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フォレストサイドハウスの住人たち(その4)

[1] スレッドオーナー: 鶴岡次郎 :2013/08/29 (木) 13:29 ID:stgNSIf. No.2398
カラオケ遊びの果てに、加奈と悠里は竿師、佐王子に釣り上げられました。加奈はかろうじて逃
げ延びたのですが、悠里は完全に彼の魚篭(びく)に閉じ込められたのです。親友悠里が佐王子
の餌食になり、娼婦に落とされた責任の一端は自分にもあると加奈は思い込んでいます。何とか
悠里を『娼婦の篭』から助け出そうと加奈は決意を固めています。これから先、加奈はどんな仕
掛けをするのでしょうか、そして、娼婦という境遇に入ったことをそれほど悔いていない悠里、
二人の物語はどのように発展するのでしょうか・・。

ああ・・、それから前々章で紹介した、突然失踪した1613号室の住人佐原靖男の妻、幸恵(
45歳)の行方はいまだに判りません。佐原家を訪ねた鶴岡由美子は偶然、1613号室の隣室
から出てきた謎の男と遭遇しました。並みの主婦とは違い経験豊富な由美子は、その男の並々で
ない精気を感じ取り、彼はプロの竿師だとほぼ断定していました。そして、彼はその隣家の主婦と
只ならない関係のようなのです。佐原家の隣家から出てきた男は、悠里を娼婦に落としこんだ一匹
狼の竿師、佐王子と奇妙にも酷似しているのです。

裕福で、幸せな家族が集っているように見えるフォレストサイドハウスでも、一皮むけば人々の
いろんな生活模様が隠されていることが良く判ります。のんびりと彼等の生活を追ってみたいと
思います。相変わらず、市民の平凡な生活を語り続けます。ご支援ください。

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきま
す。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余
脱字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにし
ます。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した記事を読み直していただけると幸いです。

  ・ 文末に修正記号がなければ、無修正です。
  ・ 文末に(2)とあれば、その記事に二回手を加えたことを示します。
  ・ 『記事番号1779に修正を加えました(2)』、文頭にこの記事があれば、記事番号1779に
    二回修正を加えたことを示します。ご面倒でも読み直していただければ幸いです
                                        ジロー       
                           


[11] フォレストサイドハウスの住人たち(その4)(73)  鶴岡次郎 :2013/09/26 (木) 15:17 ID:qM/Z/gzY No.2408
視線を起こし、春美が千春の顔を真っ直ぐに見つめています。先ほどまで見せていた愁いに沈ん
だ女の姿が消え、仕事の出来るいつもの先輩に戻っています。千春は姿勢を正す気分で次に来る
春美の言葉を待ちました。

「お店で男漁りを止めろとは言わない・・、
でも、いつまでも続けていいことではない。
冷静に考えれば、お金のために身体を提供しているのだから・・、
ネッ!  判るでしょう・・。
私たちの行為は、売春婦と変わらないのよ・・・」

春美の言葉は鋭く千春の胸を射抜きました。娼婦と変わらない行為をしている罪悪感と背徳感を
千春はいつも持っていたのです。春美から改めてそのことを指摘されて、背筋が凍るような気分
に千春はなっていました。視線を下に向けて肩を落としている千春に優しい微笑をかけながら春
美が言葉を続けました。

「ゴメン・・・、ごめんなさい。
こんな強いことを言うつもりではなかった。
千春には私のようになって欲しくなかったから、つい言葉が過ぎた・・」

千春が顔を上げ、春美の顔を見つめ、首をかすかに振っています。謝る必要がないと千春は訴え
ているのです。春美がコックリと頷いています。女同士、似た者同士、二人の女は心が通い合う
気持ちのいい気分に浸っていました。

「千春が何処まで深みに嵌っているか良く判らないけれど、
自分の力では、もう・・、抜け出せないところまで私は堕ちてしまった。

私にはそのチャンスはもう来ないと思うけれど、
千春には、ある時、突然・・、潮時が必ずやって来る。
そのタイミングを逃がさないで、足を洗って欲しい・・。
私にもそんな潮時が一度来たのだけれど、ぐずぐずしていて、取り逃がした・・」

真剣な表情で語る春美の言葉に、千春はコックリと頷いていました。春美の言う『潮時』とはど
んなものか、そのことを全部理解したわけではなかったのですが、直感で、彼女の言葉が間違って
いないと思ったのです。

「病気と妊娠には気をつけるんだよ・・、
それと・・、他の女には絶対知られてはダメだよ・・・。
お客とのそうした関係はこの店では命取りだからネ・・・
そんな噂が立てば店を辞めることになるよ・・・。
そんな形で店を辞めたら、他の仕事には就けない・・、
水商売しか残っていない・・・。

それと・・、お客と寝ている娘は、他にも居るけれど、
他人のことに首を突っ込んではダメ、
例え気が付いても知らないふりをするのよ・・、
そうすれば先方もあなたのことは絶対口外しない・・・」

あたかも自分自身に戒律を言い聞かせるように春美は語っています。どうやら千春は今の仕事か
ら足を洗うことができないと、春美は感じ取っている様子です。

「千春を見ていると、心配なんだな・・・、
いつも身体全体で男を欲しがっているのが判る・・・。
今日だって、お客様と一緒に部屋から出てきた千春は、『今やってきました・・』と言わんばか
りで、全身から情事の香りが匂い立っていた。
見ている私自身が恥かしくて、思わず眼をそらしてしまうほどだった・・・。
そんな風では、いずれ店の皆に知られることになる・・・」

