フォレストサイドハウスの住人達(その14)
18 フォレストサイドハウスの住人達(その14)(473)
鶴岡次郎
2016/06/13 (月) 13:11
No.2869

「忘れないでください…、
今夜から明日一杯・・、姐さんは俺一人のものです・・」

「そうよ・・・、私はあなた一人のものよ・…、
好きにして・・、
何でも言うとおりするから・・・、
ああ・・・、うれしい・・・ィ・・・
二人きりの時は・・・、由美子・・、と呼んで…」

「はい・・・、そうさせてください…
由美子は・・、今夜俺一人のモノだ…」

「はい・・、ご主人様・・
思い切りかわいがってください…、
ご主人様の命令であれば、私・・・、
どんなことでもやり抜きます…、ああ・・・・」

二人は抱き合い、激しく唇を吸っています。ベテラン竿師に似つかわしくない甘い言葉を吐く彼自身
を佐王子は内心で笑いながら、今清めたばかりの由美子の女体を抱きしめているのです。


翌日、市内観光が準備されていたのですが、由美子はそれをパスして佐王子と過ごすことにしまし
た。電話でその旨、幹事である鳥越組長に連絡したのです。

「姐さん・・、判りました・・、
昨夜は大活躍でしたから、お疲れでしょう・・。
ゆっくり休んでください、
東京の親分には、お帰りは遅くなると伝えておきます」

電話の向こうで上機嫌で鳥越が話しています。彼も大任が終わりホッとしているのです。

「勝手を言ってスミマセン…、皆様によろしくお伝えください…。
午後の便でまっすぐ帰る予定ですので、改めてご挨拶を申し上げる機会がないと思います。
電話で失礼とは存じますが、お礼とお別れの挨拶を申し上げます・・」

「ご丁寧なお言葉痛み入ります…、
みんなに姐さんの言葉を伝えておきます。
お見送りは佐王子一人となりますが、お気をつけてお帰りください。
佐王子はよくしつけてありますから、お気に召すと思います。
遠慮せず、存分に使ってください・・・」

「何から何まで痛み入ります…、
鳥越組長のおかげで総会を無事乗り切ることができました。
何とお礼を言っていいか、言葉がありません・・・・」

「なんの・・・、姐さんのお役に立ててうれしいのです…。
ただ・・・、心残りなのは・・・」

ここで言葉を切りました。電話の向こうで鳥越がガサゴソと何やら手を動かしている音だけが聞こえ
ます・・。

「組長・・、もし、もし・・
心残りなことって・・・、何ですか・・・・」

「ああ・・、失礼しました…。
姐さんの声を聴いていると我慢できなくなったのです…」

どうやら自分のモノを取り出して擦り始めている様子です。こうしたことは珍しくないので勘良く由
美子も察知しています。鳥越の携帯は旧型ですから、ビデオ映像が送れないのです。