フォレストサイドハウスの住人達(その14)
30 フォレストサイドハウスの住人達(その14)(485)
鶴岡次郎
2016/07/24 (日) 14:05
No.2883

「それにしても、濡れる、濡れないの話は、
どうやらお二人には無縁の心配だったね・・・、
むしろ濡れ過ぎが心配かもしれないね・・、フフ…・」

「はい…、
おっしゃる通りです…・」

看護師長の質問に答える患者のように素直に千春が答えています。

「あら、あら・・、正直ね…・、
その様子では・・・、
潮を吹いたりするのでしょう…」

「毎回ではないですが・・・、
かなりの頻度で噴出します。
後のことが心配で、バスタオルは手放せません・・」

「やれ、やれ・・・、
『・・濡れない時はどうするの・・』など、
お二人に余計な質問をした私がバカだった…、
どんな男と接触しても、お二人は十分濡れるのね…・、
由美子さんも当然・・、汐吹が売り物なのでしょう…?」

照れながら由美子が軽く頷いています。

「お二人とセックスの話をしていると、
私とは次元が違い過ぎてさみしくなってしまう・・・。
同じ女に生まれていながら、こんなにも違うんだね…」

「・・・・・・・」

しんみりと話す愛に、由美子と千春は言葉を返すことが出来ません。

「ああ・・・、ごめん、ごめん…、
私としたことが、僻みっぽい話をしてしまった…。

さあ・・、由美子さん・・・、
あなたのエロい話に戻りましょう…
たしか・・・、
千春さんの部屋番号を見事言い当て、その訳を説明する途中だったね・・」

愛が話題を変えようとしています、

「そうですよ、私・・・、びっくりしてしまった…
てっきり、部屋番号を知った経緯が聞けると思っていたのに・・、
イケメン中年と公園で遭遇した話になったでしょう・・、

それから濡れる濡れない話に飛び・・、
私・・・、汐吹まで白状することになった・・・・。
由美子さん・・、当然、その方と寝たのでしょう…・・」

愛の誘いに乗り、雰囲気を盛り上げようとしているのでしょう、千春が口を開き、明るい声を出し、
笑いながら由美子をからかっています。

「その日は寝ていない・・」

「やっぱり・・、最終的には寝たんだ…」

「うん・・、もう・・・、
話の主旨は、男と寝た、寝ないかの問題ではないでしょう・・、
あなたの部屋番号を私が知った経緯を説明することでしょう…、
変なことを言うから、話の続きを忘れてしまう…
…で、どこまで話したかしら…」

女性同士の会話の常で、話題は縦横に飛び跳ねますが、この時も不思議なことに元の話題に戻ってい
ます。