フォレストサイドハウスの住人達(その24)
12 フォレストサイドハウスの住人達(その24)
鶴岡次郎
2019/03/16 (土) 17:11
No.3203
「どう・・、このあたり・・・・、
すっかり脂がのって、おいしそうでしょう‥
お風呂で自分の裸を見て、
自分でも嫌らしい体だと思うもの・・・・
家事をしていても・・、チョッとした瞬間…、
あの男の匂い、精液の香りを感じるの…
きっと、体にあの匂いがしみ込んでいるのよ…
うれしいような、恥ずかしいような、
奇妙な気分よ・・・・・」

笑いながらそう言って、自分の胸のあたり、腰回りを触る悠里です。何やら誇らしげにさえ見える悠
里を見て、加奈が笑っています。

〈悔しいけれど…、
すっかり色っぽくなった…
本当にいい女に成ったわ…

男に抱かれると・・、
女は変貌すると言うけれど・・、
きっと、アソコも男を喜ばせる良い感じになっているのね‥〉

口には出せない言葉を心中で言いながら、加奈は笑いながら悠里を見つめています。

確かに悠里は変わりました。元々超美形の悠里なのですが、短期間に過激とも言える豊かな情事を
経験して、同性の加奈から見ても、以前の超然とした冷たい感じが消えて、悠里は妖艶な女に変貌し
ているのです。

「加奈…、
心配してくれるのはとっても嬉しいけれど…、
これでも相当考えた上での決心なの、
加奈ならわかると思うけれど…、
体が無性に萌えて、
この仕事を選ばないと、
私・・、もっと悪いことをしそうなの…
自分の体が怖い・・・、
しばらくは、この仕事を続けてみるつもりよ…
軽蔑しないで、黙って見ていて欲しい…」

「悠里のからだの悩みは私にもよく判る
そしてこの仕事を選んだ気持ちも理解できる・・、
だから、もう・・、悠里を責めない…、
それに・・、10人以上に抱かれたのだから・・・、
いまさら止めても、元に戻れないよ‥‥、ふふ・・・
その上・・、何だか楽しそうだし…、
悩んでいる様子でもないし…、ふふ…・・
仕方ないね…・」

加奈が苦笑いしながら言っています。

「そうよ・・、悩んでなんかいない…、
こんな私…、不潔に思うでしょう・・、
嫌いになった…?」

「バカ・・、嫌いになるはずがないでしょう…、
でも・・、本当にびっくりした・・
もっと早く、その・・、
そんなに、深入りする前に相談してほしかった・・・
同じ結果になっていたかもしれないけれど・・、
悠里が悩んでいる時、相談相手になりたかったな…」

「ゴメンナサイ・・、
加奈には隠し事をしたくなかったけれど・・、
このことだけは・・、直ぐには言えなかった…」

「いいのよ・・、
正直に言ってくれてうれしい…
でも・・、今でも・・、心配は、心配なのよ…」

「判っています…」

「絶対無理をしてはダメだよ・・・、
危ないと思ったら、逃げ出すのよ・・、
困ったら、私に連絡して・・、
悠里のためなら何でもするから…・」

真剣な表情で加奈が言っています。悠里は少し当惑している様子を見せています。どうやら娼婦の仕
事に対する感じ方の温度差が二人の間に存在するようです。