フォレストサイドハウスの住人達(その14)
3 フォレストサイドハウスの住人達(その14)(458)
鶴岡次郎
2016/05/12 (木) 11:19
No.2854

3泊4日の予定で総会は開かれました。全員が紋付羽織袴、きらびやかな留袖の正装で総会に臨みま
した。大広間の正面中央に総組長代理の由美子が座り、コの字型に32人の組長が座を占めました。
総会本部から提案された盛りだくさんの決議事項を全組長が審議し、本部提案どおり議事は決まりま
した。由美子は総長名代を見事にこなしました。

「来年からは親分抜きで、姐さんの出席で総会を開催しませんか…、それの方が万事うまく進みそう
ですね…」と揶揄が入るほど由美子の総長代行は好評だったのです。そして、翌日の市内観光旅行を
控えた前夜、打ち上げの宴会が開かれました。

三日間の審議に使用した大広間にご馳走が並べられ、浴衣姿の組長とその連れ合いが出席して宴会が
行われました。この宴会を楽しみにこの総会へやってきた組長たちもたくさんいるのです。

正面の由美子の側に50歳代か・・、それとももっと若いか・・、いずれにしても年齢不詳の男が据
わっています。どうやら地元の九州支部が由美子の接待係としてその男を侍らせているようです。昼
間の会議にはこの男は出席していませんから、この男の接待の仕事は夜の相手が主要な役目になりま
す。外見を見る限りではその性的能力はよくわかりません、むしろひ弱な男性に見えます。それで
も、みんなが知っている性豪由美子の接待相手に選ばれた男ですから、それなりの男に違いありませ
ん。

面長、痩せ型であまり風采の上がらない中年男ですが、さすがに由美子への対応にそつはありませ
ん。女性の接待に慣れた様子を見せています。

由美子達幹部を中央にして、両翼に組長たちがコの字型に座り、由美子達の正面に舞台が設けられて
いました。地元芸者の踊、地元芸人の座敷芸の披露があり、外部の者が全員引き揚げた後、舞台は突
然暗転しました。それまでがやがやと騒いでいて座がシーンと静まり返りました。

スポットライトが舞台の中央を丸く照らし出しました。浴衣姿の男女が座っていました。その側に布
団が一枚敷かれていました。浴衣姿の男女は九州博多地区の組長とその夫人です。総会を仕切る幹事
担当組です。鳥越庄次50歳、その妻、達子35歳です。会場から拍手が沸き上がりました。

「組長・・・、チ○ポは大丈夫ですか!」

「姐さん・・、奇麗ですよ・・・」

「親分にはもったいない・・・」

「ああ・・、俺が抱きたい…」

いろんな方向から野卑な掛け声がかかっています。そん声を完全に無視して、舞台の二人は真剣その
ものです。庄次は元港湾人足で、180センチをはるかに超える大男です。スキンヘッドで文字通り
鬼のようにいかつい顔をしています。肉体は惚れ惚れするほどで、要所要所が締まっていて、身体を
動かすと、遠くからでも筋肉の動きが判るほど発達しているのです。

達子は庄次にとって三人目の連れ合いで、三年前OLだった達子を街角で見て、一目ぼれした庄次が
その日の内に強引に関係を持ち、情婦に仕立て上げたとの噂があります。身長160センチ程度で、
華奢な体つきで庄次に抱かれると折れるのではと心配になるほどです。ただ、バストは立派で恐らく
Fカップ以上は確実にあると思えます。そのバストに庄次が一目惚れしたといわれているのも納得で
きます。

長い黒髪を後で無造作に束ねています。目が細く、唇が薄く、なんとなく寂しそうに見えるのです
が、男を惹き付けるある種の魅力を備えた美形です。よく見ると着けている浴衣地は後ろが透けて見
える特殊な凝ったもので、豊かな乳房も、濃い陰毛もはっきり見えるのです。