フォレストサイドハウスの住人達(その22) 
13 フォレストサイドハウスの住人達(その22)(733) 
鶴岡次郎
2018/10/11 (木) 10:23
No.3172
「愛さんの話を聞いていると・・・、
私達が凄くスケベーに聞こえますね・・、
由美子さんはともかく・・・、
私は・・、普通の女ですよ…」

「あら、あら・・、ご謙遜を…、
日に数本、アレを食べている女性を、
普通の人とは言いませんよ‥‥」

「そうかしら…
ふふ・・・、そうかもね…」

「そうよ・・、自覚が足りないのよ・・」

愛と千春が笑いながら、危ない言い争いをしています。由美子が笑って二人を見ています。

「本性を探れば・・、
女はみんなスケベーかもしれない・・・、
少なくとも・・、私は…
スケベー女と言われても、否定できない…」

由美子が少し改まった調子でぽつりと言いました。愛も、千春も黙って頷いています。

「村上さんの話に戻すね…
彼の凄さは・・・、
一言で言って、女心を持った男性なの・・・」

「女心を持った男性・・・・!」

愛も、千春も判ったような、判らないような表情です。

「かゆいところに手の届くような愛撫をしてくれるの・・、
そこを触られたら・・、私・・、ダメになります・・
そんなポイントを確実に探り当て、丁寧に攻めてくる・・
あの指使いは、まさに女性、そのものだと思う…」

「そうなんだ・・・・・」

二人の女はようやく理解した様子です。

「それでいて、
男根はしっかり存在感を主張しているし・・、
肌の香りも女を狂わせる男の匂いに満ちている・・。
そんな人が一時間はおろか、二時間も攻めて来るのよ、
どんな女だって狂ってしまう…
まさに、モンスターよ・・、
見かけは普通の男だけどね…」

「ふ・・ん・・・・・」

由美子の説明に、愛も、千春も絶句して、軽口一つ、口に出せないのです。

「でも・・、由美子さんは・・・、
そのモンスターと対等に戦った・・。
由美子さんもすごい・・
私だったらと思うと・・、
ワクワクする半面・・、怖い気持ちの方が強いです…」

千春が感嘆の声を上げています。ソープ勤めなどで経験豊富なだけに由美子の簡単な説明で、村上の
すごさを十分実感できているようなのです。

「彼が有名な業師だと知っていて・・、
それなりの心構えをしていたから、
対等に戦えたけれど・・・、
もし・・、予備知識が何もなかったら・・、
返り討ちにあって、ボロボロにされていたと思う‥」

10年以上前、竿師だった村上と戦った経験を由美子は持っていたのです。もちろん、村上も由美子
のことを思い出していたのです。互いに相手の素性を知っての上での戦いだったのです。

「由美子の話を聞いていて、
村上さんの凄さがなんとなく判ったけれど、
正直言って、私には実感できない…。
それでも、経験豊富な二人の専門家がそう言うのだから・・・、
ナニの大きさだけでは、男の力は測れないのは確かなようだね‥。
それで、モンスター村上さんを落したポイントは何だったの‥?」

愛がまたもよストレートな質問をしています。

「それは・・、
企業秘密でライバルには教えたくないな・・
うふふ…・・」

「ライバルだなんて・・、
由美子さんに対抗するつもりは最初からありません‥」

千春が口をとがらせて、文句を言っています。

「ああ・・、ゴメン、ゴメン・・、冗談よ・・、
でも・・、あなた方が私のライバルであるのは事実よ、
私にとって、16歳以上の女性は・・・、
全員がライバルだよ・・」

由美子がけらけら笑っています。