山手は見えないその男と戦う決心をしたのです。

寺崎探偵事務所物語T、(16) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/02 (日) 22:54
「出張から帰って、妻を抱いた時、始めはいつものような反応でした、それが突然、
私のものを強く締め付けて、狂ったようにのたうちまわり始めました。初子も必死
で抑えているのですが、体が自然と反応しているのです。
私が妻の最初の男で、それ以後、私以外の男を知らなかったはずです。その男が妻
をこんなにも変えてしまったと私はその時、驚きで一時的に、それ以上交わりを続
けられない状態になりました。その男に負けたと私は思いました。このままでは妻
の心がその男に傾くとも思いました」

山手はこの悔しさを初めて他人に話すのです。男としてこんな無念な気持ちは味わっ
たことは他に有りません。その時の無念さを改めて思いだしたのでしょう、言葉を
切って、湧き出るものをじっと我慢しています。聞いている男達は山手の気持ちが
痛いほど判ります。ある意味で、最愛の妻が他の男に体を変えられるほどの屈辱は
他にこれ以上のものは無いと思えます。

「私は全身全霊を上げて妻に挑みました。見えない相手に対して、セックス合戦を
挑んだのです。学生の頃、私は馬太郎と呼ばれて、それなりに遊んだ男の誇りがあ
ります。その男にはぜったいに負けられないと決心しました。

幸い、妻は私を拒否しないで、私の仕掛けに十分応えてくれました。ここ二週間ほ
どは、本当に楽しいセックスが出来ました。そして、妻の体の反応が私の教えた馴
染みのあるものに変わって行きました。その男の影をほとんど追いやったと思える
ようになりました。こうして、その男に対して、勝てないまでも、負けていないと
自信を持てるまでに、妻を満足させたつもりです」

股間に山手の肉棒を深々と受け止めて、光悦で、淫らに顔をゆがめて、何度も気絶
して、「もう、堪忍して・・」と泣き出した初子の顔を思い浮かべながら、山手は
なにやら誇らしげに、顔を紅潮させて由美子一人に語りかけるように話しました。

由美子は改めて、山手の股間をあの透視力でチェックしました。そうした思い切った
行為をするだけの業物と精力がそこにみなぎっているのを感じ取りました。Uに比
べても遜色ない精力です。
あの男が相当な業物と執拗で巧妙な性技を駆使して初子を攻めていても、これほど
の精力があれば、それに対抗して初子の体に山手の味を再び叩き込めたはずだと、
由美子は女の感性で確信しました。それに山手はその男より一回り若い男盛りで、
誰よりも初子を愛しています。

「山手さん、あなたは偉いわ、本当に私はそう思うわ
男の中の男よ、貴方に会えて、私、もっと男の人が好きになったわ
私からもお礼を言わせて、初子さんもそれをきっと感じているはずよ
もう、何も心配要らないわ、後は作戦を実行するだけね
その男の、自慢のあれをへし折ってやりましょう、あら、下品な言葉ね」

由美子は山手の額に軽くキッスをしました。山手はテレながらも、嬉しそうにして
笑顔を浮かべました。山手がこの家に来て初めて見せた笑顔です。その席に居る全
員がなぜかほっとしています。
さあ、これで迷わず作戦を展開する背景は整いました。なぜか、戦いを前にすると
男達は全員勃起させていて、由美子それを感じて戸惑い、ついで淫らな空想をして、
そこを濡らし始めています。今晩Uが泊まってくれるはずです。由美子はそっとUの
股間をチェックして、それが十分なのに満足して、継いで山手のものも見て、出来
れば、これもいただきたいと思っています。鶴岡が大きなあくびをして、作戦会議
は終わりました。

その作戦決行の日、いつものように慌しい山手家の一日が明けました。二人の子供
は初子に急き立てられて、眠い目を擦りながら起きてきました。トーストとオムレ
ツの朝食を牛乳で流し込むようにして、驚くほどのスピードで朝食を終え、食卓で
にこにこ笑っている父に挨拶をして、大きな声でキッチンに居る母親に声をかけて、
子供たちは慌しく家を出て行きました。やっと静かな朝に戻りました。
この一家の明るさを見ていると、初子は、自分一人なんて馬鹿なことを続けている
のだろうと申し訳なさで涙が出てくる思いです。

昨夜いつものように悦楽の限りを尽くして、初子を何度も逝かせたことに満足して、
上機嫌の夫が玄関に立って、初子からカバンを受け取りました。
「あなた、私、今日昼前から都心へ出かけます。少し買いたいものがあるので、
3時過ぎ頃まで留守にします。子供が帰ってくる頃までには、戻っています」
初子は家を留守にする時はいつも夫にこうしてそのことを告げる習慣が有ります。
山手が職業柄、突然の出張がよくあるからです。

「ああ、そう・・・、十分楽しんでおいで、少しくらい遅くなってもいいよ
ああ、そうだ、今日早く帰れるから、久しぶりに外で、皆一緒に食事しよう。
そのつもりでいてくれていいよ、じゃあ・・・」
山手はにっこり笑って、カバンを受け取り、初子に背を向けました。初子はその背
に「あなた、ごめんなさい」、心の叫びを上げていました。山手はその声が聞こえ
たように、扉にかけた手を止めて、振向きました。

「初子、今晩は少しお洒落した君が見たいね、若々しい格好がいいよ、ハハ・・」
山手は笑いながら、玄関ドアーを開けて、上機嫌で出て行きました。山手は初子の
苦悩の浮気が今日終わることを知っています。その現場に立ち会いたい気持ちです
が、Uからそれは止められています。今晩の晩餐会の頃には、その結果が判ってい
るはずです、お祝いになるか、初子とのお別れ会になるか、誰にも予想できません。

寺崎探偵事務所物語T、(17) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/03 (月) 10:54
子供たちを送り出し、夫が上機嫌で出勤しました。夫に今日出かけることを伝
えて、初子はあの男の待つホテルへ行くつもりです。それ以外選択の道が無い
と初子は思い込んでいます。
家事を早めに終えて、シャワーを使い、ともすればあの男のことを思って濡れ
始める股間を何度も綺麗に洗っています。その部分は、あの男に会うたび、毎
回剃られて、大陰唇と菊座の周りには雑草が一本も無くそこだけがくっきり浮
かび上がっています。その部分を触りながら、夫がこれに気が付かないはずが
無いと改めて思っています。そこに刻み込まれた初子の罪を、夫に暴いて欲し
いのです。
「あなた、どうして何もしてくれないの、助けて欲しい・・・」
初子は誰も居ないバスルームで声に出して山手に語りかけています。

一時間以上掛けて念入りに化粧しました。鏡の中の自分を見ました。眼をうる
ませて、うっすら開いた真っ赤な唇から、チロチロと濡れた舌が見えて、シリ
コンを散りばめたあの男の節くれだった男根をそこがほしがっているように見
えます。思わず初子は眼をそむけました。あまりの淫蕩な自分の顔が直視でき
なくなったのです。

支度が終わった初子は定刻までの時間、自宅の居間で物思いに耽る習慣が出来
ています。それが、これから始まる背徳の時間を迎える初子の儀式になってい
ます。
今日も、ゆっくりソファーに腰を下ろして、DVDプロで経験した恥ずかしい
けれど、決して忘れられない、今では懐かしくさえ思えるあの行為の数々、そ
してあの男との出会いを思いかえしているのです。

今まで初子は自分の意志で人生の方向を決めて行動したことが有りません。高
校から短大に進んだのも、周囲の仲間の流れに付いて行った結果です。山手と
の結婚も、山手に犯されるようにして初体験をすませ、心を寄せていた男性を
あきらめて、そのまま家庭に入りました。こんどのDVDプロ事件、そしてあ
の男のことも、初子が意志を持って動けば、事態は変わっていました。

初子は苦悩しながらも、自分の意志で動こうとせず、ただ流れに身を任せてい
ます。それが、どんなに辛い結果になろうとも初子はその運命に従うことしか、
生きて行く方法を知らないのです。

今日、山手の放った刺客が、あの男を襲います。あの男が勝つか、山手が笑う
か、初子はいずれの結果であっても、黙ってその決定に従うでしょう。例えそ
れが初子を流転の底に落とし込む危険があっても、初子は黙って運命の命じる
ままに行動する女です。
しっかりした信念を持ち、自分の意志で活路を開いている多くの女性から見る
と、どうして初子のような女性が男性の気を惹くのか理解に苦しむところです
が、あの男にしても、山手にしても、それ相当の男性が初子にほれ込んでいま
す。男と女の不可解な一面をここにも見ることが出来ます。

普段の生活では身につけないマイクロミニのスカートをつけていて、深く座っ
たソファーの上では、股間の茂みが完全に顔を出しています。誰も居ない自分
の家の中とは言え、こんなつつしみの無い姿をさらすことに、初子はそれほど
抵抗を感じなくなっています。あの男の好みに合わせて下着レスで街を歩くこ
とが多くなり、それに少し慣れてきましたが、何となく心もとない気分は今も
少しは残っています。それでも、男の喜ぶことなら、初子はなんでもできる気
分です。

