フォレストサイドハウスの住人達(その24)
42 フォレストサイドハウスの住人達(その24)
鶴岡次郎
2019/08/30 (金) 15:59
No.3236
「・・・で、佐王子さんとの関係はどうなの…、
悠里を墜として目的を果たしたわけだから・・、
もう、エサを与える必要がなくなったはずだね、
彼に抱かれる機会はぐっと少なくなったでしょう・・?」

「おっしゃる通りよ…
娼婦になってから、彼に抱かれる回数はうんと少なくなった・・・
ほとんど毎日抱かれていたのに…、
今では、月に一回か・・、二回・・・・
だから、その日はむさぼるように彼を食べつくすの…、
加奈に見せたいくらい、私・・、狂うのよ…ふふ…」

淫蕩な表情を作って加奈を見て、悠里が答えました。

「このマンションに限っても、彼を待っている女が多いから・・、
私が独占できないことは最初から、判っていたし、
そのように宣告されていた・・・
だから、仕方がないのよ・・・・」

多少投げやりな調子を込めて悠里が話しています。

「男は誰でもそうだね・・、
そんな調子では、お客とごたごたが起きた時など・・
見放されて、困ることが起きるんじゃないの…」

「そのことでは心配していない…、
確かに抱かれる回数は激減したけれど・・、
私への態度は初めて会った時と変わっていない、
むしろ、その頃より優しくなったと思える。
とにかく、佐王子さんは見かけ以上に紳士よ・・、
今のところ、彼に頼っていれば、大丈夫だと思っている‥」

「そう・・、
それなればいいけど…、
ところで、体の方は大丈夫なの・・、
たくさんの男を相手にすると疲れるでしょう…
そうは言っても、三十路に入っているのだから・・・」

「私って・・、ご存知のように…
アレするのが好きでしょう・・、
三日もアレ出来ないと狂い出すのよ・・・、
だから、いろんな人を相手に商売するのが苦にならないの・・・・
アレをやった後の方が、体調もいいみたい・・、ふふ・・・・」

「ああ・・、判った…、判った…、
それ以上は言わなくていい・・・、
もう・・・、本当にスケベーなんだから・・、
心配して損をしたわ‥、
でも・・、チョッとでも危ないと思ったら、必ず連絡してね・・、
力になるから・・…」

悠里は売春を止める気がないのです。売春そのものに抵抗をそれほど感じていない様子なのです。危
険だと説明しようとしても、悠里を納得させるに十分な具体的な危険事例を加奈は説明できないので
す。今日のところはあきらめて、しばらくは静観して、悠里が本当に困った様子を見せれば、その
時、手を差し出そうと加奈は決めました。

悠里と別れて自宅へ戻った加奈は薄暗い室内で明かりもつけないでぼんやりと座っていました。そし
て、悠里との話をぼんやりと思い起こしていたのです。

悠里を説得して泥水の中から救い出そうとしたのですが、加奈は失敗しました。そのことはそれほど
苦にはなりませんでした。悠里の様子が思った以上に明るく、売春をやることへの心構えもしっかり
していたからです。悠里のことより、加奈は、自身の身中に渦巻くむず痒い感触に悩まされていまし
た。考えるまでもなく、それは今盛りを迎えた加奈の体が男を求めている疼きだと加奈には判るので
す。悠里の話した際どい色話で下着はしとどに濡れているのです。

「ああ・・・・、
私も・・・、やって見ようかな‥‥」

ゆっくりとスカートの裾をまくり上げ、白いパンティの裾から指を入れて、慣れた手つきでその部分
の刺激を始めました。水音が室内に響いています。今日も夫が出張で、いつものように淫具に頼る道
しか、加奈には残されていないのです。悠里のように娼婦になる道もあるなと・・、加奈はこっそり
と思たりしているのです。