フォレストサイドハウスの住人達(その20)
20 フォレストサイドハウスの住人達(その20)(645)
鶴岡次郎
2017/11/03 (金) 15:21
No.3070

「へへ・・、スケベーなこと、
また・・、言ってしまった…、
おじ様がその気にさせるからよ‥‥
ウフフ……」

ペロッと、真っ赤な舌を出して、咲江がケラケラと笑っています。

「そうか・・、そうだね…
お嬢さんがスケベーになるのは、
私のせいだね、お嬢さんは少しも悪くないよ・・・、
はは・・・・」

「私って…、変でしょう…、
あまり変なことを言うと、
お若い二人に嫌われるわね・・・
ハハ・・・・・」

二人の笑いに誘われて、若い男達も苦笑を浮かべています。その場の危険な雰囲気がいくぶん治まり
ました。

「そう、そう・・、
ここに座った目的は、おしっこの話でなかったわ…、
アンケートを取るのが目的だった…」

咲江の話に男達が頷いています。若い男達にも余裕が戻ってきています。

「10分ほど時間をいただいて・・、
少しお話を伺っていいですか・・」

「僕たちは・・、
三時から設計会議があるので・・・、
それまでは自由ですから・・・、
30分程度ならOKです・・
それで足りないようでしたら・・、
今、連絡すれば、会議開始時間を延ばすことは出来ます・・」

若い二人ですが、建築現場では、設計会議を主催するほどの実力派の様子です。

「そういうことであれば、
二、三分と言わず、一時間でもいいよ・・、
なんせ、私は時間を持て余しているから‥」

「ありがとうございます‥、
そんなに時間をいただかなくても結構です・・、
三十分もあれば十分です・・。
実は・・、私・・、
パーフュ―ム関連の開発会社に関係しておりまして・・」

「パーフュ―ム・・て、何だ・・」

「香水とか、香料の関係ですよ・・」

年配の男が質問し、若い男の一人が答えています。

「その会社で、商品をテストする部門に関係しております。
今回は、男性を引き付ける香りがテーマになっていまして・・、
街を歩いて・・、素敵な男性を見つけると、
こうしてお邪魔して・・、いろいろお話をうかがうのが仕事です」

咲江の説明を聞いて、男たちは軽く頷いています。