フォレストサイドハウスの住人達(その24)
39 フォレストサイドハウスの住人達(その24)
鶴岡次郎
2019/08/01 (木) 14:21
No.3233

「加奈だって、判らないでしょう…、
でもね、それ以上質問しても、
佐王子さんは自分で考えろと言うの・・・。
加奈・・、判る…?」

「ウ・・・ン・・・、
参ったね・・、その答えが判らない女は・・
それだけで、いい女失格だと佐王子さんは言いたいのかもね・・」

佐王子の仕掛けた罠に嵌ったことを加奈は感じていました。二人の女は黙って考えています。静かに
時が流れてゆきます。佐王子が教えてくれた言葉を頭の中で二人は何度も反芻しているのです。

10分も経ったでしょうか‥、加奈がつぶやいています。

「男の宝って…
それって・・・」

加奈の独り言に悠里が反応して、二人は視線を合わせて、互いに頷き合っています。何かを掴んだ様
子です。

「判った・・、
判ったような気がする…・」

自信なさげに加奈が言っています。

「私も…、何となくだけれど…
判った気がする…」

悠里がやはり自信なさげに答えています。

「メスの感性が強いのね・・、由美子さんは・・・
野生動物のように・・、
敏感にオスの存在を嗅ぎ取ることが出来るのね・・」

「うん・・・、
私も、そうだと思う…」

「どんな男に出会っても、
メスには存在しないオスそのものを、
誰よりも強く感じ取ることが出来るのよ・・、きっと…」

「加奈の言う通りだと思う…
それは匂いだったり、体格だったり、あるいはアレそのものだったり・・、
とにかくオスの特性を、誰よりも敏感に感じ取ることが出来るのよ…。
由美子さんは…」

「そうだね・・、
男の宝を嗅ぎ取ることが出来れば…、
あとは簡単だからね…
メスはオスには屈服するように作られているから、
見かけに邪魔されないで、全ての男を愛することが出来るようになる‥」

「そうだよ・・、加奈の言う通りだよ・・、
由美子さんはどんな男に会っても・・
真っ先にその男の持つオスの本性を探り当て・・・、
自身のメスの本性を刺激することが出来るのよ・・
だから・・、心底からその男を好きになれるのよ…」

「佐王子さんは・・、
そのことが言いたいのよ…
いい女に成りたいと思うなら・・・・、
オスの香りに、オスの気配に、
もっと敏感になれと言いたいのよ・・・・」

加奈が勢いづいて発言しています。

「きっと、彼女はメスの感性が驚くほど高いのね‥
あきれるほどスケベーなのね・・・、ふふ・・・・」

二人の意見は一致したようです。