フォレストサイドハウスの住人達(その20)
39 フォレストサイドハウスの住人達(その20)(663)
鶴岡次郎
2018/02/21 (水) 15:32
No.3091
「そう…、3日に一度・・・、
大体、二、三時間遊んでから寝ることになる。
週末の夜は、十分時間をかける、
夜更けに公園に出かけることもある、
そんな日は、寝るのはほとんど明け方になる…」

「それで・・、休日の昼間・・、
咲江は、ぼんやり過ごしているのね・・・
聞く限りでは、新婚夫婦のように充実しているね、
私たち同年代の夫婦の中では、
飛ぶ抜けて充実した性生活だと思う。
それで文句を言っては、罰が当たるよ…」

「うん・・、
それは判っている‥‥、
この上は望めないこともよく判っている。
でも・・、体が燃えるの・・、
抑えようとしても、抑えきれないほど燃えるの…」

「私の経験から言うと・・、
その激しい欲望は、いずれ治まるよ・・。
今がピークの状態で、きっと治まるから、その時を待つことだね・・」

「うん…」

はげれの悪い様子を見せて、咲江が頷いています。

「どうやら・・、私の言葉が信用できないようね・・、
いいでしょう・・、
そのことについて、少し説明するね・・」

「・・・・」

〈ああ・・、かわいそうに・・、
真剣なまなざしで私を見つめている…、
そんなに辛いんだ…〉

藁にもすがりたい・・、そんな真剣なまなざしで咲江が千春を見つめています。咲江の視線の強さを
から、彼女が抱える体の悩みの深さに千春は改めて心を動かされているのです。

「少し前の夫婦生活を考えてごらん・・、
そう・・、村上さんと言う愛人もいないし、
ご主人のセックスが非常に淡泊だった頃を思い出してほしい・・」

「・・・・・」

「今の咲江から見ると以前の性生活はかなり未熟なものだったでしょう・・。
それでも、咲江は旦那様との性生活にそれほど不満を持っていなかったはず。
そのまま、平穏な生活が続けば、
今のように、欲求不満で咲江が悩むことはなかったと思う・・・」

「・・・・・・」

千春の説明に、咲江がこっくり頷いています。

「偶然から・・、咲江は愛人を手に入れた・・・。
超ベテランの50男に抱かれ、咲江はセックスに開眼した、
セックスの味をしっかり教え込まれた・・。
その上、ひょんなことから、ご主人もまたセックスに開眼した、
さらに・・・、ご主人は稀代の持ち物を備えていた・・・。
好条件が揃い、咲江は一気に、激しいセックスの世界に身を投じることになった。
性の喜びを全身で味わうことになった。
これは不幸なことでなく、女にとって、幸せなことだよ・・・」

「・・・・・・・」

千春の説明に、咲江は黙って頷いています。

「しかし、良いことばかりではなかった、今まで制約された性生活を送ってきた反動で、今、咲江自
身が制御できないほど咲江の欲望は燃え上がっている。だけど、いずれ、その欲望は収まるところに
収まり、咲江が自分で、自身の欲望を制御できるようになると思う‥。これは私の経験から言うこと
で、それ以外何の根拠もないけれど、信じてほしい。激しい性生活に慣れ親しんで、自分で自分の体
が制御できるまでに咲江の体が成長するまで、少し辛いけれど、我慢するんだね…、それは、選ばれ
て、セックスの喜びを勝ち得た女が負うべきミッションだと思う・・」

「うん・・、判った…」

「どうしても我慢できない時は・・、
いつでもいいから、私に連絡してほしい・・。
その道のことなら、私に任せなさい、
咲江一人の欲望を散らす手段など簡単に探せるから・・・。
決して、自暴自棄な行動に走らないでほしい
言っておくけれど、今日のような行動は危険だよ…
咲江が考えているほど世の男たちは甘くないから・・、
少しでも油断すると、地獄に落とされるよ…・」

「ありがとう…、
今日、思い切って、千春に相談して良かった‥
ご忠告通り、今日のような行動は決して繰り返しません」

今にも泣きだしそうな表情で咲江が答えています。