フォレストサイドハウスの住人達(その24)
34 フォレストサイドハウスの住人達(その24)
鶴岡次郎
2019/07/01 (月) 15:29
No.3228

その場に偶然通りかかったのが鶴岡由美子です。公園の傍に売店を持っている親友美津崎愛を訪ねる
途中で催し、公園内のトイレに入ったのです。トイレの傍に停まっているトラックの運転席で、激し
く絡み合う男女の声がトイレの窓を通してその中に居る由美子に聞こえました。

窓を開けると運転席の窓とトイレの窓が同じ位置にあり、窓を開けた由美子とトラックの窓からほと
んど顔を突き出してあえいでいた千春とは、至近距離で顔を合わせることになったのです。

二人の女は一瞬視線をそらしましたが、すぐに視線を戻し、どちらかともなく、にっこり微笑み
合ったのです。千春を四つん這いにして後ろから挿入していた若い男も由美子に気がついたはずです
が、かまわず、いえ、むしろ積極的に、激しく抜き差ししたのです。悶える表情を由美子に見せつけ
るように千春はトラックの窓から上半身を乗り出させ、トイレの窓から体を差し入れ、ほとんど個室
に居る由美子の顔にくっつくほど彼女自身の顔を寄せたのです。そして、由美子に声をかけたので
す。

「ああ・・、見て・・、見てください…
恥ずかしい私を見てください…
ああ‥ッ・・、
そこ、そこ・・、そこが良いの…
もっと・・、もっと・・、強く・・、突いて・・ェ・・」

あえぐ女と、黙ってその人を見つめる女、この瞬間、女二人は互いの体に流れる淫乱因子を感じ取
り、同類の生き物がここに居ると理解したはずです。下半身を若い男に蹂躙されている千春は襲い来
る快感に堪えきれないようで、顔をゆがませて、由美子に聞かせるように、遠慮のない喘ぎ声を発し
ています。

「いいわね・・・、こんなところで・・
とってもきれいよ・・・、
うらやましい・・・」

手を伸ばし、ゆっくりと千春の頬に触り、笑みを浮かべて由美子が囁いています。用を足しているそ
の姿のまま立ち上がったのでしょうか、下半身を露出したままです。堪え切れなくて遊びの指を伸ば
したのでしょうか、股間に指さえ挿入しているのです。由美子のその恥ずかしい姿を千春がしっかり
確認しています。

千春に時が来たようです。体をのけぞらし最後の悲鳴を上げ、トラックの窓から身を乗り出したその
姿勢のまま気をやりました。男が千春の体を優しくトラックに引き入れ、由美子に軽く会釈していま
す。由美子も若い男に会釈を返し、トイレの窓をゆっくり閉めました。このままで終わっていれば、
二人のスケベーな女、由美子と千春の物語はここで幕が下りていたはずでした。千春の執念がその扉
を開きました。

地元の住人で、この公園には時々来る人だと決めて、千春は由美子を探すことにしたのです。数日
間、公園で待ち続けた千春は由美子と再会を果たします。二人は急速に近づき、親友になり、由美子
の旧友である美津崎愛とも仲良くなり、愛の経営する売店内で由美子、愛、そして千春は女三人の楽
しい女子会を定期的に開くようになっているのです。

悠里が加奈に話した由美子は5000人の会員を抱える露天商組合の大親分のおかみさんです。一
方、千春が加奈に語った由美子はマンション近くの閑静な住宅街に住む裕福な元会社役員の奥様で
す。まったく相反する生活環境に二人は居るのですが、共通点もあり、ともにセックスの達人でこの
上なくスケベーで、男性経験も、ソープ店に勤める千春に匹敵するほど豊富なことなのです。この時
点で由美子は二人いると加奈は思っていたのです。

「その千春さんの語る由美子さんと・・・
私の知っている由美子さんは別人ね‥‥、きっと・・、
それにしても、由美子さんと呼ばれる女性はみんな超スケベーなのね・・・、
これから街で由美子さんと名乗る女性に出会ったら・・・、
気を付けないとね・・・、ふふ・・・・」

加奈から千春の語る由美子の事情を聴かされた悠里が笑いながら言っています。

「多分ね・・、別人だと思う…
千春さんにも確かめてみるわね・・・、
ところであなたの由美子さんの話、まだ終わっていないよ・・、
佐王子さんが心酔する由美子さんの神の技・・、
話してください・・、お願いします‥」

加奈が言葉を改めて、最敬礼をして悠里にお願いしています。