フォレストサイドハウスの住人達(その14)
10 フォレストサイドハウスの住人達(その14)(465)
鶴岡次郎
2016/05/26 (木) 14:41
No.2861

「由美子さんが嘘を言っているとは思えないけれど…、
彼との交わりがそんな形で由美子さんの記憶に残っているとすれば、
それではあまりに佐王子さんがかわいそう…。
いいですか・・、
私と彼のことを少し話します・・・。
それを聞けば少しは佐王子さんの凄さが判っていただけると思います・・」

「・・・・・・・・」

ここは黙って千春の言うことを聞くべきだと思った様子で、由美子が黙って頷いています。

「忙しい時間をやりくりして私の家へ来ると・・。
玄関で私を優しく抱きしめ、
とろけるようなキッスをたくさんしてくれる。
それだけで私は立っていられないほど感じている…。

そして・・、しばらく会わなかったことを謝罪しながら・・、
私の衣服をはぎ取り、下着姿にして、体の隅々まで優しく摩ってくれる…。
指使いがとってもうまいの…、
そこが玄関先だと判っていながら、私は・・、すごく濡れ始めている・・・」

「いいわね・・・、
セックスの出前と言う感じね・・・、
女にとって・・、いえ、男に接する機会の少ない主婦には、
理想的な条件ね・・。本当にうらやましい・・」

愛が本音を吐き出しています。

「たまらず下着を私自身が剥ぎ取り、板の間に体を投げ出す・・、
彼も裸になって、さらに熱いキッスを浴びせてくる…、
やがて・・、唇が移動を始める、顔、首、背中、そして乳房・・・、
下半身に唇が移動する頃には、私は数度天国へ行っている・・・・」

座布団の上で正座していた千春が、脚を崩し、両脚をこすり合わせるしぐさを見せ始めています。

「ああ・・・、堪らない・・・、
こうして話しているだけでも感じる・・」

自身の言葉に刺激されて、欲情してきたことを隠そうとはしません。それだけ千春は冷静さを失って
いるのです。由美子と愛は苦笑を浮かべて千春を見ています。千春の話を聞いている二人もそれなり
に興奮しているのです。

「そして・・、十分に体が潤ってくるのを確かめて、挿入してくる…。
この瞬間が女にはたまらないのよ…・、
それからよ・・、彼が本領を発揮するのは・・・、

最初はやんわりと、時には激しく・・・、
全裸の私を折り曲げたり、ひっくり返したり、
考えられる限りの体位で攻めてくる…、

何度も、何度も、高みに引き上げてくれて…、
もういいと言っても、許してくれなくて・・、
私が泣き出して、最後には気絶するまでしてくれる…・。

決して、短時間で、女を突き放すことはしない・・
私との絡みでは普通、二時間は抱き合っている・・・・」

「・・・・・・」

興奮した千春が佐王子への賛歌を止めないのです。このまま放っておけば何を言い出すか見当もつき
ません。困った表情を浮かべて由美子が無言で愛に助けを求めています。愛は笑いながら、由美子か
ら顔をそらしています。この問題には愛は首を突っ込まないと由美子に宣言しているのです。佐王子
の素晴らしさを何とか由美子に伝えようとしている千春を由美子は少し持て余しているのです。