アイシャドーを濃く引いて、濃く塗ったファンデーションで初子の素顔がほと
んど消えています。あの男との関係が出来てから、髪をライトブラウンに染め、
それを肩の辺りで軽くカールさせています。娘はその髪はいやらしいと言い、
息子と山手はまぶしそうに初子を見ていました。

今日で7度目になる男の呼び出しに初子の体は朝から反応して、はっきりそれ
と判るほど股間が濡れ始めています。もう、後戻りできない気分です、会社や、
学校で恥ずかしい写真をばら撒かれないよう、夫のため、子供のため、自分が
犠牲になって我慢すればいいと自分を慰めていても、本当は体がそれを強く求
めていることを初子はよく知っています。

それでも、夫に強引に連れ戻して欲しい気持ちは強くて、派手な衣装や、裂か
れたストッキングなどを夫の目にさらしています。夫に抱かれた時も、あの男
に教え込まれた性儀を躊躇しないで出しています。昨夜、ついに後ろの穴に夫
を導きいれました。驚愕する夫の顔を見て、初子は絶望の涙を流しました。

全ての陰毛を剃ることだけは何とか止めさせましたが、ホール周りは、男に会
うたびにそこをきれいに剃るのが愛儀の一環になっていて、亀裂も菊座もつる
つるの肌にくっきりと浮かび上がっています。この景色を山手は見たはずです
が、なぜか彼は初子を追及しないのです。初子は夫の心を計りかねています。
優しさは以前と変わりません、むしろもっと優しくなったようです、変わった
といえば、毎晩初子を求めてくることです。

以前は月3度ほどになっていたものが、今は毎晩、十分の時間をかけて、初子
を愛撫して、あの男より大きい男根をいきり立たせて、それで初子を思い切り
貫くのです。初子もある時から、躊躇しないで体の喜びを素直に出していて、
それが山手を刺激して、二人は悦楽の限りを尽くすようになっています。初子
自身は気が付きませんが、この悦楽を極めた夫婦の絡みがもし存在しなかった
ら、初子はもう、とっくにあの男の元に走っていたと思われます。山手との悦
楽の絡みが、初子の体を食い止め、初子の心があの男に走るのを食い止めてい
るのです。


寺崎探偵事務所物語T、(18) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/03 (月) 22:09
罠に嵌って始まったDVDの撮影は、20日間ほど続きました。
初めての日、騙されて両手足を縛られ、猿轡をされて加藤に抱かれていると
ころへ、撮影スタッフがやった来たのです、驚きと羞恥を超えた恐怖で、愛液
が途切れ加藤の肉棒にこすられるところが痛くて、苦痛の悲鳴を上げました。
加藤が性交を中断してその周りに軟膏を丁寧に塗ってくれました。

「皆に見られていると緊張して、愛液が途絶えたようだね、よくあることだよ
特に感度の良い女性にこの現象は多いよ、直ぐいっぱい出てくるから」
たくさんの素人女を強姦同様に犯してきた加藤は、緊張と羞恥で愛液が途絶え
る女性をかなり知っています。そんな女性に限って、ある境界を越えると、好
色な女に変身することも良く知っています。加藤もスタッフも初子は相当感度
が良いと期待を膨らませています。

加藤の言った様に、初子は撮影スタッフの動きが気にならなくなると、突然狂
い出しました。もう、両手両足の縛りも不要になり、猿轡も外して、加藤の肉
棒に溺れて行きました。

二度目の呼び出しは、次の日有りました。さすがに泣いて断りましたが、今か
ら自宅にカメラを持って押しかけるといわれて、泣く泣く、指定されたスタジ
オに出向きました。その日は、加藤のほかに2人の男優が加わっていて、スタジ
オに入ると、応接セットが有り、そこで3人の男優に襲われました。
泣き叫ぶ初子を三人の男はブラウスのボタンを飛ばして、ショーツとブラを外
し、着衣のまま散々に犯して、興奮と快感で失神した初子の上に精液を振りま
きました。この日の経験で初子の内部でプッツリと理性の糸が切れました。
もう、こんなになっては後戻りできないと初子は、あきらめました。めくるめ
く快感が初子の理性を完全に封じ込んだのです。

3度目からは、携帯電話のトルコマーチを聴くと、股間が濡れだすようになっ
ていました。夫に悪いと思っても、一度その味を知ってしまった体は、男達の
言いなりで、どんな恥ずかしいことも、楽しみながら出来るようになりました。
初子は自分の体が少し恐ろしくなっていました。このままこの世界で、あそこ
が擦り切れるまで働かされても仕方ないとあきらめていました。夫が海外出張
中であったこともその思いに拍車をかけました。

夜、夫の居ないベッドの上で、手鏡にそこを写して真っ赤に腫れてただれた局
部に軟膏を塗り込みながら、娼婦以下の境遇に落ちた自分を、自分の好色な体
が求めた運命だとあきらめ始めていました。そして、体が完全に男達に飼いな
らされた時、夫、山手が出張から帰ってきました。

とても山手の眼をまともに見られる状態では有りませんでした。そして、夜抱
かれて、乱れないよう我慢をしましたが、男優たちの太い業物で、良いように
開発し尽くされたそこが耐え抜く時間はそう長くありませんでした。悲鳴を上
げて山手の体に噛り付いて、歯形を彼の肩につけていました。血の滲むそこを
見て、山手の肉棒が急速に衰えるのを知って、山手が初子の異常に気が付いた
ことを彼女は知りました。

もう、ダメだと初子は覚悟したのですが、それ以降、初子はなぜかそのまま泳
がされることになりました。もう、夫が何もかも知っていて、しばらく様子を
見ていると初子は誤解したのです。
夫に何も隠す必要が無くなり、夫に摘発されて、そこから救い出される日を初
子は待つことにして、縛りが解けた思いで奔放にDVDプロの仕事を楽しみだ
しました。初子の天性の甘い性格が、そうした行動を許したのです。

市営グランドの観客席、十数人のユニホーム姿の若者たちが元気な掛け声を上
げて野球練習をしている側で、スカートを高々と持ち上げて下着の無い股間を
さらし、バイブを入れ本気で喘ぎ、そしてそこで放尿までしました。一人の若
者が初子や、DVDプロの男達の集団に興味を持って近くにやって来て、それ
に連られて数人のユニホーム姿の若者たちが初子の撮影現場を取り巻きました。

初子は彼らを見ても、恥ずかしい気持ちより、見て欲しい気持ちが勝って、撮
影をそのまま続けました。そのことを歓迎している三人のスタッフは張り切っ
て、次から次へと恥ずかしいポーズを要求します。
青年達の呼気が直接亀裂にかかるのを感じるほど、真近で青年達にそこを見せ
て、その様子をカメラが克明に隅々まで切り取って行きます。

初子は最後には指を二本その中に挿入して、そこを弄りながら、若者達に取り
囲まれて逝ってしまいました。愛液のしぶきが、青年たちの顔に降り注いでい
ます。薄れていく意識の中で、若者たちの歓声と拍手を初子は聞いていました。

レンズを向けられ、男達の手でポーズを付けられると、どんな姿態も易々と出
来るようになり、撮影中は股間をいつも濡らしていました。野外で行われる撮
影も、嫌でなくなりました。撮影中、建物の影に見知らぬ男の姿を見ると、そ
の男が近くに来るの心待ちにするようになりました。そして、その男が近づい
て覗き見を始めると、激しく喘いで、大量の潮を吹き、男優の体にしがみ付く
のです。

スタジオ内では、いつも亀裂をさらしたまま、歩き回ることに慣れて、3人の
スタッフがその気になり、声をかければ、その場で体を開いて、男達の欲望に
応えて本気になって絡み合いました。こうして、少ない日でも、延べ10本ほ
どの肉棒が初子の亀裂を訪ね、日に6時間以上、亀裂に男根を収めてもだえ狂
いました。

こうして初子の隠れていた好色な本性が一気に花開きました。それに連れ、初
々しい主婦の面影が消えて、男に抱かれることに慣れた娼婦のように初子は変
化していました。皮肉なことに、初子が撮影に慣れて行くに従い、初子の商品
価値は、下降して行ったのです。それは、DVDプロでの初子の仕事は終わり
に近づいたことを意味していました。

そして、撮影最後の日、5人の男優に散々弄られ、三つの口を太い肉棒で塞が
れ、喘ぎ、卑猥な言葉を大声でわめき、四肢をいっぱいに広げたまま初子は悶
絶しました、その初子の全身に精液が降り注がれて、全てが終わったと告げら
れた時でした。
背の高い、50過ぎの精悍な男がずかずかとスタジオに入って来て、男達とな
にやら話し始めました。あの男が遂に現れました。

寺崎探偵事務所物語T、(19) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/04 (火) 14:42
初子は、その男を横目で見ながら、シャワー室に行き、白いブラウスに紺のタイ
トスカートの私服に着替えて、勿論下着もちゃんとつけて、スタジオに戻りまし
た。これでこの男達ともお別れと思うと、少し寂しい思いはしますが、これで夫
の元に戻り、秘密を守りきれば、何事もなかったことになると、初子はすっかり
忘れていた明るい気分を取り戻しました。

