フォレストサイドハウスの住人達(その10)
41 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(305)
鶴岡次郎
2015/04/15 (水) 14:10
No.2679

覚悟を決めているのでしょう、さわやかな表情で幸恵は口を開きました。

「これだけは絶対言わないでおこうと思っていたのですが・・・、
このまま別れることになれば、その機会もなくなると思いますので、
正直に申します…。

あなたのためだと思って、この世界に入りましたが・・、
途中から・・、この世界に居ることが好きになっています…。

毎日たくさんの男にちやほやされ、
抱かれて、喜悦の限りを味わい・・、
このニケ月間、私は幸せでした…」

佐原を喜ばせる技を身に付けたいと思って、ソープの世界に入ったのですが、たくさんの男達の愛撫に
溺れ、佐原を喜ばせる技を身に付けるという最初の目論見をとっくにクリアしているにもかかわらず、
幸恵は店を辞めなかったのです。もし、佐原が現れなかったなら、行き着くところまでこの世界で生き
てゆく覚悟さえ固め始めていたのです。この世界の水にどっぷりつかり、この世界で生きてゆくことに
生きがいさえ感じ始めていたのです。

「私は…」

「幸恵・・、
もう良い・・、もう良いんだ・・・、
もう・・・、何も言わなくても良い・・」

佐原がやさしく幸恵の言葉を遮りました。

「お願いだ・・、
僕の処へ戻ってきてほしい・・・」

「あなた…、
本当にいいのですか・・・・」

「・・・・・・・」

佐原は黙って幸恵を抱きしめました。二人はその場でしっかりと抱き合っていました。


しばらく抱き合っていたのですが、佐原がゆっくりと幸恵から体を離し、彼女の頬を両手で挟み込み、
囁くように口を開きました。

「幸恵・・、
いけないことをしてきた僕を懲らしめてほしい・・」

佐原が熱い目をして幸恵を見つめ、声を弾ませながら話しかけています。かなり興奮している様子です。
佐原の中でM男が首をもたげ始めているのです。

幸恵がゆっくり立ち上がり、佐原を見下ろしています。欲情する男を見て、どうやら幸恵の中にS老女
の魂が戻ってきた様子です。

「ああ・・、老女様・・、
悪い私に罰を与えてください…」

着ていた衣類をその場で脱ぎ取り、ショーツ一枚になり、幸恵の・・、いえ、老婆の手を握り佐原が懇
願しています。

男の手を振り払い、かなりきつい表情を浮かべ老女が口を開きました。

「薄汚い奴だ・・、裸では目障りだ・・、
これを着なさい・・、これがお前のような男にはお似合いだ・・」

老女がそばにあったワンピースを男に投げ与えました。花柄模様のミニのワンピースです。嬉々として
男がワンピースを身につけています。

「その汚いショーツを脱ぐんだ・・・」

男は言われたとおりその場でショーツを脱いでいます。その場に跪いた男のミニのワンピースの裾を持
ち上げ、勃起した男根の先端が老女を睨みつけています。

「その気になって・・、
一人前に、汚いチ○ポを立たせている・・・、
いやらしい奴だ…」

女が足を上げて男の肩を軽く蹴り、男が大げさな身振りで床に仰向けに倒れ込んでいます。老女が男の
体を踏みつけています。体重を加減して足をのせているのですが、ワンピース姿の男は大げさに四肢を
ばたつかせて大声を上げています。ガウンの下に老女は下着を着けていません、久しぶりに妻の股間を
見た男は更に興奮しています。

男も女も手慣れた様子で演技をしています。男にとっても女にとっても初めての演技相手ですが、二人
にとってはこうしたプレイは何度も繰り返してきた慣れた芝居なのです。

それから一時間余り、あたりに響くような喜悦の声を張り上げて二人はたわむれました。何度か挿入し、
女が数回逝った後、男が最後に女の中に精液を注ぎ込み、さしもの長い戦いも終わりを迎えました。二
人にとって、生涯最高のセックスになったことは疑う余地がありません。