フォレストサイドハウスの住人達(その14)
28 フォレストサイドハウスの住人達(その14)(483)
鶴岡次郎
2016/07/20 (水) 11:20
No.2881

「それ・・、当たっているかも・・・、
経験が少ない分、妄想が凄いから、この人・・」

笑いながら由美子が千春の言葉に同調しています。

「ええ・・、そうですよ、おっしゃる通りです…。
私は妄想の塊・・、根っからのスケベーです…。
そのスケベーな私から、お二人に質問します・・」

「おお・・、怖い・・・、怖い・・・、
どんないやらしい質問が出てくるのかしら…」

少し開き直った様子を見せている愛です。千春が大げさに頬を両手で押さえています。三人の女は
きわどい話に酔いしれています。

「先ほどから演技の話が出ているけど…、
演技で声を上げるのはいいけれど・・、
体が濡れていなかったら、直ぐに相手にバレるでしょう…」

「・・・・・・・」

由美子も千春も一瞬キョトンとした表情で愛を見つめています。愛の質問の意味が二人にはよく理
解できない様子なのです。

「どうしたの・・、
私の質問の意味が分からないの…?
アソコが濡れていなかったら・・、
困るでしょう・・。
そんな時はどうするのかと聞いているのよ・・
濡れてもいないのに、声を上げるのは変でしょう…・
相手だってバカでないから、演技だとすぐに判るわよ…・」

由美子も千春も質問の意味がようやく判ったようで、あいまいな表情で控えめに頷いています。

「でも・・・、濡れないことはない…」

「・・・・・・・・・」

由美子が低い声で短く答え、千春が軽く頷いています。今度は愛が由美子の言葉の意味が良く判らな
い表情を浮かべています。そして、数秒後、愛が突然笑い出しました。

「アハハ………・・」

かなり大げさに笑っています。当惑した表情を浮かべ由美子と千春が愛を見つめています。

「ゴメン・・、ゴメンナサイ・・・、
笑うところではないわね…・・。
お二人とも、男に抱かれれば、直ぐに濡れるのね・・、
男に抱かれて濡れない女などこの世に居ないと思っているのでしょう・・、
濡れない女の気持ちをお二人に聞いたのは間違いだったのね…・」

「・・・・・・・」

由美子と千春が黙って愛を見つめています。二人とも愛に責められている心境になっているのです。

「お二人には理解できないことだと思うけれど…、
男に抱かれ、触られても、かなりの女が濡れないことが多いのよ・・・、
無理やりやられて、接触の激痛でセックスそのものが嫌になる女もいる…。
私はそんな女をかなりの数見てきた…」

「・・・・・・」

由美子も千春も神妙な表情で聞いています。当然のことですが、愛の説明を十分理解し、そうした
境遇に居る女たちに同情を寄せているのです。