フォレストサイドハウスの住人達(その19)
13 フォレストサイドハウスの住人達(その19)(618)
鶴岡次郎
2017/08/29 (火) 14:29
No.3039

「村上総一郎さんと言ったわね・・・、
あなたからの誘いであれば…、
喜んで、どこへでも飛んでいきますから…・
いつでもいいわよ・・・、
組に連絡していただければ・・
直ぐに、私につながるから…・」

「ありがとうございます…、
その日を楽しみにしております…・」

また、男がゆっくりと頭を下げています。

「ネエ・・、ところで・・・、
あなた・・、時間はあるのでしょう…?
少し・・・、
ここで、リハーサルしていかない…?」

「・・・・・・」

「私は…、先ほどから・・、
もやもやしているのよ・・、
ほら・・、見て・・・・・」

「・・・・・・・・」

普段は自分から仕掛けることは少ないのですが、ショーの興奮が収まらないのでしょう、男の強い精
気を浴びて、火に油をかけられた状態になっている由美子です。歯止めが完全に外れています。滴る
ような笑みを浮かべて、ガウンの前を開き、両脚を開き、陰唇を指で開いています。吐き出された愛
液で大腿部がべっとりと濡れているのを・・、サーモンピンクの輝きさえ、男の視線は捕らえていま
す。男は困惑の表情を浮かべ、それでも、じっと、女の体を見ています。

・・と、女が動きました。そっと体を寄せ、両手を男の首にかけ、唇を突き出しています。甘い香り
が男の鼻腔を刺激しています。キッスを求めているのです。男は直立不動の姿勢を崩しません。それ
でも、男の股間が限界まで膨張しているのを、女の肌は感じ取っていました。男は動こうとしませ
ん。女は男の頬にキッスを残して男から離れました。

「今の私では・・、
とても姐さんのお相手は出来ません…、
ご厚意はありがたいのですが・・・、
今回は・・、平に、おゆるしください・・・」

「・・・・・・・」

硬い表情を浮かべ男がゆっくりと頭を下げています。黙って、由美子が頷いています。男は、もう一
度、深々と頭を下げて、そして、潔く背を向けて、ゆったりとした歩調でその場を去りました。後に
は強い男の精気がいつまでも残っていました。由美子は大きく深呼吸して、男の精気を胸一杯に収
め、不可解な、笑みを浮かべて、ゆっくりとドアーを閉めました。


それっきりの縁ですが、村上のすさまじい精気を由美子はしっかり覚えていたのです。そして、村上
も今はっきりと彼女を思い出している様子なのです。もちろん、男も女もそんなことは口にしません。