先輩の言葉に千春は返す言葉がありませんでした。お客たちと回数を重ねるに従い、千春自身、
自身がこれほど男好きだったとのかと、他人事のように驚くことが何度もあるのです。先ほど春
美に秘密を指摘された時、何故彼女が千春の秘密を知ったのか判らなかったのですが、春美の指
摘をうけて、その理由を千春ははっきり悟っていたのです。

男と一緒に出てきた千春の姿を見るだけで、秘密の部屋で何が行われたか春美は簡単に推測でき
たのです。その姿はあまりに無防備で、千春がこのまま行為を続ければ、いずれ他の仲間・・、
とりわけ恐い店長に知られてしまう危険性があると春美は危機感を持ったのです。千春の行為が
バレれば、春美を含めて、同じ行為をしている他の仲間もそれなりの影響を受けるのです。千春
の秘密は春美たちにとっても守るべき秘密であったのです。

〈このまま泳がせるわけには行かない〉

そう決意して、春美は千春に声をかけたのです。

春美のアドバイスを受け、千春はより慎重に行動することを約束しました。そして、困ったこと
や、悩みがあれば春美になんでも相談することも約束しました。それ以来、春美は事ある毎に、
千春を気遣い、優しく接しました。千春も春美を姉のように慕うようになりました。


[12] フォレストサイドハウスの住人たち(その4)(74)  鶴岡次郎 :2013/09/30 (月) 16:00 ID:kVRt9QS. No.2409

それから半年後、春美に結婚話が実家から持ち込まれました。両親から送り届けられてきた伊熊
正太郎の写真の印象は平凡なもので、50歳間近だという年齢相応の顔をしていました。以前の
春美でしたらその縁談を即座に断ったと思います。春美だけでなく、彼女の両親も古くからの知
人がこの話を紹介してくれた時、相手が再婚で子持ちだと知り、すこし不機嫌になっていました。
しかし冷静に考えると40近い女に初婚の相手が紹介されるはずがなく、とにかく娘に話を繋ぐ
ことにしたのです。しかし、内心では二人の子持ち相手の縁談に娘がまさか乗るとは思ってもい
なかったのです。

30歳になるまでは何度か縁談が持ち込まれ、その都度、春美は断ってきました。そして、ここ
数年は里の両親もあきらめたようで、縁談は絶えてなかったのです。皮肉なもので、縁談話が途
絶えた頃、そう、千春と春美が出会った頃から、春美の結婚願望が強くなり見合い話の到来を心
待ちするようになっていたのです。それだけに、数年ぶりの見合い話に春美は即断で乗りました。
郵便を受け取ったその日の内に話を進めて欲しいと両親に連絡したのです。

〈いつまでも、こんな生活を続けるわけには行かない。
潮時を見つけて、こんなみすぼらしい仕事から足を洗おう・・
例え結婚できなくても、この見合いを機に、この仕事から足を洗おう・・・〉

若い頃乗り損ねた『潮時』を、春美は今でも悔いの残る気持ちで思い出すことが多いのです。久
しぶりに持ち込まれた縁談を春美は再び巡ってきた『潮時』だと感じ取っていたのです。


お見合いは実家の近くにある鄙びた温泉宿で行われました。伊熊家からは伊熊本人と子供二人、
そして春美サイドは春美本人と両親が出席しました。そして、伊熊の友人である佐野夫妻が仲人
を勤めることになっていて、その場に出席しました。

会って見ると伊熊は中々の男ぶりでした。頭髪こそすこし白髪が混じり始めていますが、180
センチを越える身長で、高校生の頃ラグビーをやっていたというその肢体は百姓仕事で鍛えられ
ていて、50歳近い今でも若い頃とそれほど変わらないのです。ビジュアル面でも十分に惹かれ
た春美でしたが、彼と話し合ったのはほんのわずかな時間でしたが、春美は彼のすばらしい人間
性に一気に引き込まれました。

高級靴の販売店に勤務しているため、そこで出会う男性たちは社会的、経済的に恵まれた環境に
居る人たちです。そんな中で生きてきた春美ですから男を見る目はかなり肥えていました。そん
な春美から見て、伊熊は店に出入りする男達と遜色ない、それどころか、野性味と純朴さを兼ね
備えた伊熊は春美がそれまで出会ったどんな男より立派に見えました。

一方、伊熊も、綺麗でスタイルが良く、知性溢れる春美を見て、一目で気に入った様子でした。
当人同士が互いに一目ぼれしたわけですから、お見合いの席は大いに盛り上りました。この縁談
に懐疑的だった春美の両親は驚きながらも、この結果に喜んでいました。

当人同士の気持ちが予想外の速さでまとまり、残る問題は二人の子供の気持ちでした。春美が希
望して別室で、二人の男の子と三人きりで話し合うことになりました。他の皆は祈るような気持
ちで三人を送り出したのです。


[13] フォレストサイドハウスの住人たち(その4)(75)  鶴岡次郎 :2013/10/03 (木) 11:49 ID:zGYOiiRk No.2410

中学二年の正志、小学4年の正吾の二人は、春美の前で正座して、彼女をまぶしそうに見つめて
います。真面目で、勉強の出来そうなしっかり者の正志、やんちゃですが甘えん坊な正吾です。
二人の前で笑みを浮かべて据わっていた春美が、膝を少し詰めて、単刀直入に質問しました。

