フォレストサイドハウス(その13)
10 フォレストサイドハウス(その13)(425)
鶴岡次郎
2016/02/29 (月) 12:53
No.2816
ここまで話して、千春は二人の女を見つめて質問して来ました。それは彼女自身への問いかけでも
あったようです。

「まともな仕事があるのに、何を好んで、コールガールに落ちるなんて・・と、
由美子さんも、愛さんも、思われるかもしれませんね・・・・、
軽蔑されるのは当然だと思います。
他の人が同じことをしていたら、私だって軽蔑しますから…。

でも・・・、その仕事を始めて、私・・、
はっきりと悟りました、売春は私の天職だと思いました・・・」

コールガールに堕ちたことを決して悔いていないと千春は主張しているのです。由美子も、愛も、
黙って聞いています。

「どうやら、お二人は私の考えに同感できない様子ですね・・。
ご理解いただけないのは、当然のことです…。
でも・・、誰かに理解してほしい・・、
理解できなくても・・、軽蔑しないでほしいと・・私は思っているのです・・」

千春がコールガールを天職だと言い放ったことに、由美子も、愛も納得いかない表情をしているのを
見て、千春はさらに説明を続けようとしています。

「お二人には隠さず何もかも話します。
私・・、いつでも男に抱かれたいと思っているのです。
いつも体を濡らしている状態です…。

自分でも異常体質だと思う時があります…。
汚い話ですが、生理の時だって、相手さえその気になってくれるのなら、
私は喜んで男を受け入れたいと思っているのです・・」

尋常でない情欲に悩まされていることを赤裸々に千春は告白しているのです。由美子も、愛も、真剣
な表情で聞いています。

「売春の仕事を始める前は、いつもうずく体を抱えて悩んでいました。お店でシューフィッテイグし
ている時、男の香りを身近で嗅いだりすると、私の中の女がうごめくのです。そうすると・・、盛り
のついたメスになって、媚を売ってしまうのです。

ワンピースのボタンをほとんど全部外し、タイトスカートの裾を高く巻き上げるのです。ほとんど下
着を丸出しの状態になるのです、男欲しさに自然と体が動いてしまうのです。最初はチラチラ見てい
た男たちも、二人きりの個室の中では大胆になります。

この女はやりたがっていると男には判るのですね、男たちは例外なく手を出してきて、抱きしめ
キッスをするのです。そして、彼の手がスカートの下へ伸びて、その手を私が拒否できないでいる
と、迷わず奥へ進むのです。そこは恥ずかしいほど濡れていますから、男たちは容赦しません、
ショーツのボトムをかき分け、恥ずかしい部分に指を入れてくるのです。

それを私も待っていたわけですから、ここまで来ると歯止めが利きません、男も女も店の中での異常
な絡みに極度に興奮して、あっという間に最後まで行ってしまうことになるのです。毎回おびただし
い精液を浴びせかけられますから、お客を送り出した後は急いでロッカー室へ戻り、下着は勿論、時
には制服まで着替えをすることになります。大方の女店員はロッカーに下着類を常備しているものだ
けれど、お客とのセックスに備えて、下着類を準備している女店員って、なんだか滑稽で、哀れです
ね…」

「聞いている限りはドキドキする内容で・・、
私など、うらやましい気になるけれど、当の本人は真剣に悩んでいるのだね・・・、
ある意味、かわいそうだと同情してしまう…
でも・・、そんなことをしていては、他の店員にバレるでしょう…」

千春の話に同情している様子を見せ、愛が尋ねています。

「当然、仲間の店員たちの知ることとなります。店長に言いつけたりしませんが、彼らから蔑みの眼
で見られることになるのです。それでも男の体恋しさに堪えかねて、私はそんな仕事のやり方を続け
ていたのです。

少数ですが、私と同じように女を売るのが好きな子もいて、独りぼっちでなかったことも、この仕事
のやり方を続けられた理由だと思います。しかし、いつまでも続けることが出来ないと怯えていまし
た。内通され、警察に逮捕されるとか、そこまでいかなくても、退社勧告を受けることになると、い
つも怯えていました…」

愛と由美子と言う良い聞き手を得て、すさまじい情欲を千春は赤裸々に二人に話しています。おそら
く、こんなにあからさまに、体の悩みを他人に話すのはこの時が千春にとって初めてのことだと思い
ます。