フォレストサイドハウスの住人達(その14)
33 フォレストサイドハウスの住人達(その14)(488)
鶴岡次郎
2016/08/01 (月) 16:04
No.2886

「千春さんの話を聞いた時・・・、
はっと、ひらめきが走った…・、
すさまじい精気を発散させていたあの男の正体は・・・。
もしかしたら、佐王子さんでは・・と思った・・
彼が佐王子さんであれば・・・・、
彼が出てきた家は千春さんのお宅である可能性が高いと思った…」

「・・・・・」

愛がびっくりして千春の顔を見ています。千春は冷静な表情です、由美子の話の先が読めているの
でしょう。

「そんな偶然あり得ないと思ったけれど・・・、
冷静に考えれば・・・、
彼ほどの精気を持った男は世の中にそんなに多くないからね・・
あの男が佐王子さんであってもおかしくないと思いなおした・・・
それで、失礼だとは思ったけれど・・、
千春さんに思い切ってかまをかけた質問をした・・」

「由美子さんには何も隠せませんね・・・、
ご推察の通り、その男は佐王子さんです…。
そして、佐原さんの隣家が私の家です・・・・」

「誰からも教えられていない千春さんのお家を由美子さんが見事言い当てた時には驚いたけれど、
こうして種明かしを聞けば意外と簡単なことだったのね・・・、スケベーな由美子さんが佐王子さ
んの精気を感じ取ったのが始まりだった・・」

愛が感心した表情でつぶやいています。そして、何事か気が付いた様子で、声を高めて言いました。

「それにしても・・、不公平だとは思わない…?
由美子さんは男の精気感じ取って濡れ始めていたと言うのに、
一緒に居た私は何も感じ取れなかった・・・、
同じ女に生まれてこんな不公平なことがあってはいけない・・・
神様に文句を言いたい・・・・」

愛が憤慨し、由美子が艶然と笑っています。愛の憤慨ぶりを見て千春も笑っています。

「笑っているけれど・・、千春さんは腹が立たないの…?
エッ・・・、まさか・・、千春さんもなの・・・、
同じ能力を持っているの…?
男のアレが勃起しているのを感じ取れるの・・・・」

「ハイ・・・、私も・・、時々・・、
これがそうかな・・と、漠然と感じることがあります…。
特に・・、スケベーな気分になった時は・・、
敏感に男の精気を感じることが出来ます・・」

「へぇ…・、そうなの・・・
お二人ともすごいね・・・」

愛が感嘆の声を出しています。

「お二人には男根の様子が手に取るように見えるのね・・・、
それじゃ・・、普通の女は到底、かなわないよ・・」

男性の精気を離れた場所に居ても感じ取ることが出来る上、興奮した男性の勃起状態を、その姿を透
視しているように正確に由美子は察知できるのです。千春はどうなのでしょう。もう少し、修行を積
めば由美子の域に到達するのかもしれません。

「この能力は女なら誰でも持っていると思っていました…。
そんなに珍しいものなんですか・・・」

真面目な表情で千春が愛に聞いています。

「そうだよ・・、とっても珍しい能力だよ・・・、
あなた方は特殊能力の持ち主だよ、
女の誰もがそんな力を持っていたら・・、
スケベー女が手当たり次第勃起した男を襲うようになって、
きっと、世の中は乱れると思う・・・」

「あら、あら・・、そんなことになったら大変・・・」

三人の女がまた大笑いしています。