「正吾君・・、
私がお母さんになってもいいの・・」

「春美さんが・・、
いえ・・、お姐さんが、お母さんになってくれたら・・、
僕・・、うれしい・・・、本当に嬉しい・・・」

正吾が恥ずかしそうに、それでもはっきりと答えました。

「お兄ちゃんは・・・?」

難しい年齢にかかっていると懸念している正志に向かって、春美は笑みを浮かべて訊ねました。

「亡くなった母のことは忘れることは出来ません・・。
申し訳ないと思うのですが、父が結婚して、お姐さんが母親になっても、
僕達のこの気持ちは変わらないと思います・・・」

正志が春美の顔を真っ直ぐ見つめて、しっかりした口調で、言いました。

〈・・やはり・・、そうよね・・・〉

春美はガッカリしながらも、予想できた正志の返事でしたから、笑みを浮かべて黙って頷いてい
ました。

「それでも・・・、いくら思っても・・・、
亡くなった母はもどって来ないのは確かです・・・。

僕達の家には・・、いえ、僕達には・・、
まだ小さい正吾には、特に・・、母親が絶対必要です。
それに・・、お姐さんのように綺麗な方が、母親になっていただけるなら、
これほどうれしいことはありません・・。

僕たち・・、良い子になりますから、ぜひ、家へ来てください・・。
お願いします・・。
正吾!・・・お前も頭を下げろ・・・」

頬を染めて、正志がはっきりと答えました。正吾が何度も頭を下げています。

「そう・・、いいのね・・・、
うれしい・・」

二人の男の子を春美はその場で抱きしめました。三人とも涙を浮かべて、互いをしっかり抱きし
めていました。


「抱きしめた二人の子供から、
埃ポイ・・、それでいて、懐かしい香りが立ち上がっていた。
多分・・、私は生涯この香りを忘れないだろうと・・、その時、思った・・。
そして、この子達の母親になる決心を固めていた・・」

酒場の隅で、千春に告げる春美も、そして、聞いている千春も泣いていました。


[14] フォレストサイドハウスの住人たち(その4)(76)  鶴岡次郎 :2013/10/04 (金) 15:52 ID:PUt3NqaY No.2411
春美と子供二人の話し合いの結果が別室で待っていた皆に披露されました。いちばん喜んだのは、
子供達の父親伊熊正太郎でした。よほど嬉しかったのでしょう、日に焼けたいかつい顔をくしゃ
くしゃにして、頬に流れる涙を気にしない様子で手離しで泣いていました。


「先ほどごらんになったように、当人同士は一目でほれ込んだ様子です。
春美さんのご両親も喜んでおられます。
正志君も、正吾君も新しいお母さんが好きだと言っています。

話がここまでまとまったのなら、善は急げと申します。
邪魔の入らない内に、仮祝言をこの場で済ませてはいかがですか、
そして、お二人には今夜この旅館で新婚初夜を迎えていただくのです。
いかがでしょうか、ご賛同いただけますか・・・?」

仲人である佐野徹が提案しました。彼は伊熊とは同い年で、子供の頃からの友人です。そして、
伊熊同様、地元の農協で理事を務めている地元の名士でもあります。彼も春美を一目見た瞬間か
ら、彼女の人柄と美貌にほれ込み、春美が友人の嫁になってくれることを切望していたのです。
ちゃんとした結婚式は別途やるにしても、邪魔の入らない内に・・、本音を言えば、春美の気持
が変わらない内に、仮契約を済ませる作戦を実行することにしたのです。勿論、この計画は伊熊
と話し合って決めたものでした。

佐野の提案に誰も反対しませんでした。さっそく旅館にその旨依頼して、それから3時間後に、
旅館の宴会場で三々九度の杯事が行われたのです。伊熊と春美の仮祝言が終わり、これで晴れて
二人は夫婦となったのです。

新婚の二人を残して、他の人たちはそれぞれに自宅へ戻ることになりました。正志と正吾は温泉
場に泊まるよう勧められたのですが、子供二人で夜を過ごすことには慣れていると言って、けな
げにも自宅へ戻ると言い張り、皆も子供達の希望通りにさせたのです。


床入り時間が迫る中で、伊熊と千春は浴衣に着替えて、ビールのコップを傾けていました。開け
放した窓から清流の音が聞こえてきます。伊熊はそんなに強くない様子で、コップ一杯のビール
で頬を染めているのです。隣の部屋に敷かれた夜具の上に、丸い枕が二つ、並んで置かれていて、
それを赤い枕スタンドの照明が艶かしく照らし出していました。

間近に座っている男の身体から、爽やかな体臭が漂っています。春美はその香りを胸いっぱいに
吸い込んで、あらぬ想像に耽っていました。

〈この男のアレはどんな形だろう・・、
気持ちよくなったらどうしょう・・、
いつものように両手両脚で男の体に噛り付いて、
「チ○ポ良い・・」と叫ぶかもしれない・・・。

新婚初夜では処女のようにおとなしくするべきだけれど、
ガンガン突かれて、夢中になったら、声が出てしまうかも・・・〉

あれこれ想像して、春美は次第に興奮し、温泉に入って綺麗にしたはずの女の秘部をぐっしょりと濡らしているのです。

〈嫌だ・・、変なこと考えていたら、こんなに濡らしてしまった・・、
いっぱい濡れたアソコを男は喜ぶけれど・・、
それでも・・、花嫁がこんなに濡らしているのは恥ずかしい・・

