フォレストサイドハウスの住人達(その24)
30 フォレストサイドハウスの住人達(その24)
鶴岡次郎
2019/06/21 (金) 17:38
No.3222

「私の才能なんて・・、
女なら誰だって持っている程度のものだと思う、
彼の指導方法が良かったのよ・・。
ソープのお姐さんたちの中には、
私など足元にも近づけないすごい女性が沢山いるのよ・・・」

「・・・・・・・」

わずかな期間ですが、その世界に身を置き、プロの女性の厳しさを、文字通り肌で学び取った悠里
は、彼女自身の女子力の限界をちゃんとわきまえている様子です。自慢にしても良いはずの潮吹き
も、男が悲鳴を上げる強い締め付け力も悠里は普通のことと、思っている様子なのです。少し前まで
は同じ専業主婦だと思っていた悠里がどこか遠くへ行ったと感じている加奈です。黙って悠里を見つ
めています。

「良かったら・・、
彼の指導方法を少し聞かせて・・・
見習うことがあれば、すぐにでも取り入れたい…」

セックスの技、男に接する心構え、どれをとっても加奈は大きく水をあけられたと感じています。少
しでも悠里の域に近づきたいと加奈は思っている様子で、佐王子の指導方法に本気で興味を持ってい
るのです。

「彼・・、すごく、具体的に教えるのよ、
それが、男性目線でなく、
女性目線での指導なの・・、
まるで女性に教わっているかのようにね…」

「ヘエ・・、女性目線で指導するとはね‥‥、
さすがね・・・、
たくさんの女性を抱いて、経験したことを・・、
悠里にあれこれ、教えるのね…‥」

「その通りよ‥
佐王子さんに言わせると、接する女性はみんな先生らしい・・
どんな女性と接しても、必ず、得ることがあるらしいの‥。
それでも、この人は特別だと尊敬する女性が居るとも言っていた…
その人から教わったことは生涯忘れないとも言っていた…」

「誰・・、その女は・・、
佐王子さんの愛人かしら・・、
悠里・・、知っている人なの…」

「知らない人・・、
でも、名前を教えてくれた…、
天狗組の親分の・・・、
おかみさんだと言っていた・・」

「天狗組って…」

「お祭りなんかで屋台を出している露天商が居るでしょう、
その露店商の大きな組合の一つに、関東を取り仕切る天狗組がある。
組の傘下に、500人を超える組員が居るらしいよ‥、
その組長のおかみさんが、由美子さんと呼ばれる人なの…」

ここで由美子が登場するとは予想できませんでした。どのような展開になるのでしょう。