フォレストサイドハウスの住人達(その16)
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鶴岡次郎
2016/11/16 (水) 14:42
No.2926
FSマンション、1614号室の住人である浦上千春は、同じマンションに住む坂上咲江のことが心
配でたまらないのです。咲江と千春は同じ幼稚園に通う子供を持つママ友で、万事に派手な千春と、
全てに控えめな行動を好む咲江と、外見同様、性格も正反対に思えるのですが、どうしたわけか、奇
妙に気が合って、夫に話せないことでも互いに話せる親しい関係を持つようになっています。

咲江の悩みはズバリ浮気なのです。ある日、短大の同窓会に出て、華やかに活躍する現役OLの同窓
生を見て、咲江はかなり大きな失意を抱いて帰宅する途中でした・・・。暗闇の街角で村上総一郎と
正面衝突して膝に傷を負ったのです。現場の近くにある村上の事務所で手厚い手当てを受けた咲江の
心に村上の親切は染み込みました。

咲江と村上はそれから数日後、女の方から積極的に動いて体の関係を持ちました。村上は50歳前
後、飲食店、特に夜の商売専門店を相手に店内装飾、備品類を扱う専門店を経営していて、従業員数
人を抱え、堅実な商売をやっているのです。小さいながらも、会社の社長ですが、どうやら経歴を辿
ればズブの素人と思えないところもある不思議な人物です。

今まで夫しか知らなかった咲江は、村上に抱かれてその魅力の虜になりました。別れよう、忘れよう
とするのですが、一度体で覚えた快楽はどんなに抵抗しても、咲江の足を村上のアパートに向けるの
です。こうして、ずるずると・・、一年余りが過ぎました。

夫を職場に送り出し、小2の長男が登校して、長女を幼稚園バスに乗り込ませると、咲江は一人にな
ります。そんな時、襲い来る村上への思慕、体の疼き、その感情に比例して高まる自己嫌悪感と罪悪
感、その狭間で咲江はほとんど気が狂うほど悩むのです。

そんな咲江の相談相手になったのが浦上千春です。咲江は千春に全てを告白していました。も
し・・、千春に告白出来ていなかったら…、咲江は自ら命を絶つ道をとっくに選んでいたと思えるの
です。

親友、千春の存在があっても咲江の苦悩は日々募りました。村上と別れることが出来ればすべて丸く
収まるのですが、その簡単な決断が咲江にはどうしても、できないのです。咲江の苦悩を見るにつ
け、千春は、いっそのこと夫、坂上夏樹と別れて村上と一緒になればいいとさえ考えるようになり、
最後にはそのアドバイスをしようと思い始めていて、そのタイミングがもうすぐ来ると思っていたの
です。

咲江の悩みを、鶴岡由美子と美津崎愛に千春は話しました。千春から一通り話を聞いた由美子と愛
は、咲江の事件は、一種の熱病にかかったようなもので、今の咲江では正常な判断が出来ない、離婚
などとんでもないという意見を出しました。
離婚は最後の手段だと千春も考えていて、由美子と愛のアドバイスどおり、一時的でもいい、一度咲
江を熱病から解放することが先決だと考えるようになったのです。

こうして、三人の女が力を合わせて、村上のセックスにどっぷりつかり込んで自分の進路を見誤って
いる咲江の目を覚まさせることを決めたのです。さて・・、いかなる作戦を三人の女は展開するので
しょうか・・

毎度申し上げて恐縮ですが、読者の皆様のご意見、ご感想は『自由にレスして下さい(その11)』
の読者専用スレにご投稿ださい。多数のご意見を待っています。    

また、文中登場する人物、団体は全てフイクションで実在のものでないことをお断りしておきます。
卑猥な言葉を文脈上やむを得ず使用することになりますが、伏字等で不快な思いをさせないよう注意
しますが、気を悪くされることもあると存じます。そうした時は読み流してご容赦ください。

発表した内容の筋を壊さない程度に、後になって文章に手を加えることがあります。勿論、誤字余脱
字も気がつけば修正しています。記事の文頭と、文末に下記のように修正記号を入れるようにしま
す。修正記号にお気づきの時は、もう一度修正した当該記事を読み直していただけると幸いです。

・〈(1)2014.5.8〉 文末にこの記事があれば、この日、この記事に1回目の手を加えたことを示
します。
・〈記事番号1779に修正を加えました。(2)2014.5.8〉 文頭にこの記事があれば、記事番号1779
 に二回目の修正を加えたことを示し、日付は最後の修正日付です。ご面倒でも当該記事を読み直し
ていただければ幸いです。