フォレストサイドハウスの住人達(その24)
40 フォレストサイドハウスの住人達(その24)
鶴岡次郎
2019/08/08 (木) 16:33
No.3234
「そう・・・、
感性が鋭いと言えば聞こえがいいけれど、
あきれるほどスケベーなのよ・・・、
どんな男の前へ出ても・・、
彼の中にオスの本性を見つけ・・、
直ぐにアソコをびっしょり濡らすほど感じるのよ・・・・」

「ふふ・・・、悠里の言葉には毒があるわね・・・、
ひょっとして由美子さんを妬んでいない…?」

「それは妬むわよ・・・、
佐王子さんから神と思われるほどの女だからね…」

「私は・・、由美子さんに興味があるな…、
もっと彼女のことが知りたい…」

加奈が真顔で言っています。

「それほど加奈が興味を持つなら…
佐王子さんから聞いた彼女のエピソードを少し話すね・・、
私にはとても手の届かない世界の人だけれど、
加奈にも、勿論私にも、勉強にはなるわよ・・・、
忘れた部分もあって、
私の脚色もあるかもしれないから、そこは我慢してね・・・」

悠里がゆっくりと話し始めました。喫茶店内にはほとんど客はいません。二人にはたっぷりと時間が
あるのです。のんびりと、少し色っぽい話をを楽しむには絶好の条件がそろっています。


機会があれば、何をおいても関東にある天狗組へ全国の親分が、いそいそとやって来る表向きの理由
は、勿論会議であったり、もめごとの相談であったりするのですが、東京へ来る各親分に共通の目的
は、大親分のおかみさん、由美子を抱くこと、いえ、由美子に抱かれ、慰められ、癒してもらうこと
が第一目的なのです。

そんなわけで、由美子は各地に散らばる的屋の親分衆とはほぼ全員と定期的に交わります。色の道で
は当然凄い修業を積んだ男達で、さすがの由美子もたじろぐことが多いのです。そんな男達ですか
ら、相手の女性に困ることはないはずですが、彼らにとって由美子は特別なようで、先を争って由美
子を抱きに来るのです。

仕事に行き詰まった時、途方にくれる事態に直面した時、彼らは何をおいても由美子を抱きたいと思
うようです。黙って男達の話を聞いてやり、ただ、優しく抱擁し、愛情込めてセックスする。それだ
けのことですが、由美子の寝室を出る時、男達は見事に立ち直り、試練に向けて、力強く立ち向
かって、その一歩を踏み出して行くのです。男達の背中を由美子はいつもベッドから見送ります。精
魂込めて相手をするので、とても、男達を見送る体力が残っていないのです。

親分衆ばかりでなく、彼らの傘下の組合員や知り合いにも由美子は良く抱かれます。そればかりでは
ありません、街中をさまよい歩く迷い羊のような男性を由美子は良く拾い上げるのです。

女性との初セックスに失敗して、死に場所を求めて高架の歩道上にたたずんでいる20歳代の男と遭
遇し、その初セックスの失敗談を優しく聴きだし、近くのラブホテルへ彼をいざない、優しくセック
スのイロハを教えた由美子。

宅配会社に勤務して、40年近く街々に宅配便を配り歩いた中年男、右足に障害を抱えていて少し不
器用な歩行をするのです。それでも、まじめに勤め上げ、今日が最後のお務めだと由美子宅を訪れた
男は、長年由美子にあこがれてきたことを告白したのです。

由美子は黙ってスカートの裾を腰までまくり上げ、男の目の前で下着をとりました。男は一瞬驚きま
したが、笑みを浮かべた由美子に促されて、泣きながら由美子を抱きつき、その部分に顔を埋めました。

大きく体を反らして、うめき声をあげながら、由美子は男に両手を差し出しました。男はズボンと下
着を取り外し、立派な男根をおそる、おそる女陰に挿入しました。それは由美子と言えど久しぶりに
味わう一物でした。由美子は愛情込めて男をもてなし、男の持ち物がいかに素晴らしいか口を極めて
褒めたたたえ、最後には体をそらせて逝って見せたのです。

玄関での短いセックスでしたが、その男には竜宮城でのセックスに匹敵するものでした。退職後、男
は結婚し、快適な隠居生活を楽しんでいます。由美子に与えられた男の自信が愛妻を射止める原動力
になったのです。