スタジオ内で機材を片付けているスタッフ一人、一人に挨拶をして、先ほどやっ
てきた背の高い男と話し込んでいる、チーフ格のカメラマンの側に初子は近づき
ました。
背の高い男は、にこりともしないで初子を下から上に舐めるように見つめます。
初子はその強い、いやらしい視線に感じて、腰を少し振りはじめました。初子は
ここへ来るようになってから、男の視線を感じると、それがその気を起こさせな
い男であっても、体が自然と反応するように体が変わってきたようです。感度の
良い、尻軽女に初子は完全に変身しました。

その時でした、その男がいきなり初子を抱きしめ、激しい口付けをして、ブラウ
スを引き破り、ブラをむしり取って、意外とやさしいタッチで乳房を舌で舐め始
めました。初子は抱きしめられ、立ったままです。何が起きたかわかりませんが、
激しい抵抗はしませんでした。いえ、心地よい刺激に、体が抵抗出来ない状態に
なっていました。

撮影スタッフがカメラを操作しているのが初子の目に入りました。まだ撮影は終
わっていないのか、そんなはずはと、混乱した頭で初子は事態を考えていました
が、巧みな男の愛撫で、声は上ずり、乳首が立ってくる頃には、性器から破裂音
が出るほど興奮して、新しく穿いたショーツは、ずぶ濡れになっていました。

それから30分間、男の凄い業物を股間と後ろに交互に挿入され、何度も気をや
り、絶叫して、最後には、初子がそうして欲しいと絶叫して、男の熱い樹液を膣
一杯に受け入れ、悶絶しました。

ことが終わると、男のものを口で綺麗にする習慣が初子に出来ており、この時も
その癖で少し萎えた男の業物を心を込めてしゃぶりました。初めて絡んだ男です
が、体がフィットするというのでしょうか、夫、山手と同じ様な快感を得ること
が出来ました。そのお礼も込めて、丁寧に初子は舌をその男のものに這わせてい
ます。

袋から、竿に沿って舐め上げ、亀頭の先やくびれの部分を唇を細く絞って、丁寧
に掃除して、そしてあんぐりと口を開いてそれをほほ張ります。
舐めながら上目を使って男を見あがると、精悍な顔が笑って初子を見つめていま
す。初子は嬉しくなって、ポット頬を染めて、少し強く口のものを吸い上げまし
た。

男のものには人為的な突起が有りました。初子はこの知識をこのスタジオで誰か
らともなく教えられていて、その持ち主にアングラの世界で生きる人が多いこと
も教えられています。そのことを知っても、初子は特別の気持ちを持ちませんで
した。快感を与えてくれた、肉棒とその持ち主を初子はすっかり気に入ったよう
です。

心を許しあった仲でも、絡みでしっくり行かないと、何となくちぐはぐな不満が
いつも鬱積しているのですが、逆に絡み合って体がマッチすると、男も女も急速
に心を許すようになります。この時の初子がそうでした。挿入された時から、そ
れに愛情を感じ、それが激しく動き出すと、それがどんなに素晴らしいか、卑猥
な四文字をふんだんに使って絶叫していました。

堺と呼ばれている精悍な若者が、その男、須藤の秘書だと名乗り、DVDプロの
男達と交渉して、高級乗用車並みの価格で、初子の身柄は、DVD原版と共に須
藤が譲り受けました。

これから、週三回、須藤の下に通って欲しい、一回の報酬は3万円、きっかり午
後三時には開放する。秘密は確実に守るので安心して欲しい、もし、初子がこの
ことを訴えたり、旦那にこのことを洩らすようなことがあれば、旦那の会社や、
近所、子供の学校に写真をばら撒くことになると、淡々とまるで契約内容を
説明するように堺は初子に言いました。

初子は、もう、どうすることも出来ません。言いなりになるより選択の道は無い
のです。初子はあっさりあきらめました。もう既に須藤の体を知っていて、それ
にも凄く惹かれているのです。多少悲しい気持ちは残りますが、運命だとあきら
めることにしました。初子ならでは発想転換です。

須藤は60に近いはずですが、妻帯はしていなくて、方々に初子のような女を抱
えていて、異常性交を楽しんでいるようです。最初の呼び出しを受け、都内の有
名ホテルのスイートルームで抱かれて、初子は観念しました。

須藤を受け入れた最初の挿入時から、男優達に感じることが出来なかったある種
の愛情を、彼に感じるようになりました。由美子が言う、これが女の性なのです。
須藤はDVDの中の初子に一目で惚れて、そしてスタジオで彼女を抱いて、その
体に改めて惚れ直し、大金を出して愛人にしました。
その意味で、須藤の絡みは愛人を喜ばせる工夫で一杯です、局部への口付けすら、
須藤は手を抜きません、クリの皮を丁寧に捲り上げ、尿線を舌で探り出し、長い
時間をかけて、丁寧に初子を天国に送るのです。

時間給で働く男優たちと須藤の差は歴然と出てきます。須藤の男性器には初子へ
の愛がこもっていて、同じ程度に立派な男優たちのそれは単なるデルドーなので
す、須藤のそれは生きています。当然女はそれを敏感に感じ取ります。こうして、
初子は急速に須藤に傾いてゆきました。

寺崎探偵事務所物語T、(20)  鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/05 (水) 13:52
二度目の呼び出しが終わった時点で、初子はその呼び出しを心待ちにするように
なり、須藤の体臭も、体も好きになっていました。精液は勿論、彼の尿も喜んで
飲むようになり、遂には彼の尿を全身に浴びて悶えるようになりました。
そして彼女の大きく開いた股の間に須藤が横たわり、須藤もまた初子のシャワー
を浴びることを毎回のように繰り返しました。

三度目から、初子は須藤の喜ぶことなら何でも積極的にやるようになりました。
須藤がホテルに来る時は、下着レスでこの服を着てくるようにと、露出の多い
ワンピースを手渡した時も、初子は抵抗無くそれを受け入れました。ホテルの
ロビーを歩く初子を見た男達の驚きの視線を楽しむ余裕さえ出てきました。
最上階でエレベータを降りたところで、ワンピースをはぎ取られ、裸で須藤の
部屋までつれて行かれた時も、悲鳴すら出さずに、股間から愛液をじゅうたん
に垂らすほど興奮して須藤の唇に絡みつきながら歩きました。

ホテルの部屋で縛られて、大股を開いて、二つのホール周りを須藤が剃るのが
二人の儀式になりました。その後、男達が撮影したDVDを二人で見ながら、
それを二人で再現するのです。ある時はDVD画面の恥ずかしい姿を、デルドー
を片手に初子は一人で演じて、それを見た須藤が興奮して初子を襲い、二人は
激しい声を上げて絡み合い、悶絶して、初子は須藤に抱かれて眠りに落ち込む
こともありました。

須藤は淡いピンクの色が好きで、初子の衣装はその色を基調にして買い与えま
した。下着がないとどきどきするねと、須藤が一言、言ったことが契機になり、
須藤に会う時はいつも、初子は下着レスを通すようになりました。

4度目からは、二人は抱き合う時間をセーブして、一緒に食事をしたり、ホテル
の庭を散歩して、人目の無いところでキッスをしたりして、まるで恋を知り始めた
カップルのような時間を過ごすようになりました。

5度目の時、二人は昼食を済ませ、庭をゆっくり歩き、腰を抱きあって、たわいの
ない会話を楽しんでいました。須藤は初子を庭の池の側で軽く抱きしめながら、
須藤の妻になって欲しいと突然、言い出しました。須藤には10人を超える固定
の女性が居るが、初子を知って以来、一週間に3度ここで初子に会うことが楽し
みで、他の女性とは会って居ないこと。初子がそれを望むなら、全ての女性と今
手を切っても良い。初子には子供と旦那がいることを知っている、十分なことを
彼らにするから離婚して自分のところに来て欲しいと、須藤は切々と初子に訴え
ました。眼を赤くして、少年のような眼差しで初子を見つめて、須藤は話しました。

初子は須藤の告白を意外とは思いませんでした。何度と無くベッドで肌を合わせ
る内に、須藤のその感情を初子は確実に感じ取っていたのです。
このころから、初子は真剣に、将来のことを考え始めていました。あの薬物で眠
らされて、強姦されてから、2ヶ月、初子の生活は激変しました。少しでも歩く
方向を間違えると、とんでもないところへ落ち込んでいく危険が待ち受けている
ことを初子はよく知っています。それでも勇気を持って、どの道へ進むか自分で
決める時が近づいてきたことを初子は感じています。

夫のこと、子供のことそして須藤のこと。初子はこの頃には須藤を恐れなくなっ
ていて、彼の秘書に脅迫された記憶も頭の隅に追いやっていました。夫と別れて、
須藤の元に走る自分さえ頭に描いて、慌ててそれを打ち消すこともありました。
須藤を愛しているかと聞かれると、初子は迷って返事できないはずです。須藤は
言葉でも態度でも、全てを初子に捧げている姿勢を示していて、こんなに思われ、
尽くされると、女としてそのままにはしておけない、そんな気持ちが初子の本音
です。