布団に入る前に、綺麗にした方がいいかしら・・
それとも・・、濡れたままにして、彼に吸いとってもろうおうかしら・・・フフ・・・・。
いけない、いけない・・、そんなスケベなことを考えてはダメ・・〉

トイレでアソコを拭こうか、それとも濡れたままベッドインするべきか、甘い自問自答を続けて
います。春美の気持ちはすでに寝室へ飛んでいるのです。


「春美さん・・、聞いてほしいことがあるのです・・・。
夫婦になる前に、お断りしておきたいことがあるのです・・・」

それまで崩していた脚を、折り曲げて正座の姿勢に戻り、膝に両手をついて伊熊がゆっくりと口
を開きました。男が至極真面目な表情で、姿勢を正し、話があると告げているのです。突然の花
婿の豹変に春美は一気に正気に戻っています。濡れた股間にスーと冷気が入り込んで、春美は背
筋を震わせていました。


[15] フォレストサイドハウスの住人たち(その4)(77)  鶴岡次郎 :2013/10/05 (土) 14:37 ID:UJWHxZXs No.2412

春美が姿勢を正すのを待って、やや緊張した表情を崩さないで伊熊がゆっくり口を開きました。
床入りを間近に控えたマッタリした気分はどこかに吹き飛んでいます。

「前の妻もそう言っていましたし・・、
これは・・、言いにくいことですが・・、
その・・・、男が一人暮らしていると、その・・・
どうしても欲しくなって・・、その場限りの女性を抱くことがあります。
そんな時、女達からも同じことを言われるのです・・。

実は、私は・・、人には言えない秘密を抱えています・・・」

それ以上は言葉が続かない様子で、そこで言葉を切り、180センチ近い身長を縮めて、少年の
ようにはにかみながら伊熊が下を向いているのです。何か性的な告白をしようとしているのが春
美にも判った様子で、笑みを浮かべて余裕で、男を見ていました。こんな時、女は意地悪な気持
ちになるものらしく、春美は男をからかうような表情を浮かべ、微笑を浮かべ、黙りこくってい
る男に声を掛けました。

「どうしたのですか・・、何かお話があるんでしょう・・、
私には話せない何かを隠しているのですか・・、
それとも、聞いても女には判らないことですか・・・?
思い切って、おっしゃってください・・・」

春美の言葉に、伊熊が照れた表情を浮かべています。それでも口を開こうとしません。男の頑な
沈黙を見て、伊熊の抱えている秘密は、かなり深刻な悩みで、その上、新婚の春美に話しづらい
内容であると、勘良く春美は察知していました。それであれば、伊熊が話し易いようにしてあげ
ようと、春美は考えたようで、身を乗り出し、優しく男を説得する口調で言葉を投げかけました。

「正太郎さん・・・、
縁あって、これからの人生を共に暮らそうと私達は決めたのでしょう・・。
何も気にしないで、私だけには全てを話してください・・。

お話を聞いて私が動転するとご心配なら、それは無用です・・、
ご推察のように、私の男性経験はほとんど無に近いものです・・。
それでも、女が40歳近い年齢になるまでにはいろいろ学びます・・。
経験は乏しくても、それなりに知識は持ち合わせているつもりです・・。
何を聞いても、小娘のように騒ぎませんから・・・・」

人妻以上にその道の経験を積んでいるのですが、それを伏せて、処女のように恥じらいを見せな
がら、ゆったりとした調子で、少し意地悪な調子も加味して、それでも優しい調子を崩さず、男
に声をかけています。

優しい春美の言葉に動かされたのでしょう、正太郎が顔を上げ、何事か決心したような表情を浮
かべています。話を続ける気になったようです。

「実は・・、私のモノが普通ではないのです・・・、
前の妻からも、他の女からも・・、
ああ・・、付き合った女は・・、勿論、それほど多くないのですが・・、
皆から、普通でないといわれています・・」

男の話を聞いていて、どうやら男根サイズの話をしてると春美は察知したのです。さすがに女の
口からその言葉を出すことが出来ません。

〈アレが小さいことを告白したいのね・・、
そうであれば、そんなに心配しなくても良いのに・・、

あまり小さすぎるのは、少し問題だけれど・・・
子供を二人産ませたのだから、セックスは問題なく出来るようだし、
男が思うほど女はアレのサイズを気にしないのよ・・、
思い切って告白しなさい、優しく受け入れてあげるから・・・〉

告白の内容がおおよそ想像できた様子で、春美は意味不明で妖しい、あいまいな表情を浮かべて
男を見つめていました。女の妖しい表情を見て、男はさらに慌てています。

「なんと言ったら良いか・・、
困りました・・、
そうですね・・、
話すより見ていただくと直ぐ判ります・・」

覚悟を決めた伊熊はその場に立ち上がり、着ていた浴衣を潔く脱ぎ捨てました。


[16] フォレストサイドハウスの住人たち(その4)(78)  鶴岡次郎 :2013/10/08 (火) 13:15 ID:Qfp8Ts12 No.2413

農業で鍛えた身体は30代の若者のように、筋肉が要所で盛り上がり、逞しいものです。新婚初
夜の床入りを控えていますから、作法どおり下着を着けていません。

「どうですか・・、
それほど悪いモノではないと思うのですが・・、
口の悪い佐野は私のモノを見て、
『ウマ並み、それ以上かも・・女性がかわいそう・・』と、軽蔑します。
前の妻も、他の女も、最初は恐がって、逃げ出す始末でした・・」

