フォレストサイドハウス(その13)
20 フォレストサイドハウス(その13)(435)
鶴岡次郎
2016/03/16 (水) 09:51
No.2826
ホテルに着くと男と女はシャワーを使いました。バスタオル一枚を身にまとった男と女がベッドサイ
ドに立ち、見つめあっています。男はかなり身長が高く、学生時代柔道をやっていたというだけ
あって、筋肉が盛り上がった見事な体をしています。

「今でもはっきり覚えていますが・・・、
裸で向かい合った時・・、彼の体からほとばしり出る体臭を嗅いで、
私・・、めまいと思えるほど・・、感じていました…」

「若いオスの香りは強いからね…」

「私・・、同年代の男性に抱かれたことは一度もなかったのです…、
いつも年の離れた男性が相手でしたから…
若い男性の香りは新鮮で、衝撃的だったのです…・」

「・・・・・・・」

千春は年の割には男性経験が豊富です。それでも、たくさんの男に抱かれていながら、若い男の香り
が新鮮だと言う千春の告白を聞いて、これまで歩んできた千春の人生に思いを馳せて、愛と由美子は
何も言えずただ黙って千春を見ています。
若い女性にとって、異性経験が豊富であるということは決して幸せなことではないのだと由美子も、
愛も改めて考えていたのです。

男の体から立ち上がる香気に千春は酔いしれていました。慣れ親しんでいる中年男たちの加齢臭とは
異なる、干し草の香りに似た野生的な異性の香りに千春は衝撃を受けていました。シャワーを使った
直後ですが滴るほど濡れ始めているのです。

〈・・これが男の香りなんだ・・、
おじさん達の匂いも、決して嫌いではないけれど、
この香りを嗅ぐとさすがに違いを感じる・・・〉

男は千春の裸体の美しさに圧倒されていました。この時点で、彼のEDは完全にその姿を消していま
した。腰に巻いたバスタオルが大きな棒を入れたように持ち上げられているのです。ようやく浦上の
中から亡妻の影が消えたのです。

男はゆっくり女を抱きしめ唇を寄せてゆきました。目を閉じた女がやや唇を緩めて男の接近を待って
います。唇が重なり合い、二人の舌が絡み合いを始めると、男の腕に力が入り始めました。 

背の高い千春ですが、浦上に抱かれるとつま先立ちになってしまうのです。強く腰を引き寄せられた
女がうめき声をあげながら男の唇を貪り食っています。彼女の口の端から二人の唾液が混じり合った
物が糸を引いて床に落ちています。女の乳房は男の厚い胸板で極限まで押しつぶされています。

男の片脚が女の両脚を割り、深々と入れ込まれ、女は進んで足を開いています。二人のバスタオルは
すでに床に落ちています。

「アッ・・」

女が悲鳴を上げました。大腿部に載せて男が女を持ち上げたのです。男の毛深い大腿部が亀裂に食い
込んでいます。女の悲鳴が断続的に続きます。亀裂からあふれ出た愛液が男の脚を濡らしています。
女をベッドの上にそっと下ろしました。女は両脚を開いたままで、うるんだ瞳で男を見つめていま
す。天を衝くほどに勃起した男根が女の視線を捉えています。

亀裂からあふれ出た透明な液がシーツに流れ落ちています。すべて準備が完了しています。男は
ゆっくり腰を下ろし、女の両脚を両手で握りました。女がうめき声をあげ、進んで脚を広げていま
す。待ちきれない様子です。

ここで男の動作が不自然に止まりました。女がいぶかしげな表情で男を見上げています。そして、女
は何事かを察知した様子です。

「今日は大丈夫な日です・・、
そのままで・・、浦上さんさえよければ・・、
中へ・・、中へ出してください…、かまいませんから・・」

ささやき終わった後、男から視線を外し、女は頬を染めています。安全日であることを告げたので
す。コールガールを始めた時、佐王子に医院を紹介され、避妊処理と消毒処理を受けることになり、
それ以来定期的にその医院に通っているのです。もちろん、医院側は千春の職業を良く知っていて、
あらゆる便宜を払ってくれているのです。

まさか浦上に避妊処理をしていると告げることが出来ませんから、安全日だと伝えたのです。実のと
ころは、一番欲情する時を迎えていて、本来であれば今が一番危険な時期なのです。