そして、須藤は本気で初子を妻にすると言い出しているのです。こんな状態に追
い込まれて、初子の気持ちが決定的に須藤に傾くのを食い止めているのはやはり
夫、山手の存在です。
初子は夫が自分の浮気を知っていると確信しています。洗濯物の中にこれ見よが
しにさらしている、派手なTバックショーツをそっと洗濯物の奥に隠しこんでい
る山手を覗き見た時、山手は全てを知っていて、一人苦悩して、解決策を必死で
探していると初子は確信しました。

それでも、何も追求しないのは、それが夫の愛情であり、家庭を守るため彼が考
え抜いて、導き出した結論だと思っています。今、彼が初子を追及すれば、離婚
の危機になり、子供の将来も、平和な家庭の基盤も根底から崩れることになり、
それを恐れていて、初子が自分で立ち直る道を密かに探していると初子は山手の
言動をそう理解しています。

夫を裏切っている初子に辛く当たることもなく、山手が初子のことも良く考えて
いてくれるのを、彼女は肌身で感じています。絶望のあまり無謀な行為に初子が
走らないか、じっと見守ってくれている彼のやさしい視線をいつも彼女は肌身に
感じて、ひとり涙して感謝しています。
彼は以前より優しくなり、昼間の仕事で疲れているはずですが夜の生活も、ほん
とうに鬼気迫る気迫で初子を抱きます。それは姿の見えない男と初子を争ってい
るかのようです。当然初子もそれを感じていて、須藤と比較しても、初子の性的
満足度は、最近では山手がはるかに須藤を上回っています。

ただ一つ、須藤と山手の大きな差は、例のDVDの存在です。須藤とはそれを共
有でき、勿論、山手にはその存在を秘密にすべきものです。DVDの中にあるあ
られもない初子の姿を、須藤と一緒になって見ながら、初子は言葉で辱められ、
体を触られ、そして映像と同じ姿で絡み合い、二人で天国に行くのです。

このDVDで彼女の人生感が変わり、須藤の生活を垣間見て、最近ではこのDV
Dのような奔放な人生に憧れ始めています。須藤と一緒の人生であれば、このD
VDさながらの生活が奔放に楽しめるはずです。家族に縛られた主婦の座を捨て
て、須藤との淫らで、豊かな生活、須藤の申し出を受ければ、その日から初子は淫
蕩で、奔放なセレブの生活に入ることが出来ます。初子の心は揺れています。

一方では、夫との夜を考えると、初子は昼間でもそこが濡れてきます。こんなこ
とは新婚以来、かってなかった事です。俗に言う初子は山手に惚れ直したのです。
心も体も二人の男に愛されてそれぞれに十分満足して、須藤と山手どちらに走る
か、初子は難しい局面にやってきました。

あのDVDに繋がる奔放なセレブの人生を選ぶか、愛する夫、子供たちと一緒に
絵に書いたような平凡だけれど楽しい生活を選ぶか、初子は人生最後の分岐点に
立っている自分を見つめています。初子は自分からは動き出せないことを良く
知っています。周りの流れが変わりそれに流される時をじっと初子は待っている
のです。

寺崎探偵事務所物語T、(21) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/06 (木) 16:19

7 そして罠に嵌ったあの男

定刻11時半きっかりに初子が公園入口にやってきました。そのあたりが華やか
な雰囲気に包まれ、公園で小さな子を遊ばせている主婦の一人が美しい同類を眺
める好意的な笑みを浮かべて初子を見ています。スレンダーな体で、きゅっと腰
が締まり、163センチの身長がもっと高く見えます。タンクトップと思わせる
ほど大きく肩の出た淡いピンクのブラウスに白のタイトミニ、胸ボタンを三つほ
ど外した胸をEカップの乳房が盛り上げて、よく見ると乳首の形がブラウスに浮
き出ています。

ノーブラで、生足に銀ラメのサンダルを履いています。白い小型のハンドバッグ
を手に持っています。比較的長い髪をライトブラウンに染めて、肩の辺りで軽く
ウエーブさせています。やや丸顔で、唇が魅惑的にぽっちゃりと厚く、整った美
人系ではないのですが、男心を引き付ける容姿です。さすがにDVDプロが眼を
つけるだけのものはあります。

明るいピンクの口紅が白い肌とライトブラウンの髪に良くマッチしています。彼
女の到着を見ていたように黒塗りのSタイプベンツがすべるように彼女の側に寄
り、助手席から敏捷に体を動かす黒い背広を着た若者が降り立ち、初子に頭を下
げて後部座席のドアーを開きました。初子が会釈して乗り込みました。乗り込む
時、腰を落とした瞬間タイトミニから股間の翳りが表れ、その暗い陰影が、若者
の目にさらされました。若者がそれを見て笑みを浮かべています。
車は音もなくそこを離れました。しばらくして白いクラウン・マジェスタがその
場所に来て、ゆっくり止まり、運転席のサブが携帯電話を握っています。
「ハイ、予定通り今こちらを発ちました。30分もすればそちらに着くでしょう」

いつものホテルの玄関に着いた初子は、迷わず最上階のレストランに向かいます。
スカイラウンジの一角にあるシックな高級レストランのいつもの席に座ると、待つ
間もなくあの男がゆっくりその席に歩いてきました。淡い灰色のジャケットに白の
綿パンツ、パンプスの白い靴を履いた160センチ程度の男です。
寺崎の調査報告ではこの男、須藤為吉は60を過ぎているはずですが、髪は黒々と
していて、ゴルフ焼けした顔は上質のなめし皮のように高価な光沢を放っています。

ゆっくり歩いているのですが、全身がバネのような敏捷さを感じさせる動きです。
初子を遠くから見つけて、軽く手を上げています。初子が立ち上がって、心から嬉
しそうな笑みを浮かべてゆっくり頭を下げて挨拶をしています。
須藤が座り、いつものようにワインとステーキの昼食のオーダが終わった時、レス
トランに、中年のカップルがなにやら談笑しながら入って来ました。須藤に近い席
をボーイに指し示しています。

この時間レストランに出入りする人は多いのですが、中でもこのカップルは人眼を
引いています。鶴岡と由美子です。
鶴岡はいつもの通勤スタイルですが、由美子は肩を思い切り出して、体にぴったり
フィットした淡い黄色のチャイナドレスです。白いショールを羽織っています。
大きく割れたセンタ・スリットが股間に達しているようで、はらはらします、腰に
も、胸にもそれらしい気配がないと、店内の男達は素早くチェックして、由美子が
下着を着けていないことを知って、舐め回すような視線を彼女に送っています。

生足に銀ラメのサンダルです。由美子が男達の視線を十分意識して大股で歩くと、
股間まで切れたスリットから白い大腿が幻想的に見え隠れします。匂うような色気
があたりに発散されていて、昼時で十数組はいるお客達は、食事の手を止めて彼女
に注目しています。

須藤も当然由美子に気が付いて、無遠慮に彼女を眼で追っています。由美子は須藤
にゆっくり近づき、彼の側を通る時さりげなく、臀部を彼の肩に触れさせています。
由美子の股間から、事前に準備されている愛液の女臭が須藤を襲っています。須藤
が著しく勃起したことを由美子は確実に察知して、須藤にさりげなく流し目を送っ
て、須藤の視線をやや斜め後ろから受ける位置を選びテーブルに着きました。

気が付くと、由美子のドレスの背は、ほとんど臀部の膨らみが見えるほどに切り裂
かれていて、その健康的な肌と、薄い布に包まれ、下着のラインが見えない豊かな
臀部が須藤の視線の先、ほぼ2メートルのところに位置しています。
肌に張り付いたスカートのまま椅子に深く座ることで、そのスリットから大腿部が
ほとんど顔を出し、大腿部の白い陸の間に股間の茂みが顔を出すほどです。淫らな
下半身と楽しそうに笑う由美子の端正な横顔のアンバランスに、須藤は興奮を隠せ
ない様子で眼をいっぱい開いています。

由美子は須藤の絡みつくような視線を背中から臀部に感じて、演技でなく新たな愛
液を股間に滲ませています。そこは下着が在りません、由美子はバッグからハンカ
チを出して、さりげなく、テーブルから脚を横にずらせて、しかし確実に須藤にそ
の部分が見えるように股間を開いて、その布を大腿部に沿わせてゆっくり送り込み、
局部にそっと添えて、しばらく股間に手を挟み込んでうっとりした表情を由美子は
見せています。

わずかに暗い影が見えたと須藤はじっとその仕草を見ています。須藤の股間が極大
まで膨張していることを確認して、由美子は須藤に淫らなしかし、須藤にだけは
はっきり判る視線を送り、彼に背を向けました。須藤と由美子だけの一瞬の戯れで
すが、須藤は由美子から確実なメッセージを受け取ったつもりです。にんまり笑っ
て、須藤は何度も頷いています。