男が肉棒に軽く手を添えて、何を思ったのかそれを軽く振りながら女に向かって言い訳を言って
います。決してその大きさを見せびらかしているのではなく、大きすぎる男根に彼自身も手を焼
いている様子なのです。

男の気持ちがその大きさを本気で恥じているにしても、男の手でゆっくりと振られる男根を目の
前にすると、どんな女でも冷静ではいられません、女は魅入られたようにそれを見つめていまし
た。唖然として、口をあけ、言葉も忘れて、春美はその景色に見惚れていました。一戦を交える
相手を目の前にして、それは既に完全勃起状態で、女の前30センチの所で春美の顔を見据えて、
雄雄しく立っているのです。

風呂上りで、その先端はテラテラと光り、大きくくびれた溝の下には青黒く浮き上がった静脈を
まとった褐色の幹が続いているのです。先端部から透明な液が湧きだし、女の気持ちを掻き立て
る卑猥な香りがそこから立ち上がっています。まさに、匂い立つ一物です。これまで数十本・・、
いえ・・、控えめに見ても100本近い男根を見てきた経験豊富な春美でも初めて目にする一物
です。

唖然として、言葉を失っている女を見て、男は慌てています。過去に接した女の中には、その姿
を見ただけでしり込みして、ホテルから逃げ出した女も数人いたのです。ここで女に逃げられた
のではまずいと男は思ったようで、大きな男根を両手で隠すようにして、その大きさが際立たな
いようにして、猫撫ぜ声で女を説得し始めました。、

「毛が少ないから目だちますが。見掛けほど大きく無いのです・・、
それに・・、それほど固くないのです、
ほら・・、フニャフニャでしょう・・」

無理やり男根を横に曲げて、固くないことをアピールしようとしているのですが、逆効果で、男
の指が外れるとそれはブルンと震えながら立ち直り、以前にも増して、隠しようのない勇姿を見
せ付けているのです。

〈もう・・、こんな時にいきり立ちあがりやがって・・・
親の気持ち子知らずというが、まさにお前のことだ・・、
ここで春美さんに逃げられたら、お前の責任だぞ・・・〉

そんなことを内心で呟きながら、男は小さく見せることをあきらめたようで、どら息子を追い払
うように、邪険にそれを右手で手荒く弾いています。先端から粘液が弾き飛ばされ、女の顔に降
り注いでいます。女は指でそれを掬い取り、そっと口へ運んでいます。微妙な反応を見せる女に
男は気がつきません、女をこの場に足止めさせることしか頭にないようで、他のことは目に入ら
ないのです。

「丁寧にやります・・、痛くないように入れます・・・、
無理やり突っ込んだりしませんから、
こんなものでよろしければ、一度試してください・・・、一度入れてください・・、
痛さを乗り越えれば、それなりに楽しんでいただけると思っています・・」

男は必死です、とにかく女をその気にさせたいと焦っているのです。女は余裕で、笑みを浮かべて
男の慌てようを楽しんでいます。得体の知れない女の反応を見て、男はさらに焦っています。

「確かに、前の妻も、他の女も、最初は痛がって・・、上手くできませんでした・・。
それでも、あれこれ工夫して、そのうち女も濡れてきて・・、
ああ・・、すみません・・、下品なことを口走りました・・・。

ゆっくりとやれば、お互いに慣れて、ほとんどの女達が受け入れてくれました。
最初は、多分、少し痛いと思います、それでも、逃げないでください。
もし、今日が無理であれば、試運転期間を置いてもいいのです。
春美さんが慣れるまで、私は待ちます。よろしくお願い申します・・・」

伊熊はあくまで低姿勢です。ここで春美に逃げられたら大変だと、誠意を込めて語っています。
冷静に聞けばかなり際どいことを言っているのですが、言っている男も、それを聞いている女も
しごく真剣です。


[17] フォレストサイドハウスの住人たち(その4)(79)  鶴岡次郎 :2013/10/09 (水) 12:24 ID:00gzZEjE No.2414

男がペコリと頭を下げました。男根もそれに連れて、頭を下げています。あわてて春美も頭を下
げています。伊熊本人へ頭を下げたと言うより、これから長い付き合いになる男根に、女は頭を
下げたようです。男根が揺れて、先端から大量の粘液が飛んで春美に降りかかっています。女の
頭、そして顔にくっきりと粘液の飛沫痕が残されています。今度は女に降り注がれる粘液を男も
目撃したようです。

「あや・・・ゃャ・・・・、
コレはとんでもないことを・・・
汚いものを撒き散らしました・・・」

男が慌てて女の頭に飛んだ粘液を手でぬぐいとろうとしています。これまでチン液が顔や髪の毛
にかかるのを毛嫌いする女をたくさん見てきた正太郎です。とんでもないことをしてしまったと、
慌てているのです。その手を女が優しく止めました。

「いいんです・・、このままで・・・、
とってもいい香り・・・、正太郎さんのものだと思えば・・・・・、
私・・、とっても幸せ・・・」

頬についた粘液を右手の薬指でそっと拭い取り、女はためらわずその指を口に含み、男を見上げ
てニッコリ微笑んでいます。女に遮られた右手を前に出したまま、男はじっと女を見つめていま
した。

〈この女は喜んでいる・・
汚いはずの俺の液を、全身に降り注がれて笑っている・・
それも、喜んで口に入れている・・・
しばらくこんな女とは出会っていなかった・・・〉

