フォレストサイドハウスの住人達(その24)
16 フォレストサイドハウスの住人達(その24)
鶴岡次郎
2019/04/04 (木) 14:57
No.3207
床を見つめて悠里は黙って聞いていました。木島の言葉が切れると、悠里はゆっくりと顔を上げ、口
を開きました。

「木島さん・・・、
私が間違っていました。
プロである以上・・、その程度のことに怯んでいては・・、
この仕事をやる資格がないことに気がつきました。
ご迷惑をおかけしました・・。
しっかり訓練を受けて、お客様を喜ばせるよう頑張ります‥」

「判っていただけましたか・・、ありがとうございます…。
しかし、間違って受け取られては困るので・・、
言っておきますが・・、
お客様の要求であれば、どんなことでも受け入れるべきだとは・・・、
私どもは考えておりません。
私どもスタッフの一番大切な仕事は・・・、
悠里さんをはじめ、ここで働く女性の安全と秘密を守ることなのです・・・」

悠里が緊張の表情で頷いています。

「この先、少しでも不安や、疑問があれば、
ためらわないで私たちに相談してください。
話し合って、解決する方法を探したいと思っています…
よろしいですね…」

悠里が黙って頷いています。

「では・・、アヌス訓練を始めましょう‥、
本日は私が・・・、悠里さんのお相手を務めます‥‥
よろしいでしょうか・・、
では、さっそく始めましょう‥」

部屋を出ていた、若い男性スタッフと指導係のお姐さんが呼び戻されました。

「お尻の準備から、本番、そして、後始末まで・・、
この二人の先輩がお手本を示します。
二人を見ながら、私達もやって見ましょう…」

こうして、訓練が再開されました。


「今では、お尻を使うのは私の得意技になっている。
美貌とオマ〇コには自信があったけれど…、ふふ…
結構こちらの方にも、根強いファンが出来たのよ‥」

朗らかに語る悠里の言葉に加奈の表情は凍り付いています。悠里が遊び半分で、安易に娼婦の世界に
入ったと思いこみ、その世間知らずで、ちゃらんぽらんな行動を散々に非難したのです。しかし、す
でに訓練段階から厳しい現実を突きつけられ、悠里はそれなりに難題をクリアして、娼婦への道を選
ぶ覚悟をしっかり固めていたのです。

「私・・、悠里に謝らなくてはいけない…」

「・・・・・・」

加奈が思いつめた表情で口を開きました。加奈の様子を見て、びっくりしたようで、悠里が加奈の顔
をまじまじと見つめています。