昼食を終えた二組のカップルは、ほとんど同時にテーブルを離れました。初子は須
藤の腕に、軽く手を添えて、普通の表情で大人しく歩いています。鶴岡は、なにや
ら大声で冗談を言って、由美子を笑わせながら彼女の腰に回した手を臀部に添えて、
そこを微妙に撫ぜ回しています。前を行くカップルに比べて、対照的に熱い様子で
す。

ボーイたちも残っているお客たちも、にこにこ笑いながら、由美子のカップルを見
送っています。今から、この二人が部屋に戻って絡み合うのを見通している笑いで
す。
二組のカップルは偶然行き先が同じフロアーのようで、エレベータの行き先ボタン
を由美子が押そうとして、須藤の指に偶然に触れ、にこやかに挨拶しています。
「同じ階のようですね、昨日も拝見しましたよ、
     もっとも、昨日は奥様だけでしたが・・・」

寺崎探偵事務所物語T、(22) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/07 (金) 14:37
須藤は三日前からここに泊まっています、由美子はその隣の部屋に、昨夜から一人
で泊まっていて、さりげなく須藤にその姿を曝していたのです。須藤は抜け目無く
美子をチェックしていたようです。
「ハイ・・、やっと主人が来てくれました。
でも、今晩はまた仕事で、仙台に行くのですって、
また私は一人ぼっち、三時までが二人きりの時間ですのよ、ふふ・・・」
艶然と由美子が笑って、軽く体を須藤に摺り寄せ、スリットからはみ出て露になっ
た大腿部を、彼の脚に絡ませるように触れさせています。

箱の隅に由美子が居て、その前に須藤が体を斜めにして立ち、その両脇に鶴岡と初
子がいます。須藤の体で隠されて由美子は二人の死角に立っています。須藤が自分の
体で二人の接点を巧みに隠しながら、スリットから手を入れ、由美子の亀裂に手を
伸ばしています。由美子もそれに協力して、少し脚を開き、須藤の悪戯が夫、鶴岡
に見えないよう体を捻っています。男の指が由美子の亀裂に届き、そこが驚くほど
濡れているのを察知して、男は迷わず、亀裂に指を入れています。由美子が少し顔
をゆがめて、赤い唇を開き、ぬれた舌を少しだし、甘えた顔を須藤だけに見せてい
ます。

須藤は由美子の顔を見て、薄笑いを浮かべながら、指先だけをたくみに蠢かせてい
ます。由美子は堪らず、須藤の肩に頭をつけて、甘い刺激に耐えています。
そんな由美子を無視して、今晩の仙台の空模様を須藤が心配して鶴岡に確かめてい
ます。3時半の新幹線に乗るので、雨が来るまでに宿に入れそうだと鶴岡が笑顔で
答えています。今晩はそこで大切なお客の接待が有り、時間に遅れるわけに行かな
いので、女房とゆっくり出来なくて残念です。今から駆け足であれですよ、と鶴岡
が由美子の肩を抱いて、嬉しそうに笑っています。由美子は股間に須藤の指を深々
と受け、鶴岡に肩を抱かれて、あいまいな表情で、鶴岡のその言葉に応えています。

須藤は空いた方の手で初子の腰を抱いて、ゆっくり臀部を触っています。初子もそ
れに応えて、大腿部を須藤に絡めています。エレベータの中は、二人の女性が放つ
香水と明らかな愛液の香りでいっぱいです。二人の男はその香を嗅ぎ取って、外か
らでもはっきり判るほど勃起させています。

エレベータを出る時、須藤の指がそこからスーと出て行くのを名残惜しげに感じな
がら由美子はそっと須藤の耳に口を寄せて、「後でね」と囁きました。由美子の甘
い香と興奮した女の匂いを嗅いで須藤の股間ははちきれそうになっています。
鶴岡の部屋の前で二組のカップルはいずれまたと言って、別れました。由美子が淫
蕩な眼で頭を下げるのを見ながら、須藤は由美子の股間で遊んだ指を口に入れ、
ゆっくりそれを舐めて見せました。強い由美子の香りがします。由美子は少し顔を
紅潮させています。

須藤の部屋の前に秘書、堺が待っていて、部屋の扉を開いて、初子と須藤を中に入
れました。堺が鶴岡達のことを二言、三言須藤に確認して、須藤がレストランで一
緒だった人で、奥さんは昨夜からあの部屋にいたと説明しています。評判どおり、
用心深い男です。
須藤が堺の質問に答えながら、初子を抱きしめ、もうスカートを上に持ち上げてい
ます、股間が露になって、茂みに伸びる男の手を少し脚を開いて、喘ぎ声を出しな
がら初子は受け入れています。それを、堺が見ていますが、初子は気にしている素
振りはなく、もう、呻き声を出し始めています。初子のそこも遠めに判るほど濡れ
て光っています。

きっかり三時、須藤の部屋のドアーが開き、初子が衣服を整えて、出てきました。
顔が紅潮して、目が潤み、うなじから背中の線がほんのりピンク色に輝いて、体の
いたるところに情事の後を色濃く残しています。須藤がガウン姿で、初子のあとに
続いて廊下まで出て来ました。堺がそれを確認して、足早にエレベータ・ホールへ
消えました。堺は地下から車をホテルの玄関まで回すつもりで、先に降りるつもり
のようです。

廊下で、初子は須藤に抱かれて別れのキッスをしています。須藤が臀部にまわした
手をゆっくり動かすと初子は腰を振って、須藤に脚を絡ませるようにしています。
初子は部屋で燃え尽きなかったようで、まだ残り火がチロチロと燃えています。
それでも初子は思い切るように彼から離れて、挨拶をして彼に背を向けて、一歩踏
み出そうとしました。その時、由美子の部屋の扉が開き、背広姿の鶴岡が出てきま
した。その後に、由美子が続いています。

扉の前、廊下で由美子が鶴岡の首に両手を掛けて、激しく唇を貪っています。
驚いた様子で初子が立ち止まり、由美子の大胆な姿を見ています。須藤がニタニタ
笑いながら廊下に出てきて初子の側に立ちました。そして、由美子を舐め回すよう
に見つめています。由美子を見て興奮した須藤が初子の手を握りましたが、初子は
由美子達の大胆なキスシーンに見とれて、手を握られたことにも気がつかないほど
です、首の周りが、ピンク色に変わり、初子がかなり興奮してきたことがわかりま
す。

須藤が握った手を初子のお尻に回し、ゆっくりそこを刺激しています。ベッドで
狂ったように悶えた残り火に火がついたようで初子は須藤の手を嫌っていません。
強く大腿部をこすり合わせて、新たな愛液が流れ落ちるのを抑えています。初子は
帰りも下着が許されていないのです。

白いタオル地のガウンの腰紐が解けて前が大きく割れて由美子はほとんど全身をあ
らわにしています。中は全裸で、きれいにセットしていた髪の毛は乱れに乱れて、
汗ばんだ額に前髪が張り付き、激しい口付けでルージュが飛んで、その唇は紫色に
変色しています。唇以外のものを咥えた後が歴然です。はだけたガウンからはみ出
した大腿部に精液と愛液が流れてぬらぬら光っています。そこから強い女香が立ち
上がり須藤の鼻腔を襲っています。十分にその全貌が見える乳房と陰毛が汗と愛液
で光っています。

由美子はその姿で鶴岡にしがみ付き、唇を吸っていて、さらに興奮した由美子は脚
を鶴岡に絡めて抱きついています。股間が割れて、須藤から由美子の亀裂さえも良
く見えるようになり、その中のサーモンピンクが愛液で光っているのさえ見えます。
亀裂から臀部にかけて、なにやらぬめぬめと濡れているのがなんとも生々しい光景
です。
「さあ、離してくれよ、列車に遅れるといけないから、
明日直ぐ戻ってくるからそれまで、ねえ・・、良い子しているのだよ・・・」
鶴岡が、優しく由美子を引き離しながら、初子と須藤を見て、二人がいることに初
めて気が付いた顔をしました。

寺崎探偵事務所物語T、(23) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/08 (土) 17:21
「ああ・・、お隣さんですね、とんでもないところをお見せしました
私達、最近再婚したばっかりで・・・・、お恥ずかしいです
おや、奥様もお出かけですか、それは、それは・・ご主人がお留守番ですか」
鶴岡が須藤達に愛想良く、挨拶しています。

須藤は初子の腰に手を回し、初子とキッスをしています。初子は興奮を隠せない
様子で積極的に須藤の唇を貪っていて、須藤に脚を絡めて腰を押し付けています。
ミニスカートの裾が捲れ上がり、茂みがチラチラ顔を出しています。そこに須藤
が優しく指を這わせています。初子は悶えて、低いうめき声を出しながら、夢中
で須藤の唇を吸っています。

「いや・・、仲が良いですね、そう新婚ですか、羨ましいですね、
私達も刺激されて、思わず抱き合いました」
須藤が初子の唇を開放して、初子を抱きしめたままの姿勢で、鶴岡と由美子に笑
顔で答えています。

