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フォレストサイドハウスの住人達(その11)
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1 スレッドオーナー
鶴岡次郎
2015/05/14 (木) 14:43
No.2689
佐原幸恵の失踪劇は6ケ月ほどで終わりました。佐原と幸恵の仲は以前よりまして親密になっています。
幸恵失踪劇が無事ハッピィエンドを迎えることができたのは佐王子保の力が大いに役に立っています。
幸恵は引き続き佐王子の店で働くことになり、浦上千春と佐王子の仲も以前通りになりました。

暇な時間を持て余しているセレブ夫人の多いこのマンションに佐王子が頻繁に出入りするようになった
省略・・ここ
35 フォレストサイドハウスの住人達(その11)(347)
鶴岡次郎
2015/08/14 (金) 13:40
No.2726
「あなたの言うことを、とりあえず信用することにした・・・、
そこで・・、一つ教えてほしい・・・、
幸恵さんが抱えている大きな障害とは・・・、
一体・・、何なんだ・・・・」

省略・・ここ
36 フォレストサイドハウスの住人達(その11)(348)
鶴岡次郎
2015/08/15 (土) 17:26
No.2727

山口が納得して、これでトラブルが治まったと神本はほっとしていたのです。千春は勿論、目の前
にいる山口も、そして幸恵にも、誰にも損失を与えないで、誰の名誉を傷つけることもなくこの事
件を丸く治めることが出来たのです。うまい筋書きで山口を説得できたと神本は密かに自己満足を
噛み締めていたのです。
省略・・ここ
37 フォレストサイドハウスの住人達(その11)(349)
鶴岡次郎
2015/08/16 (日) 17:24
No.2728

幸恵のアパートの前で二人は睨み合っているのです。大きな男が二人、屋外でにらみ合っていれば
いやでも人目に付きます、若い山口は人目を気にしませんが、神本はそうはいきません、騒ぎを起
こすと立場上不利なことは判っています。旧悪を穿り出されることにもなりかねないのです。

省略・・ここ
38 フォレストサイドハウスの住人達(その11)(350)
鶴岡次郎
2015/08/18 (火) 12:00
No.2729

おいしそうに神本はコーヒーを啜っています。そんな神本を山口はじっと見つめています。コーヒ
ーにも手を出さないのです。明らかに少し苛ついています。神本は結論を急がないと決めているの
です。じっくりと話を進めるつもりなのです。

省略・・ここ
39 フォレストサイドハウスの住人達(その11)(351)
鶴岡次郎
2015/08/19 (水) 14:08
No.2730
やくざ映画の一シーンのような話ですが、神本の表情を見る限り嘘を言っている様子はないのです。
驚きを抑え、平常心をとりもどそうと努めているのですが、体は正直なもので、恐怖からなのか、
緊張からなのか・・、山口の全身が彼自身でも制御できないほど震え出しているのです。

〈やはりこの男・・・、只者ではない…、
省略・・ここ
40 フォレストサイドハウスの住人達(その11)(352)
鶴岡次郎
2015/08/20 (木) 16:56
No.2731

神本の覚悟は組の関係者誰もが知るようになっていました。そして、その日が来るのはどんなに遅
くても一週間以内だと囁いていたのです。そして二、三日が経ち、その日が、今日にもやってきて
もおかしくないと・・、事情を知る誰もが思っていたある日、組織を束ねる老組長の尾花から神本
に電話がありました。直ぐに組事務所へ来いという連絡で、いつものと違って少しハイテンション
省略・・ここ
41 フォレストサイドハウスの住人達(その11)(353)
鶴岡次郎
2015/08/21 (金) 12:04
No.2732

真相が明らかになったのはそれからニケ月後でした。

総長の強い指示で、事の真相が表に出ないように抑え込まれていたのです。しかし、組の窮状を救うた
め、仕事の失敗を死で償うと覚悟を決めた神本の話は関係者の間ではあまりに有名な美談になっていた
省略・・ここ
42 フォレストサイドハウスの住人達(その11)(354)
鶴岡次郎
2015/08/25 (火) 14:20
No.2733

勿論、神本が組織に与えた損失は千春の体で賄いきれるほど、簡単なものではありません。莫大な
損失を女一人の体で弁済したいと願い出れば、普通なら笑い飛ばされ、玄関払いされるのが関の山
なのです。しかし、たまたまその日、自宅に居た総長は玄関で騒いでいる千春の声を聞きとがめ、
軽い気持ちで玄関に顔を出したのです。
省略・・ここ
43 フォレストサイドハウスの住人達(その11)(355)
鶴岡次郎
2015/08/26 (水) 11:31
No.2734
その日以来、神本の立場は非常に苦しいものになりました。『命を差し出し、組の窮状を救おうと
した男』から、『女房を売って、命乞いをした男』に、彼の評価は急落したのです。

組の内外で彼の発言力は地に落ちました。誰も彼の言葉を信用しなくなったのです。組長も表向き
は彼を庇護してくれませんでした。それでも彼は組を抜けることなく、黙々と地を這うようにして、
省略・・ここ
44 フォレストサイドハウスの住人達(その11)(356)
鶴岡次郎
2015/08/27 (木) 11:47
No.2735
千春が消えてから5年が経過しました。ある夏の日、夜明け前、神本の住む安アパートの前にタク
シーが止まりました。助手席のドアーが開いて黒ずくめの男が素早く降り立ち、小走りで後部ドアー
の側に立ちました。ドアーが開き、形のいい白い足が伸びてきました。黒ずくめの男が恭しく左手を
差し出しています、慣れた仕草で白い手が男の手に伸びて、その手に支えられ、若い女が一人降り立
ちました。運転手として、個人執事として、黒ずくめの男は5年間こうして女の傍で仕えてきたので
省略・・ここ
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