春美の行為は取り立てて優しいものではありません、セックスをする男女の仲ではごく普通の行
為です。春美にしても演技で客の精液を口にした経験は少なくないのです。しかし、優しい笑み
を浮かべて精液を口にする春美の行為は金で買った女のそれとは全く異なるものに、今の正太郎
の目には見えたのです。春美の行為を見て、明らかに今までの女と違う春美の優しさを感じ取って
いました。男の内部で何かが弾けて、彼の胸の奥でその気持ちはぐんぐんと大きくなっていまし
た。


女は膝を前に滑らせて、ほとんど顔が男根に接触するほど近づいて、上を見上げました。とびっき
り優しい表情を浮かべ、伊熊の顔を見ています。そして優しい声で、言いました。

「コレが大きいからっといって、そんなに心配なさらないで下さい・・、
そんなに遜(へりくだ)らないで下さい・・・、むしろ誇らしいことです・・・。
私、逃げ出したりしませんから、安心してください。

確かに、これを初めて見た時は・・、
正直言って・・、ビックリしました・・・。
こんな立派なモノを見たのは初めてです・・」

今まで男根サイズが大きいのを自慢する男は何人も見てきたのですが、それが大きすぎて、女が
逃げ出すのを本気で心配している男に初めて春美は出合ったのです。春美は優しい気持ちになって
いました。そして、そんな男を益々好きになっていたのです。

「初めて見たと言いましたが、先ほども申し上げましたように、私は男性経験が乏しく、実物を見
たのは、ほんの数本・・、いえ・・、じっくりと拝見したのは今回が初めてだと思います。勿論、
写真などでそれを見たことがないと言えば、嘘になります・・。ですから、何も知らない処女と比
べれば、それなりの知識はあると思っていました。しかし正太郎さんのモノを見て、私の知らない世
界があることを知りました」

春美は言葉を選びながら話しています。一般女性の比べて比較にならないほど男根を見てきたので
すが、そのことはおくびにも出しません。一方、男は女の嘘を見抜く余裕がありません。男根の液
が降りかかっても嫌な顔をしないでむしろ嬉しそうにして、その液を口にすらしてくれたのです。
春美への気持ちが爆発するほど彼の胸の中で大きく成長していました。そして、女は逃げ出さない
と約束してくれたことで、男はほっとしているのです。

「私の乏しい知識から判断しても、正太郎さんのモノは異常に・・、
アッ・・、異常とは言えませんね・・・、
普通ではない・・・、いえ、そうでもないですね・・・、
ああ・・、なんと言えばいいのか・・・、困ってしまいます・・。

ともかく、私の乏しい知識を総動員して判断して、
正太郎さんのコレは非常に立派なモノだと思います。
こんな立派なモノで愛される女は幸せだと思います・・・

コレが私のものになると考えただけで、気が遠くなるほど、
興奮しています、女として最高に幸せな気分です・・・」

しどろもどろになりながら、それでも春美は感じたとおり、正直に言いました。事実、それを見
せつけられた瞬間から、春美の股間は膨張し、おびただしい愛液を噴出しているのです。

「経験の乏しい私がこの立派なモノを受けいれることが出来るかどうか・・、
少し心配ですが、他の女性が出来ることなら、私も出来ると思います。
いえ・・、誓って、他の女に負けないよう頑張ります。

どう訓練したらいいのか、その方法は今のところ良く判りませんが、
正太郎さんのご指導を得て、何とか頑張って、
旦那様に喜んでいただけるようになりたいと思っています。
これから先・・・、よろしくお願い申します・・」

伊熊に向かって、いや、正確には男根に向かって頭を深々と下げたように見えます。そして恭し
く男根に両手を突き出し、春美はそれを優しく握りました。後になって考えても、ここから先の
行為を春美は良く憶えていないのです。本能の赴くまま身体が動いたのだと思います。(1)


[18] フォレストサイドハウスの住人たち(その4)(80)  鶴岡次郎 :2013/10/11 (金) 16:11 ID:c1q096I2 No.2415
記事番号2414に一部修正を加えました(2013/10/18)

確かな重量感と鮮明な脈動を感知して、春美は一気に潮を噴出していました。ソコだけが別の生
き物のように蠢きだし、淫靡な破裂音が出ています。

〈いきなり・・、握ってきた・・・
そして・・この音は・・、そうだ、アソコからだ・・・
感じているんだ・・・、この女は・・・・相当できるかも・・〉

男の耳が女陰の淫靡な吐息を捉えています。淫らな表情を浮かべ、男根に手を伸ばしそれを恭し
く捧げ持ち、うっとりとそれを眺めています。男は意外な表情を浮かべ女の顔を見下ろしていま
す。紛れもなく、女が感じているのを察知して、男根がさらにいきり立っています。

顔を近づけ、ためらいなく口を大きく開き、先端に噛り付きました。噛り付く・・、まさにその
表現しかできない状態です。巨大な亀頭を小さな女の口ではとても咥え込むことができないので
す。一杯に口を開きますから歯はむき出しになります、勿論亀頭に歯を立てないよう注意してい
るのですが、傍目には噛り付いているように見えるのです。

