フォレストサイドハウスの住人達(その15) 
28 フォレストサイドハウスの住人達(その15)(522) 
鶴岡次郎
2016/11/13 (日) 15:32
No.2924
「村上に匹敵するたくましい男を見つけ出し・・、
その男を咲江さんに与える…、
これで咲江さんの情欲はかなり癒されるはず…・」

「咲江がうらやましい…」

好色そうな笑みを浮かべ千春が言っています。

「残された課題は咲江さんの中にある村上への思いね…
咲江さんはその思いを愛情と勘違いしているはずだけれど・・、
彼への思いを決定的に消すことが次の課題・・。
それには咲江さんの心に直接働きかける手段が必要になる・・・」

「心に直接働きかける手段ね・・・、
体の欲望を治めるのと違い、
恋しい男を忘れるのは、女にとって難しい…・」

愛が困った表情でつぶやき、千春も頷いています。

「こんなのどうかしら・・・
有ること、無いこと・・、村上の女癖の悪い噂話を作り出して、
例えば、近所の人妻を抱いているとか・・、
そんな作り話を咲江さんに吹き込むのはどうかしら…、
でも・・、ダメね・・、
人の噂くらいでは咲江さんの心は動じないはず・・」

アイデアを出していながら、その場でその案を否定している愛です。

「咲江さんの中にしっかり築かれている村上のイメージを壊したい・・、
荒療治でもいい・・、どんな汚い策を弄しても良い、
村上を陥れ・・、咲江さんの目の前で大きな失敗を犯させる・・、
それによって、村上への熱い思いに、水をかけるのよ・・・」

そう言いながらも、由美子自身、いいアイデアが思い浮かばないのです。

「『こんなだらしがない男なのだ…』と、
咲江さんが悟れば成功よ・・・、
そうなれば、村上へ傾斜した心を、
咲江さんは彼女自身で立て直せると思う・・・。
何か・・、いいアイデアがないかしら…?
村上を陥れる工夫が・・・」

困り果てた様子で由美子が千春と愛に質問をなげかけているのです。そうはいっても、生身の男、
それもかなりのやり手の男を陥れる案など、愛と千春に簡単に見つけ出せるはずがありません、し
ばらく静寂が続きました、由美子が大きな吐息を吐き出し、口を開きました。

「やはり・・・、これしかないわね・・・
ちょっと汚い手を使うことになるけれど…・
仕方ないわね・・・、
今の私にはこのアイデアしか浮かばない・・・」

愛と千春の表情に笑みが戻っています。由美子が導き出す答えを二人はずっと待っていたのです。

「私が考えた作戦を聞いてほしい…、
私たち三人の力だけでは難しい作戦だけれど、
千春さんの旦那様、そしてUさんの力を借りれば何とかなると思う・・・」

由美子はかなりの時間を割いて、愛と千春に作戦を披露しました。

「素晴らしい・・、さすが、由美子さん・・、
作戦を聞いて、何とかなりそうな気がしてきた…、
そうはいっても、由美子さんの役割は本当にきつそうだけれど・・、
勿論、私も、主人も頑張ります…」

由美子の説明を聞き終わった千春の表情が明るくなっています。

「千春さんご夫妻には、大いに働いてもらうことになりそうね・・、
今回の作戦では、ある意味、お二人が主役になると思う・・・。
お互い頑張りましょう…」

三人の女が両手を差し出し互いに固く握り合いました。咲江と彼女の一家の幸せのため、三人の女は
力を合わせ、セックス作戦を展開することになったのです。