フォレストサイドハウスの住人達(その14)
24 フォレストサイドハウスの住人達(その14)(479)
鶴岡次郎
2016/06/30 (木) 15:27
No.2877

「女として生まれたからには・・、
男にとことん惚れぬき・・、
抱かれたら・・、その場がかなり異常な状況でも・・・、
セックスの中に溶け込み、身も心もとろける気分になりたい…。

快楽に溺れて、道を踏み外すことがあっても、
女としてその瞬間一番輝いていたことを慰めにして、
その結果を潔く受け入れる覚悟を忘れないようにしたい・・。

そのためには日ごろから、
お二人のように・・、いつも男を求め続け、
男に限りない愛情と関心を持つこと・・・、

そして、抱かれたら…、
お二人のように・・、誠心誠意、殿方に尽くし、
体は勿論、心も、ぐっしょりと濡らす習慣を身につけること・・・・。

私には到底できないことだと判っているけれど、
これがスケベーなお二人から学んだことです・・・」

「愛さん・・、すごい…
私が日ごろ何となく感じていることをこんなにうまく表現するんだもの、
愛さんは政治家になれるよ…・」

大感激して千春が拍手しています。由美子も同感の様子です。

「私・・・、愛さんに言われて、目の前が明るくなりました・・。

主人のお許しを得ているのをいいことにして、
主人の留守を狙って、昼間、愛人を部屋に引きずり込み、激しく抱かれ・・・、
それだけでは足りなくて、ソープ勤めで不特定多数の男を相手にしています・・。

まともな人から見ると、信じられないほどみだらな生活を送っています。
それでいて、何も恥じず、後悔もしていないように見えると思いますが、
私・・、心の中でいつも主人や、世間に大きな負い目を感じているのです・・・・」

千春が少し涙ぐみながら話しています。慈悲深い瞳で愛が千春を見ています。

「私の体は異常なんだ・・、
だから・・、お目こぼしをいただいているのだ・・。
そう思って、いつも肩身の狭い思いをして暮らしているのです・・」

千春は日ごろの悩みをすべて吐き出す気持ちになっている様子です。由美子と愛がゆっくりと頷いて
います。

「でも・・・、愛さんの言葉を聞いて・・・、
私、目の前が開けた感じです…。
愛さんのおっしゃることは・・・、
主人がいつも言っていることと、同じなんだと思いました・・」

千春の表情が生き生きとしています。