〈ヒェ・・・、大きい・・、
こんなモノ・・、私のアソコが・・、受け入れられるかしら・・・、

それに・・、何・・、この強い香り・・、
ああ・・・、頭が痺れる・・、
ああ・・、どうなってもいい・・、

アソコが裂けてもいい、
入れたい!・・・入れたい・・〉

それを口にして、女はいまさらのようにそのサイズを実感していました。そして自身の陰唇がそ
れを咥え込む様を想像して、呻き声をあげながら、亀頭を吸っています。肉棒の淫蕩な香りに包
まれて、春美は次第に自分を失って行きました。ただ、何も考えることが出来なくなり、何も恥
じることがなくなり、ただ狂ったように男根に吸い付く淫女に成り下がっているのです。

上半身から浴衣が滑り落ちて、小ぶりの乳房が二つ露出しています。両脚を崩して女は男根に噛
り付いています。浴衣の前が大きく割れて、お腹から、下腹部までが露出しています。もう・・、
腰紐にひっかっている浴衣は何の役目も果たしていません。

両脚を広げて女は股間の淡い陰を曝しだしています。女は右手を男根から外し、その手を亀裂に
伸ばしています。指が・・、二本、亀裂に埋没しています。女は激しくそこを擦り始めました。
卑猥な水音が、そして女のすすり泣く声が、男の耳に届いています。もう・・、女は男に己の本
性を見せることさえ恐れていない様子です。

男の視線が露出した女の股間を探っています。比較的薄い陰毛を押し分けるようにして、白い肌
には不似合いな濃褐色の陰唇が食み出し、女の指をくわえ込んだそこから破裂音が響き、はっき
りそれと判るほど潮が噴出していました。

もう・・、浴衣は通して愛液が座布団に届き、そこをぐっしょり濡らしているのです。ほとんど
全裸になり狂い出した女を優しく見つめながら、男が優しく春美の頭を撫ぜています。

〈俺はいい女を引き当てたようだ・・・!
あんなに潮を吹いて、俺のマラを見てもそれほど驚いていない、
それどころか、歓喜している・・・。

数えるほどしか男を知らないと言っているが・・、
どうやらそれは嘘のようだ・・、可愛いい嘘だ・・・、
マラに噛り付き、それだけで正気を失っている、感度も高そうだ、
・・真黒に色付いたヒラヒラ、皮を剥いて見事に立ち上がったクリ・・、
見かけによらず、この女はかなり男を知っているのかも・・、

これほどの女が40近くまで男気なしに過ごせたはずがない・・。
50人・・、いや・・、それを越える男を知っているのかも・・・、
妬けることは妬けるが・・・、ここは我慢、我慢だ・・、
むしろ、男性経験が多い方がこれから先、上手く行くと感謝すべきことだろう・・・・
その内、じっくり男性経験を聞いてみるか・・・〉

初婚とはいえ、40近い女の男性経験を問題にするほど、男は野暮ではありませんでした。むし
ろ、グロテスクとも思えるほど成長した暗褐色のヒラヒラを持ち、彼のデカマラに驚くことなく、
最初から愛しげにフェラする女を見て、彼女がかなりの男性経験を積んでいることを男は悟り、
密かに安堵しているのです。

亡くなった妻は最後まで彼のデカマラに慣れることはありませんでした。このことが正太郎に
とって、亡き妻への唯一の不満だったのです。デカマラに怯えることなく、夢中で咥え、こみ上
げる性欲に悶えながら潮を吹く春美を見て、これから先の性生活を考えて、大きな期待で男は胸
を膨らませていたのです。

〈早く抱きたい!・・・
いや・・、急いではダメだ・・、
ことを急いでは、取り返しのつかないことになる・・、
じっくり攻めて、女が十分に潤うのを待とう・・・〉

デカマラに狂ったように噛り付き、全身をくねらせ、なにやらうめき声を上げているのを見なが
ら、男は必死ではやる気持ちを抑えていました。これまで、何度か、その場になって、女に逃げ
られた苦い経験を男は味わっているのです。


[19] フォレストサイドハウスの住人たち(その4)(81)  鶴岡次郎 :2013/10/12 (土) 11:44 ID:yf1Td5ac No.2416
春美が正太郎とお見合いをして二週間経ちました。見合い当日の前後二日ほど年休をとっただけ
で春美は元気に職場に戻っています。誰にも春美はお見合いのことは話していません。実のとこ
ろは誰かに話したくてたまらないのですが、誰かに話せば幸せが逃げ出しそうで、正式に籍に収
まるまでは誰にも話さないつもりなのです。

ここは春美と千春の勤める靴店の近くにある居酒屋で、その日の勤めが終わった二人の女は奥
まった席で飲んでいるのです。二人ともいける口です。この日春美は千春にお見合いの報告をす
るつもりで、彼女を居酒屋に誘ったのです。

「千春・・、先日、年休をいただいたでしょう・・、
あの時・・、田舎へ帰って・・、私・・、お見合いをした・・」

「エッ・・、本当ですか・・・
気がつかなかった・・・・・・」

春美に結婚願望が強いことは以前から、千春は気がついていました。しかし、華やかに見えても
職場では春美や千春のような未婚の女性が結婚相手とめぐり合う機会は少ないのです。声をかけ
てくるのは彼女達の身体を狙った男達ばかりなのです。そんな状態ですから、田舎でお見合いを
したのはいい話なのですが、そう若くない春美にとって、破談はショックが大きいはずだと・・、
春美の表情をうかがいながら、その結果を聞いていいものかどうか、千春は迷っているのです。

「千春・・、
心配しなくてもいいよ!
遠慮しないで聞きなさい、結果が知りたいのでしょう・・・」

「判ります・・?
では、はっきりお聞きします・・、
お話はまとまったのですか・・?」

真剣な表情を作り千春が質問しています。春美が一瞬悲しい表情を見せました。それが千春をか
らかう演技だとは知らないで、千春はすこし慌てています。

〈・・やはり、聞かなきゃよかった・・・〉

本気で千春は悔いていました。

「実はネ・・・、いろいろあってネ・・、
お見合いした当日、内祝言を挙げて、私・・、結婚しました・・」

「エッ・・・、嘘・・・・!

