フォレストサイドハウスの住人達(その23)
10 フォレストサイドハウスの住人達(その23)(743)
鶴岡次郎
2018/11/09 (金) 14:28
No.3184

「判りました…。
お二人には何も隠しません…。
その通りです・・・、
私はスケベーな女です・・・」

「・・・・・・」

笑みを浮かべて咲江は男たちの顔をまっすぐに見つめて言い放ちました。男二人は愛想笑いを浮か
べ、無言で咲江を見つめています。この場はすっかり咲江のペースに巻きこまれています。

「おっしゃる通り…、
男なしでは三日と生きていけない女に堕ちてしまいました…。
勿論、私自身の問題ですが、
お二人にも多少の責任はあると思います。
さあ・・、お二人さん、どうしてくれるのですか‥‥?
ふふ・・・・・・」

嫣然と笑いながら、一気に本音を吐露しています。

「判った、判った…、
今からその対策案を村上さんに相談するところなんだ…
少し、大人しく聞いてほしい…」

「判りました…。
よろしくお願い申します…」

愁傷な表情で咲江が頭を下げています。

「そんなわけで…、
子供たちのこと以上に、咲江のことが気になります・・・」

坂上の言葉に、村上が何度も頷いています。咲江は笑みを浮かべています。

「そのような事情ですから・・、
私が長期間家を空ける時には・・、
泊まり込みで来てほしいのです・・
言ってみれば、代理夫を務めてほしいのです・・・・」

「判りました…、
旦那様がお留守の間は・・、
こちらにお世話になり、奥様や、お子さんと、
寝食を共にさせていただきます‥」

「ありがとうございます…、
今ところの予定では・・、
出張は一ケ月先から始まる予定です。
そのつもりでお願いします‥」

「承知しました・・、
ご存知のような商売ですから、時間に余裕はあります。
残る問題は、私の体力です。
美味しいものを食べ、節制して体力増進に、
今から努めます…」

村上がまじめな表情で悲壮な覚悟のほどを示しています。夏樹は笑っていますが、咲江は少し不満そ
うな表情を浮かべています。