由美子はまだ燃え切れない体を、持て余している素振りで、ガウンの前を開いて、
鶴岡の体に裸体をこすりつけています。鶴岡の夏用のスーツが少し濡れて染みが
広がっています。ほとんど、須藤と初子に裸体を曝しているのですが、由美子は
それを恥ずかしがっている素振りは無く、同性の初子から見てもその風情が何と
なく自然で、それほど卑猥な感じを受けないのが不思議です。

何かの事情で、長い間別れて暮らしていた二人が、今ようやく許されて一つに
なったようで、その喜びが由美子の全身に表れています。もし須藤と一緒になる
ことになれば、自分もこの女のように誰の目も恐れないで、その瞬間を大切にし
て、奔放に乱れるだろうと、初子は由美子達を羨ましく見ています。

ガウン姿の二人がそれぞれのドアーの前に立ち、エレベータホールに向けて歩い
ていく初子と鶴岡を見送っています。廊下の角を二人が曲がり、初子達が視界か
ら消えて、由美子は振向いて須藤を見ました。
須藤はじっと由美子を見詰めています。由美子は一歩須藤に近寄りました。由美
子の前は開いたままで、乳房も茂みも須藤に曝したままです。凄まじい女臭が由
美子の全身から立ち上がり、須藤は目のくらむような衝撃を受けています。

ほとんど正常な感覚を失い、ただ由美子の体だけが、その頭の中を占めるように
なっています。
二人のガウン姿の男女は、その瞳を見つめあい、その中にめらめら燃えている情
欲の炎を互いに確認しました。二人の意志は完全に一致しました。由美子が須藤
の首に両手を回し抱きつきました。歯と歯がぶつかる音がして、二人は唇を激し
く合わせました。

レストランでの仕掛けを受け、そしてエレベータの中で誘いを受けて、須藤は由
美子を抱くため、初子には放出しないで、この時を待っていたのです。ガウンの
下から、鋼鉄のように勃起した肉棒が由美子の腹を押しています。須藤の右指が
すばやく由美子の股間に伸び亀裂に指が吸い込まれています、そこが洪水のよう
になり、床に愛液が滴り落ちています。

二人はここが廊下である事も忘れて、唇を貪り、互いの性器を指で刺激していま
す。
「ああ・・・、したかったわ、昨夜会った時から待っていたのに・・
ああ・・・、もっと、もっと、強く、そこよ・・・、ああ・・・」
由美子が須藤の耳に噛り付いて、悶え声を出しています。
由美子のガウンが廊下に落ちました。由美子は悶えながらも、巧みに須藤を自分
の部屋に誘導しています。須藤の股間のものがガウンから顔を出し、それを由美
子がしっかり握って、引っ張っています。

さすがに須藤は素晴らしいテクニックとそして何よりも鋼鉄のように硬い業物を
持っていました。由美子の部屋に入ってから、もう40分以上硬さを保持して、
由美子を攻め続けています。
「ああ・・ん、いい・・、須藤さん・・、後ろもね・・、綺麗にしているから、
そこをね・・、ああ・・ん、いい・・、そうよ・・、もっと強く・・ああ・・」
離れた部屋で由美子達の会話をモニターしている、Uと鶴岡は由美子の悶える声
を聞いて複雑な笑みを浮かべています。由美子が後ろを指示したことで、いよい
よ最後の時が近づいてきたことを知り、二人は身支度を整えました。

「ああ・・・ん、いい・・・、いくわ・・・、もう・・・・」
「ああ・・ツツ・・、締まる・・、痛い・・、ダメだ・・、
ああ・・・、痛い・・・、ぎゃ・・・・・、ムム・・・」
須藤の最後の声を聞いて、鶴岡が部屋を飛び出しました。Uがその後を追います。
廊下には誰も居ません、鶴岡が由美子の部屋に飛び込み、Uがその部屋の前で待
機しました。
階下に待機している須藤のボデイガード二人は須藤を迎えに間もなく、ここへ
やって来るでしょう。二人を見張っているサブもその後を就けてここへ来ます。
そして堺は、初子を家に送り届けて、ここへ戻ってくるはずです。いよいよ最後
の詰めです。

寺崎探偵事務所物語T、(24) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/09 (日) 22:02

8 あの男を思い切れない初子

鶴岡が部屋に飛び込むと、後ろから由美子を抱きしめ、後ろの部分に挿入した須
藤が悶絶して、由美子の上に覆いかぶさっています。須藤の体の下から、由美子
が顔だけを鶴岡に向けて、にっこり微笑んでいます。
他の男に抱かれた直後の由美子はこんな時でも鶴岡がしばらく見惚れるほど綺麗
です。

鶴岡は丁寧に二人の絡まった姿を撮影しました。接合点も十分アップで、そして
悶絶してよだれを流している須藤の顔もアップで取り込みました。
撮影が終わると、鶴岡はゆっくり電話器を取り上げ、少し厄介なことが起きたの
で、支配人に至急この部屋に来てくれるようフロントに伝えました。フロントは
スイートルームに居る上客からの電話ですから直ぐ支配人と連絡を執り、彼がこ
ちらに来ると返事して来ました。

部屋の外では、ようやく異常を察知した須藤の部下二人が駆けつけてきて、こ
の部屋に強引に入ろうとして、Uとサブに阻止されて、激しいやり取りが始まっ
ています、Uとサブなら3、4人までなら完全に阻止できるはずです。

支配人が時間を置かずやって来て、外でいがみ合っている男達を不審そうに見な
がら、部屋の中に入り、そこで絡み合ったまま離れない由美子と須藤を見て、そ
して由美子の旦那である鶴岡が背広姿で怒りを抑えて立っているのを見て、大方
の事態を理解したようです。

「支配人、見てのとおりだ、三時ごろ私が妻を残して出かける時、偶然、
この男と廊下で会ったのだよ、ガウン姿の妻をいやらしい目つきで見ていて、
新幹線駅に着いて、男の目つきが少し心配になって戻ってくるとこの有様だよ。

この男が、部屋に押し入って無理やり妻を犯したことは間違いないね、
私は、出るところへ出てもいいと思っているよ、その男の言い分もあるだろう、
支配人からその男の言い分を聞いてみてくれ」
鶴岡が声を震わせて、支配人に告げています。支配人が須藤を揺り起こしまし
た。須藤はゆっくり気絶から覚醒しました。体を少し動かしたその瞬間、凄い
声で苦痛の悲鳴を上げました。とても正常な話は出来ません。そしてまた悲鳴
を上げて苦痛のあまり、また、須藤は気絶してしまいました。

二人の性器がまだ絡み合ったままで、二人の力では抜け取れないことを支配人
はようやく理解しました。
この状態を見て、当事者同士の話し合いでは限界があると判断した支配人は、
鶴岡にその筋と救急隊に連絡することを告げて、その場で電話機を取り上げま
した。

「待って、待ってくれ、外に連絡するのは待ってくれ、頼む・・
秘書の堺を呼んでくれ、頼む・・・」
激痛を抑えて、悲鳴を飲み込んで、須藤が脂汗を流した顔を必死に持ち上げて、
支配人と鶴岡を見て、何度も頭を下げながら、ほとんど叫ぶような声で、自分
の気持ちを伝えました。

鶴岡がドアーの外に出て、Uに腕を絞り上げられて、動きが取れない堺に、須
藤が呼んでいることを伝えました。床には、サブの少林寺で眠らされた若者が
二名、転がっています。
Uから開放された堺が寝室に飛び込み、一目で事情を理解したようで、須藤に
近寄り彼を抱き上げ、苦痛に顔を歪めている須藤に何事か囁いて、彼の了解を
取り付けたようで、須藤をベッドに寝かせると鶴岡に近づいてきました。

「事情は良く判りませんが、奥さんの部屋に須藤が入って、情交したことは事
実のようですね、その現場を旦那さんが発見して、支配人を呼んだ、事実はこ
れまでですね。

それで支配人は自分の手には余るのでその筋に連絡しようとしたのですね」
堺は須藤に信頼されているだけに、なかなかやり手のようで、腕力だけの用心
棒ではなさそうです。

「どうでしょう、その筋への連絡を止めていただければ、
旦那さんの気に済むように、私が責任もって対応いたします、いかがでしょう」
そう言って、堺はじっと鶴岡を見つめています。こうした修羅場における普段
の堺の対応を知っている人が見れば、今日の堺はかなり低姿勢な態度であると気
が付くはずです。

須藤は素人の奥さんが好きで、これまでも何度も、街で会った人妻を強引に自分
のものにして、結局、今日のような修羅場を迎えることが多いのです。その処理
を堺は上手くこなして来ており、普通、素人相手なら堺は頭ごなしに脅かしを掛
けるところで、その高飛車な対応で何度もこうした修羅場を切り抜けてきました。

この男は何者だろう、典型的なサラリーマンに見えるが、この修羅場にいながら、
この落ち着きと茫洋とした様子は只者ではない。堺は頭の中をフル回転して、鶴
岡の正体を探ろう必死です。気になるのは、ドアーの外にいる二人の男です。
鶴岡の仲間であることは確かですが、二人とも底知れない強さを秘めた不気味な
人物です。誰かが、鶴岡はその筋の大親分だと、堺に囁いたら、彼はそれを信じ
込むほど混乱しています。そのため、堺は慎重な対応を最初から心がけたのです。

