フォレストサイドハウスの住人達(その24)
33 フォレストサイドハウスの住人達(その24)
鶴岡次郎
2019/06/26 (水) 14:27
No.3226
加奈が由美子の名前を聞いたのは今回が初めてではないのです。マンションの住人で、加奈の親友の
一人でもある浦上千春から由美子と名乗る女性の噂話を時々聞かされているのです。

浦上千春は以前にも登場したので、覚えている方もあるかと思います。大手商社マンの夫と子供二人
の家族です。加奈とは、同年代で、同じマンションの住人だと言うこともあって、何となく波長が合
うところが互いに気に入り、二人は頻繁にお茶をする仲なのです。悠里同様、何でも話し合う仲で、
加奈は街のカラオケ店で男狩りをしていることさえも千春に話し、千春はソープに勤めていることも
加奈に話しているのです。そして話の流れで千春の親友である由美子のことも千春は尊敬を込めて加
奈に話すことがあるのです。

「八丁目の高級住宅街に住んでいる由美子さんと言う女性が居るの・・、
私達より少し年上だけれど、日ごろから親しくしていただいているの‥
とっても上品で素敵な人なの・・・、
でもね・・、驚いたことにお店勤めの私より男性経験は豊富なの・・、
そしてね・・、私なんか比べ物にならないほどスケベーなの・・」

「エッ・・・、千春よりスケベーなの・・
そんな人がいるなんて信じられない・・、ふふ…」

「何・・、それ・・、
でも・・、居るのよ・・、世の中は広いわよ…、
会えば、いつでも、スケベーな経験談をいっぱい聞かされるは・・、ふふ・・・」

ソープ勤めの千春が負けるほど男性経験が豊富で超スケベーな高級住宅街の佳人、そんな鶴岡由美子
に加奈はかなり興味を持っているのです。できれば一度会っていろいろ話を聞きたいと思っているの
です。そんな時、悠里の口から由美子と呼ばれる女性の話題が出たのです。悠里が話す由美子もかな
り魅力的な女性です。親友二人の口からそれぞれに由美子の話題が出たのです。加奈は少し混乱して
いました。

鶴岡由美子と浦上千春の出会いは以前にも紹介しましたが、ここで少し思い出してみましょう。

少し前のことになりますが、ある休日の昼下がり、夫と子供たちを連れてFSマンション前の公園に
遊びに来ていた浦上千春は突然若い男から声を掛けられ、びっくりしました。その男は勤務している
佐王子のソープ店でひいきにしてくれるお客の一人だったのです。

「お店のお客様…、危険な人でないから、安心して…。
上手く裁いてくるから、少し時間をちょうだい・・。
先に帰ってくれても構わないから、
私も追いかけてすぐに家に戻るから・・・」

「判った…、
向こうの砂場で遊んでいるから…」

少し慌てましたが一緒にいる夫には店のお客の一人だとささやき、無視することは出来ないから、彼
と少し話をすると説明して、子供と夫を公園内の遊び場に残し、彼の傍に行ったのです。妻のソープ
勤めを認めている夫は少し寂しい気持ちを抑えて妻、千春を見送ったのです。

公園内の隅にあるトイレの傍に隠すように停車させている彼の大型トラックの中へ二人は入りまし
た。黙って抱き合い、濃厚なキッス、千春から誘ってその若い男と絡み合いを始めたのです。勿論夫
には隠れてのことです。