フォレストサイドハウスの住人達(その23)
12 フォレストサイドハウスの住人達(その23)(745)
鶴岡次郎
2018/11/19 (月) 11:02
No.3186

「村上さん・・、
せっかく招待しておきながら
誠に申し訳ないのですが…、
よろしければ・・、
これから私は研究所に出向きたいのです‥、
昨日仕掛けた実験の結果が出る頃なのです‥」

「そうですか…、
勿論、私は構いません・・、
私はここらで、お暇します…」

「いえ、いえ・・、
村上さんはゆっくりして行ってください・・、
そうだ…、
ご迷惑でも、今晩ここに泊まってくれませんか‥。
子供たちも、きっと、喜ぶと思います‥。
咲江は・・、それでいいね…」

「ああ…、やっと・・・、
私の存在に気がついたようね…・、
二人の話がどんどん進んで、
私の意向は聞かないのかと、
ちょっとムカついていた・・」

「ゴメン、ゴメン…
咲江を無視するつもりはなかったんだが・・・、
咲江もきっと僕と同じ気持ちだと、勝手に思い込んでいた
気に食わないのなら、村上さんにお願いして撤回してもいいが…」

「気に食わないなんて・・・、ちっとも思っていない…
夏樹の優しい気持ちに感謝している…、
そして、あなたが村上さんにお願いしたことは・・、
私も同じ思いです。
多分、村上さんが居ないと私は不良になると思う‥、
街に出て手あたり次第、男アサリするかも、ふふ・・・・。
村上さん・・、宜しくお願い致します・・・」

ニコニコ笑いながら咲江が答えています。

「よし・・・、これで決まった・・・。
村上さん・・、よろしければ…。
きょうから自由に僕たちの寝室を使ってください…、
ご存知のように、咲江は凄い声を出しますので、
他の部屋では近所迷惑になりますから…・
それと…、
万が一、村上さんの手に余るような事態になれば・・・
村上さんのご配慮で妻に、別の男を与えていただいても…」

「ストップ!
夏樹・・、そこまででいい・・、
研究所に早く行きたいのでしょう…
後は、私と村上さんで考えるから…・」

「アハハ・・・・、
判った、判った・・、出かけるよ・・・、
明日は夜遅くなると思う・・、
帰る時間が決まったら連絡をするから…
村上さん・・、では・・・」

あたふたと坂上は出て行きました。もう・・、彼の頭の中には研究のことしかない様子です。