「堺さんと言いましたね、貴方がそこにいる男の全責任を負えるのですか」
「これは失礼しました。私は主人の秘書をしておりまして・・、
主人の名前は・・、今は勘弁してください。
私が全責任を持って、交渉にあたれと、主人から先ほど指示されました」
この短いやり取りで、下手な小細工や脅かしは効かない、この男は自分よりはる
かに上の人物だと堺は最終的に判断しました。そう思うと背筋がゾーと寒くなり
ました。

寺崎探偵事務所物語T、(25) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/10 (月) 13:53
自分の実力をはるかに上回る人物と交渉する時は、誠意と事実を積み上げて、相
手の胸に飛び込むか、無言を頑なに守り続けるか、この二つ以外対応の仕方が無
いことを堺は過去の経験から良く知っています。ここでは、境は、前者の道を選
びました。

「鶴岡さんとおっしゃいましたね、主人が奥様の魅力に負けて、無理やりこの部
屋に入り込んで、強引に関係を結んだことは、この場の様子を見る限り明らかで
す。
主人はきれいな人妻を見ると理性を失うことがあり、正直申し上げると、こんな
事件を起こしたのも、これが初めてではありません。

今までのやり方を見ていると、決して暴力をふるって、奥様を傷つけたりはして
いないと思いますが、奥様の意に反して、無理やり関係を迫ったことは確かです」

鶴岡は内心驚いています。こんなにあっさりと相手が非を認めると、後の筋書きが
狂います。
「支配人・・・・、お聞きのとおり、この方はあの男の罪をほとんど認めておられま
す。その筋への連絡はこの方のお話しをうかがってからにします。
その時は今見たこと、聞いたこと、支配人の口から証言をお願いすることになりま
す。よろしくお願いします。

ところで、支配人、堺さんと個人的にこの部屋でお話をしたいので、申し訳ありま
せんが、呼ぶまでちょっと席を外してくれませんか。
ああ・・、決して、これ以上問題を起こすような行為をしないと約束します。
勝手を言いますが、よろしくお願いします」

支配人は鶴岡と堺を交互に見て、分別有りそうな二人なら乱闘騒ぎを起こすことは
無いようだと判断して、話が終われば直接支配人室へ連絡してくれと言って、内線
番号を教えて部屋を出て行きました。

「堺さん、貴方があっさりその男の罪を認めてしまうと、
私は振り上げた拳の落し所を探せなくなってしまいましたよ、ハハ・・・
まあ、ちょっと座りませんか・・、うん、ワインの残りがあったはずです」
鶴岡はベッドサイドにある赤ワインを取り上げ、まだ絡んだまま、ベッドで浅い眠
りについている由美子と須藤を残して、隣の部屋に移動しました。

「由美子は、ああ・・、あちらで寝ている妻の名ですが、
あれで結構、男好きで、私に隠すこともしないで、大胆に浮気をしています
私も、それを半ば認めて楽しんでいるところが有りましてね、ハハ・・
今度も、それとなく由美子が誘って、あの男がそれに乗ったのでしょうね
良いでしょう・・・、貴方の誠意と主人思いの気持ちに免じて、
今日のことは忘れましょう、お互い無かったことにしましょう」

鶴岡は立ったまま堺のグラスにワインを満たしながら、あっさりと言いました。
堺は驚いた顔で鶴岡を下から見上げて、ますます判らない男だと鶴岡をじっと
見詰めています。この裏がきっとあるはずだと堺は思っていて、次の鶴岡の言
葉が本当に怖くなりました。そして、よりによって、どうしてこんな凄い男の
女に須藤が手を出したのか、心底、須藤が恨めしくなりました。

「この部屋を出る時、あの男と一緒だったご婦人と廊下でばったり会いましてね、
ホテルの出口まで歩いて行く間の、短い立ち話でしたが、事情をうかがいました。
初子さんとおっしゃっていました」
堺はあっと心の中で驚いています。確かに、初子と一緒にエレベータから出て来
て、ホテルの回転ドアーまで歩いていた男が鶴岡だったと今になって気がついて
います。別れ際に何事か初子が挨拶をしていたので、堺がそれを確かめると、エ
レベータで一緒だった見知らぬ人だと、初子が答えてそれを堺は信用したのです。

そうか、鶴岡の狙いは初子だったのかと、堺はようやく気が付きました。用意周
到に準備された罠にまんまと嵌ってしまったことに堺は気が付いています。
堺の顔色が微妙に変化したのを鶴岡は正確にキャッチしています。

隣の部屋の女は二日前から一人でここに投宿して、昨夜から巧みに須藤に色の罠
を仕掛けたに違いなく、じっとそのタイミングを待っていたのです。
堺が初子を送りに行っていて須藤から離れ、須藤が女を帰した後一時間ほど休む
習慣を知っているボデイガード達も、階下で息抜きをしていたはずです。完全に
その空白の時間を狙い撃ちされ、須藤は女の部屋に引きずり込まれたのです。
この相手にここまで追い込まれると、もう勝ち目は無いと堺は諦めました。悪足
掻きをしないで、相手の要求を100%呑む決心をしたのです。鶴岡がにこにこ
笑いながら、ワイングラスのワインを半分ほど飲み、そのグラス越しに堺のあき
らめの顔を確かめて、鶴岡は要求を出しました。

「堺さん、気が付かれた様子ですね、
どうでしょう、無条件で初子さんを自由にしてもらえませんか
勿論、DVDの原版も渡していただきます。
そして、今後、その男が初子さんに指一本も触れないことを約束してください、
それが私のささやかなお願いです。

ああ・・、このワインは、少し渋いですね、
私はもう少し、淡白なものが好きですが、堺さんはいかがですか・・・」

堺は一言も言わないで立ち上がり、隣の部屋に行き、カバンをぶら下げて
戻ってきました。そして、鶴岡の前に再び座り込み、カバンを開けて、原盤の
入ったケースを鶴岡の前に置きました。そして、グラスを取り上げ、一息で赤
い液体を喉に流し込みました。

寺崎探偵事務所物語T、(26) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/11 (火) 17:10
「初子さんとの連絡はいつも私がして、初子さんの送り迎えも私が一人でやって
いました。ですから、私以外誰も、初子さんの住所も電話番号も知りません。
私を信用して、今日、ここで起きた由美子さんの事件は
一切無かったことにしていただけるなら、
初子さんのことも含めて、あなた方のことを私は全て忘れます」
鶴岡が頷き、机の上のDVDケースを取り上げました。

「・・・・そうですか、ありがとう御座います。
ああ・・、このワインは相当渋いですね、でも私はこの味が好きです・・・、
これで引き取らせてください、もう、お会いすることは無いと思います」
堺はさっぱりした顔で、鶴岡を見てにっこり笑い、立ち上がりました。そして、
歩き出した足を止めて、振向きました。

「鶴岡さん、私は貴方が何者か見当も付きませんが、
あなたは当然我々のことをよく知っていますよね」
鶴岡を見て、この際ことのついでに確かめておきたいといった調子で堺が低い声
で言いました。鶴岡が笑みを浮かべて、軽く頷いています。

「そうですか、やっぱり・・・・、私達の裏の素性も知っていて、
これだけ大胆なことをやってのけるあなた方が本当に恐ろしくなりましたよ
今回はどう転んでも、私達に分がなかったですね、
ああ・・・、それから、主人は初子さんを愛していました、本気で、正妻に迎え
るつもりで計画していました。
今となっては全てが夢ですが、主人もこれに懲りて・・・・」
堺はそこで言葉を止めて、にっこり笑って、鶴岡に背を向けて、須藤と由美子が
居る寝室に向かいました。

鶴岡と堺が寝室に戻ると、由美子と須藤は、まだ股間を絡み合わせたまま眠って
いました。この状態は、ハワイで経験済みですから、事情を知っている鶴岡が指
をその部分に入れ、空気を少し中に入れて、堺が一気に須藤の体を後ろに引っ
張って、抜き取りに成功しました。

哀れだったのは須藤で、激痛に蠢きながら堺に抱えられて病院に運ばれ、治療を
受けましたが、被災してから一時間あまり何の手当てもしなかったため、男根の
海面組織が一部完全に壊死して、60過ぎの年齢を考えると、前のように頻繁に
男性器を使うことは出来ないだろうし、以前のような業物にそれを変身させるこ
とも難しいと診断されました。リハビリ治療の結果次第ですが、一般的にはこん
な状態になると、回復してもかろうじて細々と性交を楽しむことしか出来ない体
になるとの診断です。



寺崎探偵事務所物語T、(26) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/11 (火) 17:13

「初子さんとの連絡はいつも私がして、初子さんの送り迎えも私が一人でやって
いました。ですから、私以外誰も、初子さんの住所も電話番号も知りません。
私を信用して、今日、ここで起きた由美子さんの事件は
一切無かったことにしていただけるなら、
初子さんのことも含めて、あなた方のことを私は全て忘れます」
鶴岡が頷き、机の上のDVDケースを取り上げました。