予想を大きく上回る春美の返事に千春が大きな声を上げています。

「フフ・・・、
嘘じゃないよ、仮祝言を挙げて、夫婦になり、初夜も済ませた・・。
まだ、入籍は済ませていないけれどネ・・・」

「だったら・・、最初からそう言ってください!
私・・、余計な気を使って、心配したんですから・・・・」

「ゴメン、ゴメン・・・、
千春が心配そうにしているから、少しからかうつもりだった・・、
本当は誰かに話したくて、じっとしていられないほど、嬉しいの・・」

「私こそ、ごめんなさい・・、
ビックリして、大きな声を上げてしまいました。
でも良かった・・、おめでとうございます・・、先輩・・・!」

椅子から立ち上がり、千春が深々と頭を下げています。千春の目にも、春美の目にも涙が滲んで
いました。

「先輩・・、嬉しそうですね、
これまでこんなに輝いている先輩を見たことがなかった・・・」

「アラ・・、そう・・
そう言ってくれると、うれしい、ありがとう・・・」

まんざらでない様子で春美が素直に頭を下げています。

「主人になる人は決して美男子ではないけれど、素朴で、良い人だし・・・、
その上、二人の男の子がとっても可愛いの・・・・」

これまで二人はこの居酒屋で、互いの秘め事を告白し、悩みを相談してきた仲なのです。今まで
二人の話題はそのほとんどが店の客の話でした。


[20] フォレストサイドハウスの住人たち(その4)(82)  鶴岡次郎 :2013/10/13 (日) 11:47 ID:gPeevFHc No.2417

千春と春美、二人の関係を良く理解していただく意味でも、また、二人の仕事の内容をご理解い
ただく助けになると思って、ここで少し遡って千春と春美の女子会を覗いて見ましょう。

むせ返るような昼間の暑さがようやく消えて、人々が一息つける涼しい夜がようやくやってきた
9月のある日のことです。今日はそう・・、春美がお見合いする一ヶ月ほど前の二人だけの女子
会です。勿論、一ヶ月後に春美に結婚話が持ち上がり、結婚することなど二人は夢にも思ってい
なかった頃のことです。週に二度ほど、どちらからともなく声をかけあって、二人はこの酒場で
落ち合い、二、三時間ここで過ごすのです。二人にとって、この時間が生甲斐になり、いやしの
時間になっているのです。

「先輩・・、聞いて下さい・・、
いきなりですよ・・、前から指を入れてきたんです・・。
個室に入って一分も経っていない時ですから、
まさかそう来るとは思っていなかったのです・・」

適当にアルコールが入るといつものように淫らな話に落ち着きます。千春が今日対応したお客と
の関係を話し始めました。

「お客様の前に跪いて、フィッテングしていた時でした。
膝を緩めて、ショーツをチラ見させるのは、いつものことです、
その日は白いTバックを着けていました・・。
もち・・、ブラウスの下はノーブラ・・。

お客様の手がスカートの下に伸びるまでは計算の内でした。
多分そこで止まり、いつものように脚を触られると思っていました。
今日は違いました。

素早いのです、あっと言う間にアソコまで手が伸びて、
ショーツの脇から指が進入し・・、
すんなりと穴に入れられてしまった・・・」、

「そう・・、よくある話よ・・、油断してはダメよ・・
千春が魅力的で我慢できなかったのよ・・
・ ・・で、その後どうしたの・・」

「どうて・・、そのまま受け入れて・・、
彼の顔を見て、『めっ・・』て、睨んでやりました」

「アラ、アラ・・、なあーにそれ・・、
もっとやってくださいと言っているようなものでしょう・・・、

そうか!・・判った・・、朝から欲しくて、アソコを濡らしていたんだ・・、
そこへ悪戯な指が伸びてきた・・、
これ幸いと、咥え込んだ後は、両脚を閉じて男の指を抜かさず、
そのまま受け入れていたのでしょう・・・」

「ハイ・・、フフ・・・、その通りです・・・、
最近はお客を迎えると、毎回濡れてきていて、その時もタップリ・・、
気持ちよくて、『そのまま・・、そのまま・・』て感じでした・・
しっかり締め付けていたと思います・・・」

「千春がやりたがっているのを、男は察知したはずネ・・・、
最後まで行ったでしょう・・?」

「先輩は何でもお見通しですネ・・、
ハイ・・、その通りです。
生理の前で、朝からもやもやしていました。

そのお客様は何度かお付き合いしている方で、
軽い気持ちで悪戯したのだと思います、
私がそれ以上の行為を拒否すれば指だけで終わっていたと思います。
私・・、指だけでは我慢できなかったんです・・・」

「あきれた・・、アレが欲しい・・、
もっと欲しいと言って、
お尻を振り、指を締め付けたの・・」

「いや・・ァ・・、先輩!
そんないやらしいこと言わないで下さい・・」

少し酔った千春が嬉しそうに手を振っています。春美も酔いの回った粘ついた視線で千春を見て
います。



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