フォレストサイドハウスの住人達(その10)
13 フォレストサイドハウスの住人達(その10)(277)
鶴岡次郎
2015/02/03 (火) 15:18
No.2648
幸恵の失踪に関連が濃いと由美子がほのめかしているのに、隣家の話題に佐原はそれほど関心を寄せな
いのです。どうやら目下の佐原の関心事は別のところにある様子です。由美子の質問が途絶えると佐原
が待っていたかのように口を開きました。

「ところで・・・、
由美子さん・・・、
私のこと・・・、どうして判ったのですか・・?」

「エッ・・、何が・・?
ああ・・、そのことですね・・・、
佐原さんが変態だと、どうして判ったのかという質問ですね?」

由美子がにっこり微笑み際どい言葉を発しています。

「変態とは酷い言い方ですね・・」

「だって・・、そうとしかいえないでしょう・・、フフ・・・、
良い女が目の前にいるのに、一向に手を出さないでいながら、
打(ぶ)たれて、おしっこを掛けると、一気に燃え上がったのよ・・・、
これは立派な変態でしょう…、フフ・・・・」

「まあ・・、そう言えばそうですが・・、
これには理由(わけ)があるのです・・。
話せば長い話になるのです・・」

情欲に中々火が付かない身体になった理由を佐原は由美子に告げるかどうか迷っている様子です。

「いいのよ・・、今・・、無理に話さなくても・・、
誰にだって他人に話したくない秘密の一つや、二つはある。
その話は、もう少し落ち着いた時、
その気になった時、ゆっくり聞かせてください・・」

「そうですね・・、
私の話はそんなに楽しい話でなく、気が滅入ることになりますからね…。
私の話よりも、由美子さんのことを聞かせてください。
どうして・・、私の妙な癖に気が付いたのですか・・・?」

「私の情夫は的屋の親分だと以前教えたでしょう…」

「そうでしたね・・、以前、愛さんのご自宅へ伺った時、その話を聞きました。
あの時以来、由美子さんの武勇伝には興味を持っていて、出来れば由美子さんからその話を直にたっぷ
り聞きたいと思っていたのです」

「武勇伝なんて・・、そんな大げさなものではありません…。
ただ、普通の女の人より、少しだけたくさんの男を知っている程度です・・」

「ご謙遜ですね・・、
たくさん男に抱かれただけでもすごいことですよ、
中には随分と珍しい癖を持った男達もいたのでしょうね・・、
由美子さんのことだ、いろんな男との間に・・、
さど・・、激しい攻防があったのでしょう・・・」

ガウンの下で佐原の男根が勃起し始めたのを由美子は感じ取っていました。どうやら癖のある男達に由
美子が弄ばれている情景を妄想して股間を熱くしている様子なのです。

「佐原さん・・、何か嫌らしい想像をしているでしょう…、フフ・・・・、
男達にいいように弄ばれ、犯されて・・、
悶えている私の姿を妄想しているのでしょう・・、

そうよ・・、いろいろな男に抱かれた・・・、
とても数えきれないほどよ・・。
怖い男、上手な男、変な男・・、でもみんな可愛い・・・」

遠くを見るような表情を浮かべて由美子が語っています。由美子の上を通り過ぎた数知れない男達の顔
を一人一人思い出しているのかもしれません。