フォレストサイドハウスの住人達(その14)
7 フォレストサイドハウスの住人達(その14)(462)
鶴岡次郎
2016/05/23 (月) 16:41
No.2858

「由美子さんの説明を聞いて、ようやく判りました。セックスを神事に近い神聖な行為だと考えてい
るからこそ、総会の恒例行事として、当番組長夫妻が夫婦の営みを皆に披露するのですね。その行為
を見せることで、組員相互の固い絆を皆で確かめ合う、そんな意味がセックスショウに隠されている
のですね・・」

「当番組長夫妻がセックスショウを演じるのは昔からの習慣で、千春さんが言うような意味があると
はこれまで考えたことはなかったけれど、千春さんに言われて、なるほどと思いました。私以上に千
春さんは私たちの生き方を理解できているのかもしれない・・」

「いえ、いえ、私など・・、思い付きを口にしただけです・・。
それにしても…、
宴会でセックスショウを堂々と演じた九州の組長夫婦は慣れているのですね・・、
その経験がなかったら、絶対人前ではセックスできないと思う…
緊張して、立つモノは立たないし、濡れるモノも濡れないと思う…・」

人前でセックスすることにかなり興味がある様子で、千春がきわどい感想を言っています。

「博多の組長、鳥越さんのことね・・、
私は庄司さんと呼んでいるのだけれど・・・、
彼は・・・、50歳に近いけれど、すべての面で、バリバリの現役だし・・、
交わりを他人に見られることなど気にもしない人…、
・・と言うより、どちらかと言うと見せたがる方ね…・、

鳥越夫人の達子さんは、もともとずぶの素人さんだけれど、
この社会の水が合ったのでしょうね、組織に入った時から生き生きしていた。
この時のシロクロショウでも、達子さんがずっとリードしていた…・」

「女性には別の心配がありますね・・・、
見せたい、見てほしい・・、と思う気持ちが強くても・・・、
自分の体が見世物に耐えるかどうかも気になりますよね・・
お話を伺っていて、私・・・、
一度はセックスショウをやってみたいと本気で思っていますが・・
私にできるかどうか自信がありません…」

「先日のトラックの中での様子から判断して・・・、
千春さんならこの社会で十分生きて行ける素養があると思う・・・、
そして・・・、体の線も、セックスの技術も十分に鑑賞に耐えると思う…・
ふふ・・・・」

「あら・・、そうですか…
そうだと、うれしいんだけれど…・」

千春が嬉しそうに返事をしています。

「ところで由美子さんも・・、
その・・、シロクロショウ・・、
いえ・・、大勢の前でセックスを見せたことはあるのですか・・?」

「あるよ・・・、何度も…・
これでも現役だからね・・・、
年に数度、そんな機会が訪れてくる・・・」

「へえ…、そうなんだ…・、
何度も人前でセックスをしたことがあるのですね…・・・、
うらやましい……」

本気でうらやましそうな表情を隠さず、千春が言っています。

「やれ、やれ・・・、
お二人は本物のヘンタイだね・・・、
人前で夫婦の営みを披露するなんて・・、思っただけで恥ずかしくなる…
でも・・、体に自信があれば・・・、確かに…・、
見せたいと思うかもね…」

愛がややあきれた表情で由美子と千春を見ています。

「質問はそれだけ…?
では、話を続けるね…・
庄司さんと達子さんの営みが終わったところまで話したね…」

千春がこっくり頷いています。