「・・・・そうですか、ありがとう御座います。
ああ・・、このワインは相当渋いですね、でも私はこの味が好きです・・・、
これで引き取らせてください、もう、お会いすることは無いと思います」
堺はさっぱりした顔で、鶴岡を見てにっこり笑い、立ち上がりました。そして、
歩き出した足を止めて、振向きました。

「鶴岡さん、私は貴方が何者か見当も付きませんが、
あなたは当然我々のことをよく知っていますよね」
鶴岡を見て、この際ことのついでに確かめておきたいといった調子で堺が低い声
で言いました。鶴岡が笑みを浮かべて、軽く頷いています。

「そうですか、やっぱり・・・・、私達の裏の素性も知っていて、
これだけ大胆なことをやってのけるあなた方が本当に恐ろしくなりましたよ
今回はどう転んでも、私達に分がなかったですね、
ああ・・・、それから、主人は初子さんを愛していました、本気で、正妻に迎え
るつもりで計画していました。
今となっては全てが夢ですが、主人もこれに懲りて・・・・」
堺はそこで言葉を止めて、にっこり笑って、鶴岡に背を向けて、須藤と由美子が
居る寝室に向かいました。

鶴岡と堺が寝室に戻ると、由美子と須藤は、まだ股間を絡み合わせたまま眠って
いました。この状態は、ハワイで経験済みですから、事情を知っている鶴岡が指
をその部分に入れ、空気を少し中に入れて、堺が一気に須藤の体を後ろに引っ
張って、抜き取りに成功しました。

哀れだったのは須藤で、激痛に蠢きながら堺に抱えられて病院に運ばれ、治療を
受けましたが、被災してから一時間あまり何の手当てもしなかったため、男根の
海面組織が一部完全に壊死して、60過ぎの年齢を考えると、前のように頻繁に
男性器を使うことは出来ないだろうし、以前のような業物にそれを変身させるこ
とも難しいと診断されました。リハビリ治療の結果次第ですが、一般的にはこん
な状態になると、回復してもかろうじて細々と性交を楽しむことしか出来ない体
になるとの診断です。

寺崎探偵事務所物語T、(27) 鶴岡次郎◆c68Evk 投稿日:2005/10/12 (水) 23:01
山手が所轄署に出向き、ことの経過を説明して、寺崎探偵事務所の調査報告書と
DVD原版を参考提示して、当局はやっと重い腰を挙げ、初子を襲った加藤たち
4人組の検挙に踏み切りました。皮肉にも、彼らが作った原盤が動かぬ証拠とな
り、彼らの余罪が芋蔓式に摘発され、加藤達の長期間の監獄暮らしが決定的な見
通しになりました。鶴岡は堺との約束を守り、須藤のことを伏せるよう山手に頼
み、山手もそれを了解して、須藤の件は闇に葬られました。

堺より初子に電話があり、須藤との仲が終わったことを初子は告げられました。
初子は突然の縁切り電話に正直うろたえました。別れるにしても、最後の挨拶を
して、十分須藤に抱かれて別れたいと思ったのです。初子はもう一度須藤に会い
たいと堺に頼みましたが、堺はそれを冷たく拒否して、自宅宛に、手切れ金を
送ったことを告げて電話を切りました。

数日前、妻に迎えたいと言った須藤の言葉に嘘はなかったと初子は信じています。
それではこの間に何が須藤に起きたのか、初子は悩みました、そしてそれから二
日ほど悩み、考え抜いて、須藤のことを忘れるためにも、夫、山手に全てを告白
して、許されるなら再出発しようと決心しました。

夕食後、長い時間をかけて、初子は山手に全てを話しました。初子とDVDプロ
の加藤との出会いは寺島探偵が推測したとおりでした。
「その須藤さんとは、二日前に切れました。一方的に先方から電話があって、
もう、呼び出すことは無いといわれました。そして、あのDVD原版は須藤さん
が廃棄したと言っていました」

初子は涙を見せないで辛い話を、それでも要領よく話しました。さすがに、撮影
現場の生々しい様子や、須藤に結婚を申し込まれた話は山手に話せませんでした。
「2ヶ月以上あなたに黙っていたことを許してください。あなたが出張から帰っ
ていらした時、お話しておけば、須藤さんとも会わずに済んだし、こんなに解決
が長引くことは無かったのにと今では後悔しています、こんなに汚れてしまった
私を許していただけるものなら、許して欲しい、
ダメなら・・・、その先は考えていません」
全てを話し終わった初子は肩の荷を下ろしたように、すがすがしい顔をして山手
を見つめています。

「うん、よく話してくれたね、謝るのは僕の方だよ
随分ひどい目にあって、一人で苦しんで、辛かったろう、僕が付いていながら、
力になってあげられなかったことを許してくれ
初子は何も悪くない、事故だったと思って忘れられるなら忘れて欲しいね
初子はちっとも変わっていないよ、ちっとも汚れてなんかいないよ
以前よりずっと魅力的になったよ、こんなことで僕は初子を失いたくない
僕は今までどおり、いや今まで以上、初子を愛し続けることを約束するよ」

山手は初子を抱きしめました。初子は堪らず、泣き出しました。堪えに堪えてい
たものがドット堰を切ったように、初子は声を上げて泣き出しました。山手はそ
の震える肩をやさしくさすって、じっと初子を抱きしめています。

初子は山手に優しく抱かれながら、須藤のことを思い出していました。激しく燃
えた、短い光悦の時間、巧みな須藤の愛撫にニンフのように奔放に反応したあの
瞬間、あれは神様が真面目に過ごしてきた主婦に与えてくださった一時の夢だっ
たのだと自分に言い聞かせました。そして、そっと心で呟きました。

「須藤さんありがとう、さようなら・・、私は貴方を忘れません
初子はあなたに女の喜びを、そして淫らな人生を教えてもらいました、
もう一度、もう一度だけでも貴方に会いたい、抱かれたい・・
あなたの、あのチ○ポが、あの舌が、私を狂わせたあの・・・、須藤さん・・」
初子の瞳に今までとは違う涙が流れ出したのを山手は知りません。

それ以上言葉で話し合う必要は二人にはありません、抱き合うようにして、寝室
に消え、しばらくすると、泣き叫ぶ初子の声がドアーの外まで聞こえてきました。
女の喜びを須藤に開発され、須藤に流れようとする初子の体を山手が必死で押し
戻して、初子の人生は流転し始めましたが、ゆり戻ってひとまず元の鞘に戻りま
した。

そして、初子はいっそう妖艶に、魅力的になりました。それは夫、山手から見て
も危うい妖しさで、とても山手だけで我慢できそうもない女体に見えます。一度
憶えた禁断の味を初子が忘れ去るとはとても山手には思えないのです。我を忘れ
て他の男に走る初子を想定にいれて、初子を大切に見守ってゆきたいと山手は考
えています。そう決心すると、なぜかわくわくしてきて、初子が動き出すのが待
ち遠しい思いさえしてくるのです。

ところで例のDVD原版ですが、所轄署に届ける前、一度ざっとそれを見た山手
は、個人名義で借りている貸し金庫にそれを納めています。山手は知りませんが、
初子は何度も須藤と一緒にDVDを鑑賞して、その内容を熟知していて、その気
になれば、DVDの中で展開されるどんな痴態でも初子は喜んで演じるはずです。
山手も出来れば初子と一緒にDVDを見たいと思って居ます。それが実現すれば
夫婦はまた新しい局面に突入するはずですが、その日は案外直ぐにやって来そう
です。

こうして初子の事件はハッピエンドで解決しました。しかし、初子を思う
須藤の純な気持ちと、奔放で淫らなセレブの生活への初子の憧れは、不完全燃焼
のままです。一度本気で燃え上がった男と女の火は、例えそれが許されない不倫
の仲であろうと、いえ、そうであるからこそ、埋め火の様に消えないで、ある時
チロチロと燃え上がり、全てを焼き尽くすまでに二人を燃え上がらせることがあ
るのです。

一方、山手は須藤の入院先を知っていて、それを初子に教えようかどうか迷って
います。須藤を見れば、初子の浮気の虫が騒ぎ出すことを知っていながら、山手
は、初子をもう一度須藤に抱かせたい、その衝動を抑え切れないようです。
判らないのはこうした男と女の気持ちです。

誰かが動き出し、彼らの間に新しい展開があれば、またその後を追ってみたいと
思います。とりあえず、寺崎探偵事務所が受け付けた調査はこれで完了して、U
の新しい仕事の第一号は無事終わりました。
                
               寺崎探偵事務所物語T、(初子の事件)おわり

[Res: ] Re: 寺崎探偵事務所物語T、(27) 山葵 投稿日:2005/10/13 (木) 16:57
新作ありがとうございました
登場する男たちが皆たくましく優しく
切れる人たちなのでつい嫉妬を覚えます(笑)
初子と須藤の狂乱の絡み合いを
個人的にはもう少し見たい気持ちでした。
(T)とあるので、続編、期待しております。



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寺崎探偵事務所物語T (2005年9月〜10月作品)